JP2010224292A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実鏡映像光学系と1台のディスプレイを利用して、奥壁に設けられた表示部と、その手前における空中に別の実像を結像させて見ることができるようにした表示装置の提供。
【解決手段】表示装置1は、観察者側に向けて奥壁部に設けられ且つ観察者が直接視認する第1の表示領域21を含む表示部と、表示部に含まれ且つ表示情報を含む第2の表示領域22(被観察物)と、奥壁2よりも観察者側に配置され、第2の表示領域22の観察者側の空間と第1の表示領域21の観察者側の空間とを仕切る壁部3と、第2の表示領域22に対向するように配置された反射鏡8を含むとともに、壁部3に設けられ且つ対称面を含む半透過性の基盤を有し且つ、第1の表示領域21の観察者側の空間において、反射鏡8による第2の表示領域22の虚像の対称面に対する面対称位置に、第2の表示領域22の実像を結像させる実鏡映像結像光学系とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置に関し、特に、車輌など乗り物における運転者に対する情報表示手段としての表示装置に関する。
自動車の計器盤のような装置類の表示装置の手前(すなわち運転者(観察者)側)の空間に空中映像を表示できるようにすれば、映像の新しい表示様式を提案できるものと考えられる。一例として、自動車を運転中に運転者は、フロントガラスの前方の車外の様子を注視しながら、時折、計器盤を見て速度やエンジンの回転数や時刻表示などを確認しているが、例えば速度が出すぎているときなどにそのことを表す表示を計器盤に表示するよりは、計器盤の手前の本来何もないはずの空間に注意を喚起するような表示を浮かび上がらせた方が、運転者の注意をより引きやすく、交通事故の防止にも資することがあると考えられる。
3次元又は2次元の物体又は映像など被観察物を空中に実像として結像する技術として、例えばマイクロレンズアレイを利用した空中映像の表示装置が開発されている(例えば特許文献1参照)。これは、2次元像に対する正立など倍の結像系を利用したものであり、2次元像を表示する表示面と同じ大きさの光学デバイスによって、歪み無しに2次元像の空間的な平行移動を可能とするものである。このようなものであれば、通常のレンズに比較して光学デバイスの小型化及び薄型化を図ることができ、ディスプレイ装置の小型化にも資する。しかしながら、このような表示装置では、立体映像に見える2次元の実像が得られるが、これでは実際に3次元物体の実像を得ることはできない。また、この表示装置では、マイクロレンズアレイによる光の屈折を利用して結像する実像を観察するものであるために、観察者は、マイクロレンズアレイの正面からしか、像を見ることができない。
特開2001−255493公報
ところが、マイクロレンズアレイを用いた空中映像の結像方式を表示装置に適用した場合では、観察者から見てマイクロレンズアレイの奥側に被観察物とディスプレイや装置類の表示面の両方を配置することは物理的に不可能であることから、このような新しい表示様式にはマイクロレンズアレイは適していない。
一方、本発明者は、表示部と被観察物とを空間的に離れた位置に配置しつつ、観察者の視線上に表示部における表示と実鏡映像結像光学系による被観察物の実鏡映像とを同時に存在させる表示装置を提案している(特願2008−70415)。すなわち観察者は、奥壁にある表示部を観察しながらも、表示部の手前に結像する被観察物の実鏡映像を同時に観察することができるようになる。例えば、通常は表示部のみを観察するようにしておき、何らかのきっかけがあった場合にのみ被観察物の実鏡映像が表示部の手前の空間に結像するような構成とすれば、何もないはずの空間に像が現れることから、観察者の注意をより喚起しやすい映像の観察方法が得られることになる。
具体的には、奥壁と、この奥壁と対面する観察者側に向けて設けられる表示部と、奥壁よりも観察者側に配置される壁部と、この壁部の背面側に配置される被観察物と、壁部に露出して設けられて被観察物の実像を表示部の観察者側の空間において被観察物の面対称位置に結像させる実鏡映像結像光学系とを具備する表示装置であり、この実鏡映像結像光学系を、被観察物の実像を面対称位置に結像させる対称面(2面コーナーリフレクタアレイでは素子面とも称する)を前記壁部に露出して有し、この対称面に対して斜め方向にある観察者の視点から実像を観察可能とする。
ここで、表示部には、液晶ディスプレイやCRTディスプレイなどの画像表示装置の表示部や、機械装置などの計器盤などの表示部など利用でき、この表示部を本発明の表示装置において奥まった位置に設けられる奥壁に配置すればよい。
また、表示装置には、奥壁よりも観察者側に位置付けられる壁部を、上下左右の何れかを向けて配置していればよく、この壁部に実鏡映像結像光学系における対称面が設けられる。さらに壁部の背面側には、実鏡映像結像光学系により実鏡映縁を結像させるための被観察物が設けられる。被観察物には、2次元又は3次元の物体又は映像を適用することができる。すなわち、表示部と被観察物を別体で構成している。どちらも例えば液晶ディスプレイのような電子ディスプレイを用いて表示を作成するとすれば、電子ディスプレイが少なくとも2台必要になり、さらに、駆動回路や制御回路なども別々に設ける必要がある。
そこで本発明は、実鏡映像結像光学系と1台のディスプレイを利用して、奥壁に設けられた表示部と、その手前側における空中に別の実像を結像させて見ることができるようにした表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、観察者側に向けて奥壁部に設けられ且つ観察者が直接視認する第1の表示領域を含む表示部と、表示部に含まれ且つ表示情報を含む第2の表示領域(被観察物)と、奥壁よりも観察者側に配置され且つ第2の表示領域の観察者側の空間と第1の表示領域の観察者側の空間とを仕切る壁部と、第2の表示領域に対向するように第2の表示領域の観察者側の空間に配置された反射鏡を含むとともに、壁部に設けられ且つ対称面を含む半透過性の基盤を有し且つ、第1の表示領域の観察者側の空間において、反射鏡による第2の表示領域の虚像の対称面に対する面対称位置に、第2の表示領域の実像を結像させる実鏡映像結像光学系と、を含むことを特徴とする表示装置を提供する。
本発明においては、実鏡映像結像光学系は、基盤の対称面において間隙をもって配列された複数の2面コーナーリフレクタからなる2面コーナーリフレクタアレイを含むこと、2面コーナーリフレクタの各々は2つの直交する鏡面からなり、鏡面の交線が対称面に直交すること、第2の表示領域は、第2の表示領域から出た光線の一部が反射鏡を介して鏡面の交線へ入射し2面コーナーリフレクタの間を通過して、第1の表示領域の観察者側の空間に達するように、配置されていること、とすることができる。
また、本発明においては、実鏡映像結像光学系は、基盤に形成され且つ対称面として配置されたハーフミラーと、第2の表示領域の観察者側の空間において第2の表示領域から出た光線のうちハーフミラーで反射した光線を再帰反射する位置に配置された複数のレトロリフレクタと、を有することとすることができる。
本発明によれば、観察者側に向けて奥壁部に設けられる表示部と、前記奥壁よりも観察者側に配置される壁部と、当該壁部の背面側に配置される反射鏡と、当該壁部に露出して設けられ被観察物の実像を前記表示部の観察者側の空間に結像させる実鏡映像結像光学系と、を具備し、該表示部は観察者が直接視認する第1の表示領域と、該実像を形成するための被観察物を表示する観察者からは直接見えない第2の表示領域を単一のディスプレイ上に有し、第2の表示領域に表示された該被観察物を該反射鏡により反射し、さらに該実鏡映像結像光学系を通して、該被観察物の実像を前記表示部の観察者側の空間に結像させるので、該実鏡映像結像光学系に対して斜め方向にある観察者の視点から奥壁にある表示部を観察しながらも、表示部の手前に結像する被観察物の実鏡映像を同時に観察することができる。
ここで、表示部には、液晶ディスプレイやCRTディスプレイなどの電子ディスプレイの表示部や、機械装置などの計器盤などの表示部など、適宜のものを適用することができ、該第1の表示領域と該第2の表示領域を単一の表示装置内に作製したものであればよい。電子ディスプレイを用いる場合は、該第1の表示領域と該第2の表示領域は単一の電子ディスプレイの画面上に形成したものを利用できる。この表示部を本発明の表示装置において奥まった位置に設けられる奥壁に配置すればよい。また、本発明の表示装置には、奥壁よりも観察者側に位置付けられる壁部を、上下左右の何れかを向けて配置していればよく、この壁部に実鏡映像結像光学系における対称面が設けられる。さらに壁部の背面側には、実鏡映像結像光学系により実鏡映像を結像させるための第2の表示領域に設けられた被観察物からの光を反射して実鏡映像光学系へと導く反射鏡が設けられる。被観察物には、2次元又は3次元の物体又は映像を適用することができる。
このような表示装置であれば、表示部と被観察物とを単一のディスプレイで作成でき、観察者の視線上に表示部における表示と実鏡映像結像光学系による被観察物の実鏡映像と目を同時に存在させることが可能となる。すなわち観察者は、奥壁にある第1の表示領域に対応する表示部を観察しながらも、表示部の手前に結像する第2の表示領域に対応する被観察物の実鏡映像を同時に観察することができるようになる。例えば、通常は表示部のみを観察するようにしておき、何らかのきっかけがあった場合にのみ被観察物の実鏡映像が表示部の手前の空間に結像するような構成とすれば、何もないはずの空間に像が現れることから、観察者の注意をより喚起しやすい映像の観察方法が得られる表示装置を複数のディスプレイを利用することなく低価格で実現できることになる。
第2の表示領域に表示される被観察物は、反射鏡や実鏡映像結像光学系を介して観察者に観察されるため、反射時のロスなどがあるため、第2の表示領域の表示の明るさは、第1の表示領域の表示の明るさよりも、明るいことが好ましい。
実鏡映像結像光学系により空間に結像される実像を観察者にインパクトを持って観察させるためには、該第2の表示領域の表示の該画面上における大きさや位置を時間的に変化させることが好ましい。この時間的な変化は連続的であっても、不連続(離散的)であってもよい。画像の時間的変化を不連続とする場合には、実像の時間的な変化量を大きくすることができるため、観察者に対する注意喚起機能を際立たせることができる。
本発明において実鏡映像結像光学系は、基盤(対称面)に対して斜め方向からの視点から、結像された被観察物の実鏡映像を観察することができるものであり、その一つの具体例としては、2面コーナーリフレクタアレイからなる実鏡映像結像光学系を挙げることができる。2面コーナーリフレクタアレイは、2つの直交する鏡面により構成される2面コーナーリフレクタを複数、平面的に集合させたものであり、全ての鏡面に対して垂直となる共通な1つの平面を、被観察物と実鏡映像の間の対称面となるようにしたものである。この2面コーナーリフレクタアレイは、被観察物から発せられる光を各2面コーナーリフレクタの2つの鏡面で1回づつ2回反射させ且つその対称面を透過させることにより、2面コーナーリフレクタアレイの対称面に関して被観察物の面対称位置に、その被観察物の実鏡映像を結像させる作用を有している。
ここで、2面コーナーリフレクタアレイについて考察すると、光線を各2面コーナーリフレクタにおいて適切に屈曲させつつ素子平面を透過させるには、2面コーナーリフレクタを、対称面を貫通する方向に想定される光学的な穴の内壁を鏡面として利用するものと考えればよい。ただし、このような2面コーナーリフレクタは概念的なものであり、必ずしも物理的な境界などにより決定される形状を反映している必要は無く、例えば光学的な穴は相互に独立させることなく連結させたものとすることができる。
2面コーナーリフレクタアレイの構造は、単純に述べれば、対称面にほぼ垂直な鏡面を、対称面上に多数並べたものである。構造として問題となるのは、この鏡面をどのように対称面に支持固定するかということになる。鏡面形成のより具体的な方法としては、例えば2面コーナーリフレクタアレイを、所定の空間を区画する基盤を具備するものとして、当該基盤を通る1つの平面を対称面としてとして規定し、各2面コーナーリフレクタを、対称面を貫通する方向に想定される光学的な穴として、基盤に形成された穴の内壁を鏡面として利用するものとすることができる。この基盤に形成された穴は、光が透過するように透明でありさえすればよく、例えば内部が真空又は透明な気体又は液体で満たしたものでもよい。また穴の形状についても、その内壁に単位光学素子として働くための1枚又は複数の同一平面に含まれない鏡面を具備し、且つ、鏡面で反射した光が穴を透過できる限り、任意の形状を取ることが可能であり、各穴が連結していたり、一部が欠損している複雑な形状であってもよい。例えば、基盤の表面に個々の独立した鏡面が林立する態様などは、基盤に形成された穴が連結しているものと理解できる。
あるいは2面コーナーリフレクタは、光学的な穴として、透明なガラスや樹脂のような固体によって形成された筒状体を利用するものであってもよい。なお、固体によって個々の筒状体が形成されている場合、これらの筒状体は、相互に密着させて素子の支持部材として働かせてもよく、基盤を具備するものとして当該基盤の表面から突出した態様をとってもよい。また筒状体の形状についても、その内壁に2面コーナーリフレクタとして働くための1枚又は複数の同一平面に含まれない鏡面を具備し、且つ、鏡面で反射した光が筒状体を透過できる限り、任意の形状を取ることが可能であり、筒状体と称してはいるが各筒状体が連結していたり、一部が欠損している複雑な形状であってもよい。
ここで、前記光学的な穴として、立方体又は直方体のように隣接する内壁面が全て直交する形状を考えることができる。この場合、2面コーナーリフレクタ相互の間隔を最小化することができ、高密度な配置が可能となる。ただし、被観察物方向を向く2面コーナーリフレクタ以外の面は、反射を抑制することが望ましい。
2面コーナーリフレクタ内に複数の鏡面が存在する場合には、想定された回数以上の反射を起こす多重反射の透過光が存在する可能性がある。この多重反射対策として、光学的な穴の内壁に相互に直交する2つの鏡面を形成する場合は、これら2鏡面以外の面を、非鏡面として光が反射しないようにしたり、対称面に対して垂直とならないように角度を付けて設けたり曲面としたりすることで、3回以上の反射を起こす多重反射光を軽減又は除去できる。非鏡面とするには、その面を反射防止用の塗料や薄膜で覆う構成や、面粗さを粗くして乱反射を生じさせる構成を採用することができる。なお、透明で平坦な基盤としても光学素子の働きを阻害するものではないので、基盤を任意に支持部材・保護部材として用いることが可能である。
さらに、映像の実鏡映像の高輝度化を図るには、複数の2面コーナーリフレクタを、対称面上においてできるだけ間隔を空けずに配置することが望ましく、例えば格子状に配置することが有効である。またこの場合、製造も容易になるという利点がある。2面コーナーリフレクタにおける鏡面としては、固体であるか液体であるかに関わらず金属や樹脂などの光沢のある物質によって形成された平坦面で反射するもの、あるいは異なる屈折率を持つ透明媒質同士の平坦な境界面において反射又は全反射するものなどを利用することができる。また、鏡面を全反射によって構成した場合には、複数の鏡面による望まない多重反射は、全反射の臨界角を超える可能性が高くなることから、自然に抑制されることが期待できる。また、鏡面は、機能的に問題ない限り、光学的な穴の内壁のごく一部分に形成されていてもよく、平行に配置される複数の単位鏡面により構成されても構わない。後者の態様を換言すれば、1つの鏡面が複数の単位鏡面に分割されても構わないことを意味する。またこの場合、各単位鏡面は、必ずしも同一平面に存在していなくてもよく、それぞれが平行であればよい。さらに、各単位鏡面は、当接している態様、離れている態様のいずれもが許容される。
さらに、本発明において実鏡映像結像光学系として適用可能な他の具体例としては、光線を再帰反射させるレトロリフレクタアレイと光線を反射及び透過させるハーフミラー面を有するハーフミラーとを具備する光学系である。この実鏡映像結像光学系においては、ハーフミラー面をダッシュボード上面として基盤に露出して設定される表面(対称面)とし、被観察物から出た光線のうちハーフミラーで反射又は透過した光線を再帰反射し得る位置にレトロリフレクタアレイを配置しているものを挙げることができる。なお、レトロリフレクタアレイは、ハーフミラーに対して被観察物と同じ側の空間にのみ配置され、ハーフミラーで反射した光を再帰反射する位置に設けられる。ここでレトロリフレクタの作用である「再帰反射」とは、反射光を入射光が入射してきた方向へ反射(逆反射)する現象をいい、入射光と反射光とは平行であり且つ逆向きとなる。このようなレトロリフレクタの複数をアレイ状に配置したものがレトロリフレクタアレイであり、個々のレトロリフレクタが十分に小さい場合は、入射光と反射光の経路は重なると見なすことができる。このレトロリフレクタアレイにおいてレトロリフレクタは平面上に存在している必要はなく、曲面上にあってもよく、さらには同一面上に存在している必要はなく、各レトロリフレクタは3次元的に散在していても構わない。また、ハーフミラーは、光線を透過させる機能と反射させる機能の両方を備えているものをいい、好ましくは透過率と反射率がほぼ1:1のものが理想的である。
レトロリフレクタには、3つの隣接する鏡面から構成されるもの(広義には「コーナーリフレクタ」と呼ぶことができる)や、キャッツアイレトロリフレクタを利用することができる。コーナーリフレクタには、相互に直交する3つの鏡面から構成されるコーナーリフレクタ、3つの隣接する鏡面がなす角度のうち2つが90度であり、且つ他の1つの角度が90/N度(ただしNは整数)をなすもの、3つの鏡面がなす角度が90度、60度及び45度となる鋭角レトロリフレクタなどを採用することができる。
このようなレトロリフレクタアレイとハーフミラーを利用する実鏡映像結像光学系の場合、被観察物から出た光はハーフミラー面で反射し、さらにレトロリフレクタアレイで再帰反財して必ず元の方向に戻り、ハーフミラー面を透過して結像するため、ハーフミラーからの反射光を受けられる位置にある限りレトロリフレクタアレイの形状や位置は限定されない。そして、結像した実像の観察は、ハーフミラー面を透過する光線に対向する方向から観察することができる。
レトロリフレクタアレイを用いる場合は、第2の表示領域とレトロリフレクタアレイの位置関係に注意を払う必要がある。具体的には第2の表示領域からの光が反射鏡に到達する光路上にレトロリフレクタアレイが配置されないようにする必要がある。
電子ディスプレイを用いる場合でも、1台の電子ディスプレイで本発明の目的を達成することができるためコスト高を招かない。
本発明の一実施形態の表示装置を正面側から見た状態を示す斜視正面図である。 同実施形態の表示装置の要部を側方から見た状態を模式的に示す概略側面図である。 同実施形態の表示装置に適用される2面コーナーリフレクタアレイの結像様式を模式的に示す概略斜視図である。 同実施形態の表示装置に適用される2面コーナーリフレクタレイの具体的構成例を模式的に示す概略平面図及び部分切欠斜視図である。 同実施形態の表示装置に適用される2面コーナーリフレクタアレイによる結像様式を模式的に示す概略平面図である。 同実施形態の表示装置に適用される2面コーナーリフレクタアレイによる結像様式を模式的に示す概略側面図である。 同実施形態の表示装置に適用される2面コーナーリフレクタアレイに反射鏡を組合せた場合の結像様式を模式的に示す概略平面図である。 同実施形態の表示装置に適用される2面コーナーリフレクタアレイに反射鏡を組合せた場合の結像様式を模式的に示す概略側面図である。 同実施形態の表示装置に適用される2面コーナーリフレクタアレイに反射鏡を組合せた場合の結像様式を模式的に示す概略斜視図である。 本発明による他の実施形態の表示装置の要部の実鏡映像結像光学系に適用されるレトロリフレクタアレイ及びレトロリフレクタの一例による光線の再帰反射の態様を模式的に示す概略斜視図である。 本発明の他の実施形態を示す実鏡映像結像光学系に適用されるレトロリフレクタアレイ及びレトロリフレクタの他の例による光線の再帰反射の態様を模式的に示す概略側面図である。 同実鏡映像結像光学系に適用されるレトロリフレクタアレイの概略部分平面図及び該レトロリフレクタの一例による光線の再帰反射の態様を模式的に示す概概略部分平面図である。 同実鏡映像結像光学系に適用される他のレトロリフレクタアレイの概略部分平面図及び該レトロリフレクタの他の例による光線の再帰反射の態様を模式的に示す概概略部分平面図である。
以下に、本発明による一実施形態の表示装置について、図面を用いて説明する。
図1は本発明が適用される表示装置1を含む自動車車両の計器盤周りを示す。図2は、本発明が適用される表示装置1の一実施形態を示す概略断面図である。この表示装置1は、自動車などの輸送機器の運転台に設けられる計器盤とその周囲の部分に本発明を適用したものである。具体的に表示装置1は、観察者である運転者の視点Vから最も遠い部分に奥壁2を配置し、この奥壁2に連続する運転者側から見て手前の空間の四方を囲むように底壁3、左右の側壁4、上壁5を備えており、奥壁2の位置に計器盤の一種(計器類)の第1の表示領域21を設けている。第1の表示領域21は、液晶ディスプレイ20上に表示されている。液晶ディスプレイ20は底壁3より下の領域まで連続した透過型の表示パネル面を有しており、底壁3より下の部分は第2の表示領域22として前記被観察物の「画像P」を表示している。液晶ディスプレイの表示パネル背面にはバックライトBLが配置されており、第2の表示領域に対応する第2のバックライト部分BL2が第1の表示領域に対応する第1のバックライト部分BL1に対して約4倍の輝度で発光している。本実施態様ではバックライトの光源として発光ダイオードを使用しており、領域毎の発光輝度を変えるために、第2の表示領域に対応する第2のバックライト部分BL2には第1の表示領域に対応する第1のバックライト部分BL1に対して約4倍の実装密度で発光ダイオードが配置されている。両表示領域の境目にはバックライト仕切り板BL3が設けられており各領域の輝度を区分けしている。なお、奥壁2に設けられる第1の表示領域21には、図示例のような速度計だけでなく、種々の計器類を表示できることはいうまでもない。
本実施形態では、本発明における壁部として機能する底壁3に、実鏡映像結像光学系として2面コーナーリフレクタアレイ6を設け、さらに、底壁3の内部(すなわち下面側の空間)に反射鏡8を配置している。液晶ディスプレイの第2の表示領域22から発せられた光は反射鏡8で反射され、次いで2面コーナーリフレクタアレイ6を通じて奥壁2の手前側に空中映像Pを実鏡映像で結像する。図示例では、自動車の速度餌一定値を超えた場合に、液晶ディスプレイの第2の表示領域22に被観察物である画像「速度注意!」の文字とすることで、奥壁2の手前側且つ底壁3の上方の空間に、「速度注意!」の文字を実鏡映像Pとして浮かび上がらせるようにしている。なお、反射鏡8は液晶ディスプレイの第2の表示領域22に被観察物からの光を2面コーナーリフレクタアレイ6に導くのに適度な角度に設定されている。
以上の関係をさらに詳しく説明するために、まずは2面コーナーリフレクタアレイ単体の構成及び作用について説明し、次いで、反射鏡8を追加した場合の作用に付いて述べる。
2面コーナーリフレクタアレイ6単体は、図3、図4に模式的に示すように、2つの相互に直交する鏡面61a,61bから構成される2面コーナーリフレクタ61の多数の集合であり、全2面コーナーリフレクタ61を構成するそれぞれ2つの鏡面61a,61bに対してほぼ垂直な平面を対称面6Sとして、その面対称位置に被観察物である画像72の実鏡映像Pを結像させることで、観察者である運転者により空中映像が観察されるようにしたものである。なお、本実施形態において2面コーナーリフレクタ61は2面コーナーリフレクタアレイ6の全体の大きさ(cmオーダ)と比べて非常に微小(μmオーダ)であるので、図3では2面コーナーリフレクタ61の集合全体をグレーで表し、鏡面の開く内角の向きをV字形状で表し2面コーナーリフレクタ61を誇張して表現してある。そして、図4では、2面コーナーリフレクタアレイ6の模式的な平面図を図4(a)に、同(b)に部分的な斜視図を示す。但し、図4では、2面コーナーリフレクタアレイ6の全体に比して、2面コーナーリフレクタ61及び鏡面61a,61bを大きく誇張して表している。
2面コーナーリフレクタアレイ6は、例えば光線を屈曲しつつ透過し得るように、平板状の基盤に、平らな基盤表面に対して垂直に肉厚を貫通する物理的・光学的な穴を多数形成し、各穴の内壁面を2面コーナーリフレクタ61として利用するために、穴の内壁面のうち直交する2つにそれぞれ鏡面61a,61bを形成したものを採用することができる。したがって、基盤が少なくとも半透過性となるように、図4に示すように、薄い平板状の基盤に平面視ほぼ矩形状(例えば正方形状)の光線が透過する物理的・光学的な穴(例えば一辺が例えば50〜200μm)を多数形成し、各穴のうち隣接して直交する2つの内壁面に平滑鏡面処理を施して鏡面61a,61bとすれば、これら2つの鏡面61a,61bを反射面とする2面コーナーリフレクタ61を得ることができる。さらに、各鏡面61a,61bの上端を含む基盤の上面を底壁3と同じ色に着色することにより、底壁3との一体感を増すことができる。なお、穴の内壁面のうち2面コーナーリフレクタ61を構成しない部分には鏡面処理を施さず光が反射不能な面とするか、又は角度をつけるなどして多重反射光を抑制することが好ましい。さらに上記した底壁3との一体化向上のためにはこの面(2面コーナーリフレクタ61を構成しない部分)も底壁3と同じ色に着色することが好ましい。また、各2面コーナーリフレクタ61は、基盤上において鏡面61a,61bがなす内角が全て同じ向きとなるように、規則的な格子点上に整列させて形成することが好ましい。よって、各2面コーナーリフレクタでは、2つの直交する鏡面CLの交線が対称面6Sに直交することが好ましい。以下、この鏡面61a,61bの内角の向きを、2面コーナーリフレクタ61の向き(方向)と称することがある。
鏡面61a,61bの形成にあたっては、例えば金属製の金型をまず作成し、鏡面61a,61bを形成すべき内壁面をナノスケールの切削加工処理や、金型を用いたプレス工法をナノスケールに応用したナノインプリント工法又は電鋳工法による処理をすることによって鏡面形成を行い、これらの面粗さを10nm以下とし、可視光スペクトル域に対して一様に鏡面となるようにするとよい。なお、電鋳工法によりアルミやニッケルなどの金属で基盤を形成した場合、鏡面61a,61bは、金型の面粗さが十分小さければ、それによって自然に鏡面となるが、ナノインプリント工法を用いて、基盤を樹脂製などとした場合には、鏡面61a,61bを作成するには、スパッタリングなどによって、鏡面コーティングを施す必要がある。また、隣り合う2面コーナーリフレクタ6同士の離間寸法を極力小さく設定することで、透過率を向上させることができる。但し、2面コーナーリフレクタアレイ6の構成は上述のものに限定されず、直交する2つの鏡面61a,61bにより2面コーナーリフレクタ61が多数形成され、且つ各2面コーナーリフレクタ61が光学的な穴として光を透過するものであれば、適宜の構成及び製造方法を採用することができる。
そして、2面コーナーリフレクタアレイ6では、各2面コーナーリフレクタ61は、裏面側から穴に入った光を一方の鏡面61a(又は61b)で反射させ、さらにその反射光を他方の鏡面61b(又は61a)で反射させて表面側へと通過させる機能を有し、この光の進入経路と射出経路とが対称面6Sを挟んで面対称をなすこととなる。すなわち、2面コーナーリフレクタアレイ6の対称面6S(各鏡面の高さ方向中央部を通り且つ各鏡面と直交する面を仮定)は、底壁3の内部にある被観察物72の実像を、底壁3の上方空間における面対称位置に鏡像(実鏡映像)として結像させる対称面である。
ここで、2面コーナーリフレクタアレイ6による結像様式について、被観察物として点光源oから発せられた光の経路とともに簡単に説明する。図5に平面的な模式図で、図6に模式的な側面図でそれぞれ示すように、点光源oから発せられる光(一点鎖線矢印で示す。図5において3次元的には紙面奥側から紙面手前側へ進行する)は、2面コーナーリフレクタアレイ6を通過する際に、2面コーナーリフレクタ61を構成する一方の鏡面61a(又は61b)で反射して更に他方の鏡面61b(又は61a)で反射した後に対称面6Sを通過し、2面コーナーリフレクタアレイ6の対称面6Sに対して点光源oの面対称位置を広がりながら通過する。図5では入射光と反射光とが平行をなすように表されているが、これは同図では点光源oに対して2面コーナーリフレクタ61を誇張して大きく記載しているためであり、実際には各2面コーナーリフレクタ61は極めて微小なものであるため、同図のように2面コーナーリフレクタアレイ6を上方から見た場合には、入射光と反射光とは殆ど重なってみえる。すなわち、結局は点光源oの対称面6Sに対する面対称位置に透過光が集まり、図5、図6においてpの位置に実鏡映像として結像することになる。
次いで、反射鏡8を追加した場合の作用について図5及び図6に対応する図7及び図8を用いて述べる。図5では2面コーナーリフレクタ61の2つの鏡面(61a,61b)それぞれに最初に当たる光の経路、つまり2本の経路を描いて説明しているが、図7では煩雑さを避けるためにどちらか一方の鏡面に最初に当たる光のみを描いている。基本的な考え方は光源oから発せられて2面コーナーリフレクタ61に向かう光の経路上に配置された平面鏡で形成される反射鏡8により、光の経路を折り返すことによりpの位置に実鏡映像を結像させるということである。つまり図5及び図6の光源oの位置と、図7及び図8の光源oの位置が反射鏡8を2面コーナーリフレクタアレイ6の方向から見た場合に物体(図7及び図8の光源oに対応)と虚像o’(図5及び図6の光源oに対応)の関係に位置することになる。
本実施形態である反射鏡8を追加した場合の、2面コーナーリフレクタアレイ6、反射鏡8、及び液晶ディスプレイの第2の表示領域22の関係を、図3に対応するものとして描くと図9のようになる。これまでの説明から本形態においても、奥壁2の手前側且つ底壁3の上方の空間に、「速度注意!」の文字を実鏡映像Pとして浮かび上がらせることができることが判る。
このように、2面コーナーリフレクタアレイ6を底壁3に組み込んでいるため、図1に示したように、奥壁2に設けられた第1の表示領域21の手前側(観察者である運転者から見て)の空中に、実鏡映像Pを投影することができる。すなわち、本来は何もないはずの空中に本例のような注意表示が現れるため、観察者に対する注意喚起を促しやすくなる。また、計器類の第1の表示領域21の手前側に実鏡映像Pが浮かび上がるので、観察者(運転者)が第1の表示領域21を見る視線を他の箇所に外さなくても注意表示を見ることができるので、安全運転にも役立つといえる。
ここで、観察者が見ることになる実鏡映像Pを時間的に変化させると、さらに観察者の注意を引きやすくするためには極めて有用である。本実施形態では液晶ディスプレイを用いて第2の表示領域22に観察面像を作成しているので、このような変化を付加することが容易であり、例えば、観察画像の表示位置や大きさを変化させることで、実鏡映像Pに変化を持たせることも可能である。これらの観察画像の時間的な大きさや位置の変化は、連続的なものであってもよいし、不連続なものであってもよい。
以上に述べたように、本実施形態の表示装置1は自動車の計器盤に本発明を適用したものとして、奥壁2に液晶ディスプレイ上に計器類を表示する第1の表示領域21を設け、奥壁よりも運転者側に突出している底壁3に2面コーナーリフレクタアレイ6を設け、さらに、底壁3の内部(すなわち下面側の空間)に反射鏡8を配置し、液晶ディスプレイの第2の表示領域22から発せられた光は反射鏡8で反射され、次いで2面コーナーリフレクタアレイ6を通じて奥壁2の手前側に空中映像Pを浮かび上がらせて、運転者に注意を促すことができるものである。さらに、本実施形態では第1の表示領域21と第2の表示領域22が同一の液晶ディスプレイ上に形成されているため、空中映像Pを実現するための追加の表示装置が不要であるため、低コストで実現させている。なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。上述した例では、空中映像として「速度注意!」の文字が観察されるようにしたものについて説明したが、被観察物を液晶ディスプレイ上に作成しているので、他にも様々な文宇や映像(静止画、動画の何れでもよい)を表示して、その実鏡映像Pを空中に結像させて運転者に見せることができる、また、被観察物は2次元の画像に限らず、3次元の立体画像とすることも可能であり、それに応じて観察される実鏡映像Pも立体とすることができる。ただし、2面コーナーリフレクタアレイ6を利用する場合、被観察物と実鏡映像の奥行きは反転したものとなるため、被観察物を奥行きが予め反転した状態のものとすることで、正しい奥行きの実鏡映像を運転者に見せることができるようになる。
図10及び図11は、本発明が適用される表示装置の他の実施形態を示す概観図である。表示装置1’を正面から見た概観図は図1と同様である。この表示装置1’は、実鏡映像結像光学系のみが上述した実施形態の表示装置1と異なる。したがって、表示装置1と同一の構成については同一の名称及び符号を用いて説明するものとする。
本実施形態で適用される実鏡映像結像光学系9は、ハーフミラー91とレトロリフレクタアレイ92とを組み合わせたものである。そして、壁部として機能する底壁3に、ハーフミラー91を設けるとともに、底壁3の内部(すなわち下面側の空間)に反射鏡8を配置し、被観察物を表示する液晶ディスプレイの第2の表示領域22から発せられた光を反射鏡8で反射させハーフミラー91へと導いている。液晶ディスプレイ20は第1の実施形態と同様、同一の画面上に第1の表示領域21と第2の表示領域22を表示している。
第2の表示領域22の下側にはレトロリフレクタアレイ92が配置されており、ハーフミラー91からの光を再帰反射させる機能を有している。従って、被観察物を表示する液晶ディスプレイの第2の表示領域22から発せられた光は、反射鏡8で反射され、次にハーフミラー91で反射されレトロリフレクタアレイ92に向かい、次にレトロリフレクタアレイ92で再帰反射され再びハーフミラー91に向かうことになる。そして今度はハーフミラー91を透過して実鏡映像Pを結像する。このようにして図1と同じ表示を観察者に提供することができる。
ハーフミラー91は、例えば透明樹脂やガラスなどの透明薄板の一方の面に薄い反射膜をコーティングしたものを利用することができる。この透明薄板の反対側の面には、無反射処理(AR、コート〉を施すことで、観察される実鏡映像Pが2重になるのを防止することができる。なお、ハーフミラー91の上面には、それぞれ特定方向の光線を透過し且つ別の特定方向の光線を遮断するか、あるいは特定方向の光線のみを拡散する視線制御手段として、視界制御フィルム又は視野角調整フィルムなどの光学フィルム(図示せず)を貼り付けて設けることができる。具体的にはこの光学フィルムにより、ハーフミラー91を直接透過した光が視点V以外の位置には届かないようにすることで、ハーフミラー91を通じて視点V以外から反射鏡8に写った被観察像が直接観察できるようになることを防止する一方で、後述するハーフミラー91で一旦反射してレトロリフレクタアレイ92で再帰反射した後にハーフミラー91を透過する方向の光線のみを透過させることで、実鏡映像Pのみを特定の視点Vから観察できるようにしている。
一方、レトロリフレクタアレイ92には、入射光を厳密に逆反射させるものであればあらゆる種類のものを適用することができ、素材表面への再帰反射膜や再帰反射塗料のコーティングなども考えられる。また、その形状も曲面としてもよいし、平面とすることもできる。例えば、図12(a)に正面図の一部を拡大して示すレトロリフレクタアレイ92は、立方体内角の1つの角を利用するコーナーキューブの集合であるコーナーキューブアレイである。個々のレトロリフレクタ92Aは、3つの同形同大の直角二等辺三角形をなす鏡面92Aa,92Ab,92Acを1点に集合させて正面視した場合に正三角形を形成するものであり、これら3つの鏡面92Aa,92Ab,92Acは互いに直交してコーナーキューブを構成している。また、図13(a)に正面図の一部を拡大して示すレトロリフレクタアレイ92も、立方体内角の1つの角を利用するコーナーキューブの集合であるコーナーキューブアレイである。個々のレトロリフレクタ92Bは、3つの同形同大の正方形をなす鏡面92Ba,92Bb,92Bcを1点に集合させて正面視した場合に正六角形を形成するものであり、これら3つの鏡面92Ba,92Bb,92Bcは互いに直交している。このレトロリフレクタアレイ92は、図12(a)のレトロリフレクタアレイ92とは形状が異なるだけで再帰反射の原理は同じである。図12(b)及び図13(b)に、図12(a)及び図13(a)にそれぞれ示したレトロリフレクタアレイ92を例にして説明すると、各レトロリフレクタ92A,92Bの鏡面のうちの一つ(例えば92Aa,92Ba)に入射した光は、他の鏡面(92Ab,92Bb)、さらに他の鏡面(92Ac,92Bc)で順次反射することで、レトロリフレクタ92A,92Bへ光が入射してきた元の方向へ反射する。なおレトロリフレクタアレイ92に対する入射光と出射光の経路は、厳密には重ならず平行であるが、レトロリフレクタ92A,92Bがレトロリフレクタアレイ92と比べて十分小さい場合には、入射光と出射光の経路が重なっているとみなしてもよい。これら2種類のコーナーキューブアレイの違いは、鏡面が二等辺三角形のものは比較的作成しやすいが反射率が若干低くなり、鏡面が正方形のものは二等辺三角形のものと比較して作成がやや難しい反面、反射率が高い、ということである。
なお、レトロリフレクタアレイ92には、上述したコーナーキューブアレイの他にも、3つの鏡面により光線を再帰反射させるもの(広義には「コーナーリフレクタ」)を採用することができる。図示しないが、例えば、単位再帰反射素子として、3つの鏡面のうち2つの鏡面同士が直交し、且つ他の1つの鏡面が他の2つの鏡面に対して90/N度(ただしNは整数とする)をなすものや、3つの鏡面がそれぞれ隣接する鏡面となす角度が90度、60度及び45度となる鋭角レトロリフレクタが、本実施形態に適用される再帰反射素子3として適している。その他にも、キャッツアイレトロリフレクタなども単位再帰反射素子として利用することができる。これらのレトロリフレクタアレイは、平面的なものであっても、屈曲又は湾曲していてもよい。また、レトロリフレクタアレイの配置位置も、画像72から発してハーフミラー91で反射した光を再帰反射することができるのであれば、適宜に設定することができる。
このようなハーフミラー91とレトロリフレクタアレイ92を備えた実鏡映像結像光学系9を適用したこの実施形態の表示装置1’では、2面コーナーリフレクタアレイ6を適用した表示装置1と同様に、ハーフミラー面91に対して斜め方向から見る観察者(運転者)の視点からは、奥壁2の手前側に実鏡映像P(「速度注意!」の文字)が浮かんで見えることになる。また、この表示装置1においても、観察画像の表示位置や大きさを変化させることで、実鏡映像Pに変化を持たせることも可能である。
さらに、本実施形態でも第1の表示領域21と第2の表示領域22が同一の液晶ディスプレイ上に形成されているため、空中映像Pを実現するための追加の表示装置が不要であるため、低コストで実現させている。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で表示装置を構成する各部の具体的構成は適宜に変更することができ、表示装置の適用例としても、自動車の計器盤以外にも、奥まった部分に表示部が設けられる種々の装置に対してその表示部の手前に空中映像を浮かび上がらせる表示装置として本発明を適宜構成することが可能である。
本発明は、車輌など乗り物用の情報表示装置として利用できる。
1,1’…表示装置
2…奥壁
3…壁部(底壁)
4…側壁
5…上壁
6…2面コーナーリフレクタアレイ(実鏡映像結像光学系)
6S…対称面
8…反射鏡
20…液晶デイスプレイ
21…第1の表示領域
22…第2の表示領域
91…ハーフミラー
91S…ハーフミラー面(対称面)
92…レトロリフレクタアレイ
92A,92B…レトロリフレクタ
92Aa,92Ab,92Ac,92Ba,92Bb,92bc…鏡面
BL…バックライト
BL1…第1のバックライト部分
BL2…第2のバックライト部分
BL3…バックライト仕切り板
P…空中映像(実鏡映像)

Claims (9)

  1. 観察者側に向けて奥壁部に設けられ且つ観察者が直接視認する第1の表示領域を含む表示部と、
    前記表示部に含まれ且つ表示情報を含む第2の表示領域と、
    前記奥壁よりも観察者側に配置され且つ前記第2の表示領域の観察者側の空間と前記第1の表示領域の観察者側の空間とを仕切る壁部と、
    前記第2の表示領域に対向するように前記第2の表示領域の観察者側の空間に配置された反射鏡を含むとともに、前記壁部に設けられ且つ対称面を含む半透過性の基盤を有し且つ、前記第1の表示領域の観察者側の空間において、前記反射鏡による前記第2の表示領域の虚像の前記対称面に対する面対称位置に、前記第2の表示領域の実像を結像させる実鏡映像結像光学系と、を含むことを特徴とする表示装置。
  2. 前記実鏡映像結像光学系は、前記基盤の前記対称面において間隙をもって配列された複数の2面コーナーリフレクタからなる2面コーナーリフレクタアレイを含むこと、
    前記2面コーナーリフレクタの各々は2つの直交する鏡面からなり、前記鏡面の交線が前記対称面に直交すること、
    前記第2の表示領域は、前記第2の表示領域から出た光線の一部が前記反射鏡を介して前記鏡面の交線へ入射し前記2面コーナーリフレクタの間を通過して、前記第1の表示領域の観察者側の空間に達するように、配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記実鏡映像結像光学系は、前記基盤に形成され且つ前記対称面として配置されたハーフミラーと、
    前記第2の表示領域の観察者側の空間において前記第2の表示領域から出た光線のうち前記ハーフミラーで反射した光線を再帰反射する位置に配置された複数のレトロリフレクタと、を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記第1の表示領域と前記第2の表示領域は単一の電子ディスプレイの画面上に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
  5. 前記第2の表示領域の表示の明るさが、前記第1の表示領域の表示の明るさより、明るいことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
  6. 前記第2の表示領域の表示の該画面上における大きさが時間的に変化することを特徴とする請求項4又は5に記載の表示装置。
  7. 前記第2の表示領域の表示の該画面上における位置が時間的に変化することを特徴とする請求項4又は5に記載の表示装置。
  8. 前記時間的な変化が連続約なものであることを特徴とする請求項6又は7に記載の表示装置。
  9. 前記時間的な変化が不連続的なものであることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の表示装置。
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