JP2007305329A - 単室型燃料電池システム及びその起動方法 - Google Patents

単室型燃料電池システム及びその起動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】起動時の熱伝達効率の向上と、短時間起動を両立させることができ、起動エネルギーを少なくすることができる単室型燃料電池システムと、その起動方法を提供する。
【解決手段】単室型の固体酸化物形燃料電池1と、この燃料電池1の温度を検知する電池温度検知手段2と、上記燃料電池1に、空気、燃料及び水をそれぞれ導入する空気導入手段3、燃料導入手段4及び水導入手段5と、電池温度検知手段2によって検知した燃料電池1の温度に基づいて上記空気、燃料及び水の導入量を調整する制御手段6を備えた単室型燃料電池システムを起動するに際して、燃料電池内に燃料ガスと空気の混合ガスを導入して電極触媒上で燃焼させることによって、外部燃焼器を用いることなく電池要素を直接加熱する。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池の起動方法に係り、さらに詳しくは炭化水素やアルコールなどの燃料ガスと、空気などの酸化剤ガスとを隔離することなく、混合ガスとして供給することによって発電する単室型の固体酸化物形燃料電池を備えた発電システムと、このような燃料電池システムの起動方法に関するものである。
固体酸化物形燃料電池、特に自動車用途のエネルギーデバイスとしての固体酸化物形燃料電池においては、起動−停止−起動に必要なエネルギー量を低減することが燃費向上の最重要課題と言うことができる。
すなわち、起動を短時間で終了して、定常運転に速やかに移行することは、起動時における使用燃料の低減と共に、利便性の観点の両面から必要となる。
このような固体酸化物形燃料電池の起動に際しては、従来、予め加熱したガスを燃料電池に導入し、ガスからの熱伝達により燃料電池を運転温度付近まで加熱するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−20941号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているような起動方法では、加熱したガスからの熱伝達にロスが生じ、運転温度付近で、加熱ガスの温度を燃料電池の運転温度よりも高く保持することが必要となり、熱効率が低く、短時間での昇温が難しいといった問題がある。
本発明は、固体酸化物形燃料電池、特に自動車用途の固体酸化物形燃料電池における上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、起動時の熱伝達効率の向上と、短時間起動を両立させることができ、起動エネルギーの少ない単室型燃料電池システムと、その起動方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、燃料ガスと酸化剤ガスとを隔離することなく、これらの混合ガスを用いて発電することができる単室型の固体酸化物形燃料電池に着目し、上記混合ガスを電極触媒上で燃焼させるようになすことによって、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の単室型燃料電池システムは、単室型の固体酸化物形燃料電池と、この燃料電池に、空気、燃料及び水をそれぞれ導入する空気導入手段、燃料導入手段及び水導入手段と、上記燃料電池の温度を検知する電池温度検知手段と、この電池温度検知手段によって検知した燃料電池の温度に基づいて上記空気、燃料及び水の導入量を調整する制御手段を備えたことを特徴としている。
また、本発明の単室型燃料電池システムの起動方法においては、上記単室型燃料電池システムを起動するに際して、燃料電池内に燃料ガスと空気の混合ガスを導入し、電極触媒上で燃焼させることを特徴とする。
本発明によれば、単室型の固体酸化物形燃料電池に、空気導入手段、燃料導入手段、水導入手段、電池温度検知手段と共に、制御手段を備えたシステムとしたことから、燃料電池内に導入される空気及び燃料の量を自由に変化させることが可能になり、燃料電池の状態に応じて、燃焼させるに適した混合比から、発電に適した混合比に自由に調整することができ、起動時には、混合気を触媒上で燃焼させることによって、熱伝達効率を高め、短時間起動を可能にして、起動エネルギーを削減することができる。
以下、本発明の単室型燃料電池システムと、その起動方法について、さらに詳細に説明する。
固体酸化物形燃料電池には、燃料ガスと酸化剤ガスを分離した状態で発電するタイプ(「隔膜型」と称する)と、燃料ガスと酸化剤ガスの混合ガスを用いて発電する単室型(「非隔膜型」とも称する)に分類され、隔膜型では燃料極に酸化剤ガスを流すことができないのに対し、単室型燃料電池においては、上記のような燃料ガスと酸化剤ガスの混合ガスを用いることから、当該混合ガスを電池内部で燃焼させ、外部燃焼器を用いることなく、電池要素を直接加熱することができ、燃料をさほど消費することなく、電池温度を作動温度まで速やかに昇温させることができるようになる。
本発明の単室型燃料電池システムは、上記したように、単室型の固体酸化物形燃料電池、空気導入手段、燃料導入手段、水導入手段、電池温度検知手段と共に、燃料電池の温度に基づいて上記空気、燃料及び水の燃料電池への導入量を調整する制御手段を備えたことから、燃料電池の状態に応じて、燃料電池内に導入される空気、燃料及び水(水蒸気)の量を自由に変化させることができ、特に起動時には、燃焼反応に適した混合比の混合ガスを導入して電池内で燃焼させ、電池要素を直接加熱して、起動時間を短縮し、起動に要するエネルギーを削減することができ、温度上昇に応じて、発電に適した混合比に変更したり、水を導入することによって、電池の過剰な温度上昇を防止したり、燃料のSR(水蒸気改質)反応を促進したりすることができる。
本発明の単室型燃料電池システムにおいては、燃料電池の上流位置に熱交換手段を設けることができ、燃料電池からの排気熱によって、燃料電池内に導入される空気や燃料、水を予熱するようになすことが望ましく、排熱の有効活用を図ることができる。
さらに、本発明の単室型燃料電池システムにおいては、上記固体酸化物形燃料電池を直列に配置された複数段の単室燃料電池(スタック)から成るものとし、各燃料電池に電池温度検知手段をそれぞれ設けると共に、2段目以降の各燃料電池のそれぞれには、上段側電池からの排気が導入されると共に、燃料導入手段及び水導入手段を配設するようになすことができ、これによって、直列に配置された燃料電池のそれぞれの状態に応じて、個々の燃料電池に導入される空気と水の量を自由に、独立して変化させることができる。
例えば、前段の燃料電池が発電状態にあって、後段の燃料電池が昇温の必要があるとき、前段電池に発電に適した燃料リッチガスを導入し、発電に使われなかった可燃ガスに対して適正な空気量を後段電池の入口に導入することによって、後段電池に供給される混合ガスを燃料リーンなものとして、後段電池の加熱を実施することができ、未燃燃料エネルギーの後段加熱への利用と、起動開始から発電開始可能となるまでの時間の短縮を両立することができるようになる。
本発明の燃料電池システムにおいては、単室型の固体酸化物形燃料電池を用いるようにしており、これによって混合ガスの燃焼による電池要素の直接加熱を可能にしているが、このような単室型の固体酸化物形燃料電池においては、炭化水素などの燃料ガスの部分酸化するPOX触媒と酸素イオン電解質から成る燃料極が用いられる。また、炭化水素などの燃料ガスを水蒸気改質するSR触媒を添加することも望ましい。
ここで、POX触媒としては、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などを好適例として挙げることができ、SR触媒としては、少なくともロジウムを含む貴金属を含浸したアルミナ(Al)又はセリア(CeO)が、特に好適である。
また、上記酸素イオン電解質としては、例えばイットリウム安定化ジルコニア(YSZ)、カルシア安定化ジルコニア(CSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、セリア安定化ジルコニア、セリア、ビスマス酸化物(Bi)、マグネシア(MgO)、アルミナなどを挙げることができる。
当該燃料電極に含まれる触媒金属と電解質の比率については、使用する触媒金属及び固体酸化物電解質の材質に応じて、触媒金属による燃料ガスの酸化活性と、電子伝導性が得られるように選択することができ、例えば、燃料極としてNi担持セリア安定化ジルコニアを用いる場合においては、Niの比率を質量比で35%以上85%以下とすることが望ましい。
一方、空気極としては、燃料ガスに対する酸化活性が低いか、そのような活性を有しない材料であって、しかも酸素分子に電子を供給してイオン化し、後述する電解質中へ溶け込ませる機能を有する材料が用いられ、材料組成としては、ストロンチウムをドープしたLn1−xSrCoO3±δを用いることができる。
なお、式中のLn は希土類元素を表わし、特にLa及びSmが好ましく、0.2≦x≦0.8 とする。また、δ は酸素欠損等の量であって、0≦δ<1である。
そして、本発明の燃料電池システムに用いる固体酸化物形燃料電池の電解質には、イットリウム安定化ジルコニア、カルシア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、セリア安定化ジルコニア、セリア、ビスマス酸化物、マグネシア、アルミナなどを挙げることができる。
なお、これら電解質や電極は多孔質とすることで、ガス透過性を向上させることもできる。
このような単室型の固体酸化物形燃料電池における定常運転状態では、図1に示すように、例えば燃料ガスとしてエタノールと空気との混合ガスを燃料電池に導入すると、POX触媒やSR触媒を含有し、酸化活性の高い燃料極において、混合ガス中のエタノールが部分酸化されて、あるいは水蒸気と反応(水蒸気改質反応)して、水素と一酸化炭素が生じ、一酸化炭素は水蒸気とさらに反応(シフト反応)して、水素と二酸化炭素が生じ、次のような燃料の酸化反応が起こる。
2H+2O2−→2HO+4e
2CO+2O2−→2CO+4e−
一方、空気極においては、上記のような触媒を実質的に含有していないために、エタノールは反応せず、混合ガス中の酸素の還元反応が生じる。
O2+4e→2O2−
なお、燃料ガスとしては、上記したエタノールの他に、例えばメタノールなどのアルコール類、メタン、エタン、プロパン、プロピレンなどの炭化水素、さらにはガソリンなどを使用することができる。
本発明の単室型燃料電池システムを起動するに際しては、上記したように燃料電池内に燃料と空気の混合ガスを導入し、電極触媒上で燃焼させ、電池要素を直接加熱することによって、固体酸化物形燃料電池の作動温度まで速やかに昇温させることができ、起動に要するエネルギー消費を最小限のものとすることができる。
このとき、電池温度検知手段により検知された燃料電池の温度に基づいて燃料と空気の混合比を変更することができ、起動の進行状況に応じて、燃焼に適した混合比から、加熱に適した混合比、発電に適した混合比へと切換えることにより、常時最適の混合比として、発電開始までの時間を短縮することができる。
また、起動開始から燃料電池が所定温度に達するまでの期間、燃料リーンガス、すなわち酸素過剰ガスを燃料電池の電極上で燃焼させることによって加熱することが望ましく、燃料リーン燃焼であることから、燃料が未燃焼のままで排出されることがなく、燃料エネルギーロスの低減、排気エミッションのクリーン化を図ることができる。
さらに、起動開始後、燃料電池が所定温度に達した時点で発電を開始し、発電しながら起動を継続することも可能である。
すなわち、発電を行なうことができるが、定常運転時の混合比よりも空気量が多く、排熱量が多い混合比のガス、例えば、燃料としてメタンガス(CH)を使用する場合、定常運転のSR(ストイキ比:空気過剰率)が0.5であるのに対し、これよりも排熱が多いSR=0.7程度の混合ガスを導入して発電を開始し、発電しながらさらに起動を継続すること、言い換えると電池要素の加熱を継続するようになすことができ、これによって起動開始から発電可能となるまでの時間を短縮することができるようになる。
また、本発明の単室型燃料電池システムの起動方法においては、起動開始後、電池温度検知手段により検知された温度に基づいて、水の導入を開始すると共に、その導入量の調整を行なうことができ、加熱過程の後半において、燃料電池の状態に応じて、具体的には、電池温度検知手段により電池の過熱を検知したときに、燃料電池の入口への水噴霧を行い、これによって電池の過剰な温度上昇を防止することができる。また、SR(水蒸気改質)反応を促進して、発電効率を向上させることができる。
なお、起動時初期には水を導入しないのは、水自体の蒸発や加熱にエネルギーが奪われ、起動に必要なエネルギーが減少し、起動時間が長くなることを避けることが可能になることによる。
さらにまた、直列に配置された複数段の単室燃料電池を備えた単室型燃料電池システムを起動するに際しては、個々の単室型固体酸化物形燃料電池がそれぞれ発電可能な温度になり次第、当該電池に導入する燃料及び空気の混合比を燃料リーンから燃料リッチに順次切り替えていくようにすることができる。
すなわち、前段の燃料電池が発電可能な状態にあって、後段の燃料電池では加熱の必要があるとき、前段電池に発電に適したリッチガスを導入し、前段の燃料電池から排出される発電に使われなかった可燃ガスにと共に、適正な空気量を後段電池の入口に導入することによって燃焼に適した燃料リーンな混合比として後段の燃料電池を加熱するようにし、これによって加熱中の燃料電池システムにおいて発電が可能になると共に、未燃燃料エネルギーの後段電池の加熱への利用と、起動開始から発電可能となるまでの時間の短縮を両立することができるようになる。
そして、直列に配置された複数段の単室燃料電池を備えた上記単室型燃料電池システムにおいても、起動開始後、各電池温度検知手段によりそれぞれ検知された温度に基づいて、水の導入を開始すると共に、その導入量の調整を行なうことができ、上記同様に、電池の過剰な温度上昇を防止すると共に、SR反応を促進して発電効率を向上させることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されないことは言うまでもない。
(実施例1)
図2は、本発明の単室型燃料電池システムの第1の実施例を示すものであって、図に示す燃料電池システムは、単室型の固体酸化物形燃料電池単セルを多段に積層して成る燃料電池スタック1(単室型固体酸化物形燃料電池)と、この燃料電池スタック1の排気路に設けられ、スタック1の温度を検知する温度センサ2(電池温度検知手段)と、上記燃料電池スタック1に空気、燃料及び水をそれぞれ導入するエアポンプ3(空気導入手段)、燃料ポンプ4(燃料導入手段)、及び水ポンプ5(水導入手段)と、これら各ポンプ3、4、5と温度センサ2に接続され、温度センサ2によって検知されたスタック1の温度情報に基づいて、各ポンプ3、4、5の駆動を制御するコントローラ6(制御手段)から主に構成され、上記燃料電池スタック1からの排気ガスが当該燃料電池スタック1の直前に配設された熱交換器7(熱交換手段)に導かれており、燃料電池スタック1に導入される空気、燃料、水を予熱するようになっている。
なお、燃料電池スタック1における単室型燃料電池としては、8モル%のイットイリア(Y)を含むジルコニア(ZrO)から成る多孔質電解質の各面に、ニッケル担持ジルコニアに、質量比で3%のロジウム(Rh)と、15%のセリウム(Ce)とを担持して成る燃料極と、ストロンチウムをドープしたランタンコバルト複合酸化物(La0.5Sr0.5CoO3±δ)から成る空気極を形成した構造のものを使用したが、本発明の燃料電池システムに用いる単室型の固体酸化物形燃料電池としては、前述したような構成を備えておりさえすれば、特に限定されることはない。
上記単室型燃料電池システムの起動を開始するには、図3に示すフローチャートにおけるステップ101において、エアポンプ3及び燃料ポンプ4を駆動して、空気過剰率SR=3のリーンな空気とメタンガス(CH)の混合ガスを燃料電池スタック1の入口に導入し、図示しないスパークプラグによって着火させ、燃料電池の電極上で燃料であるメタンガスを燃焼させ、スタック1を加熱する。
ステップ102においては、燃料電池スタック1からの排気温度、すなわちスタック1の温度を温度センサ2によって検知し、燃料電池の温度が発電可能な温度レベルに到達したかどうかを判定しており、当該排気温度が所定の発電温度に到達するまでは、ステップ101に戻り、燃料リーンガスによる燃焼を継続させて、加熱を続けるようになっている。
そして、ステップ102において、燃料電池スタック1の排気温度が所定の発電温度に達したことが温度センサ2によって検知されると、ステップ103に移行し、コントローラ6がエアポンプ3及び燃料ポンプ4を介して空気過剰率SRを発電組成である0.5に変更するので、メタンガスの燃焼が終了し、ステップ104において発電が開始されることになる。
定常運転に移行した後は、スタック温度に応じて、水ポンプ5を駆動して燃料電池スタック1に水を供給することもでき、これによってスタック内の過剰な温度上昇を防止すると共に、SR反応を促進して発電効率を向上させることができる。
なお、燃料電池スタック1の出口ガス組成は、入口ガス組成と温度で決まる平衡組成となり、空気過剰率SR=1以下では、可燃性ガスであるCO、H、CHが残存し、SR=1以上では、CO、HOの生成が優勢となる。
また、運転状態(起動、定常)の判断方法としては、予め実験を行ない、起動時や定常運転時におけるスタック内の温度分布と温度センサ出力値の対応を把握しておくことによって、起動、通常運転時の内部温度状態から判断しておく方法などが考えられる。
(実施例2)
図4は、本発明の単室型燃料電池システムの第2の実施例を示すものであって、図に示す燃料電池システムは、単室型の固体酸化物形燃料電池から成る上記同様の燃料電池スタック1に加えて、さらに第2の燃料電池スタック12を備え、第1スタック1からの排気と共に、空気及び水を第2スタック12に導入する第2のエアポンプ32及び第2の水ポンプ52、さらに第2スタック12からの排気路に設けられ、第2スタック12の温度を検知する第2の温度センサ22を設けたこと以外は、上記実施例に係る燃料電池システムと基本的に同様の構成を有している。
このような単室型燃料電池システムを起動するには、まず第1スタック1の機動を開始する。
すなわち、図5に示すフローチャートにおけるステップ201において、エアポンプ3及び燃料ポンプ4を駆動し、上記の実施例と同様に、空気過剰率SR=3のリーンな混合ガスを第1の燃料電池スタック1の入口に導入して、同様にスパークプラグによって着火し、燃料電池の電極上でメタンガスを燃焼させ、第1スタック1を加熱する。
図7は、燃料電池スタックの排気温度、すなわち燃料電池温度の時間的変化を示すグラフであって、この図に示すように燃料の燃焼による加熱が開始されると、時間の経過と共にスタック温度が上昇する。
ステップ202においては、第1スタック1からの排気温度(第1スタック1の温度)を第1の温度センサ2によって検知し、第1スタック1の内部温度が発電可能な下限温度に到達したか否かが判定されており、当該排気温度が発電下限温度に到達するまでは、燃料リーンガスの燃焼による加熱が継続される。
そして、ステップ202において、第1スタック1の排気温度が発電下限温度T1(図7参照)に達したことが温度センサ2によって検知されると、ステップ203に移行し、第1のエアポンプ3及び燃料ポンプ4が作動して、空気過剰率SRを発電組成の0.5よりもやや空気過剰の0.7に変更する。
これによって、メタンガスの燃焼反応(酸化反応)が抑制され、燃料電池による発電が開始されるが、定常運転時よりも酸素量が多く、排熱量が大きい(生成エンタルピーが小さい(生成されると系により多くの熱を放出する)COが多く生成される)ことから、発電を開始しながらも、図7に示すように、第1スタック1の温度はさらに上昇を続ける。
そして、第1スタック1の温度が発電下限温度T1に到達し、発電が開始されると、ステップ300に移行し、第2の燃料電池スタック12の起動制御が開始される。
一方、第1スタック1については、ステップ204において、第1スタック1の内部温度が定常運転の下限温度に到達したかどうかが判定されており、当該第1スタック1の温度が上記定常運転下限温度に到達するまでは、空気過剰率SR=0.7の混合ガスによる発電と排熱による加熱が継続される。
そして、ステップ204において、第1スタック1の温度が定常運転の下限温度T2(図7参照)に到達したことが温度センサ2によって検知されると、ステップ205に移行し、上記エアポンプ3及び燃料ポンプ4の作動によって、空気過剰率SRが0.7から0.5に変更され、定常運転が開始される。
空気過剰率SRが0.5に変更されたのちにおいても、温度センサ2によって第1スタック1の温度が常に監視されており、ステップ206において、第1スタック内への水の導入の要否が判定されている。
例えば、第1スタック1の温度と、それまでの温度変化速度(温度上昇率)に基づいて、第1スタック1の温度が定常運転の上限温度T3を超えることが予測された場合には、ステップ206において水の導入が決定され、ステップ207において、水ポンプ5の作動によって水が第1スタック1に供給されると、水の加熱、蒸発と共に、吸熱反応である燃料ガスの水蒸気改質反応が生じることによって、図7に示すように第1スタック1の過剰な温度上昇が防止され、スタック温度がT2〜T3の定常運転温度範囲内に保持され、同時に水蒸気改質反応によって発電効率を向上させることができる。このようにして、ステップ208の定常運転が続けられる。
他方、ステップ202において、空気過剰率SRが0.7に変更され、第1スタック1において発電が開始されると同時に、起動制御が開始された第2の燃料電池スタック12においては、図6に示したステップ301において、第2スタック12には、第1スタック1からの排気と共に、第2のエアポンプ32の作動によって空気が供給される。
このとき、第1スタック1からの排気中に含まれる可燃ガスの濃度を予測し、空気過剰率SR=3の燃料リーンガスとなるように空気の量が調整される。なお、排気中に含まれる可燃ガスの濃度は、例えば予備試験によって排気温度の関数として把握することができる。
そして、同様にスパークプラグによって混合ガスに着火し、燃料電池の電極上で可燃ガスを燃焼させ、第2スタック12を加熱する。
以下、同様に、第2の温度センサ22によって検知された第2スタック12の温度の発電可能な下限温度T1との比較(ステップ302)、ステップ302の比較結果に基づく空気過剰率SRの3から0.7への変更(発電開始:ステップ303)、第2スタック12の温度の定常運転下限温度T2との比較(ステップ304)、ステップ304の比較結果に基づく空気過剰率SRの0.7から0.5への変更(ステップ305)、第2スタック12内への水の導入の要否判定(ステップ306)、ステップ306の判定結果に基づく水の供給(第2の水ポンプ52の作動:ステップ307)といった制御が実行され、第2スタック12の温度がT2〜T3の定常運転温度範囲内(図7参照)に保持され、ステップ208の定常運転が開始される。
(実施例3)
図8は、本発明の単室型燃料電池システムの第3の実施例を示すものであって、図に示す燃料電池システムは、単室型の固体酸化物形燃料電池から成る上記同様の燃料電池スタック1、12に加えて、さらに第3の燃料電池スタック13を備え、第2スタック12からの排気に加えて、空気及び水を第3スタック13にそれぞれ導入する第3のエアポンプ33及び第3の水ポンプ53、さらに第3スタック13からの排気路に設けられ、当該第3スタック13の温度を検知する第3の温度センサ23を設けたことを除いて、上記した実施例2に係る燃料電池システムと基本的に同様の構成を有している。
当該単室型燃料電池システムの起動制御については、第2スタック12の温度が発電可能な下限温度T1に到達し、機動空気過剰率SRが3から0.7に変更されて、発電が開始されると同時に第3の燃料電池スタック13の起動制御が開始されるようになっており、上記した実施例2の場合と基本的に同様である。
すなわち、前段のスタックが下限温度での発電を開始すると同時に、後段スタックの起動が開始されるようになっており、これは燃料電池スタックをさらに多数段に備えた場合も同様である。このように、複数の燃料電池(スタック)を直列配置し、上流側から順次起動させていくことによって、燃料電池システムにおける発電開始までの起動時間を短縮することが可能になる。
燃料ガスとしてエタノールを用いた単室型の固体酸化物形燃料電池における分解ガスの移動を説明する模式図である。 本発明の第1の実施例に係る単室型燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 図2に示した燃料電池システムにおける制御を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施例に係る単室型燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 図4に示した燃料電池システムにおける制御を説明するフローチャートである。 図5に示したフローチャートにおける第2スタックの制御を説明するフローチャートである。 図4に示した燃料電池システムにおける燃料電池の排気温度の時間的変化を示すグラフである。 本発明の第3の実施例に係る単室型燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
1、12、13 燃料電池スタック(単室型固体酸化物形燃料電池)
2、22、23 温度センサ(電池温度検知手段)
3、32、33 エアポンプ(空気導入手段)
4 燃料ポンプ(燃料導入手段)
5、52、53 水ポンプ5(水導入手段)
6 コントローラ(制御手段)
7 熱交換器(熱交換手段)

Claims (10)

  1. 単室型の固体酸化物形燃料電池と、
    上記燃料電池に空気を導入する空気導入手段と、
    上記燃料電池に燃料を導入する燃料導入手段と、
    上記燃料電池に水を導入する水導入手段と、
    上記燃料電池の温度を検知する電池温度検知手段と、
    上記電池温度検知手段により検知した燃料電池の温度に基づいて上記空気、燃料及び水の導入量を調整する制御手段を備えたことを特徴とする単室型燃料電池システム。
  2. 各導入手段から導入される空気、燃料及び水を燃料電池からの排気熱によって加熱する熱交換手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の単室型燃料電池システム。
  3. 上記単室型の固体酸化物形燃料電池が直列に配置された複数段の燃料電池から成り、各燃料電池が電池温度検知手段をそれぞれ備えていると共に、2段目以降の各燃料電池には、上段側電池からの排気が導入される一方、燃料導入手段及び水導入手段がそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の単室型燃料電池システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の単室型燃料電池システムを起動するに際して、燃料電池内に燃料及び空気の混合ガスを導入し、電極触媒上で燃焼させることを特徴とする単室型燃料電池システムの起動方法。
  5. 電池温度検知手段により検知された温度に基づいて燃料及び空気の混合比を変更することを特徴とする請求項4に記載の単室型燃料電池システムの起動方法。
  6. 起動開始から燃料電池が所定温度に達するまでの期間、燃料リーンガスの燃焼による加熱を行なうことを特徴とする請求項4又は5に記載の単室型燃料電池システムの起動方法。
  7. 起動開始後、燃料電池が所定温度に達した時点で発電を開始し、発電しながら起動を継続することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つの項に記載の単室型燃料電池システムの起動方法。
  8. 起動開始後、電池温度検知手段により検知された温度に基づいて、水の導入及び導入量の変更を開始することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1つの項に記載の単室型燃料電池システムの起動方法。
  9. 複数段に配置された個々の単室型固体酸化物形燃料電池がそれぞれ発電可能な温度になり次第、当該電池に導入する燃料及び空気の混合比を燃料リーンから燃料リッチに順次切り替えていくことを特徴とする請求項3に記載の単室型燃料電池システムの起動方法。
  10. 起動開始後、各電池温度検知手段により検知された温度に基づいて、個々の単室型固体酸化物形燃料電池に対する水の導入及び導入量の変更を開始することを特徴とする請求項9に記載の単室型燃料電池システムの起動方法。
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