JP2010222750A - セルロース系繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

セルロース系繊維構造物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】風合いが滑らかで摩擦堅牢度が改善された着用上問題のないレベルの引裂強力を備えたセルロース系繊維構造物を提供する。
【解決手段】セルロースアセテートプロピオネートを主成分とするセルロース系繊維を少なくとも一部に含む繊維構造物であり、該セルロース系繊維のセルロースエステル部分の加水分解率が0%〜10%であるとともに、該セルロース系繊維表層の水酸基が、複数の官能基を有するポリシロキサン系化合物および/またはポリイソシアネート系化合物で実質的に化学架橋されていることを特徴とするセルロース系繊維構造物。
【選択図】なし

Description

本発明は、良好な風合いと摩擦堅牢度を両立したセルロースエステル系繊維を含む繊維構造物およびその製造方法に関するものである。
従来からセルロースエステル系の繊維としては、セルロースジアセテートやセルローストリアセテートなどのアセテート類が古くから工業化されており、高発色性で美麗な繊維としてその価値を認められている。セルロースジアセテートは、セルロース骨格を構成するグルコース環上にある3つの水酸基のうち、約2個がアセチル基に置換されたセルロースアセテートをいう。またセルローストリアセテートは、水酸基のほぼ全てがアセチル基に置換されたものをいい、ジアセテートよりは疎水性が高く、また耐熱性が改善されているという特徴がある。しかしながら、これらのセルロースアセテート類は熱可塑性が小さく、溶融温度と分解温度が近いことから溶融紡糸ができず、有害な有機溶剤を用いる乾式紡糸法によってのみ製造されるものであり、生産性が低い上に、環境に対して悪影響の要因が大きい素材であった。
また、熱可塑性の高いセルロース系ポリマーとしては、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートな度、酢酸より長鎖の脂肪酸に由来するアシル基で一部を置換したセルロース誘導体が知られている。これらは従来プラスチック成型品などで工業化されており、適切な可塑剤を添加することで、溶融紡糸繊維を得ることが可能であることが知られている。
しかしながら、これら溶融紡糸が可能なポリマーにおいてもセルロースエステルとしての特性は消えず熱セット工程、染色工程など、特に湿熱工程において処理温度が高くなると繊維自身の強度が低下することによる摩擦堅牢の低下が見られるといった問題があった。 一方、セルロース系繊維染色物の摩擦堅牢度向上方法としては、例えば、特開昭60−209080号公報(特許文献1)に、ポリビニルアルコールのような水溶性高分子体を使用する方法が開示されている。また、特開昭62−78288号公報(特許文献2)には、アミノ変性シリコーンとフェノール性水酸基を有する化合物を使用する方法、特開平7−70937号公報(特許文献3)には、ポリオルガノシロキサンと水溶性セルロースエーテルまたはポリビニルアルコールを使用する方法が開示されている。また、特開平10−168768号公報(特許文献4)には、分子中に第3級アミノ基または第4級アンモニウム塩基を含有するビニル単量体を共重合したビニル系重合体を使用する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法は、風合の粗硬化や加工安定性などに問題がある上に、摩擦堅牢度向上効果が必ずしも十分といえるものではなかった。
特開昭60−209080号公報 特開昭62−78288号公報 特開平7−70937号公報 特開平10−168768号公報40
本発明は、良好な風合いと摩擦堅牢度を両立したセルロースエステル系繊維を含む繊維構造物に関する。さらに詳しくはセルロース系繊維であるセルロースアセテートプロピオネートを含む摩擦堅牢度が向上された繊維構造物に関する。
本発明のセルロース系繊維構造物は、前記課題を解決するために、次の構成を有する。
(1) セルロースアセテートプロピオネートを主成分とするセルロース系繊維を少なくとも一部に含む繊維構造物であり、該セルロース系繊維のセルロースエステル部分の加水分解率が0%以上、10%以下であるとともに、該セルロース系繊維表層は、複数の官能基を有するポリシロキサン系化合物および/またはポリイソシアネート系化合物を用いた樹脂皮膜を表面に有し、該官能基の少なくとも一部が、該セルロース系繊維の水酸基と反応していることを特徴とするセルロース系繊維構造物。
(2) ポリシロキサン系化合物および/またはポリイソシアネート系化合物を含む液を、セルロースアセテートプロピオネートを主成分とするセルロース系繊維を少なくとも一部に含む繊維構造物に付与した後、100℃以上、160℃以下で乾熱または90℃以上、160℃以下で湿熱の加熱処理をすることを特徴とするセルロース系繊維構造物の製造方法。
本発明によれば、風合いが滑らかで摩擦堅牢度が改善された着用上問題のないレベルの引裂強力を備えたセルロース系繊維構造物を提供することができ、特に衣料分野において好適に用いられる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明におけるセルロースアセテートプロピオネートを主成分とするセルロース系繊維(以下、「セルロースアセテートプロピオネート繊維」という)は、セルロースの水酸基の一部、または全てが酢酸およびプロピオン酸とエステル結合しているものをいい、アセチル基およびアシル基(プロピオニル基)の平均置換度は、下記式を満たすことが好ましい。なお平均置換度とはセルロースのグルコース単位あたりに存在する3つの水酸基のうちアシル基が化学的に結合した数を指す。
2.0≦(アセチル基の平均置換度+アシル基の平均置換度)≦3.0
1.5≦(アセチル基の平均置換度)≦2.5
0.5≦(アシル基の平均置換度)≦1.5
上記式を満たすセルロースアセテートプロピオネート繊維は、布帛とした場合、熱軟化温度が高く、適度な吸湿性、良好な寸法安定性を有するものとなるため好ましい。
本発明のセルロースアセテートプロピオネート繊維を製造するためのセルロースアセテートプロピオネートを含有する組成物(以下、セルロースアセテートプロピオネート組成物という)には、可塑剤を含有していても良い。可塑剤としては、多価アルコール系化合物が好ましい。具体的にはセルロースアセテートプロピオネートとの相溶性が良好であり、また溶融紡糸可能な熱可塑化効果が顕著に現れるポリアルキレングリコール、グリセリン系化合物、カプロラクトン系化合物などであり、なかでもポリアルキレングリコールが好ましい。ポリアルキレングリコールの具体的な例としては、重量平均分子量が200〜4000であるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどが挙げられるがこれらに限定されず、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
セルロースアセテートプロピオネート組成物中のセルロースアセテートプロピオネートの含有量は75〜95重量%であることが好ましい。含有量を95重量%以下とすることで、可塑剤等を加えることができ、溶融成形性が良好になる。含有量を75重量%以上にすることで、セルロースアセテートプロピオネートの特徴である強度が増し、機械的特性の優れた繊維構造物が得られる。
また、セルロースアセテートプロピオネート組成物中、可塑剤の含有量は、5〜25重量%であることが好ましい。可塑剤の含有量を5〜25重量%とすることで、セルロースアセテートプロピオネートの熱流動特性が向上するため生産効率の高い溶融紡糸法での生産が可能となり、また繊維断面を精密かつ任意に制御することが可能となり、また得られる繊維特性も良好なものとなる。可塑剤の含有量は、より好ましくは8〜22重量%、最も好ましくは10〜20重量%である。
本発明におけるセルロースアセテートプロピオネート組成物は、リン系酸化防止剤を含有していることが好ましく、特にペンタエリスリトール系化合物が好ましい。リン系酸化防止剤を含有している場合、紡糸温度が高い範囲および低吐出領域においても熱分解防止効果が非常に顕著であり、繊維の機械的特性の悪化が抑制され、得られる繊維の色調が良好になる。リン系酸化防止剤の配合量は、溶融紡糸のためのセルロースアセテートプロピオネート組成物に対して0.005重量%〜0.500重量%であることが好ましい。
セルロースアセテートプロピオネートは、セルロースアセテートに比べて熱流動性が高いため、プラスチック成型品などにもちいられているが、本発明においては、このようなセルロースアセテートプロピオネートを繊維化したものを用いる。
繊維化の方法としては特に限定されるものではないが、現行のセルロースアセテートで採用されている乾式紡糸法やレーヨンなどの湿式紡糸法を採用しても良く、セルロースアセテートプロピオネートの熱流動性を利用して、溶融紡糸法によって繊維化することも可能である。
また必要に応じ熱劣化防止剤、着色防止剤、その他、滑剤、帯電防止剤、艶消剤、潤滑剤、難燃剤、着色顔料など、種々の目的で無機微粒子や有機化合物が含有されていても良い。
また本発明のセルロースアセテートプロピオネート繊維の断面形状は特に制限はなく、通常用いられる丸断面の他、三角断面、多葉形、扁平形、W字形、S字形、C字形、H形、中空形などの異形断面繊維であっても良い。
本発明のセルロースアセテートプロピオネート繊維は、少なくとも1成分がセルロースアセテートプロピオネートを主成分としてなる芯鞘型、サイドバイサイド型、分割割繊型、海島型などの複合繊維であっても良く、仮撚加工、タスラン加工などの糸加工が施されていても良い。
本発明における、セルロースエステル部分の加水分解率とは、各単繊維のセルロースエステルが加水分解されたセルロースを主成分とする部分を反応染料で染着し、単繊維断面積に占めるその染まった部分の面積比率のことをいう。本発明では、加水分解率は0%以上、10%以下である。本発明における加水分解は通常、単繊維表層から反応が進むため、加水分解率が10%を越えると繊維表層のセルロース成分比率が増大し、フィブリル化を起こす可能性がある。
本発明においては、加水分解率は、繊維を反応染料で染色し、染色された繊維のうち、任意に選択した単繊維100本の横断面(繊維の長さ方向に対して垂直に切断した断面)を光学顕微鏡500倍で撮影し、顕微鏡写真により、単繊維の総面積W0、反応染料で染色されていないセルロースエステル部分の面積W1とし、[(W0−W1)/W0]×100として算出し、その平均値で表す。
本発明では、セルロース系繊維表層の水酸基が、複数の官能基を有するポリシロキサン系化合物および/またはポリイソシアネート系化合物の官能基と反応しており、実質的に化学架橋されている。
ここでいうポリシロキサンとは、一般にジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、側鎖にフェニル基、アルコキシル基をもつものなどをあげることができる。複数の官能基は同一の官能基でも、異なる官能基でもよい。官能基は、繊維表層の水酸基と化学結合できるものであれば特に限られるものではないが、エポキシ基、ビニル基、カルボキル基、イソシアネート基、シラノール基、メチロール基およびオキサゾリン基などが上げられ、なかでも特にエポキシ基が好ましい。さらには、高重合度エポキシ変性ポリシロキサンが繊維表層水酸基との反応性、耐久性の面で優れており特に好ましい。
高重合度エポキシ変性ポリシロキサンとしては、粘度が5000Cs以上に重合されたもので、エーテル指環式のエポキシ基を側鎖に有するシリコーンオイルが好ましく、例えば、明成化学工業社製“ハイソフターK-355”が挙げられる。
繊維構造物に対するポリシロキサン系化合物の付着量は、0.1〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜2重量%がより好ましい。繊維構造物に対する付着量は、少なすぎると摩擦堅牢度向上の効果は得にくく、多すぎると、繊維構造物の目ずれ、ワライ、ぬめり感が強くなってしまう恐れがある。繊維構造物に対し、ポリシロキサン系化合物の付着量を特定の範囲とするためには、薬剤の固形分量と、ピックアップ率とを調整することで、0.1〜5重量%とすることができる。薬剤の固形分量にもよるが、使用液濃度を5〜50g/l程度とすることが好ましい。
本発明では水酸基と反応する反応基を持つポリシロキサン系化合物を使用するため単独でも十分に耐久性の面で優れているが、ポリイソシアネート系化合物を併用することでより、さらに耐久性を得ることができる。
ポリイソシアネート系化合物との組み合わせにより、相乗的な効果が得られる理由としては定かではないが、例えばエポキシ基との組み合わせでは、繊維表層水酸基とポリシロキサン系化合物のエポキシ基が化学架橋をすると同時に、イソシアネートと繊維表層の水酸基、さらには、ポリシロキサンのエポキシ基の分解末端である水酸基とイソシアネートの化学架橋、さらには、イソシアネートの分解末端であるアミノ基とポリシロキサンのエポキシ基が化学架橋するといった複合的は化学架橋が形成されることによって、さらに、耐久性向上が得られるものと推定される。
ポリイソシアネート系化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートなどを主成分とするポリイソシアネート系化合物を好適に利用することができる。なかでも、架橋性を有する末端官能基と反応しうる官能基が封鎖されているブロックタイプの水系ポリイソシアネート系化合物が好ましい。
次に、本発明の製造方法について説明をする。
本発明の繊維構造物の製造方法は、ポリシロキサン系化合物および/またはポリイソシアネート系化合物を含む液を、セルロースアセテートプロピオネート繊維を少なくとも一部に含む繊維構造物に付与した後、100〜160℃で乾熱または96℃以上で湿熱の加熱処理をし、120〜150℃でヒートセットをする。
特に好ましくは、ポリシロキサン系化合物およびポリイソシアネート系化合物を、セルロースアセテートプロピオネート繊維を少なくとも一部に含む繊維構造物にパッド法、スプレー法などにより付与し、100℃以上、160℃以下の範囲の温度で10秒から10分間乾熱処理または90℃以上、160℃以下の飽和水蒸気雰囲気中で0.5〜10分湿熱処理をし、次いで120〜150℃の範囲の温度で0.5〜10分間ヒートセットするものである。
処理液に静電剤、撥水剤、柔軟剤、消臭剤などを適宜加えても良い。
本発明は摩耗性の弱い繊維表面に、平滑性に優れた樹脂で被膜を作ることにより摩擦抵抗による繊維自体のフィブリル化を防止または遅延するものである。耐摩耗性が向上することにより、乾摩擦堅牢度、スレにより発生する白化、摩擦熱溶融性、縫製時の融着などが改善される。
本発明の繊維構造物は、コート、ブルゾン、ウインドブレーカー、ブラウス、シャツ、スカート、スラックス、布団側地等の寝装具、カーテン等のインテリア用具などの用途に好適に使用される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。また、実施例及び比較例における測定値は次の方法で得たものである。
(1)加水分解率
加水分解率は、繊維を反応染料で染色し、染色された繊維のうち、任意に選択した単繊維100本の横断面(繊維の長さ方向に対して垂直に切断した断面)を光学顕微鏡500倍で撮影し、顕微鏡写真により、単繊維の総面積W0、反応染料で染色されていないセルロースエステル部分の面積W1とし、[(W0−W1)/W0]×100として算出し、その平均値で表した。
(1)乾摩擦堅牢度
JIS L 0849 II型(学振型)乾摩擦の級判定により測定した。
(2)引裂強力
JIS L 1096:99−8.15.5 D法(ペンジュラム法)により測定した。
(3)洗濯耐久性
乾摩擦堅牢度、引裂強力として、洗濯後の性能は以下の処理をした後のデータとした。自動反転渦巻き電気洗濯機に、JIS K 337に規定される弱アルカリ性合成洗剤を0.2%の濃度になるように溶解し、浴比1:50、40±2℃、強条件で10分洗濯し、次いで排水、脱水後、水洗を5分間実施し、これを洗濯1回とし10回繰り返した後、風乾した。
(4)官能試験による硬さ評価:10人の被験者が、織物の硬さを3段階で評価し、その平均値とした。(○柔らかい △やや硬い ×硬い)
実施例1
セルロースアセテートプロピオネート(エステル置換度2.5(アセチル置換度2.0、プロピオニル置換度0.5))80重量%とポリエチレングリコール(三洋化成社製、PEG600)20重量%を2軸エクストルーダーで混練しペレットを得た。このペレットを真空乾燥した後、紡糸温度240℃、紡糸速度750m/分の条件で溶融紡糸を行い、100デシテックス、36フィラメントの繊維を得た。得られたセルロースエステル繊維をタテ糸、ヨコ糸に用い平織物を製織した。
次いで得られた生機を40℃で水処理し、80℃で精練、110℃で乾燥したのち、分散染料を用いて98℃で黒色に染色し、炭酸ナトリウムでの60℃×20分の還元洗浄をおこない乾燥した。
次にエポキシ変性ポリシロキサン(明成化学工業製“ハイソフターK−355”)10g/lとブロックドイソシアネート系架橋剤(明成化学工業製“メイカネートWEB”)10g/lの処理液でパディングし、ピックアップ60%で絞った後、110℃で乾燥し、160℃×90秒の熱処理を行った。
得られた加工布は、表1に示すとおり、風合いが滑らかで、耐久性に優れた摩擦堅牢度と着用上問題のないレベルの引裂強力を兼ね備えたものであった。
実施例2
実施例1において、染色前に下記の処理を行い、エポキシ変性ポリシロキサン(明成化学工業製“ハイソフターK−355”)の使用量を20g/lに変更した以外は、実施例1と同じ処理を行って、加工布を得た。
染色前の処理方法は、水酸化ナトリウム3重量%を用い、100℃10分のスチーム処理を行い、充分水洗の後、酢酸1g/l、60℃で中和洗浄を行い、乾燥した。加水分解率は7.8%であった。
得られた加工布は、表1に示すとおり、風合いが滑らか耐久性に優れた摩擦堅牢度と着用上問題のないレベルの引裂強力を兼ね備えたものであった。
実施例3
実施例1においても、「110℃の乾燥後160℃×90秒の熱処理」を105℃の飽和水蒸気雰囲気中における5分間の処理に変更する以外は、実施例1と同じ処理を行って、加工布を得た。
得られた加工布は、表1に示すとおり、風合いが滑らか耐久性に優れた摩擦堅牢度と着用上問題のないレベルの引裂強力を兼ね備えたものであった。
比較例1
実施例1において、エポキシ変性ポリシロキサンとブロックドイソシアネート系架橋剤による処理を行わず、かつ、「110℃の乾燥後160℃×90秒の熱処理」を180℃×90秒の乾熱処理にした以外は実施例1と同じ処理を行い、加工布を得た。
得られた加工布は、表1に示すとおり、風合いは粗硬で摩擦堅牢度および引裂強力ともに劣るものであった。
比較例2
実施例1において、エポキシ変性ポリシロキサンとブロックイソシウネート系架橋剤に変えて、アニオン系界面活性剤(明成化学工業社製“デレクトールM−3”)5g/lのみを使用した以外は、実施例1と同じ処理を行い、加工布を得た。
得られた加工布は、表1に示すとおり、風合いは粗硬で摩擦堅牢度が劣るものであった。
比較例3
実施例2において、エポキシ変性ポリシロキサン(明成化学工業製“ハイソフターK−355”)の使用量を3g/lに変更した以外は、実施例2と同じ処理を行い、加工布を得た。
得られた加工布は、表1に示すとおり、摩擦堅牢度が劣るものであった。
Figure 2010222750

Claims (2)

  1. セルロースアセテートプロピオネートを主成分とするセルロース系繊維を少なくとも一部に含む繊維構造物であり、該セルロース系繊維のセルロースエステル部分の加水分解率が0%以上、10%以下であるとともに、該セルロース系繊維表層は、複数の官能基を有するポリシロキサン系化合物および/またはポリイソシアネート系化合物を用いた樹脂皮膜を表面に有し、該官能基の少なくとも一部が、該セルロース系繊維の水酸基と反応していることを特徴とするセルロース系繊維構造物。
  2. ポリシロキサン系化合物および/またはポリイソシアネート系化合物を含む液を、セルロースアセテートプロピオネートを主成分とするセルロース系繊維を少なくとも一部に含む繊維構造物に付与した後、100℃以上、160℃以下で乾熱、または90℃以上、160℃以下で湿熱の加熱処理をすることを特徴とするセルロース系繊維構造物の製造方法。
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