JP2010241204A - 動力出力装置、それを備えたハイブリッド自動車および動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置、それを備えたハイブリッド自動車および動力出力装置の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010241204A
JP2010241204A JP2009090302A JP2009090302A JP2010241204A JP 2010241204 A JP2010241204 A JP 2010241204A JP 2009090302 A JP2009090302 A JP 2009090302A JP 2009090302 A JP2009090302 A JP 2009090302A JP 2010241204 A JP2010241204 A JP 2010241204A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
internal combustion
power
rotational speed
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009090302A
Other languages
English (en)
Inventor
Hikokazu Akimoto
彦和 秋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009090302A priority Critical patent/JP2010241204A/ja
Publication of JP2010241204A publication Critical patent/JP2010241204A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

【課題】触媒劣化を抑制するために燃料カットが禁止されている最中に駆動軸に対する減速要求がなされたときに内燃機関の回転数変化をより適正なものとする。
【解決手段】触媒劣化を抑制するためにエンジンの燃料カットが禁止されている最中にリングギヤ軸に対する減速要求がなされたときに、モータMG1からの負のトルク出力と燃料噴射とを伴ってエンジンの回転数Neが回転数Nidleまで低下すると共に要求トルクTr*に基づくトルクが得られるようにエンジンやモータMG1,MG2が制御され(S160〜S200)、回転数Neがアイドル回転数Nidleに達すると、モータMG1からのトルク出力と燃料噴射とを伴って回転数Neが回転数Nidleに維持されると共に要求トルクTr*に基づくトルクが得られるようにエンジンやモータMG1,MG2が制御される(S220,S170〜S200)。
【選択図】図5

Description

本発明は、動力出力装置、それを備えたハイブリッド自動車および動力出力装置の制御方法に関する。
従来、内燃機関と、当該内燃機関のクランクシャフトに接続されたプラネタリキャリアを含む遊星歯車機構と、当該遊星歯車機構のサンギヤに接続された発電可能な第1電動機と、遊星歯車機構のリングギヤに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸に動力を出力可能な第2電動機と、第1および第2電動機と電力をやり取り可能なバッテリとを備えた動力出力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この動力出力装置では、内燃機関の排ガスを浄化する触媒が設定温度以上であるときに当該触媒の劣化を抑制するために内燃機関における燃料供給の停止(燃料カット)が禁止され、燃料カットが禁止されている最中に駆動軸に対する減速要求がなされたときには、出力トルクが値0となるように内燃機関が制御されると共に当該内燃機関の回転数が第1電動機によりそのときの値に維持され、更に回生制動力を出力するように第2電動機が制御される。また、この種の動力出力装置としては、触媒劣化抑制フラグに値1がセットされて触媒の劣化抑制が要請されている最中にブレーキペダルが踏み込まれたときに、内燃機関の爆発燃焼(ファイアリング)を継続させながら当該内燃機関の回転数が所定の目標回転数(例えば800〜1000rpm)まで低下するようにモータ(第1電動機)を制御し、その後に内燃機関を自立運転するものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−340102号公報 特開2007−084034号公報
上記特許文献1に記載の技術のように、触媒の劣化を抑制するために燃料カットが禁止されている最中に駆動軸に対する減速要求がなされたときに第1電動機により内燃機関の回転数を維持したり、更に高めたりすることで、いわゆるエンジンブレーキによる制動力を駆動軸に出力すると共に、第1電動機により電力を消費することで第2電動機により回生される電力によりバッテリが過充電されてしまうのを抑制することができる。しかしながら、減速要求がなされたにも拘わらず内燃機関の回転数が維持されると、動力出力装置を搭載した車両の乗員に違和感を与えてしまうおそれもある。従って、触媒の劣化を抑制するために燃料カットが禁止されている最中に駆動軸に対する減速要求がなされたときには、上記特許文献2に記載の技術のように、第1電動機を制御して内燃機関の回転数を低下させると好ましい。ただし、内燃機関の爆発燃焼を継続させながら当該内燃機関の回転数を所定の目標回転数まで低下させた後に内燃機関を自立運転すると、内燃機関の回転数が一旦上昇してしまって動力出力装置を搭載した車両の乗員に違和感を与えてしまうことがある。
そこで、本発明による動力出力装置、それを備えたハイブリッド自動車および動力出力装置の制御方法は、触媒の劣化を抑制するために内燃機関の燃料供給の停止が禁止されている最中に駆動軸に対する減速要求がなされたときに、内燃機関の回転数変化をより適正なものとすることを主目的とする。
本発明による動力出力装置、それを備えたハイブリッド自動車および動力出力装置の制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明による動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
前記内燃機関から排出される排ガスを浄化するための触媒を含む浄化装置と、
動力を入出力可能な第1電動機と、
前記内燃機関の機関軸と前記第1電動機の回転軸と前記駆動軸との3軸に接続され、これら3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する動力分配手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な第2電動機と、
前記第1および第2電動機と電力をやり取り可能な蓄電装置と、
前記駆動軸に要求される要求トルクを設定する要求トルク設定手段と、
前記触媒の劣化を抑制するために前記内燃機関の燃料供給の停止が禁止されている最中に前記駆動軸に対する減速要求がなされたときに、前記第1電動機から前記機関軸への負のトルクの出力と前記燃料供給とを伴って前記内燃機関の回転数が予め定められたアイドル回転数まで低下すると共に前記設定された要求トルクに基づくトルクが前記駆動軸に出力されるように前記内燃機関と前記第1および第2電動機とを制御し、前記内燃機関の回転数が前記アイドル回転数に達すると、前記第1電動機から前記機関軸へのトルクの出力と前記燃料供給とを伴って前記内燃機関の回転数が前記アイドル回転数に維持されると共に前記設定された要求トルクに基づくトルクが前記駆動軸に出力されるように前記内燃機関と前記第1および第2電動機とを制御する制御手段と、
を備えるものである。
この動力出力装置では、触媒の劣化を抑制するために内燃機関の燃料供給の停止が禁止されている最中に駆動軸に対する減速要求がなされたときに、第1電動機から機関軸への負のトルクの出力と燃料供給とを伴って内燃機関の回転数が予め定められたアイドル回転数まで低下すると共に要求トルクに基づくトルクが駆動軸に出力されるように内燃機関と第1および第2電動機とが制御される。そして、内燃機関の回転数がアイドル回転数に達すると、第1電動機から機関軸へのトルクの出力と燃料供給とを伴って内燃機関の回転数がアイドル回転数に維持されると共に要求トルクに基づくトルクが駆動軸に出力されるように内燃機関と第1および第2電動機とが制御される。これにより、第1電動機により内燃機関の回転数をアイドル回転数まで低下させた段階で当該内燃機関の回転数が再度上昇してしまうような回転数変動を抑制することができる。従って、この動力出力装置では、触媒の劣化を抑制するために内燃機関の燃料供給の停止が禁止されている最中に駆動軸に対する減速要求がなされたときに、内燃機関の回転数変化をより適正なものとすることが可能となる。
また、前記動力分配手段は、前記第1電動機の回転軸に接続される第1要素と、前記内燃機関の前記機関軸に接続される第2要素と、前記駆動軸に接続される第3要素とを有すると共に、これら3つの要素が互いに差動回転できるように構成された遊星歯車機構であってもよい。
本発明によるハイブリッド自動車は、上記いずれかの動力出力装置と、前記駆動軸に連結された駆動輪とを備えるものである。このハイブリッド自動車では、触媒の劣化を抑制するために内燃機関の燃料供給の停止が禁止されている最中に駆動軸に対する減速要求がなされたときに、内燃機関の回転数変化をより適正なものとすることが可能となる。
本発明による動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、該内燃機関から排出される排ガスを浄化するための触媒を含む浄化装置と、動力を入出力可能な第1電動機と、前記内燃機関の機関軸と前記第1電動機の回転軸と駆動軸との3軸に接続され、これら3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する動力分配手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な第2電動機と、前記第1および第2電動機と電力をやり取り可能な蓄電装置とを備えた動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記触媒の劣化を抑制するために前記内燃機関の燃料供給の停止が禁止されている最中に前記駆動軸に対する減速要求がなされたときに、前記第1電動機から前記機関軸への負のトルクの出力と前記燃料供給とを伴って前記内燃機関の回転数が予め定められたアイドル回転数まで低下すると共に前記設定された要求トルクに基づくトルクが前記駆動軸に出力されるように前記内燃機関と前記第1および第2電動機とを制御するステップと、
(b)前記内燃機関の回転数が前記アイドル回転数に達した後に、前記第1電動機から前記機関軸へのトルクの出力と前記燃料供給とを伴って前記内燃機関の回転数が前記アイドル回転数に維持されると共に前記設定された要求トルクに基づくトルクが前記駆動軸に出力されるように前記内燃機関と前記第1および第2電動機とを制御するステップと、
を含むものである。
この方法によれば、触媒の劣化を抑制するために内燃機関の燃料供給の停止が禁止されている最中に駆動軸に対する減速要求がなされたときに、内燃機関の回転数変化をより適正なものとすることが可能となる。
本発明の実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。 エンジン22の概略構成図である。 バッテリ50におけるバッテリ温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量SOCと入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッドECU70により実行されるアクセルオフ時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 変形例に係るハイブリッド自動車20Bの概略構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るハイブリッド自動車20の概略構成図である。同図に示すハイブリッド自動車20は、エンジン22と、エンジン22のクランクシャフト(機関軸)26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された車軸としてのリングギヤ軸32aに連結された減速ギヤ35と、この減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、ハイブリッド自動車20の全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「ハイブリッドECU」という)70等とを備えるものである。
エンジン22は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料と空気との混合気を燃焼室120内で爆発燃焼させ、混合気の爆発燃焼に伴うピストン121の往復運動をクランクシャフト26の回転運動へと変換することにより動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン22では、図2からわかるように、エアクリーナ122により清浄された空気がスロットルバルブ123を介して吸気管126内に取り入れられ、吸入空気には燃料噴射弁127からガソリン等の燃料が噴射される。こうして得られる空気と燃料との混合気は、可変バルブタイミング機構として構成された動弁機構130により駆動される吸気バルブ131を介して燃焼室120に吸入されると共に点火プラグ128からの電気火花によって爆発燃焼させられる。エンジン22からの排気ガスは、排気バルブ132や排気マニホールド140を介して一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)といった有害成分を浄化する排ガス浄化触媒(三元触媒)141cを含む浄化装置141へと送出され、浄化装置141にて浄化された後、外部へと排出される。また、エンジン22は、浄化装置141の後段の排気管に接続されて排ガスをサージタンク(吸気系)へと還流させるEGR管142と、このEGR管142の中途に設けられて排気系から吸気系へと還流される排ガス(EGRガス)の還流量(EGR量)を調節するEGR弁143と、EGR管142内のEGRガスの温度を検出する温度センサ144等を含む。
このように構成されるエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24により制御される。エンジンECU24は、図2に示すように、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に各種処理プログラムを記憶するROM24b、データを一時的に記憶するRAM24c、図示しない入出力ポートおよび通信ポート等を含む。そして、エンジンECU24には、エンジン22の状態等を検出する各種センサからの信号が図示しない入力ポートを介して入力される。例えば、エンジンECU24には、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ180からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ181からの冷却水温Tw、燃焼室120内の圧力を検出する筒内圧センサ182からの筒内圧力、吸気バルブ131や排気バルブ132を駆動する動弁機構130に含まれるカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ133からのカムポジション、スロットルバルブ123の位置を検出するスロットルバルブポジションセンサ124からのスロットルポジション、エンジン22の負荷としての吸入空気量を検出するエアフローメータ183からの吸入空気量GA、吸気管126に取り付けられた吸気温度センサ184からの吸気温度Tair、吸気管126内の負圧を検出する吸気圧センサ185からの吸気負圧Pi、排気マニホールド140の浄化装置141の上流側に配置された空燃比センサ186からの空燃比AF、浄化装置141の触媒床の温度(排ガス浄化触媒141cの温度)を検出する触媒温度センサ187からの触媒床温Tcat、EGR管142の温度センサ144からのEGRガス温度等が入力ポートを介して入力される。そして、エンジンECU24は、エンジン22を駆動するための様々な制御信号を図示しない出力ポートを介して出力する。例えば、エンジンECU24は、スロットルバルブ123の位置を調節するスロットルモータ125への駆動信号や燃料噴射弁127への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル129への制御信号、動弁機構130への制御信号、EGR弁143への駆動信号等を出力ポートを介して出力する。また、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ180からのクランクポジションを用いてエンジン22の回転数Neを算出する。更に、エンジンECU24は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31と噛合すると共にリングギヤ32と噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを有し、これら3つの要素が互いに差動回転できるように構成されたシングルピニオン式遊星歯車機構である。かかる動力分配統合機構30の第1要素であるサンギヤ31にはモータMG1の回転軸が、第2要素であるキャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、第3要素であるリングギヤ32には駆動軸としてのリングギヤ軸32aと減速ギヤ35とを介してモータMG2の回転軸がそれぞれ連結されている。動力分配統合機構30は、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側とにそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して最終的に駆動輪である車輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびMG2は、いずれも発電機として作動すると共に電動機として作動可能な周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介して二次電池であるバッテリ50と電力のやり取りを行う。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれか一方により発電される電力を他方のモータで消費できるようになっている。従って、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電され、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとることにすれば、バッテリ50は充放電されないことになる。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流等が入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号等が出力される。また、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンを実行し、モータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。更に、モータECU40は、ハイブリッドECU70と通信しており、ハイブリッドECU70からの制御信号等に基づいてモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU70に出力する。
バッテリ50は、リチウムイオン二次電池あるいはニッケル水素二次電池として構成されており、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理される。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からのバッテリ温度Tb等が入力される。バッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU70に出力する。更に、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量SOCを算出したり、当該残容量SOCに基づいてバッテリ50の充放電要求パワーPb*を算出したり、残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50の充電に許容される電力である許容充電電力としての入力制限Winとバッテリ50の放電に許容される電力である許容放電電力としての出力制限Woutとを算出したりする。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定すると共に、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定可能である。図3にバッテリ温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図4にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
ハイブリッドECU70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74や、データを一時的に記憶するRAM76、計時指令に応じて計時処理を実行するタイマ78、図示しない入出力ポートおよび通信ポート等を備える。ハイブリッドECU70には、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)80からのイグニッション信号、シフトレバー81の操作位置であるシフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルストロークセンサ86からのブレーキペダルストロークBS、車速センサ87からの車速V等が入力ポートを介して入力される。そして、ハイブリッドECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52等と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU52等と各種制御信号やデータのやり取りを行っている。
上述のように構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*が計算され、この要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される。エンジン22とモータMG1およびMG2の運転制御モードとしては、要求トルクTr*に見合うパワーがエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力されるパワーのすべてが動力分配統合機構30とモータMG1およびMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求トルクTr*とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合うパワーがエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力されるパワーの全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1およびMG2とによるトルク変換を伴って要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22を停止して要求トルクTr*に基づくトルクをリングギヤ軸32aに出力するようにモータMG2を駆動制御するモータ運転モード等がある。また、実施例のハイブリッド自動車20では、トルク変換運転モードや充放電運転モードのもとで所定条件が成立すると、エンジン22を自動的に停止・始動させる間欠運転が実行される。
更に、実施例のハイブリッド自動車20では、エンジンECU24により図示しない触媒劣化抑制判定ルーチンが実行され、排ガス浄化触媒141cが昇温して浄化装置141の触媒床温Tcatが第1の温度以上になると、触媒床温Tcatが当該第1の温度よりも低い第2の温度未満になるまで所定の触媒劣化抑制フラグFcが値1に設定される。そして、触媒劣化抑制フラグFcが値1に設定されると、触媒床が更に昇温して排ガス浄化触媒141cが劣化しないように、運転者がアクセルペダル83を戻したりブレーキペダル85を踏み込んだりしてハイブリッド自動車20(リングギヤ軸32a)の減速を要求したときに、高温の排ガス浄化触媒141cに対する多量の空気の供給に起因した触媒床の更なる昇温が抑制されるようにエンジン22の燃料カットが禁止される。すなわち、触媒劣化抑制フラグFcが値1に設定されると、本来エンジン22の燃料カットを実行すべき場合であっても、各燃焼室120への燃料噴射と混合機の点火とが実行される。
次に、上述の触媒劣化抑制フラグFcが値1に設定されているときのハイブリッド自動車20の動作、特に触媒劣化抑制フラグFcが値1に設定されているときに運転者によりアクセルペダル83の踏み込みが解除されたときの動作について説明する。
図5は、シフトポジションとして通常の前進走行用のドライブポジションが選択された状態で運転者によりアクセルペダル83の踏み込みが解除されたときに実施例のハイブリッドECU70により所定時間ごとに(例えば、数msecごとに)実行されるアクセルオフ時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。図3のルーチンの開始に際して、ハイブリッドECU70のCPU72は、車速センサ87からの車速V、エンジン22の回転数Ne、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2、バッテリ50の入出力制限Win,Wout、バッテリ50の温度Tb、触媒劣化抑制フラグFcの値といった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、エンジンECU24によりクランクポジションセンサ180からのクランクポジションに基づいて計算されたものであってエンジンECU24から通信により入力される。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、モータECU40により回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいて計算されるものであってモータECU40から通信により入力される。更に、入出力制限Win,Woutおよびバッテリ温度Tbは、バッテリECU52から通信により入力されるものである。そして、触媒劣化抑制フラグFcは、エンジンECU24から通信により入力されるものである。ステップS100のデータ入力処理の後、入力した触媒劣化抑制フラグFcが値1であるか否かを判定し(ステップS110)、触媒劣化抑制フラグFcが値0であって排ガス浄化触媒141cの劣化のおそれがないと見なされる場合には、通常のアクセルオフ制御を実行し(ステップS230)、本ルーチンを一旦終了させる。
また、ステップS110にて触媒劣化抑制フラグFcが値1であると判断された場合には、ステップS100にて入力した車速Vに基づいてリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS120)。実施例では、アクセルオフ時すなわちアクセル開度Accが値0であるときの車速Vと要求トルクTr*との関係が予め定められて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶されており、要求トルクTr*としては、与えられた車速Vに対応したものが当該マップから導出・設定される。図6にアクセルオフ時に用いられる要求トルク設定用マップの一例を示す。次いで、エンジン22の目標回転数Ne*を予め定められたアイドル回転数Nidle(例えば800〜1200rpm)に設定する(ステップS130)。すなわち、触媒劣化抑制フラグFcが値1に設定されてエンジン22の燃料カットが禁止された場合には、各燃焼室120への燃料噴射と混合機の点火とを継続しつつ実質的にトルクを出力しないようにエンジン22をアイドル運転(自立運転)するのである。
エンジン22の目標回転数Ne*を設定したならば、所定のフラグFが値0であるか否かを判定し(ステップS140)、フラグFが値0であれば、ステップS100にて入力したエンジン22の回転数Neと目標回転数Ne*との差の絶対値が所定値α(例えば50rpm程度の値)を上回っているか否かを判定する(ステップS150)。そして、回転数Neと目標回転数Ne*との差の絶対値が所定値αを上回っている場合には、モータMG1からクランクシャフト26への負のトルクの出力によりエンジン22の回転数Neを低下させるべく、次式(1)に従いモータMG1に対するトルク指令Tm1*を設定する(ステップS160)。ここで、式(1)は、エンジン22の燃料供給すなわち爆発燃焼を継続させながらエンジン22の回転数Neを目標回転数Ne*(アイドル回転数Nidle)へと低下させるためのフィードバック制御における関係式である。そして、式(1)中、右辺第1項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第2項の「k2」は積分項のゲインである。これらのゲイン「k1」,「k2」は、エンジン22の爆発燃焼を継続する必要から、エンジン22から比較的大きなトルクを出力しているときに比べて小さな値に設定される。
Tm1*=k1・(Ne*-Ne)+k2・∫(Ne*-Ne)dt …(1)
続いて、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとステップS210にて設定したモータMG1に対するトルク指令Tm1*とモータMG1,MG2の現在の回転数Nm1,Nm2とを用いてモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(2)および式(3)に従い計算する(ステップS170)。更に、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮モータトルクTm2tmpを次式(4)に従い計算する(ステップS180)。そして、モータMG2に対するトルク指令Tm2*をトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値に設定する(ステップS190)。このようしてモータMG2に対するトルク指令Tm2*を設定することにより、車軸としてのリングギヤ軸32aに出力するトルクをバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内に制限することができる。ここで、式(4)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。図7に動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を例示する。図中、左側のS軸はモータMG1の回転数Nm1に一致するサンギヤ31の回転数を示し、中央のC軸はエンジン22の回転数Neに一致するキャリア34の回転数を示し、右側のR軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。また、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1にトルクTm1を出力させたときにこのトルク出力によりリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2にトルクTm2を出力させたときに減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。仮モータトルクTm2tmpを求めるための式(4)は、この共線図における回転数の関係を用いれば容易に導出することができる。こうしてエンジン22の目標回転数Ne*やモータMG1,MG2に対するトルク指令Tm1*,Tm2*を設定したならば、各燃焼室120への燃料噴射の停止(燃料カット)を禁止するための燃料カット禁止指令および目標回転数Ne*をエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS200)、本ルーチンを一旦終了させる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(2)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 …(3)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr …(4)
ハイブリッドECU70から燃料カット指令や目標回転数Ne*を受信したエンジンECU24は、エンジン22の回転数Neや予め定められた図示しないマップ等を用いてスロットルバルブ123の目標スロットル開度TH*を設定すると共に、スロットルバルブポジションセンサ124からのスロットルポジションに基づいてスロットルバルブ123の開度が目標スロットル開度TH*となるようにスロットルモータ125を制御する。更に、エンジンECU24は、目標スロットル開度TH*や回転数Ne、予め定められた図示しないマップ等を用いて、排ガス浄化触媒141cの劣化を抑制するためにエンジン22の爆発燃焼を継続させると共にモータMG1からクランクシャフト26へのトルクの出力により回転数Neを速やかに低下させることを可能とする燃料噴射量を設定し、設定した量の燃料が各燃焼室120に供給されるように燃料噴射制御を実行すると共にエンジン22の爆発燃焼を継続させるべく点火時期制御を実行する。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*に従ってモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*に従ってモータMG2が駆動されるようにインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行う。これにより、エンジン22の燃料供給すなわち爆発燃焼を継続させながらエンジン22の回転数Neを目標回転数Ne*(アイドル回転数Nidle)まで速やかに低下させることが可能となる。
一方、ステップS140にて肯定判断がなされた後に、ステップS150にてエンジン22の回転数Neと目標回転数Ne*との差の絶対値が所定値α以下になって回転数Neが目標回転数Ne*に概ね一致したと判断される場合には、上述のフラグFを値1に設定すると共に(ステップS210)、モータMG1からクランクシャフト26へのトルクの出力によりエンジン22の回転数Neを目標回転数Ne*すなわちアイドル回転数Nidleに維持するために、次式(5)に従いモータMG1に対するトルク指令Tm1*を設定する(ステップS220)。ここで、式(5)は、エンジン22の燃料供給すなわち爆発燃焼を継続させながらエンジン22の回転数Neを目標回転数Ne*(アイドル回転数Nidle)に維持するためのフィードバック制御における関係式である。そして、式(5)中、右辺第1項の「k10」は比例項のゲインであり、右辺第2項の「k20」は積分項のゲインである。これらのゲイン「k10」,「k20」は、エンジン22の爆発燃焼を継続しつつモータMG1により回転数Neを目標回転数Ne*に維持することできるように上記(1)式におけるゲイン「k1」,「k2」とは異なる値とされる。
Tm1*=k10・(Ne*-Ne)+k20・∫(Ne*-Ne)dt …(5)
そして、上述のステップS170〜S190の処理を実行すると共に、燃料カット指令および目標回転数Ne*をエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS200)、本ルーチンを一旦終了させる。この場合も、エンジンECU24は、目標回転数Ne*すなわちアイドル回転数Nidleに応じた目標スロットル開度TH*を設定すると共に、スロットルバルブポジションセンサ124からのスロットルポジションに基づいてスロットルバルブ123の開度が目標スロットル開度TH*となるようにスロットルモータ125を制御する。更に、エンジンECU24は、目標スロットル開度TH*や回転数Ne、予め定められた図示しないマップ等を用いて、アイドル回転数Nidleでの自立運転時の燃料噴射量を設定し、設定した量の燃料が各燃焼室120に供給されるように燃料噴射制御を実行すると共にエンジン22の爆発燃焼を継続させるべく点火時期制御を実行する。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*に従ってモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*に従ってモータMG2が駆動されるようにインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行う。そして、上述のようにしてステップS210にてフラグFが値1に設定されると、それ以後、ステップS140にて否定判断がなされることから、ステップS210,S220およびS170〜S200の処理が実行されることになる。
以上説明したように、実施例のハイブリッド自動車20では、触媒劣化抑制フラグFcが値1に設定されて排ガス浄化触媒141cの劣化を抑制するためにエンジン22の燃料カットが禁止されている最中にアクセルペダル83の踏み込みを解除することによるリングギヤ軸32aに対する減速要求がなされたときに、モータMG1からクランクシャフト26への負のトルクの出力と各燃焼室120への燃料噴射(および点火)とを伴ってエンジン22の回転数Neが予め定められたアイドル回転数Nidleまで低下すると共に要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される(ステップS160〜S200)。そして、エンジン22の回転数Neがアイドル回転数Nidleに達すると(ステップS150)、モータMG1からクランクシャフト26へのトルクの出力と各燃焼室120への燃料噴射(および点火)とを伴ってエンジン22の回転数Neがアイドル回転数Nidleに維持されると共に要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とが制御される(ステップS220,S170〜S200)。これにより、モータMG1によりエンジン22の回転数Neをアイドル回転数Nidleまで低下させた段階で当該エンジン22の回転数Neが再度上昇してしまうような回転数変動を抑制することができる。従って、実施例のハイブリッド自動車20では、排ガス浄化触媒141cの劣化を抑制するためにエンジン22の燃料カットが禁止されている最中にリングギヤ軸32aに対する減速要求がなされたときに、エンジン22の回転数変化をより適正なものとすることが可能となる。
なお、実施例のハイブリッド自動車20に搭載されたバッテリ50は、バッテリ温度Tbが所定温度以上になると充電に許容される電力である入力制限Winが小さく制限されるものである。従って、バッテリ温度Tbが比較的低くバッテリ温度Tbとの関係からバッテリ50の入力制限Winが充電電力として小さく制限されていない場合にのみ、モータMG1からクランクシャフト26への負のトルクの出力と各燃焼室120への燃料噴射(および点火)とを伴ってエンジン22の回転数Neをアイドル回転数Nidleまで低下させると共に、エンジン22の回転数Neがアイドル回転数Nidleに達した後に、モータMG1からクランクシャフト26へのトルクの出力と各燃焼室120への燃料噴射(および点火)とを伴ってエンジン22の回転数Neをアイドル回転数Nidleに維持してもよい。この場合、バッテリ温度Tbが比較的高くバッテリ温度Tbとの関係からバッテリ50の入力制限Winが充電電力として小さく制限される場合には、モータMG1にトルクを出力させることなく各燃焼室120への燃料噴射(および点火)を伴ってエンジン22の回転数Neがアイドル回転数Nidleまで低下させることになるが、エンジン22の回転数Neがアイドル回転数Nidleに達した後には、モータMG1からクランクシャフト26へのトルクの出力と各燃焼室120への燃料噴射(および点火)とを伴ってエンジン22の回転数Neをアイドル回転数Nidleに維持してもよい。
また、ここまで、触媒劣化抑制フラグFcが値1に設定されているときに運転者によりアクセルペダル83の踏み込みが解除された場合を例にとって本発明を説明した、本発明は、アクセルペダル83が踏み戻された場合やブレーキペダル85が踏み込まれた場合にも同様に適用され得ることはいうまでもない。更に、上述のハイブリッド自動車20では、車軸としてのリングギヤ軸32aとモータMG2とがモータMG2の回転数を減速してリングギヤ軸32aに伝達する減速ギヤ35を介して連結されているが、減速ギヤ35の代わりに、例えばHi,Loの2段の変速段あるいは3段以上の変速段を有したモータMG2の回転数を変速してリングギヤ軸32aに伝達する変速機を採用してもよい。また、実施例のハイブリッド自動車20は、モータMG2の動力を動力分配統合機構30のリングギヤ32に接続されたリングギヤ軸32aに出力するものであるが、本発明の適用対象はこれに限られるものでもない。すなわち、本発明は、図8に示す変形例に係るハイブリッド自動車20Bのように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32a(車輪39a,39b)とは異なる軸(図8における車輪39c,39dに接続された軸)に出力するものに適用されてもよい。
ここで、上記実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明しておく。すなわち、上記実施例等では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、エンジン22から排出される排ガスを浄化するための排ガス浄化触媒141cを含む浄化装置141が「浄化装置」に相当し、動力を入出力可能なモータMG1が「第1電動機」に相当し、エンジン22のクランクシャフト26とモータMG1の回転軸と駆動軸としてのリングギヤ軸32aに接続され、これら3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する動力分配統合機構30が「動力分配手段」に相当し、リングギヤ軸32aに動力を出力可能なモータMG2が「第2電動機」に相当し、モータMG1およびMG2と電力をやり取り可能なバッテリ50が「蓄電装置」に相当し、図3のステップS120の処理を実行するハイブリッドECU70が「要求トルク設定手段」に相当し、触媒劣化抑制フラグFcが値1に設定されて排ガス浄化触媒141cの劣化を抑制するためにエンジン22の燃料カットが禁止されている最中にアクセルペダル83の踏み込みを解除することによるリングギヤ軸32aに対する減速要求がなされたときに、モータMG1からクランクシャフト26への負のトルクの出力と各燃焼室120への燃料噴射(および点火)とを伴ってエンジン22の回転数Neが予め定められたアイドル回転数Nidleまで低下すると共に要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とを制御し、エンジン22の回転数Neがアイドル回転数Nidleに達すると、モータMG1からクランクシャフト26へのトルクの出力と各燃焼室120への燃料噴射(および点火)とを伴ってエンジン22の回転数Neがアイドル回転数Nidleに維持されると共に要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1およびMG2とを制御するハイブリッドECU70、エンジンECU24およびモータECU40との組み合わせが「制御手段」に相当し、エンジン22のクランクシャフト26に接続されるキャリア34とモータMG1の回転軸に接続されるサンギヤ31と駆動軸としてのリングギヤ軸32aに接続されるリングギヤ32とを有すると共にこれら3つの要素が互いに差動回転できるように構成された動力分配統合機構30が「遊星歯車機構」に相当する。
ただし、「内燃機関」は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力するエンジン22に限られず、水素エンジンといったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「浄化装置」は、エンジン22から排出される排ガスを浄化するための排ガス浄化触媒を含むものであれば如何なる形式のものであっても構わない。「第1電動機」や「第2電動機」は、モータMG1,MG2のような同期発電電動機に限られず、誘導電動機といったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「蓄電装置」は、バッテリ50のような二次電池に限られず、電動機と電力をやり取り可能なものであればキャパシタといったような他の如何なる形式のものであっても構わない。「要求トルク設定手段」は、アクセル開度と車速とに基づいて要求トルクを設定するものに限られず、例えばアクセル開度のみに基づいて要求駆動力を設定するもののような他の如何なる形式のものであっても構わない。「制御手段」は、単一の電子制御ユニット等のように、ハイブリッドECU70とエンジンECU24とモータECU40との組み合わせ以外の他の如何なる形式のものであっても構わない。いずれにしても、これら実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行われるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明は、動力出力装置やハイブリッド自動車の製造産業等において利用可能である。
20,20B ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a,72 CPU、24b,74 ROM、24c,76 RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a〜39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、78 タイマ、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルストロークセンサ、87 車速センサ、120 燃焼室、121 ピストン、122 エアクリーナ、123 スロットルバルブ、124 スロットルバルブポジションセンサ、125 スロットルモータ、126 吸気管、127 燃料噴射弁、128 点火プラグ、129 イグニッションコイル、130 動弁機構、131 吸気バルブ、132 排気バルブ、133 カムポジションセンサ、140 排気マニホールド、141 浄化装置、141c 排ガス浄化触媒、142 EGR管、143 EGR弁、144 温度センサ、180 クランクポジションセンサ、181 水温センサ、182 筒内圧センサ、183 エアフローメータ、184 吸気温度センサ、185 吸気圧センサ、186 空燃比センサ、187 触媒温度センサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (4)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    前記内燃機関から排出される排ガスを浄化するための触媒を含む浄化装置と、
    動力を入出力可能な第1電動機と、
    前記内燃機関の機関軸と前記第1電動機の回転軸と前記駆動軸との3軸に接続され、これら3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する動力分配手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な第2電動機と、
    前記第1および第2電動機と電力をやり取り可能な蓄電装置と、
    前記駆動軸に要求される要求トルクを設定する要求トルク設定手段と、
    前記触媒の劣化を抑制するために前記内燃機関の燃料供給の停止が禁止されている最中に前記駆動軸に対する減速要求がなされたときに、前記第1電動機から前記機関軸への負のトルクの出力と前記燃料供給とを伴って前記内燃機関の回転数が予め定められたアイドル回転数まで低下すると共に前記設定された要求トルクに基づくトルクが前記駆動軸に出力されるように前記内燃機関と前記第1および第2電動機とを制御し、前記内燃機関の回転数が前記アイドル回転数に達すると、前記第1電動機から前記機関軸へのトルクの出力と前記燃料供給とを伴って前記内燃機関の回転数が前記アイドル回転数に維持されると共に前記設定された要求トルクに基づくトルクが前記駆動軸に出力されるように前記内燃機関と前記第1および第2電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 請求項1に記載の動力出力装置において、
    前記動力分配手段は、前記第1電動機の回転軸に接続される第1要素と、前記内燃機関の前記機関軸に接続される第2要素と、前記駆動軸に接続される第3要素とを有すると共に、これら3つの要素が互いに差動回転できるように構成された遊星歯車機構である動力出力装置。
  3. 請求項1または2に記載の動力出力装置と、前記駆動軸に連結された駆動輪とを備えるハイブリッド自動車。
  4. 内燃機関と、該内燃機関から排出される排ガスを浄化するための触媒を含む浄化装置と、動力を入出力可能な第1電動機と、前記内燃機関の機関軸と前記第1電動機の回転軸と駆動軸との3軸に接続され、これら3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する動力分配手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な第2電動機と、前記第1および第2電動機と電力をやり取り可能な蓄電装置とを備えた動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記触媒の劣化を抑制するために前記内燃機関の燃料供給の停止が禁止されている最中に前記駆動軸に対する減速要求がなされたときに、前記第1電動機から前記機関軸への負のトルクの出力と前記燃料供給とを伴って前記内燃機関の回転数が予め定められたアイドル回転数まで低下すると共に前記設定された要求トルクに基づくトルクが前記駆動軸に出力されるように前記内燃機関と前記第1および第2電動機とを制御するステップと、
    (b)前記内燃機関の回転数が前記アイドル回転数に達した後に、前記第1電動機から前記機関軸へのトルクの出力と前記燃料供給とを伴って前記内燃機関の回転数が前記アイドル回転数に維持されると共に前記設定された要求トルクに基づくトルクが前記駆動軸に出力されるように前記内燃機関と前記第1および第2電動機とを制御するステップと、
    を含む動力出力装置の制御方法。
JP2009090302A 2009-04-02 2009-04-02 動力出力装置、それを備えたハイブリッド自動車および動力出力装置の制御方法 Pending JP2010241204A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009090302A JP2010241204A (ja) 2009-04-02 2009-04-02 動力出力装置、それを備えたハイブリッド自動車および動力出力装置の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009090302A JP2010241204A (ja) 2009-04-02 2009-04-02 動力出力装置、それを備えたハイブリッド自動車および動力出力装置の制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010241204A true JP2010241204A (ja) 2010-10-28

Family

ID=43094754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009090302A Pending JP2010241204A (ja) 2009-04-02 2009-04-02 動力出力装置、それを備えたハイブリッド自動車および動力出力装置の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010241204A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000032611A (ja) * 1998-07-13 2000-01-28 Toyota Motor Corp 動力出力装置及びその制御方法並びにハイブリッド車両
JP2005051847A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Toyota Motor Corp 動力出力装置およびその制御方法並びに自動車
JP2007161209A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Toyota Motor Corp ハイブリッド自動車およびその制御方法
JP2007192113A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Toyota Motor Corp 車両及びその制御方法
JP4780219B2 (ja) * 2009-04-02 2011-09-28 トヨタ自動車株式会社 動力出力装置、それを備えたハイブリッド自動車および動力出力装置の制御方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000032611A (ja) * 1998-07-13 2000-01-28 Toyota Motor Corp 動力出力装置及びその制御方法並びにハイブリッド車両
JP2005051847A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Toyota Motor Corp 動力出力装置およびその制御方法並びに自動車
JP2007161209A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Toyota Motor Corp ハイブリッド自動車およびその制御方法
JP2007192113A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Toyota Motor Corp 車両及びその制御方法
JP4780219B2 (ja) * 2009-04-02 2011-09-28 トヨタ自動車株式会社 動力出力装置、それを備えたハイブリッド自動車および動力出力装置の制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4780219B2 (ja) 動力出力装置、それを備えたハイブリッド自動車および動力出力装置の制御方法
JP4321520B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法
JP4615037B2 (ja) ハイブリッド自動車およびその制御方法
US20100251996A1 (en) Power output apparatus, hybrid vehicle provided with same, and control method of power output apparatus
JP2010179780A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2007203900A (ja) 内燃機関装置およびその制御方法並びに動力出力装置
JP2009062907A (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載する車両、内燃機関装置の制御方法
JP5459144B2 (ja) ハイブリッド車
JP2009274671A (ja) ハイブリッド自動車およびその制御方法
JP5218244B2 (ja) ハイブリッド自動車
JP2008247128A (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両
JP5126023B2 (ja) 内燃機関装置、それを搭載した車両および内燃機関装置の制御方法
JP2010105626A (ja) 車両およびその制御方法
JP2010116032A (ja) ハイブリッド車両およびその制御方法
JP2007309113A (ja) 動力出力装置、それを搭載した車両及び動力出力装置の制御方法
JP3956944B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びにその制御方法
JP2007223403A (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両
JP2007120382A (ja) 動力出力装置およびその制御方法並びに車両
JP2006249983A (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びにその制御方法
JP2010274739A (ja) 内燃機関装置およびハイブリッド車
JP5246090B2 (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2011084202A (ja) 動力出力装置、それを備えたハイブリッド車両および動力出力装置の制御方法
JP2009274628A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP2009279965A (ja) ハイブリッド車およびその制御方法
JP4862687B2 (ja) 内燃機関装置および動力出力装置並びにこれらの制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121113

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130402