JP2010226477A - 増幅装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】負帰還ループ内の信号の劣化を抑えつつ、負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなることを回避すること。
【解決手段】増幅装置100は、増幅器110と、減算部120と、測定部130と、クリッピング回路140と、を備えている。増幅器110は、入力信号を増幅する。減算部120は、増幅器110へ入力される入力信号を、増幅器110によって増幅された信号により減算する。測定部130は、減算部120によって減算された入力信号の電力を測定する。クリッピング回路140は、測定部130によって測定された電力に基づいて、減算部120によって減算される前の入力信号の波形をクリッピングする。
【選択図】図1

Description

本発明は、増幅装置に関する。
通信装置のアンプにおいては、信号の歪を補償するために負帰還型歪補償回路が用いられることがある。負帰還型歪補償回路は、たとえば、アンプの出力信号を直交復調して得たフィードバックベースバンド信号と、アンプへ入力される送信ベースバンド信号と、の差分をとることでアンプの出力信号の歪を補償する。
アンプの入出力特性は、温度や電源電圧などの影響で変化する。負帰還型歪補償回路では、ループゲインを大きくすると歪改善量が大きくなる。また、負帰還型歪補償回路では、ループゲインを大きくすると比較後の値は十分に小さな値になり、出力電力も入力電力に等しくなる。また、負帰還増幅器の入力信号とフィードバック信号の比較後における信号の振幅を検出し、負帰還ループ内で振幅レベルを制限する技術が開示されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
特開昭62−114309号公報
しかしながら、上述した従来技術では、アンプの飽和領域に達するような電圧の信号がアンプへ入力されると、ループゲインによって負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなるという問題がある。負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなると、たとえば、アンプの前段にある回路が破損し、あるいは破壊されるという問題がある。
また、アンプの飽和領域に達するような電圧の信号がアンプへ入力されると、信号の波形の歪を補償することができないという問題がある。また、最も飽和電力が小さい入出力特性に合わせてアンプに対する入力電力を設計すると、飽和電力が高い時でも電力が小さい領域を用いることになる。一般的にアンプは電力が大きい領域において増幅の効率がよいため、電力が小さい領域を用いると増幅の効率が劣化するという問題がある。
また、たとえば上記特許文献1のように、負帰還ループ内で振幅レベルを制限する場合は、アナログ信号の振幅レベルを制限することになる。このため、アナログ回路特有の現象により負帰還ループ内の信号が劣化するという問題がある。たとえば、信号を大きくする場合と小さくする場合で振幅制限された信号が非対称になる現象がある。
また、負帰還ループ内で振幅レベルを制限する場合は、信号の帯域がシステム仕様で容認された範囲の外に広がる場合もある。これに対して、負帰還ループ内にスペクトラムを整形するためのフィルタなどを挿入すると、挿入したフィルタが負帰還ループの動作に影響を与えるため、負帰還ループ内の信号が劣化するという問題がある。
本発明の一側面では、負帰還ループ内の信号の劣化を抑えつつ、負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなることを回避することを目的とする。
第1の案では、入力信号を増幅する増幅器と、前記増幅器へ入力される前記入力信号を、前記増幅器によって増幅された信号により減算する減算部と、前記減算部によって減算された前記入力信号の電力を測定する測定部と、前記測定部によって測定された電力に基づいて、前記減算部によって減算される前の前記入力信号の波形をクリッピングするクリッピング回路と、を備えることとする。
好ましくは、前記減算部と前記クリッピング回路の間に設けられ、前記入力信号の帯域を制限するフィルタを備えることとする。
好ましくは、前記クリッピング回路は、前記測定部によって測定された電力に基づいて、クリッピングを行うクリッピングレベルを変化させ、前記フィルタは、前記クリッピングレベルの変化に応じてフィルタ形状を変化させる可変フィルタであることとする。
開示の増幅装置によれば、負帰還ループ内の信号の劣化を抑えつつ、負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなることを回避することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。 図2に示した増幅装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図3に示したアンプにおける増幅の効率を示すグラフである。 実施の形態3にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。 図5に示した増幅装置の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態4にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。 図7に示した増幅装置における信号のスペクトラムを示すグラフである。 実施の形態5にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。 図9に示した増幅装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図9に示した増幅装置における信号のスペクトラムを示すグラフである。 図9に示した可変フィルタの具体例を示すブロック図である。 実施の形態6にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。 図13に示した増幅装置の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態7にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。 PAPRリダクション回路によるクリッピングを示す図である。 実施の形態8にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。 図17に示した増幅装置の動作の一例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、この増幅装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(増幅装置の構成)
図1は、実施の形態1にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる増幅装置100は、増幅器110と、減算部120と、測定部130と、クリッピング回路140と、を備えている。増幅装置100は、負帰還ループ(カルテシャンループ)によって信号の波形の歪を補償する増幅装置である。
増幅器110は、増幅装置100に対する入力信号を増幅する。具体的には、増幅器110は、減算部120から出力された入力信号を増幅し、増幅した信号を出力する。たとえば、増幅器110は、増幅した信号を増幅装置100の外部へ出力する。
減算部120は、増幅器110へ入力される入力信号を、増幅器110によって増幅された信号により減算する。具体的には、減算部120は、増幅器110から出力される信号の一部を取得し、取得した信号により、クリッピング回路140から出力された入力信号を減算する。そして、減算部120は、減算した入力信号を増幅器110へ入力する。
このように、減算部120および増幅器110は、信号を負帰還させながら増幅する負帰還ループになっている。測定部130は、減算部120によって減算された入力信号の電力を測定する。具体的には、測定部130は、減算部120から増幅器110へ出力される入力信号を取得し、取得した入力信号の電力を測定する。
クリッピング回路140は、測定部130によって測定された電力に基づいて、減算部120によって減算される前の入力信号の波形を所定のクリッピングレベルでクリッピングする。具体的には、クリッピング回路140は、減算部120の前段に設けられており、増幅装置100に対する入力信号を取得してクリッピングを行う。そして、クリッピング回路140は、クリッピングを行った入力信号を減算部120へ出力する。
クリッピング回路140は、測定部130によって測定された電力が閾値を超えた場合に、測定部130によって測定される電力が閾値以下になるように入力信号の波形をクリッピングする。この場合の閾値は、増幅器110の飽和電力付近の閾値に設定する。
たとえば、クリッピング回路140は、測定部130によって測定された電力が閾値を超えた場合にクリッピングを行い、測定部130によって測定された電力が閾値を超えない場合はクリッピングを行わないようにする。
または、クリッピング回路140は、測定部130によって測定された電力が閾値を超えた場合はクリッピングレベルをダウンさせ、測定部130によって測定された電力が閾値を超えない場合はクリッピングレベルをアップさせるようにしてもよい。
また、クリッピング回路140は、クリッピングレベルをアップさせる場合は、クリッピングレベルをダウンさせる場合より低速でクリッピングレベルを変化させるようにしてもよい。これにより、クリッピングレベルが急激に増加し、増幅装置100に対する入力信号のレベルが過剰に大きくなることを回避することができる。
このように、実施の形態1にかかる増幅装置100によれば、増幅器110へ入力される入力信号の波形をクリッピングすることで、負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなることを回避することができる。このため、負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなって増幅器110の前段の部品が破壊されることを回避することができる。
また、温度変化などによって増幅器110の特性が変化しても安定して動作させることができるため、増幅器110における飽和領域付近の電力で増幅を行うことが可能になる。これにより、増幅器110における増幅効率を向上させることができる。
また、負帰還ループの前段において入力信号の波形をクリッピングすることで、負帰還ループ内の信号の劣化を抑えることができる。また、クリッピング回路140を負帰還ループの前段に設けることで、クリッピング回路140によって帯域が広がった信号の帯域を制限するフィルタを負帰還ループの前段に設けることが可能になる。このため、クリッピング回路140によって帯域が広がった信号の帯域を制限するフィルタを設けても、負帰還ループ内の信号の劣化を抑えることができる。
(実施の形態2)
(増幅装置の構成)
図2は、実施の形態2にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、実施の形態2にかかる増幅装置100は、クリッピング回路210と、比較器221,222と、ループゲイン用アンプ231,232と、直交変調器240と、アンプ250と、直交復調器260と、測定器270と、比較器280と、を備えている。
増幅装置100には、送信ベースバンド信号としてIch信号およびQch信号が入力される。増幅装置100は、入力されたIch信号およびQch信号の波形の歪を補償する。また、増幅装置100は、入力されたIch信号およびQch信号を直交変調する。
クリッピング回路210には、入力信号としてIch信号およびQch信号が入力される。クリッピング回路210は、入力された各信号に対して、所定のクリッピングレベルでクリッピングを行う。具体的には、クリッピング回路210は、各信号の波形におけるクリッピングレベルを超えた部分をクリッピングレベルまで減衰させる。
具体的には、クリッピング回路210は、入力されたIch信号およびQch信号の電力Pinを算出し、算出した電力をクリッピングレベルと比較する。算出した電力PinがクリッピングレベルVth以下である場合は、クリッピング回路210は、入力されたIch信号およびQch信号の値をそのままにする。
算出した電力PinがクリッピングレベルVthより大きい場合は、クリッピング回路210は、入力されたIch信号およびQch信号の値をVth/Pin倍する。これにより、Ich信号およびQch信号の波形におけるクリッピングレベルを超えた部分がクリッピングレベルまで減衰される。
クリッピング回路210は、波形のクリッピングを行ったIch信号を比較器221へ出力するとともに、波形のクリッピングを行ったQch信号を比較器222へ出力する。また、クリッピング回路210は、比較器280からレベルダウン信号が出力されるとクリッピングレベルをダウンさせる。また、クリッピング回路210は、比較器280からレベルアップ信号が出力されるとクリッピングレベルをアップさせる。
比較器221,222、ループゲイン用アンプ231,232、直交変調器240、アンプ250および直交復調器260は、アンプ250の入力に、アンプ250の出力を逆位相で合成する負帰還ループになっている。
比較器221には、クリッピング回路210から出力されたIch信号と、直交復調器260から出力されたIch信号と、が逆位相で入力される。比較器221は、入力された各Ich信号を合成する。これにより、クリッピング回路210から出力されたIch信号が、直交復調器260から出力されたIch信号で減算される。比較器221は、合成したIch信号をループゲイン用アンプ231へ出力する。
比較器222には、クリッピング回路210から出力されたQch信号と、直交復調器260から出力されたQch信号と、が逆位相で入力される。比較器222は、入力された各Qch信号を合成する。これにより、クリッピング回路210から出力されたQch信号が、直交復調器260から出力されたQch信号で減算される。比較器222は、合成したQch信号をループゲイン用アンプ232へ出力する。
ループゲイン用アンプ231は、比較器221から出力されたIch信号を増幅し、増幅したIch信号を直交変調器240へ出力する。ループゲイン用アンプ232は、比較器222から出力されたQch信号を増幅し、増幅したQch信号を直交変調器240へ出力する。ループゲイン用アンプ231,232における利得を変更することで、アンプ250による信号の歪の圧縮率を調整することができる。
直交変調器240は、ループゲイン用アンプ231から出力されたIch信号と、ループゲイン用アンプ232から出力されたQch信号と、を直交変調する。直交変調器240によって直交変調された信号はRF(Radio Frequency)信号になる。直交変調器240は、直交変調した信号をアンプ250へ出力する。
アンプ250は、直交変調器240から出力された信号を増幅する。アンプ250は、増幅した信号を増幅装置100の外部および直交復調器260のそれぞれへ出力する。直交復調器260は、アンプ250から出力された信号を直交復調する。そして、直交復調器260は、直交復調によって得られたIch信号を比較器221へ出力するとともに、直交復調によって得られたQch信号を比較器222へ出力する。
測定器270は、ループゲイン用アンプ231から直交変調器240へ出力されたIch信号と、ループゲイン用アンプ232から直交変調器240へ出力されたQch信号と、を取得する。そして、測定器270は、取得した各信号の電力(たとえば瞬時電力)を測定し、測定した電力を比較器280へ出力する。Ich信号の電力をViとし、Qch信号の電力をVqとすると、測定器270は、たとえばVi+Vqを測定する。
比較器280には、あらかじめ定められた電力閾値と、測定器270から出力された電力と、が入力される。比較器280へ入力される電力閾値は、たとえば、アンプ250における飽和電力付近の電力になっている。比較器280は、測定器270から出力された電力が電力閾値を超えた場合はクリッピング回路210へレベルダウン信号を出力する。また、比較器280は、測定器270から出力された電力が電力閾値以下である場合はクリッピング回路210へレベルアップ信号を出力する。
(増幅装置の動作)
図3は、図2に示した増幅装置の動作の一例を示すフローチャートである。まず(START)、測定器270が、Ich信号およびQch信号の瞬時電力を測定する(ステップS301)。つぎに、比較器280が、ステップS301によって測定された瞬時電力が電力閾値より大きいか否かを判断する(ステップS302)。
ステップS302において、測定された瞬時電力が電力閾値より大きい場合(ステップS302:Yes)は、比較器280が、クリッピング回路210へレベルダウン信号を出力する(ステップS303)。つぎに、クリッピング回路210が、クリッピングレベルをダウンさせ(ステップS304)、ステップS301へ戻って処理を続行する。
ステップS302において、測定された瞬時電力が電力閾値以下である場合(ステップS302:No)は、比較器280が、クリッピング回路210へレベルアップ信号を出力する(ステップS305)。つぎに、クリッピング回路210が、クリッピングレベルをアップさせ(ステップS306)、ステップS301へ戻って処理を続行する。
以上のステップにより、測定器270によって測定された電力が電力閾値を超えた場合に、クリッピング回路210におけるクリッピングレベルをダウンさせることができる。これにより、測定器270によって測定される電力が電力閾値以下になるように入力信号の波形をクリッピングすることができる。
(アンプにおける増幅の効率)
図4は、図3に示したアンプにおける増幅の効率を示すグラフである。図4において、横軸は、アンプ250へ入力される信号の電力(入力電力)を示している。縦軸はアンプ250における増幅の効率を示している。特性411〜413は、アンプ250における入力電力に対する増幅の効率の特性を示している。
アンプ250における入力電力に対する増幅の効率の特性は、温度や電源電圧などによって特性411〜413のように変化する。たとえば、アンプ250における入力電力に対する増幅の効率の特性が、初期状態で特性411となっていたとする。この場合は、クリッピング回路210におけるクリッピングレベルは比較的高めに設定され、アンプ250における入力電力は比較的高い電力P1となる。
この後に、温度や電源電圧などによって特性411から特性413へ変化したとする。この場合は、低い入力電力において増幅の効率が飽和するため、負帰還ループ内の信号の電力が急激に上昇する。そして、測定器270によって測定される電力が急激に上昇し、比較器280からレベルダウンが出力される。
これにより、クリッピング回路210におけるクリッピングレベルが低くなるため、アンプ250へ入力される信号の最大電力は比較的低い電力P2となる。平均電力P3は、アンプ250へ入力される信号の平均電力を示している。クリッピング回路210は信号の波形をクリッピングするため、クリッピング回路210におけるクリッピングレベルが変化してもアンプ250へ入力される信号の平均電力はほとんど変化しない。
このため、平均電力P3は、アンプ250の特性が特性413であっても、アンプ250の特性が特性411である場合とほとんど変わらない。このため、たとえば信号レベル自体を制御する方法と比べて、平均電圧P3の低下を抑えることができる。このため、信号の電力を安定させつつ信号の波形の歪を補償することができる。
効率E1は、アンプ250の特性が特性411である場合のアンプ250における増幅の効率を示している。効率E2は、アンプ250の特性が特性413であり、クリッピングした場合のアンプ250における増幅の効率を示している。効率E3は、アンプ250の特性が特性413であり、クリッピングしない場合のアンプ250における増幅の効率を示している(アンプ250における入力電力をP4とする)。増幅装置100においては、アンプ250の特性が特性413であっても平均電力P3の低下を回避することができるため、アンプ250における効率をE3からE2へ向上させることができる。
このように、実施の形態2にかかる増幅装置100によれば、アンプ250へ入力される入力信号の波形をクリッピングすることで、負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなることを回避することができる。このため、負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなってアンプ250の前段の部品が破壊されることを回避することができる。
また、温度変化などによってアンプ250の特性が変化しても安定して動作させることができるため、アンプ250における飽和領域付近の電力で増幅を行うことが可能になる。これにより、アンプ250における増幅効率を向上させることができる。
また、負帰還ループの前段において入力信号の波形をクリッピングすることで、負帰還ループ内の信号の劣化を抑えることができる。また、クリッピング回路210を負帰還ループの前段に設けることで、クリッピング回路210によって帯域が広がった信号の帯域を制限するフィルタを負帰還ループの前段に設けることが可能になる。このため、クリッピング回路210によって帯域が広がった信号の帯域を制限するフィルタを設けても、負帰還ループ内の信号の劣化を抑えることができる。
(実施の形態3)
(増幅装置の構成)
図5は、実施の形態3にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。図5において、図2に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図5に示すように、実施の形態3にかかる増幅装置100は、図2に示した増幅装置100の構成に加えて算出器510を備えている。クリッピング回路210は、算出器510から出力されたクリッピングレベルVthをクリッピングレベルとして設定する。
比較器280は、レベルダウン信号およびレベルアップ信号を算出器510へ出力する。算出器510は、クリッピング回路210におけるクリッピングレベルVthを算出する。具体的には、算出器510は、比較器280からレベルダウン信号が出力された場合はクリッピングレベルVthをダウンさせ、比較器280からレベルアップ信号が出力された場合はクリッピングレベルVthをアップさせる。算出器510は、算出したクリッピングレベルVthをクリッピング回路210へ出力する。
(増幅装置の動作)
図6は、図5に示した増幅装置の動作の一例を示すフローチャートである。まず(START)、測定器270が、Ich信号およびQch信号の瞬時電力を測定する(ステップS601)。つぎに、比較器280が、ステップS601によって測定された瞬時電力が電力閾値より大きいか否かを判断する(ステップS602)。
ステップS602において、測定された瞬時電力が電力閾値より大きい場合(ステップS602:Yes)は、比較器280が、算出器510へレベルダウン信号を出力し(ステップS603)、ステップS605へ移行する。測定された瞬時電力が電力閾値以下である場合(ステップS602:No)は、比較器280が、算出器510へレベルアップ信号を出力する(ステップS604)。
つぎに、算出器510が、クリッピングレベルを算出する(ステップS605)。具体的には、算出器510は、ステップS603によってレベルダウン信号が出力された場合はクリッピングレベルをダウンさせ、ステップS604によってレベルアップ信号が出力された場合はクリッピングレベルをアップさせる。
つぎに、クリッピング回路210が、ステップS605によって算出されたクリッピングレベルを設定し(ステップS606)、ステップS601へ戻って処理を続行する。以上のステップにより、測定器270によって測定された電力が電力閾値を超えた場合に、クリッピング回路210におけるクリッピングレベルをダウンさせることができる。これにより、測定器270によって測定される電力が電力閾値以下になるように入力信号の波形をクリッピングすることができる。
このように、実施の形態3にかかる増幅装置100によれば、実施の形態2にかかる増幅装置100と同様の効果を得ることができる。また、クリッピング回路210のクリッピングレベルを算出器510によって算出することで、クリッピング回路210のクリッピングレベルを柔軟に変更することが可能になる。
(実施の形態4)
(増幅装置の構成)
図7は、実施の形態4にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。図7において、図2に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態4にかかる増幅装置100は、図2に示した増幅装置100の構成に加えてフィルタ710を備えている。フィルタ710は、比較器221,222とクリッピング回路210との間に設けられている。フィルタ710は、たとえばローパスフィルタである。
フィルタ710は、クリッピング回路210によって波形をクリッピングされた入力信号の帯域を制限する。具体的には、フィルタ710は、クリッピング回路210から比較器221,222へ出力されたIch信号およびQch信号を通過させ、通過させたIch信号およびQch信号の帯域を制限する。
これにより、クリッピング回路210のクリッピングによってIch信号およびQch信号の帯域が広がっても、フィルタ710によってIch信号およびQch信号の帯域を制限し、システムにおいて要求される信号帯域の条件を満たすようにすることができる。
また、フィルタ710を負帰還ループの前段に設けることによって、負帰還ループの動作に影響を与えずにIch信号およびQch信号の帯域を制限することができる。また、増幅装置100は、図7に示した構成に加えて算出器510を備えていてもよい。この場合の構成については、図5において説明したとおりであるため説明を省略する。
(信号の帯域の制限)
図8は、図7に示した増幅装置における信号のスペクトラムを示すグラフである。図8において、横軸は信号の周波数を示し、縦軸は信号の電力を示している。スペクトラム810は、増幅装置100へ入力された信号(Vi+Vq)のスペクトラムを示している。スペクトラム810に示す信号は、帯域が広がっておらず、システムにおいて要求される信号帯域の条件を満たしているとする。
スペクトラム820は、スペクトラム810に示した信号をクリッピング回路210によってクリッピングした信号のスペクトラムを示している。スペクトラム820に示すように、クリッピング回路210によってクリッピングした信号のスペクトラム820は、スペクトラム810に比べて帯域が広がっている。
スペクトラム830は、スペクトラム820に示した信号をフィルタ710に通した信号のスペクトラムを示している。スペクトラム830に示すように、フィルタ710を通した信号のスペクトラム830は、スペクトラム820に比べて帯域が狭くなっている。
このように、クリッピング回路210の後段にフィルタ710を設けることで、クリッピング回路210のクリッピングによって広がった信号の帯域を制限することができる。これにより、クリッピング回路210によるクリッピングを行っても、システムにおいて要求される信号帯域の条件を満たすようにすることができる。
このように、実施の形態4にかかる増幅装置100は、比較器221,222(減算部)とクリッピング回路210の間にフィルタ710を設けることで、クリッピング回路210のクリッピングによって広がった信号の帯域を制限することができる。これにより、クリッピング回路210によるクリッピングを行っても、システムにおいて要求される信号帯域の条件を満たすようにすることができる。
また、フィルタ710を比較器221,222(減算部)の前段に設けることによって、負帰還ループの動作に影響を与えずにIch信号およびQch信号の帯域を制限することができる。このため、負帰還ループ内の信号の劣化を抑えつつ、負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなることを回避することができる。
(実施の形態5)
(増幅装置の構成)
図9は、実施の形態5にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。図9において、図2に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図9に示すように、実施の形態5にかかる増幅装置100は、図2に示した増幅装置100の構成に加えて可変フィルタ910を備えている。
比較器280は、レベルダウン信号およびレベルアップ信号を、クリッピング回路210および可変フィルタ910のそれぞれへ出力する。可変フィルタ910は、比較器221,222とクリッピング回路210との間に設けられ、クリッピング回路210によって波形をクリッピングされた入力信号の帯域を制限する。
具体的には、可変フィルタ910は、クリッピング回路210から比較器221,222へ出力されたIch信号およびQch信号を通過させ、通過させたIch信号およびQch信号の帯域を制限する。これにより、クリッピング回路210のクリッピングによってIch信号およびQch信号の帯域が広がっても、可変フィルタ910によってIch信号およびQch信号の帯域を制限することができる。
また、可変フィルタ910は、Ich信号およびQch信号に対するフィルタ帯域が可変である。可変フィルタ910は、比較器280からレベルダウン信号が出力されるとフィルタ帯域を小さくする。また、可変フィルタ910は、比較器280からレベルアップ信号が出力されるとフィルタ帯域を大きくする。
これにより、クリッピング回路210におけるクリッピングレベルがダウンするときは可変フィルタ910のフィルタ帯域を小さくし、クリッピングレベルがアップするときは可変フィルタ910のフィルタ帯域を大きくすることができる。また、増幅装置100は、図9に示した増幅装置100の構成に加えて算出器510を備えていてもよい。
(増幅装置の動作)
図10は、図9に示した増幅装置の動作の一例を示すフローチャートである。まず(START)、測定器270が、Ich信号およびQch信号の瞬時電力を測定する(ステップS1001)。つぎに、比較器280が、ステップS1001によって測定された瞬時電力が電力閾値より大きいか否かを判断する(ステップS1002)。
ステップS1002において、瞬時電力が電力閾値より大きい場合(ステップS1002:Yes)は、比較器280が、クリッピング回路210へレベルダウン信号を出力する(ステップS1003)。つぎに、クリッピング回路210が、クリッピングレベルをダウンさせる(ステップS1004)。つぎに、可変フィルタ910が、フィルタ帯域を小さくし(ステップS1005)、ステップS1001へ戻って処理を続行する。
ステップS1002において、瞬時電力が電力閾値以下である場合(ステップS1002:No)は、比較器280が、クリッピング回路210へレベルアップ信号を出力する(ステップS1006)。つぎに、クリッピング回路210が、クリッピングレベルをアップさせる(ステップS1007)。つぎに、可変フィルタ910が、フィルタ帯域を大きくし(ステップS1008)、ステップS1001へ戻って処理を続行する。
以上のステップにより、測定された電力が電力閾値を超えた場合に、クリッピング回路210におけるクリッピングレベルをダウンさせるとともに可変フィルタ910のフィルタ帯域を小さくすることができる。クリッピング回路210におけるクリッピングレベルがアップするときは可変フィルタ910のフィルタ帯域を大きくすることができる。
(信号の帯域の制限)
図11は、図9に示した増幅装置における信号のスペクトラムを示すグラフである。図11において、横軸は信号の周波数を示し、縦軸は信号の電力を示している。スペクトラム1110は、増幅装置100へ入力された信号(Vi+Vq)のスペクトラムを示している。スペクトラム1110に示す信号は、帯域が広がっておらず、システムにおいて要求される信号帯域の条件を満たしているとする。
スペクトラム1120は、スペクトラム1110に示した信号を、クリッピング回路において高いクリッピングレベルによってクリッピングした信号のスペクトラムを示している。スペクトラム1120に示すように、高いクリッピングレベルでクリッピングされた信号のスペクトラム1120は、スペクトラム1110より帯域が少し広がっている。
スペクトラム1130は、スペクトラム1110に示した信号を、クリッピング回路において低いクリッピングレベルによってクリッピングした信号のスペクトラムを示している。スペクトラム1130に示すように、低いクリッピングレベルでクリッピングされた信号のスペクトラム1130は、帯域の広がりがスペクトラム1120より大きい。
これに対して、可変フィルタ910は、クリッピング回路210におけるクリッピングレベルがダウンするときはフィルタ帯域を小さくし、クリッピング回路210におけるクリッピングレベルがアップするときはフィルタ帯域を大きくすることができる。スペクトラム1140は、スペクトラム1120またはスペクトラム1130に示す信号を可変フィルタ910によって帯域制限した信号を示している。
これにより、クリッピング回路210におけるクリッピングによる帯域の広がりに応じて、可変フィルタ910によって信号の帯域を制限することができる。このため、クリッピング回路210のクリッピングレベルが変化しても、信号の帯域を柔軟に制御することで、システムにおいて要求される信号帯域の条件を満たすようにすることができる。
(可変フィルタの具体例)
図12は、図9に示した可変フィルタの具体例を示すブロック図である。図12に示すように、可変フィルタ910は、たとえば、フリップフロップ回路1211〜121n(FF)と、乗算回路1220〜122nと、加算回路1230と、を備えたFIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)フィルタである。
可変フィルタ910へ入力された信号(Ich信号またはQch信号)は、フリップフロップ回路1211と乗算回路1220のそれぞれへ入力される。フリップフロップ回路1211〜121nのそれぞれは、互いに直列に接続された遅延回路である。乗算回路1220には、可変フィルタ910へ入力された信号と、タップ係数C0と、が入力される。乗算回路1221〜122nには、それぞれフリップフロップ回路1211〜121nから出力された信号と、タップ係数C1〜Cnと、が入力される。
乗算回路1220〜122nのそれぞれは、入力された信号とタップ係数とを乗算して加算回路1230へ出力する。加算回路1230は、乗算回路のそれぞれから出力された信号を加算して後段(比較器221または比較器222)へ出力する。タップ係数C0〜Cnを変化させることで、可変フィルタ910のフィルタ帯域を調整することができる。
このように、実施の形態5にかかる増幅装置100は、比較器221,222(減算部)の前段に設けるフィルタを、クリッピング回路210のクリッピングレベルに応じてフィルタ形状を変化させる可変フィルタ910とする。これにより、信号の帯域の広がりに応じてフィルタ形状を変化させることができる。
このため、実施の形態2にかかる増幅装置100の効果を奏するとともに、クリッピング回路210のクリッピングレベルが変化しても、システムにおいて要求される信号帯域の条件を満たすようにすることができる。
また、可変フィルタ910のフィルタ形状としてフィルタ帯域を変化させる場合について説明したが、変化させる可変フィルタ910のフィルタ形状は、フィルタ特性(周波数に対する減衰率)の急峻さなどであってもよい。
(実施の形態6)
(増幅装置の構成)
図13は、実施の形態6にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。図13において、図5または図9に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態6にかかる増幅装置100は、図9に示した増幅装置100の構成に加えて算出器510を備えている。算出器510は、算出したクリッピングレベルVthを、クリッピング回路210および可変フィルタ910のそれぞれへ出力する。
可変フィルタ910は、算出器510から出力されたクリッピングレベルVthに応じたフィルタ帯域を設定する。たとえば、可変フィルタ910は、算出器510から高いクリッピングレベルVthが出力された場合は大きなフィルタ帯域を設定し、算出器510から低いクリッピングレベルVthが出力された場合は小さなフィルタ帯域を設定する。
(増幅装置の動作)
図14は、図13に示した増幅装置の動作の一例を示すフローチャートである。図14に示すステップS1401〜S1406は、図6に示したステップS601〜S606と同様であるため説明を省略する。ステップS1406によってクリッピングレベルを設定した後、つぎに、可変フィルタ910が、ステップS1405によって算出されたクリッピングレベルに応じたフィルタ帯域を設定し(ステップS1407)、ステップS1401へ戻って処理を続行する。
このように、実施の形態6にかかる増幅装置100によれば、実施の形態5にかかる増幅装置100と同様の効果を得ることができる。また、クリッピング回路210のクリッピングレベルを算出器510によって算出し、算出したクリッピングレベルに応じたフィルタ形状を可変フィルタ910に設定することができる。これにより、クリッピング回路210のクリッピングレベルに応じてフィルタ形状を柔軟に変化させることができる。
このため、クリッピング回路210のクリッピングレベルが変化しても、システムにおいて要求される信号帯域の条件を満たすようにすることができる。また、可変フィルタ910のフィルタ形状としてフィルタ帯域を変化させる場合について説明したが、変化させる可変フィルタ910のフィルタ形状は、フィルタ特性の急峻さなどであってもよい。
(実施の形態7)
(増幅装置の構成)
図15は、実施の形態7にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。図15において、図2に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図15に示すように、実施の形態7にかかる増幅装置100は、図2に示した構成において、クリッピング回路210に代えてPAPRリダクション回路1510を備えている。
PAPRリダクション回路1510は、ピーク電力と平均電力との比が大きい変調方式(たとえばOFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)において、システムにおいて要求されるEVM(Error Vector Magnitude)やスペクトラムマスクなどの仕様を満たす範囲で、ピーク電力と平均電力との比を小さくする。
PAPRリダクション回路1510は、原理的な構成としては、クリッピング回路とフィルタを組み合わせたものである。具体的には、PAPRリダクション回路1510は、入力された各信号のピーク電力を抑えることで、各信号のピーク電力と平均電力の比を小さくする。したがって、PAPRリダクション回路1510によって各信号のピーク電力と平均電力の比を小さくする動作によって、各信号のクリッピングを行うことができる。また、PAPRリダクション回路1510は、各信号の帯域の制限も行う。
アンプ250へ入力されるIch信号およびQch信号は、アンプ250において歪が容認できる入力電圧の上限にピーク電力を合わせることになるため、ピーク電力と平均電力の比が小さくなれば、大きな平均電力で同じアンプ250を使うことができる。このため、アンプ250を効率よく使うことができる。
PAPRリダクション回路1510は、通常、システムにおいて要求されるEVMやスペクトラムマスクなどの仕様を満たす範囲において、ピーク電力と平均電力との比が最も小さくなるまでクリッピングを行うように設計される。したがって、比較器280からレベルダウン信号が出力され、信号のピーク電力をさらに小さくすると、システムにおいて要求されるEVMやスペクトラムマスクなどの仕様を満たすことができなくなる。
これに対して、たとえば、アンプ250の飽和電力が最も低くなる場合(たとえば図4の特性413)を基準にして、PAPRリダクション回路1510における初期状態のクリッピングレベルを設定する。この場合は、PAPRリダクション回路1510のクリッピングレベルが初期状態よりも常に高くなる。このため、EVMやスペクトラムマスクなどの条件も、初期状態に対して常に良好にすることができる。
図16は、PAPRリダクション回路によるクリッピングを示す図である。図16において、波形1610は、PAPRリダクション回路1510へ入力された信号(Ich信号またはQch信号)の波形を示している。図15に示したPAPRリダクション回路1510は、たとえば、波形1610のクリップレベルを超えた部分をそのまま取り除くものであってもよい。この場合は、PAPRリダクション回路1510によってクリッピングされた信号は波形1620のようになる。
または、PAPRリダクション回路1510は、たとえば、波形1610のクリップレベルを超えた部分を、クリッピング後の波形がなだらかになるように取り除くものであってもよい。この場合は、PAPRリダクション回路1510によってクリッピングされた信号は波形1630のようになる。また、PAPRリダクション回路1510は、クリッピングとフィルタリングを複数回繰り返すものであってもよい。
このように、実施の形態7にかかる増幅装置100によれば、クリッピング回路210に代えてPAPRリダクション回路1510を設けることで、実施の形態2にかかる増幅装置100と同様の効果を得ることができる。また、PAPRリダクション回路1510をクリッピング回路として用いることで、従来のPAPRリダクション回路1510を備える増幅装置に対して新たなクリッピング回路を設けなくても実現することができる。
(実施の形態8)
(増幅装置の構成)
図17は、実施の形態8にかかる増幅装置の構成を示すブロック図である。図17において、図5に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図17に示すように、実施の形態8にかかる増幅装置100は、図5に示した増幅装置100の構成に加えて、電力制御回路1710と、EVM測定器1720と、比較器1730と、電力算出器1740と、を備えている。
クリッピング回路210は、波形をクリッピングしたIch信号およびQch信号を電力制御回路1710へ出力する。電力制御回路1710は、クリッピング回路210から出力されたIch信号およびQch信号の電力を制御する。電力制御回路1710は、電力を制御したIch信号およびQch信号をそれぞれ比較器221,222へ出力する。
EVM測定器1720は、電力制御回路1710から比較器221,222へ出力されるIch信号およびQch信号のEVMを測定し、測定したEVMを比較器1730へ出力する。比較器1730には、EVM測定器1720から出力されたEVMと、システムにおいて要求されるEVMに相当するEVM閾値と、が入力される。
比較器1730へ入力されるEVM閾値は、変調方式や誤り訂正方式などによってあらかじめ定められる。比較器1730は、EVM測定器1720から出力されたEVMとEVM閾値とを比較し、比較結果を算出器510および電力算出器1740へ出力する。
算出器510は、比較器280からレベルダウン信号が出力された場合に、比較器1730から出力された比較結果に基づいて、EVMがEVM閾値に対してマージンがあるか否かを判断する。そして、算出器510は、EVMがEVM閾値に対してマージンがあると判断した場合は、算出するクリッピングレベルをダウンさせ、EVMがEVM閾値に対してマージンがないと判断した場合は、算出するクリッピングレベルを維持する。
電力算出器1740は、比較器280からレベルダウン信号が出力された場合に、比較器1730から出力された比較結果に基づいて、EVMがEVM閾値に対してマージンがあるか否かを判断する。そして、電力算出器1740は、EVMがEVM閾値に対してマージンがないと判断した場合は算出する電力をダウンさせ、EVMがEVM閾値に対してマージンがあると判断した場合は算出する電力を維持する。
また、増幅装置100は、図17に示した構成に加えてフィルタ710を備えていてもよい。この場合の構成については、図7において説明したとおりであるため説明を省略する。また、増幅装置100は、図17に示したクリッピング回路210に代えてPAPRリダクション回路1510を備えていてもよい。この場合の構成については、図15において説明したとおりであるため説明を省略する。
(増幅装置の動作)
図18は、図17に示した増幅装置の動作の一例を示すフローチャートである。まず(START)、測定器270が、Ich信号およびQch信号の瞬時電力を測定する(ステップS1801)。つぎに、比較器280が、ステップS1801によって測定された瞬時電力が電力閾値より大きいか否かを判断する(ステップS1802)。
ステップS1802において、測定された瞬時電力が電力閾値より大きい場合(ステップS1802:Yes)は、比較器280が、クリッピング回路210へレベルダウン信号を出力する(ステップS1803)。つぎに、EVM測定器1720から出力されたEVMのEVM閾値に対するマージンがあるか否かを判断する(ステップS1804)。
ステップS1804において、EVM測定器1720から出力されたEVMのEVM閾値に対するマージンがある場合(ステップS1804:Yes)は、算出器510が、算出するクリッピングレベルをダウンさせる(ステップS1805)。つぎに、クリッピング回路210が、ステップS1805によって算出されたクリッピングレベルを設定し(ステップS1806)、ステップS1801へ戻って処理を続行する。
ステップS1804において、EVM測定器1720から出力されたEVMのEVM閾値に対するマージンがない場合(ステップS1804:No)は、電力算出器1740が、算出する電力をダウンさせる(ステップS1807)。つぎに、電力制御回路1710が、ステップS1807によって算出された電力を設定し(ステップS1808)、ステップS1801へ戻って処理を続行する。
ステップS1802において、測定された瞬時電力が電力閾値以下である場合(ステップS1802:No)は、比較器280が、クリッピング回路210へレベルアップ信号を出力する(ステップS1809)。つぎに、電力算出器1740が、ステップS1807によって電力をダウンさせたか否かを判断する(ステップS1810)。
ステップS1810において、電力をダウンさせていた場合(ステップS1810:Yes)は、電力算出器1740が、算出する電力をアップさせる(ステップS1811)。つぎに、電力制御回路1710が、ステップS1811によって算出された電力を設定し(ステップS1812)、ステップS1801へ戻って処理を続行する。
ステップS1810において、電力をダウンさせていない場合(ステップS1810:No)は、算出器510が、算出するクリッピングレベルをアップさせる(ステップS1813)。つぎに、クリッピング回路210が、ステップS1813によって算出されたクリッピングレベルを設定し(ステップS1814)、ステップS1801へ戻って処理を続行する。
このように、実施の形態8にかかる増幅装置100は、クリッピング回路210によって波形をクリッピングされた信号の通信品質をEVM測定器1720(品質測定部)によって測定する。そして、算出器510(制御部)が、測定された通信品質が閾値以上となる範囲でクリッピング回路210におけるクリッピングレベルを制御する。
これにより、信号の通信品質は閾値以上に維持しつつ、実施の形態2にかかる増幅装置100と同様の効果を得ることができる。また、通信品質としてEVMを測定する場合について説明したが、測定する通信品質は、信号の通信品質を示す他の値であってもよい。
また、通信品質の閾値に対するマージンがなく、それ以上クリッピングレベルをダウンさせることができない場合は、電力制御回路1710によって各信号の電力をダウンさせる。これにより、負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなることを回避することができる。このため、負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなってアンプ250の前段の部品が破壊されることを回避することができる。
以上説明したように、増幅装置によれば、負帰還ループ内の信号の劣化を抑えつつ、負帰還ループ内の信号のレベルが過剰に大きくなることを回避することができる。
なお、上述した実施の形態2〜8においては、増幅装置100は、入力されたIch信号およびQch信号の波形の歪を補償するとともに直交変調するものとして説明したが、増幅装置100はこのような構成に限らない。たとえば、増幅装置100には、1系統の信号が入力され、増幅装置100は、入力された信号の波形の歪を補償するものであってもよい。上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)入力信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器へ入力される前記入力信号を、前記増幅器によって増幅された信号により減算する減算部と、
前記減算部によって減算された前記入力信号の電力を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された電力に基づいて、前記減算部によって減算される前の前記入力信号の波形をクリッピングするクリッピング回路と、
を備えることを特徴とする増幅装置。
(付記2)前記クリッピング回路は、前記測定部によって測定された電力が電力閾値を超えた場合に、前記測定部によって測定される電力が電力閾値以下になるように前記入力信号の波形をクリッピングすることを特徴とする付記1に記載の増幅装置。
(付記3)前記減算部と前記クリッピング回路の間に設けられ、前記入力信号の帯域を制限するフィルタを備えることを特徴とする付記1に記載の増幅装置。
(付記4)前記クリッピング回路は、前記測定部によって測定された電力に基づいてクリッピングレベルを変化させ、
前記フィルタは、前記クリッピングレベルの変化に応じてフィルタ形状を変化させる可変フィルタであることを特徴とする付記3に記載の増幅装置。
(付記5)前記クリッピング回路によって波形をクリッピングされた信号の通信品質を測定する品質測定部と、
前記品質測定部によって測定された通信品質が閾値以上となる範囲で前記クリッピング回路におけるクリッピングレベルを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする付記1に記載の増幅装置。
(付記6)前記クリッピング回路は、前記測定部によって測定された電力に基づいてクリッピングレベルを変化させ、前記クリッピングレベルをアップさせる場合は、前記クリッピングレベルをダウンさせる場合より低速で前記クリッピングレベルを変化させることを特徴とする付記1に記載の増幅装置。
100 増幅装置
110 増幅器
120 減算部
130 測定部
140,210 クリッピング回路
221,222,280,1730 比較器
231,232 ループゲイン用アンプ
240 直交変調器
250 アンプ
260 直交復調器
270 測定器
411,412,413 特性
510 算出器
710 フィルタ
810,820,830,1110,1120,1130 スペクトラム
910 可変フィルタ
1211〜121n フリップフロップ回路
1220〜122n 乗算回路
1230 加算回路
1510 PAPRリダクション回路
1610,1620,1630 波形
1710 電力制御回路
1720 EVM測定器
1740 電力算出器
P1,P2 電力
P3 平均電力
E1,E2 効率
C0〜Cn タップ係数

Claims (3)

  1. 入力信号を増幅する増幅器と、
    前記増幅器へ入力される前記入力信号を、前記増幅器によって増幅された信号により減算する減算部と、
    前記減算部によって減算された前記入力信号の電力を測定する測定部と、
    前記測定部によって測定された電力に基づいて、前記減算部によって減算される前の前記入力信号の波形をクリッピングするクリッピング回路と、
    を備えることを特徴とする増幅装置。
  2. 前記減算部と前記クリッピング回路の間に設けられ、前記入力信号の帯域を制限するフィルタを備えることを特徴とする請求項1に記載の増幅装置。
  3. 前記クリッピング回路は、前記測定部によって測定された電力に基づいてクリッピングレベルを変化させ、
    前記フィルタは、前記クリッピングレベルの変化に応じてフィルタ形状を変化させる可変フィルタであることを特徴とする請求項2に記載の増幅装置。
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