JP2010215153A - サスペンション制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵操作に対するピッチングの応答性を最適化し、運転しやすさを向上したサスペンション制御装置を提供する。
【解決手段】ドライバの操舵操作に応じてサスペンションを制御するサスペンション制御装置100を、ハンドル角の角速度を検出するハンドル角速度検出手段102と、角速度に基づいて設定される減衰力制御係数Kの増加に応じて、前輪内輪側ダンパの少なくともリバウンド側における減衰力、及び、後輪外輪側ダンパの少なくともバンプ側における減衰力を増加させるダンパ減衰力設定手段104とを備える構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両のサスペンションを制御するサスペンション制御装置に関し、特にカーブ路進入時における運転しやすさを向上したものに関する。
自動車のサスペンション装置は、車体等のバネ上側と、サスペンションアーム、ハブベアリングハウジング等のバネ下側との間に設けられたスプリング及びダンパ(ショックアブソーバ)を備えている。ダンパは、一般にオイルの流動抵抗を用いて、サスペンションストローク時のピストンスピードに応じた減衰力を発生する。
このようなダンパにおいて、減衰力を走行中に変更可能とした減衰力可変式のものが知られている。
例えば、特許文献1には、ステッピングモータで駆動されるバルブによってダンパオイルが通過するオリフィス開口面積を変更し、減衰力特性が変更可能なショックアブソーバを用いて、車体のロール周期とピッチ周期との位相差が1/4周期以内となるように減衰力を制御する車両用サスペンション装置が記載されている。
特開2007−313951号公報
しかし、カーブ進入時の運転操作に対する車体の応答を最適化する観点からは、ロールとピッチとの位相差よりも、ドライバのハンドル操作(操舵操作)に対するピッチの応答性がより重要である。
例えば、スポーツユーティリティ車等のように重心位置が高い車両の場合には、操舵操作に対するロールの遅れが大きく、この遅れたロールにピッチの位相を合わせても、カーブ進入時のドライバの視線移動や操舵操作に対してピッチが遅れてしまい、ドライバにとって車両の運転がし難くなる。
一方、ドライバの視線は、自車両のカーブ進入に合わせて、例えば白線等のカーブ内側の目標物へ視線を移すことが知られている。このとき、ドライバは自車両に比較的近い目標物(例えば自車両近傍の白線等)を用いて自車両の車線内横位置を確認するため、視線を下側へ移動させることが多いと考えられる。
そこで、カーブ進入時に車体に前下がりとなるピッチングを発生させれば、ドライバの下向きの視線移動を適切に補うことができ、車両の運転しやすさを向上できると考えられる。
本発明の課題は、操舵操作に対するピッチングの応答性を最適化し、運転しやすさを向上したサスペンション制御装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、ドライバの操舵操作に応じてサスペンションを制御するサスペンション制御装置であって、ハンドル角の角速度を検出するハンドル角速度検出手段と、前記角速度に基づいて設定される減衰力制御係数の増加に応じて、前輪内輪側ダンパの少なくともリバウンド側における減衰力、及び、後輪外輪側ダンパの少なくともバンプ側における減衰力を増加させるダンパ減衰力設定手段とを備えることを特徴とするサスペンション制御装置である。
なお、本明細書、請求の範囲等において、内輪側、外輪側とは、それぞれ旋回半径方向において旋回中心に近い側、遠い側を示すものとする。
請求項2の発明は、前記ダンパ減衰力設定手段は、前記角速度に対して位相を進める処理を施した値の増加に応じて前記減衰力制御係数を増加させることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置である。
請求項3の発明は、自車両前方の走行路曲率を検出する走行路認識手段を備え、前記ダンパ減衰力設定手段は、前記走行路曲率の増加に応じて前記減衰力制御係数を増加させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサスペンション制御装置である。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ハンドル角の角速度に基づいて設定される減衰力制御係数の増加に応じて、前輪内輪側ダンパの少なくともリバウンド側における減衰力、及び、後輪外輪側ダンパの少なくともバンプ側における減衰力を増加させることによって、旋回時の横加速度によるロールの発生時に、前輪内輪側サスペンションの伸びを抑制して前輪外輪側サスペンションの縮みによって車体を前下がりとすることができ、さらに、後輪外輪側サスペンションの縮みを抑制して後輪内輪側サスペンションの伸びによって車体を後上がりとすることができる。これによって、車体がノーズダイブする方向のピッチングを横加速度の発生と同時に発生させることができ、ドライバの視線の下側への移動を補い、白線等の横位置目標物の視認を容易として車両の運転しやすさを向上できる。
(2)ハンドル角速度に対して位相を進める処理を施した値の増加に応じて減衰力制御係数を増加させることによって、ハンドル角速度に対する上述したノーズダイブ方向へのピッチモーメントの遅れを補償し、車両の運転しやすさをよりいっそう向上できる。なお、位相を進める処理として、例えば公知のハイパスフィルタ処理を行うことができる。
(3)走行路曲率の増加に応じて前記減衰力制御係数を増加させることによって、曲率の大きさに応じた適切なピッチング量を得ることができる。また、曲率が実質的にゼロである直線路の場合には、ピッチングを発生させないことによって車体姿勢を安定化することができる。
本発明を適用したサスペンション制御装置の実施例を含む車両のシステム構成を示す図である。 図1の車両におけるダンパ減衰力調整機構の構成を示す図である。 図1の車両におけるダンパ減衰力制御を示すフローチャートである。 図1の車両におけるハンドル角速度の進み処理値と減衰力制御係数との相関を示すグラフである。 図1の車両におけるダンパの減衰力特性を示すグラフである。
本発明は、操舵操作に対するピッチングの応答性を最適化し、運転しやすさを向上したサスペンション制御装置を提供する課題を、ハンドル角速度にハイパスフィルタ処理をした値の増加に応じて前輪内輪側ダンパ及び後輪外輪側ダンパの減衰力を増加させ、横加速度と同時に前下がりとなるピッチングを発生させることによって解決した。
以下、本発明を適用したサスペンション制御装置の実施例について説明する。
実施例のサスペンション制御装置は、例えば、前2輪を操舵する乗用車等の4輪自動車に備えられる。
図1は、実施例のサスペンション制御装置を含む車両のシステム構成を示す図である。このサスペンション制御装置は、ドライバの操舵操作に応じて各ダンパの減衰力を変更するものである。
車両は、操舵機構10、電動パワーステアリング(EPS)制御ユニット20、操安制御ユニット30、エンジン制御ユニット40、トランスミッション制御ユニット50、走行路認識ユニット60、車両統合ユニット70、ダンパ制御ユニット100、ダンパFL120、ダンパFR130、ダンパRL140、ダンパRR150等を備えている。
操舵機構10は、前輪FWを支持するハウジングHを所定の操向軸(キングピン)軸回りに回転させて操舵を行うものである。
操舵機構10は、ステアリングホイール11、ステアリングシャフト12、ステアリングギアボックス13、タイロッド14等を備えて構成されている。
ステアリングホイール11は、ドライバが操舵操作を入力する環状の操作部材である。
ステアリングシャフト12は、ステアリングホイール11の回転をステアリングギアボックス13に伝達する回転軸である。
ステアリングギアボックス13は、ステアリングシャフト12の回転運動を車幅方向の直進運動に変換するラックアンドピニオン機構を備えている。
タイロッド14は、一方の端部をステアリングギアボックス13のラックに連結され、他方の端部をハウジングHのナックルアームに連結された軸状の部材である。タイロッド14は、ハウジングHのナックルアームを押し引きすることによってハウジングHを回転させ、操舵を行う。
EPS制御ユニット20は、ドライバの操舵操作に応じて操舵アシスト力を発生する電動パワーステアリング装置を統括的に制御するものである。EPS制御ユニット20には、電動アクチュエータ(ACT)21、トルクセンサ22等が接続されている。
電動アクチュエータ(ACT)21は、例えば、ステアリングシャフト12の途中に設けられ、減速機構を介して操舵機構10に対して操舵トルク(操舵力)を付与する電動モータである。
トルクセンサ22は、電動アクチュエータ(ACT)21とステアリングホイール11との間でステアリングシャフト12に挿入され、ステアリングシャフト12に作用するトルクを検出するものである。通常、トルクセンサ22が検出するトルクは、ドライバがステアリングホイール11に入力する操舵トルクと実質的に等しくなる。
操安制御ユニット30は、各車輪のブレーキの制動力を個別に制御する車両操安性制御及びABS制御を行うものである。車両操安性制御は、アンダーステア又はオーバーステアの発生時に、旋回内輪側と外輪側の制動力を異ならせて復元方向のヨーモーメントを発生させるものである。ABS制御(アンチロックブレーキ制御)は、車輪のロック傾向を検出した際に、当該車輪の制動力を低減して回復させるものである。
操安制御ユニット30には、ハイドロリックコントロールユニット(HCU)31、車速センサ32、ヨーレートセンサ33、横加速度(横G)センサ34等が接続されている。
HCU31は、各車輪の液圧式サービスブレーキに付与されるブレーキフルード液圧を個別に制御する装置である。HCU31は、ブレーキフルードを加圧するモータポンプ、及び、各車輪のキャリパシリンダへ付与される圧力を調整するソレノイドバルブ等を備えている。
車速センサ32は、各車輪のハブベアリングを保持するハウジングに設けられ、車輪速に応じた車速パルス信号を出力する。この車速パルス信号は、所定の処理を施すことによって、車両の走行速度を求めることができる。
ヨーレートセンサ33及び横Gセンサ34は、車体の鉛直軸回りの回転速度及び横方向の加速度をそれぞれ検出するMEMSセンサを備えている。
エンジン制御ユニット40は、車両の走行用動力源であるエンジン及びその補器類を統括的に制御するものである。
トランスミッション制御ユニット50は、エンジンの出力を変速して前後のディファレンシャルへ伝達するオートマティックトランスミッションを統括的に制御するものである。
走行路認識ユニット60は、自車両前方の走行路のカーブ曲率等を認識するものである。走行路認識ユニット60は、ステレオカメラ(CAM)61、画像処理部62、走行路認識手段63等を備えている。
ステレオカメラ(CAM)61は、例えば車両のフロントウインドウ上端部のルームミラー基部付近に設けられた一対のメインカメラ及びサブカメラを備えている。メインカメラ及びサブカメラは、それぞれCCDカメラを有して構成されている。メインカメラ及びサブカメラは、車幅方向に離間して設置されている。メインカメラ及びサブカメラは、それぞれ基準画像及び比較画像を撮像し、これらに係る画像データを画像処理部62に出力する。
画像処理部62は、ステレオカメラ(CAM)61が出力した基準画像及び比較画像の画像データをA/D変換した後、所定の画像処理を施して走行路認識手段63に出力するものである。この画像処理には、例えば、各カメラの取付位置誤差の補正や、ノイズ除去、階調の適切化などが含まれる。デジタル化された画像は、例えば、垂直方向及び水平方向にマトリクス状に配列された複数の画素を有する。これらの各画素は、それぞれ被写体の明るさに応じた輝度値を有する。
走行路認識手段63は、基準画像及び比較画像のデータに基づいて、基準画像上の任意の画素又は複数の画素からなるブロックである画素群の視差を検出する。この視差は、ある画素又は画素群の基準画像上の位置と比較画像上の位置とのずれ量である。この視差を用いると、三角測量の原理により、自車両から当該画素に対応する被写体までの距離を算出することができる。
また、走行路認識手段63は、自車両前方の車線両端部に配置された白線の形状等を認識する。
走行路認識手段63は、基準画像のデータから画素の輝度データに基づいて白線部分の画素群を検出する。自車両に対する白線部分の画素群の方位は、画像データ上の画素位置に基づいて検出される。具体的には、垂直方向における画素位置が路面上に相当する領域を水平方向に走査し、輝度値が急変する箇所を車線の輪郭として認識する。そして、当該白線部分の画素群の距離を算出することによって、白線の位置を検出する。
そして、走行路認識手段63は、白線位置の検出を連続的に行なって車両の進行方向に複数の車線候補点を設定し、整合のとれない車線候補点を無視するとともに、車線候補点を設定できなかった領域は所定の補完処理を行うことによって、自車両前方の車線形状を認識する。ここで認識される車線形状には、カーブの有無及びカーブにおける曲率を含む。
車両統合ユニット70は、上記各ユニットに関連する以外の車両の電装品を統括的に制御するものである。
ダンパ制御ユニット100は、本発明にいうサスペンション制御装置であって、ドライバの操舵操作に応じて各車輪のサスペンションのダンパ120〜150の減衰力を制御するものである。
なお、ダンパ制御ユニット100を含む上述した各ユニットは、例えばCAN通信システム等の車載LANによって接続され、通信が可能となっている。
ダンパ制御ユニット100は、舵角演算手段101、角速度演算手段102、ハイパスフィルタ(HPF)103、ダンパ減衰力設定手段104、ダンパ減衰力制御手段105等を備えて構成されている。
舵角演算手段101は、ドライバの操舵操作による操舵機構10のハンドル角(ステア角)を演算するものである。舵角演算手段101には、舵角センサ101aが接続されている。
舵角センサ101aは、ステアリングシャフト12に設けられその角度位置(ステアリングホイール11の角度位置と実質的に等しい)を検出するエンコーダを備えている。舵角演算手段101は、舵角センサ101aの出力に基づいてハンドル角を演算する。
角速度演算手段102は、舵角演算手段101が算出したハンドル角を微分してハンドル角の角速度(以下、「ハンドル角速度」と称する)を演算するものである。
角速度演算手段102は、上述した舵角演算手段101と協働して本発明にいうハンドル角速度検出手段として機能する。
ハイパスフィルタ103は、角速度演算手段102が算出したハンドル角速度に対して、以下の式1に示すハイパスフィルタ処理を施し、ハンドル角速度の進み処理値を算出するものである。

Figure 2010215153
ダンパ減衰力設定手段104は、ハイパスフィルタ103が出力するハンドル角速度の進み処理値に基づいて減衰力制御係数Kを設定し、この減衰力制御係数K及び所定の基準減衰力に基づいて目標減衰力を設定するものである。
ダンパ減衰力制御手段105は、ダンパ減衰力設定手段104が設定した目標減衰力に基づいて、ダンパFL120、ダンパFR130、ダンパRL140、ダンパRR150の減衰力を制御するものである。
なお、上述した減衰力制御係数K、目標減衰力の設定及び各ダンパの減衰力制御については、後に詳しく説明する。
ダンパFL120、ダンパFR130、ダンパRL140、ダンパRR150は、それぞれ左前輪、右前輪、左後輪、右後輪のサスペンションに設けられた減衰力可変式のショックアブソーバである。各ダンパは、サスペンションのストロークに応じて相対変位するチューブ及びピストンを有し、チューブ内に封入されたオイルの流動抵抗を用いて、そのピストンスピードに応じた減衰力を発生する。
図2は、ダンパFR120に設けられる減衰力調整機構の構成を示す図である。なお、その他のダンパも実質的に同様の減衰力調整機構を備えている。
ダンパFR120は、車体Bと車輪Wとの間に、スプリングSと並列に設けられている。
ダンパFR120は、アクチュエータ121及び駆動回路122を備えている。
アクチュエータ121は、ダンパFR120内に設けられたオイル通路切替バルブを駆動し、ダンパFR120の減衰力特性を変化させる例えばステッピングモータ等のアクチュエータである。
駆動回路122は、ダンパ制御ユニット100のダンパ減衰力制御手段105からの制御信号に応じて、アクチュエータ121に電力を供給し、減衰力特性の変更を行わせるものである。
図3は、本実施例における減衰力制御を示すフローチャートである。以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:ハンドル角演算>
舵角演算手段101は、舵角センサ101aの出力に基づいて現在のハンドル角(ステアリングホイール11及びステアリングシャフト12の角度位置)を演算する。
その後、ステップS02に進む。
<ステップS02:ハンドル角速度演算>
角速度演算手段102は、舵角演算手段101が出力するハンドル角を時間微分し、ハンドル角速度を演算する。
その後、ステップS03に進む。
<ステップS03:ハンドル角速度HPF処理>
ハイパスフィルタ103は、角速度演算手段102が出力するハンドル角速度に上述した式1によるハイパスフィルタ処理を施し、ハンドル角速度の進み処理値を演算する。
その後、ステップS04に進む。
<ステップS04:各ダンパ目標減衰力設定>
ダンパ減衰力設定手段104は、HPFが出力するハンドル角速度の進み処理値、及び、走行路認識ユニット60が出力する自車両前方の走行路のカーブ曲率に基づいて、各輪のダンパ120〜150の目標減衰力を設定する。
先ず、ダンパ減衰力設定手段104は、ハンドル角速度の進み処理値に基づいて、減衰力制御係数Kを設定する。この減衰力制御係数Kは、所定の基準減衰力に対する目標減衰力の比率を示す係数であって、目標減衰力は減衰力制御係数Kの増加に応じて基準減衰量に対して大きくなる。
図4は、ハンドル角速度の進み処理値と減衰力制御係数との相関を示すグラフである。図4において、横軸はハンドル角速度の進み処理値(CCW)を示しており、原点に対して右側がハンドルを左側(反時計回り)に切り込んだ領域であり、左側がハンドルを右側(時計回り)に切り込んだ領域である。また、縦軸は減衰力制御係数を示している。
図4に示すように、ハンドル角速度の進み処理値がゼロであるときには、各ダンパとも減衰力制御係数Kは1となっており、ダンパの目標減衰力は基準減衰力に一致する。
ハンドルを左側に切り込んだ領域においては、旋回内輪側である左前輪及び旋回外輪側である右後輪の減衰力制御係数Kは、ハンドル角速度の進み処理値(絶対値)に比例して増加しており、その増加率は右後輪のほうが左前輪に対して大きく設定されている。また、この領域において、その他2輪(右前輪及び左後輪)の減衰力制御係数Kは1のまま一定となっている。
一方、ハンドルを右側に切り込んだ領域においては、旋回内輪側である右前輪及び旋回外輪側である左後輪の減衰力制御係数Kは、ハンドル角速度の進み処理値(絶対値)に比例して増加しており、その増加率は左後輪のほうが右前輪に対して大きく設定されている。また、この領域において、その他2輪(左前輪及び右後輪)の減衰力制御係数Kは1のまま一定となっている。
また、上述したハンドル角速度の進み処理値に対する減衰力制御係数Kの増加率(図4におけるグラフの傾き)は、自車両前方のカーブの曲率の増加に応じて増加するよう設定されている。また、自車両前方の走行路が直線である場合には、減衰力制御係数Kは1に設定される。
次に、各ダンパの目標減衰力を上述した減衰力制御係数Kに応じて設定する。
図5は、ダンパの減衰力特性の一例を示すグラフであって、横軸はピストンスピードを示し、縦軸は減衰力を示している。図5において、減衰力制御係数Kが1である場合の基準減衰力を破線で示し、減衰力制御係数Kが1より大きい場合の目標減衰力の一例を実線で示している。この目標減衰力は、基準減衰力に対して同じピストンスピードにおける減衰力が大きくなるように設定されている。すなわち、目標減衰力=基準減衰力×減衰力制御係数Kとなっている。
その後、ステップS05に進む。
<ステップS05:各ダンパ減衰力制御>
ダンパ減衰力制御手段105は、ダンパ減衰力設定手段104が設定した目標減衰力に基づいて、各ダンパ120〜150のアクチュエータの駆動回路に制御信号を出力し、各ダンパ120〜150の減衰力を制御する。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
以上説明した実施例によれば、ハンドル角速度の進み処理値に応じて、前輪側では旋回内輪側のダンパ減衰力を高めることによって、旋回外輪側ダンパの縮み量に対する旋回外輪側ダンパの伸び量を低減し、車体前部の車高を下げることができる。また、後輪側では旋回外輪側のダンパ減衰力を高めることによって、旋回内輪側ダンパの伸び量に対する旋回外輪側ダンパの縮み量を低減し、車体後部の車高を上げることができる。これによって、横加速度の発生と同時に車体にノーズダイブ方向へのピッチングモーメントを与えることができる。
これにより、カーブ進入時におけるドライバの下向きの視線移動を補い、自車両に近い目標物の視認を容易にして車両の運転しやすさを向上できる。
さらに、ダンパの減衰力制御をハンドル角速度にハイパスフィルタ処理を施した進み処理値に基づいて行うことによって、ハンドル角速度そのものを用いる場合に対して位相の遅れを補償し、ピッチモーメントの発生遅れを抑制して車両の運転しやすさをよりいっそう向上できる。
また、自車両前方のカーブ曲率に応じて減衰力制御係数Kを変更することによって、カーブ曲率に応じた適切なピッチング量を得ることができる。例えば、曲率が大きい場合にはピッチング量を大きくしてドライバがより近くの目標物を容易に視認しやすくできる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)実施例ではハンドル角速度にハイパスフィルタ処理を施して得た進み処理値に基づいてダンパ減衰力を設定しているが、ハンドル角速度をその他の手法によって位相を進めた値や、ハンドル角速度に基づいてダンパ減衰力を設定してもよい。
(2)ダンパ減衰力調整の手法は上述した実施例の構成に限定されず適宜変更することができる。また、ダンパの伸び側(リバウンド側)、縮み側(バンプ側)の減衰力が独立して調整可能である場合には、前輪内輪側では伸び側減衰力のみを増加させ、後輪外輪側では縮み側減衰力のみを増加させるようにしてもよい。また、実施例ではその他2輪の減衰力を固定しているが、その他2輪の減衰力も同時に変更してもよい。例えば、前輪内輪側及び後輪外輪側ダンパの減衰力を増加させるとともに、その他2輪のダンパの減衰力を低下させてもよい。
(3)実施例ではステレオカメラを用いた画像処理によって自車両前方のカーブ曲率を検出しているが、本発明はこれに限定されず、他の手法によってカーブ曲率を検出してもよい。例えば、予め蓄積された地図データと、GPS等の自車位置測位手段とを有するカーナビゲーション装置を用いてもよい。
(4)実施例ではハンドル角を微分してハンドル角速度を演算しているが、ハンドル角速度を直接検出する角速度センサを用いてもよい。
10 操舵機構 11 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト 13 ステアリングギアボックス
14 タイロッド
H ハウジング FW 前輪
20 電動パワーステアリング制御ユニット
21 電動アクチュエータ(ACT)
22 トルクセンサ
30 操安制御ユニット 31 ハイドロリックコントロールユニット
32 車速センサ 33 ヨーレートセンサ
34 横加速度センサ 40 エンジン制御ユニット
50 トランスミッション制御ユニット
60 走行路認識ユニット 61 ステレオカメラ(CAM)
62 画像処理部 63 走行路認識手段
70 車両統合ユニット 100 ダンパ制御ユニット
101 舵角演算手段 101a 舵角センサ
102 角速度演算手段 103 ハイパスフィルタ
104 ダンパ減衰力設定手段 105 ダンパ減衰力制御手段
120 ダンパFL 130 ダンパFR
140 ダンパRL 150 ダンパRR
B 車体 W 車輪
S スプリング

Claims (3)

  1. ドライバの操舵操作に応じてサスペンションを制御するサスペンション制御装置であって、
    ハンドル角の角速度を検出するハンドル角速度検出手段と、
    前記角速度に基づいて設定される減衰力制御係数の増加に応じて、前輪内輪側ダンパの少なくともリバウンド側における減衰力、及び、後輪外輪側ダンパの少なくともバンプ側における減衰力を増加させるダンパ減衰力設定手段と
    を備えることを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 前記ダンパ減衰力設定手段は、前記角速度に対して位相を進める処理を施した値の増加に応じて前記減衰力制御係数を増加させること
    を特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。
  3. 自車両前方の走行路曲率を検出する走行路認識手段を備え、
    前記ダンパ減衰力設定手段は、前記走行路曲率の増加に応じて前記減衰力制御係数を増加させること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサスペンション制御装置。
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