JP2010248683A - 皮革様シート状物およびその製造方法 - Google Patents

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智之 堀口
Satoru Shimoyama
悟 下山
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Abstract

【課題】
優美な表面外観を有し、耐摩耗性と難燃性に優れた皮革様シート状物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
皮革様シート状物が、繊維長2cm以上の極細繊維が相互に絡合した不織布を主としてなり、高分子弾性体が15質量%以下であり、かつ、有機リン系難燃剤又はハロゲン系難燃剤を含有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性に優れた皮革様シート状物およびその製造方法に関する。
皮革様シートは、その優美な表面外観や柔軟性を活かし、従来から、衣料用途だけではなく、資材・雑貨用途、例えば靴、鞄、手袋、乗物用座席や家具の上張材等の様々な用途に使用されている。そのうち、鉄道、自動車、航空機、船舶等の座席上張材や内装材、壁材、ソファー、椅子等のインテリア家具の上張材の分野では、特に優れた耐摩耗性に加え安全性の点から優れた難燃性が要求されている。皮革様シートの難燃性を付与する方法としては、これまでに幾つか提案されている。
例えば、皮革様シートを製造した後に、難燃剤を含浸する後加工方法がある(例えば、特許文献1参照)。この方法は簡便であるが、目的とする難燃性を得るためには一般に10〜100重量%と多量の難燃剤を付与する必要があり、べたつき感や風合い硬化、染色堅牢度低下等の問題がある。さらに、皮革様シート基材が極細繊維束によって形成されている場合、難燃剤の殆どが極細繊維束の外側や弾性重合体の外部表面に存在することとなり、難燃剤が脱落し易く、耐久性のある難燃効果を得ることが困難である。バインダーで難燃剤の脱落を防止する方法も考えられるが、皮革様シートが本来要求される柔軟性が損なわれる他、十分な立毛状態が得られず外観品位に劣るなどの問題が生じる。
また、難燃性を有する織編物を皮革様シート基材の裏面に積層する方法や、難燃性微粒子を添加して製造した繊維を用いて皮革様シート基材を製造する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。かかる方法は、後加工で難燃剤を付与する場合と比較して、柔軟な風合いや耐久性の点で優れている。しかし、極細繊維に難燃性を付与する場合、難燃剤およびポリマーの安定性の点から紡糸温度の設定、ポリマーおよび難燃剤の選択などに制約があり、断糸も生じ易く、生産性に劣る。また、繊維物性の低下も大きく表面繊維が脱落する点で問題である。
一方、表層が0.5dtex以下の極細熱可塑性合成繊維からなり、内在する織編物もしくは裏層、もしくはその両方にリン共重合熱可塑性合成繊維を用いる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、難燃性を付与するためには、相対的に表面層よりスクリムや裏面層の割合を多くする必要があり、摩耗によりスクリムが露出して品位が大幅に低下する問題がある。特に、繊維長が短く、繊維強度が低い(切れやすい)場合には、摩耗減量が多くなり、その問題が顕著となる。
さらに、皮革様シート基材を構成する不織布の絡合空間内に含有させる高分子弾性体に難燃剤を添加したものを用いる方法も提案されているが(例えば、特許文献4参照)、一般に十分な難燃効果が得られにくく、経時的な高分子弾性体の重合度低下等もあり好ましくない。この方法において、難燃効果を高くするために高分子弾性体への難燃剤の添加量を増加させると、皮革様シートの風合が硬くなり、高級感が失われる。さらに、難燃剤を増加させるために高分子弾性体を増加させると、かえって難燃性は低下する。
そこで、難燃性は難燃性繊維からなるスクリムや裏面層に配する不織布により達成すると共に、易燃焼性の高分子弾性体を5〜20重量%に抑える方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。高分子弾性体の使用量低下に伴いピリングは発生しやすくなるが、繊維強度を落として切断を促進することでこれを抑制している。しかし、繊維切断によって摩擦による摩耗減量が増加し、立毛がなくなると共にスクリムが露出する問題がある。特に、繊維長が短い場合は、その傾向は顕著である。
一方、繊維長が長く、十分な強度を有する繊維の場合、摩耗減量の問題はないが、高分子弾性体の使用量低下に伴いピリングが発生しやすく、これにより表面品位も低下する。そこで、難燃性の観点から高分子弾性体を3〜15重量%と比較的少ない量としつつ、海島複合繊維を十分に絡合させ、さらに30%以上の面積収縮を行って毛羽密度を向上させる方法がある(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、十分に絡合させるのはあくまで複合繊維の状態であり、海成分を除去した後は極細繊維束同士が絡合しているにすぎない。従って、極細繊維同士は絡合しておらず、ピリングが発生しやすい問題は解決できていない。
上記のように、これまで優美な表面外観と柔軟性を保持しつつ、かつ、ピリングや摩耗減量を満足する耐摩耗性と難燃性を有する皮革様シートは得られていなかった。
特開昭60−215878号公報 特開2002−294571号公報 特開2004−169197号号公報 特開平7−18584号公報 国際公開第2005/11300号パンフレット 特開2004−131875号公報 特公昭44−18369号公報 特開昭54−116417号公報
本発明は、優美な表面外観を有し、耐摩耗性と難燃性に優れた皮革様シート状物を得ることを目的とする。
すなわち本発明は、繊維長2cm以上の極細繊維が相互に絡合した不織布を含み、高分子弾性体が15質量%以下であり、かつ、有機リン系難燃剤又はハロゲン系難燃剤を含有することを特徴とする皮革様シート状物である。
また本発明は、本発明の皮革様シート状物を製造する方法であって、
極細繊維を発現可能な極細繊維発現繊維をニードルパンチ処理して不織布とする工程、
前記極細繊維発現繊維から極細繊維を発現させる工程、
前記極細繊維を発現した不織布に10MPa以上の圧力で高速流体処理を行う工程
をこの順に含むことを特徴とする皮革様シート状物の製造方法である。
本発明の皮革様シート状物は、優美な表面外観を有し、かつ、摩耗減量の抑制や抗ピル性といった耐摩耗性を有しつつ、難燃性にも優れている。
極細繊維の単繊維直径としては、1〜10μmとすることが好ましい。1μm以上が好ましく、より好ましくは2μm以上、さらに好ましくは3μm以上とすることで、耐光性や切断による摩耗減量を抑えることできる。また、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは5μm以下とすることで、表面タッチに優れ、皮革様シート状物本来の優美な外観も得られる。
極細繊維の繊維長としては、不織布を構成する主要な繊維を2cm以上とすることが必要である。2cm以上、好ましくは5cm以上とすることで、摩耗減量、すなわち摩擦による繊維の脱落が抑制され、外観品位が低下するのを防ぐことができる。なお、2cm以上であれば長繊維であってもよく、具体的には長繊維不織布をベースに本発明の皮革様シート状物を製造しても構わないが、この場合立毛を得るために必要な範囲でニードルパンチ等により適度に切断しておくことが好ましい。より優れた品位のものを得る点では10cm以下が好ましく、より好ましくは8cm以下、さらに好ましくは6cm以下である。
極細繊維は、相互に絡合して不織布を構成していることが重要である。極細繊維同士が相互に絡合した構造とすることで、多量の高分子弾性体が含まれなくても抗ピリング性を得ることができる。従来の極細繊維からなる皮革様シートのうち、特に繊維長が2cm以上のものは、一般に極細繊維が集束した繊維束の状態で絡合した構造を有している。従来の皮革様シートにおいては、高分子弾性体の量を少なくすると抗ピル性が低下する問題があったが、本発明においては、繊維の高度な絡合により抗ピル性を大幅に向上させることに成功し、高分子弾性体の量を従来よりも大幅に削減することができたものである。なお、本発明の効果が損なわれない範囲で繊維束の状態が含まれていてもよい。
本発明の皮革様シート状物における極細繊維は熱可塑性樹脂で形成され、非弾性繊維からなることが好ましい。具体的には、物性や生産性の点でポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなる繊維が好ましく用いられ、特に染色性や品位に優れる点でポリエステル又はポリアミドからなる繊維が好ましく用いられる。ポリエーテルエステル系繊維やいわゆるスパンデックス等のポリウレタン系繊維などの弾性繊維は好ましくない。ポリエステルとしては、繊維化が可能なものであれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト、ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等が挙げられる。中でも最も汎用的に用いられているポリエチレンテレフタレートまたは主としてエチレンテレフタレート単位を含むポリエステル共重合体が好適に使用される。また、ポリアミドとしては、たとえばナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46等のアミド結合を有するポリマーを挙げることができる。中でも汎用的に用いられるナイロン6、ナイロン66が好適に使用される。
本発明の皮革様シート状物は、繊維長2cm以上の極細繊維が相互に絡合した不織布を含み、その含量は、本発明の革皮様シート状物の質量から高分子弾性体および有機リン系難燃剤若しくはハロゲン系難燃剤の質量を差し引いた質量に対して、50質量%以上が好ましい。
また、本発明の皮革様シート状物は、繊維長2cm以上の極細繊維が相互に絡合した不織布を主としてなるものであるが、不織布以外に織編物を含むことが好ましい。そうすることで、座席上張り材等の用途にも適した、より高い形態安定性を得ることができる。特に、本発明においては高分子弾性体の含有量との関係で低減する形態安定性を向上させるために、当該織編物を積層することは好ましい態様である。
織編物とは織物又は編物の総称で、織物としては例えば、平織、綾織、朱子織等、編物としては例えば、丸編、トリコット、ラッセル等を挙げることができる。製造コストの点からは、平織が好ましい。
上記織編物は、本発明の目的を損なわない範囲で1種もしくは数種含まれていてもよいが、その含量の合計質量としては、本発明の革皮様シート状物の質量から高分子弾性体および有機リン系難燃剤若しくはハロゲン系難燃剤の質量を差し引いた質量に対して、50質量%以下にとどめることが好ましい。
上記織編物の素材としては、特に限定されないが、前記極細繊維と同様の素材を用いることができる。
本発明の皮革様シート状物における高分子弾性体の含有量としては、皮革様シート状物の質量に15質量%以下とすることが重要である。高分子弾性体の含有量を15質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下とすることで、優れた難燃性を発揮することができる。また、高分子弾性体が1質量%以下、さらには全く含まないような実質的繊維素材からなる皮革様シート状物とすることで、特に優れた難燃性を発揮することができる。
本発明における高分子弾性体とは、伸び縮みするゴム弾性を有している高分子であり、例えば、ポリウレタンエラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、スチレン−イソプレンブロック共重合体の弾性水素添加物、アクリルゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソブチレンイソプレンゴムなどを挙げることができ、中でも、柔軟性、弾性回復性、耐摩耗性等の点からポリウレタンエラストマーが好ましい。
前記高分子弾性体としては無孔質と多孔質いずれの高分子弾性体も用いることができるが、より高い難燃性を発揮できるという点で、無孔質の高分子弾性体が好適である。
本発明の皮革様シート状物は、有機リン系難燃剤又はハロゲン系難燃剤を含有することが重要である。これらの難燃剤により、難燃性を向上させることができる。環境負荷軽減の点では、有機リン系難燃剤が好ましい。有機リン系難燃剤としては例えば、リン酸グアニジン系、リン酸カルバネート系、リン酸エステル系、芳香族縮合リン酸エステル系、リン酸アミド系、リン酸アンモニウム等を挙げることができる。一方、より高い難燃性を得るためにはハロゲン系難燃剤が好ましい。特に柔軟性とUL94に規定されるV−0、VTM−0以上の難燃性を両立させるために、上述した実質的に繊維素材からなる皮革様シート状物とハロゲン系難燃剤の組み合わせが好ましい。ハロゲン系難燃剤としては、塩素や臭素化合物が挙げられ、例えばデカブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモベンゼン系、テトラブロモベンゼン系、臭素化ポリスチレン系等の臭素系難燃剤、塩素化パラフィン等の塩素系難燃剤を挙げることができ、中でも非デカブロのブロモベンゼン系難燃剤が環境負荷低減のために好ましく適用することができる。
また、前記有機リン系難燃剤又はハロゲン系難燃剤は裏面に選択的に存在することが好ましい。そうすることで、べたつき感がより軽減され、より優れた表面品位外観を得ることができる。かかる態様とする場合の難燃剤としては例えば、リン酸グアニジン系、リン酸カルバネート系、リン酸エステル系、芳香族縮合リン酸エステル系、リン酸エステルアミド系、塩素や臭素化合物等の難燃剤を挙げることができる。
また、さらに難燃性を向上させるために、不織布や織編物を構成する繊維中に難燃剤を添加したり、難燃性成分を共重合することもできる。その場合の難燃剤としては例えば、オキサホスホラン、ホスフィン酸誘導体、ホスファフェナントレン誘導体、リン酸トリエステル類、等のリン含有化合物を挙げることができる。ただし、難燃剤を含む繊維は、紡糸安定性に劣り、繊維も切断されて摩耗減量が増加する問題がある。本発明においては、難燃剤を含まない繊維であっても高い難燃性を有しているため、難燃剤を含まない繊維からなる皮革様シート状物であることが好ましい態様である。
皮革様シート状物に対する有機リン系難燃剤又はハロゲン系難燃剤の含有量としては、パッド法等の浸漬処理の場合、0.5〜15質量%が好ましい。0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは2.0質量%以上とすることで、良好な難燃性を得ることができる。また、15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下とすることで、より難燃剤によるべたつきや風合いの硬化、表面の立毛品位の低下を抑制できる。また、皮革様シート状物の裏面へのコーティング処理の場合、20〜300g/mが好ましい。20g/m以上とすることで良好な難燃性を得ることができる。また、300g/m以下、より好ましくは200g/m以下、さらに好ましくは100g/m以下とすることでより柔軟な風合いを得ることができる。
本発明の皮革様シート状物は、少なくとも一方の面が立毛を有することが好ましい。そうすることで、いわゆるスエード調やヌバック調の優美な外観と触感を得ることができる。
本発明の皮革様シート状物の見掛け密度としては、通常は0.20〜0.80g/cmであり、0.40〜0.70g/cmが好ましい。0.40g/cm以上、より好ましくは0.42g/cm以上とすることで、より良好な難燃性と耐摩耗性を得ることができる。また0.70g/cm以下、より好ましくは0.60g/cm以下とすることで、風合いが柔らかく、種々の用途への加工性を維持することができる。
織編物における糸の撚数としては、1300〜3000T/mが好ましい。1300T/m以上、より好ましくは1500T/m以上とすることで、不織布との積層一体化をニードルパンチで行う場合は損傷をうけにくく、高速流体処理で行う場合は流体の通過性に優れる効果を有する。また、3000T/m以下とすることで、製造コストを抑えることができる。
また、本発明の皮革様シート状物の目付としては、150〜550g/mが好ましい。150g/m以上、より好ましくは200g/m以上とすることで、資材用途にも好適な強度等の機械的特性を得ることができる。また550g/m以下、より好ましくは500g/m以下、さらに好ましくは450g/m以下とすることで、良好な成型加工性を得ることができる。
本発明の皮革様シート状物は、マーチンデール法における摩耗試験において、立毛面を20000回摩耗した時の摩耗減量が20mg以下であることが好ましい。摩耗減量を20mg以下、より好ましくは15mg以下、さらに好ましくは10mg以下とすることで、実使用において毛羽が服等に付着することがほとんど観察されず実用上問題がない。一方、下限は特に限定されず、本発明の皮革様シート状物であればほとんど摩耗減量がないものを得ることもできる。
本発明の皮革様シート状物は、JIS D 1201:1998に規定される燃焼性試験において、燃焼速度が70mm/min以下であることが好ましく、さらには燃焼速度が測定できない程度にまで難燃性を有し、燃焼長が51mm未満で、かつ、燃焼時間が60秒未満であることが好ましい。かかる難燃性は、上述したように、難燃剤と、高分子弾性体含有量の極小化、さらには見掛け密度の増加によって達成することが可能となる。かかる難燃性を達成することで、耐摩耗性と柔軟性と難燃性を両立し、特にカーシート等の車両用内装材に好ましく使用することができる。
また、本発明の皮革様シート状物はUL94に規定される燃焼試験において、VTM−0であることが好ましい。従来の人工皮革ではVTM−2であったが、本発明では上述した繊維基材と難燃剤の組み合わせでVTM−0を達成することができる。特に実質的に繊維素材からなる繊維基材と臭素系難燃剤の組み合わせとすることで、高い難燃性と共に柔軟性や優れた品位を有した難燃性皮革様シート状物とすることができる。このような高い難燃性と共に柔軟性や品位を両立した難燃性皮革様シート状物は特に電化製品の外装材に好ましく使用することができる。
次に本発明の皮革様シート状物の製造方法の一例を述べる。
前述のような極細繊維を製造する方法としては例えば、直接極細繊維を紡糸する方法や、極細繊維発現型繊維を紡糸してから極細繊維を発現させる方法等を採用することができる。極細繊維発現型繊維としては、海島型繊維、分割型繊維などを挙げることができる。これらの中でも、直径の小さな繊維を安定して得ることができる点で、海島型繊維が好ましい。
海島型繊維を得る方法としては例えば、
(1)2成分以上のポリマーをチップ状態でブレンドして紡糸する方法、
(2)予め2成分以上のポリマーを混練してチップ化した後、紡糸する方法、
(3)溶融状態の2成分以上のポリマーを紡糸機のパック内で静止混練器等を用いて混合して紡糸する方法、
(4)特許文献7、特許文献8等に開示された口金を用いて紡糸する方法、
などを挙げることができる。なかでも、安定した細さの極細繊維を製造することが可能である点で上記(4)の方法が好ましい。
海島型繊維における、用いるポリマー種の数としては、紡糸安定性や染色性を考慮すると2〜3成分が好ましく、特に海成分が1成分、島成分が1成分の計2成分で構成されることが好ましい。
また島成分の海島型繊維に対する質量比としては0.3〜0.99が好ましい。0.3以上、より好ましくは0.4以上、さらに好ましくは0.5以上とすることで、海成分の除去率、ひいては製造コストを抑えることができる。また、0.99以下、より好ましくは0.97以下、さらに好ましくは0.8以下とすることで、島成分同士の合流を抑え、安定した紡糸を行うことができる。
上記(4)の方法による海島型繊維は例えば、通常2500m/分以下の紡速で紡糸した未延伸糸を引き取った後、湿熱または乾熱、あるいはその両者によって1段〜3段延伸する方法や、4000m/分以上の紡速で引き取る方法により延伸糸を得ることができる。
海島型繊維の平均単繊直径としては、10〜30μmが好ましい。30μm以下、より好ましくは25μm以下とすることで、海島型繊維同士を効率良く絡合させることができる。また、10μm以上、より好ましくは15μm以上とすることで、絡合処理において繊維が切れるのを防ぐことができる。
次いで、得られた極細繊維または海島型繊維をウェブ化する。その方法としては、短繊維不織布の場合には、カード、クロスラッパー、ランダムウエバー等を用いる乾式法や、抄紙法等の湿式法を採用することができる。また、長繊維不織布の場合には、スパンボンド法を採用することができる。
ここで、織編物が含まれる態様の場合、ニードルパンチや高速流体処理等により不織布と織編物を絡合一体化する方法や、不織布と織編物を接着により貼り合わせる方法等で製造することができるが、風合いが柔軟である点で前者が好ましい。なお、本発明では、不織布を製造する方法としては、後述するようにニードルパンチと高速流体処理の2種の絡合方法を、それぞれ海島型繊維と極細繊維の絡合に組み合わせて用いる方法が好ましい。
本発明の製造方法において海島型繊維を絡合させるニードルパンチは、単なる工程通過性を得るための仮止めとしての役割ではなく、海島型繊維を十分に絡合させる役割を有する。
ニードルとしては、表面品位が優れる点で、1バーブ型が好ましい。ニードルパンチの打ち込み密度としては、500本/cm以上が好ましい。より好ましくは1000本/cm以上、さらに好ましくは1500本/cm以上とすることで、良好な絡合が得られる。
ニードルパンチ処理後の海島型繊維からなるウェブの繊維見掛け密度としては、0.12〜0.30g/cmが好ましい。0.12g/cm以上、より好ましくは0.15g/cm以上とすることで、繊維が良好に絡合し、引張強力、引裂強力、耐摩耗性等の物性について良好な値が得られる。また、0.30g/cm以下、より好ましくは0.25g/cm以下とすることで、ニードル針の折れや、針穴の残留などの発生を抑えることができる。
スパンボンド法においては、ポリマーを口金から溶融吐出して連続フィラメントを形成させ、これをエジェクター等の牽引作用により2000〜8000m/分の速度で紡糸し、移動する捕集装置上に捕集して長繊維ウェブを得ることができる。
得られた長繊維ウェブは、コストの観点からは巻き取ることなく絡合することが好ましいが、搬送性や取扱い性、製造スピードの調整等の観点から一旦巻き取ってもよい。一旦巻き取る場合には、一定の形態安定性を付与する観点から、80〜240℃の加熱下でプレス処理をするかまたは上述と同様のニードルパンチ処理を施すことが好ましい。なかでも、風合いや品位に優れる点でニードルパンチが好ましい。
ウェブに対しては、乾熱処理または湿熱処理、あるいはその両方によって収縮させ、さらに高密度化させることが好ましい。
次いで、海島型繊維からなる不織布について、極細化処理により極細繊維不織布とし、かかる極細繊維不織布について、高速流体処理により極細繊維同士の絡合を行う。極細化処理をした後に高速流体処理を行ってもよいし、極細化処理と同時に高速流体処理を行っても良い。また極細化処理と同時に高速流体処理を行い、その後に、さらに高速流体処理を行ってもよい。高速流体処理で極細化処理を兼ねる場合、少なくとも極細化処理が大部分終了した後にも高速流体処理を行うことが、極細繊維同士の絡合をより進める上で好ましい。確実に極細化した後に高速流体処理を行って繊維相互に絡合させるうえでは、いずれにしても極細化処理を行った後の高速流体処理を行うことが好ましい。
極細化処理の方法としては例えば、機械的方法、および、化学的方法が挙げられる。機械的方法は、物理的な刺激を付与することによって海島型繊維を極細化する方法である。具体的には、例えば上記のようなニードルパンチ法やウォータージェットパンチ法等の衝撃を与える方法の他に、ローラー間で加圧する方法、超音波処理を行う方法等が挙げられる。また化学的方法としては例えば、海島型繊維を構成する少なくとも1成分に対し、薬剤によって膨潤、分解、溶解等の変化を与える方法が挙げられる。特に、海成分としてアルカリ易分解性ポリマーを用いた海島型繊維を弱酸性〜アルカリ性(pH6〜14)の水溶液で処理して極細化する方法は、有機溶剤を使用せず環境保全上好ましい。
弱酸性〜アルカリ性の水溶液は有機塩類または無機塩類を含むことが好ましい。有機塩類または無機塩類としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。中でも水酸化ナトリウムが価格や取り扱いの容易さ等の点で好ましい。
また、弱酸性〜アルカリ性の水溶液にはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミンや減量促進剤、キャリアー等を添加して用いることも好ましい。
弱酸性〜アルカリ性の水溶液による処理を施した後には、中和および洗浄して残留する薬剤や分解物等を除去してから乾燥を施すことが好ましい。
高速流体処理としては、作業環境の点で、有機溶媒ではなく、水流を使用するウォータージェットパンチ処理が好ましい。
ウォータージェットパンチ処理において、水は柱状流の状態で行うことが好ましい。柱状流は、通常、直径0.06〜1.0mmのノズルから噴射圧力1〜60MPaで水を噴出させることで得られる。
ノズルの孔径としては、直径1.0mm以下、より好ましくは0.15mm以下、さらに好ましくは0.14mmとすることで、極細繊維同士の絡合を向上させ、また不織布ひいては皮革様シート状物の表面平滑性も向上させることができる。一方、0.06mm以上、より好ましくは0.08mm以上とすることで、ノズル詰まりの発生を抑えることができる。
またノズルの間隔としては、5mm以下、より好ましくは1mm以下とすることで、筋の発生を抑え、目立たなくさせることができる。
高速流体処理は数回繰り返して行うことが、厚さ方向に均一な交絡を達成し、また不織布ひいては皮革様シート状物の表面の平滑性を向上させるうえで好ましい。
なお、少なくとも1回の処理とは、複数のノズル孔を有するノズルプレートを含む1ノズルヘッド(1インジェクター)で処理することを意味する。連続的に複数ノズルヘッドで処理した場合はその複数ノズルヘッド数の回数を処理したとし、1回とはカウントしない。
ノズルプレートは、異なる孔径のノズルを含むものを使用したり、複数回処理する場合には異なる構成のノズルプレートを併用したりしてもよい。
流体の噴射圧力は、処理する極細繊維ウェブの目付によって適宜選択し、高目付のもの程高圧力とすることが好ましく、10〜60MPaが好ましい。10MPa以上、より好ましくは15MPa以上、さらに好ましくは20MPa以上とすることで、極細繊維同士を高度に絡合させ、見掛け密度の向上を図ると共に、高い引張強力、引裂強力、耐摩耗性等の物性を得ることができる。また、60MPa以下、より好ましくは40MPa以下、さらに好ましくは35MPa以下とすることで、繊維の切断による毛羽の発生を防ぎ、不織布ひいては皮革様シート状物が不均一になるのを防ぎ、またエネルギーコストも抑えることができる。
海島型繊維から得た極細繊維の場合、極細繊維が集束した繊維束の状態で絡合しているものが一般的であるが、前記のような条件で高速流体処理を行うことによって、繊維束の状態のままでの絡合がほとんど観察されない程度にまで極細繊維同士が相互に絡合した極細繊維不織布を得ることができる。これにより、極細繊維束が絡合し、これに加えてさらに極細繊維がその極細繊維束内や他の極細繊維束の極細繊維と相互に絡合した構造となることで、特に耐摩耗性に優れる極細繊維不織布を得ることができる。なお、高速流体処理を行う前に、水浸漬処理を行ってもよい。さらに不織布表面の品位を向上させるために、ノズルヘッドと不織布を相対的に移動させる方法や、不織布とノズルの間に金網等を挿入して散水処理する等の方法を行うこともできる。
なお、極細化処理と高速流体処理を同時に行う方法としては、例えば、海成分として水可溶性ポリマーを用いた海島型繊維を用い、ウォータージェットパンチによって海成分の除去と極細繊維の絡合を行う方法、海成分としてアルカリ易溶解性ポリマーを用いた海島型繊維を用い、アルカリ処理液を通して海成分を分解処理した後に、ウォータージェットパンチによって海成分の最終除去および極細繊維の絡合処理を行う方法、等が挙げられる。
不織布と織編物を積層する場合、その積層方法は特に限定されず、接着や絡合等により行うことができるが、風合いが柔軟な点で絡合によることが好ましい。この場合、不織布の製造方法に合わせ、ニードルパンチや高速流体処理等で行うことができるが、特に高速流体処理で積層することが、織編物の損傷を防ぐことができる点で好ましい。
高分子弾性体を付与する場合、多孔質は溶剤系高分子弾性体を湿式凝固し、無孔質は、水分散型の高分子弾性体、例えば水系ポリウレタンを乾燥又は湿熱凝固することで容易に得ることができる。
ここで、水分散型高分子弾性体の分散液は、風合い調節が容易な点で感熱ゲル化性を有していることが好ましい。感熱ゲル化性とは、加熱した時に流動性を失いゲル状になる性質をいう。水分散型高分子弾性体の分散液を含浸した後、加熱してゲル化させ、該高分子弾性体の流動性を失わせることで、マイグレーションを抑制することができる。これにより、高分子弾性体が不織布内に偏在することを抑制し、良好な表面品位や柔軟な風合いを得ることができる。水分散型高分子弾性体の分散液の感熱ゲル化温度としては、安定して生産できる点で40〜80℃であることが好ましい。かかる感熱ゲル化温度の調整には、感熱ゲル化剤等を添加しても良いし、樹脂中に感熱ゲル化成分を導入しても良い。感熱ゲル化剤としては例えば、ポリオキシアルキレンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアシルエステル、ポリオキシエチレンポリアリールエーテル、アルキルフェノール−ホルマリン縮合物のアルキレンオキシド付加物、ノニオン系界面活性剤、オルガノポリシロキサン化合物等などが挙げられる。
また、水分散型高分子弾性体の分散液には、感熱ゲル化剤の他、本発明の効果を損なわない範囲内で、架橋剤、安定剤、浸透剤、増粘剤、マイグレーション防止剤等を添加しもよい。特に、マイグレーションを防止するために、増粘剤やマイグレーション防止剤を添加する方法が好ましい態様である。
水分散型高分子弾性体の分散液を付与した後、当該分散液を含んだ不織布を、乾熱、温水、熱水、常圧または高圧スチーム、マイクロ波等で70〜200℃に加熱して、ゲル化(固化)処理すると良い。例えばスチームにより加熱する装置としては、常圧スチーマー、高温スチーマー等が挙げられる。
次いで、スエード調やヌバック調に仕上げる場合には表面を起毛する。起毛方法は、針布起毛やサンドペーパーによるバフィングを採用することが出来るが、バフィングの方がより微細な立毛が形成し、均一な表面が得られるため好ましい。
品位を向上させるためには、染色することがよい。染色方法は特に限定されるものではなく、用いる染色機としても、液流染色機、サーモゾル染色機、高圧ジッガー染色機等いずれでもよいが、得られる皮革様シート状物の風合いが優れる点で液流染色機を用いて染色することが好ましい。
次いで、リン系又はハロゲン系難燃剤を付与する。付与方法としては特に限定されず、例えば含浸する方法や、浴中吸尽法、裏面に塗布する方法が挙げられる。含浸する方法とは、例えばパッド液中にディップした後、マングルにてピックアップ率5〜100wt%で絞り、ネットドライヤーやピンテンター等で80〜180℃の温度で乾燥する方法が挙げられる。浴中吸尽法とは、例えば、液流染色機等で難燃剤を添加して100〜150℃で処理した後、乾燥する方法が挙げられる。また、裏面に塗布する方法としては、例えば、難燃剤とバインダー等の樹脂成分をスプレー、ロータリースクリーン、ナイフコーター、グラビアコーター等で塗布した後、上記同様に乾燥する方法が挙げられる。本発明では、簡便で安定的に生産できる点では含浸法が好ましく採用され、立毛面への難燃剤の付着による品位不良やべたつき感をより抑制できる点では、裏面に塗布する方法が好ましく採用される。
以下、本発明を実施例で詳細に説明する。なお、実施例中の各物性値の測定方法は、以下の方法を用いた。
(1)繊維目付、繊維見掛け密度
繊維目付(g/m)はJIS L 1096 8.4.2(1999)に記載された方法で測定した。また、厚み(mm)として、ダイヤルシックネスゲージ((株)尾崎製作所製、商品名“ピーコックH”)により、無作為に10箇所測定してその平均値を求め、小数点第3位を四捨五入した値を用い、目付の値を厚みの値で割って、繊維見掛け密度(g/cm)を求め、小数点第3位を四捨五入した。
(2)繊維長
任意の3箇所から、それぞれ繊維を100本抜き出して伸長しないようにまっすぐ伸ばし繊維長を測定した。測定した300本分の繊維長の数平均を求めた。
(3)単繊維直径
走査型電子顕微鏡(JSM−5400LV、日本電子(株)製)にて1000倍で観察し、繊維横断面を100個ランダムに選んで直径を測定後、数平均を求めた。
(4)耐摩耗性(摩耗減量とピリング)
JIS L 1096(1999)8.17.5 E法(マーチンデール法)、家具用荷重(12kPa)、Cポジションに準じて測定した。ここで立毛面を20000回の回数を摩耗した後の試験布の摩耗減量(mg)を測定すると共に、20000回までの間に、最も外観変化(ピリング発生や織編物の露出)が大きいものについて目視で以下の判定を行った。
5級:全く変化なし(良)、4級:やや変化あり、3級:ピリング(露出)が確認できる、
2級:ピリング(露出)が目立つ、1級:ピリング(露出)がひどく目立つ(悪)。
(5)難燃性
下記A法(結果は表1)またはB法(結果は表2)により評価した。
A.JIS D1201(1998)に基づいて測定した。燃焼速度は5回の測定の最大値(mm/min)を示した。なお、燃焼長が51mm未満で、かつ、燃焼時間が60秒未満のものは「**」と表示した。
B.UL−94(薄手材料垂直燃焼試験)に基づいて測定した。試験片(20×5cm)を円筒状に巻き、クランプに垂直に取付け、20mm炎による3秒間接炎を2回行い、その燃焼挙動によりVTM-0、VTM-1、VTM−2、Notの判定を行った。
(6)極細繊維の絡合状態、高分子弾性体の孔の有無
走査型電子顕微鏡(JSM−5400LV、日本電子(株)製)にて、シートの断面を500倍で観察して繊維の絡合状態を観察した。ランダムに10箇所サンプリングし、厚み方向に200μm、幅200μm内において、複合繊維に由来する極細繊維束が明瞭に確認できないか、又は、極細繊維束が平均2本以下である場合、極細繊維が相互に絡合しているとした。また、高分子弾性体が存在する部分について、2000倍で観察して孔の有無を確認した。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレートからなる84デシテックス72フィラメントのS撚り2500T/mとZ撚り2500T/mを2本交互に配し、ヨコ糸には1本交互に配して織組織を平織とし、95×76本/2.54cmの織密度で織物を作製した。さらに、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸を全酸成分に対し8モル%含む共重合ポリエステル43部、島成分としてポリエチレンテレフタレート57部からなる平均単繊維繊度4.3デシテックス、16島、平均繊維長5.1cmの海島型複合短繊維を、カード機及びクロスラッパーに通して目付が260g/mの短繊維ウェブを作製した。この短繊維ウェブの片面に織物を重ね、1バーブ型のニードルパンチ機を用いて、3000本/cmの打ち込み密度でニードルパンチ処理し、目付を355g/m、厚み1.3mm、繊維見掛け密度0.267g/cmとした。次に、これを98℃の熱水に2分間浸漬して収縮させた後、100℃にて乾燥して水分を除去し、複合繊維不織布を得た。
この複合繊維不織布に、水酸化ナトリウム水溶液にパディングした後、105℃のスチームボックスで5分間処理した。次いで、水洗・乾燥を行い、極細繊維と織物が一体化された不織布を得た。この不織布の表面を電子顕微鏡で観察したところ、直径3.7μm(0.15デシテックス)の繊維に極細化されていた。
次に、極細繊維と織物が一体化された不織布(A)をネットコンベア上で、0.12mmの直径で、0.6mm間隔のノズルプレートが挿入されたノズルヘッドを有するウォータージェットパンチ機にて、表裏を40MPaの圧力で3回ずつ処理した。これを100℃にて乾燥して水分を除去し、次いで、株式会社菊川鉄工所製のワイドベルトサンダを用い、粒度が#180のサンドペーパーにてバフィングした後、液流染色機にて染色した。
ついで、有機リン系難燃剤(SDF−PD 大京化学(株)製)をパッドした後、100℃で乾燥させた。
このようにして得られた皮革様シート状物の断面を電子顕微鏡で観察したところ、極細繊維が相互に絡合した構造であった。このシートは高分子弾性体が含まれていないにも関わらず耐摩耗性に優れ、かつ、難燃剤が少量であるにも関わらず難燃性は非常に優れたものであった。また、難燃剤の量が少ないためべたつき感がほとんどなかった。得られた結果は表1にまとめて示した。
(実施例2)
有機リン系難燃剤の付与量を変更した以外は実施例1と同様にして皮革様シート状物を得た。得られた結果を表1に示すとおりすぐれたものであったが、べたつき感がやや増加していた。
(実施例3)
実施例2において、難燃剤を裏からスプレーで付与し、裏から熱風を吹き付けて乾燥させて皮革様シート状物を得た。難燃性は実施例2と同様であったが、べたつき感は実施例2より良好であった。
(実施例4)
難燃剤をハロゲン系難燃剤(ビゴールNo.520PM 大京化学(株)製)に変更し、付量を変更した以外は実施例1と同様にして皮革様シート状物を得た。実施例1と同様、優れた難燃性が得られた。
(実施例5)
実施例1で得られた、極細繊維と織物が一体化された不織布(A)に対し、ネットコンベア上で、0.12mmの直径で、0.6mm間隔のノズルプレートが挿入されたノズルヘッドを有するウォータージェットパンチ機にて、表裏を17MPaの圧力で3回ずつ処理した。これを100℃にて乾燥して水分を除去し、次いで、水系ポリウレタンエマルジョン(エバファノールAP12 日華化学(株)製)をパッドした後、100℃で乾燥させた。さらに、株式会社菊川鉄工所製のワイドベルトサンダを用い、粒度が#180のサンドペーパーにてバフィングした後、液流染色機にて染色した。
ついで、有機リン系難燃剤(SDF−PD 大京化学(株)製)をパッドした後、100℃で乾燥させた。
ここで得られた皮革様シート状物の断面を電子顕微鏡で観察したところ、極細繊維が相互に絡合した構造であり、ポリウレタンは無孔質であった。また、見掛け密度が0.426g/cmと高いために、難燃性に優れ、摩耗減量も少なかった。得られた結果を表1に示した。
(実施例6〜8)
難燃剤を変更した以外は実施例5と同様にして皮革様シート状物を得た。得られた結果を表1に示した。
(実施例9)
実施例1で得られた、極細繊維と織物が一体化された不織布(A)に対し、ネットコンベア上で、0.12mmの直径で、0.6mm間隔のノズルプレートが挿入されたノズルヘッドを有するウォータージェットパンチ機にて、表裏を14MPaの圧力で3回ずつ処理した。これを100℃にて乾燥して水分を除去し、次いで、水系ポリウレタンエマルジョン(エバファノールAP12 日華化学(株)製)をパッドした後、100℃で乾燥させた。さらに、株式会社菊川鉄工所製のワイドベルトサンダを用い、粒度が#180のサンドペーパーにてバフィングした後、液流染色機にて染色した。
ついで、有機リン系難燃剤(SDF−PD 大京化学(株)製)をパッドした後、100℃で乾燥させた。
ここで得られた皮革様シート状物の断面を電子顕微鏡で観察したところ、ポリウレタンは微量でほとんど確認できない量ではあったが、無孔質であることが確認できた。このように繊維の絡合性が低く、かつ、ポリウレタンも微量であるため、摩耗減量は少ないものの、ピリングが若干発生した。また、見掛け密度が0.39g/cmとやや低いために、難燃性は実施例1と比較すると劣るものであった。得られた結果を表1に示した。
(実施例10)
海成分としてポリスチレン45重量部、島成分としてポリエチレンテレフタレート55重量部からなる単繊維繊度3デシテックス、36島、繊維長2.5cmの海島型複合短繊維を用い、カード、クロスラッパーを通してウェブを作製した。次いで1バーブ型のニードルパンチにて1500本/cmの打ち込み密度で処理し、繊維見掛け密度0.20g/cmの複合短繊維不織布を得た。次に約95℃に加温した重合度500、ケン化度88%のポリビニルアルコール(PVA)12重量%の水溶液に固形分換算で不織布重量に対し25重量%の付着量になるように浸積し、PVAの含浸と同時に2分間収縮処理を行い、100℃にて乾燥して水分を除去した。得られたシートを約30℃のトリクレンでポリスチレンを完全に除去するまで処理し、単繊維直径0.19μmの極細繊維を得た。次いで、室田製作所(株)製の標準型漉割機を用いて、厚み方向に対して垂直に2枚にスプリット処理した後、0.1mmの孔径で、0.6mm間隔のノズルヘッドからなるウォータージェットパンチにて、1m/分の処理速度で表裏ともに10MPaと20MPaで処理し、PVAの除去とともに絡合を行った。これを100℃にて乾燥して水分を除去し、次いで、株式会社菊川鉄工所製のワイドベルトサンダを用い、粒度が#180のサンドペーパーにてバフィングした後、液流染色機にて染色した。
ついで、有機リン系難燃剤(SDF−PD 大京化学(株)製)をパッドした後、100℃で乾燥させた。
このようにして得られた皮革様シート状物の断面を電子顕微鏡で観察したところ、極細繊維が相互に絡合した構造であった。また、難燃剤が少量であるにも関わらず難燃性は非常に優れたものでありべたつき感がほとんどなかった。一方、耐摩耗性はやや劣るものであった。得られた結果は表1にまとめて示した。
(比較例1)
難燃剤を含まない以外は実施例1と同様に処理した。得られた皮革様シート状物は、耐摩耗性には優れているが、難燃性は不十分であった。得られた結果を表1に示した。
(比較例2)
難燃剤を含まないこととポリウレタンを付与したこと以外は実施例2と同様に処理した。得られた皮革様シート状物は、耐摩耗性には優れているが、難燃性は不十分であった。得られた結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1で得られた、極細繊維と織物が一体化された不織布(A)に対し、ウォータージェットパンチをすることなく、水系ポリウレタンエマルジョン(エバファノールAP12 日華化学(株)製)をパッドした後、100℃で乾燥させた。
さらに、株式会社菊川鉄工所製のワイドベルトサンダを用い、粒度が#180のサンドペーパーにてバフィングした後、液流染色機にて染色した。
このようにして得られた皮革様シート状物の断面を電子顕微鏡で観察したところ、極細繊維束が絡合した構造であり、ポリウレタンは無孔質であった。また、ポリウレタン量が20質量%と多いため、比較例2よりも難燃性は劣るものであった。得られた結果を表1に示した。
(比較例4)
海成分としてポリスチレン20重量部、島成分としてポリエチレンテレフタレート80重量部からなる単繊維繊度4.2デシテックス、16島、繊維長5.1cmの海島型複合短繊維を、カード機およびクロスラッパーに通してウェブを作製した。得られたウェブを、1バーブ型のニードルパンチ機を用いて、2800本/cmの打ち込み密度でニードルパンチ処理し、繊維見掛け密度0.20g/cmの複合短繊維不織布を得た。次に95℃に加温した重合度500、ケン化度88%のPVA5質量%の水溶液に2分間浸積し、PVAを不織布に、不織布重量に対し固形分換算で12質量%の付着量になるように含浸させると同時に収縮処理を行った。その後、不織布を100℃にて乾燥して水分を除去した。次いで、この複合短繊維不織布を液温30℃のトリクレンでポリスチレンが完全に除去されるまで処理することにより、複合短繊維から単繊維繊直径4.4μm(0.21デシテックス)の極細繊維を発現させた。
次に、ポリエーテル系ポリウレタンのDMF溶液を用いて含浸させ、湿式凝固させた。
このシートを厚み方向にスプリット処理し、このようにして得られた積層シートの極細繊維不織布側を、株式会社菊川鉄工所製のワイドベルトサンダを用い、粒度がP320の炭化ケイ素砥粒のサンドペーパーにて起毛処理した。さらに、液流染色機にて分散染料で染色した。
このようにして得られた皮革様シート状物の断面を電子顕微鏡で観察したところ、極細繊維束が相互に絡合した構造であり、ポリウレタンは多孔質であった。このシートの難燃性を評価した結果は表1に示すように、比較例3よりは若干優れているものの、難燃性は劣るものであった。
(比較例5)
直接紡糸で得られた直径3.2μm、繊維長0.5cmのポリエステル短繊維を抄造法にて表用に目付100g/mと裏用に30g/mの抄造シートを作製した。次いで、33デシテックス12フィラメントのポリエステル繊維からなる44ゲージ、77g/mのダブル丸編を中央に、表裏に抄造シートを配して、0.12mmの直径で、0.6mm間隔のノズルプレートが挿入されたノズルヘッドを有するウォータージェットパンチ機にて、表裏を10MPaの圧力で3回ずつ処理した。これを100℃にて乾燥して水分を除去し、次いで、水系ポリウレタンエマルジョン(エバファノールAP12 日華化学(株)製)をパッドした後、100℃で乾燥させた。さらに、株式会社菊川鉄工所製のワイドベルトサンダを用い、粒度が#320のサンドペーパーにてバフィングした後、液流染色機にて染色した。
ついで、有機リン系難燃剤(SDF−PD 大京化学(株)製)をパッドした後、100℃で乾燥させた。
得られた皮革様シート状物は繊維長が短いため摩耗減量が多く、部分的に編物が露出した。また、見掛け密度が0.35g/cmとやや低いために、難燃性に劣るものであった。得られた結果を表1に示した。
Figure 2010248683
(実施例11)
海成分としてポリスチレン45重量部、島成分としてポリエチレンテレフタレート55重量部からなる単繊維繊度3デシテックス、36島、繊維長5.1cmの海島型複合短繊維を用い、カード、クロスラッパーを通してウェブを作製した。次いで1バーブ型のニードルパンチにて2500本/cmの打ち込み密度で処理し、繊維見掛け密度0.21g/cmの複合短繊維不織布を得た。次に約95℃に加温した重合度500、ケン化度88%のポリビニルアルコール(PVA)12重量%の水溶液に固形分換算で不織布重量に対し25重量%の付着量になるように浸積し、PVAの含浸と同時に2分間収縮処理を行い、100℃にて乾燥して水分を除去した。得られたシートを約30℃のトリクレンでポリスチレンを完全に除去するまで処理し、単繊維直径1.9μmの極細繊維を得た。次いで、室田製作所(株)製の標準型漉割機を用いて、厚み方向に対して垂直に2枚にスプリット処理した後、0.1mmの孔径で、0.6mm間隔のノズルヘッドからなるウォータージェットパンチにて、1m/分の処理速度で表裏ともに10MPaと20MPaで処理し、PVAの除去とともに絡合を行った。これを100℃にて乾燥して水分を除去し、次いで、株式会社菊川鉄工所製のワイドベルトサンダを用い、粒度が#320のサンドペーパーにてバフィングした後、液流染色機にて染色した。
難燃剤としてエチレンビスペンタブロモベンゼン(ペンタブロモベンゼン系(非デカブロ))難燃剤を用い、固形分で65g/mを裏面にナイフコートして皮革様シート状物を得た。このようにして得られた皮革様シート状物の断面を電子顕微鏡で観察したところ、極細繊維が相互に絡合した構造であった。このシートは高分子弾性体が含まれていないにも関わらず耐摩耗性に優れ、かつ、難燃剤が少量であるにも関わらず難燃性は非常に優れたものであった。また、実施例1と比較して立毛品位に優れていた。得られた結果は表2にまとめて示した。
(実施例12)
難燃剤をリン酸エステルアミドに変え、パディング法で付与した以外は実施例11と同様に処理した。得られた皮革様シート状物は優れた難燃性を示したものの、難燃剤の量が多いために実施例11で得たものより硬くなった。得られた結果は表2にまとめて示した。
(比較例6)
海成分としてポリスチレン45重量部、島成分としてポリエチレンテレフタレート55重量部からなる単繊維繊度3デシテックス、36島、繊維長5.1cmの海島型複合短繊維を用い、カード、クロスラッパーを通してウェブを作製した。次いで1バーブ型のニードルパンチにて2500本/cmの打ち込み密度で処理し、繊維見掛け密度0.21g/cmの複合短繊維不織布を得た。次に約95℃に加温した重合度500、ケン化度88%のポリビニルアルコール(PVA)12重量%の水溶液に固形分換算で不織布重量に対し25重量%の付着量になるように浸積し、PVAの含浸と同時に2分間収縮処理を行い、100℃にて乾燥して水分を除去した。得られたシートを約30℃のトリクレンでポリスチレンを完全に除去するまで処理し、単繊維直径1.9μmの極細繊維を得た。次に、ポリエーテル系ポリウレタンのDMF溶液を含浸して湿式凝固させた。
このシートを室田製作所(株)製の標準型漉割機を用いて、厚み方向に対して垂直に2枚にスプリット処理した後、株式会社菊川鉄工所製のワイドベルトサンダを用い、粒度が#320のサンドペーパーにてバフィングした後、液流染色機にて染色した。
難燃剤としてエチレンビスペンタブロモベンゼン(ペンタブロモベンゼン系(非デカブロ))難燃剤を用い、固形分で65g/mを裏面にナイフコートして皮革様シート状物を得た。このようにして得られた皮革様シート状物の断面を電子顕微鏡で観察したところ、極細繊維束が相互に絡合した構造であり、ポリウレタンは多孔質であった。このシートの難燃性を評価した結果は表2に示すように、実施例1と比較して難燃性は劣るものであった。
Figure 2010248683
本発明の皮革様シート状物は、特に、鉄道、自動車、航空機、船舶等の座席上張材や内装材、壁材、ソファー、椅子等のインテリア家具の上張材の分野等に好適に使用できる。

Claims (10)

  1. 繊維長2cm以上の極細繊維が相互に絡合した不織布を含み、高分子弾性体が15質量%以下であり、かつ、有機リン系難燃剤又はハロゲン系難燃剤を含有することを特徴とする皮革様シート状物。
  2. 前記高分子弾性体が無孔質である、請求項1に記載の皮革様シート状物。
  3. 前記高分子弾性体が1質量%以下である、請求項1又は2に記載の皮革様シート状物。
  4. 実質的に繊維素材からなる請求項1に記載の皮革様シート状物。
  5. 見掛け密度が0.40〜0.70g/cmである請求項1〜4のいずれかに記載の皮革様シート状物。
  6. 撚数1300〜3000T/mの糸からなる織編物が含まれてなる、請求項1〜5のいずれかに記載の皮革様シート状物。
  7. 前記有機リン系難燃剤又はハロゲン系難燃剤が裏面に選択的に存在する、請求項1〜6のいずれかに記載の皮革様シート状物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の皮革様シート状物を用い、UL94に規定される難燃性がVTM−0である電化製品の外装材。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の皮革様シート状物を製造する方法であって、
    極細繊維を発現可能な極細繊維発現繊維をニードルパンチ処理して不織布とする工程、
    前記極細繊維発現繊維から極細繊維を発現させる工程、
    前記極細繊維が発現した不織布に10〜60MPaの圧力で高速流体処理を行う工程
    をこの順に含むことを特徴とする皮革様シート状物の製造方法。
  10. 難燃剤を裏面にコーティング処理して付与することを特長とする請求項9に記載の皮革様シート状物の製造方法。
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