JP2010222617A - 銀めっき材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シアン系の銀めっき液を使用しないで製造しても密着性が良好であり、高硬度で且つ高温環境下において変色し難い銀めっき材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】硝酸銀を含む硝酸系銀めっき液を使用して電気めっきを行うことによって、銅、鉄、アルミニウムなどやこれらの合金からなる素材上に銀めっき皮膜を形成する際に、電流密度を0.1A/dm・s以下、好ましくは0.005〜0.1A/dm・sの電流密度上昇速度で上昇させた後に、2A/dm以上、好ましくは2〜10A/dmの一定の電流密度に維持する。
【選択図】なし

Description

本発明は、銀めっき材およびその製造方法に関し、特に、車載用や民生用の電気配線に使用されるコネクタ、スイッチ、リレーなどの接点や端子部品の材料として使用される銀めっき材およびその製造方法に関する。
従来、コネクタやスイッチなどの接点や端子部品などの材料として、銅、銅合金、ステンレス鋼などの比較的安価で耐食性や機械的特性などに優れた素材に、電気特性や半田付け性などの必要な特性に応じて、錫、銀、金などのめっきを施しためっき材が使用されている。最近では、軽量化のために、このようなめっき材の素材として、アルミニウムやアルミニウム合金が使用されることもある。
銅や銅合金などの素材に錫めっきを施した錫めっき材は、安価であるが、高温環境下における耐食性に劣っている。また、銅や銅合金などの素材に金めっきを施した金めっき材は、耐食性に優れ、信頼性が高いが、コストが高くなる。一方、銅や銅合金などの素材に銀めっきを施した銀めっき材は、金めっき材と比べて安価であり、錫めっき材と比べて耐食性に優れている。
また、コネクタやスイッチなどの接点や端子部品は、コネクタの挿抜やスイッチの摺動などに対する耐摩耗性が高いことが要求される場合が多いため、銀めっき材の硬度を高くすることが望まれている。銀または銀合金めっき材の耐摩耗性を向上させる方法として、銀めっき皮膜に0.1〜2.0質量%のアンチモンを含有させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−133169号公報(段落番号0014)
しかし、アンチモン(Sb)は比較的環境負荷が大きい物質であり、人体に対しても有害である。また、Sb含有量が0.05質量%以上になると、接触抵抗値の増加や高温環境下における変色などの不具合が生じる場合がある。
また、銀めっき液として、工業的にはシアン系の銀めっき液が広く用いられている。一般に、シアン系の銀めっき液を使用して得られた銀めっき材は、他の銀めっき液を使用して得られた銀めっき材に比べて、密着性などに優れた特性を有している。しかし、シアン系の銀めっき液に含まれるシアン化合物は、毒性が強く、環境負荷が大きく、作業環境上も好ましくない。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、シアン系の銀めっき液を使用しないで製造しても密着性が良好であり、高硬度で且つ高温環境下において変色し難い銀めっき材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、銀めっき液を使用して電気めっきを行うことによって素材上に銀めっき皮膜を形成する際に、電流密度を所定の電流密度上昇速度で上昇させた後に、一定の電流密度に維持することにより、シアン系の銀めっき液を使用しないで密着性が良好な銀めっき材を製造することができるとともに、高硬度で且つ高温環境下において変色し難い銀めっき材を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による銀めっき材の製造方法は、銀めっき液を使用して電気めっきを行うことによって素材上に銀めっき皮膜を形成する際に、電流密度を所定の電流密度上昇速度で上昇させた後に、一定の電流密度に維持することを特徴とする。この銀めっき材の製造方法において、所定の電流密度上昇速度が0.1A/dm・s以下であるのが好ましく、一定の電流密度が2A/dm以上であるのが好ましい。また、銀めっき液が、硝酸銀を含む銀めっき液であるのが好ましく、銀めっき液のpHが8〜9であるのが好ましく、銀めっき液の温度が0〜20℃であるのが好ましい。また、銀めっき皮膜を形成する素材は、銅、鉄、アルミニウムなどやこれらの合金からなる素材であるのが好ましい。
また、本発明による銀めっき材は、素材上に銀めっき皮膜が形成され、銀めっき皮膜中のSb含有量が0.001質量%以下、ビッカース硬さHVが100以上の銀めっき材であって、この銀めっき材を曲げ角度が180°になるように曲げた後に曲げ角度が略0°になるように戻し、次いで、曲げ角度が180°になるように曲げたときに外側になった面に粘着力3.88N/10mmのテープを貼り付けた後に引き剥がした際に、テープの粘着面に銀めっき皮膜が付着しないことを特徴とする。
本発明によれば、シアン系の銀めっき液を使用しないで密着性が良好な銀めっき材を製造することができるとともに、ビッカース硬さHV100以上の高硬度で且つ高温環境下において変色し難い銀めっき材を製造することができる。
本発明による銀めっき材の製造方法の実施の形態では、銀めっき液を使用して電気めっきを行うことによって素材上に銀めっき皮膜を形成する際に、電流密度を所定の電流密度上昇速度で上昇させた後に、一定の電流密度に維持する。
素材として、銅、鉄、アルミニウムなどやこれらの合金からなる素材を使用することができる。また、素材と銀めっき皮膜との間に、中間層としてニッケル、銅またはこれらの合金からなるめっき層を形成してもよい。
銀めっき液として、Sbを含有しない硝酸系銀めっき液を使用することができる。銀めっき液は、pHを8以上に調整するのが好ましく、pHを8〜9に調整するのがさらに好ましい。pHが8未満であると、銀めっき皮膜の密着性が低下し、pHが9を超えると、銀めっき液からのアンモニアの揮発が激しくなって作業環境が悪化する。また、銀めっき液には、導電塩として、ピロリン酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、有機酸、有機アミンなどを適宜加えてもよい。
電気めっきの初期には、電流密度を0A/dmから徐々に上昇させて銀めっきを形成する。電流密度上昇速度は、0.1A/dm・s以下であるのが好ましく、めっき速度を考慮すると、0.005〜0.1A/dm・sであるのがさらに好ましい。電流密度の上昇方法は、連続的(漸次連続的)に上昇させる方法でもよいし、断続的(段階的)に上昇させる方法でもよく、これらを組み合わせてもよい。なお、本明細書中において、「電流密度上昇速度」とは、その上昇方法にかかわらず、一定の電流密度で電気めっきを行う際の電流密度を、その電流密度に達するまでの時間で除したものをいう。
また、一定の電流密度で電気めっきを行って所望の厚さの銀めっき皮膜を形成する際の電流密度は、2A/dm以上であるのが好ましく、2〜10A/dmであるのがさらに好ましい。この電流密度が2A/dmより低いと、銀めっき皮膜のビッカース硬さがHV100以下になり、10A/dmより高いと、めっきヤケが生じる可能性がある。
以下、本発明による銀めっき材およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、素材(被めっき材)として30mm×30mm×0.3mmのハルセル銅板を用意し、エタノールで脱脂し、前処理として、0.1NのNaOH水溶液に5分間浸漬して脱脂した後に純水で洗浄し、その後、0.1NのHCl水溶液に5分間浸漬した後に純水で洗浄した。
次に、前処理済みの被めっき材とSUS板を約5mm離間させて100mLビーカー中に配置し、硝酸銀0.03g/Lとピロリン酸ナトリウム0.4g/Lと硫酸アンモニウム0.8g/Lを含有する水溶液からなるめっき浴(ストライク銀めっき浴)100mLをビーカーに入れ、ビーカー中に設置した攪拌子を200rpmで回転させてめっき浴を攪拌し、液温20℃に制御し、被めっき材およびSUS板をそれぞれ陰極および陽極として、一定の電流密度3.0A/dmで30秒間通電して、被めっき材上にストライク銀めっき層を形成した後、純水で洗浄した。
次に、ストライク銀めっき済みの被めっき材とSUS板を約5mm離間させて100mLビーカー中に配置し、硝酸銀40g/Lとピロリン酸ナトリウム20g/Lと硫酸アンモニウム120g/Lと25%アンモニア水40mL/Lを含有する水溶液(pH=9)からなる組成のめっき浴(銀めっき浴)100mLをビーカーに入れ、ビーカー中に設置した攪拌子を500rpmで回転させてめっき浴を攪拌し、液温10℃に制御し、被めっき材およびSUS板をそれぞれ陰極および陽極として、電流密度を0から3A/dmまで電流密度上昇速度0.1A/dm・sで連続的に上昇させた後、定電流密度3A/dmで通電(銀めっき層の厚さが20μm以上になるまで通電)して、被めっき材上に銀めっき層を形成した後、純水で洗浄し、エアブローにより乾燥した。
このようにして得られた銀めっき材を試験片として使用して、試験片中のAg含有量(X質量%)とSbの含有量(Y質量%)をICP装置(ジャーレル・アッシュ社製IRIS/AR)を用いてプラズマ分光分析法によって求め、めっき皮膜中のSb含有量をY/(X+Y)として算出したところ、めっき皮膜中のSb含有量は、Sb濃度検出限界未満(N.D.)(Sb濃度0.001質量%以下)であった。
また、硬度測定装置(松沢精機株式会社製のDMH−1 Micro Hardness Tester)を使用し、JIS Z2244に準拠して、得られた銀めっき材に荷重10gfを15秒間負荷することによって、ビッカース硬さHVを測定(5点測定して最大値と最小値を除いた3点の平均値で評価)したところ、120であった。なお、ビッカース硬さHVは、100以上であれば良好であると判断することができる。
また、JIS H8504の曲げ試験方法に示す試験器具の一例と同様の試験器具(但し、当て金の曲げ半径は3mm)を使用して、得られた銀めっき材を90°曲げた後、2枚のテフロン(登録商標)の樹脂板に挟み、10kgの荷重をかけて、曲げ角度が180°になるようにし、このように曲げた銀めっき材の曲げ角度がゼロになる方向に10kgの引張り荷重をかけて、曲げ角度が略0°になる(曲げた銀めっき材が元の状態に近づく)ようにした。次いで、JIS H8504の引き剥がし試験方法(めっき面に粘着性のあるテープを貼り付けて急速に且つ強く引き剥がすことによって、めっきの密着性を調べる試験方法)に準拠して、上記の曲げ試験後の銀めっき材のめっき皮膜の密着性試験を行った。但し、テープとして粘着力3.88N/10mmのテープ(ニチバン株式会社製のセロテープ(登録商標)No.405(呼び幅24mm))を使用し、曲げ角度が180°になるように曲げたときに外側になった面の外周から3mmの部分を除く部分にテープを貼り付けた。この密着性試験では、引き剥がし試験後のテープを目視および4倍の拡大鏡で観察し、テープの粘着面にめっき皮膜が付着しているか否かによって、めっき皮膜の密着性を調べた。その結果、テープの粘着面へのめっき皮膜の付着が認められず、めっき皮膜の密着性が良好であった。
さらに、得られた銀めっき材を大気中において200℃で24時間加熱した後、肉眼で変色の有無を調べる耐熱試験を行ったところ、変色はなかった。
[実施例2]
銀めっき浴中のアンモニア水の濃度を変えてpHを8にした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは120であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかった。
[実施例3]
銀めっきの際の電流密度上昇速度を0.005A/dm・sにした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは100であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかった。
[実施例4]
銀めっき浴中のアンモニア水の濃度を変えてpHを8にし、銀めっきの際の電流密度上昇速度を0.005A/dm・sにした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは110であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかった。
[実施例5]
銀めっきの際の電流密度の最大値を2A/dmにした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは110であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかった。
[実施例6]
銀めっき浴の液温を0℃にした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは120であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかった。
[実施例7]
銀めっき浴の液温を20℃にした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは120であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかった。
[実施例8]
銀めっきの際の電流密度を連続的に上昇させるのではなく、0.1A/dm、0.5A/dm、1.0A/dm、1.5A/dm、2.0A/dm、2.5A/dm、3.0A/dmの順に断続的に上昇させ、各電流密度における保持時間を100秒とした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは120であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかった。なお、この実施例では、電流密度が3.0A/dmに到達するまでの時間が600秒であるので、電流密度平均上昇速度は0.005A/dm・sになる。
[実施例9]
銀めっきの際の電流密度を連続的に上昇させるのではなく、0.1A/dm、0.5A/dm、1.0A/dm、1.5A/dm、2.0A/dm、2.5A/dm、3.0A/dmの順に断続的に上昇させ、各電流密度における保持時間を5秒とした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは120であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかった。なお、この実施例では、電流密度が3.0A/dmに到達するまでの時間が30秒であるので、電流密度平均上昇速度は0.1A/dm・sになる。
[実施例10]
銀めっきの際の電流密度を0から10A/dmまで速度0.1A/dm・sで連続的に上昇させた以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは130であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかった。
[実施例11]
被めっき材として厚さ1μmのNiめっきを施した30mm×30mm×0.3mmのハルセル銅板を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは120であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかった。
[実施例12]
被めっき材として厚さ1μmのNiめっきを施した30mm×30mm×0.3mmのSUS304板を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは120であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかった。
[実施例13]
被めっき材として厚さ0.1μmのZnめっきを施した後に厚さ0.5μmのCuめっきを施した30mm×30mm×0.3mmのAl板を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは120であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかった。
[比較例1]
銀めっきの際の電流密度を変化させずに一定の電流密度3A/dmとした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは110であり、変色はなかったが、テープの粘着面に4mmより大きいめっき皮膜が付着し、めっき皮膜の密着性は良好でなかった。
[比較例2]
銀めっきの際の電流密度を変化させずに一定の電流密度1A/dmとした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)であり、変色はなかったが、ビッカース硬さHVは70であり、テープの粘着面に4mmより大きいめっき皮膜が付着し、めっき皮膜の密着性は良好でなかった。
[比較例3]
銀めっきの際の電流密度上昇速度を0.3A/dm・sにした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、ビッカース硬さHVは120であり、変色はなかったが、テープの粘着面に4mmより大きいめっき皮膜が付着し、めっき皮膜の密着性は良好でなかった。
[比較例4]
銀めっきの際の電流密度の最大値を1A/dmにした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかったが、ビッカース硬さHVは70であった。
[比較例5]
銀めっき浴の液温を30℃にした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかったが、ビッカース硬さHVは80であった。
[比較例6]
ストライク銀めっき浴として、シアンAgカリウム3g/Lとシアン化カリウム100g/Lを含有する水溶液からなるめっき浴を使用し、銀めっき浴として、シアンAgカリウム100g/Lとシアン化カリウム120g/Lを含有する水溶液(pH13)からなるシアン系軟質銀めっき浴を使用し、銀めっきの際の電流密度を変化させずに一定の電流密度3A/dmとし、銀めっき浴の液温を20℃にした以外は、実施例1と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、めっき皮膜中のSb含有量はSb濃度検出限界未満(N.D.)、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかったが、ビッカース硬さHVは90であった。
[比較例7]
シアン系軟質銀めっき浴にロシェル塩3g/Lと酒石酸アンチモンカリウムを0.7g/L添加した以外は、比較例6と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、ビッカース硬さHVは120であり、めっき皮膜の密着性は良好であり、変色もなかったが、めっき皮膜中のSb含有量は0.002質量%であった。
[比較例8]
シアン系軟質銀めっき浴にロシェル塩30g/Lと酒石酸アンチモンカリウムを7g/L添加した以外は、比較例6と同様の方法により、得られた銀めっき材について、めっき皮膜中のSb含有量の算出、ビッカース硬さHVの測定、密着性試験および耐熱試験を行ったところ、ビッカース硬さHVは140であり、めっき皮膜の密着性は良好であったが、めっき皮膜中のSb含有量は0.05質量%であり、変色があった。
実施例および比較例の銀めっき材の製造条件および評価結果をそれぞれ表1および表2に示す。
Figure 2010222617
Figure 2010222617

Claims (8)

  1. 銀めっき液を使用して電気めっきを行うことによって素材上に銀めっき皮膜を形成する際に、電流密度を所定の電流密度上昇速度で上昇させた後に、一定の電流密度に維持することを特徴とする、銀めっき材の製造方法。
  2. 前記所定の電流密度上昇速度が0.1A/dm・s以下であることを特徴とする、請求項1に記載の銀めっき材の製造方法。
  3. 前記一定の電流密度が2A/dm以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の銀めっき材の製造方法。
  4. 前記銀めっき液が、硝酸銀を含む銀めっき液であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の銀めっき材の製造方法。
  5. 前記銀めっき液のpHが8〜9であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の銀めっき材の製造方法。
  6. 前記銀めっき液の温度が0〜20℃であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の銀めっき材の製造方法。
  7. 前記素材が、銅、鉄、アルミニウムなどやこれらの合金からなる素材であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の銀めっき材の製造方法。
  8. 素材上に銀めっき皮膜が形成され、銀めっき皮膜中のSb含有量が0.001質量%以下、ビッカース硬さHVが100以上の銀めっき材であって、この銀めっき材を曲げ角度が180°になるように曲げた後に曲げ角度が略0°になるように戻し、次いで、曲げ角度が180°になるように曲げたときに外側になった面に粘着力3.88N/10mmのテープを貼り付けた後に引き剥がした際に、テープの粘着面に銀めっき皮膜が付着しないことを特徴とする、銀めっき材。
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