JP2010248769A - 締結具、コンクリート母材への取付物の取付施工法、締結部構造 - Google Patents

締結具、コンクリート母材への取付物の取付施工法、締結部構造 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート母材を貫通する母材貫通孔と取付物に貫設されたボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔に通したボルトによってコンクリート母材に取付物を締結して取り付ける取付施工において、連通貫通孔の内部全体を充填材で埋め込むこと、充填材中の気泡混入も抑えることを容易にし、さらにナットの締め付けの作業性を確実に確保できる技術の開発。
【解決手段】充填材注入用の注入孔11cを有するボルト11と、ナット12と、エア抜き溝13aが形成された一対のワッシャ13とを具備する締結具10、これを使用してコンクリート高欄1にキャップ2を締結固定する締結工程の後にボルト11の注入孔11cを介して連通貫通孔4内に充填材5を充填する充填材注入工程とを具備する取付施工法、これによって得られる締結部構造を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、壁状あるいは柱状のコンクリート母材を水平方向に貫通する母材貫通孔と前記コンクリート母材に取り付ける取付物に貫設されたボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔に通して前記コンクリート母材及び前記取付物に貫通配置されるボルト(貫通ボルト)を備え、コンクリート母材に取付物を取り付ける作業に用いられる締結具、この締結具を用いてコンクリート母材への取付物の取り付け、及び充填材を用いた締結部の一体化を行うコンクリート母材への取付物の取付施工法、締結部構造に関する。
例えば、鉄道や道路のコンクリート高欄へのキャップ、遮音壁等の被固定物の取り付けにあっては、コンクリート高欄を貫通する貫通ボルトを用いて締結固定(被固定物の固定施工)する工法が広く採用されている(例えば特許文献1、2。非特許文献1)。
この工法においては、図11(a)、(b)、図12に示すように、コンクリート高欄110に水平方向に貫設された貫通孔111及びコンクリート高欄110に固定する被固定物120に形成されたボルト挿通孔121に前記貫通ボルト130の軸部131を通し、この貫通ボルト130の軸部131の前記被固定物120から突出させた先端部(軸部131の片端の頭部132とは反対側の端部)から貫通ボルト130の軸部131に螺着したナット140の締め付けによって、コンクリート高欄110に被固定物120を締結固定する。図11(a)、(b)、図12に示す被固定物120は、具体的には断面コ字状の金属製長尺部材であるキャップであり、前記ボルト挿通孔121は、キャップの天板部120aの両側から互いに平行に延出するように設けられた一対の側板部120bにそれぞれ貫設されている。
また、この工法にあっては、コンクリート高欄110と鋼板等の取付物(被固定物120)とを一体化させるために、図11(a)、(b)に示すように、前記貫通孔111及び前記ボルト挿通孔121が連通してなる連通貫通孔150を硬化性の液状の充填材160の注入により埋め込むことが広く行われている。前記充填材160としては、例えば、注入後の硬化によってエポキシ樹脂等の樹脂部を形成するための液状樹脂材料などが用いられる。
図11(a)、(b)に示したように、この充填材160による連通貫通孔150の埋め込みは、従来、ナット140の締め付けによってコンクリート高欄110に被固定物120を締結固定する前に、前記連通貫通孔150に挿入した配管170(充填材注入用配管)からの注入によって充填材160を連通貫通孔150に充填する手法が採用されている。そして、連通貫通孔150への充填材160の充填(充填工程)が完了した後、ナット140の締め付けによってコンクリート高欄110に被固定物120を締結固定する作業(締結作業)を行う。この締結作業が完了すると、貫通ボルト130の頭部132とナット140とによって連通貫通孔150の両端が塞がれる。
なお、連通貫通孔150に充填材160を充填する充填作業は、貫通ボルト130の頭部132によって連通貫通孔150の片端を塞ぎ、連通貫通孔150の前記貫通ボルト130の頭部132とは反対側の端部を開放しておき、この開放された端部から連通貫通孔150内に配管170を挿入して充填材160を充填する。
特開2001−355209号公報 特開2004−116139号公報
「ツインプレート工法(3)構造、施工方法/b部詳細」、[online]、ショーボンド建設株式会社HP、[平成21年1月26日検索]、インターネット<URL:http://www.sho-bond.co.jp/html/24-bk.html>
しかしながら、上述の工法では、充填工程を締結固定作業の前に行う必要があり、締結作業の完了後、特にナット140付近における充填材160の充填が不充分となる傾向がある。このため、連通貫通孔150内においてナット140付近を充填材160で隙間無く埋め込むことが容易でないといった問題があった。一方、貫通ボルト130の頭部132付近ではエア溜まり151が生じやすく、これにより充填材160の未充填箇所が発生しやすいといった問題があった。また、充填材160の注入用の配管170を連通貫通孔150から引き抜く際に、連通貫通孔150内の充填材160に気泡152を混入させやすいといった問題もあった。サイズが大きい気泡が混入していると、温度サイクルによって前記気泡が膨張、収縮を繰り返すことで、充填材160(硬化後の充填材)の劣化、寿命短縮の原因になるため、充填材内の気泡の混入を出来るだけ抑えたいという要求がある。
また、貫通ボルト130の軸部131の連通貫通孔150から突出された先端側部分のねじ部の溝に充填材が入り込みやすく、これがナット140の締め付け作業の障害になり締め付け作業の作業性が低下するといった不満があった。
本発明は、前記課題に鑑みて、コンクリート母材を水平方向に貫通する母材貫通孔と前記コンクリート母材に取り付ける取付物に貫設されたボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔内への充填材の充填を、コンクリート母材に取付物を締結して取り付ける作業の完了後に行うことを可能とし、しかも、連通貫通孔の内部全体を充填材で埋め込むことを容易に実現でき、充填材中のエア溜まりや気泡混入も容易に抑えることができ、さらにナットの締め付けによる締結作業の作業性を確実に確保できる締結具、コンクリート母材への取付物の取付施工法、締結部構造の提供を目的としている。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、壁状あるいは柱状のコンクリート母材を水平方向に貫通する母材貫通孔と前記コンクリート母材に取り付ける取付物に貫設されたボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔に通して前記コンクリート母材及び前記取付物に貫通配置されるボルトと、このボルトの前記連通貫通孔から突出させた部分に螺着されるナットと、前記ボルトの前記連通貫通孔の両端から突出させた部分にそれぞれ外挿され前記ナットの締め付け力によって前記コンクリート母材、前記取付物に押し付けられるワッシャとを備え、前記ボルトには、前記連通貫通孔内に液状の充填材を注入するための注入孔が穿設されており、前記注入孔は前記ボルトの前記連通貫通孔に挿通したときに前記連通貫通孔から突出される部分に開口する充填材入口、及び前記ボルトの外周面に開口され前記ボルトを前記連通貫通孔に挿通したときに前記連通貫通孔内に配置される充填材出口とを有し、前記ワッシャには、その片面に、該ワッシャの半径方向に沿って延在し当該ワッシャの外周面に開口する溝であり前記連通貫通孔内への充填材の注入に伴う前記連通貫通孔内のエアの排出のためのエア抜き溝、あるいは前記エアの排出のために該ワッシャの半径方向に沿って延在するスリットが形成されていることを特徴とする締結具を提供する。
第2の発明は、前記ボルトの前記連通貫通孔に挿通したときに前記連通貫通孔から突出される部分に、該ボルトの軸心方向中央部の外周面における前記注入孔の開口部である充填材出口の当該ボルトの軸回り方向の位置を示すマーキングが設けられていることを特徴とする第1の発明の締結具を提供する。
第3の発明は、前記ボルトが軸部の片端に頭部を有する構成であり、前記注入孔は前記ボルトの前記頭部あるいは前記軸部の先端に開口する充填材入口を有することを特徴とする第1又は2の発明の締結具を提供する。
第4の発明は、前記ボルトがその長手方向全長にわたって棒状に構成されたものであり、前記ナットを複数備えることを特徴とする第1又は2の発明の締結具を提供する。
第5の発明は、第1〜4のいずれかの発明の締結具を用いて壁状あるいは柱状のコンクリート母材への取付物の取り付け、及び締結部の一体化を図るために行う取付施工法であって、前記コンクリート母材を水平方向に貫通する母材貫通孔と前記コンクリート母材に取り付ける取付物に貫設されたボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔に前記ボルトを挿通して、該ボルトの外周面における前記注入孔の開口部である充填材出口を前記連通貫通孔内に配置し、前記ボルトに螺着された前記ナットの締め付けによって、前記ボルトの前記連通貫通孔の両端から突出させた部分にそれぞれ外挿しておいた前記ワッシャの間にて前記コンクリート母材と前記取付物とを締結するとともに、前記ボルトをその前記充填材出口が該ボルトの下部に位置する向き、前記ワッシャをその外周における前記エア抜き溝あるいは前記スリットの開口部が該ワッシャの上部に位置する向きで静止させる締結工程と、この締結工程の後、前記ボルトの軸心方向片端に開口する前記注入孔の開口部である充填材入口から前記注入孔を介して前記連通貫通孔内に前記充填材を注入する充填材注入工程とを具備することを特徴とするコンクリート母材への取付物の取付施工法を提供する。
第6の発明は、前記締結工程において、前記コンクリート母材と前記取付物との間にシール材を介在配置し、前記連通貫通孔を、前記コンクリート母材の前記母材貫通孔と前記取付物の前記ボルト挿通孔との間に、前記シール材によって取り囲まれ前記母材貫通孔と前記ボルト貫通孔とに連通する連通部が確保された構成とした状態で、前記ナットの締め付けを行うことを特徴とする第5の発明のコンクリート母材への取付物の取付施工法を提供する。
第7の発明は、第1〜4のいずれかの発明の締結具を用いて壁状あるいは柱状のコンクリート母材に取付物を締結した締結部の構造であって、前記コンクリート母材を水平方向に貫通する母材貫通孔と前記コンクリート母材に取り付ける取付物に貫設されたボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔に前記ボルトが挿通され、該ボルトの外周面における前記注入孔の開口部である充填材出口が前記連通貫通孔内に配置され、前記ボルトに螺着された前記ナットの締め付けによって、前記ボルトの前記連通貫通孔の両端から突出させた部分にそれぞれ外挿しておいた前記ワッシャの間にて前記コンクリート母材と前記取付物とが締結され、前記ボルトがその前記充填材出口が該ボルトの下部に位置する向き、前記ワッシャがその外周における前記エア抜き溝あるいは前記スリットの開口部が該ワッシャの上部に位置する向きで設けられていることを特徴とする締結部構造を提供する。
第8の発明は、さらに、前記連通貫通孔内を埋め込む充填材を具備することを特徴とする第7の発明の締結部構造を提供する。
本発明に係る締結具は、コンクリート母材の貫通孔と取付物のボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔内に液状の充填材を注入するための注入孔が、該ボルトの軸心方向片端から延び該ボルトの軸心方向中央部の外周面に開口するように穿設されているボルトと、前記連通貫通孔内への充填材の注入に伴う前記連通貫通孔内のエアを排出するためのエア抜き溝が形成されている一対のワッシャと、ナットとを具備する構成となっている。
このため、本発明によれば、コンクリート母材に取付物を取り付ける取り付け作業の完了後に、ボルトの注入孔を利用して、連通貫通孔内への充填材の充填を行うことが可能である。しかも、ワッシャのエア抜き溝によって、前記連通貫通孔内への充填材の注入に伴う前記連通貫通孔内のエアを排出できる。このため、連通貫通孔の内部全体を充填材で埋め込むことを容易に実現できる。また、充填材注入用の配管を使用する従来技術に比べて、充填材中のエア溜まりの発生や気泡混入も容易に抑えることができる。
さらに、従来技術のように貫通ボルトの軸部の連通貫通孔から突出された先端側部分のねじ部の溝に充填材が入り込んでナットの締め付け作業の障害になり締め付け作業の作業性が低下するといった不都合が発生しないため、ナットの締め付け作業に良好な作業性を確保できる。
本発明に係る1実施形態の締結具、及びこれを用いたコンクリート母材への取付物の取付施工法、締結部構造を説明する図であって、(a)は締結具を用いてコンクリート高欄にキャップを締結固定した状態を示す断面図、(b)は(a)において締結具のボルトの注入孔を介して、コンクリート高欄の貫通孔と取付物(キャップ)のボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔内に液状の充填材を注入して充填した状態を示す断面図である。 本発明に係る1実施形態の締結具を分解して示した図である。 図2の締結具のボルトを説明する図であり、(a)は正面図、(b)は軸部の先端側から見た構成を示す図、(c)は注入孔の充填材入口の変形例を示す図である。 図2の締結具のワッシャを説明する図であって、(a)は前記ワッシャの外周におけるエア抜き溝の開口部側から見た側面図、(b)は正面図、(c)は図4(b)のA−A線断面矢視図である。 図2の締結具、これを用いたコンクリート母材への取付物の取付施工法、締結部構造によりコンクリート高欄にその上端部を覆うキャップを固定施工した状態を示す正断面図である。 図2の締結具、これを用いたコンクリート母材への取付物の取付施工法、締結部構造によりコンクリート高欄に支柱を固定施工した状態を示す図であって、(a)は正断面図、(b)は締結具の付近(締結部)の構造を示す平断面図である。 図2の締結具、これを用いたコンクリート母材への取付物の取付施工法によりコンクリート製品(コンクリート壁体)の壁部同士を締結(締結施工、取付施工)した状態を示す断面図である。 本発明に係る締結具のボルトの別態様を説明する図であって、(a)は正面図、(b)は頭部側から見た側面図である。 ボルトとしてその長手方向全長にわたって棒状に構成されたものを採用した締結具、及びこれを用いたコンクリート母材への取付物の取付施工法、締結部構造を説明する図であって、(a)は締結具を用いてコンクリート高欄にキャップを締結固定した状態を示す断面図、(b)は(a)において締結具のボルトの注入孔を介して、コンクリート母材の貫通孔と取付物のボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔内に液状の充填材を注入して充填した状態を示す断面図である。 本発明に係るワッシャの1実施形態である切断ワッシャを説明する図であって、(a)は前記切断ワッシャの外周におけるスリットの開口部側から見た側面図、(b)は正面図、(c)は図4(b)のB−B線断面矢視図である。 従来例の締結具及びそれを用いてコンクリート高欄にキャップを固定する工法を説明する図であって、(a)はコンクリート高欄のコンクリート高欄の貫通孔と被固定物(キャップ)のボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔内に液状の充填材を注入するための配管を挿入した状態、(b)は前記配管を介して連通貫通孔内に充填材を充填する充填工程を完了した状態を示す。 従来例の締結具及びそれを用いてコンクリート高欄にキャップを固定する工法を説明する全体図である。
以下、本発明の1実施形態の締結具、コンクリート母材への取付物の取付施工法(以下、単に取付施工法とも言う)、締結部構造について、図面を参照して説明する。
図1(a)、(b)は、本発明にかかる1実施形態の締結具10、取付施工法を説明する図であって、具体的には、図5に示すように、鉄道、道路のコンクリート高欄1(壁状のコンクリート母材)へのキャップ2(取付物)の取り付けに本発明を適用した実施形態を説明するものである。図1(a)、(b)は、図5において、前記締結具10によってコンクリート高欄1にキャップ2を締結固定した箇所である締結部3付近を拡大して示す断面図となっている。
なお、図1(a)、(b)、図5において、上側を上、下側を下として説明する。また、後述する図6(a)、図7、図9においても、上側を上、下側を下として説明する。
図5に示すように、前記キャップ2は、具体的には断面コ字状の金属製長尺部材であり、天板部2aと、その両側から互いに平行に延出する一対の側板部2bとを具備している。そして、このキャップ2は、前記一対の側板部2bが壁状のコンクリート高欄1の両面に沿って配置され、前記天板部2aがコンクリート高欄1の上端上に配置されるようにして、コンクリート高欄1の上部に被せるように設けられる。
図2に示すように、前記締結具10は、ボルト11と、ナット12と、一対のワッシャ13とを具備した構成となっている。
前記ボルト11は、ねじ山が形成されている軸部11aの片端(軸心方向片端)にフランジ状に張り出すように突設された頭部11bを有している(以下、頭部付きボルトとも言う)。図示例のボルト11は具体的には六角ボルトであり、前記頭部11bはその外周形状が六角形をなし、その全体が、ボルト11の軸回り方向の向き調整や、ナット12の締め付け時のボルト11の回転の規制等のために、スパナ等の手工具を係合するための工具係合部として機能する。
前記ナット12は、前記ボルト11の軸部11aに、該軸部11aの先端(頭部11bとは反対側の端部)からねじ込んで軸部11aに螺着できるものである。
前記ワッシャ13は、ボルト11の軸部11aに外挿可能なリング状の板状部品である。
図1(a)に示すように、前記締結具10を用いて前記コンクリート高欄1の上部に被せるように設けられた前記キャップ2を締結固定する際には、前記コンクリート高欄1に水平方向に貫設された貫通孔1a(母材貫通孔)と、前記キャップ2の一対の側板部2bにそれぞれ貫設されているボルト挿通孔2cとが互いに連通してなる連通貫通孔4にその片端から前記ボルト11の軸部11aを通し、予めボルト11の軸部11aに外挿しておいた一対のワッシャ13の一方をナット12とキャップ2(詳細には側板部2b)との間に配置し、一対のワッシャ13の他方を軸部11aの前記連通貫通孔4から突出させた部分に外挿した状態とする。そして、この状態で、ボルト11の軸部11aにその先端(図1(a)において右端)からねじ込んだナット12を締め付けることで、コンクリート高欄1にキャップ2を固定する。
なお、図1(a)において、前記連通貫通孔4は、コンクリート高欄1の貫通孔1aとキャップ2の一対のボルト挿通孔2cとの間に、キャップ2の一対の側板部2bとコンクリート高欄1との間にそれぞれ介在配置されたシール材6によって取り囲まれコンクリート高欄1の貫通孔1aとキャップ2のボルト挿通孔2cとに連通する連通部4aが確保された構成となっている。
図示例の連通貫通孔4の長さ(全長)は、コンクリート高欄1の貫通孔1a、キャップ2の一対のボルト挿通孔2c、2つの連通部4aの長さの合計である。
また、図1(a)に例示したシール材6は、コンクリート高欄1における貫通孔1aの端部(開口部)の周囲の口縁部とキャップ2におけるボルト挿通孔2cの端部(開口部)の周囲の口縁部とに対応して口縁部同士の間をシールするリング状に形成されている。このシール材6は、例えば、接着剤や両面粘着テープ等の取付用材料を用いてコンクリート高欄1あるいはキャップ2に取り付けたOリング等の樹脂製リング状部材、パテ等の粘着性材料等を用いることができる。
図1(a)に示すように、前記ボルト11としては、その頭部11bが、キャップ2のボルト挿通孔2c内に入り込まないサイズに形成されているものを用いる。また、前記ボルト11としては、その軸部11aの長さが、前記連通貫通孔4の全長と、一対のワッシャ13の厚み寸法と、前記ナット12の厚み寸法(ナット12内側のねじ穴12aの軸心方向におけるナット12の寸法)との合計と同じ、あるいはそれよりも大きいものを用いる。
前記ワッシャ13としては、その外径が、前記キャップ2のボルト挿通孔2cの内径よりも大きいものを用いる。
図2、図3(a)、(b)に示すように、前記ボルト11には、前記連通貫通孔4内に液状の充填材5を注入するための注入孔11cが穿設されている。図3(a)、(b)に示すように、この注入孔11cは連続する1本の流路(充填材注入用流路)を形成しており、その一端が前記ボルト11の軸部11aの先端面11hに開口する開口部である充填材入口11d、他端がボルト11の軸部11aの軸心方向中央部の外周面に開口する開口部である充填材出口11eとなっている。
また、図示例のボルト11において、前記注入孔11cは、具体的には、前記充填材入口11dから前記ボルト11の軸心(軸部11aの軸心も一致)に沿ってボルト11の軸心方向中央部まで延在する導入側孔部11fと、この導入側孔部11fの前記充填材入口11dとは反対側に位置する端部(奥端)から該導入側孔部11fに垂直に延在する出口側孔部11gとを具備する構成になっている。前記出口側孔部11gの前記導入側孔部11fとは反対側の端部、すなわち前記軸部11aの外周面に開口する端部が前記充填材出口11eである。
前記ボルト11としては、前記締結具10を用いたコンクリート高欄1へのキャップ2の締結固定を行った際に、前記注入孔11cの充填材出口11eを前記連通貫通孔4内に配置できるものを採用する。
前記注入孔11cの充填材出口11eは連通貫通孔4の長手方向中央部に配置されることがより好ましい。この点、ボルト11としては、軸部11aの長手方向(軸心方向)における前記注入孔11cの充填材出口11eと頭部11bとの間の距離が、締結具を用いた固定施工を行う対象のコンクリート母材(ここではコンクリート高欄1)の貫通孔1aと取付物(ここではキャップ2)のボルト挿通孔2cとが互いに連通してなる連通貫通孔4の長さに対応して、前記連通貫通孔4の長さの半分程度になっているものを用いることが好ましい。
図4(a)〜(c)に示すように、前記ワッシャ13には、前記連通貫通孔4内への充填材5の注入に伴う前記連通貫通孔4内のエアの排出のためのエア抜き溝13aが形成されている。
このエア抜き溝13aは、ワッシャ13の片面に該ワッシャ13の半径方向に沿って延在形成されている。このエア抜き溝13aの延在方向一端は、リング状のワッシャ13内周面に開口し、延在方向他端はワッシャ13の外周面に開口している。
前記締結具10を用いて前記コンクリート高欄1の上部に被せるように設けられた前記キャップ2のコンクリート高欄1への締結固定及び締結部3の一体化を行う(取付施工法を行う)には、まず、図1(a)に示すように、前記締結具10を用いて前記キャップ2をコンクリート高欄1に締結固定する締結工程を行い、次いで、前記ボルト11の注入孔11cを介して前記連通貫通孔4内に前記充填材5を注入して充填する充填材注入工程を行う。
なお、前記充填材5として、ここでは、硬化によってエポキシ樹脂を形成するエポキシ系液状樹脂材料を用いているが、但し充填材としてはこれに限定されず、コンクリート母材に形成されたボルト挿通用の貫通孔内に充填される充填材として使用される周知のものを採用できる。この充填材としては、連通貫通孔内への充填後の硬化によって連通貫通孔内を埋め込んだ状態を維持できる硬化性のものであり、例えば、硬化によって防水性の樹脂部を形成する硬化性の液状樹脂材料、その他、セメント系接着材等の無機系のものも採用可能である。防水性の充填材を連通貫通孔に充填することで、締結部3の一体化(コンクリート高欄、締結具、取付物の一体化)のみならず、締結部の防水も行える。
前記締結工程は、図1(a)に示すように、前記コンクリート高欄1の貫通孔1aと前記キャップ2の一対の側板部2bのボルト挿通孔2cとが互いに連通してなる連通貫通孔4に前記ボルト11の軸部11aを通し、予めボルト11の軸部11aに外挿しておいた一対のワッシャ13の一方がナット12とキャップ2(詳細には側板部2b)との間に配置され、一対のワッシャ13の他方が軸部11aの前記連通貫通孔4から突出させた部分に外挿された状態とし、前記軸部11aにその先端からねじ込んだナット12を締め付けて、コンクリート高欄110にキャップ2を固定する。
ナット12の締め付けが完了したときには、一対のワッシャ13がそれぞれキャップ2(詳細には側板部2bのコンクリート高欄1とは反対側の面におけるボルト挿通孔2cの口縁部)に押し付けられた状態となる。その結果、一対のワッシャ13、ボルト11の頭部11b、ナット12によって連通貫通孔4の長手方向両端が塞がれた状態となる。
但し、この締結工程にあっては、ナット12の締め付け完了時に、ボルト11の注入孔11cの充填材出口11eが連通貫通孔4内に位置するようにする。また、ボルト11がその前記充填材出口11eが該ボルト11の下部に位置する向き、前記ワッシャ13がその外周における前記エア抜き溝13aの開口部が該ワッシャ13の上部に位置する向きとなるようにする。
連通貫通孔4の長手方向におけるボルト11の注入孔11cの充填材出口11eの位置は、連通貫通孔4の長手方向中央部であることがより好ましい。充填材出口11eを連通貫通孔4の長手方向中央部に配置した場合は、連通貫通孔4の両端に配置されたワッシャ13のエア抜き溝13aから充填材出口11eまでの距離が略同等となるため、未充填箇所の発生をより確実に防ぐ点で有利である。
また、一対のワッシャ13は、それぞれのエア抜き溝13aが形成されている側の面が、互いに対面する向きでボルト11に外挿する。したがって、ナット12の締め付け完了時には、一対のワッシャ13のエア抜き溝13aが形成されている側の面がそれぞれキャップ2の側板部2bに押し付けられ、エア抜き溝13aが連通貫通孔4と連通した状態となる。
図3(a)、(b)に示すように、図示例のボルト11の前記導入側孔部11fは、その中心軸線がボルト11の軸心に一致するように形成されており、充填材入口11dはボルト11の軸部11aの先端面11hの中央部に開口されているが、図示例のボルト11は軸部11aの先端面11hに、前記充填材出口11eの前記ボルト11の軸回り方向における位置を示すマーキング11i(図3(b)参照)が設けられているため、締結工程においてボルト11の軸回り方向における前記充填材出口11eの位置は目視で簡単に確認できる。また、このボルト11において前記マーキングは頭部11bにも設けられている(図示略)。
前記マーキング11iは、必ずしも、ボルト11の両端(頭部11b及び軸部11aの先端部)に設ける必要は無く、ボルト11の片端にのみ設けるようにしても良い。
また、前記マーキング111は、ここでは着色であるが、この他、例えばボルト11の両端又は片端に形成した溝、凹所、突起などであっても良い。
なお、本発明にかかるボルトとしては、充填材入口11dの位置が軸部11aの先端面11hの中心からずられている構成や、充填材入口11dを図3(b)に例示した円形のものではなく例えば図3(c)に例示したようなキー溝状の拡張部11jを有する構成(図3(c)中、この充填材入口に符号11kを付す)として、充填材入口自体を、充填材出口11eの前記ボルト11の軸回り方向における位置を示すマーキングとして機能させることが可能な構成としたものも採用可能である。
また、ワッシャ13は、その外周面に前記エア抜き溝13aの延在方向片端が開口している構成であるため、外周面における前記エア抜き溝13aの開口部の位置によってその向きを簡単に目視確認でき、締結工程の際にナット12の締め付けによって前記エア抜き溝13aの開口部が上部となる向きで固定することは容易である。
図1(b)に示すように、充填材注入工程は、ボルト11の注入孔11cの充填材入口11dから充填材5を送り込むことで行える。充填材入口11dから充填材5を送り込むことで、ボルト11の注入孔11cを介して連通貫通孔4内に充填材5を充填することができる。
このとき、ボルト11の注入孔11cの充填材出口11eはボルト11の下部に位置しているので、連通貫通孔4には、充填材出口11eから連通貫通孔4内に流出した充填材5が該連通貫通孔4の下部から充填されていく。また、連通貫通孔4への充填材5の注入は、連通貫通孔4内の充填材4がその液面が波打つことなく出来るだけ水平の状態を保ったまま次第に上昇していくようにすることが好ましく、このような充填材4の液面の上昇を実現するべく、充填材入口11dから送り込む充填材5の流速を調節する(流速が速すぎないようにする)ことが好ましい。
上述のように、連通貫通孔4にその下部から充填材5が充填されていくことで、それに伴い、連通貫通孔4内のエア(空気)が連通貫通孔4から前記ワッシャ13のエア抜き溝13aを介して連通貫通孔4の外へ押し出されていく。すなわち、連通貫通孔4の長手方向両端部に配置されたワッシャ13のエア抜き溝13aによって、連通貫通孔4内への充填材5の充填に伴う連通貫通孔4内のエアの排出が連通貫通孔4の長手方向両端部から円滑になされる。この結果、連通貫通孔4の内部全体に充填材5を充填し、隙間無く埋め込むことを容易に実現できる。そして、連通貫通孔4内に充填した充填材5が硬化する(充填材硬化物となる)ことで連通貫通孔4を埋め込んだ状態を安定に維持され、連通貫通孔4内の浸水を防ぐことができる。
前記締結具10、これを用いた取付施工法によれば、コンクリート母材(ここではコンクリート高欄1)への取付物(ここではキャップ2)の固定後に、連通貫通孔4内への充填材5の充填を行うことが可能である。しかも、ワッシャ13のエア抜き溝13aによって、連通貫通孔4の長手方向両端の上部から、前記連通貫通孔4内への充填材5の注入に伴う前記連通貫通孔4内のエア排出を円滑に行えるため、連通貫通孔4の内部全体を充填材5で埋め込むことを容易に実現できる。また、充填材注入用の配管を使用する従来技術に比べて、充填材中の気泡混入も抑えることも容易に実現できる。
さらに、従来技術のように貫通ボルトの軸部の連通貫通孔から突出された先端側部分のねじ部の溝に充填材が入り込んでナットの締め付け作業の障害になり締め付け作業の作業性が低下するといった不都合が発生しないため、ナットの締め付け作業に良好な作業性を確保できることも言うまでも無い。
なお、取付施工法は、充填材注入工程の完了後に、シール材6によってキャップ2の一対の側板部2bとコンクリート高欄1との間に確保されているクリアランスCに充填材を充填して埋め込む工程(キャップ内側埋め込み工程)を含んでいても良い。
コンクリート高欄1に固定して取り付ける取付物としては、ボルト挿通孔を有するものであれば良く、前記キャップ2に限定されない。
例えば、図6(a)、(b)は、本発明に係る締結具10、これを用いた取付施工法を適用して、コンクリート高欄1に、遮音壁等を設けるための支柱7(取付物)を固定施工した状態を示す。図中、符号31は、締結具10を用いてコンクリート高欄1に支柱1を締結固定した締結箇所である締結部を示す。
なお、図6(b)において、充填材の図示は省略している。
図6(a)、(b)に示すように、図示例の前記支柱7は、具体的にはH形鋼であり、ウェブ71の両端から張り出すフランジ72のうち、ウェブ71の片端からその両側に張り出す一対のフランジ72(図中符号72aを付記する)を、コンクリート高欄1の片面(コンクリート高欄1の厚み方向両側の面(側面)の片方)に押し当てるようにして設けられている。
図6(a)、(b)の場合、締結具10のボルト11(詳細にはその軸部11a)は、コンクリート高欄1に水平方向に貫設された貫通孔1aと、前記支柱7の前記コンクリート高欄1に押し当てられたフランジ72aに貫設されたボルト挿通孔73とを互いに連通させてなる連通貫通孔41に通されている。そして、締結具10は、ボルト11の軸部11aの前記連通貫通孔41から突出させた先端側に螺着したナット12の締め付けによって、支柱7をコンクリート高欄1に固定している。
図6(a)、(b)に例示した締結部31の構成は、取付物を変更したことにより、コンクリート母材(コンクリート高欄1)に取付物(支柱7)を固定するべくボルト11を通す連通貫通孔が、コンクリート高欄1の貫通孔1aと前記支柱7の前記コンクリート高欄1に押し当てられたフランジ72aに貫設されたボルト挿通孔73とが互いに連通してなる連通貫通孔41になった点、その結果、一対のワッシャ13のうち片方が直接コンクリート高欄1に押し当てられた状態で連通貫通孔42と連通することになる点、が異なるものであり、それ以外は、既述の図1(a)、(b)等に例示した締結部3と同様である。
例えば、ボルト11の充填材出口11eが連通貫通孔41内にてボルト11の軸部11aの下部に位置すること、一対のワッシャ13の外周面におけるエア抜き溝13aの開口部がワッシャ13の上部に位置することは、図1(a)、(b)等を参照して説明した締結部と同様である。
図7は、前記締結具10、これを用いた取付施工法を、いわゆるエキスパンジョイント工法に適用して、コンクリート壁体8(コンクリート製品)同士を締結した状態を示す。この場合、締結具10を用いて互いに締結した一対のコンクリート壁体8の一方を本発明に係るコンクリート母材、他方を本発明に係る取付物と見なすことができる。
図7においては、一対のコンクリート壁体8の間に、弾性変形可能なクッション材9を挟み込んでおり、このクッション材9の弾性変形により一対のコンクリート壁体8の間に若干の相対変位が許容されている。前記クッション材9は、一対のコンクリート壁体8の間を埋め込むように層状に設けられている。このクッション材9としては、例えば樹脂発泡材等を用いることができる。
図7において、符号32は、締結具10を用いてコンクリート壁体8同士を締結した締結箇所である締結部を示す。
図7の場合、締結具10のボルト11(詳細にはその軸部11a)は、一対のコンクリート壁体8のそれぞれに水平方向に貫設された貫通孔8aと、前記クッション材9を貫通しクッション材9の両側のコンクリート壁体8の貫通孔8aに連通する連通孔9a(連通部)とからなる連通貫通孔42に通されている。そして、締結具10は、ボルト11の軸部11aの前記連通貫通孔42から突出させた先端側に螺着したナット12の締め付けによって、一対のコンクリート壁体8を締結している。
なお、図7の構成においては、一方のコンクリート壁体8の貫通孔8aを母材貫通孔、他方のコンクリート壁体8の貫通孔8aをボルト挿通孔と見なすことができる。
図7に例示した締結部32の構成は、コンクリート母材及び取付物を変更したことにより、コンクリート母材に取付物を固定するべくボルト11を通す連通貫通孔が、一対のコンクリート壁体8のそれぞれに貫設された貫通孔8aが互いに連通(クッション材9の連通孔9aを介して連通)してなる連通貫通孔42になった点、その結果、一対のワッシャ13のエア抜き溝13aが形成されている側の面がそれぞれコンクリート壁体8に押し当てられた状態で連通貫通孔42と連通することになる点、が異なるものであり、それ以外は、既述の図1(a)、(b)等に例示した締結部3と同様である。
例えば、ボルト11の充填材出口11eが連通貫通孔41内にてボルト11の軸部11aの下部に位置すること、一対のワッシャ13の外周面におけるエア抜き溝13aの開口部がワッシャ13の上部に位置することは、図1(a)、(b)等を参照して説明した締結部3と同様である。
図7中、符号51は、ボルト11の注入孔11cを介して連通貫通孔42内部全体に充填された充填材であり、ここでは特に連通貫通孔42内に充填された後、硬化が完了した充填材(以下、充填材硬化物)を示す。
この充填材硬化物51としては、一対のコンクリート壁体8の間の相対変位に鑑みて、硬化後も軟質のものが好ましい。この点、例えば、ボルト11の注入孔11cを介して連通貫通孔42内に充填した液状樹脂材料の硬化によって得られるゴム系樹脂などの軟質な樹脂等が好適である。
なお、本発明は、一対のコンクリート壁8の間に、クッション材9が存在せず、クリアランスが確保されている構成としても良い。
図8(a)、(b)は、本発明に係る締結具のボルトの別態様を示す。
図8(a)、(b)に示すボルト11Aは、注入孔11mの具体的構成が、既述の図3(a)、(b)等を参照して説明したボルト11と異なる。注入孔11m以外の構成は既述のボルト11と同様である。このボルト11Aが軸部11aと頭部11bとを具備する構成であることは、既述のボルト11と同様である。
図8に示すボルト11Aの注入孔11mは、その一端が前記ボルト11の頭部11bに開口する開口部である充填材入口11n、他端がボルト11の軸部11aの軸心方向中央部の外周面に開口する開口部である充填材出口11oである、連続する1本の流路(充填材注入用流路)となっている。
図示例のボルト11Aにおいて、前記注入孔11mは、具体的には、前記充填材入口11nから前記ボルト11Aの軸心(軸部11aの軸心も一致)に沿ってボルト11Aの軸心方向中央部まで延在する導入側孔部11pと、この導入側孔部11pの前記充填材入口11nとは反対側に位置する端部(奥端)から該導入側孔部11nに垂直に延在する出口側孔部11qとを具備する構成になっている。前記出口側孔部11qの前記導入側孔部11pとは反対側の端部、すなわち前記軸部11aの外周面に開口する端部が前記充填材出口11oである。
図示例のボルト11Aの前記導入側孔部11pは、その中心軸線がボルト11Aの軸心に一致するように形成されており、充填材入口11dはボルト11Aの頭部11bの端面11r(軸部11aとは反対側の面)の中央部に開口されているが、図示例のボルト11Aはその頭部11bに、前記充填材出口11oの前記ボルト11Aの軸回り方向における位置を示すマーキング11sが設けられているため、締結工程においてボルト11Aの軸回り方向における前記充填材出口11oの位置は目視で簡単に確認できる。また、マーキングは軸部11aの先端面11hにも形成されている(図示略)。
前記マーキング11sは、必ずしも、ボルト11Aの両端(頭部11b及び軸部11aの先端部)に設ける必要は無く、ボルト11Aの片端にのみ設けるようにしても良い。
前記マーキング11sは、ここでは着色であるが、この他、例えばボルト11Aの両端又は片端に形成した溝、凹所、突起などであっても良い。
また、充填材入口11nを図3(b)に例示した円形のものではなく例えばキー溝状の拡張部を有する構成として、充填材入口自体を、充填材出口11oの前記ボルト11Aの軸回り方向における位置を示すマーキングとして機能させることが可能な構成としたものも採用可能である
図9(a)、(b)は、本発明に係る締結具、取付施工法の別態様を説明する図である。
図示例の締結具20は、図2等を参照して説明した既述の締結具10のボルト11にかえて、その全長が棒状に形成されているボルト21(頭部無しボルト)と、このボルト21に螺着可能な一対のナット22(区別のため、一方のナット22に符号221、他方のナット22に符号222を付記する)と、前記ボルト21に外挿可能な一対のワッシャ13とを具備する構成になっている。
なお、図示例の締結具20は、さらに、ボルト21に螺着したナット22の緩みを防止する緩み止めナット23を具備する構成となっているが、この緩み止めナット23を具備することは必須ではない。
図9(a)は、前記締結具20を用いて、コンクリート高欄1にキャップ2(図5参照)を締結固定した状態を示す断面図、(b)は(a)において締結具20のボルト21に形成されている注入孔21cを介して、コンクリート高欄1の貫通孔1aとキャップ2のボルト挿通孔2cとが連通されてなる連通貫通孔4内に液状の充填材5を注入して充填した状態を示す断面図である。
図9(a)、(b)において、符号33は、前記締結具20を用いてコンクリート高欄1にキャップ2を締結固定した箇所である締結部を示す。
前記ボルト21は具体的にはその長手方向全長にわたってねじ山21aが形成されている全ねじボルトである。但し、ねじ山21aは、このボルト21を連通貫通孔4に通したときに、その両端の連通貫通孔4から突出させた部分にナット22を螺着できるようになっていれば良く、例えば、ボルト21の長手方向においてコンクリート高欄1の貫通孔1a内に配置される部分には、必ずしもねじ山21aが形成されている必要はない。
上述の締結具20を用いて、コンクリート高欄1にキャップ2を固定施工する取付施工法の一例を説明する。
前記締結具20を用いて前記コンクリート高欄1の上部に被せるように設けられた前記キャップ2のコンクリート高欄1への締結固定、及び締結部の一体化を行う(取付施工法を行う)には、まず、図9(a)に示すように、前記締結具20を用いて前記キャップ2をコンクリート高欄1に締結固定する締結工程を行い、次いで、前記ボルト21の注入孔21cを介して前記連通貫通孔4内に前記充填材5を注入して充填する充填材注入工程を行う。
締結工程は、まず、前記コンクリート高欄1の貫通孔1a(母材貫通孔)と前記キャップ2の一対の側板部2bにそれぞれ貫設されているボルト挿通孔2cとが互いに連通してなる連通貫通孔4にその片端から前記ボルト21を通し、予めボルト21に外挿しておいた一対のワッシャ13の一方が前記ボルト21の長手方向の片端に予め螺着しておいたナット221とキャップ2(詳細には側板部2b)との間に配置され、一対のワッシャ13の他方がボルト21の前記ナット221が螺着されている側(基端側)とは反対側の前記連通貫通孔4から突出させた部分(先端側突出部)に外挿された状態とする。そして、この状態で、ボルト21にその先端側からねじ込んだナット222を締め付けることで、コンクリート高欄1にキャップ2を締結固定する。これにより取付施工法における締結工程が完了する。
なお、前記ナット221は、図9(a)に例示したように、ボルト21に螺着した緩み止めナット23の締め付けによってダブルナットとすることで、ボルト21に固定しておくことが好ましい。このようにダブルナットにした状態であれば、ナット221及び/又は緩み止めナット23に工具を係合することで、ボルト21の軸回り方向の向き調整や、ナット222の締め付け時のボルト21の回転の規制等を楽に行える。すなわち、ナット221及び/又は緩み止めナット23を、工具係合部として機能させることができる。
この締結具20を用いた締結工程は、連通貫通孔4に通してコンクリート高欄1及びキャップ2に対して貫通配置したボルト21の前記連通貫通孔4から突出させた両端のナット22を利用して、一対のナット22の間にてコンクリート高欄1にキャップ2の一対の側板部2bを締め付け固定(締結固定)する構成であれば良く、上述の構成に限定されない。例えば、ボルト21を連通貫通孔4に挿入してから、前記ボルト21の前記連通貫通孔4の両端に突出する部分にそれぞれワッシャ13を外挿するとともにナット22を螺着して、一方又は両方のナット22の回転操作によって締め付け作業を行うことも可能である。
ナット22の締め付けが完了したときには、一対のワッシャ13がそれぞれキャップ2(詳細には側板部2bのコンクリート高欄1とは反対側の面におけるボルト挿通孔2cの口縁部)に押し付けられた状態となる。その結果、一対のワッシャ13、一対ナット22によって連通貫通孔4の長手方向両端が塞がれた状態となる。
また、一対のワッシャ13は、それぞれのエア抜き溝13aが形成されている側の面が、互いに対面する向きでボルト21に外挿する。したがって、ナット22の締め付け完了時には、一対のワッシャ13のエア抜き溝13aが形成されている側の面がそれぞれキャップ2の側板部2bに押し付けられ、エア抜き溝13aが連通貫通孔4と連通した状態となる。
図9(a)、(b)に示すように、前記ボルト21には、前記連通貫通孔4内に液状の充填材5を注入するための注入孔21cが穿設されている。この注入孔21cは、連続する1本の流路(充填材注入用流路)を形成しており、その一端が前記ボルト21の片端(図示例ではナット221が設けられている側の端部、基端側の端部)の先端面21hに開口する開口部である充填材入口21d、他端がボルト21の軸心方向中央部の外周面に開口する開口部である充填材出口21eとなっている。
また、図示例のボルト21において、前記注入孔21cは、具体的には、前記充填材入口21dから前記ボルト21の軸心に沿ってボルト21の長手方向(軸心方向)中央部まで延在する導入側孔部21fと、この導入側孔部21fの前記充填材入口21dとは反対側に位置する端部(奥端)から該導入側孔部21fに垂直に延在する出口側孔部21gとを具備する構成になっている。前記出口側孔部21gの前記導入側孔部21fとは反対側の端部、すなわち前記軸部21aの外周面に開口する端部が前記充填材出口21eである。
図9(a)に示すように、前記締結工程にあっては、ナット22の締め付け完了時に、ボルト21の注入孔21cの充填材出口21eが連通貫通孔4内(図示例では連通貫通孔4の長手方向中央部)に配置されるようにする。また、ボルト21がその前記充填材出口21eが該ボルト21の下部に位置する向き、前記ワッシャ13がその外周における前記エア抜き溝13aの開口部が該ワッシャ13の上部に位置する向きとなるようにする。
図9(a)に示すように、図示例のボルト21の前記導入側孔部21fは、その中心軸線がボルト21の軸心に一致するように形成されており、充填材入口21dはボルト21の先端面21h(基端側の先端面)の中央部に開口されているが、図示例のボルト21は両端部に、前記充填材出口21eの前記ボルト21の軸回り方向における位置を示すマーキング21iが設けられているため、締結工程においてボルト21の軸回り方向における前記充填材出口21eの位置は目視で簡単に確認できる。
前記マーキング21iは、必ずしも、ボルト21の両端部に設ける必要は無く、ボルト21の片端にのみ設けるようにしても良い。
また、前記マーキング21iは、ここでは着色であるが、この他、例えばボルト21の両端又は片端に形成した溝、凹所、突起などであっても良い。
なお、本発明にかかるボルトとしては、充填材入口21dの位置がボルトの前記先端面21hの中心からずられている構成や、充填材入口21dを例えばキー溝状の拡張部を有する形状(例えば図3(c)に例示した充填材入口11dと同様の形状)として、充填材入口自体を、充填材出口21eの前記ボルト21の軸回り方向における位置を示すマーキングとして機能させることが可能な構成としたものも採用可能である。
図9(b)に示すように、充填材注入工程は、ボルト21の注入孔21cの充填材入口21dから充填材5を送り込むことで行える。充填材入口21dから充填材5を送り込むことで、ボルト21の注入孔21cを介して連通貫通孔4内に充填材5を充填することができる。
これにより、既述の図1(b)を参照して説明したように、頭部付きボルトであるボルト11を具備する締結具10を用いた取付施工法(固定施工法)の場合と同様に連通貫通孔4の内部全体に充填材5を充填することができる。連通貫通孔4内に充填した充填材5が硬化することで連通貫通孔4を埋め込んだ状態を安定に維持され、連通貫通孔4内の浸水を防ぐことができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、適宜設計変更が可能であることは言うまでも無い。
例えば、図1(a)、(b)、図2、図3(a)、図8等では、ボルト11、11Aとして、その軸部1aの先端から軸部11aの長さの3分の1程度の範囲にねじ山11a1が形成され、軸部11aのねじ山11a1が形成されていない箇所に、前記充填材出口11eが設けられている構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、軸部1aの長手方向全長にねじ山11a1が形成されている構成としても良い。
頭部付きボルト11の頭部は、該ボルト11の軸回り方向の向き調整や、ナット12の締め付け時のボルト11の回転の規制等のために工具を係合する工具係合部を具備するものであれば良く、工具を係合するためにその外周形状が六角形になっているものに限定されず、例えば、工具係合部として六角穴、四角穴等の工具係合穴が形成されているものなども採用可能である。工具係合穴が形成されている頭部の場合、その外周形状には特に限定が無い。
コンクリート母材としては、母材貫通孔を形成できるものであれば良く、壁状のものに限定されず、柱状のものであっても良い。壁状のコンクリート母材としては、既述のコンクリート高欄の他、例えば、ビル等のコンクリート製建物の壁部、屋上のパラペットやベランダの手すりとして機能するコンクリート壁、など幅広く適用可能である。
ワッシャとしては、既述のワッシャ13にかえて、図10(a)〜(c)に例示する切断ワッシャ14を採用することも可能である。この切断ワッシャ14には、その半径方向に沿って、連通貫通孔内への充填材の注入に伴う前記連通貫通孔内のエアの排出のためのスリット14aが延在形成されている。この切断ワッシャ14を用いた締結具を使用してコンクリート母材に取付物を取り付ける際には、切断ワッシャ14の外周部におけるスリット14aの開口部が切断ワッシャ14の上部となるようにする。
なお、エア抜き溝13aが形成されているワッシャ13(以下、溝付きワッシャとも言う。図4(a)〜(c)等参照)は、該ワッシャ13の外周部におけるエア抜き溝13aの開口部の位置(高さ)を該ワッシャ13に当接するナットのサイズに関係なく、該溝付きワッシャ13の外径によって設定できる点で、切断ワッシャ14に比べて有利である。
切断ワッシャ14は、連通貫通孔内への充填材の注入に伴う前記連通貫通孔からのエア排出のための通路として機能するスリット14aが、該切断ワッシャ14の厚みの両面に開口する構成であるため、スリット14aにおけるエア出口の位置が実質的にナットのサイズによって決まることとなる。また、ワッシャとしてこの切断ワッシャ14を使用する場合は、連通貫通孔内全体への充填材の充填を実現するために、切断ワッシャ14が接するナットとして連通貫通孔4の断面よりも大きいサイズもの(連通貫通孔の端部を塞ぐことができるサイズのもの)を使用する。
これに対して、溝付きワッシャ13の場合は、該溝付きワッシャ13自体の外径が連通貫通孔4の断面よりも大きければ、連通貫通孔内全体への充填材の充填が可能であり、該ワッシャ13の外周部におけるエア抜き溝13aの開口部の位置(高さ)は該ワッシャ13の外径によって決まるのであり、この溝付きワッシャ13に当接するナットのサイズに依存しない。また、使用するナットのサイズ(外形サイズ)の自由度が向上する。
1…コンクリート母材(コンクリート高欄)、1a…母材貫通孔、2…取付物(キャップ)、2c…ボルト挿通孔、3、31、32、33…締結部、4…連通貫通孔、4a…連通部、5…充填材、51…充填材(充填材硬化物)、6…シール材、7…取付物(支柱)、73…ボルト挿通孔、8…コンクリート母材、取付物(コンクリート壁体)、8a…母材貫通孔、
10…締結具、11…ボルト(頭部付きボルト)、11a…軸部、11b…頭部、11c…注入孔、11d…充填材入口、11e…充填材出口、11i…マーキング、11…充填材入口、12…ナット、13…ワッシャ(溝付きワッシャ)、13a…エア抜き溝、14…ワッシャ(切断ワッシャ)、14a…スリット、
11A…ボルト、11m…注入孔、11n…充填材入口、11o…充填材出口、11s…マーキング、
20…締結具、21…ボルト(頭部無しボルト)、21c…注入孔、21d…充填材入口、21e…充填材出口、21i…マーキング、21…充填材入口、22、221、222…ナット。

Claims (8)

  1. 壁状あるいは柱状のコンクリート母材を水平方向に貫通する母材貫通孔と前記コンクリート母材に取り付ける取付物に貫設されたボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔に通して前記コンクリート母材及び前記取付物に貫通配置されるボルトと、このボルトの前記連通貫通孔から突出させた部分に螺着されるナットと、前記ボルトの前記連通貫通孔の両端から突出させた部分にそれぞれ外挿され前記ナットの締め付け力によって前記コンクリート母材、前記取付物に押し付けられるワッシャとを備え、
    前記ボルトには、前記連通貫通孔内に液状の充填材を注入するための注入孔が穿設されており、前記注入孔は前記ボルトの前記連通貫通孔に挿通したときに前記連通貫通孔から突出される部分に開口する充填材入口、及び前記ボルトの外周面に開口され前記ボルトを前記連通貫通孔に挿通したときに前記連通貫通孔内に配置される充填材出口とを有し、
    前記ワッシャには、その片面に、該ワッシャの半径方向に沿って延在し当該ワッシャの外周面に開口する溝であり前記連通貫通孔内への充填材の注入に伴う前記連通貫通孔内のエアの排出のためのエア抜き溝、あるいは前記エアの排出のために該ワッシャの半径方向に沿って延在するスリットが形成されていることを特徴とする締結具。
  2. 前記ボルトの前記連通貫通孔に挿通したときに前記連通貫通孔から突出される部分に、該ボルトの軸心方向中央部の外周面における前記注入孔の開口部である充填材出口の当該ボルトの軸回り方向の位置を示すマーキングが設けられていることを特徴とする請求項1記載の締結具。
  3. 前記ボルトが軸部の片端に頭部を有する構成であり、前記注入孔は前記ボルトの前記頭部あるいは前記軸部の先端に開口する充填材入口を有することを特徴とする請求項1又は2記載の締結具。
  4. 前記ボルトがその長手方向全長にわたって棒状に構成されたものであり、前記ナットを複数備えることを特徴とする請求項1又は2記載の締結具。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の締結具を用いて壁状あるいは柱状のコンクリート母材への取付物の取り付け、及び締結部の一体化を図るために行う取付施工法であって、
    前記コンクリート母材を水平方向に貫通する母材貫通孔と前記コンクリート母材に取り付ける取付物に貫設されたボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔に前記ボルトを挿通して、該ボルトの外周面における前記注入孔の開口部である充填材出口を前記連通貫通孔内に配置し、前記ボルトに螺着された前記ナットの締め付けによって、前記ボルトの前記連通貫通孔の両端から突出させた部分にそれぞれ外挿しておいた前記ワッシャの間にて前記コンクリート母材と前記取付物とを締結するとともに、前記ボルトをその前記充填材出口が該ボルトの下部に位置する向き、前記ワッシャをその外周における前記エア抜き溝あるいは前記スリットの開口部が該ワッシャの上部に位置する向きで静止させる締結工程と、
    この締結工程の後、前記ボルトの軸心方向片端に開口する前記注入孔の開口部である充填材入口から前記注入孔を介して前記連通貫通孔内に前記充填材を注入する充填材注入工程とを具備することを特徴とするコンクリート母材への取付物の取付施工法。
  6. 前記締結工程において、前記コンクリート母材と前記取付物との間にシール材を介在配置し、前記連通貫通孔を、前記コンクリート母材の前記母材貫通孔と前記取付物の前記ボルト挿通孔との間に、前記シール材によって取り囲まれ前記母材貫通孔と前記ボルト貫通孔とに連通する連通部が確保された構成とした状態で、前記ナットの締め付けを行うことを特徴とする請求項5記載のコンクリート母材への取付物の取付施工法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の締結具を用いて壁状あるいは柱状のコンクリート母材に取付物を締結した締結部の構造であって、
    前記コンクリート母材を水平方向に貫通する母材貫通孔と前記コンクリート母材に取り付ける取付物に貫設されたボルト挿通孔とが連通されてなる連通貫通孔に前記ボルトが挿通され、該ボルトの外周面における前記注入孔の開口部である充填材出口が前記連通貫通孔内に配置され、前記ボルトに螺着された前記ナットの締め付けによって、前記ボルトの前記連通貫通孔の両端から突出させた部分にそれぞれ外挿しておいた前記ワッシャの間にて前記コンクリート母材と前記取付物とが締結され、前記ボルトがその前記充填材出口が該ボルトの下部に位置する向き、前記ワッシャがその外周における前記エア抜き溝あるいは前記スリットの開口部が該ワッシャの上部に位置する向きで設けられていることを特徴とする締結部構造。
  8. さらに、前記連通貫通孔内を埋め込む充填材を具備することを特徴とする請求項7記載の締結部構造。
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