JP2010222636A - 鋼材の表面処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼材からなる被処理部材を効率よく表面改質し得る鋼材の表面処理方法を提供する。
【解決手段】被処理部材に対し、一次加熱温度T1で減圧しつつ浸炭性ガスを供給する真空浸炭処理を行った後に、その浸炭性ガスを浸窒性ガスに置換しつつ二次加熱温度T2に降温し、その二次加熱温度T2に保持する浸窒処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼材からなる被処理部材を効率よく表面改質する鋼材の表面処理方法に関する。
従来から自動車等の各種機械部品として鋼材製の歯車が用いられる。
ただし、鋼材の強度が不十分であると、歯車の歯元に曲げ応力が作用した際に歯元破壊等が生じる場合がある。また、歯車の歯車表面部にすべり力が作用して歯車表面部の一部が剥がれるピッチングが生じることもある。このような歯元破壊を防止し、ピッチングを抑制するためにはしばしば歯車表面部に浸炭処理が行われる。歯車表面部に浸炭処理を行って炭化物を析出させることにより、歯車表面部の機械的特性を向上させ、歯元強度を確保して信頼性の高い歯車を得ることができる。
ただし、上記浸炭処理に際して析出させる炭化物は所定のサイズ・形状を有している必要がある。例えば、粗大な炭化物が結晶粒界に沿って網目状に析出すると、歯車表面部の疲労強度が低下するだけでなく、焼入れ時に割れが発生することがある。したがって、歯車表面部の疲労強度を向上させるには、炭化物の粗大化を抑制する必要がある。
従来から微細な炭化物を分散して析出させる方法として種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1、2には、歯車に対して、Acm線以上の一次加熱温度で浸炭性ガスを供給する一次浸炭処理を行ったのち急冷し、その後、A1線以上でAcm線以下の二次加熱温度で浸炭性ガスを供給する二次浸炭処理を行い、急冷することが記載されている。
一次浸炭処理では、所定の一次加熱温度下で歯車材の周囲に浸炭性ガスを供給する。これにより、歯車の表面部から炭素が侵入する。所定の時間、一次浸炭処理を行い、歯車材を急冷すると、炭化物の析出が抑制されて、歯車表面部に炭素が過飽和に固溶した中間処理材が得られる。一次浸炭処理を行った後急冷するのは、浸炭処理を行った後に続けて降温すると、二次加熱温度に至るまでの間に粗大な炭化物が析出してしまうからである。
この後、一次加熱温度よりもやや低温の二次加熱温度まで歯車材を昇温する。これにより、炭素を過飽和に含有する歯車材の浸炭処理部分に炭化物の核が多量に生成され、さらに、当該二次加熱温度で浸炭性ガスを供給する二次浸炭処理を行うと、歯車表層に微細な炭化物が分散して析出する。
また、例えば、特許文献3には、浸炭性ガスおよび浸窒性ガスを減圧炉内に間欠的に供給することで、浸炭浸窒処理を繰り返し行なうことが記載されている。このように、浸炭浸窒処理を繰り返し行なうことで、炭化物の粗大化を抑制できる。しかも、歯車表面部に多量の窒素が侵入して焼入れ性を高めることができる。
特開2004−285384号公報 特開2007−308792号公報 特開2006−28541号公報
特許文献1、2では浸炭処理を2回行う必要があり、その際に温度サイクルが2回繰り返される。このため、処理工数が増大して歯車の製造コストも高まる。加えて、熱変形量も増大する。また、特許文献3では、浸炭性ガスおよび浸窒性ガスを間欠的に供給するため、浸炭性ガスおよび浸窒性ガスの供給比率および供給タイミングを制御する必要があり、処理条件の制御が煩雑になる。加えて、歯車表面部に多量の窒素を侵入させると、歯車表面部の硬さが低下するためこれを補うショットピーニング等の表面加工が必要になる場合がある。
本発明の目的は、鋼材からなる被処理部材を効率よく表面改質することができる鋼材の表面処理方法を提供する点にある。
本発明に係る鋼材の表面処理方法の第1特徴手段は、被処理部材に対し、一次加熱温度で減圧しつつ浸炭性ガスを供給する真空浸炭処理を行った後に、その浸炭性ガスを浸窒性ガスに置換しつつ二次加熱温度に降温し、その二次加熱温度に保持する浸窒処理を行う点にある。
浸炭浸窒処理を行う際には、被処理部材の表面から炭素元素が侵入できるよう処理雰囲気を高温にする必要がある。その際に雰囲気ガスとしては、炭素を含有する浸炭性ガスを使用するが、雰囲気が高温であるために、余剰の浸炭性ガスは容易にスス化してしまう。このススは、被処理部材の表面や装置の各部に付着して浸炭処理製品の品質を低下させたり、装置の頻繁な保守清掃が必要となるなど、浸炭処理製品の生産効率を低下させる要因となる。
本発明ではこの点を改善すべく、減圧環境下で浸炭浸窒処理を行う。真空浸炭処理では、浸炭に寄与しない余剰の浸炭性ガスが順次排出される。このため、浸炭性ガスが熱分解してススを生じることを防止できる。よって、処理製品の品質が向上し、装置の清掃頻度が減少して処理効率を高めることができる。
さらに、本発明では、被処理部材を一回だけ加熱し、その冷却過程で浸窒処理まで行うから熱処理効率が非常に良い。また、本手段では、真空浸炭処理を行った後に、浸炭性ガスを浸窒性ガスに置換して浸窒処理を行うので、浸炭性ガスおよび浸窒性ガスの供給比率を制御したり、浸炭性ガスおよび浸窒性ガスの供給タイミングを頻繁に制御する必要がなく、処理条件の制御が容易である。このように、本手段は、浸炭浸窒処理に際して減圧環境を形成する必要はあるものの、従来の二回の加熱処理を行っていた手法に比べて処理効率を大幅に向上させることができる。
本発明の第2特徴手段は、前記被処理部材として鉄を主に含む金属を用い、前記真空浸炭処理および前記浸窒処理後の前記被処理部材の表面炭素濃度を0.9質量%以上に設定する点にある。
本手段であれば、被処理部材の表面炭素濃度を共析点以上の濃度に設定することができ、浸炭浸窒処理に際して炭化物が析出し易くなる。
本発明の第3特徴手段は、前記真空浸炭処理および前記浸窒処理後の前記被処理部材の表面窒素濃度を0.39質量%以上に設定する点にある。
微細な炭素の析出物を得るためには、炭素元素の量に応じて適切な量の窒素元素を母材のマトリックス中に存在させ、被処理部材の冷却に際して析出する炭素元素が粗大化しようとするのを窒素元素に阻止させる必要がある。本発明の窒素濃度であれば、上記濃度の炭素元素に対して、析出時の炭素元素の拡散を有効に阻止することができる。その結果、被処理部材の表面部における炭素析出物が極めて微細なものとなり、被処理部材の機械的特性を向上させることができる。
本発明の第4特徴手段は、前記被処理部材のCrを1.00質量%以下に設定する点にある。
鋼材中のCrは、炭素と結合して炭化物を形成する。この炭化物は、焼入れ時にマルテンサイト中に固溶して鋼材が軟化するのを抑制する。しかし、1.00質量%を超える量のCrを添加すると、浸窒処理中に浸窒性ガス中の窒素と反応してCrNを形成し、被処理部材に対する窒素の浸入が不十分なものとなる。よって本発明では、被処理部材のCrを1.00質量%以下に設定する。これにより、浸窒処理中のCrNの形成を抑え、確実に浸窒処理が行えることとなる。
本発明の第5特徴手段は、前記一次加熱温度から前記二次加熱温度に降温する降温速度を2.7℃/分以下とする点にある。
浸窒処理に際し、環境温度が高いほど被処理部材に対する窒素の浸入速度は高まる。しかしながら、長時間に亘って被処理部材を高温に維持すると、窒素によってその拡散を阻止されない炭素元素、つまり、被処理品の表面からある程度深部に存在する炭素元素が被処理部材のより深部に拡散してしまう。この結果、被処理部材の表面部における炭素濃度が低下することとなる。一方、急速に被処理部材を冷却すると、窒素元素を所定の深さまで浸入させることができない。
よって、本手段では、二次加熱温度に際しての降温速度を2.7℃/分以下に設定する。これにより、被処理部材の表面近傍における炭素濃度および窒素濃度を共に適正化し、微細な炭素析出物を有する被処理部材を得ることができる。
本発明の第6特徴手段は、前記一次加熱温度を900℃〜1050℃の範囲とし、前記二次加熱温度を800℃〜880℃の範囲とした点にある。
本手段であれば、一次加熱による浸炭工程で被処理部材がγ相に維持され、二次加熱による浸窒工程では浸炭層の温度がAcm線直下に維持されるから、微細な炭素の析出物を得ることができる。特に、浸窒処理をAcm線以下で保持すると、被処理部材の全領域で均等に炭素析出物が形成される。つまり、母材を降温する際には、Acm線に達した部位でまず炭化物が析出する。この結果、この近傍の母材では炭素濃度が低下する。この低下した炭素濃度に対するAcm線はもう少し下の温度であるから、この部位ではそれ以上の炭化物は析出せず、炭化物もそれ以上は粗大化しない。本手段であれば、このような現象を母材全般に亘って生じさせる結果、母材の炭化物が微細化され、機械的特性に優れた被処理部材を得ることができる。
浸炭浸窒処理の温度パターンを示す図である。 被処理部材の相変態図である。 浸炭浸窒処理(処理条件1)の温度パターンを示す図である。 浸炭浸窒処理(処理条件2)の温度パターンを示す図である。 浸炭浸窒処理(処理条件3)の温度パターンを示す図である。 浸炭浸窒処理(処理条件4)の温度パターンを示す図である。 浸炭浸窒処理(処理条件5)の温度パターンを示す図である。 浸炭浸窒処理(処理条件6)の温度パターンを示す図である。 浸炭浸窒処理(処理条件7)の温度パターンを示す図である。
本願発明に係る被処理部材としては、例えば、自動車の歯車や、トロイダル式CVTのディスクやパワーローラなど、特に優れた機械的特性が求められる部材を対象とする。
本発明は、このような部材の表面改質を効率的に行う浸炭浸窒方法に関する。以下、本発明の方法につき、図面及び表を参考にしつつ説明する。
〔被処理部材の化学組成〕
被処理部材の機械的強度は含有される炭素濃度に影響される。被処理部材の母材の炭素濃度が0.10質量%未満であると、被処理部材の母材の強度が低下する。一方、被処理部材の母材の炭素濃度が0.40質量%を超えると、被処理部材の母材の硬さが増大して加工性が低下する。よって、本願発明の被処理部材としては、0.10質量%〜0.40質量%の範囲内の炭素を含有するのが好ましい。
機械要素に用いる鋼材には、脱酸剤およびスラグの粘性調整剤としてFeSiが添加されることがある。これにより、被処理部材の酸素量を低減でき、スラグに適度な粘性を与えることができる。このように、Siは、脱酸剤および粘性調整剤としてのFeSiの添加の際に不可避的に混入されるものであるが、被処理部材の浸炭性、加工性および軟化抵抗性を維持するためにも添加される元素である。被処理部材のSiが0.05質量%未満であると、焼き戻しの際に被処理部材が軟化し易くなる。一方、被処理部材のSiが1.10質量%を超えると、被処理部材の浸炭性が低下し、被処理部材の硬さが増大して加工性が低下する。よって、本願発明の被処理部材としては、0.05質量%〜1.10質量%の範囲内のSiを含有するのが好ましい。
鋼材中には、精錬の過程で脱酸剤として作用するMnを添加することがある。Mnは、またA3変態点を降下させてオーステナイトを安定化させることにも用いられる。
ただし、被処理部材のMnが0.30質量%未満であると、被処理部材の強度が低下し、被処理部材の焼入性が低下する。一方、被処理部材のMnが1.20質量%を超えると、被処理部材の硬さが増大して被処理部材の加工性が低下する。よって、被処理部材の強度、焼入性および加工性を維持できるように、本願発明の被処理部材では、0.30質量%〜1.20質量%の範囲内のMnを含有するのが好ましい。
鋼材中にCrを添加することにより、炭化物を形成したり、焼入れ時にその炭化物がマルテンサイト中に固溶して軟化抵抗性を向上させることができる。
一方、被処理部材のCrが1.00質量%を超えると、浸窒処理中に浸窒性ガス中の窒素が被処理部材のCrと反応してCrNを作り易く、浸窒性ガス中の窒素が被処理部材に侵入し難くなる。よって、本発明では、炭化物の形成を促進し、被処理部材の軟化抵抗性を維持しつつ、浸窒性ガス中の窒素が被処理部材に侵入し易くなるように、Crを0.50質量%〜1.00質量%、より好ましくは0.50質量%〜0.90質量%、一層好ましくは0.50質量%〜0.80質量%含有するのが好ましい。
鋼材中にMoを添加することにより、焼入れ時に粒界酸化物の生成を抑制し、被処理部材の焼入性を向上させることができる。しかし、Moは高価な元素であり、Moを添加する量が増加すると、コスト高を招く。よって、本願発明の被処理部材は、0.00質量%〜1.00質量%の範囲内、焼入性の観点からより好ましくは、0.10質量%〜1.00質量%の範囲内のMoを含有するのが好ましい。
鋼材中には、鋼材の低温もろさを抑制するためにNiが用いられることがある。Niは、焼入性、低温もろさ抑制の観点から添加することが好ましいが、コストおよび加工性の観点から、本願発明の被処理部材は、0.00質量%〜3.00の範囲内のNiを含有するのが好ましい。尚、製造上の不純物として0.10質量%程度のNiが混入することがあるが、特に問題とはならない。
本実施形態では、浸炭浸窒処理を行うために、C,Si,Mn,Cr,Mo,Niを構成元素とする被処理部材を例示した。しかし、各種用途に合わせて、これ以外の元素、例えば、Ti,Nb,Al,V,Bを構成元素に追加しても問題はない。
〔被処理部材の表面炭素濃度および表面窒素濃度〕
効率よく浸炭処理するためには、炭化物が析出し易くなるよう、被処理部材の表面炭素濃度を共析点(鉄-炭素系鋼材では炭素濃度0.80質量%)以上の濃度にする必要がある。そのために、被処理部材の表面炭素濃度は0.90質量%以上にする。
窒素は炭素と共に侵入型元素である。このため、窒素が被処理部材に侵入することで炭素が拡散し難くなり、粗大な炭化物の形成を抑制することができる。この窒素濃度は、母材中の炭素濃度に対応させたものである必要がある。よって、本実施形態では、上記炭素濃度に適応するものとして、被処理部材の表面窒素濃度を0.39質量%以上に設定する。これにより、窒素が被処理部材の結晶中における侵入可能なサイトを占め易く、炭素が拡散し難くなり、炭化物の粗大化を抑制することができる。
以下、本発明に係る被処理部材の浸炭浸窒処理について説明する。
〔浸炭浸窒処理〕
図1は浸炭浸窒処理の温度パターンを示したものである。図2は、炭素鋼材の相変態図である。図中の矢印付きの太線は被処理部材の表面部(浸炭層)における温度および炭素濃度の変化を示している。図1および図2の(a)〜(e)は、浸炭浸窒処理における各工程を示している。
(昇温工程)
真空浸炭炉(図示しない)を減圧し、真空浸炭炉を減圧状態で一次加熱温度T1℃まで昇温する(図1および図2の(a)の部分)。このとき、図2中のX1点はA3線より上に位置し、被処理部材はγ相(オーステナイト相)になっている。
(浸炭工程)
続いて、浸炭性ガスを真空浸炭炉の内部に供給し、真空浸炭炉の内部温度を一次加熱温度T1℃で所定時間保持する(図1および図2の(b)の部分)。被処理部材の最表面の炭素濃度が所定の値になるように処理する。このように、減圧環境下で浸炭処理を行うことで、余剰の浸炭性ガスがスス化するのを抑制することができる。よって、浸炭処理装置が汚れるのを防止でき、装置の清掃等の手間が軽減される。その結果、生産効率良く被処理部材を得ることができる。浸炭性ガス中の炭素が被処理部材の表面部に侵入して、被処理部材の表面炭素濃度がC1からC2質量%に上昇する。その結果、被処理部材の表面部に炭素リッチな浸炭層を形成する。このとき、図2中のX2点はAcm線より上に位置し、被処理部材の浸炭層はγ相を維持している。
(降温工程)
続いて、浸炭性ガスの供給を止め、浸炭性ガスの量が十分少なくなったときに、真空浸炭炉の減圧を解除しつつ浸窒性ガスを真空浸炭炉の内部に供給する。併せて、真空浸炭炉の内部温度を所定の冷却速度で二次加熱温度T2まで降温する(図1および図2の(c)の部分)。このとき、浸窒性ガス中の窒素が被処理部材の浸炭層に侵入し始め、侵入した窒素によって炭素の拡散が遅延される。
炭素および窒素は共に侵入型元素であり、被処理部材の結晶中における侵入可能なサイトが決まっている。炭素および窒素は、そのサイトを介して拡散する。窒素が被処理部材に侵入してそのサイトを占めてしまうと、炭素が拡散し難くなる。このため、炭素の拡散が遅延し、粗大な炭化物が析出することを抑制できる。
一次加熱温度T1が高いほど窒素が被処理部材に侵入し易い。また、窒素の拡散係数も大きくなる。しかし、一次加熱温度T1が高いほど炭素の拡散係数も大きくなる。よって、内部雰囲気の浸窒性ガスの濃度を高めつつ窒素の拡散係数も大きくするのが望ましい。このため、真空浸炭炉の内部温度の冷却速度はある程度遅いことが好ましい。
一方、真空浸炭炉の内部温度の冷却速度をあまり速くすると、窒素が被処理部材に侵入し難くなり、窒素によって炭素の拡散が遅延する効果を十分に発揮できないことがある。したがって、真空浸炭炉の内部温度の冷却速度が所定の速度以下であることが好ましい。
(浸窒工程)
真空浸炭炉の内部温度を二次加熱温度T2、即ち、炭素濃度C2におけるAcm線直下の温度で所定時間保持する(図1および図2の(d)の部分)。上記したように、窒素によって炭素の拡散が遅延しているので、微細な炭化物が徐々に析出する。さらに、微細な炭化物の析出を促すため、図2中のX3点をAcm線の直下に位置させる。そうすることで、被処理部材の浸炭浸窒された領域の部位で炭化物を析出させることができる。このように、微細な炭化物を被処理部材に分散して析出させることで、被処理部材の強度の向上をはかることができる。
(焼入れ工程)
炭化物が所定の状態に析出したのち、被処理部材を急冷する(図1および図2の(e)の部分)。これにより、被処理部材は主としてマルテンサイト相に相変化する。微細な炭化物による分散強化に加えて準安定なマルテンサイト相への相変化により被処理部材の硬さが増大する。尚、必要に応じて焼入れ工程の後に焼き戻し工程を行っても良い。
以下、本発明の実施例について説明する。
〔使用鋼材〕
被処理部材として以下の鋼材A〜Cを用いた。
Figure 2010222636
それら鋼材A〜Cを以下の条件で浸炭浸窒処理した。
(処理条件1)
図3に示すように、CO,CO2,N2,H2の混合ガス(浸炭性ガス)雰囲気下でガス浸炭炉の内部温度を910℃(一次加熱温度)まで昇温した。昇温後、被処理部材の最表面の炭素濃度が0.8%になるように処理し、ガス浸炭炉の内部温度を910℃で120分間保持した。ガス浸炭炉の内部温度を0.7℃/分の冷却速度で850℃(二次加熱温度)まで降温した後、ガス浸炭炉の内部温度を850℃で30分間保持した。その後、被処理部材を急冷した。CO,CO2,N2,H2の割合は、夫々、20.9%,0.38%(850℃)/0.22%(910℃),40.0%,38.0%である。尚、CO2を一定に保つため、CH4を微量添加している。
(処理条件2)
図4に示すように、真空浸炭炉を減圧し、真空浸炭炉を減圧状態で930℃(一次加熱温度)まで昇温した。真空浸炭炉を減圧しつつアセチレンガス(浸炭性ガス)を真空浸炭炉の内部に供給し、真空浸炭炉の内部温度を930℃(一次加熱温度)で40分間保持した。被処理部材の最表面の炭素濃度が0.8%になるように処理した。アセチレンガスの供給を停止し、真空浸炭炉の内部温度を930℃で40分間保持した。真空浸炭炉の内部温度を2.7℃/分の冷却速度で850℃(二次加熱温度)まで降温した後、真空浸炭炉の内部温度を850℃で30分間保持した。その後、被処理部材を急冷した。
(処理条件3)
図5に示すように、真空浸炭炉を減圧し、真空浸炭炉を減圧状態で930℃(一次加熱温度)まで昇温した。真空浸炭炉を減圧しつつアセチレンガス(浸炭性ガス)を真空浸炭炉の内部に供給し、真空浸炭炉の内部温度を930℃で80分間保持した。被処理部材の最表面の炭素濃度が1.0%になるように処理した。真空浸炭炉を減圧しつつアセチレンガスの供給を停止した。アセチレンガスの量が十分少なくなったときに、真空浸炭炉の内部温度を2.0℃/分の冷却速度で870℃(二次加熱温度)まで降温した。真空浸炭炉の減圧を解除しアンモニアガス(浸窒性ガス)を真空浸炭炉の内部に供給し、大気圧下に保持しながら、真空浸炭炉の内部温度を870℃で180分間保持した。その後、被処理部材を急冷した。
(処理条件4)
図6に示すように、真空浸炭炉を減圧し、真空浸炭炉を減圧状態で930℃(一次加熱温度)まで昇温した。真空浸炭炉を減圧しつつアセチレンガス(浸炭性ガス)を真空浸炭炉の内部に供給し、真空浸炭炉の内部温度を930℃(一次加熱温度)で80分間保持した。被処理部材の最表面の炭素濃度が1.0%になるように処理した。真空浸炭炉を減圧しつつアセチレンガスの供給を停止した。アセチレンガスの量が十分少なくなったときに、真空浸炭炉の減圧を解除しアンモニアガス(浸窒性ガス)を真空浸炭炉の内部に供給し、大気圧下に保持しながら、真空浸炭炉の内部温度を1.8℃/分で870℃(二次加熱温度)まで降温した後、真空浸炭炉の内部温度を870℃で30分間保持した。その後、被処理部材を急冷した。
(処理条件5)
図7に示すように、真空浸炭炉を減圧し、真空浸炭炉を減圧状態で930℃(一次加熱温度)まで昇温した。真空浸炭炉を減圧しつつアセチレンガス(浸炭性ガス)を真空浸炭炉の内部に供給し、真空浸炭炉の内部温度を930℃(一次加熱温度)で80分間保持した。被処理部材の最表面の炭素濃度が1.0%になるように処理した。真空浸炭炉を減圧しつつアセチレンガスの供給を停止した。アセチレンガスの量が十分少なくなったときに、真空浸炭炉の減圧を解除しアンモニアガス(浸窒性ガス)を真空浸炭炉の内部に供給し、大気圧下に保持しながら、真空浸炭炉の内部温度を2.4℃/分で850℃(二次加熱温度)まで降温した後、真空浸炭炉の内部温度を850℃で60分間保持した。その後、被処理部材を急冷した。
(処理条件6)
図8に示すように、真空浸炭炉を減圧し、真空浸炭炉を減圧状態で930℃(一次加熱温度)まで昇温した。真空浸炭炉を減圧しつつアセチレンガス(浸炭性ガス)を真空浸炭炉の内部に供給し、真空浸炭炉の内部温度を930℃(一次加熱温度)で80分間保持した。被処理部材の最表面の炭素濃度が1.0%になるように処理した。真空浸炭炉を減圧しつつアセチレンガスの供給を停止した。アセチレンガスの量が十分少なくなったときに、真空浸炭炉の減圧を解除しアンモニアガス(浸窒性ガス)を真空浸炭炉の内部に供給し、大気圧下に保持しながら、真空浸炭炉の内部温度を2.0℃/分で870℃(二次加熱温度)まで降温した後、真空浸炭炉の内部温度を870℃で30分間保持した。その後、被処理部材を急冷した。
(処理条件7)
図9に示すように、真空浸炭炉を減圧し、真空浸炭炉を減圧状態で930℃(一次加熱温度)まで昇温した。真空浸炭炉を減圧しつつアセチレンガス(浸炭性ガス)を真空浸炭炉の内部に供給し、真空浸炭炉の内部温度を930℃(一次加熱温度)で80分間保持した。被処理部材の最表面の炭素濃度が1.0%になるように処理した。真空浸炭炉を減圧しつつアセチレンガスの供給を停止した。アセチレンガスの量が十分少なくなったときに、真空浸炭炉の減圧を解除しアンモニアガス(浸窒性ガス)を真空浸炭炉の内部に供給し、大気圧下に保持しながら、真空浸炭炉の内部温度を2.7℃/分で850℃(二次加熱温度)まで降温した後、真空浸炭炉の内部温度を850℃で30分間保持した。その後、被処理部材を急冷した。
本実施例では、真空浸炭炉の降温を終了した時点(処理条件3)、あるいは、真空浸炭炉の降温を開始した時点(処理条件4〜7)で、アンモニアガスを供給する。しかし、アンモニアガスに加えて窒素ガスを供給しても良い。この場合、窒素ガスは、主として真空浸炭炉の内部圧力を高めるために用いられる。アンモニアガスおよび窒素ガスを供給することにより、アンモニアガスを単独で供給する場合に較べて真空浸炭炉の内部圧力を速やかに高めることができる。その結果、アンモニアガスが窒素と水素とに熱分解するのを抑制することができる。アンモニアガスおよび窒素ガスの割合は、被処理部材の材質や真空浸炭炉の内部温度等の諸条件に応じて適宜決定される。
本実施形態では、浸炭性ガスとしてアセチレンやエチレン等の不飽和炭化水素系ガスを用いた。しかし、プロパンなどの飽和炭化水素系ガスであっても良く、それら不飽和炭化水素系ガスおよび飽和炭化水素系ガスの混合物であっても良い。
上記処理条件1〜7で浸炭浸窒処理した鋼材A〜Cについて、各種の試験・測定を行った。SEM観察を行ない、析出物の有無および析出物の大きさを調べた。EPMAにより鋼材A〜Cの表面炭素濃度および表面窒素濃度を測定した。ビッカース硬さ計により鋼材A〜Cの表面硬さを測定した。面圧3.3GPa、回転数1400rpm、すべり率−40%。油温80℃の条件下でローラピッチング試験を行い、ピッチングに至るまでのピッチング寿命(繰返し回数)を測定した。
〔実験結果〕
以上の結果を表2に示す。
Figure 2010222636
(表面炭素濃度と析出物との関係)
比較例1,2の表面炭素濃度は、夫々、0.80および0.78質量%であり、炭化物は析出しなかった。一方、比較例3〜5、および、実施例1〜3の表面炭素濃度は、0.93〜1.08質量%の範囲内であり、炭化物が析出した。これにより、被処理部材の浸炭層の表面炭素濃度が、0.90質量%以上であれば、炭化物が析出することがわかる。
(表面窒素濃度と析出物との関係)
比較例3〜5、および、実施例1〜3の表面窒素濃度は、0.39〜1.00質量%の範囲内であり、粗大な炭化物は析出しなかった。浸炭層の表面窒素濃度が低いと、窒素が被処理部材の結晶中に存在する侵入可能なサイトを十分に占めることができない。このため、炭素がそのサイトを介して拡散して、粗大な炭化物が析出する。しかしながら、被処理部材の浸炭層の表面窒素濃度が0.39質量%以上であれば、粗大な炭化物が析出しない。
(Cr濃度と析出物との関係)
比較例3〜6および実施例1〜5のCr濃度は、0.50〜1.00質量%の範囲内であり、粗大な炭化物は析出しなかった。被処理部材のCr濃度が高いと、浸窒処理中にアンモニアガス中の窒素が被処理部材のCrと反応してCrNを作り易い。このため、アンモニアガス中の窒素が被処理部材に侵入し難くなる。このように、被処理部材のCr濃度が1.00質量%以下であれば、アンモニアガス中の窒素が被処理部材に侵入し易く、粗大な炭化物の析出を抑制することができる。
(降温速度とピッチング寿命との関係)
実施例2,1,4,5における、一次加熱温度T1、二次加熱温度T2、二次加熱温度T2で保持する保持時間、一次加熱温度T1から二次加熱温度T2に降温するときの降温時間および降温速度、析出物の有無、ピッチング寿命を表3に示す。
Figure 2010222636
実施例2,1,4,5のいずれにおいても炭化物が析出した。降温速度は、1.8〜2.7℃/分の範囲内である。また、実施例2と実施例1とを比較すると、降温速度が小さいほどピッチング寿命が長いことがわかる。これにより、降温速度が、上記範囲の上限値である2.7℃/分以下であれば、疲労強度が向上する。
被処理部材の硬さは、実施例2と実施例1とで変わらない。しかし、被処理部材のピッチング寿命は、実施例2のものが実施例1のものの約2倍であった。これは、実施例2の降温速度が実施例1の降温速度よりも小さく、より多くの窒素が被処理部材に侵入して、被処理部材の軟化抵抗性が向上したためと考えられる。さらに、被処理部材の炭化物の量は、実施例2のほうが実施例1よりも多いことも確認されており、そのことが、ピッチング寿命の更なる延長に寄与しているものと考えられる。
(一次加熱温度および二次加熱温度)
浸炭工程で被処理部材がγ相を維持できるように、一次加熱温度を900℃〜1050℃の範囲内にしている。また、浸窒工程で微細な炭化物を析出させるためには、X3点をAcm線の直下に位置させる必要がある。このため、二次加熱温度を800℃〜880℃の範囲内にしている。
(炭化物の粒径)
実施例1の被処理部材についてSEM観察を行なった結果、(Fe,Cr)3Cを主たる成分とする0.2μm〜0.5μm程度の微細な炭化物が多数確認された。
本発明は、各種被処理部材を浸炭浸窒処理するのに適用可能である。
T1 一次加熱温度
T2 二次加熱温度

Claims (6)

  1. 被処理部材に対し、一次加熱温度で減圧しつつ浸炭性ガスを供給する真空浸炭処理を行った後に、その浸炭性ガスを浸窒性ガスに置換しつつ二次加熱温度に降温し、その二次加熱温度に保持する浸窒処理を行う鋼材の表面処理方法。
  2. 前記被処理部材が鉄を主に含む金属であり、前記真空浸炭処理および前記浸窒処理後の前記被処理部材の表面炭素濃度を0.9質量%以上に設定する請求項1に記載の鋼材の表面処理方法。
  3. 前記真空浸炭処理および前記浸窒処理後の前記被処理部材の表面窒素濃度を0.39質量%以上に設定する請求項1に記載の鋼材の表面処理方法。
  4. 前記被処理部材のCrを1.00質量%以下に設定する請求項1に記載の鋼材の表面処理方法。
  5. 前記一次加熱温度から前記二次加熱温度に降温する降温速度を2.7℃/分以下に設定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼材の表面処理方法。
  6. 前記一次加熱温度を900℃〜1050℃の範囲とし、前記二次加熱温度を800℃〜880℃の範囲とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋼材の表面処理方法。
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