JP2010239672A - アクチュエータおよびそれを用いた位置決め装置 - Google Patents

アクチュエータおよびそれを用いた位置決め装置 Download PDF

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Miho Chiba
美帆 千葉
Eikichi Yoshida
栄吉 吉田
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Abstract


【課題】 簡単な構造で装置の低背化と移動ストロークの拡大が可能なだけでなく、移動の真直性とX−Y方向の直交性に優れたアクチュエータおよび当該アクチュエータを用いた位置決め装置を提供すること。
【解決手段】 磁石31,32と摺動する固定部材36に周期構造を形成し、その周期構造を直交する2軸に対して同一となるようにすることで、磁石31,32と固定部材36との間に働く吸引力に、X−Yの2軸に沿った規則性を持たせ、X−Yの直交する2方向へ真直に移動できるように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気機械変換素子の変位の往復時の速度を異ならせて振動させることで移動部材を移動するためのインパクト式アクチュエータおよび当該アクチュエータを用いた位置決め装置に関する。
従来、X−Yテーブルなどの平面上の位置決め装置としては、ステッピングモータやACサーボモータなどの電磁方式による駆動が一般的に用いられていたが、近年の電子機器の小型化に伴い、アクチュエータとして圧電素子などの電気機械変換素子を駆動方式に用いることで、位置決め装置そのものを小型化しようとする開発が活発に行われている。
たとえば、特許文献1および特許文献2に開示されているように、圧電素子を伸びと縮みの速度を異ならせて振動させることで、被駆動部材を移動させるアクチュエータが知られいる。
特開2003−110919号公報 特開2006−81348号公報
しかしながら、特許文献1および2に開示されている方法においては、駆動部材の長さに被駆動部材の可動範囲が限定され、動作ストロークを大きくできないという問題があった。また、X−Yの2次元に移動可能とするために、固定部材に対して2つの駆動部材と被駆動部材が必要であり、各々を独立して駆動するので、積層して構成する必要があり、同一平面上に設置できないため、駆動装置の厚さを薄くすることが困難であった。
本発明者は、上記に鑑みて、新たに平面上をX−Y方向に移動可能で自走可能な駆動機構への適用が好適なアクチュエータおよびそれを用いた位置決め装置を開発して、移動ストロークを大きくでき、かつ、簡単な構造により同一平面上で駆動させることができるため、装置の低背化が可能な発明を出願している。
図4は、参考例のアクチュエータの基本構成を示す。図4(a)は上面方向からの外観平面図、図4(b)は図4(a)の側面図(A4方向矢視図)である。略直方体の磁石61の直交する2面の各々に、電気機械変換素子としての積層型圧電セラミックによる圧電セラミック素子51,52の変位方向の一端を、エポキシ樹脂等を用いて接着してなる駆動体71と、これと同じ構成の駆動体72(磁石62と圧電セラミック素子53,54からなる)と、これらの圧電セラミック素子51,52,53,54の各変位方向の他端がエポキシ樹脂等を用いて接着されている被駆動部材65と、磁石61,62に対して磁力によって吸着可能な固定部材66とから構成されている。圧電セラミック素子51,52,53,54の伸びと縮みの速度を異ならせて振動させることにより、被駆動部材65と駆動体71,72からなる移動体73を、固定部材66に対して移動させる機構を有している。すなわち、同じ平面に配置された駆動体71,72によって、固定部材66の平面上をX−Y方向の2次元に並進移動可能な自走型のアクチュエータ76である。
図4のアクチュエータ76は、伸長時と縮小時とで異なる速度で伸縮をするような電圧を圧電セラミック素子51,52,53,54に印加して伸縮時間の差による摩擦と滑りを利用したインパクト駆動方式を用いている。駆動方法について、図5を使用して詳細に説明する。図5は、参考例のアクチュエータに係る駆動方法を説明するものであり、図5(a)は移動状況の簡略図、図5(b)は圧電セラミック素子51のタイムチャート、図5(c)は圧電セラミック素子54のタイムチャート、図5(d)は移動体のタイムチャートである。Y方向に移動させる場合について説明する。圧電セラミック素子51,54に、図5(b)、図5(c)のタイムチャートのように、t1の時間において駆動電圧を印加すると、図面左下の圧電セラミック素子51が伸び、右上の圧電セラミック素子54が縮み、移動体73はゆっくり+Y方向に移動する。このとき磁石61,62は、固定部材66と磁力によって吸着された状態で移動しない。また、圧電セラミック素子51,54に、図5(b)、図5(c)のタイムチャートのように、t2の時間において駆動電圧を印加すると、左下の圧電セラミック素子51が縮み、右上の圧電セラミック素子54が伸びるが、磁石61,62と固定部材66との最大静止摩擦力を超える加速度で圧電セラミック素子51,54は急速に変形するため、磁石61,62と固定部材66との間で滑りが生じて、磁石61,62は移動するが、移動体73は−Y方向に移動することはできない。よって、図5(d)に示す移動体73の移動になる。これを連続的に繰り返せば、移動体73は、固定部材66に対して一方向に連続的に移動する。なお、駆動方向を反転させるには、圧電セラミック素子51,54に入力する駆動電圧の極性を反対にすれば良い。同様に、圧電セラミック素子52,53により、X方向の移動を行うことができる。
図5では、三角波状の入力電圧(駆動電圧)波形を与えた場合の駆動について説明したが、これは駆動方法の1例であって、各部品形状に応じて周波数を調整した矩形波状の入力電圧(駆動電圧)を入力するようにしても、同様に圧電セラミック素子を振動させることができる。
すなわち、図5に示すアクチュエータの駆動方法においては、Y方向への移動は圧電セラミック素子51,54の伸縮方向に一致し、X方向への移動は圧電セラミック素子52,53の伸縮方向に一致する。
図5に示すアクチュエータの駆動方法のY方向への移動について詳細に説明する。圧電セラミック素子51,54の伸縮は、それぞれ同じ駆動体71,72を形成する圧電セラミック素子52,53によって拘束されるため、磁石61,62の振動方向はY軸に沿わずに拘束される向きに傾いてしまう。このときの傾きは磁石61,62で同じため(α°とする)、移動体73の移動方向もY軸に対してα°傾いてしまうことになる。X方向への移動についても、Y方向と同様に、圧電セラミック素子52,53の伸縮は、それぞれ同じ駆動体71,72を形成する圧電セラミック素子51,54によって拘束されるため、磁石61,62の振動方向および移動体73の移動方向はX軸に対して、拘束される向きにβ°傾いてしまう。
拘束される向きとは、Y方向への移動の場合は、図4(a)のY軸に対して反時計回りの方向であり、X方向への移動の場合は、図4(a)のX軸に対して時計回りの方向である。すなわち、傾き方向が逆であるから、傾きα,βの大きさが同じであっても、移動体73においてX方向とY方向への移動は直交しない。
本発明者らの提案による図4の参考例のアクチュエータは、公知の従来技術と比較して、移動ストロークを大きくでき、かつ、簡単で装置の低背化が可能な構造であるが、移動の真直性とX−Y方向の直交性に関しては工夫の余地がある。
この状況にあって、本発明の課題は、簡単な構造で装置の低背化と移動ストロークの拡大が可能なだけでなく、移動の真直性とX−Y方向の直交性に優れたアクチュエータおよび当該アクチュエータを用いた位置決め装置を提供することにある。
本発明では、上記課題を解決するために、固定部材の磁石との摺動面に、直交する2軸に対して同一の周期構造を形成することで、磁石と固定部材との間に働く吸引力を周期的に変化させ、移動体が安定な(磁力が大きくなる)位置をX、Y各駆動軸に沿って規則的に形成することで、移動体が傾いて移動することを防いでいる。
本発明によれば、少なくとも2つの電気機械変換素子の、各々の変位方向の一端が磁石に固定されてなる駆動体と、該電気機械変換素子の変位方向の他端が固定されている被駆動部材と、該磁石に対して磁力によって吸着可能な固定部材とから構成され、前記電気機械変換素子の伸びと縮みの速度を異ならせて振動させることにより、前記被駆動部材と前記駆動体からなる移動体が前記固定部材に対して移動するアクチュエータであって、固定部材が磁石との摺動面において直交する2軸方向に同一の周期構造を有していることを特徴とするアクチュエータが得られる。
本発明によれば、上記アクチュエータを有することを特徴とする位置決め装置が得られる。
前記固定部材としては、SUS430などの磁石に吸着可能で加工性に優れた材料が望ましい。
前記周期構造は、樹脂材料などの非磁性材料に、複数個の固定部材が配置されることで形成されていてもよい。
前記被駆動部材としては、ポリカーボネートや紙ベークなどの密度が低く、加工性に優れた樹脂材料が望ましい。
前記磁石部材としては、ネオジム系、またはサマリウム系の希土類磁石などの強い吸着力が発生可能な磁性材料が望ましい。
本発明においては、インパクト駆動方式によって、被駆動部材と駆動体からなる移動体が、固定部材に対して移動するが、固定部材の磁石との摺動面において直交する2軸方向に同一の周期構造を形成するため、磁石と固定部材との間に働く吸引力はX、Y各駆動軸に沿って規則性を有し、移動体(磁石)はこの規則性に従って移動するため、電気機械変換素子の振動拘束による進行方向の傾きを防ぎ、移動体の直進性と駆動軸の直交性を向上することができる。
さらに、移動体は磁力が最も大きくなる位置で安定しやすいため、X−Y移動平面において、周期構造の間隔に従って位置決めを行うことができる。
以上のように、本発明により、簡単な構造で装置の低背化と移動ストロークの拡大が可能なだけでなく、移動の真直性とX−Y方向の直交性に優れたアクチュエータおよび当該アクチュエータを用いた位置決め装置を得ることができる。
本発明のアクチュエータの基本構成を示す。図1(a)は上面方向からの外観平面図、図1(b)は図1(a)の側面図(A1方向矢視図)である。 本発明の実施例と比較例のアクチュエータについて、XおよびY方向に駆動したときの移動経路を評価した結果である。図2(a)は実施例の結果、図2(b)は比較例の結果である。 本発明の実施例のアクチュエータについて、X方向に駆動したときの磁石と固定部材との位置関係を示す。図3(a)は磁石31の軌跡31a、図3(b)は最も安定な位置、図3(c)は図3(b)以外の代表的な位置である。 参考例のアクチュエータの基本構成を示す。図4(a)は上面方向からの外観平面図、図4(b)は図4(a)の側面図(A4方向矢視図)である。 参考例のアクチュエータの駆動方法を説明するもので、図5(a)は移動状況の簡略図、図5(b)は圧電セラミック素子51のタイムチャート、図5(c)は圧電セラミック素子54のタイムチャート、図5(d)は移動体のタイムチャートである。
本発明のアクチュエータおよびそれを用いた位置決め装置は、固定部材の磁石との摺動面に、直交する2軸に対して同一の周期構造を形成することで、磁石と固定部材との間に働く吸引力を周期的に変化させ、移動体が安定な(磁力が大きくなる)位置をX、Y各駆動軸に沿って規則的に形成することで、移動体が傾いて移動することを防いでいる。
以下、本発明の実施の形態の形態を図面に基づいて、電気機械変換素子の変位の振動が伸縮振動の場合で説明する。
図1は本発明のアクチュエータの基本構成を示す。図1(a)は上面方向からの外観平面図、図1(b)は図1(a)の側面図(A1方向矢視図)である。図1においても、図4のアクチュエータと同様に、直方体の磁石31の直交する2面の各々に、電気機械変換素子としての圧電セラミック素子11,12の変位方向の一端を、エポキシ樹脂等を用いて接着してなる駆動体41と、これと同じ構成の駆動体42(磁石32と圧電セラミック素子13,14からなる)と、これらの圧電セラミック素子11,12,13,14の変位方向の他端がエポキシ樹脂等を用いて接着されている被駆動部材35と、磁石31,32に対して磁力によって吸着可能な固定部材36とから構成され、圧電セラミック素子11,12,13,14の伸びと縮みの速度を異ならせて振動させることにより、被駆動部材35と駆動体41,42からなる移動体43を固定部材36に対して移動させる機構を有している。但し、本実施の形態では、固定部材36は、移動体43の各駆動軸X、Yに対して同一の周期構造となるように、基底部材37の上面にエポキシ樹脂等を用いて接着することで形成されている。すなわち、同じ平面に配置された、駆動体41,42によって、基底部材37上の固定部材36の平面上をX−Y方向の2次元に並進移動可能な自走型アクチュエータ46である。
圧電セラミック素子11,12,13,14は、同じ形状であり、かつ、所定の電圧に対する変位量も同じであると良い。所定の変位を発生できれば材質や構造を適宜選択できるものであるが、小型で駆動電圧を小さくできることから積層型圧電セラミックを用いるものとする。
磁石31,32は、同じ材質からなり、同じ形状で、同じ表面粗さと同じ吸着力を有することが望ましい。又、磁石31,32は、直方体の例を示したが、固定部材36に安定して吸着できる底面を有し、2つの圧電セラミック素子を接続できる形状であれば良い。磁石31,32の材質は特に限定されないが、強い吸着力が発生可能なネオジウム系またはサマリウム系の希土類磁石とすることが好ましい。
被駆動部材35としては、ポリカーボネートや紙ベークなどの密度が低く、加工性に優れた樹脂材料が望ましい。
固定部材36としては、正方形の磁性体を2次元的にマス目状に並べたが、磁気的な同期構造であれば、例えば、8角形や円形であっても良い。また、固定部材36としては、SUS430などの磁石に吸着可能で加工性に優れた材料が望ましい。
被駆動部材35と固定部材36は直接、接触していないことが望ましい。被駆動部材35と固定部材36を接触させるように構成することでも、本発明の効果は得られるが、移動時の摩擦力の増加による速度低下が生じやすくなる。
図1に示したように駆動体は2個である必要はなく、例えば、移動体の4角に1個ずつというように構成してもよい。変位のモードを伸縮モードで説明したが、例えば、伸縮モードに限らずに円弧状の圧電素子の両端を接続して曲げモードを用いれば接続間の距離を変位できる。
以下、実施例を挙げ、本発明のアクチュエータについて、図面を参照して具体的に固定部材36が正方形で、電気機械変換素子の変位の振動が伸縮振動の場合で説明する。
本発明の実施の形態に係る実施例のアクチュエータ46について説明する。アクチュエータ46の構造は実施の形態で説明した図1と同様である。圧電セラミック素子11,12,13,14として、断面寸法が縦0.9mm×横0.9mm、高さ1.4mm の圧電積層型セラミックを準備した。これらの圧電セラミック素子の変位発生方向は、積層方向である。磁石31,32として、断面寸法が縦1.0mm×横1.0mm、高さ1.3mmのネオジム系希土類磁石を準備した。圧電セラミック素子11,12の各変位発生方向の一方の端面側に対して、作製後に被駆動部材35と固定部材36が接触しないような位置に磁石31と熱硬化性エポキシ樹脂で接着して、駆動体41とした。駆動体42については、圧電セラミック素子13,14と磁石32により、駆動体41と同様にして作製した。
これらの駆動体41,42を、図1に示す配置で、被駆動部材35にエポキシ樹脂を用いて接着して移動体43とした。被駆動部材35は、紙ベーク製で、縦22mm×横22mm×厚さ2.0mmの矩形の平板から、駆動体41,42を配置する部分として対角上の6mm×6mmの部分を矩形に切り取った形状にした。被駆動部材35は、矩形の平板から駆動体41,42を配置する部分として、対角上の部分を矩形に切り取った形状にしているが、被駆動部材35は、駆動体41,42が接続できる形状であれば、矩形の平板とは限らない。
固定部材36として、磁石に吸着可能なSUS430の小片(縦1.0mm×横1.0mm×厚さ0.1mm)を複数枚準備し、隣接する固定部材36の小片同士の間隔が0.15mmになるように、基底部材37の上面にエポキシ系の瞬間接着剤を用いて貼り付けた。基底部材37は、紙ベーク性で、縦40mm×横40mm×厚さ5.0mmの矩形の平板である。
移動体43は、磁石31,32の磁力によって固定部材36に吸着しており、圧電セラミック素子11に伸びと縮みの速度を異ならせるような駆動電圧を印加し、同時に、圧電セラミック素子14に圧電セラミック素子11と伸びと縮みの速度が反転するように駆動電圧を印加することで、移動体43は基底部材37に対して、図1のY方向へと移動する。同様に、圧電セラミック素子12と圧電セラミック素子13に伸びと縮みの速度が反転するように駆動電圧を印加すると、移動体43は基底部材37に対して、図1のX方向に移動する。すなわち、本実施例のアクチュエータ46の駆動方法は、段落〔0008〕にて記述した参考例の駆動方法と同じである。
また、図4に記載の参考例のアクチュエータとの比較のために、図4の構造のアクチュエータについても同様に作製し、比較例とした。なお、圧電セラミック素子、磁石、被駆動部材のいずれについても、上記の実施例と同じ形状および特性を有するものを使用した。固定部材66としては、磁石に吸着可能なSUS430製の平板(40mm×40mm×5.0mm)を用いた。なお、比較例のアクチュエータ76の駆動方法については、段落〔0008〕にて記述したため割愛する。
本発明の実施例および比較例のアクチュエータを作製し、XおよびY方向に駆動した場合の移動経路を測定した。移動経路の測定は、三脚で固定したデジタルカメラを用いて0.5秒おきに移動の様子を撮影し、撮影した写真から各時間における移動体の中心位置を読み取ることで行った。なお、駆動には、実施例および比較例のいずれにおいても、印加電圧8Vp−p、駆動周波数30kHzのノコギリ波を使用した。
図2は、本発明の実施例および比較例のアクチュエータについて、XおよびY方向に駆動した場合の移動経路を評価した結果を示す。図2(a)は実施例の結果、図2(b)は比較例の結果である。
図2(a)に示すとおり、本発明の実施例においては、移動体43のX方向への移動はX軸に沿っており、Y方向への移動もY軸に沿っていた。一方、図2(b)に示すとおり、比較例においては、移動体73のX方向への移動はX軸から3°傾いており、Y方向への移動もY軸から3°傾いていた。すなわち、本発明の実施例は比較例に対して、X軸とY軸それぞれの真直性が向上している。また、X軸とY軸の直交性についても、比較例の96°に対して、本発明の実施例においては90°であり、大幅に向上している。
図3は、本発明の実施例のアクチュエータについて、X方向に駆動した場合の磁石と固定部材の位置関係を示す。図3(a)は磁石31の軌跡31a、図3(b)は最も安定な位置、図3(c)は図3(b)以外の代表的な位置である。
図3(a)に示すとおり、磁石31は固定部材36が形成する周期構造に沿って移動していた。この理由を以下に説明する。図3(b)に示すとおり、磁石31は、固定部材36の構成要素である4つのSUS430の固定部材36の小片に対して均等に接触するときに磁力が最大となるため、最も安定である。この位置は、磁石31がX−Y方向のいずれかに移動しようとした場合に、どちらの駆動方向に対しても(磁石31との接触部において)同一の周期構造となっている。一方、図3(c)に示す位置では、磁石31は2つのSUS430小片と接触している。これらの2つの接触部分は同じ面積であり、X軸に対しては平行に、Y軸に対しては垂直に配置されている。すなわち、この位置から、磁石31がX方向に移動する場合には、SUS小片との接触面積は、2つの接触部分同士で変わらないが、Y方向に移動する場合には、進行方向前方の接触部では大きく、進行方向後方の接触部では小さくなる。2つの接触部分の面積に差が生じると、磁石31と固定部材36の間には復元力が働くため、図3(c)に示す位置において、X方向への移動は可能だが、Y方向への移動は、磁力による復元力のため困難である。すなわち、圧電セラミック素子12,13の振動が拘束されることで移動体43の進行方向(X方向)に傾きが発生しても、X軸に沿った駆動が可能になる。なお、図3(b)の位置からは、X−Yのいずれの方向にも移動できるが、移動体43をX軸方向に駆動させているときのY方向への傾きはわずかであるため、すぐに図3(c)に示される位置と類似した(X方向への移動に対しては線対称であるが、Y方向への移動に対しては線対称ではなくなる)位置関係となり、X軸に沿って駆動する。
Y方向への移動については、X方向への移動と比較して移動方向が90度異なるだけで、動作上の原理は同一であるため、割愛する。X−Y2軸の移動をあわせると、移動体43は、図3(b)に代表されるような、磁石31が、固定部材36の構成要素である4つのSUS430の固定部材36の小片に均一に接触している位置を基点としてX−Y方向へ移動する、すなわち、X−Y移動平面において、固定部材36が形成する周期構造の間隔に従って位置決めを行うことができる、といえる。
以上、説明したように、本発明によれば、固定部材の磁石との摺動面に周期構造を形成し、その周期構造を直交する2軸に対して同一となるようにすることで、磁石と固定部材との間に働く吸引力に、X−Yの2軸に沿った規則性を持たせることができるため、この規則性に従って移動する本発明のアクチュエータは、真直性と直交性に優れたX−Y2軸駆動が可能となる。
以上述べたことから、本発明では、比較例に対してはX、Y軸の真直性と直交性が良好であり、簡単な構造で装置の低背化と移動ストロークの拡大が可能な自走式アクチュエータまたは該アクチュエータを用いた位置決め装置を得ることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態や実施例に限定されるものではないことは言うまでもなく、固定部材の材質、形状、寸法などは他の部分の形状や重量に応じて変更することができる。例えば、固定部材における周期構造については、上記の実施例のように非磁性材料に貼付けて凸部とするのではなく、埋め込みやインサート成型によって、基底部材と同一平面となるように形成することも可能であり、上記の比較例に示すような固定部材の上面に、ダイシング等によって溝を切ることで形成することもできる。また、アクチュエータや該アクチュエータを用いた位置決め装置の用途に応じて、圧電素子や磁石の構造や形状、材質、被駆動部材の材料、形状、寸法などを選択、設計することができる。
以上、実施例を用いて、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
上記した実施の形態では、本発明の各アクチュエータはX−Yテーブルなどの平面上の位置決め装置に適用可能である旨説明したが、本発明は、何等、これに限定されることなく、位置決めを行う必要があるすべての構造に適用することができる。
11,12,13,14 圧電セラミック素子
31,32 磁石
31a 磁石31の軌跡
35 被駆動部材
36 固定部材
37 基底部材
41,42 駆動体
43 移動体
46 アクチュエータ
51,52,53,54 圧電セラミック素子
61,62 磁石
65 被駆動部材
66 固定部材
71,72 駆動体
73 移動体
76 アクチュエータ

Claims (2)

  1. 少なくとも2つの電気機械変換素子の、各々の変位方向の一端が磁石に固定されてなる駆動体と、該電気機械変換素子の変位方向の他端が固定されている被駆動部材と、該磁石に対して磁力によって吸着可能な固定部材とから構成され、前記電気機械変換素子の伸びと縮みの速度を異ならせて振動させることにより、前記被駆動部材と前記駆動体からなる移動体が前記固定部材に対して移動するアクチュエータであって、
    前記固定部材が、前記磁石との摺動面において、直交する2軸に対して同一の周期構造を有していることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 請求項1に記載のアクチュエータを有することを特徴とする位置決め装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102541075A (zh) * 2011-12-29 2012-07-04 大连理工大学 具有多稳定构型的可展开机构

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CN102541075A (zh) * 2011-12-29 2012-07-04 大连理工大学 具有多稳定构型的可展开机构
CN102541075B (zh) * 2011-12-29 2015-06-17 大连理工大学 具有多稳定构型的可展开机构

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