JP2010245627A - ディザマスク作成方法および印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスク画素の各グループについて最適な評価を行う。
【解決手段】ディザマスク作成方法では、ディザマスクの各マスク画素に対して閾値の値の小さい順に選択される着目閾値を順次格納していく工程を有する。この工程において、前記閾値が未格納の未格納マスク画素のいずれかに前記着目閾値を格納した場合の前記ディザマスクを評価する評価指数を前記未格納マスク画素のそれぞれについて算出し、該評価指数が良好となる前記未格納マスク画素に対して前記着目閾値を格納する。そして、前記評価指数は、前記マスク画素の全部または一部から構成される複数のグループのそれぞれを評価するグループ別指数を総合したものであり、少なくとも一つの前記グループについての前記グループ別指数の評価方法は、他の前記グループについての前記グループ別指数の評価方法と異なる。
【選択図】図7

Description

この発明は、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する技術に関する。
ディザマスクを構成するマスク画素をドット形成タイミングに応じた複数のグループに分け、全グループおよび各グループ個別について粒状性が抑制されるようにディザマスクを最適化する技術が提案されている(特許文献1、参照)。
特開2007−49443号公報
上述した技術においては、各グループについて同様の評価方法によって粒状性を評価していた。そのため、各グループに適した評価ができないという問題があった。あるグループについて加味すべき評価観点が他のグループに対しては加味する必要がない場合が考えられる。このような状況において、すべてのグループについて当該評価観点を一様に加味する場合、無駄な作業・処理が生じるという問題があった。反対に、すべてのグループについて当該評価観点を一様に加味しない場合、加味すべき評価観点が抜け落ちるという問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、マスク画素の各グループについて最適な評価を行うことを目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、前記閾値の値の小さい順に着目閾値を選択し、各マスク画素に対して該着目閾値を順次格納していくことによりディザマスクを作成する。その際に、前記閾値が未格納の未格納マスク画素のいずれかに前記着目閾値を格納した場合の前記ディザマスクを評価する評価指数を前記未格納マスク画素のそれぞれについて算出する。そして、前記評価指数が良好となる前記未格納マスク画素に対して前記着目閾値を格納する。これにより、好ましい前記ディザマスクを作成することができる。さらに、前記評価指数は、前記マスク画素の全部または一部から構成される複数のグループのそれぞれを評価するグループ別指数を総合したものとされる。これにより、各グループ個別の評価と、全グループの評価とを総合的に判断した上で最適なディザマスクを作成することができる。さらに、少なくとも一つの前記グループについての前記グループ別指数の評価方法は、他の前記グループについての前記グループ別指数の評価方法と異なる。これにより、各グループの特性に応じた前記グループ別指数の評価方法を使用することができる。
さらに本発明の具体的態様の一例として、前記閾値が格納済みの前記マスク画素、および、いずれかの前記未格納マスク画素にドットが配置された場合のドット分散性を評価する前記グループ別指数を採用するようにしてもよい。これにより、ドット分散性が良好な印刷結果を得ることができる。さらに、ドットの形状を反映させた前記グループ別指数を採用するようにしてもよい。すなわち、単一の前記マスク画素のみならず、その周辺の前記マスク画素に広がるドット形状を有する場合のドット分散性(第1ドット分散性)を評価するようにしてもよい。これにより、より実際の印刷状態に忠実なドット分散性の評価を行うことができる。なお、前記第1ドット分散性は、すべての前記着目閾値について一様にドットの形状を反映させるものに限られず、前記着目閾値が前記閾値の一部の値域にあるときにのみ前記ドットの形状を反映させるものであってもよい。
さらに、前記第1ドット分散性の好適な具体例として、前記第1ドット分散性は、前記ドットが配置された前記マスク画素に対して付与された階調値の空間分布に基づいて算出されるようにしてもよい。この場合、単一の前記マスク画素に対して複数の前記ドットが重なったとき、その重なり回数に応じた大きさの前記階調値を該マスク画素に付与するのが望ましい。このようにすることにより、ドットの重ね合わせのドット分散性への影響を考慮することができ、より実際の印刷状態に忠実なドット分散性の評価を行うことができる。
前記グループの好適な例として、前記マスク画素の全部から構成される全マスク画素グループについて評価することにより、全体のドット分散性を評価することができる。また、印刷装置の印刷ヘッドの同一走査においてドットが形成される前記マスク画素から構成される同一走査グループについて評価することにより、走査ごとのドット分散性を評価することができる。さらに、同一走査方向に前記印刷ヘッドが走査する際にドットが形成される前記マスク画素から構成される同一走査方向グループについて評価することにより、走査方向ごとのドット分散性を評価することができる。このように、走査ごとや走査方向ごとのドット分散性を評価することにより、全体だけでなく、各走査、各走査方向において形成されるドットによるドット分散性を確保することができる。すなわち、最終的な印刷結果だけでなく、ドット形成過程におけるドット分散性を向上させることができ、印刷画像のむらを抑制することができる。
また、前記全マスク画素グループについての前記グループ別指数には、前記第1ドット分散性を適用するのが望ましい。すべての前記マスク画素を有する前記全マスク画素グループにおいては、印刷解像度に対応した高い空間周波数で前記マスク画素が配列するため、周辺に広がるドット形状を考慮した場合に、ドットの重なりが生じるからである。一方、前記同一走査グループおよび前記同一走査方向グループは前記マスク画素の一部によって構成されるため、前記全マスク画素グループよりも前記マスク画素の空間周波数が低くなる。そのため、周辺に広がるドット形状を考慮したとしても、ドットの重なりが生じる可能性は低い。すなわち、周辺に広がるドット形状を考慮しないことにより、前記グループ別指数を効率的に算出することができる。
ところで、前記グループ別指数を総合して前記評価指数を得る際に、個々の前記グループ別指数を重視する程度を前記着目閾値の大きさに応じて変動させてもよい。例えば、小さいドット発生量に対応する前記着目閾値を格納する段階では、ドットの重なりが生じる可能性が極めて低いため、前記第1ドット分散性を評価した前記グループ別指数を重視しないようにしてもよい。また、大きいドット発生量に対応する前記着目閾値を格納する段階では、全体的にドットが重なるため、前記第1ドット分散性を評価した前記グループ別指数を重視しないようにしてもよい。すなわち、局所的にドットが重なることを問題としており、前記着目閾値が中間域にあるときに、前記ドット形状と重なりを考慮した前記第1ドット分散性を重視するのが望ましい。また、前記第1ドット分散性の算出において、前記着目閾値が中間域にあるときのみ前記ドット形状と重なりを反映し、それ以外の場合には前記ドット形状と重なりを反映しないようにしてもよい。このようにしても、前記着目閾値の値域に応じて前記ドット形状と重なりの重視度合いを実質的に調整することができる。また、他の値域において前記ドット形状と重なりを反映しないことにより、処理の効率化を図ることができる。
なお、本発明は、ディザマスク作成方法のみならず、ディザマスク作成方法を構成する各工程を実行する手段を備えるディザマスク作成装置においても実現することができる。さらに、前記手段に相当する機能をコンピューターに実行させるディザマスク作成プログラムにおいても本発明が実現できる。また、本発明のディザマスク作成方法によって作成されるディザマスクも、本発明のディザマスク作成方法によって特徴付けられる。さらに、当該ディザマスクを使用してハーフトーン処理を行う印刷装置においても本発明が実現できる。
コンピューターのハードウェア構成図である。 コンピューターのソフトウェア構成図である。 ハーフトーン処理〜パス分解処理および印刷方式を説明する図である。 ディザマスク作成処理を示すフローチャートである。 ディザマスク作成処理を説明する模式図である。 グループを説明する模式図である。 ドット形状を付加する様子を説明する図である。 変形例においてドット形状を付加する様子を説明する図である。 変形例にかかるディザマスク作成処理を示すフローチャートである。 変形例にかかる重み係数を説明するグラフである。 ポテンシャル値PIを算出する様子を説明する模式図である。
以下では、本発明の作用・効果をより明確に説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順序に従って説明する。
A.装置構成および印刷方式:
B.ディザマスクの作成:
C.変形例:
A.装置構成および印刷方式
図1は、本発明の画像処理装置を具体的に実現するコンピューターの一例の構成を示している。同図において、コンピューター10はCPU11とRAM12とROM13とハードディスクドライブ(HDD)14と汎用インターフェイス(GIF)15とビデオインターフェイス(VIF)16と入力インターフェイス(IIF)17とバス18とから構成されている。バス18は、コンピューター10を構成する各要素11〜17の間でのデータ通信を実現するものであり、図示しないチップセット等によって通信が制御されている。HDD14には、オペレーティングシステム(OS)を含む各種プログラムを実行するためのプログラムデータ14aが記憶されており、当該プログラムデータ14aをRAM12に展開しながらCPU11が当該プログラムデータ14aに準じた演算を実行する。
GIF15は、例えばUSB規格に準じたインターフェイスを提供するものであり、外部のプリンター20をコンピューター10に接続させている。VIF16はコンピューター10を外部のディスプレイ40に接続し、ディスプレイ40に画像を表示するためのインターフェイスを提供する。IIF17はコンピューター10を外部のキーボード50aとマウス50bに接続し、キーボード50aとマウス50bからの入力信号をコンピューター10が取得するためのインターフェイスを提供する。
図2は、コンピューター10において実行されるプログラムのソフトウェア構成を示している。同図において、オペレーティングシステム(OS)上においてディザマスク作成プログラムP1とプリンタードライバーP2が実行されている。OSは各プログラム間のインターフェイスを提供する。ディザマスク作成プログラムP1は、グループ分類部P1aと着目閾値選択部P1bと評価指数算出部P1cと閾値格納部P1dとから構成されている。さらに、評価指数算出部P1cは、ドットマップ作成部P1c1とドット形状付加部P1c2と分散性指数算出部P1c3とから構成されている。ディザマスク作成プログラムP1を構成する各モジュールP1a〜P1dが実行する処理の詳細については処理の流れとともに説明する。プリンタードライバーP2は、画像データ生成部P2aと色変換処理部P2bとハーフトーン処理部P2cとパス分解処理部P2dとから構成されている。
画像データ生成部P2aは、印刷ジョブに含まれるコマンドに基づいてビットマップデータを描画し、該ビットマップデータの画像サイズ(画素数)を印刷解像度に適合するように変換する。色変換処理部P2bは、前記ビットマップデータを、各画素がプリンター20が吐出可能なインクのインク量(ドット発生量)の階調値を有する画像データ(入力画像データ)に変換する処理を行う。ハーフトーン処理部P2cは、各インク別の入力画像データに対してディザ法によるハーフトーン処理を実行する。このハーフトーン処理においては、予めディザマスク作成プログラムP1が作成したディザマスクMが使用される。
図3は、ハーフトーン処理〜パス分解処理およびプリンター20における印刷の様子を概念的に示している。ハーフトーン処理においては、ディザマスクMを参照しながら、入力画像データの各画素についてのドット形成の有無を判断する。各画素の大きさは、印刷用紙上の印刷解像度に対応する。例えば、印刷解像度が横1440×縦720dpiであるとき、各画素の横と縦の大きさはそれぞれ横1/1440インチ、縦1/720インチに相当する。ドット形成の有無を判断するに際しては、まず、判断しようとする画素を選択し、この画素についての入力画像データのインク量の階調値と、ディザマスクMにおいて該画素に対応する位置に存在するマスク画素に格納されている閾値と比較する。なお、本実施例では、マスク画素が16行16列で配列するディザマスクMを使用・作成するが、図の簡略化のため一部を図示する。図3に示した細い破線の矢印は、入力画像データのインク量の階調値と、ディザマスクMのマスク画素に格納されている閾値とを、画素毎に比較していることを模式的に表したものである。例えば、入力画像データの左上隅の画素については、入力画像データのインク量の階調値は36であり、ディザマスクMの閾値は0であるから、この画素にはドットを形成すると判断する。
図3に実線で示した矢印は、この画素にはドットを形成すると判断して、判断結果をハーフトーンデータに反映させている様子を模式的に表したものである。一方、この画素の右隣の画素については、入力画像データの階調値は160、ディザマスクの閾値は200であり、閾値の方が大きいので、この画素についてはドットを形成しないと判断する。ハーフトーンデータは、各画素がドットを形成するか否かの2値の情報を有する画像データであり、図3ではドットを形成する画素をハッチングで示している。ディザ法では、こうしてディザマスクMを参照しながら、画素毎にドットを形成するか否かを判断することで、入力画像データを画素毎にドット形成の有無を表すハーフトーンデータに変換する。このように、ディザ法を用いれば、入力画像データの階調値とディザマスクMに設定されている閾値とを比較するという単純な処理で、画素毎のドットの形成可否を判断することができる。
以上のようにしてハーフトーンデータが生成できると、パス分解処理部P2dがハーフトーンデータの各画素をプリンター20における各主走査パスに分解する。図3においては、パス分解処理における分解規則を規定した分解マトリックスをハーフトーンデータおよびディザマスクMと対比して示している。分解マトリックスの各画素には、1〜4の主パス番号が対応付けられている。本実施例では、1〜4のパス番号に対応する4回の主走査パスによって1サイクルが構成される。むろん、本発明は4パス印刷に限定されるものではなく、他のパス数を想定した場合でも適用することができる。各サイクルにおいて、パス番号の小さい順に各主走査パスが行われる。図3に図示するように、パス番号1,3に対応する画素については、印刷ヘッド21が往方向(図において右方向)に主走査する主走査パスにおいてドットが形成される。パス番号2,4に対応する画素については、印刷ヘッド21が復方向(図において左方向)に主走査する主走査パスにおいてドットが形成される。
パス番号1,3の主走査パスで形成されるドットは、パス番号2,4の主走査パスで形成されるドットに対して、1/1440インチだけ主走査方向にずれた位置となる。なお、各主走査パスにおけるインク吐出タイミングを調整することにより、ドット形成位置が主走査方向にずらされる。図示しないが、パス番号1,2の主走査パスの間、および、パス番号3,4の主走査パスの間に印刷用紙が副走査方向に送られる量は、1/720インチの偶数倍(印刷ヘッド21におけるノズルピッチの整数倍)である。一方、パス番号2,3の主走査パスの間、および、パス番号4,1の主走査パスの間に印刷用紙が副走査方向に送られる量は、1/720インチの奇数倍である。これにより、パス番号1,2の主走査パスで形成されるドットは、パス番号3,4の主走査パスで形成されるドットに対して、1/720インチだけ副走査方向にずれた位置となる。ハーフトーンデータの各画素を各主走査パスに分解すると、さらに各画素を主走査パスの順に並び替え、各種制御データを添付してプリンター20に出力する。これにより、プリンター20は、上述した主走査パスを順次行い、印刷用紙上に印刷画像を形成する。
ところで、図3に示すように、ディザマスクMの各マスク画素と分解マトリックスの各画素との関係は予め特定可能である。すなわち、ディザマスクMの各マスク画素の閾値が、どの主走査パスにおけるドットの形成可否を決定するものであるかを特定することができる。以上説明した印刷方式を前提とし、本実施例では以下のようにしてディザマスクMを作成する。
B.ディザマスクの作成
図4は本実施例のディザマスク作成処理の流れを示し、図5はディザマスク作成処理によってディザマスクMが作成されていく様子を概念的に示している。ディザマスク作成処理は、複数のループ処理によって構成されており、まず各ループ処理の概要について説明する。最初の段階ではディザマスクMを構成する各マスク画素には何も格納されていない。なお、本実施例では、図示の簡略化のため16行16列のディザマスクMを作成することとする。なお、図5では、図の簡略化のため、ディザマスクMの左上隅4行8列のみを抽出して図示するものとする(図6〜8についても同じ。)。色変換処理後の入力画像データの各画素のインク量の階調値も、0〜255(8ビット)の範囲であるものとする。むろん、ディザマスクMの大きさは16行16列には限られず、例えば10ビット程度の閾値を格納可能な大きさのディザマスクMを作成してもよい。
各マスク画素には、0〜255の閾値を重複させることなく小さい順から順に格納していくこととする。ステップS100では小さい順から順に閾値を選択する処理を行っており(以下、選択された閾値を着目閾値Sと表記する。)、ステップS100〜S250のループ処理によって該着目閾値Sを格納するマスク画素を決定する処理が繰り返して実行される。図5Aに図示するように、ある着目閾値Sが選択された段階で、それよりも小さい閾値(以下、格納済み閾値と表記する。)は、すでにいずれかのマスク画素(以下、格納済みマスク画素(●で図示。)と表記する。)に格納されていることとなる。ディザマスクMのマスク画素のうち、格納済みマスク画素以外の画素を未格納マスク画素と表記する。
ステップS110では未格納マスク画素を選択する処理を行っており(以下、選択された未格納画素を着目未格納マスク画素(▲で図示。)と表記する。)。ステップS110〜S220のループ処理によって着目未格納マスク画素に着目閾値S(図はS=75。)を格納した場合のドット分散性を評価する評価指数を算出する処理を繰り返して実行する。ここでは、格納済みマスク画素(●で図示。)、および、着目未格納マスク画素(▲で図示。)にドットが形成されるとしたドットマップDを得る。図5Bに示すようにドットマップDが生成できると、図5Cに示すように該ドットマップDの各マスク画素を複数のグループに分類することにより、各グループに対応するグループ別ドットマップGDを作成する。その際に、所定の条件を満足する場合には、ドット形状やドットの重なりも付加したグループ別ドットマップGDを作成する。ステップS140ではグループを選択する処理を行っており(以下、選択されたグループを着目グループと表記する。)。ステップS140〜S190のループ処理によって着目グループに対応するグループ別ドットマップGDの粒状性指数GI(本発明のグループ別指数に相当する。)を算出する処理を繰り返して実行する。全グループについて粒状性指数GIが算出できると、各グループの粒状性指数GIを線形結合することにより評価指数EIを算出する。
図5Dに示すように、評価指数EIを算出の算出は、未格納マスク画素をすべて着目未格納マスク画素として選択するまで繰り返されるため、すべての未格納マスク画素について評価指数EIが算出されることとなる。そして、最も評価指数EIが小さい未格納マスク画素を検出し、該未格納マスク画素に着目閾値Sを格納する。着目閾値Sを新たに格納したディザマスクMに更新し、次の着目閾値Sについて同様の処理を繰り返す。以上のループ処理によって、着目閾値Sを小さい順に順次格納していくことができる。以下、各ステップの詳細な処理について順に説明していく。
ステップS100においては、着目閾値選択部P1bが着目閾値選択処理を行う。着目閾値決定処理とは、いずれかのマスク画素に格納しようとする閾値を選択する処理である。本実施例では、比較的に小さな値の閾値、すなわちドットの形成されやすい値の閾値から順に選択することによって閾値が決定される。本実施例では、ディザマスクMが16行16列であり、16×16=256個の各マスク画素に対して互いに重複しない閾値が格納でき、0〜255の範囲で着目閾値Sが1ずつインクリメントされていく。
ステップS110において、評価指数算出部P1cが現在のディザマスクMの未格納マスク画素のなかから着目未格納マスク画素を選択する。例えば、図5Aにおいて矢印で示すように、ディザマスクMの左上に位置する未格納マスク画素から順に選択するようにしてもよい。ステップS120において、ドットマップ作成部P1c1が格納済みマスク画素(●で図示。)、および、着目未格納マスク画素(▲で図示。)にドットが形成されるとしたドットマップDを得る。図5A,5Bに示すように、概念的にドットマップDは、着目未格納マスク画素に着目閾値Sを配置したと仮定したディザマスクMを使用して、全画素が着目閾値Sに1を加えたインク量の階調値を有するベタ入力画像データをハーフトーン処理することにより得られるハーフトーンデータに相当する。ドットマップDは、ディザマスクMと同じ大きさであり、ディザマスクMと同数のマスク画素によって構成され、ドットが形成された位置に階調値“1”が付与される。次のステップS130において、グループ分類部P1aはステップS120によって得られたドットマップDに基づいて複数のグループに対応するグループ別ドットマップGDを作成する。
図6は、ステップS130において、ドットマップDに基づいてグループ別ドットマップGDが作成される様子を示している。本実施例では、上述したパス分解マトリックスで定義された主走査パスのパス番号に基づいて、ドットマップDの各マスク画素を分類することにより、7個のグループG1〜G7についてのグループ別ドットマップGD1〜GD7を作成する。グループG1については、実質的には変化しておらず、ドットマップDのすべてのマスク画素を有効なものとして扱う。グループG1は本発明の全マスク画素グループに相当する。グループG2のグループ別ドットマップGD2は、ドットマップDのマスク画素のうち、パス番号1およびパス番号3に対応するマスク画素に対するドットのみを有効とする。すなわち、パス番号1およびパス番号3に対応するマスク画素以外のマスク画素の階調値を一様に“0”とする。他のグループG3〜G7についても、有効とするマスク画素以外のマスク画素の階調値を一様に“0”とする。図6においては、パス分解マトリックスを図示しており、各画素に記されたパス番号の下に主走査方向を表す矢印が示されている。さらに、図6では、各グループG1〜G7に対応してパス分解マトリックスを示しており、グループ別ドットマップGD1〜GD7を作成する際に無効とされる領域を網掛によって表示している。
グループG3のグループ別ドットマップGD3は、ドットマップDのマスク画素のうち、パス番号2およびパス番号4に対応するマスク画素に対するドットのみを有効とする。グループG2は対応する主走査パスの走査方向が往方向のマスク画素によって構成されるグループであり、グループG3は対応する主走査パスの走査方向が復方向のマスク画素に対するドットを有効とするグループである。グループG2,G3は、それぞれ本発明の同一走査方向グループに相当する。
グループG4のグループ別ドットマップGD4はパス番号1に対応するマスク画素に対するドットのみを有効とし、グループG5のグループ別ドットマップGD5はパス番号2に対応するマスク画素に対するドットのみを有効とし、グループG6のグループ別ドットマップGD6はパス番号3に対応するマスク画素に対するドットのみを有効とし、グループG7のグループ別ドットマップGD7はパス番号4に対応するマスク画素に対するドットのみを有効とする。グループG4〜G7は、それぞれ本発明の同一走査グループに相当する。ステップS140においては、グループ分類部P1aが着目グループを選択する。本実施例では、グループG1から順に選択するものとする。ステップS150においては、着目グループがグループG1であり、かつ、着目閾値Sが中間域(例えば、64≦S<192。)であるか否かを判定する。着目グループがグループG1であり、かつ、着目閾値Sが中間域である場合に限り、ステップS160において、ドット形状付加部P1c2がグループ別ドットマップGD1に対して、ドットの形状と重なりを付加する処理を行う。
図7は、グループ1のグループ別ドットマップGD1において、ドットの形状と重なりを付加する様子を説明する図である。図7Bに示すように、本実施例では、破線で示す円形のドット形状を有するドットが形成されるものとする。形成されるドットは半径が1/1440インチのドットの大きさであり、すでに階調値“1”が付与されたマスク画素の主走査方向右側(図において)隣接するマスク画素にまで広がっている。このようなドット形状を考慮して、図7Cに示すように、主走査方向右側に隣接するマスク画素に階調値“1”を新たに付与する。ここで、格納済みマスク画素が主走査方向に隣接する場合や、格納済みマスク画素と着目未格納マスク画素が主走査方向に隣接する場合には、それらのうち主走査方向右側のマスク画素に対して2重に階調値が付与されることとなる。すなわち、図7B,7Cにおいて、破線の円が重なる位置にあるマスク画素に対しては、もとの階調値“1”に対して、さらに階調値“1”が付与されることとなる。このような場合には、重ねて付与する階調値(単一のマスク画素に2回目に付与する階調値)を“1”とせず、“0.8”とする。もとの階調値“1”に“0.8”を加えた“1.8”をドットの重なったマスク画素の階調値とする。実際に印刷用紙上でドットが重なったときの物理特性(例えば、吸光率や濃度等。)は単独ときの2倍までは達せず、1.8倍程度とするのが妥当であるからである。なお、本実施例では、マスク画素2個分のドットの大きさを想定しているため2回しかドットが重なり得ないが、より大きいドット形状を想定した場合には、より多くの重なり回数が生じることとなる。この場合、重なり回数が増加するほど、加える階調値の大きさを、重なり回数の単調減少関数によって決定するようにしてもよい。
一方、着目グループがグループG1でない場合、あるいは、着目グループがグループG1であるが着目閾値Sが中間域でない場合には、ステップS160はスキップされる。ステップS170において、分散性指数算出部P1c3は、着目グループのグループ別ドットマップGD1〜GD7についての粒状性指数GIを下記の(1)式によって算出する。

粒状性指数GIについては、例えば、Makoto Fujino,Image Quality Evaluation of Inkjet Prints, Japan Hardcopy '99, p.291-294を参照。なお、前記(1)式のkは補正係数、WS(u)は画像のウイナースペクトラム、VTFは視覚の空間周波数特性、uは空間周波数である。各マスク画素の空間的な大きさは、印刷解像度に準じて、横1/1440インチ、縦1/720インチとされる。
前記の(1)式において、粒状性指数GIはグループ別ドットマップGD1〜GD7が示す画像平面に関してフーリエ変換することにより、グループ別ドットマップGD1〜GD7に存在するマスク画素の階調値の空間波のパワースペクトルを得るとともに、当該パワースペクトルに対して視覚の空間周波数特性VTFを畳み込むことにより算出される。重ねて階調値が付与されたマスク画素は、一度だけ階調値が付与されたマスク画素よりも、大きい空間波の振幅を生じさせることとなる。なお、VTFにおいては、印刷物を観察するときの視野角度や観察距離の一般的な値が設定される。粒状性指数GIは、グループ別ドットマップGD1〜GD7に存在する階調値の空間波の大きさを空間周波数特性VTFによる重み付けを考慮して全空間周波数に関して累積した値であるといえる。また、粒状性指数GIは、正値をとり、その値が大きいほど粒状感が強く感じられ、印刷結果として好ましくないことを示す。
ステップS180においては、算出した粒状性指数GIをRAM12に記憶する。ステップS190においては、グループ分類部P1aがすべてのグループG1〜G7を着目グループとして選択した否かを判定し、すべて選択していない場合にはステップS140に戻り、次の着目グループを選択する。グループG1についての粒状性指数GIは、少なくとも着目閾値Sが中間域のときにドットの形状と重なりが考慮されており、本発明の第1ドット分散性に相当する。一方、グループG2〜G7についての粒状性指数GIは、ドットの形状と重なりが考慮されておらず、本発明の第2ドット分散性に相当する。また、グループG1についての粒状性指数GIは、他のグループG2〜G7についての粒状性指数Gとは異なる評価方法によって算出されたと捉えることができる。以上説明した処理を繰り返して実行することにより、現在の着目未格納マスク画素に関して、グループG1〜G7についての粒状性指数GIを得ることができる。ステップS200において、評価指数算出部P1cは、下記の(2)式によって評価指数EIを算出する。

前記の(2)式に示すように、評価指数EIはグループG1〜G7についての粒状性指数GI(下付文字g(g=1〜7)はグループの識別番号を示す。)の線形結合によって得られる。結合する際に、各グループG1〜G7について個別に設定された非負の重み係数αによって、粒状性指数GIが重み付けされる。すなわち、評価指数EIを得る際における各グループG1〜G7の重視度合いが重み係数αによって調整される。各グループG1〜G7の重視度合いは、プリンター20のハードウェア特性やインクの特性や印刷モード(印刷速度・印刷解像度)に応じて設定される。例えば、印刷用紙上における定着性に優れたインクを想定する場合には、ドット形成過程を評価するグループG2〜G7よりも印刷結果の粒状性を評価するグループG1の重みを大きくする等が考えられる。以上のようにして、現在の着目未格納マスク画素についての評価指数EIが得られると、ステップS210において、得られた評価指数EIをRAM12に記憶する。ステップS220では、すべての未格納マスク画素を着目未格納マスク画素として選択したか否かを判定し、すべて選択していない場合にはステップS110において次の未格納マスク画素を選択する。これにより、着目未格納マスク画素を順次シフトさせながら、各未格納マスク画素について評価指数EIを算出していくことができる。
図5Dは、RAM12において評価指数EIが順次記憶される様子を模式的に示している。図示するように、現在のディザマスクMにおいて、格納済みマスク画素(●で図示。)以外の未格納マスク画素について順次評価指数EIが記憶されていき、最終的にすべての未格納マスク画素が評価指数EIによって充填されることとなる。ステップS230では、閾値格納部P1dが最も小さい評価指数EIとなる未格納マスク画素を検出する。そして、閾値格納部P1dは、該検出した未格納マスク画素に対し現在の着目閾値Sを格納する(ステップS240)。ステップS250においては、着目閾値選択部P1bがすべての閾値を着目閾値Sとして選択したか否か(現在の着目閾値Sが255であるか否か)を判定し、すべて選択していない場合にはステップS100に戻る。これにより、ディザマスクMにおいて、着目閾値Sを小さい順に順次格納していくことができる。一方、最後の着目閾値S(255)についての処理が完了すると、ディザマスクMの作成処理が終了する。
以上のようにして作成されたディザマスクMによれば画質の良好な印刷結果を得ることができる。以下、その理由について説明する。まず、最も評価指数EIが小さくなる未格納マスク画素に着目閾値Sを格納するため、粒状性の感じられにくい印刷結果を得ることができる。特に、中間域の着目閾値Sについては、各ドットの形状や重なりも考慮してグループG1についての粒状性指数GIが算出されるため、実際の印刷結果に近い粒状性指数GIに基づいて着目閾値Sを格納する未格納マスク画素を決定することができる。また、格納する閾値が小さいマスク画素ほど、対応する位置にドットが形成される確率が高くなるということができる。本実施例では、閾値を小さい順に格納していくことにより、ドットが形成される確率が高いマスク画素を優先的に分散させることができる。従って、不特定の入力画像データを印刷した場合のドットの分散性を確保することができる。また、本実施例では、中間域以外の着目閾値Sについては、ドットの形状や重なりを考慮しないようにしている。インク量の階調値が所定の基準(本実施例では、64/255。)よりも小さい入力画像データにおいては、ドットの形成密度そのものが小さくなるため、ドットの重なりが生じにくい。インク量の階調値が所定の基準(本実施例では、192/255。)よりも大きい入力画像データにおいては、ドットの形成密度が高く、ドットをどこに形成しようともドットの重なりが生じることとなる。このような階調域のドット形成位置を決定づける着目閾値Sのマスク画素を決定する際に、ドットの形状や重なりを考慮しなくても粒状性への影響は少ないと考えることができる。そのため、中間域以外の着目閾値Sについては、ドットの形状や重なりを考慮しないようにし、処理の効率化を図っている。
さらに、同一走査グループ(グループG4〜G7)についても粒状性指数GIを算出し、評価指数EIに加味しているため、各主走査パスにおいて形成されるドットの分散性を確保することができる。すなわち、ほぼ同時に形成されるドットが空間的に分散されるため、インク凝集や光沢ムラやブロンズ現象等の画質劣化要因を抑えることができる。また、同一走査方向グループ(グループG2,G3)、についても粒状性指数GIを算出し、評価指数EIに加味しているため、各主走査方向ごとに形成されるドットの分散性を確保することができる。これにより、各主走査方向ごとに形成されるドットの分布に局所的な偏りが生じることが防止でき、主走査方向間でドットの着弾位置ずれ等が生じたときの色ムラ等を抑制することができる。なお、グループG2〜G7についてはドットの形成過程におけるドットの分散性を評価することができればよいため、グループG2〜G7についてはドットの形状や重なりを考慮しないようにしている。このように、本実施例では、各グループG1〜G7の目的に適合した評価方法によって粒状性指数GIを算出するため、高画質な印刷が可能なディザマスクMを効率よく作成することができる。
C.変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、本発明は、以下のような変形例についてのディザマスクの作成および印刷が可能である。
C−1.変形例1
図8は、本変形例において、ドットの形状と重なりを付加する様子を説明する図である。本変形例では、前実施例と同様の処理を実行するが、ドットの形状と重なりをグループ別ドットマップGD1に付加するステップS160の処理の代わりに、ステップS160A,S160Bを実行することとする。本変形例のステップS160Aでは、グループ別ドットマップGD1を高解像度化する。本変形例では、横方向の解像度を2倍(2880dpi)とし、縦方向の解像度を4倍(2880dpi)とする。高解像度化後の画素をサブマスク画素と表記するものとする。これにより、単一のドットが形成されたもとのマスク画素が複数のサブマスク画素に分散することとなる。
次のステップS160Bでは、サブマスク画素の階調値をドット形状および大きさに応じて修正する。本変形例では、破線で示す円形状のドット形状を近似するようにサブマスク画素の階調値を修正する。前実施例と同様に高解像度化前のマスク画素の2個に広がるドット形状に近似されるが、前実施形態のドット形状の四隅を丸めたドット形状となり、実際に印刷した場合のドットの形成状態をより正確に予測することができる。
C−2.変形例2
図9は本変形例のディザマスク作成処理の流れを示している。本変形例のディザマスク作成処理では、図4に示した前実施例のステップS150の代わりにステップS150Aを実行し、ステップS200の代わりにステップS200A,S200Bを実行することとしている。その他の処理は同様である。ステップS150Aにおいては、着目グループがグループG1であるか否かのみを判定し、着目閾値Sが中間域であるかは判定しない。そのため、着目グループがグループG1であれば、次のステップS160において、ドット形状付加部P1c2がグループ別ドットマップGD1に対して、ドットの形状と重なりを付加する処理を行うこととなる。ステップS200Aでは、評価指数算出部P1cがグループG1についての重み係数αを着目閾値Sに基づいて算出する。
図10は、ステップS200Aにおいて算出される重み係数αの例をグラフによって示している。重み係数αは、着目閾値Sの中間階調(127)において頂点を有する上に凸の関数(一例としてガウス関数を図示。)によって表されている。これにより、低階調域から中間階調にかけてグループG1の粒状性指数GIの重視度合いを増加させていき、中間階調から高階調域にかけて粒状性指数GIの重視度合いを減少させていくことができる。前実施例ではグループG1についての粒状性指数GIを考慮するか否かを切り換えるようにしたが、本変形例のように連続的にグループG1についての粒状性指数GIの重視度合いを変化させてもよい。なお、着目閾値Sは離散的な値をとるため、厳密には、重み係数αの変動曲線は階段状となる。ステップS200Bにおいては、前実施例のステップS200と同様に、前記の(2)式によって評価指数EIを算出する。
C−3.変形例3
上述した実施例のステップS170では、分散性指数算出部P1c3がドットの分散性を評価する指数として粒状性指数GIを算出するようにしたが、他の指数を算出するようにしてもよい。本変形例では、図4に示した前実施例のステップS170の代わりにステップS170Aを実行する。本変形例のステップS170Aにおいては、粒状性指数GIの代わりにRMS(root mean square)粒状度RIを算出する。RMS粒状度RIは、各グループG1〜G7のグループ別ドットマップGD1〜GD7の各マスク画素の階調値に関する二乗平均平方根である。RMS粒状度RIによればフーリエ変換を要しないため、高速にディザマスクMを作成することができる。RMS粒状度RIを粒状性指数GIと同様に線形結合することにより、評価指数EIを得ることができる。なお、RMS粒状度RIを算出する際に、グループ別ドットマップGD1〜GD7の各マスク画素の階調値に対して、空間的な重み付けを行うようにしてもよい。例えば、上述したVTFのように空間周波数の視覚感度特性に応じた重み付けを行った上で、RMS粒状度RIを算出するようにしてもよい。
C−4.変形例4
さらに、上述した実施例のステップS170の代わりにステップS170Bを実行し、該ステップS170Bにおいて粒状性指数GIの代わりにポテンシャル値PIを算出するようにしてもよい。
図11は、ポテンシャル値PIを算出する様子を模式的に示している。グループ別ドットマップGD1〜GD7においてドットが形成されたマスク画素を中心にポテンシャルを生成する。図11の例では、ガウス関数状のポテンシャルを生成している。ステップS170Bでは、ドットが形成された各マスク画素を中心についてポテンシャルを順次生成していくことにより、各未格納マスク画素のポテンシャル値PIを算出する。ポテンシャル値PIを粒状性指数GIと同様に線形結合することにより、評価指数EIを得ることができる。ポテンシャル値PIによれば、ドット同士が接近することが抑制され、結果的にドットを空間的に分散させることができる。また、ポテンシャル値PIによればフーリエ変換を要しないため、高速にディザマスクMを作成することができる。
C−5.変形例5
前実施例では、グループG1〜G7について評価するようにしたが、これらの一部を考慮しないようにしてもよい。例えば、グループG2,G3についての評価を省略することにより、高速にディザマスクMを作成するようにしてもよい。また、前実施例では、各ドットが一様なドット形状となることを前提としてグループ別ドットマップGD1を生成するようにしたが、例えば複数サイズのドットが形成可能なプリンターを想定した場合には、複数サイズのドット形状を付加してもよい。また、インク滴の着弾方向を考慮して、主走査方向に長径を有する楕円状のドット形状をグループ別ドットマップGD1において付加させてもよい。
C−6.変形例6
前実施例では、コンピューター10においてハーフトーン処理を行うこととしたが、本発明の手法によって作成されたディザマスクMをプリンターに組み込み、該プリンターにおいてハーフトーン処理を行うようにしてもよい。この場合も、良好な画質を実現することができる。
10…コンピューター、11…CPU、12…RAM、13…ROM、14…HDD、15…GIF、16…VIF、17…IIF、18…バス、M…ディザマスク、G1〜G7…グループ、P1…ディザマスク作成プログラム、P1a…グループ分類部、P1b…着目閾値選択部、P1c…評価指数算出部、P1c1…ドットマップ作成部、P1c2…ドット形状付加部、P1c3…分散性指数算出部、P1d…閾値格納部、P2…プリンタードライバー、P2a…画像データ生成部、P2b…色変換処理部、P2c…ハーフトーン処理部、P2d…パス分解処理部。

Claims (8)

  1. 入力画像データの各画素が示すドット発生量と比較される閾値が格納された複数のマスク画素を備えるディザマスクを作成するディザマスク作成方法であって、
    前記閾値の値の小さい順に着目閾値を選択し、各マスク画素に対して該着目閾値を順次格納していくにあたり、
    前記閾値が未格納の未格納マスク画素のいずれかに前記着目閾値を格納した場合の前記ディザマスクを評価する評価指数を前記未格納マスク画素のそれぞれについて算出し、該評価指数が良好となる前記未格納マスク画素に対して前記着目閾値を格納するとともに、
    前記評価指数は、前記マスク画素の全部または一部から構成される複数のグループのそれぞれを評価するグループ別指数を総合したものであり、少なくとも一つの前記グループについての前記グループ別指数の評価方法は、他の前記グループについての前記グループ別指数の評価方法と異なることを特徴とするディザマスク作成方法。
  2. いずれかの前記グループについての前記グループ別指数は、少なくとも前記着目閾値が前記閾値の一部の値域にあるとき、前記閾値が格納済みの前記マスク画素、および、いずれかの前記未格納マスク画素から周辺の前記マスク画素に広がるドット形状を有するドットが配置された場合の第1ドット分散性を示すことを特徴とする請求項1に記載のディザマスク作成方法。
  3. 前記第1ドット分散性は、前記ドットが配置された前記マスク画素に対して付与された階調値の空間分布に基づいて算出されるとともに、
    単一の前記マスク画素に対して複数の前記ドットが重なったとき、その重なり回数に応じた大きさの前記階調値を該マスク画素に付与することを特徴とする請求項2に記載のディザマスク作成方法。
  4. 前記グループは、
    前記マスク画素の全部から構成される全マスク画素グループと、
    印刷装置の印刷ヘッドの同一走査においてドットが形成される前記マスク画素から構成される同一走査グループと、
    同一走査方向に前記印刷ヘッドが走査する際にドットが形成される前記マスク画素から構成される同一走査方向グループと、
    のいずれかまたはすべてを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のディザマスク作成方法。
  5. 前記全マスク画素グループについての前記グループ別指数は、前記第1ドット分散性を示すとともに、
    前記同一走査グループおよび前記同一走査方向グループについての前記グループ別指数は、前記閾値が格納済みの前記マスク画素、および、いずれかの前記未格納マスク画素から周辺の前記マスク画素に広がることなくドットが配置された場合の第2ドット分散性を示すことを特徴とする請求項4に記載のディザマスク作成方法。
  6. 前記グループ別指数を総合して前記評価指数を得るにあたり、個々の前記グループ別指数を重視する程度が前記着目閾値の大きさに応じて変動することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のディザマスク作成方法。
  7. 前記第1ドット分散性は、
    前記着目閾値が中間域にあるとき、前記閾値が格納済みの前記マスク画素、および、いずれかの前記未格納マスク画素から周辺の前記マスク画素に広がるドット形状を有するドットが配置された場合のドット分散性を示し、
    前記着目閾値が中間域以外にあるとき、前記閾値が格納済みの前記マスク画素、および、いずれかの前記未格納マスク画素から周辺の前記マスク画素に広がることなくドットが配置された場合のドット分散性を示すことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載のディザマスク作成方法。
  8. 請求項1に記載のディザマスク作成方法によって作成されたディザマスクを使用して、前記入力画像データをハーフトーン処理することにより得られたハーフトーンデータに基づいて印刷を実行することを特徴とする印刷装置。
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