JP2010232094A - 単室型固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

単室型固体酸化物形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】迅速な起動を容易に行うことができる単室型固体酸化物形燃料電池を提供する。
【解決手段】多孔質の電解質2と、電解質2の一方面に配置された多孔質の燃料極3と、電解質2の他方面に配置された多孔質の空気極4とを備え、電解質2の内部に燃焼触媒5が含有されている単室型固体酸化物形燃料電池1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスの混合ガスにより発電する単室型固体酸化物形燃料電池に関する。
従来の固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、電解質を介して燃料極及び空気極を配置した構造であり、電解質が隔壁になり、一方の電極室に燃料ガス、他方の電極室に酸化剤ガスを供給する二室型方式を用いていた。しかしながら、このような従来の二室型方式では、燃料ガス及び酸化剤ガスを発電部に別々に供給する必要があるためにセパレーターやガスシール材を必要とし、システム構成が複雑となる等の問題があった。
この問題を解決するため、燃料ガス及び酸化剤ガスを混合して、供給することでセパレーターやガスシール材を必要とせず、ガス供給ラインの簡略化が出来、簡単なシステム構造になる単室型方式が提案されている。この単室型方式で採用される燃料電池としては、燃料極と空気極の二つの電極が、燃料ガスと酸化剤ガスとの混合ガスにさらされながらも、ガス選択性を持ち、それらの間に電圧が発生する特徴があり、電池構造としては、電解質の基板の一方面に燃料極、他方面に空気極を配置した構造(特許文献1)が知られている。
特開2000−243412号公報
ところで、上述のような固体酸化物形燃料電池では、低温の状態で作動させるのが困難であり、これを起動させるためには、600〜1000℃の高温にする必要があるが、急激に上記温度まで昇温させると、固体酸化物燃料電池に割れやクラックが発生してしまうため、起動までの時間が長くなることがあった。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであって、迅速な起動を容易に行うことができる単室型固体酸化物形燃料電池の提供を目的とする。
本発明に係る単室型固体酸化物形燃料電池は、上記問題を解決するためになされたものであり、多孔質の電解質と、前記電解質の一方面に配置された多孔質の燃料極と、前記電解質の他方面に配置された多孔質の空気極とを備え、前記電解質の内部に燃焼触媒が含有されている。
上記構成によれば、炭化水素系の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスとの混合ガスを単室型固体酸化物形燃料電池に供給することにより、当該燃料電池が混合ガスと反応して発電する。このとき、電解質に燃焼触媒が含有されているので、混合ガスが燃焼触媒と反応することにより燃焼し、燃焼熱により電解質が加熱される。これにより、電解質が短時間で高温になるので、単室型固体酸化物形燃料電池が短時間で加熱され、迅速な起動を容易に行うことができる。
また、上記単室型固体酸化物形燃料電池において、前記電解質が、前記燃料極の近傍に配置された燃料極近傍部と、前記空気極の近傍に配置された空気極近傍部と、前記燃料極近傍部と前記空気極近傍部との間に配置された中央部とを備えることができる。また、前記中央部における前記燃焼触媒の含有率が、前記燃料極近傍部及び前記空気極近傍部それぞれにおける前記燃焼触媒の含有率より大きくてもよい。
通常、電解質に含まれる上記燃焼触媒の材料としては、白金、パラジウムなどの金属材料が用いられる。そのため、金属材料を含有する電解質を介した燃料極と空気極との短絡を防ぐ観点から、電解質中の燃焼触媒の量を調整することが好ましい。そこで、上記のように、燃料極近傍部及び空気極近傍部における燃焼触媒の含有率を中央部における含有率より小さくすることで、燃料極近傍部及び空気極近傍部における電子伝導を抑制し、短絡を防ぐことができる。
或いは、上記単室型固体酸化物形燃料電池において、前記電解質が、前記燃料極の近傍に配置された燃料極近傍部と、前記空気極の近傍に配置された空気極近傍部とを備えており、前記燃料極近傍部における前記燃焼触媒の含有率が、前記空気極近傍部における前記燃焼触媒の含有率より大きい構成であってもよい。このような構成によれば、燃料極近傍部に燃焼触媒が多く分布するので、燃料ガスと燃焼触媒との反応により発生する水素や一酸化炭素といった還元剤ガスを燃料極に多く送ることができる。これにより、燃料極での反応を促進することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
また、上記単室型固体酸化物形燃料電池に対して、燃料ガスを燃料極側から供給し、一方、酸化剤ガスを空気極側から供給し、電解質中で燃料ガスと酸化剤ガスを混合させ、電解質中の燃焼触媒で混合ガスが反応することで上記単室型固体酸化物形燃料電池を急速に加熱することができる。このような構成によれば、燃料ガス及び酸化剤ガスをそれぞれ、高濃度の状態で燃料極及び空気極に供給することができるので、各電極における反応を促進させることができ、発電効率を向上させることができる。
また、本発明に用いる電解質は、多孔質体であるため、加熱による熱膨張が空隙部分で緩和されるため耐熱衝撃性を向上させることができる。従って、急速起動による固体酸化物形燃料電池の割れやクラックの発生を防止することが可能となる。
本発明の単室型固体酸化物形燃料電池によれば、迅速な起動を容易に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る単室型固体酸化物形燃料電池の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る単室型固体酸化物形燃料電池の断面図である。 本発明の更に他の実施形態に係る単室型固体酸化物形燃料電池の断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る単室型固体酸化物形燃料電池の断面図である。
この単室型固体酸化物形燃料電池1(以下、「燃料電池」という)は、図1に示すように、板状の電解質2と、電解質2の一方面に配置された燃料極3と、電解質2の他方面に配置された空気極4とを備えている。電解質2は、多孔質体から構成されており、内部に燃焼触媒5が含有されている。燃焼触媒5は、粉末の状態で含有されており、電解質2内にほぼ均一に分散されている。燃料極3は、多孔質体から構成されており、電解質2の上面(一方面)に配置されている。空気極4は、多孔質体から構成されており、電解質2の下面(他方面)に配置されている。多孔質の電解質2の気孔率は、耐熱性及び酸素イオン導電性の観点から、10〜80%が好ましく、20〜60%がより好ましい。燃焼触媒5の含有率は、効率良く燃焼させる観点から、5〜50%が好ましく、10〜40%がより好ましい。ここで、本明細書において燃焼触媒5の含有率とは、単位体積あたりの電解質2の重量に対し、当該電解質2に含まれる燃焼触媒5の重量の割合のことをいう。
次に、上述した燃料電池の材料について説明する。
まず、燃焼触媒5としては、一般的に燃焼触媒として使用できる公知の金属を用いることができ、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等が挙げられる。これらの金属は、2つ以上混合して使用してもよく、また、アルミナ、ジルコニアまたは後述する電解質材料に担持あるいは混合したものを用いることもできる。
電解質2、燃料極3及び空気極4は、セラミックス粉末材料により形成することができる。このとき用いられる粉末の平均粒径は、好ましくは10nm〜100μmであり、さらに好ましくは50nm〜50μmであり、特に好ましくは100nm〜10μmである。なお、平均粒径は、例えば、JISZ8901に従って計測することができる。
電解質6の材料としては、固体酸化物形燃料電池の電解質として公知のものを使用することができ、例えば、サマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、ストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物などの酸素イオン伝導性セラミックス材料を用いることができる。
燃料極3としては、例えば、金属触媒と酸化物イオン導電体からなるセラミックス粉末材料との混合物を用いることができる。このとき用いられる金属触媒としては、ニッケル、鉄、コバルトなどの材料を用いることができる。また、酸化物イオン導電体としては、例えばサマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物などを挙げることができる。また、ストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物を挙げることができる。上記材料の中では、酸化物イオン導電体とニッケルとの混合物で、燃料極3を形成することが好ましい。また、上述したセラミックス材料は、1種類を単独で、或いは2種類以上を混合して使用することができる。また、燃料極3は、金属触媒を単体で用いて構成することもできる。
空気極4を形成するセラミックス粉末材料としては、例えば、ペロブスカイト型構造等を有するCo,Fe,Ni,Cr又はMn等からなる金属酸化物を用いることができる。具体的には(Sm,Sr)CoO,(La,Sr)MnO,(La,Sr)CoO,(La,Sr)(Fe,Co)O,(La,Sr)(Fe,Co,Ni)Oなどの酸化物が挙げられ、好ましくは、(La,Sr)(Fe,Co)Oである。上述したセラミックス材料は、1種を単独で、或いは2種以上を混合して使用することができる。
次に、上述した燃料電池の製造方法の一例として、グリーンシートを用いた製造方法について説明する。
まず、電解質グリーンシートを作製する方法を説明する。電解質グリーンシートは、例えば、ドクターブレード法を用いて以下のように作製することができる。すなわち、上記の電解質材料と燃焼触媒5とを混合した粉末に、造孔剤を添加し、バインダー、分散剤および可塑剤を加え、エタノール、2−プロパノールといったアルコール系溶媒からなる分散媒体に分散されているスラリーを作製する。造孔剤の添加量は、電解質材料と燃焼触媒との総重量に対して、5〜20wt%が好ましい。添加されている造孔剤は、焼結の際に燃焼して気化するため、造孔剤が存在していた箇所には空孔が形成される。なお、造孔剤としては、カーボン系粉末や樹脂系粉末が挙げられるが、焼結の際に気化して空孔が形成可能な材料であれば、他の材料を用いるようにしてもよい。
また、上記スラリー組成物あるいは混練組成物を作製する際に用いられるバインダーの種類にも制限はなく、公知の有機質もしくは無機質のバインダーを使用することができる。有機質バインダーとしては、エチレン系共重合体、スチレン系共重合体、アクリレート系及びメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、マレイン酸系共重合体、ビニルアセタール系樹脂、ビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ビニルアルコール系樹脂、エチルセルロース等のセルロース類、ワックス類等が例示される。
次に、作製したスラリーを公知のドクターブレード法により成形してポリエチレンテレフタレートなどのフィルム上にスラリーの層を形成し、このスラリーの層より分散媒体を除去することで乾燥させ、グリーンシートが形成された状態とする。分散媒体としては、アルコール系溶媒に限らず、トルエン,キシレン,及びケトン系などの他の有機溶媒を用いてもよい。また、有機溶媒に限らず、上記混合粉末が、水に分散されたスラリーを用いるようにしてもよい。例えば、所定の分散剤を用いることで、上記混合粉末が水に分散された状態とすることができる。
次に、上述の方法で作製された燃焼触媒5を含有する電解質グリーンシートを焼結することにより、燃焼触媒5が含有された多孔質の電解質2を形成する。焼結温度は、1100℃〜1500℃が好ましい。
その後、形成された電解質に、スクリーン印刷法により燃料極3、空気極4を塗布する。こうして、燃料電池1が製造される。
次に、以上のような構成を備える燃料電池1により発電する方法について説明する。
まず、図示しない反応室内に配置された燃料電池1に、炭化水素系の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスとの混合ガスを供給する。これにより、供給された混合ガスと燃料電池1とが反応して発電する。このとき、燃料電池1の電解質2に燃焼触媒5が含有されているので、混合ガスが燃焼触媒5と反応することにより燃焼し、燃焼熱により電解質2が加熱される。これにより、電解質2が短時間で高温になるので、燃料電池1が短時間で加熱される。したがって、本実施形態に係る燃料電池1によれば、燃焼触媒5の燃焼により燃料電池1を迅速に高温にすることができるので、迅速な起動を容易に行うことができる。
また、燃料電池1に混合ガスを供給する際、電解質2の下面側から空気極4に向けて混合ガスを供給すると、次のような効果がある。すなわち、混合ガスをこのように供給すると、この混合ガスは、空気極4、電解質2及び燃料極3の順で通過してゆくが、混合ガスが電解質2を通過するときに、混合ガス内の燃焼ガスと燃焼触媒5とが反応して水素や一酸化炭素といった還元剤ガスが発生する。そして、発生した還元剤ガスが燃料極3に送られるので、燃料極3での反応を促進することができ、燃料電池1の発電効率を向上させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、燃焼触媒5は、電解質2内に均一に分布する構成であったが、電解質2に含有されていればその構成は特に限定されず、分布状態が必ずしも均一である必要はない。例えば、電解質2内において、部分的に燃焼触媒5の含有率を変えることができる。また、燃焼触媒5が含有されていない部分が電解質2内に存在してもよい。
図2は、本発明の他の実施形態に係る単室型固体酸化物形燃料電池の断面図である。図2において、図1と同様の構成部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図2に示すように、電解質2は、その厚さ方向に積層された3つの層から構成されている。すなわち、電解質2は、燃料極3の近傍に配置された燃料極近傍部22と、空気極4の近傍に配置された空気極近傍部23とを備えている。また、電解質2は、燃料極近傍部22と空気極近傍部23との間に配置された中央部21を備えている。中央部21における燃焼触媒5の含有率は、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23のそれぞれにおける燃焼触媒5の含有率より大きい。また、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23は、必ずしも燃焼触媒5が含有されていなくてもよい。
中央部21の厚みは、10〜1000μmが好ましく、50〜500μmがより好ましい。また、中央部21の気孔率は、耐熱性及び酸素イオン導電性の観点から、10〜80%が好ましく、20〜60%がより好ましい。また、中央部21における燃焼触媒5の含有率は、5〜50%が好ましく、10〜40%がより好ましい。
また、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23の厚みは、1〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。燃料極近傍部22及び空気極近傍部23の気孔率は、耐熱性及び酸素イオン導電性の観点から、10〜80%が好ましく、20〜60%がより好ましい。また、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23における燃焼触媒5の含有率は、0〜50%が好ましく、0〜10%がより好ましい。特に、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23における燃焼触媒5の含有率を0%にすることで、燃料極3と空気極4とが燃焼触媒5による短絡を防止することができる。これにより、中央部21における燃焼触媒5の含有率をさらに増加させることが可能である。
また、中央部21における燃焼触媒5の含有率は、燃料極近傍部22における燃焼触媒5の含有率より10%以上高いことが好ましい。
上述の燃料電池1を製造する場合は、電解質2を作製するときに、燃焼触媒5の含有率が異なる電解質グリーンシートを積層し、焼結する。これにより、中央部21、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23の3層からなる電解質2を作製することができる。
また、本実施形態では、中央部21、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23は境界線を有するように3層で形成されていたが、境界線は必ずしも必要ではなく、中央部21、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23が一体的に形成されていてもよい。すなわち、電解質2の厚み方向に沿って、燃焼触媒5の含有率が変化するように構成することもできる。
このような構成によれば、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23における燃焼触媒5の含有率が中央部21における含有率より小さいので、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23における導電性が低くなる。したがって、燃料極3と空気極4とが電解質2を介して短絡することを防ぐことができる。
図3は、本発明の更に他の実施形態に係る単室型固体酸化物形燃料電池の断面図である。図3において、図1と同様の構成部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図3に示すように、電解質2は、その厚さ方向に積層された2つの層から構成されている。すなわち、電解質2は、燃料極3の近傍に配置された燃料極近傍部22と、空気極4の近傍に配置された空気極近傍部23とを備えている。燃料極近傍部22における燃焼触媒5の含有率は、空気極近傍部23における燃焼触媒5の含有率より大きい。また、空気極近傍部23は、必ずしも燃焼触媒5が含有されていなくてもよい。
燃料極近傍部22及び空気極近傍部23の厚みは、1〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。また、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23の気孔率は、耐熱性及び酸素イオン導電性の観点から、10〜80%が好ましく、20〜60%がより好ましい。また、燃料極近傍部22における燃焼触媒5の含有率は、5〜50%が好ましく、10〜40%がより好ましい。また、空気極近傍部23における燃焼触媒5の含有率は、0〜20%が好ましく、0〜10%がより好ましい。特に、空気極近傍部23の燃焼触媒5の含有率を0%にすることで、燃料極3と空気極4とが燃焼触媒5による短絡を防止することができる。これにより、燃料極近傍部22及び中央部21における燃焼触媒5の含有率をさらに、増加させることが可能である。
また、燃料極近傍部22における燃焼触媒5の含有率は、空気極近傍部23における燃焼触媒5の含有率より、10%以上高いことが好ましい。
上述の燃料電池1を製造する場合は、電解質2を作製するときに、燃焼触媒5の含有率が異なる電解質グリーンシートを積層し、焼結する。これにより、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23の2層からなる電解質2を作製することができる。
また、本実施形態では、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23は境界線を有するように2層で形成されていたが、境界線は必ずしも必要ではなく、燃料極近傍部22及び空気極近傍部23が一体的に形成されていてもよい。すなわち、電解質2の厚み方向に沿って、燃焼触媒5の含有率が変化するように構成することもできる。
このような構成によれば、燃料極近傍部22に燃焼触媒5が多く分布するので、燃料ガスと燃焼触媒5との反応により発生する水素や一酸化炭素といった還元剤ガスを燃料極3に多く送ることができる。これにより、燃料極3での反応を促進することができ、燃料電池1の発電効率を向上させることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明が本実施例に限定されるものではない。
実施例として、図1〜図3に示す燃料電池1を用い、比較例として、電解質2に燃焼触媒5が含有されていない燃料電池1を用いて発電を行い、そのときの燃料電池1の温度を測定した。
以下に、実施例に係る燃料電池の製造方法について説明する。
(1)まず、燃焼触媒5を含有する電解質グリーンシート101を作製した。具体的には、イットリア安定化ジルコニア粉末(YSZ)(粒径範囲:0.1〜3μm、平均粒径1μm)に、燃焼触媒としてパラジウム粉末(粒径範囲:0.1〜3μm、平均粒径1μm)を、電解質を構成する材料の総量に対して10wt%混ぜ、カーボン粉末よりなる造孔材を添加し、ポリビニル系のバインダーおよび可塑剤としてジブチルフタレートを加え、2−プロパノールなどの有機溶媒からなる分散媒体に分散されているスラリーを作製した。造孔材の添加量は、電解質を構成する材料の総量に対して10wt%とした。
また、燃焼触媒5の含有率を増加した電解質グリーンシート201を作製した。具体的には、イットリア安定化ジルコニア粉末(YSZ)(粒径範囲:0.1〜3μm、平均粒径1μm)に、燃焼触媒としてパラジウム粉末(粒径範囲:0.1〜3μm、平均粒径1μm)を、電解質を構成する材料の総量に対して25wt%混ぜ、カーボン粉末よりなる造孔材を添加し、ポリビニル系のバインダーおよび可塑剤としてジブチルフタレートを加え、2−プロパノールなどの有機溶媒からなる分散媒体に分散されているスラリーを作製した。造孔材の添加量は、電解質を構成する総材料総量の10wt%とした。
次に、作製したスラリーを例えば公知のドクターブレード法により成形してポリエチレンテレフタレートなどのフィルム上にスラリーの層を形成し、このスラリーの層を、分散媒体を除去することで乾燥させ、燃焼触媒を含有する厚さ200μmの電解質グリーンシート101、201を形成した。
(2)続いて、燃焼触媒5を含有していない電解質グリーンシートを作製した。具体的には、8モル%のイットリア安定化ジルコニア粉末(YSZ)(粒径範囲:0.1〜3μm、平均粒径1μm)に、カーボン粉末よりなる造孔材を添加し、ポリビニル系のバインダー及び可塑剤としてジブチルフタレートを加え、2−プロパノールなどの有機溶媒からなる分散媒体に分散されているスラリーを作製した。次に、作製したスラリーをドクターブレード法によりポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、スラリー層を形成した。そして、このスラリー層を、分散媒体を除去することで乾燥させ、厚さ200μmの多孔質のYSZ電解質グリーンシートを形成した。
(3)次に、空気極4用のペーストを作製した。具体的には、エチルカルピトールに、LSCF(La:Sr:Co:Fe:O=0.6:0.4:0.2:0.8:3)(粒径範囲:0.1〜3μm、平均粒径1μm)を加え、さらにバインダーとしてエチルセルロースを加えた後、これらをボールミルで混合して空気極を形成するための空気極ペーストを調製した。
(4)次に、燃料極3用のペーストを作製した。具体的には、エチルカルピトールに、NiO(粒径範囲:0.1〜3μm、平均粒径1μm)とSDC((粒径範囲:0.1〜3μm、平均粒径1μm))を加え、さらにバインダーとしてエチルセルロースを加えた後、これらをボールミルで混合して燃料極を形成するための燃料極ペーストを調製した。
(5)続いて、電解質2を作製した。具体的には、上記の燃焼触媒を含有する電解質グリーンシート101を所定の枚数積層し、その積層体を約1350℃で焼結した。これにより、燃焼触媒5の含有率が10%であり、厚さが約500μmの電解質21が形成された(実施例1:請求項1)。
また、上記の燃焼触媒を含有する電解質グリーンシート201の表裏両面に、燃焼触媒を含有しない電解質グリーンシートを積層し、その積層体を約1350℃で焼結した。これにより、燃焼触媒5の含有率が約12%であり、厚さが約500μmの電解質22が形成された(実施例2:請求項2)。
また、上記の燃焼触媒を含有する電解質グリーンシート201の一方面に、燃焼触媒を含有しない電解質グリーンシートを積層し、もう一方面に燃焼触媒を含有する電解質グリーンシート101を積層しその積層体を約1350℃で焼結した。これにより、燃焼触媒5の含有率が15%であり、厚さが約500μmの電解質23が形成された(実施例3:請求項3)。
(6)その後、形成された電解質2の一方面に燃料極ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、これをオーブンにて130℃で15分間乾燥させ、次に、1350℃で1時間の焼成を行った。こうして、電解質2上に厚さ約20μmの燃料極3を形成した。
(7)続いて、電解質2の他方面に空気極ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、これをオーブンにて130℃で15分間乾燥させ、1200℃で1時間の焼成を行い、電解質2上に厚さ約20μmの空気極を形成した。こうして、燃料電池1を作製した。
なお、比較例では、燃焼触媒が含有されていない電解質グリーンシートのみを用いて、電解質2を作製した。
燃料電池1により発電を行うときは、燃料電池1の作動温度を実施例及び比較例共に600℃として、燃料電池1に燃料ガス及び酸化剤ガスの混合ガスを供給した。混合ガスは、メタンと酸素との比率(メタン:酸素)が2:1のガスとした。
上記の条件において、燃料電池の温度を測定した結果を表1に示す。
Figure 2010232094
実施例1〜3では、燃料電池1の温度が、電気炉設定値温度と比較して、20〜40℃まで上昇することが確認できた。一方、比較例では、燃料電池1の温度が605℃まで上昇した。したがって、燃焼触媒5の混合ガス燃焼効果により、燃料電池1の温度が上昇することを確認できた。
1 単室型固体酸化物形燃料電池
2 電解質
3 燃料極
4 空気極
21 中央部
22 燃料極近傍部
23 空気極近傍部

Claims (3)

  1. 多孔質の電解質と、
    前記電解質の一方面に配置された多孔質の燃料極と、
    前記電解質の他方面に配置された多孔質の空気極とを備え、
    前記電解質の内部に燃焼触媒が含有されている単室型固体酸化物形燃料電池。
  2. 前記電解質は、前記燃料極の近傍に配置された燃料極近傍部と、前記空気極の近傍に配置された空気極近傍部と、前記燃料極近傍部と前記空気極近傍部との間に配置された中央部とを備えており、
    前記中央部における前記燃焼触媒の含有率が、前記燃料極近傍部及び前記空気極近傍部それぞれにおける前記燃焼触媒の含有率より大きい請求項1に記載の単室型固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記電解質は、前記燃料極の近傍に配置された燃料極近傍部と、前記空気極の近傍に配置された空気極近傍部とを備えており、
    前記燃料極近傍部における前記燃焼触媒の含有率が、前記空気極近傍部における前記燃焼触媒の含有率より大きい請求項1に記載の単室型固体酸化物形燃料電池。
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