JP2010234656A - 遮光性を有したポリプロピレン系およびポリオレフィン系多層シュリンクフィルム - Google Patents

遮光性を有したポリプロピレン系およびポリオレフィン系多層シュリンクフィルム Download PDF

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Tamio Moriyama
民男 森山
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久志 小城
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Abstract

【課題】熱収縮特性に優れ、オーバーラップ形式の高速自動ピロー包装機およびL型半折自動包装機に好適な溶断シール性を有し、かつ遮光率が50%以上を有するポリプロピレン系シュリンクフィルムまたはポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを提供する。
【解決手段】(1)ポリプロピレン系樹脂に酸化チタンやカーボンブラックの遮光材を0.5〜30%重量混合したものを、溶融して共押出によりシート状に加工したフィルムを縦横それぞれ3倍以上に延伸した、ポリプロピレン系のシュリンクフィルムである。(2)ポリプロピレン系又はポリオレフィン系樹脂からなる表面層と、酸化チタン又は酸化チタンとカーボンブラックの混合物を含んだ内部層を少なくとも1μm以上積層し、縦横それぞれ3倍以上に延伸した、少なくとも2層以上からなるポリオレフィン系多層シュリンクフィルムである。
【選択図】なし

Description

本発明は遮光率30%以上を有した熱収縮包装(以下シュリンク)用フィルムに関する。より詳しくは、酸化チタン1.0重量%以上若しくは酸化チタン1.0重量%以上とカーボンブラック1.0重量%以下を含むポリプロピレンを主成分とした2軸延伸フィルム乃至酸化チタン1.0重量%以上および酸化チタン1.0重量%以上とカーボンブラック1.0重量%以下を含むポリプロピレンを主成分とした遮光層が1μm以上ある、少なくとも2層以上の多層ポリオレフィン系2軸延伸フィルムである。
従来、食品の劣化等を防ぐために遮光性を有する包装材が必要とされている。厚みが10〜30μm程度の熱収縮性包装材料として、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリエチレン系フィルム、架橋ポリオレフィン系フィルム等が知られているが、遮光性を有するものはなく、被包装物の、特に発酵製品等の鮮度保持や紫外線等による変色に乏しい等の欠点を有している。このような問題を解決すべく、ポリプロピレン系や多層ポリオレフィン系シュリンクフィルム等に印刷を施して遮光性が保持されている(特許文献1、特許文献2)。また、アルミ等の薄膜フィルムを積層することにより遮光性を付与する方法や、アルミ粉末により遮光性を付与する報告がある(特許文献3)。しかし、アルミ薄膜等を用いるとリサイクルがしにくくなり、前面印刷等では、臭気等の問題から食品包装用に向かない場合があった。
ポリオレフィン系シュリンクフィルムは、収縮性と耐熱性に優れているため、 美麗な収縮包装仕上がりが得られると共に、耐衝撃性、耐引裂性も比較的高いという特徴を有している。しかしながら、遮光性を有した顔料、カーボンブラックなどの添加剤を混合して製膜すると、延伸性が不安定でフィルムが得られにくい問題点があった。その為例えば(特許文献4)に記載されるような延伸フィルムに酸化チタン及び酸化チタンとカーボンブラックを添加した遮光性フィルムはなかった。
本出願人は、先に、かかる欠点を有しない、製膜が容易でかつ延伸性が安定し、なおかつ遮光性を有したポリプロピレン系シュリンクフィルムを提案した。従来の熱収縮性包装材料の特長である収縮性、耐熱性、美麗な収縮包装仕上がり、耐衝撃性、耐引裂性が共に優れ、かつ遮光性を両立したポリプロピレン系シュリンクフィルムである。一方、該シュリンクフィルムでは、高速自動ピロー包装機における高速包装機適性において、充分な凝集力が得られず、シール部でのピンホールおよびシール開きが発生し、包装体の見栄えが悪くなるという問題があったため、多層化することにより、問題を解決した。
特開平11-091042号公報 特開2003-200966号公報 特開平07-241953号公報 特開平08-059855号公報
本発明は、上記状況を鑑みてなされたもので、30%以上の光遮断率を有した遮光性シュリンクフィルムであり、収縮性と耐熱性が共に優れ、収縮包装仕上がり性を保持しつつ、遮光性を有したポリプロピレン系フィルムを提供する。または、オーバーラップ形式の高速自動ピロー包装における溶断シール部ピンホール発生およびシール開きにより、包装美観を損なわないポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、前記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、酸化チタンを含む遮光性を有したマスターバッチを混合したポリプロピレン系樹脂を使用することおよび内部層に酸化チタンおよび酸化チタン+カーボンブラック添加のポリプロピレン層を積層する事で、課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。(1)MFR1.0〜30.0g/10分のポリプロピレン系樹脂に酸化チタン(A)やカーボンブラック(B)の遮光材を混合したものを、溶融して共押出によりシート状に加工したフィルムを縦横それぞれ3倍以上に延伸した、ポリプロピレン系のシュリンクフィルム、(2)MFR1.0〜30.0g/10分であるポリプロピレン系およびポリオレフィン系樹脂からなる両表面層(X)と、MFR1.0〜30g/10分である酸化チタン(A)および酸化チタン+カーボンブラック(B)を含んだ内部層(Y)(以下A〜B遮光層と記す)を少なくとも1μm以上積層し、縦横それぞれ3倍以上に延伸した、少なくとも2層以上からなるポリオレフィン系多層シュリンクフィルム、(3)前記延伸において、縦と横の延伸倍率の値の差が0.5以下で、縦横の延伸倍率が3.5倍以上である上記(1)乃至(3)のいずれか一に記載のポリオレフィン系多層シュリンクフィルムを提供するものである。
すなわち本発明は、
(1)酸化チタン1.0重量%以上を含む層、又は酸化チタン1.0重量%以上とカーボンブラック1.0重量%以下を混合した層を含み遮光率が50%以上であるポリプロピレン系シュリンクフィルム、
(2)酸化チタン1.0重量%以上を含む層、又は酸化チタン1.0重量%以上とカーボンブラック1.0重量%以下を混合した層を含み遮光率が50%以上であるポリオレフィン系多層シュリンクフィルム、
(3)メルトフローレート(以下MFRと記す。測定温度230℃、荷重2.16kgf)が1.0〜30.0g/10分であるポリプロピレン系樹脂を共押出にて成形したフィルムを少なくとも、縦、横それぞれ3倍以上に延伸して得られた(1)又は(2)記載のシュリンクフィルム、
(4)前記延伸において、縦と横の延伸倍率の値の差が0.5以下で、縦横の延伸倍率が3.5倍以上である(1)から(3)のいずれか1項記載のシュリンクフィルム、
(5)酸化チタンまたは酸化チタンにカーボンブラックを含むことにより、白色または灰白色を呈して着色された(1)又は(2)記載のシュリンクフィルムを提供するものである。
以下本発明を具体的に説明する。
本発明において、ポリプロピレン系シュリンクフィルムの遮光性マスターバッチを含まないベースレジンおよびポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの内部層(Y)に用いられるポリプロピレン系樹脂(D)は、示差走査熱量計(以下DSCと記す)によって測定される融解ピーク温度が135〜165℃、MFRが1.0〜10.0g/10分の範囲のもので、ポリプロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレフィンの共重合体、例えばプロピレン−エチレン、プロピレン−ブテン共重合体等、及びプロピレン−エチレン−ブテン3元共重合体の中から選ばれる少なくとも1種以上からなり、 主に耐熱性、腰強度を付与する作用を成す。これらの内、耐熱性、腰強度と熱収縮特性のバランスを考慮して、結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられる。
ポリプロピレン系樹脂(D)の融解ピーク温度が135℃未満では耐熱性が低いため好ましくなく、165℃を超えると低温収縮性が低下するため好ましくない。また、MFRが1.0g/10分未満では、溶融押出時のモーター負荷が高くなる等の問題点があり、10.0g/10分を超えると溶断シール性が低下するため好ましくない。
ポリプロピレン系シュリンクフィルムの厚みは10μm以上が好ましく、10μm未満では、溶断シール性、耐熱性、腰強度が低下する恐れがある。また、ポリオレフィン系多層ポリオレフィン系シュリンクフィルムでは内部層(Y)の厚みは、各々1μm以上が好ましく、1μm未満では、50%以上の光遮断率が得られない。
本発明において、ポリオレフィン系多層ポリオレフィン系シュリンクフィルムでは、内部層は必ずしも1層である必要はなく、必要に応じて2層以上にすることができ、全体として5層以上の層構成を採用することができる。例えばX/X/Y/X/X、X/Y/Y/Y/X、X/X/X/Y/X、X/Y/X/X/X、等の5層構成等の層構成が挙げられるがフィルムカールを防止する観点からは対称構成であることが好ましい。
ポリプロピレン系シュリンクフィルムおよびポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの両表面層(X)および内部層(Y)には、希望により、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、酸化防止剤等の添加剤がそれぞれの有効な作用を具備させる目的で適宜使用することができる。
ポリプロピレン系シュリンクフィルムのポリプロピレン系樹脂の他に、メタロセン系ポリプロピレンを使用することができる。また、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの両表面層(X)には、ポリプロピレン系樹脂の他に、メタロセン系ポリプロピレン、ポリエチレン系樹脂を使用することができ、内部層(Y)にはポリプロピレン系樹脂の他に、メタロセン系ポリプロピレンを使用することができ、スクラップの再利用として用いることもできる。
遮光性を有した添加剤には酸化チタン、カーボンブラック、酸化チタン+カーボンブラック、酸化チタン+炭酸カルシウムを使用することができるが、酸化チタン単体、又は、酸化チタンとカーボンブラックを併用することが好ましい。カーボンブラック単体では延伸性が安定せず好ましくない。酸化チタン+炭酸カルシウムは延伸性低下、腰強度、耐衝撃性、耐引裂性が低下するため好ましくない。また、添加量は酸化チタン単体の場合は、1.0重量%以上含有させることが好ましい。さらに好ましくは1.0〜80重量%含有させる。1.0重量%以下では目的とする遮光率50%以上が得られず好ましくない。また、酸化チタンとカーボンブラック併用の場合は、酸化チタン1.0重量%以上にカーボンブラック1.0重量%以上添加してしまうと延伸性が悪くなり好ましくない。また、多層の場合は、表層、内部層のどちらにも遮光性添加剤は添加可能であるが、内部層に遮光性添加剤を添加することが好ましい。
一般的にポリプロピレン系シュリンクフィルムは、Tダイや円筒形リングダイ等の共押出にて製膜したシートを、例えば、チューブラー法、テンター法等の公知の方法により縦、横 延伸して製造することができる。延伸方法についてはテンター法による同時2軸延伸または逐次2軸延伸そしてチューブラー法による同時2軸延伸がある。本発明については単層または3層積層環状製膜機、チューブラーによる同時2軸延伸の場合を例に挙げて、具体的に説明する。
次に、本発明のフィルムの製造方法を示す。前記の樹脂を用いて本発明の延伸フィルムを製造する方法は、公知の方法で行うことができる。以下、単層または3層積層環状製膜、チューブラー法同時2軸延伸の場合を例に挙げ、具体的に説明する。
(1)単層の場合
まず、ポリプロピレン系樹脂にポリプロピレン系樹脂をベースレジンとした酸化チタンまたはカーボンブラックを含む酸化チタンのマスターバッチを1.0〜30重量%の割合でドライブレンドした樹脂組成物を単層の押出機により溶融混練し、環状に押出し、延伸することなく一旦急冷固化してチューブ状未延伸フィルムを作製する。得られたチューブ状未延伸フィルムを、チューブラー延伸装置に供給し、高度の配向可能な温度範囲、例えば内部層樹脂の融点以下10℃よりも低い温度で、好ましくは融点以下15℃よりも低い温度でチューブ内部にガス圧を適用して膨張延伸により同時2軸配向を起こさせる。延伸倍率は、優れた強度、収縮率等の物性を得るためには縦横何れの方向にも3倍以上に延伸するのが好ましい。延伸装置から取り出したフィルムは、希望によりアニーリングすることができ、このアニーリングにより保存中の自然収縮を抑制することができる。
(2)多層の場合
まず、ポリプロピレン系樹脂にポリプロピレン系樹脂をベースレジンとした酸化チタンまたはカーボンブラックを含む酸化チタンのマスターバッチを1.0〜30重量%の割合でドライブレンドした樹脂組成物を内部層、ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレン等を主体とする樹脂組成物を両表面層にそれぞれ仕込み、3台の押出機により溶融混練し、3層環状ダイより環状に共押出し、延伸することなく一旦急冷固化してチューブ状未延伸フィルムを作製する。得られたチューブ状未延伸フィルムを、チューブラー延伸装置に供給し、高度の配向可能な温度範囲、例えば内部層樹脂の融点以下10℃よりも低い温度で、好ましくは融点以下15℃よりも低い温度でチューブ内部にガス圧を適用して膨張延伸により同時2軸配向を起こさせる。延伸倍率は、優れた強度、収縮率等の物性を得るためには縦横何れの方向にも3倍以上に延伸するのが好ましい。延伸装置から取り出したフィルムは、希望によりアニーリングすることができ、このアニーリングにより保存中の自然収縮を抑制することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、メルトフローレート(MFR)の測定は、JIS
K 7210−1976のA法操作(手動切取り法)の条件(試験温度230℃、試験荷重2.16kgf、ポリプロピレン用)に従った。測定試料は、常温にて管理した。また、融点は示差走査熱量計(DSC)装置(SII社製)を使用し、試料約10mg、昇温速度10℃/分、窒素中にて行い、ピーク温度を測定して決定した。
実施例及び比較例で用いた評価方法は、以下の通りである。
(1)原反成形性
以下の基準で評価した。
○:目ヤニの発生が無く、マンドレル抱きつき良好で成形性安定。
△:目ヤニの発生が無いがマンドレル抱きつき不良による成形性不安定。
×:目ヤニの発生があり、成形性不良。
(2)延伸性
以下の基準で評価した。
○:バブルの揺れもなく延伸安定。
△:バブルの揺れが大きく延伸不安定。
×:バブルがパンクし延伸不可。
本実施例の中で示した各物性測定は以下の方法によった。
(3)厚み:JIS Z 1709に準じて測定した。
(4)遮光率:ヘイズ(曇り度)をJIS K 7105に準じて測定し、ヘーズメーターより得られる透過率から以下の通り算出した(数1)の光遮断率を遮光率とした。
(5) 引裂強度:軽荷重引裂試験機を用い、JIS
Z 1707に準じて測定した。
(6)衝撃強度:フィルムインパクトテスターを用い、JIS P 8134に準じて測定した。
(7)熱収縮率:縦横それぞれ100mmの正方形に切り取ったフィルムを100℃に温調したグリセリン浴中に10秒間浸漬した後、水中で急冷し、縦横それぞれの長さを測定し(原寸をA,収縮後寸法をBとした)、以下の(数2)によりMD、TDの熱収縮率を算出した。
(数1)
遮光率(%)=光遮断率(%)=100−透過率(%)
(数2)
熱収縮率(%)=(A−B)/A×100(%)
(但し、Aは正確に計りとった原寸A、Bは急冷後の縦、または横の長さ(mm)を示す。)
(8)高速自動包装機適性:トキワ工業(株)製自動包装機(型式:NEO型、ピロー包装機)にて、市販の900ml酒パックを121個/分 (35m/分)のスピードで包装し、熱風式収縮トンネル(協和電機製 形式:L型)内を150℃×3.5秒の速度で20個通過させた時の、良品率(%)をカウントし、以下の基準で評価した。
<評価基準>
○:90%以上
△:50〜90%未満
×:50%未満
(9)収縮包装仕上がり性、耐熱性:トキワ工業(株)製自動包装機(型式:NEO型、ピロー包装機)にて、市販の900ml酒パック121個/分(35m/分)のスピードで包装し、フィルムヤケド2〜20℃手前の温度に設定した収縮トンネル内を3秒間滞留させ、トンネル通過後の包装サンプルの中から無作為に5つを選び、収縮包装仕上がり性を下記の基準で評価した。
<評価基準>
○:包装サンプルの平均角高さが10mm以下となるトンネル温度範囲が10℃を超える。
△:包装サンプルの平均角高さが7mm以下となるトンネル温度範囲が4〜10℃。
×:包装サンプルの平均角高さが7mm以下となるトンネル温度範囲が4℃未満。
(注:角高さとは、適度に余裕率を持たせた包装予備体を収縮トンネルで熱収縮させた後、包装体の側面にできる角状突起物の突起高さを意味する。)
実施例1
表1に示すように、DSC融解ピーク温度が145℃、MFRが2.3g/10分、エチレンコンテント4.0%の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体(プライムポリマー社製)を両表面層(X)とし、MFRが4.0g/10分の特性を有する酸化チタン濃度50wt%の遮光性マスターバッチ(DIC社製)を内部層(Y)として、3台の押出機でそれぞれ170〜230℃にて溶融混練し、厚み比がX/Y/X=5.5/4.0/5.5になるように各押出機の押出量を設定し、230℃に保った3層環状ダイスにより下向きに共押出した。形成された3層構成チューブを、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、直径117mm、厚さ240μmの未延伸フィルムを得た。
このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー2軸延伸装置に導き、90〜110℃で縦横それぞれ4倍に延伸し、積層2軸延伸フィルムを得た。その後、室温に冷却し、フィルム両端をトリミングして、2枚別々に巻き取った。最終のフィルム厚みは15μmであった。延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。得られた延伸フィルムは、表1に示すように、遮光率は65%以上を有し、引裂強度、衝撃強度の低下は認められず、120℃熱収縮率も優れていた。高速自動ピロー包装機での包装評価では、高速包装時において、収縮包装後の良品率が95%以上と優れ、収縮包装仕上がり性についても、熱収縮特性が優れているために美麗な仕上がりが得られ、良好なものであった。
実施例2
実施例1において、内部層(Y)をMFRが10.0g/10分の特性を有する酸化チタン濃度70wt%の遮光性マスターバッチ(DIC社製)にかえて、厚み比がX/Y/X=6.0/3.0/6.0になるように各押出機の押出量を設定し、実施例1と同様の方法で3層2軸延伸フィルムを得た。最終のフィルム厚みは15μmであった。
延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。
得られた延伸フィルムは、実施例1同様に、遮光率は60%以上を有し、引裂強度、衝撃強度の低下も認められず、120℃熱収縮率も優れていた。高速自動ピロー包装機での包装評価では、高速包装時において、収縮包装後の良品率が95%以上と優れ、収縮包装仕上がり性についても、熱収縮特性が優れているために美麗な仕上がりが得られ、良好なものであった。
実施例3
実施例1において、内部層(Y)をMFRが11.0g/10分の特性を有する酸化チタン濃度70wt%に0.04wt%のカーボンブラックが配合された遮光性マスターバッチ(東洋インキ社製)にかえて、厚み比がX/Y/X=6.5/2.0/6.5になるように各押出機の押出量を設定し、実施例1と同様の方法で3層2軸延伸フィルムを得た。最終のフィルム厚みは15μmであった。
延伸性は実施例1に比べて不安定で、ネッキングが認められた。延伸点の上下動や延伸チューブの揺動は観察されなかった。またトリミング時の持続性が悪く、連続取得量が実施例1および実施例2よりも劣った。
得られた延伸フィルムは、実施例1,2よりも高い遮光性(遮光率75%)を有し、その他の物性は同等であった。高速包装での包装適性も実施例1,2と同等で、良好なものであった。
実施例4
表1に示すように、DSCの融解ピークが145℃、MFRが2.3g/10分、エチレンコンテント4.0%の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体(プライムポリマー社製)に、10.0g/10分の特性を有する酸化チタン濃度70wt%の遮光性マスターバッチ(DIC社製)をドライブレンドして、酸化チタン5%含有のレジンとした。そのレジンを単層押出機で170〜230℃にて溶融混練し、押出機の押出量を設定し、230℃に保った環状ダイスにより下向きに共押出した。形成されたチューブを、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、直径117mm、厚さ240μmの未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、90〜110℃で縦横それぞれ4倍に延伸し、単層の2軸延伸フィルムを得た。その後、室温に冷却し、フィルム両端をトリミングして、2枚別々に巻き取った。最終のフィルム厚みは15μmであった。
延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。
得られた延伸フィルムは、遮光率が31%、引裂強度、衝撃強度はやや低下した傾向。120℃熱収縮率も大差ない程度。高速自動ピロー包装機での包装評価では、高速包装での包装適性は、収縮包装後の良品率が70%以下で実用レベルには到らず劣った。収縮包装仕上がり性については、美麗な仕上がりが得られ、良好なものであった。
実施例5
実施例4においてMFRが2.3g/10分、エチレンコンテント4.0%の特性を有す プロピレン−エチレンランダム共重合体(プライムポリマー社製)に、酸化チタンを混練して得られたレジン(東京インキ社製)を使い、実施例4と同様の方法で単層2軸延伸フィルムを得た。酸化チタンの含有量は24%であった。最終のフィルム厚みは20μmであった。延伸性は、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動が若干あり、やや不安定であったが、ネッキングなどの不均一延伸状態は観察されなかった。得られた延伸フィルムは、実施例4と比較して、遮光率は75%と高く、引裂強度、衝撃強度の低下もなく、120℃熱収縮率は優れた。高速自動ピロー包装機での包装評価では、高速包装時において、収縮包装後の良品率が50%以下で実用レベルには到らず実施例4よりもさらに劣った。収縮包装仕上がり性については、美麗な仕上がりが得られ、良好なものであった。
比較例1
表2に示すとおり、実施例1において、内部層(Y)をMFRが40.0g/10分の特性を有する酸化チタン濃度60重量%の遮光性マスターバッチ(大日精化社製)にかえて、厚み比がX/Y/X=6.0/3.0/6.0になるように各押出機の押出量を設定し、実施例1と同様の方法で3層2軸延伸フィルムを得た。次に、室温に冷却し、フィルム両端をトリミングして、2枚別々に巻き取った。最終のフィルム厚みは15μmであった。
延伸性は、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動が大きく不安定であった。またネッキングなどの不均一延伸状態は観察されなかった。
得られた延伸フィルムは、遮光率75%以上、引裂強度、衝撃強度の低下はなく、120℃熱収縮率も同等。高速自動ピロー包装機での包装評価では、高速包装時において、収縮包装後の良品率は50%以下で実用レベルではなかった。収縮包装仕上がり性は、熱収縮特性が優れているために美麗な仕上がりが得られ、良好なものであった。
比較例2
表2に示すように、実施例4において、MFRが40.0g/10分の特性を有した酸化チタンを混練して得られたレジン(大日精化社製)を使い、実施例4と同様の方法で単層2軸延伸 フィルムを得た。最終のフィルム厚みは15μmであった。
延伸性は、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動があり、不安定であった。またネッキングなどの不均一延伸状態は観察されなかった。
得られた延伸フィルムは、比較例1,実施例1〜5に対して、遮光率は70%以上であったが、引裂強度、衝撃強度はやや低下した。120℃熱収縮率の低下はなし。高速自動ピロー包装機での包装評価では、高速包装時において、収縮包装後の良品率は50%以下で実用レベルではない。収縮包装仕上がり性については、美麗な仕上がりが得られ、良好なものであった。
比較例3
表2に示すように、DSCピークが145℃、MFRが2.3g/10分、エチレンコンテント4.0%の特性を有するプロピレン−エチレンランダム共重合体(プライムポリマー社製)を単層押出機で170〜230℃にて溶融混練し、押出機の押出量を設定し、230℃に保った環状ダイスにより下向きに共押出した。形成されたチューブを、内側は冷却水が循環している円筒状 冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、直径117mm、厚さ240μmの未延伸フィルムを得た。このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー2軸延伸装置に導き、90〜110℃で縦横それぞれ4倍に延伸し、積層2軸延伸フィルムを得た。その後、室温に冷却し、フィルム両端をトリミングして、2枚別々に巻き取った。最終のフィルム厚みは15μmであった。
延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されなかった。
得られた延伸フィルムは、遮光性を有する酸化チタンおよび酸化チタンとカーボンブラックが無添加のため、遮光率9%と得られない。その他の性能は実施例1〜5,比較例1〜2の基準値となる。高速自動ピロー包装機での包装評価では、高速包装時において、収縮包装後の良品率が95%以上。収縮包装仕上がり性については実施例1〜5,比較例1〜2の基準とした。
Figure 2010234656
Figure 2010234656
本発明のポリプロピレン系およびポリオレフィン系多層シュリンクフィルムは、 遮光率50%以上を有し、従来の収縮特性を保持しつつ、衝撃強度、引裂強度の低下がない、熱収縮包装(シュリンク)用フィルムであり、オーバーラップ形式の高速自動ピロー包装機およびL型半折自動包装機に適した溶断シール性を有し高速包装機適性と収縮包装仕上がり性に優れていることから、各種収縮包装に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 酸化チタン1.0重量%以上を含む層、又は酸化チタン1.0重量%以上とカーボンブラック1.0重量%以下を混合した層を含み遮光率が50%以上であるポリプロピレン系シュリンクフィルム。
  2. 酸化チタン1.0重量%以上を含む層、又は酸化チタン1.0重量%以上とカーボンブラック1.0重量%以下を混合した層を含み遮光率が50%以上であるポリオレフィン系多層シュリンクフィルム。
  3. メルトフローレート(以下MFRと記す。測定温度230℃、荷重2.16kgf)が1.0〜30.0g/10分であるポリプロピレン系樹脂を共押出にて成形したフィルムを少なくとも、縦、横それぞれ3倍以上に延伸して得られた請求項1又は請求項2記載のシュリンクフィルム。
  4. 前記延伸において、縦と横の延伸倍率の値の差が0.5以下で、縦横の延伸倍率が3.5倍以上である請求項1から請求項3のいずれか1項記載のシュリンクフィルム。
  5. 酸化チタンまたは酸化チタンにカーボンブラックを含むことにより、白色または灰白色を呈して着色された請求項1又は請求項2記載のシュリンクフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015119013A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 日亜化学工業株式会社 発光装置

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