JP2010224377A - 複合偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶性物質が配向してなる光学補償板を有し、環境温度の変化に曝されても光学補償板にクラックが発生し難い複合偏光板を提供する。
【解決手段】偏光板11、第一の粘着層21、光学補償板12、及び第二の粘着層22をこの順に積層して、複合偏光板30とする。光学補償板12としては、液晶性物質が配向してなり、その引張弾性率が1200N/mm2以下であるものを用いる。第一の粘着層21と光学補償板12との間には、第一の粘着層21側から位相差板13及び第三の粘着層23をこの順で配置してもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板と光学補償板とが積層されてなる複合偏光板に関する。また、本発明は、この複合偏光板が液晶セルに貼着されてなる液晶表示装置にも関係する。
偏光板と積層されて液晶表示装置の部材に用いられる光学補償板として、液晶性物質が配向してなる光学的異方性を有するものが知られている。例えば、特開平10−206637号公報(特許文献1)には、正の一軸性を示す液晶性高分子がフィルムの一方の面から他方の面にかけて傾き角を連続的に変化させてネマチックハイブリッド配向してなる補償フィルムが開示されている。また、特開2006−220770号公報(特許文献2)には、側鎖型の液晶性高分子がホメオトロピック配向してなる液晶フィルムが開示されている。これらの光学補償板は、通常、配向基板や他の基板等の支持体上に形成された状態で製造されるが、薄肉・軽量化の点から、好ましくは特開平8−278491号公報(特許文献3)や特開2004−226757号公報(特許文献4)に開示の如く、支持体から剥がされて用いられる。
前記光学補償板を偏光板と積層して液晶表示装置の部材に用いる場合、偏光板/粘着層/光学補償板/粘着層からなる複合偏光板や、偏光板/粘着層/位相差板/粘着層/光学補償板/粘着層からなる複合偏光板を構成し、これを液晶セルに貼着するのが、薄肉・軽量化や生産性・加工性の点で有利であるが、環境温度の変化により光学補償板にクラックが発生し易いという問題がある。そして、この問題は、複合偏光板が貼着される液晶セルの面が研磨処理及び/又はエッチング処理が施されたガラス面である場合に、特に生じ易く、ガラスの研磨処理及び/又はエッチング処理により発生したガラス屑等の異物が原因となっていると考えられる。
このような問題を解決するため、例えば特開2008−165199号公報(特許文献5)には、偏光板/粘着層/位相差板/粘着層/光学補償板/粘着層からなる複合偏光板において、光学補償板に積層された位相差板側(液晶セルと逆側)の粘着層の貯蔵弾性率を、光学補償板に積層された位相差板と逆側(液晶セル側)の粘着層の貯蔵弾性率より大きくすることが提案されている。しかしながら、かかる処方では粘着層を任意に選択できないため、例えば、貯蔵弾性率が大きい粘着層を液晶セル側に配置する場合や、粘着層に拡散性や帯電防止性といった機能を付与する場合に、複合偏光板の設計が制限される。
特開平10−206637号公報 特開2006−220770号公報 特開平8−278491号公報 特開2004−226757号公報 特開2008−165199号公報
そこで、本発明の目的は、液晶性物質が配向してなる光学補償板を有し、環境温度の変化に曝されても光学補償板にクラックが発生し難い複合偏光板を、粘着層の制限なく提供し、それを液晶表示装置に適用することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、偏光板、第一の粘着層、光学補償板、及び第二の粘着層がこの順に積層されてなる複合偏光板であって、前記光学補償板は、液晶性物質が配向してなり、その引張弾性率が1200N/mm2以下であることを特徴とする複合偏光板を提供する。
また、本発明によれば、液晶セルの少なくとも一方の面に、前記複合偏光板が、その第二の粘着層側で貼着されてなる液晶表示装置も提供される。
本発明の複合偏光板は、液晶性物質が配向してなる光学補償板を有し、環境温度の変化に曝されても光学補償板にクラックが発生し難く、特に液晶セルガラスの研磨処理及び/又はエッチング処理により発生したガラス屑等の異物に起因するクラックが発生し難いので、これを液晶セルに貼着することにより、耐環境性に優れる液晶表示装置が得られる。
複合偏光板の例を示す断面模式図である。 複合偏光板の例を示す断面模式図である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の複合偏光板は、偏光板、第一の粘着層、光学補償板、及び第二の粘着層がこの順に積層されたものである。そして、光学補償板として、液晶性物質が配向してなり、その引張弾性率が1200N/mm2以下のものを使用する。本発明の複合偏光板の例を図1に断面模式図で示した。図1の例では、偏光板11の片面に、第一の粘着層21を介して光学補償板12が積層され、光学補償板12の露出表面には、第二の粘着層22が設けられて、複合偏光板30が構成されている。第二の粘着層22の外側には、液晶セルに貼合するまで粘着層を仮着保護するセパレーター40が必要に応じて設けられる。
偏光板11は、入射光から直線偏光を取り出す機能を有するものであって、その種類は特に限定されない。好適な偏光板11の例として、ポリビニルアルコール系樹脂に二色性色素が吸着配向している偏光子を構成要素とするものが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルのケン化物であるポリビニルアルコールのほか、部分ホルマール化ポリビニルアルコール、エチレン/酢酸ビニル共重合体のケン化物などが挙げられる。二色性色素としては、ヨウ素又は二色性の有機染料が用いられる。また、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン配向フィルムも、偏光子となりうる。偏光子の厚さは通例5〜80μm程度であるが、これに限定されない。
偏光板11は、偏光子の片面又は両面に透明保護層を設けたものであってもよい。透明保護層は、フィルムをラミネートする方法や塗工液を塗布する方法などの適宜な方式で形成できる。好ましい透明保護層は、透明性や機械強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものである。その例として、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラートやポリエチレンナフタレートの如きポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリスチレン、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロースの如きセルロースアセテート系樹脂などからなるプラスチックフィルム、さらには、アクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系の如き、熱硬化型又は紫外線硬化型樹脂の塗布層などが挙げられる。また、透明保護層に、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタラートやポリエチレンナフタレートの如きポリエステル、ポリスルホン、オレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、トリアセチルセルロースの如きセルロースアセテート系樹脂、それらの樹脂の2種又は3種以上を混合したものを、延伸等により複屈折性を持たせたものを使用し、偏光状態を変化させる機能や、視野角を補償する機能をもたせてもよい。片面又は両面に透明保護層を有する場合であっても、偏光板11の厚さは通例、30〜200μm程度である。また、透明保護層には、ハードコートや、防眩性、光拡散性、帯電防止性等を付与するための表面処理をしてもよい。
光学補償板12は、液晶表示装置の視野角や色を補償する光学機能を有しており、液晶性物質が配向してなるものであって、支持体から剥がされた状態のものが好ましい。このような光学補償板に好ましく使用される液晶性物質として、側鎖型液晶性高分子化合物が挙げられる。側差型液晶性高分子化合物は、柔軟な主鎖に柔軟鎖を介して液晶層を発現させる中核単位であるメソゲン基が側鎖として結合したものであり、例えば、ポリアクリレートやポリメタクリレート、ポリシロキサン等を主鎖骨格とし、必要に応じて共役性の原子団等からなるスペーサー部を介して、側鎖としてメソゲン基を有する物などを挙げることができる。また、側鎖のメソゲン基からみて主鎖と逆側になる末端には、必要に応じて共役性の原子団等からなるスペーサー部を介して、オキセタニル基、エポキシ基、ビニルエーテル基等の架橋のための重合性官能基を、フィルムの引張弾性率を制御するために持たせてもよい。
光学補償板12は通常、支持基板上に液晶性化合物を塗布することで生産されるが、偏光板11等に接着して複合偏光板とする前に、支持基板を剥離することで、最終的には支持基板が付いていない状態で使用するのが好ましい。
光学補償板12の厚さは、例えば0.1〜30μm程度、好ましくは0.5〜25μm程度、さらに好ましくは3〜20μm程度である。
光学補償板12の引張弾性率は1200N/mm2以下とする。このように、光学補償板12の引張弾性率を所定値以下とすることにより、環境温度の変化により偏光板11に発生する収縮、膨張にともなう応力を緩和する効果を、光学補償板12にもたせることができるので、偏光板11の膨張、収縮に対して光学補償板12が追随した際に、光学補償板12のクラックの発生、特に異物による傷を起因としたクラックの発生を防止することができる。
光学補償板12の引張弾性率が1200N/mm2を超えると、光学補償板12が偏光板11の膨張、収縮に追随した際に、膨張、収縮に伴う応力を光学補償板12が緩和しきれなくなり、傷が拡大してクラックとなる恐れがある。
なお、光学補償板12の引張弾性率の下限は特に制限されるものでないが、あまり小さいとウェブハンドリング時に皺が発生したり、チップカット時に端部に皺が発生したりする等、加工時の問題が懸念されることから、通常500N/mm2以上が望ましい。また、光学補償板12は、支持体上に液晶層として形成された状態のまま、支持体付きで使用してもよいが、この場合、支持体なしの液晶層(光学補償板12)単独で、その引張弾性率が1200N/mm2以下になるようにすればよい。
光学補償板12の引張弾性率は、光学補償板12を引張試験機で応力を加えて延伸、あるいは膨張させた際に、引っ張り応力に対する変位をグラフ上にプロットしたときの変位の変化率、つまり,グラフの直線部分の傾きから求めることができる。
光学補償板12の引張弾性率の制御は、例えば、光学補償板12を構成する組成物のベースとなる液晶性ポリマーや、添加する重合性ポリマーの構造や分子量、添加量を調節したり、液晶性ポリマーや重合性ポリマーにおける架橋性官能基の含有割合、液晶性ポリマーや重合性ポリマーに対する架橋剤の配合割合を調節したりすることで、架橋度ないし架橋後の分子量を調節するなど、公知の方法に準じた適宜な方法で行うことができる。
また、市販品、例えば、新日本石油(株)から販売されているフィルムであって、棒状のネマチック液晶が膜厚方向に傾きを変えながら斜め配向した状態、すなわちネマチックハイブリッド配向状態で固定されている“NHフィルム”や、“NVフィルム”などの中から、所望の引張弾性率を有するものを選択してもよい。
本発明の複合偏光板においては、偏光板11と光学補償板12の間に、必要に応じて位相差板を設けてもよい。位相差板を設ける場合の模式図を図2に示す。図2の例では、偏光板11の片面に、第一の粘着層21を介して位相差板13が積層され、さらに位相差板13の反対側には第三の粘着層23を介して光学補償板12が積層され、光学補償板12の露出表面には、第二の粘着層22が設けられて、複合偏光板30が構成される。第二の粘着層22の外側には、液晶セルに貼合するまで粘着層を仮着保護するセパレーター40が必要に応じて設けられる。
位相差板13は通常、樹脂の延伸フィルムで構成される。位相差板13を構成する樹脂の例としては、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタラートやポリエチレンナフタレートの如きポリエステル、ポリスルホン、オレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、トリアセチルセルロースの如きセルロースアセテート系樹脂、それらの樹脂の2種又は3種以上を混合したものなどが挙げられる。位相差板13の厚さは通常10〜200μm程度である。
また、図1や図2の例において、偏光板11の上側(第一の粘着層21の反対側)には、複合偏光板30を液晶セルからみてバックライト側に配置する際、液晶表示装置に組み込んだ際の輝度を上昇させるために、輝度向上フィルムを、第四の粘着層を介して貼合してもよい。このような輝度向上フィルムとしては、例えば3M社製の“DBEF”などがあるが、これに限定されない。
第一の粘着層21、第二の粘着層22、第三の粘着層23、及び第四の粘着層を構成する粘着剤としては、それぞれ特に限定されず、例えば、アクリル系やシリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ゴム系などの適宜な粘着剤を用いることができる。中でも、光学的透明性や粘着特性、耐候性などの点から、アクリル系粘着剤が好ましい。
また、各粘着層には、各種拡散剤を分散させて拡散性を付与したり、各種導電性物質を混合して帯電防止性を付与したりする等、用途に応じて機能性を持たせてもよい。
偏光板11への第一の粘着層21の形成、位相差板13への第三の粘着層23の形成、また光学補償板12への第二の粘着層22の形成は、例えば、粘着剤の溶液ないし溶融液を流延方式や塗工方式等の適宜な展開方法で、偏光板11、位相差板13又は光学補償板12の所定面に直接敷設する方式、それに準じてセパレーター上に粘着層を形成し、それを偏光板11、位相差板13又は光学補償板12の所定面に貼着し、必要に応じてセパレーターを剥がす方式などにより、行うことができる。粘着層の厚さは、接着力などに応じて適宜決定できるが、一般には3〜100μm程度の範囲とされ、好ましくは5〜50μm程度の範囲から選択される。
なお、偏光板11を構成する透明保護層、位相差板13、光学補償板12、また各粘着層には、必要に応じて、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物の如き紫外線吸収剤を配合する方法などにより、紫外線吸収能をもたせてもよい。
本発明による複合偏光板30は、品質のバラツキ防止や液晶表示装置の組立効率の向上などを目的に、偏光板11、必要に応じて位相差板13、及び光学補償板12を予め接着して複合偏光板30とするとともに、その光学補償板12の外側に第二の粘着層22を予め設け、それを介して液晶セルに貼着できるようにしたものである。したがって、液晶表示装置の形成に好ましく用いられる。偏光板11、位相差板13及び光学補償板12の積層に際し、それらの光学軸は、目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルの少なくとも片面に、これまでに説明した複合偏光板30が、その第二の粘着層22の側で貼着された液晶パネルを使用したものである。液晶表示装置の形成は、常法に準じて行うことができる。すなわち、液晶表示装置は一般に、液晶セルと、偏光板11と、必要に応じて位相差板13と、光学補償板12とを貼合して液晶パネルとし、必要に応じて照明システム等の構成部品を組み込み、さらに駆動回路を組み込むことにより形成されるが、本発明においては、本発明の複合偏光板30を液晶セルの少なくとも片面に貼着すること以外は、常法に従って、液晶表示装置を組み立てることができる。
特に、複合偏光板30が貼着される液晶セルの面が研磨処理及び/又はエッチング処理が施されたガラス面である場合、ガラスの研磨処理及び/又はエッチング処理により発生したガラス屑等の異物が原因となって、環境温度の変化により複合偏光板30中の光学補償板12にクラックが発生し易いところ、本発明のように、複合偏光板30中の光学補償板12の引張弾性率を所定値以下にすることにより、クラックの発生を効果的に抑制することができる。
また、本発明の複合偏光板30を用いれば、偏光板11と液晶セルの間に光学補償板12が配置できるので、液晶セルの視野角補償に優れた効果がある。図1または図2に示した複合偏光板30は、通常、セパレーター40を剥がした後、第二の粘着層22で液晶セルに貼着される。
本発明の複合偏光板を適応する液晶表示装置の駆動方式は特に限定されるものではないが、電界効果複屈折(Electrically Controlled Birefringence:ECB)モードや、横電界(In-Plane Switching:IPS)モードにおいてより好ましく使用される。ECBモードにおいては、棒状のネマチック液晶が膜厚方向に傾きを変えながら斜め配向して固定された状態、すなわちネマチックハイブリッド配向した状態で固定された光学補償板が好ましく使用される。一方、IPSモードにおいては、棒状のネマチック液晶が膜厚方向に配向して固定された状態、すなわちホメオトロピック配向した状態で固定された光学補償板が好ましく使用される。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[実施例1]
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している厚さ28μmの偏光フィルムの両面に、ポリビニルアルコール系接着層を介して厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルムが接着しており、その片面に厚さが15μmの第一のアクリル系粘着層が設けられている粘着剤付き偏光板を用意した。
別途、棒状のネマチック液晶が膜厚方向に傾きを変えながら斜め配向した状態で固定されており、引張弾性率が1070N/mm2である、面内位相差値が100nmの光学補償板〔新日本石油(株)から販売されている“NHフィルム NSAP0052100”。支持体はトリアセチルセルロースフィルム〕を用意した。光学補償板の引張弾性率は以下のように測定した。すなわち、支持体から剥がした光学補償板を幅15mm、長さ130mmのサイズに裁断してサンプルとし、サンプルの有効長が100mmになるように、エアーチャックでサンプルの両端を挟んでオートグラフ(AG−IS、SHIMAZU社)にセットした後、引張速度を毎分1mmとして引張試験を行った。引張弾性率は、測定開始から降伏点までの応力を歪に対してプロットした後、直線部分の傾きから計算した。計算には、静的材料試験機用ソフトウエア、TRAPEZIUM Ver.2(SHIMAZU社)を用いた。
支持体が付いた状態の上記光学補償板に、セパレーター上に設けられた厚さが25μmである第二のアクリル系粘着層を貼着した後、光学補償板から支持体を剥離し、次にその光学補償板の露出面を、上の粘着剤付き偏光板の第一の粘着層に貼着した。こうして、複合偏光板を作製した。この際、偏光板の延伸方向(吸収軸)を0度として、液晶ポリマーからなる光学補償板の流れ方向(ロール状で供給されたフィルムの長手方向)が45度となるように配置した。
[実施例2]
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している厚さ28μmの偏光フィルムの片面に、ポリビニルアルコール系接着層を介して厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルムが接着しており、その反対側の面に厚さが5μmの第一のアクリル系粘着層が設けられている粘着剤付き偏光板を用意した。また、ノルボルネン系樹脂の延伸フィルムからなり、面内位相差値が280nmの位相差板〔住友化学(株)から販売されている“スミカライト SES430280”〕の片面に、厚さが5μmである第三のアクリル系粘着層を設けて、粘着剤付き位相差板とした。この粘着剤付き位相差板の粘着層が形成されていない側を、上記粘着剤付き偏光板の第一の粘着層に貼合して、偏光板/第一の粘着層/位相差板/第三の粘着層の構成とした。
実施例1で使用したものと同じ、棒状のネマチック液晶が膜厚方向に傾きを変えながら斜め配向した状態で固定されており、引張弾性率が1070N/mm2である、面内位相差値が100nmの光学補償板(支持体付き)に第二のアクリル系粘着層を貼着した後、光学補償板から支持体を剥離し、次にその光学補償板の露出面を、上の偏光板/第一の粘着層/位相差板/第三の粘着層からなる積層品の第三の粘着層に貼着した。こうして、複合偏光板を作製した。この際、偏光板の延伸方向(吸収軸)を0度として、位相差板の延伸方向(遅相軸)が45度、液晶ポリマーからなる光学補償板の流れ方向(ロール状で供給されたフィルムの長手方向)が135度となるように配置した。
[実施例3]
棒状のネマチック液晶が膜厚方向に配向した状態で固定されており、面内位相差値が0.5nm、厚さ方向の位相差値が110nm、引張弾性率が730N/mm2の光学補償板〔新日本石油(株)から販売されている“NVフィルム”。支持体はトリアセチルセルロースフィルム〕を用意し、複合偏光板において、偏光板の延伸方向(吸収軸)を0度として、位相差板の延伸方向(遅相軸)が90度、上記光学補償板の流れ方向(ロール状で供給されたフィルムの長手方向)が0度となるように配置した以外は、実施例2と同様にして複合偏光板を作成した。
[比較例1]
光学補償板として、引張弾性率が1350N/mm2の光学補償板〔新日本石油(株)から販売されている“NHフィルム NQDP0052100”。支持体はトリアセチルセルロースフィルム〕を用いた以外は、実施例1と同様にして複合偏光板を作製した。
[比較例2]
光学補償板として、引張弾性率が1350N/mm2の光学補償板〔新日本石油(株)から販売されている“NHフィルム NQDP0052100”。支持体はトリアセチルセルロースフィルム〕を用いた以外は、実施例2と同様にして複合偏光板を作製した。
[評価試験]
実施例1〜3、比較例1、2で得た複合偏光板から、それを構成する偏光板の吸収軸が、長辺に対して平行となるように45mm×60mmサイズのサンプルを切り出し、その第二の粘着層を介してガラス板の片面に接着した。このとき、ガラス面上には、予め調製したガラス破片(10μm〜300μmφのもの)を適宜配置し、サンプルとの間にガラス異物が挟まれるようにした。このサンプルについて、タバイエスペック(株)製の冷熱衝撃試験機“TSA−301L−W”(型式名)を使用し、−40℃に0.5時間保持し、次いで昇温して85℃に0.5時間保持することを1サイクルとして、最大250サイクル繰り返す冷熱衝撃試験を行った。所定サイクル経過時のサンプルを観察して、光学補償板におけるクラック発生の有無を調べた。結果を表1に示す。
Figure 2010224377
表1より、実施例1〜3のように、光学補償板の引張弾性率を1200N/mm2以下とすることで、ガラス上に異物が存在する場合でも、冷熱衝撃試験後のクラックの発生が抑制されることがわかる。
11……偏光板、
12……光学補償板、
13……位相差板、
21……第一の粘着層、
22……第二の粘着層、
23……第三の粘着層、
30……複合偏光板、
40……セパレーター。

Claims (4)

  1. 偏光板、第一の粘着層、光学補償板、及び第二の粘着層がこの順に積層されてなる複合偏光板であって、前記光学補償板は、液晶性物質が配向してなり、その引張弾性率が1200N/mm2以下であることを特徴とする複合偏光板。
  2. 第一の粘着層と光学補償板のと間に、第一の粘着層側から位相差板及び第三の粘着層がこの順で配置されている請求項1に記載に複合偏光板。
  3. 液晶セルの少なくとも一方の面に、請求項1又は2に記載の複合偏光板が、その第二の粘着層側で貼着されてなる液晶表示装置。
  4. 請求項1又は2に記載の複合偏光板が貼着される液晶セルの面が、研磨処理及び/又はエッチング処理が施されたガラス面である請求項3に記載の液晶表示装置。
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