JP2010241031A - 加飾プラスチック成型品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凹凸のある成型品であっても誘電体多層膜による加飾が可能な加飾プラスチック成型品の製造方法を提供すること。
【解決手段】平坦に配置したプラスチックフィルム上に蒸着法にて誘電体多層膜を成膜させて表面が加飾された加飾フィルム16をまず製造する。次いで加飾フィルム16を誘電体多層膜を成膜した面が溶融プラスチックとの接触面側となるように第1及び第2の金型片31,32からなるモールド内に配置し、モールド内に溶融プラスチック35を加圧充填し、その圧力で前記加飾フィルム16をモールド内面形状に応じて所定の凹凸形状に変形させる。そして、モールド内で溶融プラスチック35を保持し固化させることで加飾フィルム16と一体化した加飾プラスチック成型品としての蓋11を得るようにする。
【選択図】図5

Description

本発明は例えば車の内装部品や携帯電話やカメラの筐体外面やサニタリー関係部品等に好適に使用可能な直接金属光沢を目視させるような誘電体薄膜を表面に形成させた加飾プラスチック成型品の製造方法に関するものである。
プラスチック基材を金属光沢で加飾するため真空蒸着やスパッタ法等の成膜方法によって基材表面に薄膜を成膜し、これを保護膜で覆うようにした技術が従来から提案されている。例えば、特許文献1には基材にまず接着層を形成し、そこに金属薄膜もしくは誘電体薄膜を形成し、最後に保護層としてハードコート層を形成する技術が開示されている。また、特許文献2にも同様に合成樹脂の基材上にアンダーコートを塗布し、その上に金属薄膜を形成させ、次いでその上に透明なトップコートを塗布する技術が開示されている。
特開2005−296841号公報 特開2007−1247号公報 特開2008−200861号公報
加飾のための多様な金属色を創出するためには金属酸化物を使用した誘電体多層膜を使用することが好ましい。また、赤外線データ通信のために赤外線を透過させる携帯電話やパソコンのIRDA通信ポートのウィンドウ部分には赤外線領域の透過特性が必要であるが、金属薄膜ではそのような特性を得ることができないため、ウィンドウ部分にも金属色を用いるようなデザインでは誘電体多層膜を使用する必要がある。
ところが、誘電体多層膜は一般に蒸着膜として得られるため、凹凸が多かったり曲面のある成型品では均一な成膜が困難である。誘電体多層膜は膜厚が異なると予定した発色が得られなかったり所望の分光特性が得られなかったりするため実際には自由に誘電体多層膜による加飾プラスチック成型品を製造することはできなかった。
また、加飾プラスチック成型品を製造するために特許文献3のような技術が開発されている。これは可塑性フィルムを積層し分光特性のある金属色風に加飾した加飾フィルムを製造し、これを使用してインモールド成形やインサート成形等の種々の成形方法で成形して携帯電話等に用いるものである。
しかし、可塑性フィルムは延展性が高いため角度のある部分において強く屈曲されると延展されて見た目の色が変わってしまうものである。そのため、深い角度のあるようなデザインの加飾プラスチック成型品に応用することはできないものである。
本発明は、上記課題を解消するためになされたものであり、その目的は凹凸のある成型品であっても誘電体多層膜による加飾が可能な加飾プラスチック成型品の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、平坦に配置したプラスチックフィルム上に蒸着法にて誘電体多層膜を成膜させて表面が加飾された加飾フィルムを製造し、同加飾フィルムをモールド内に配置した状態で同モールド内に溶融プラスチックを加圧充填し、その圧力で前記加飾フィルムをモールド内面形状に応じて所定の凹凸形状に変形させ、前記モールド内で保持して前記溶融プラスチックを固化させることで前記加飾フィルムと一体化した加飾プラスチック成型品を得るようにしたことをその要旨とする。
このような構成とすれば、均一な膜厚の誘電体多層膜が蒸着された加飾フィルムはモールド内に加圧下で導入された溶融プラスチックによってモールド内面形状に応じて所定の凹凸形状に変形させられることとなる。そして、そのままモールド内で保持されることでプラスチックは加飾フィルムと一体化して固化する。すると加飾フィルムは成形された加飾プラスチック成型品のプラスチック表面に目視可能に露出される。
ここに、加飾フィルム上の誘電体多層膜は延伸性がないためモールド内面形状に沿って加飾フィルムが強く屈曲されても誘電体多層膜自体はごく微少なクラック(マイクロクラック)が生じることで、形状に対して誘電体多層膜各層の膜厚の変化がないため加飾の点では見た目の色が変わることはない。
請求項2に記載の発明では請求項1に記載の発明において、前記加飾フィルムを前記モールド内に配置する場合には少なくとも誘電体多層膜を成膜した面が溶融プラスチックとの接触面側となるように配置することをその要旨とする。
これによって誘電体多層膜面がプラスチックフィルムと基材となるプラスチックとの間に配置されて保護されることとなる。
請求項3に記載の発明では平坦に配置したプラスチックフィルム上に蒸着法にて誘電体多層膜を成膜させて表面が加飾された加飾フィルムを製造し、同加飾フィルムを前もって所定の凹凸形状の加飾フィルム成型品に成形し、同加飾フィルム成型品をモールド内に配置した状態で同モールド内に溶融プラスチックを充填し、前記モールド内で保持して前記溶融プラスチックを固化させることで前記加飾フィルムと一体化した加飾プラスチック成型品を得るようにしたことをその要旨とする。
このような構成とすれば、均一な膜厚の誘電体多層膜が蒸着された加飾フィルムは前もって所定の凹凸形状の加飾フィルム成型品に成形させられているため、モールド内に配置することで充填された溶融プラスチックは加飾フィルム成型品と一体化して固化する。この際に加飾フィルム成型品は基材となるプラスチックの表面位置に加飾面が目視できるように配置されてもよく、プラスチックの内部に保持させるようにしてもよい。後者の場合にはプラスチックは透明性が必要となる。
加飾フィルム成型品の成形方法としては、真空成形、圧空成形、プレス成形等の公知の成形方法で得ることができる。
請求項4に記載の発明では請求項3に記載の発明において、前記加飾フィルム成型品を前記モールド内に配置する場合には少なくとも誘電体多層膜を成膜した面が溶融プラスチックとの接触面側となるように配置することをその要旨とする。
これによって誘電体多層膜面がプラスチックフィルムと基材となるプラスチックとの間に配置されて保護されることとなる。
請求項5に記載の発明では請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記プラスチックフィルム上に所定の印刷を施し、同印刷を施した面側に誘電体多層膜を成膜して加飾フィルムを製造することをその要旨とする。
請求項6に記載の発明では請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記プラスチックフィルム上に誘電体多層膜を成膜し、同誘電体多層膜の上から所定の印刷を施して加飾フィルムを製造することをその要旨とする。
これらの構成では印刷面は誘電体多層膜側にされているため、誘電体多層膜側が例えば上記のようにプラスチックフィルムと基材となるプラスチックとの間に配置される場合には印刷面も保護されることとなる。
尚、印刷方法は特に限定されることはなくプラスチックフィルム上に印刷できる印刷手段であればよく、例えばスクリーン印刷、パット印刷あるいはインクジェット印刷等が挙げられる。
請求項7に記載の発明では請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記プラスチックフィルム上に誘電体多層膜を成膜し、同誘電体多層膜の成膜面の裏面側に所定の印刷を施して加飾フィルムを製造することをその要旨とする。
請求項8に記載の発明では請求項7に記載の発明において、前記加飾フィルムの印刷面側が外部に露出する場合に、同印刷面の上に保護層を形成することをその要旨とする。
このように印刷面を保護する必要から印刷面の上に保護層を形成することが好ましい。保護層とは例えば酸化ケイ素を主成分とする眼鏡レンズ等の保護用に使用されるハードコート膜が挙げられる。
ハードコート膜は例えばコート用のハードコート液に浸漬あるいは塗布等し、その後公知の方法にて溶媒を蒸発させて形成させることが一般的である。ハードコート膜は、特にオルガノシロキサン系樹脂と無機酸化物微粒子から構成されることが好ましい。そのためのハードコート液は水又はアルコール系の溶媒にオルガノシロキサン系樹脂と無機酸化物微粒子ゾルを分散(混合)させて調整される。
オルガノシロキサン系樹脂はアルコキシシランを加水分解し縮合させて得られるものが好ましい。アルコキシシランの具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルシリケートなどが挙げられる。これらアルコキシシランの加水分解縮合物は、前述のアルコキシシラン化合物を単独または2種以上組合せ、塩酸等の酸性水溶液で加水分解することによって製造される。
請求項9に記載の発明では請求項1又は3に記載の発明において、前記加飾フィルムの誘電体多層膜側が外部に露出する場合に、同誘電体多層膜の上に保護層を形成することをその要旨とする。
この場合も誘電体多層膜を保護する必要から印刷面の上に保護層を形成することが好ましい。
請求項10に記載の発明では請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、前記加飾フィルムの前記溶融プラスチックとの接触面側には同溶融プラスチックとの相溶性のある接着層を形成したことをその要旨とする。
これによって加飾プラスチック成型品の基材プラスチックと加飾フィルムとの密着性が向上する。
本発明における蒸着法としては、スパッタ法、真空蒸着法若しくは気相成長法が挙げられる。
スパッタ法とは、真空雰囲気中で、アルゴンガス粒子を微粒子化したい原料物質である固体状態のターゲットに衝突させ、その衝撃ではじき飛ばされたターゲット成分(微粒子)を取り出す方法であって、従来では基板上に基板上にナノレベルの微粒子を付着させて薄膜を形成させる方法であるが、本発明では基板上での成膜を図るのではなく、熱硬化性プラスチック用のモノマー又は液相状態の熱可塑性プラスチックを基板の代わりとしてターゲット成分(微粒子)を樹脂内に取り込むこととなる。物理蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)の一種である。
また真空蒸着法とは、真空雰囲気中で、蒸着材料を加熱し気相化させて、離れた位置に置かれた基板の表面に付着させ、薄膜を形成させる方法である。やはり物理蒸着の一種である。加熱手段としては、抵抗加熱、電子ビーム、高周波誘導、レーザーなどの方法がある。本発明では基板上での成膜を図るのではなく、熱硬化性プラスチック用のモノマー又は液相状態の熱可塑性プラスチックを基板の代わりとして気相化した物質(微粒子)を樹脂内に取り込むこととなる。その他、真空ではなく所定のガス雰囲気中で蒸着を行うガス中蒸着法等がある。
また気相成長法とは、化学蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)の一種であって、反応炉内で加熱した基板上に、目的とする薄膜の成分を含む原料ガスをそのままあるいはキャリアガスとともに供給し、基板表面あるいは気相での化学反応により膜を形成する方法である。スパッタ法やスパッタ法ほどの真空度は必要としない。活性化エネルギーを与える手段として熱を与えるものを基本的にCVD(Chemical Vapor Deposition)とし、プラズマによるものを特にプラズマCVD、高エネルギーの光によるものを光CVDという。
本発明に使用される基材となるプラスチックの材料は特に限定されるものではなく、例えば熱可塑性プラスチックであればポリプロピレン・ポリエチレン・ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)・ポリブチレンテレフタレート・ポリプロピレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等が一例として挙げられる。また、熱硬化性プラスチックとしてはフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、本発明に使用されるプラスチックフィルムの材料は熱可塑性プラスチックであれば特に限定されるものではなく、例えばポリプロピレン・ポリエチレン・ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)・ポリブチレンテレフタレート・ポリプロピレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等が一例として挙げられる。
但し、樹脂材料と蒸着膜の密着強度が必要な場合は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ABS,エポキシなどを選択することが好ましい。
本発明に使用される誘電体多層膜の各構成膜層は親水性或いは非親水性の無機化合物から構成されており、例えばTiO2、Ta25、ZrO2、Al23、Nb25、SiO2、MgF2等の金属酸化物が挙げられる。構成される多層膜の数や各層の膜厚は特に限定されるものではない。これら構成膜によって任意に光学特性を調整することが可能である。
上記各請求項に記載の発明によれば、誘電体多層膜によって加飾された複雑な凹凸を有するような加飾プラスチック成型品の製造が可能となる。
本発明の1実施例の方法で製造された蓋の斜視図。 図1の蓋の一部破断側面図。 図1の蓋の印刷部位置における加飾フィルムの層構成のイメージを説明する説明図。 実施例で使用する真空蒸着装置の模式図。 実施例1の蓋をインモールド成形法によって製造する際の工程を説明するも説明図であって、(a)は離型した型の間に加飾フィルムを配置した状態、(b)は溶融プラスチックを射出した状態、(c)は成形した加飾プラスチック成型品を取り出すために再度離型した状態。 図1の蓋の他の実施例の一部破断側面図。 真空成型で加飾フィルムからインサート成型体を得る工程を説明する説明図であって、(a)は凸型上に加飾フィルムを配置している状態、(b)は真空引きによって加飾フィルムが変形された状態、(c)はインサート成型体を取り出した状態。 実施例2の蓋をインサートモールド成形法によって製造する際の工程を説明するも説明図であって、(a)は離型した型の間にインサート成型体を配置した状態、(b)は溶融プラスチックを射出した状態、(c)は成形した加飾プラスチック成型品を取り出すために再度離型した状態。 図1の蓋の印刷部位置における他の実施例の加飾フィルムの層構成のイメージを説明する説明図。 図1の蓋の印刷部位置における他の実施例の加飾フィルムの層構成のイメージを説明する説明図。
以下、本発明の加飾プラスチック成型品の製造方法の実施例を図面に基づいて説明する。
(実施例1)
本実施例1では一例として図1及び図2に示すような携帯型情報端末の蓋11を製造するものとする。加飾プラスチック成型品としての蓋11は長方形形状の平面形状を備え、周縁全体が逆方向に湾曲した皿形状をなしている。中央から長手方向の一側に寄った位置には方形の透孔12が形成されている。蓋11の裏面には図示しない筐体本体に取り付けるための爪13が突設されている。
実施例1の蓋11は外面側(図2における上側)がポリカーボネート製の透明な基材プラスチック15とされ、基材プラスチック15の内面(図2における下側)に加飾フィルム16が配設されている。尚、図2では作図上若干加飾フィルム16は厚めに図示されている。
図3は加飾フィルム16の層構成のイメージである。加飾フィルム16にはPET製のプラスチックフィルム17の裏面に図1の「TOKAIOPTICAL」という文字としての印刷部18がスクリーン印刷にて印字されており、この印刷部18の上からプラスチックフィルム17の裏面全域に誘電体多層膜19が成膜されている。尚、図3は層構成を模式的に示したもので各層の厚さの比率は正確なものではない。本実施例1では加飾フィルム16の誘電体多層膜19が蒸着された面が基材プラスチック15側とされている。
このような蓋11は次のような工程で製造されている。
<加飾フィルムの製造>
加飾フィルムは図4の模式図に示すような真空蒸着装置21により製造される。真空蒸着装置21の筐体22内部下方にはヒーター23が配置され、同ヒーター23上には蒸着原料25が収容されたトレイ24が配置されている。トレイ24から所定間隔離間した筐体22内部の上部位置には所定の大きさの平板なプラスチックフィルム17が水平に配設されている。プラスチックフィルム17には上記印刷部18がすでに印字されており、本実施例1ではこの印刷部18側が蒸着面とされる。筐体22はそれぞれ外気導入用のバルブ26と脱気用のポンプ27を備えている。このような構成で所定の真空度においてヒーター23を加熱し、蒸着原料25を蒸着させる。所定の発色及び特性が得られるように蒸着を重ね誘電体多層膜19を成膜させ加飾フィルム16を得る。
<インモールド成形>
図5(a)〜(c)の模式図に基づいて、蓋11を成形するためにインモールド成形法を使用する場合について説明する。
本実施例1のインモールド成形では第1の金型片31と第2の金型片32によって金型(モールド)が構成されている。第1の金型片31の内面は蓋11の裏面側を、第2の金型片32の内面は蓋11の表面側を成形する。第2の金型片32は射出成型機34のノズル34aに接続されている。射出成型機34の射出口34aから射出される溶融プラスチック35は第2の金型片32の通路36を通って両金型片31,32の接合(型締め)によって内部に形成されるキャビティC内に充填される。
次に、インモールド成形法による蓋11の成型工程を説明する。
図5(a)に示すように両金型片31,32が離間した状態で誘電体多層膜19側が第2の金型片32側(通路36側)を向くように加飾フィルム16を両金型片31,32間に配置する。次いで、図5(b)に示すように第1の金型片31を上動させて型締めし、これに同期させて所定量の射出成型機34からノズル34a及び通路36を介して溶融プラスチック35をキャビティC内に射出させる。この射出時の熱と圧力によって加飾フィルム16は第1の金型片31の内面に沿って変形させられることとなる。溶融プラスチック35がキャビティC内に充満した状態で所定時間保圧し、溶融プラスチック35が固化して基材プラスチック15となった段階で図5(c)に示すように両金型片31,32を型開きさせ、脱型させることで蓋11の成型品を得ることができる。尚、脱型段階ではプラスチックのバリやプラスチックの外形からはみ出した加飾フィルム16部分を有しているため最終製品としては、これらを除去する。
このようにして製造された蓋11は透明な基材プラスチック15を通して加飾フィルム16の金属色を背景に印刷部18が浮かぶように表面側から目視されることとなる。この時加飾フィルム16は第1の金型片31の内面形状に応じて変形させられるが見た目の色が変わることはない。
また、層構造として印刷部18及び誘電体多層膜19はプラスチックフィルム17と基材プラスチック15によって密封状態に保護されているため、劣化したり傷がつくといった恐れがない。
(実施例2)
実施例2では実施例1と異なり図6に示すように蓋11において基材プラスチック15の外面(図6における上側)に加飾フィルム16が配設されている。実施例2も実施例1と同様図1のような外観を呈する。
実施例2の加飾フィルム16は実施例1と同じ層構成のものである。
このような蓋11は次のような工程で製造されている。
<加飾フィルムの製造>
これは上記実施例1と同様である。
<真空成形>
本実施例2では平板の加飾フィルム16をそのままインモールドするのではなく、蓋11の表面形状に前もって成形したもの(以下、インサート成型体とする)をモールド内にインサートして成形するインサートモールド成形法を使用した。実施例1に比べて実施例2においては加飾フィルム16の変形度合いが大きいためこの方法を採用した。
本実施例2では蓋11の表面形状に前もって成形するために真空成型法を使用した。図7(a)〜(c)の模式図に基づいて、インサート成型体40を成形するための真空成形について説明する。
図7(a)〜(c)に示すように、ベッド41上に蓋11の表面形状に一致する凸型42が用意されている。凸型42及びベッド41には適宜複数の吸引通路43が形成されている。ベッド40の下方には真空引き用のポンプ44が配設されている。
次にインサート成型体40を得るまでの工程を説明する。
まず、図7(a)に示すように図示しないヒータによって加熱した加飾フィルム16を誘電体多層膜19側が下向きとなるように凸型42の上方に配置し、凸型42を包囲する。そして、図7(b)に示すようにポンプ44を駆動させて真空引きをすることで加飾フィルム16は凸型42に沿って変形される(インサート成型体が成形される)。最後に図7(c)のように加飾フィルム16からなるインサート成型体40を取り出しバリを取り除く。
<インサートモールド成形>
図8(a)〜(c)の模式図に基づいて、蓋11を成形するためにインサートモールド成形法を使用する場合について説明する。
本実施例2のインサートモールド成形では第1の金型片45と第2の金型片46によって金型(モールド)が構成されている。第1の金型片45の内面は蓋11の表面側を、第2の金型片46の内面は蓋11の裏面側を成形する。第2の金型片46は射出成型機47のノズル47aに接続されている。第1の金型片45の内面形状は凸型42と一致する。射出成型機47の射出口47aから射出される溶融プラスチック48は第2の金型片46の通路49を通って両金型片45,46の接合(型締め)によって内部に形成されるキャビティC内に充填される。
次に、インサートモールド成形法による蓋11の成型工程を説明する。
図8(a)に示すように両金型片45,46が離間した状態で誘電体多層膜19側が第2の金型片32側(通路36側)を向くようにインサート成型体40を第1の金型片45に載置する。次いで、図8(b)に示すように第1の金型片45を上動させて型締めし、これに同期させて所定量の射出成型機47からノズル47a及び通路49を介して溶融プラスチック48をキャビティC内に射出させる。溶融プラスチック48がキャビティC内に充満した状態で所定時間保圧し、溶融プラスチック48が固化して基材プラスチック15となった段階で図8(c)に示すように両金型片45,46を型開きさせ、脱型させることで蓋11の成型品を得ることができる。尚、脱型段階ではプラスチックのバリやプラスチックの外形からはみ出した加飾フィルム16部分を有しているため最終製品としては、これらを除去する。
このようにして製造された蓋11は透明な基材プラスチック15の表面で加飾フィルム16の金属色を背景に印刷部18が浮かぶように目視されることとなる。この時加飾フィルム16は前もってインサート成型体40に成形されているが見た目の色が変わることはない。また、もしインサート成型体40の外観が損なわれている場合にはインサートモールド成形法で蓋11を成形する前にインサート成型体40をチェックして排除することが可能である。
また、層構造として印刷部18及び誘電体多層膜19はプラスチックフィルム17と基材プラスチック15によって密封状態に保護されているため、劣化したり傷がつくといった恐れがない。
(その他の実施例)
・上記実施例の加飾フィルム16ではプラスチックフィルム17に先に印刷部18を形成し、その後誘電体多層膜19を蒸着するようにしていた。しかし、図9に示すように先に誘電体多層膜19を蒸着し、その上に印刷部18を形成するようにしてもよい。
・上記各実施例の加飾フィルム16ではプラスチックフィルム17の同じ面に印刷部18と誘電体多層膜19を形成するようにしていたが、図10のようにプラスチックフィルム17の表裏面に印刷部18と誘電体多層膜19をそれぞれ異なる面に形成するようにしても構わない。また、この場合に上記成形方法によれば印刷部18と誘電体多層膜19のいずれかの面が蓋11の外部に露出する面になるが、その場合には少なくとも露出面側にハードコート膜のような保護膜を塗布することが好ましい。
・基材プラスチック15と加飾フィルム16との接着性、つまり溶融プラスチック35,48と接する加飾フィルム16の表裏いずれかの面に接着性を向上させるために接着層を形成させるようにしてもよい。
・上記実施例2ではインサート成型体40を成形するために真空成型を使用したが、その他の成型方法で実行することも可能である。
その他本発明の趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
16…加飾フィルム、17…プラスチックフィルム、19…誘電体多層膜、35,48…溶融プラスチック、31,45…モールドの一部をなす第1の金型片、32,46…モールドの一部をなす第2の金型片。

Claims (10)

  1. 平坦に配置したプラスチックフィルム上に蒸着法にて誘電体多層膜を成膜させて表面が加飾された加飾フィルムを製造し、同加飾フィルムをモールド内に配置した状態で同モールド内に溶融プラスチックを加圧充填し、その圧力で前記加飾フィルムをモールド内面形状に応じて所定の凹凸形状に変形させ、前記モールド内で保持して前記溶融プラスチックを固化させることで前記加飾フィルムと一体化した加飾プラスチック成型品を得るようにしたことを特徴とする加飾プラスチック成型品の製造方法。
  2. 前記加飾フィルムを前記モールド内に配置する場合には少なくとも誘電体多層膜を成膜した面が溶融プラスチックとの接触面側となるように配置することを特徴とする請求項1に記載の加飾プラスチック成型品の製造方法。
  3. 平坦に配置したプラスチックフィルム上に蒸着法にて誘電体多層膜を成膜させて表面が加飾された加飾フィルムを製造し、同加飾フィルムを前もって所定の凹凸形状の加飾フィルム成型品に成形し、同加飾フィルム成型品をモールド内に配置した状態で同モールド内に溶融プラスチックを充填し、前記モールド内で保持して前記溶融プラスチックを固化させることで前記加飾フィルムと一体化した加飾プラスチック成型品を得るようにしたことを特徴とする加飾プラスチック成型品の製造方法。
  4. 前記加飾フィルム成型品を前記モールド内に配置する場合には少なくとも誘電体多層膜を成膜した面が溶融プラスチックとの接触面側となるように配置することを特徴とする請求項3に記載の加飾プラスチック成型品の製造方法。
  5. 前記プラスチックフィルム上に所定の印刷を施し、同印刷を施した面側に誘電体多層膜を成膜して加飾フィルムを製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加飾プラスチック成型品の製造方法。
  6. 前記プラスチックフィルム上に誘電体多層膜を成膜し、同誘電体多層膜の上から所定の印刷を施して加飾フィルムを製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加飾プラスチック成型品の製造方法。
  7. 前記プラスチックフィルム上に誘電体多層膜を成膜し、同誘電体多層膜の成膜面の裏面側に所定の印刷を施して加飾フィルムを製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加飾プラスチック成型品の製造方法。
  8. 前記加飾フィルムの印刷面側が外部に露出する場合に、同印刷面の上に保護層を形成することを特徴とする請求項7に記載の加飾プラスチック成型品の製造方法。
  9. 前記加飾フィルムの誘電体多層膜側が外部に露出する場合に、同誘電体多層膜の上に保護層を形成することを特徴とする請求項1又は3に記載の加飾プラスチック成型品の製造方法。
  10. 前記加飾フィルムの前記溶融プラスチックとの接触面側には同溶融プラスチックとの相溶性のある接着層を形成したことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の加飾プラスチック成型品の製造方法。
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