JP2010216311A - ディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム - Google Patents

ディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム Download PDF

Info

Publication number
JP2010216311A
JP2010216311A JP2009062022A JP2009062022A JP2010216311A JP 2010216311 A JP2010216311 A JP 2010216311A JP 2009062022 A JP2009062022 A JP 2009062022A JP 2009062022 A JP2009062022 A JP 2009062022A JP 2010216311 A JP2010216311 A JP 2010216311A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diesel engine
pressure difference
forced regeneration
filter
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009062022A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Tsukamoto
浩之 塚本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd filed Critical Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP2009062022A priority Critical patent/JP2010216311A/ja
Publication of JP2010216311A publication Critical patent/JP2010216311A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)

Abstract

【課題】エンジン負荷が小さいときでも強制再生を適正に行うことができるディーゼルエンジンの排気ガス浄化システムを提供する。
【解決手段】ディーゼルエンジン50の排気通路12に設けられて該ディーゼルエンジン50の排気ガス中の粒子状物質を捕集し、且つ、捕集した該粒子状物質を除去するための触媒を担持したフィルタ14を備えたディーゼルエンジン50の排気ガス浄化システムにおいて、前記フィルタ14の両面間の圧力差を検出するための圧力センサ16と、該圧力センサ16を用いて検出された前記圧力差の単位時間当たりの上昇量が所定の値を超えたか否かを判断する圧力差上昇量判断手段18Bと、を備え、前記圧力差の単位時間当たりの上昇量が所定の値を超えたと判断された場合に強制再生を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの排気ガス浄化システムに関する。
建設機械等の作業機械においてはディーゼルエンジンが広く用いられているが、ディーゼルエンジンの排気ガス中には粒子状物質(particulate matter)が含まれている。この粒子状物質を捕集するため、フィルタ(Diesel Particulate Filter、DPF)が用いられている。
このフィルタには、連続再生式のフィルタがある。連続再生式のフィルタは、粒子状物質を捕集する機能と、捕集した粒子状物質を触媒の作用で酸化除去してフィルタを連続的に再生する機能と、を併せ持っており、例えば多孔質セラミックスに酸化触媒が担持されて構成されている。このため、連続再生式のフィルタに捕集された粒子状物質は、触媒の作用で連続的に酸化除去され、フィルタは自己再生される。
しかしながら、この自己再生は必ずしも常に良好に行われるわけではなく、例えばアイドリング状態のようにエンジン負荷が小さく排気ガス温度が十分に上昇しない場合、自己再生が不十分となり、フィルタには粒子状物質が徐々に堆積してしまう。フィルタへの粒子状物質の堆積量が多くなると、排気ガスがフィルタを通過する際の抵抗が大きくなり、排気系の圧力が上昇してしまい、エンジンの本来の性能が得られなくなる。
そこで、フィルタの両面間の圧力差を監視し、該圧力差が所定の値を超えると、フィルタに堆積した粒子状物質を強制的に除去する強制再生をなす技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
強制再生は、例えば、通常の燃料噴射時期(圧縮行程の上死点付近)とは別に、排気弁が閉止する直前に気筒内の燃焼室へ燃料噴射を行うポスト噴射(後噴射)をすることによりなされる。ポスト噴射(後噴射)により供給された燃料は、未燃のまま燃焼室外に排出され、酸化触媒に供給されて酸化(燃焼)する。このときの酸化反応熱によりフィルタの温度が上昇し、フィルタに捕集された粒子状物質が燃焼除去されて、フィルタが再生する。
特開平4−66717号公報
しかしながら、エンジン負荷の小さい軽作業時においては、フィルタの両面間の圧力差を監視し、該圧力差が所定の値を超えたときに強制再生を行う場合、長時間にわたる強制再生が必要となってしまうことがあった。ポスト噴射を伴う強制再生を長時間にわたって行うと、燃料を余計に消費して燃費が悪くなるだけでなく、エンジンオイルが早期に劣化してしまう。
また、エンジン負荷の小さい軽作業時に強制再生を行う場合、エンジン負荷が軽く排気ガス温度が十分上昇せず、フィルタへ堆積した粒子状物質の燃焼除去を完全に行うことが困難となることから、一旦作業を中断して強制再生のためのディーゼルエンジンの高負荷運転をしつつポスト噴射を行って強制再生を行うことが必要となってしまう場合があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、エンジン負荷が小さいときでも強制再生を適正に行うことができるディーゼルエンジンの排気ガス浄化システムを提供することを課題とする。
本発明は、ディーゼルエンジンの排気通路に設けられて該ディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子状物質を捕集し、且つ、捕集した該粒子状物質を除去するための触媒を担持したフィルタを備えたディーゼルエンジンの排気ガス浄化システムにおいて、前記フィルタの両面間の圧力差を検出するための圧力センサと、該圧力センサを用いて検出された前記圧力差の単位時間当たりの上昇量が所定の値を超えたか否かを判断する圧力差上昇量判断手段と、を備え、前記圧力差の単位時間当たりの上昇量が所定の値を超えたと判断された場合に強制再生を行うことにより、前記課題を解決したものである。
エンジン負荷の小さい軽作業時やアイドリング時は、排気ガス温度が低いため、粒子状物質のフィルタへの堆積が進みやすく、且つ、強制再生を行ってもその効果が顕われにくい。加えて、ディーゼルエンジンから排出される排気ガス量が少ないため、粒子状物質のフィルタへの堆積量がかなり多くなってもフィルタの両面間の圧力差は所定の値に達しない。このため、エンジン負荷の小さい軽作業時やアイドリング時は、粒子状物質のフィルタへの堆積量が過大になりやすく、一旦作業を中断して、強制再生のためのディーゼルエンジンの高負荷運転をしつつポスト噴射を行って強制再生を行うことが必要となってしまうことも多々ある。しかし、エンジン軽負荷時の強制再生の開始を早めるために、フィルタの両面間の圧力差の閾値を単に小さくすると、堆積量が多くないときでもエンジン負荷の大きい作業時にはすぐに閾値に達してしまい、頻繁に強制再生がなされてしまう。
本発明では、前記フィルタの両面間の圧力差の単位時間当たりの上昇量が所定の値を超えた場合に強制再生を行う。これは、フィルタの両面間の圧力差は、粒子状物質の堆積量がある程度多くなってきたある時点からその単位時間当たりの上昇量が大きくなる傾向があり、且つこの定性的傾向は、排気ガス量が多いときでも少ないときでも大きくは変わらないという新たな知見に基づいている。即ち、強制再生を開始するための条件を、フィルタの両面間の圧力差の単位時間当たりの上昇量が所定の値を超えたときとすることにより、エンジン負荷の小さい軽作業時やアイドリング時であっても、粒子状物質のフィルタへの堆積量が過大になる前に強制再生を行うことが可能となり、燃料の余計な消費およびエンジンオイルの早期劣化といった強制再生を行うことによる問題を低減させることができる。また、(強制再生の効果の得にくい)軽作業中であっても、その作業を中断して高負荷運転をして強制再生を行う必要性を低減させることができる。更に、単に圧力差の閾値を低める手法と比べて、エンジン負荷が大きいときに過度に強制再生が行われてしまうという不具合が発生することも低減することができる。
前記ディーゼルエンジンが油圧作業機械の油圧ポンプを駆動するエンジンである場合、更に、前記油圧作業機械の操作レバーが中立位置になったか否かを判断する中立位置判断手段を備えさせて、前記圧力センサを用いて検出された前記圧力差の単位時間当たりの上昇量が所定の値を超えたと判断された後、前記油圧作業機械の操作レバーが中立位置になったと判断された時点で、前記強制再生を開始するように構成してもよい。
また、前記排気ガス浄化システムにおいて、更に、強制再生を示す表示手段を備えさせて、該表示手段に強制再生に入ることを事前に表示した上で、前記強制再生を開始するように構成してもよい。
本発明によれば、フィルタの両面間の圧力差の単位時間当たりの上昇量が所定の値を超えたと判断された場合に強制再生を行うので、エンジン負荷が小さいときでも強制再生を適正に行うことができる。
このため、燃料の余計な消費およびエンジンオイルの早期劣化といった強制再生を行うことによる問題を低減させることができる。また、(強制再生の効果の得にくい)軽作業中であっても、その作業を中断して高負荷運転をして強制再生を行う必要性を低減させることができる。更に、単に圧力差の閾値を低める手法と比べて、エンジン負荷が大きいときに過度に強制再生が行われてしまうという不具合が発生することも低減することができる。
本発明の第1実施形態に係るディーゼルエンジンの排気ガス浄化システムの構成を示す図 フィルタ14の両面間の圧力差Pと前回の強制再生からのディーゼルエンジン50の累積作動時間tとの関係を模式的に示すグラフ図 本発明の第2実施形態に係るディーゼルエンジンの排気ガス浄化システムの構成を示す図
以下図面に基づいて、本発明に係るディーゼルエンジンの排気ガス浄化システムの好適な実施形態の例について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るディーゼルエンジンの排気ガス浄化システムの構成を示す図である。
この排気ガス浄化システム10は、排気通路12と、フィルタ14と、圧力センサ16と、コントローラ18と、モニタ(表示手段)20と、を備え、油圧作業機械70のディーゼルエンジン50から排出される排気ガスを浄化する。
排気通路12は、ディーゼルエンジン50からの排気ガスを排出する通路である。排気通路12の中途にはフィルタ14が設けられている。
フィルタ14は連続再生式のフィルタであり、粒子状物質を捕集する機能と、捕集した粒子状物質を触媒の作用で酸化除去してフィルタを連続的に再生する機能と、を併せ持っており、例えば多孔質セラミックスに酸化触媒が担持されて構成されている。このため、フィルタ14に捕集された粒子状物質は、フィルタ14に担持された触媒の作用で連続的に酸化除去され、フィルタ14は自己再生される。
フィルタ14の両側(排気ガスの流れの上流側および下流側)の排気通路12には、それぞれ圧力センサ16の検出点16A、16Bが設けられている。
圧力センサ16は、検出点16A、16Bの圧力差を検出する。圧力センサ16が検出した圧力差データは電気信号線30を介してコントローラ18に送られる。
モニタ20は、強制再生が開始されること、あるいは強制再生中であることをオペレータに通告する役割を有し、後述するように、強制再生が開始される前に、画面に「強制再生」の文字を表示する。強制再生が開始される前に、画面に「強制再生」の文字が表示されることにより、オペレータは強制再生が開始されることを予期することができる。
コントローラ18は、ディーゼルエンジン50の運転を制御する役割を有し、電気信号線32を介して燃料噴射制御装置52に指令を行い、燃料噴射装置54を制御して、ディーゼルエンジン50の運転を制御する。また、燃料噴射装置54を制御して、強制再生の際にポスト噴射を行わせることができるようにもなっている。燃料噴射装置54はコモンレール式の燃料噴射装置である。
また、コントローラ18は、圧力差算出部18Aと、圧力差上昇量判断部18Bを備えている。圧力差算出部18Aは、圧力センサ16が測定した圧力差データに基づきフィルタ14の両面間の圧力差(検出点16A、16Bの圧力差)Pを所定時間ごとに算出するとともに、フィルタ14の両面間の圧力差Pの単位時間当たりの上昇量ΔP/Δtを算出する。圧力差上昇量判断部18Bは、フィルタ14の両面間の圧力差Pの単位時間当たりの上昇量ΔP/Δtが所定の値αを超えた(ΔP/Δt>α)かどうかを判断する。
ここで、図2に、フィルタ14の両面間の圧力差Pと前回の強制再生からのディーゼルエンジン50の累積作動時間tとの関係を模式的に示す。図2に示すように、フィルタ14の両面間の圧力差Pの単位時間当たりの上昇量はある時点から徐々に大きくなり、その後短い時間で、従来から用いられている強制再生の目安となる圧力差の閾値P0に達する。この定性的傾向は、ディーゼルエンジン50が高負荷運転されているときでも低負荷運転されているときでも大きくは変わらない。
一方、ディーゼルエンジン50が低負荷運転されている時は、ディーゼルエンジン50から排出される排気ガスの圧力自体が小さいので、フィルタ14の両面間の圧力差Pも大きくなりにくく、圧力差Pが閾値P0に達した時点では、粒子状物質はフィルタ14に過大に堆積してしまっている。したがって、軽作業時やアイドリング時等のエンジン負荷の小さいときは、フィルタ14の両面間の圧力差Pが閾値P0に達したかどうかを強制再生開始の条件とする従来の方式では、強制再生開始のタイミングが遅れてしまう。
そこで、本実施形態においては、コントローラ18は、圧力差算出部18Aにおいて、フィルタ14の両面間の圧力差Pを算出した上で、さらにフィルタ14の両面間の圧力差Pの単位時間当たりの上昇量ΔP/Δtを算出するようになっており、圧力差上昇量判断部18Bがフィルタ14の両面間の圧力差の単位時間当たりの上昇量ΔP/Δtが所定の値αを超えた(ΔP/Δt>α)と判断すると、コントローラ18は、電気信号線34を介してモニタ20に電気信号を送り、モニタ20の画面に「強制再生」の文字を表示させ、その後、電気信号線32を介して燃料噴射制御装置52に指令を行い、ポスト噴射を伴う強制再生を行うようにしている。
図2において、時刻tn-1における圧力差上昇量は点Qn-1における傾きであるΔPn-1/Δtn-1=(Pn−Pn-1)/(tn−tn-1)であり、時刻tnにおける圧力差上昇量は点Qnにおける傾きであるΔPn/Δtn=(Pn+1−Pn)/(tn+1−tn)である。ΔPn-1/Δtn-1<αであり、且つ、ΔPn/Δtn>αとすると、時刻tnにおいて、フィルタ14の両面間の圧力差の単位時間当たりの上昇量ΔP/Δtが所定の値αを超えて、強制再生を行う条件が成立したことになり、コントローラ18は時刻tnにおいて強制再生を開始させる。この時点では、粒子状物質のフィルタ14への堆積は過大となっていない。
したがって、フィルタ14の両面間の圧力差の単位時間当たりの上昇量ΔP/Δtが所定の値αを超えた段階(ΔP/Δt>α)で強制再生を行うことにより、燃焼除去すべき粒子状物質の堆積量が過大となる前の段階で強制再生を行うことができ、強制再生に要する時間は長時間とはならず、ポスト噴射のトータルの回数を減らすことができる。また、ディーゼルエンジン50による作業が軽作業であったり、ディーゼルエンジン50がアイドリング状態であって、ディーゼルエンジン50に加わる負荷が小さく、ポスト噴射を行っても排気ガス温度が十分に上昇しにくい場合であっても、粒子状物質の堆積量が過大となる前の段階なので、エンジン負荷を大きくせずに低負荷運転のままの強制再生により、フィルタ14に堆積した粒子状物質を十分に燃焼除去し切ることができる。したがって、作業を中断してディーゼルエンジン50を高負荷運転して強制再生を行う必要はない。
所定の値αは、軽作業時やアイドリング時等のエンジン負荷の小さいときに複数回測定した、図2に示すような累積作動時間t−圧力差P曲線に基づき設定することができ、例えば、フィルタ14の両面間の圧力差Pが急増を開始する直前のΔP/Δtの値とすることができる。所定の値αは、油圧作業機械70を用いて実作業を行う前に設定しておく。また、コントローラ18は、圧力差算出部18Aにおいて、圧力センサ16が測定した圧力差データに基づきフィルタ14の両面間の圧力差(検出点16A、16Bの圧力差)Pを所定時間ごとに算出するが、この所定時間は一定である必要はなく、例えば、前回の強制再生からのディーゼルエンジン50の累積作動時間tが短い段階では該所定時間を長くし、累積作動時間tが長くなってΔP/Δtが大きくなるにつれて該所定時間を短くしてもよい。
なお、本実施形態では、圧力センサ16により、検出点16A、16Bの圧力差を検出するように構成しているが、検出点16A、16Bごとに圧力センサを設け、それぞれの圧力センサによる圧力データをコントローラ18に送るように構成し、コントローラ18にて検出点16A、16Bの圧力差を算出するように構成してもよい。
また、符号60、60Aおよび符号72〜86は、油圧作業機械70の主要な構成要素を示しており、符号60はリモコンレバー装置であり、符号60Aはリモコンレバー装置60の操作レバーであり、符号72はディーゼルエンジン50からの駆動力により作動するメイン油圧ポンプであり、符号74はレギュレータであり、符号76、78、80は制御弁であり、符号82、84、86は油圧アクチュエータである。油圧作業機械70を用いて作業を行う際には、ディーゼルエンジン50を起動してメイン油圧ポンプ72を駆動するとともに、リモコンレバー装置60の操作レバー60Aにより制御弁76、78、80を操作して油圧アクチュエータ82、84、86を作動させる。
また、図1では、リモコンレバー装置60を介して供給されるパイロット圧は制御弁80のみに供給されるように描いているが、これは図示の都合上このようにしているのであり、制御弁76、78にもリモコンレバー装置60を介してパイロット圧が供給されるようになっている。
次に、第1実施形態に係る排気ガス浄化システム10の作用について説明する。
ディーゼルエンジン50には、ターボチャージャ(図示せず)により加圧された空気が吸気通路(図示せず)を介して供給されるとともに、燃料噴射装置54から燃料が供給される。これにより、ディーゼルエンジン50は作動する。ディーゼルエンジン50が作動すると、ディーゼルエンジン50からは排気ガスが排出されるが、この排気ガスは排気通路12を通って外部に排出される。排気通路12内にはフィルタ14が配置されており、排気ガスはフィルタ14を通過する。
前述のように、ディーゼルエンジン50から排出される排気ガスには粒子状物質が含まれており、この粒子状物質はフィルタ14に捕集されてフィルタ14上に堆積していく。フィルタ14への粒子状物質の堆積量が多くなると、排気ガスがフィルタ14を通過する際の抵抗が大きくなり、排気系の圧力が上昇してしまい、ディーゼルエンジン50の本来の性能が得られなくなる。
そこで、コントローラ18は、フィルタ14の両面間の圧力差の単位時間当たりの上昇量ΔP/Δtが所定の値αを超えた段階(ΔP/Δt>α)で、電気信号線34を介してモニタ20に電気信号を送りモニタ20に「強制再生」の文字を表示させた後、電気信号線32を介して燃料噴射制御装置52に指令を行い、燃料噴射装置54を制御して、ディーゼルエンジン50に対してポスト噴射を行う。ポスト噴射を行うことにより、ディーゼルエンジン50の排気ガスの温度が上昇し、フィルタ14に堆積した粒子状物質は燃焼除去されていく。
本実施形態では、従来のようにフィルタ14の両面間の圧力差に基づき強制再生のタイミングを判断するのではなく、フィルタ14の両面間の圧力差の単位時間当たりの上昇量ΔP/Δtに基づき強制再生のタイミングを判断し、ΔP/Δtが所定の値αを超えた段階(ΔP/Δt>α)でポスト噴射を行う。したがって、本実施形態では、軽作業時やアイドリング時等のエンジン負荷の小さいときにおいても、フィルタ14への粒子状物質の堆積量が過大となる前の段階でポスト噴射を行って強制再生を行うこととなるので、強制再生の時間が長時間にわたることはなくなり、トータルのポスト噴射の回数は従来よりも減少する。これにより、燃料の余計な消費およびエンジンオイルの早期劣化といった強制再生を行うことによる問題を低減させることができる。
また、フィルタ14への粒子状物質の堆積量が過大となる前の段階で強制再生を行うので、ディーゼルエンジン50による作業が軽作業であったり、ディーゼルエンジン50がアイドリング状態であって、ディーゼルエンジン50に加わる負荷が小さく、ポスト噴射を行っても排気ガス温度が十分に上昇しにくい場合であっても、フィルタ14に堆積した粒子状物質を十分に燃焼除去し切ることができる。このため、ディーゼルエンジン50による作業が軽作業であっても、その作業を中断して高負荷運転をして強制再生を行う必要はない。また、軽作業や未操作時間が長い作業のように粒子状物質がフィルタ14に堆積しやすい作業であっても、ΔP/Δt>αとなった際に強制再生が行われるので、粒子状物質がフィルタ14に過大に堆積する前に強制再生が行われ、フィルタ14に堆積した粒子状物質を燃焼除去し切ることができ、別途強制再生を行うことが必要となることは少なくなる。
更に、単に圧力差の閾値を低める手法と比べて、エンジン負荷が大きいときに過度に強制再生が行われてしまうという不具合が発生することも低減することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム90について説明する。図3は、第2実施形態に係る排気ガス浄化システム90の構成を示す図である。第2実施形態に係る排気ガス浄化システム90において、第1実施形態に係る排気ガス浄化システム10と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明は省略する。
第2実施形態に係る排気ガス浄化システム90では、リモコンレバー装置60の操作レバー60Aが中立位置になったかどうかを判断する中立位置判断部18Cがコントローラ18に設けられており、ΔP/Δt>αとなった後、まず中立位置判断部18Cが、リモコンレバー装置60が電気信号線36を介して送られてくる電気信号に基づき、操作レバー60Aが中立位置になったかどうかを判断する。中立位置判断部18Cが操作レバー60Aが中立位置になったと判断すると、コントローラ18は電気信号線34を介してモニタ20に電気信号を送りモニタ20に「強制再生」の文字を表示させる。その後、ポスト噴射を行う指示をコントローラ18が燃料噴射制御装置52に送るようにシステムが構成されている。
第2実施形態ではこのように構成されているので、油圧作業機械70を用いた作業が一旦中断されて操作レバー60Aが中立位置となった段階で、ポスト噴射を伴う強制再生が開始される。操作レバー60Aが中立位置にあるときは油圧アクチュエータ82、84、86による作業がなされていない。このため、第2実施形態では、油圧アクチュエータ82、84、86による作業中にポスト噴射を伴う強制再生が開始されることがなく、且つ、モニタ20に「強制再生」の文字が表示されてから強制再生が開始されるので、オペレータの予期せぬときに強制再生が開始されることがない。
以上、本発明に係る第1および第2実施形態について説明したが、どちらの実施形態においても、モニタ20に「強制再生」の文字が表示されて強制再生が開始された状態において、油圧アクチュエータ82、84、86による作業を行うことができるように構成されている。モニタ20に「強制再生」の文字が表示されている場合、オペレータは強制再生がなされていることを認識した上で油圧アクチュエータ82、84、86による作業を行うので、強制再生がなされていても円滑に作業を進めやすい。
また、どちらの実施形態においても、強制再生の手法はポスト噴射を伴うものに限定されず、ポスト噴射を伴わない強制再生であってもよい。
また、どちらの実施形態においても、フィルタ14の両面間の圧力差Pの単位時間当たりの上昇量が所定の値を超えたかどうかを圧力差上昇量判断部18Bで判断して、強制再生開始の条件としているが、圧力差Pが所定の値を超えたかどうかを強制再生開始の条件として併用してもよい。
また、どちらの実施形態においても、強制再生開始の条件が成立した場合に、そのことをオペレータに警告する警告手段を設けてもよい。さらに、該警告手段により警告を受けたオペレータが手動で強制再生を開始できるように、そのための手段(例えば強制再生開始ボタン)を設けてもよい。
例えば、ディーゼルエンジンが用いられた建設用の作業機械に好適に用いることができる。
10、90…排気ガス浄化システム
12…排気通路
14…フィルタ
16…圧力センサ
18…コントローラ
18A…圧力差算出部
18B…圧力差上昇量判断部
18C…中立位置判断部
20…モニタ(表示手段)
30、32、34、36…電気信号線
50…ディーゼルエンジン
52…燃料噴射制御装置
54…燃料噴射装置
60…リモコンレバー装置
60A…操作レバー
70…油圧作業機械
P…フィルタ14の両面間の圧力差
t…前回の強制再生からの累積作動時間

Claims (3)

  1. ディーゼルエンジンの排気通路に設けられて該ディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子状物質を捕集し、且つ、捕集した該粒子状物質を除去するための触媒を担持したフィルタを備えたディーゼルエンジンの排気ガス浄化システムにおいて、
    前記フィルタの両面間の圧力差を検出するための圧力センサと、
    該圧力センサを用いて検出された前記圧力差の単位時間当たりの上昇量が所定の値を超えたか否かを判断する圧力差上昇量判断手段と、を備え、
    前記圧力差の単位時間当たりの上昇量が所定の値を超えたと判断された場合に強制再生を行うことを特徴とするディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム。
  2. 請求項1において、
    前記ディーゼルエンジンは油圧作業機械の油圧ポンプを駆動するエンジンであり、
    更に、前記油圧作業機械の操作レバーが中立位置になったか否かを判断する中立位置判断手段を備え、
    前記圧力センサを用いて検出された前記圧力差の単位時間当たりの上昇量が所定の値を超えたと判断された後、前記油圧作業機械の操作レバーが中立位置になったと判断された時点で、前記強制再生を開始することを特徴とするディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム。
  3. 請求項1または2において、
    更に、強制再生を示す表示手段を備え、
    該表示手段に強制再生に入ることを事前に表示した上で、前記強制再生を開始することを特徴とするディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム。
JP2009062022A 2009-03-13 2009-03-13 ディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム Pending JP2010216311A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009062022A JP2010216311A (ja) 2009-03-13 2009-03-13 ディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009062022A JP2010216311A (ja) 2009-03-13 2009-03-13 ディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010216311A true JP2010216311A (ja) 2010-09-30

Family

ID=42975412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009062022A Pending JP2010216311A (ja) 2009-03-13 2009-03-13 ディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010216311A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114225476A (zh) * 2022-01-19 2022-03-25 智火柴科技(深圳)有限公司 油液油路消气泡装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114225476A (zh) * 2022-01-19 2022-03-25 智火柴科技(深圳)有限公司 油液油路消气泡装置
CN114225476B (zh) * 2022-01-19 2024-05-14 智火柴科技(深圳)有限公司 油液油路消气泡装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3933172B2 (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
JP3988776B2 (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
JP4175281B2 (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
JP4169076B2 (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
JP2008215165A (ja) 排気ガス浄化方法及び排気ガス浄化システム
JP2005299403A (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
JP2003293824A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2005299456A (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
JP2008274835A (ja) 酸化触媒の劣化診断装置
KR20110002871A (ko) 내연 기관의 배기 가스 정화 시스템, 및 수트 필터 재생 방법
US20140116031A1 (en) Engine control system for working machine
JP4049193B2 (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
WO2013084890A1 (ja) エンジン
JP2005299436A (ja) フィルタ目詰り警告方法およびフィルタ目詰り解消方法
JP2010144525A (ja) ディーゼルエンジンの排ガス後処理制御装置および方法
JP2016166537A (ja) エンジン、及び当該エンジンを備えた作業車両
JP4466158B2 (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
JP2007154729A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5471834B2 (ja) 排気ガス浄化システム
JP2010216311A (ja) ディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム
JP5135286B2 (ja) 排気浄化システム
JP2011111949A (ja) Dpf再生制御装置
JP5828577B2 (ja) 排気ガス浄化システム
JP4517682B2 (ja) 排気ガス浄化システム
JP6203658B2 (ja) 排気ガス浄化システム