JP2010214468A - 板材の成形方法及び装置 - Google Patents

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Masaaki Otsu
雅亮 大津
Kazuki Takashima
和希 高島
Tsukasa Ichikawa
司 市川
Hiroki Matsuo
浩紀 松尾
Hiroyuki Amino
網野  廣之
Masashi Mizoguchi
雅士 溝口
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Abstract

【課題】 マグネシウム合金等の合金又は金属からなる板材を金型を用いないで常温で成形可能にすること。
【解決手段】 合金又は金属からなる板材1を立体形状に成形する板材1の成形方法において、工具20を板材1に押付け、該工具20を回転させながら板材1に対し3次元方向に相対的に移動させるもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は板材の成形方法及び装置に関する。
マグネシウム合金は構造部材に利用される金属の中で比重が最も小さく最軽量であると同時に強度も大きく、リサイクル性、電磁シールド性、美観等に優れていることから、近年、プラスチック代替や省燃費等の点からモバイル機器筐体や自動車部材への採用が拡大している。
ところが、マグネシウムは、結晶構造においてアルミや鉄のような立方晶金属と異なり、六方晶金属であるため、マグネシウム合金からなる板材の常温での塑性加工が困難であり、温間圧延や温間プレスにより加工される。しかしながら、このような加工では、多品種少量生産の各品種毎に金型を必要としたり、材料温度を200〜300℃に保持、制御するための大掛かりな装置が必要になる。
また、アルミニウム合金は、その比強度の高さ、高い耐腐食性から自動車、航空機、鉄道車両、船舶を中心に多くの分野の製品に多く実用化されている。
一方で、市場のニーズは少品種多量生産から多品種少量生産に移行しており、これまでのプレス成形では製品のコストが高くなりすぎてしまうという問題がある。従ってアルミニウム合金の多様なニーズに対応しうる新たな薄板の加工法開発が必要となっている。
他方、金型を必要とせず、常温で金属の板材を加工する成形方法として、特許文献1に記載の逐次成形方法(インクリメンタルフォーミング)がある。この逐次成形方法は、棒状工具を板材に押し付け、該工具を板材に対し3次元方向に相対的に移動させるものである。
また、マグネシウム合金板やアルミニウム合金板のための溶接技術として、摩擦撹拌接合法(FSW:Friction Stir Welding)がある。これは円筒状の工具先端に突起物を付けたものを突き合わせた板の接合部に挿入しながら工具を回転させ、工具肩部で発生する摩擦熱によって軟化した材料を撹拌し接合する方法である。
特開2004-291066
特許文献1に記載の逐次成形方法は、工具により板材を少しずつ伸ばしながら成形するため、従来の圧延やプレスでは困難であった複雑な形状や先端の尖った形状に板材を成形できる。
しかしながら、従来の逐次成形方法でも、マグネシウム合金等の難加工材からなる板材の常温加工には尚困難がある。
尚、従来の逐次成形方法では、工具が成形油を介して材料に接し、板材との摩擦を極力小さくして該板材を成形している。
本発明の課題は、マグネシウム合金、アルミニウム合金、チタン合金等の合金又は金属からなる板材を金型を用いないで常温で成形可能にすることにある。
請求項1に係る発明は、合金又は金属からなる板材を立体形状に成形する板材の成形方法において、工具を板材に押付け、該工具を回転させながら板材に対し3次元方向に相対的に移動させるようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記板材がマグネシウム合金からなるようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記板材がアルミニウム合金からなるようにしたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記板材がチタン合金からなるようにしたものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに係る発明において更に、前記工具が接する板材に、該工具の回転に起因する摩擦攪拌による塑性流動を引き起こして該板材を成形するようにしたものである。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において更に、前記工具が成形油を介さずに板材に接するようにしたものである。
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に係る発明において更に、前記工具が接する板材の裏側に、該板材を支える受け具を配置するようにしたものである。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明において更に、前記受け具が板材の成形モデルからなるようにしたものである。
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれかに係る発明において更に、前記工具を、板材に押付けて該板材の成形すべき立体形状の等高線に沿う一周に渡って相対的に移動させることを、該板材の高さ方向の各所で繰り返すようにしたものである。
請求項10に係る発明は、合金又は金属からなる板材を立体形状に成形する板材の成形装置において、板材の外縁部を支持する板材支持装置と、板材に接する工具と、工具を回転させる工具回転装置と、工具と板材を3次元方向に相対的に移動させる移動装置とを有してなるようにしたものである。
請求項11に係る発明は、請求項10に係る発明において更に、前記板材がマグネシウム合金からなるようにしたものである。
請求項12に係る発明は、請求項10に係る発明において更に、前記板材がアルミニウム合金からなるようにしたものである。
請求項13に係る発明は、請求項10に係る発明において更に、前記板材がチタン合金からなるようにしたものである。
請求項14に係る発明は、請求項10〜13のいずれかに係る発明において更に、前記移動装置が、板材を直交2軸方向へ移動する板材移動装置と、工具を上記直交2軸方向のそれぞれと直交する方向へ移動する工具移動装置とを有してなるようにしたものである。
請求項15に係る発明は、請求項10〜14のいずれかに係る発明において更に、前記工具が接する板材の裏側に配置されて該板材を支える受け具を有するようにしたものである。
請求項16に係る発明は、請求項15に係る発明において更に、前記受け具が板材の成形モデルからなるようにしたものである。
(請求項1〜4、10〜14)
(a)工具を板材に押付け、該工具を回転させながら板材に対し3次元方向に相対的に移動させることで、板材の成形性を向上できる。これにより、マグネシウム合金、アルミニウム合金、チタン合金等の合金又は金属からなる板材を金型を用いないで(低コストで多品種少量生産に対応可)、かつ加熱なしで常温成形できる。
(請求項5)
(b)工具が接する板材に、該工具の回転に起因する摩擦攪拌による塑性流動を引き起こして該板材を成形する。板材を固相状態で攪拌流動させることにより、板材の成形限界深さを大きくし、その成形性を確実に向上できる。同時に、成形された板材の加工部で金属組織が微細化され、各種機械的特性が向上する。例えば、板材の加工後の結晶粒が小さくなり、結果として、転位が移動しずらくなって高強度になり、結晶粒が回転し易くなって延性も向上し、加工後のスプリングバックが小さくなる。
(請求項6)
(c)工具が成形油を介さずに板材に接するものとすることにより、工具の回転に起因する上述(b)の摩擦攪拌による塑性流動を顕著に引き起こすことができる。
(請求項7、15)
(d)工具が接する板材の裏側に、該板材を支える受け具を配置するとき、工具の回転に起因する上述(b)の摩擦攪拌による塑性流動を顕著に引き起こすことができる。
(請求項8、16)
(e)受け具を板材の成形モデルとすることにより、成形モデルを上述(d)の受け具として利用できる。
(請求項9)
(f)工具を、板材に押付けて該板材の成形すべき立体形状の等高線に沿う一周に渡って相対的に移動させることを、該板材の高さ方向の各所で繰り返す。従って、工具により板材を少しずつ延ばしながら成形するものになり、複雑な形状や先端の尖った形状に板材を成形できる。
図1は成形装置の一例を破断して示す斜視図である。 図2は成形装置の他の例を破断して示す斜視図である。 図3(A)は本発明の実験例における実験装置を示す模式図である。 図3(B)は本発明の実験例における板材の成形パターンを示す模式図である。 図4は工具回転速度と板材の成形限界深さを示すグラフである。 図5は板材の工具押込側の組織を示す顕微鏡写真である。 図6は板材の工具押込裏側の組織を示す顕微鏡写真である。 図7は板材の成形後のスプリングバックを示す説明図である。 図8(A)は工具移動速度と板材の成形可能な半頂角の関係を示すグラフである。 図8(B)は工具の中心軸が板材の成形表面に対してなす角度を示す模式図である。 図9は板材の加工状態と組織を示す説明図である。 図10は工具移動速度と板材の半頂角による板材の加工状態の変化を示すグラフである。 図11は工具移動速度と板材の半頂角による板材の工具押込側の組織の変化を示すグラフである。 図12は工具移動速度と板材の半頂角による板材の工具押込裏側の組織の変化を示すグラフである。 図13(A)は本発明の受け具適用の成形例における成形条件を示す図表である。 図13(B)は本発明の受け具適用の成形例における成形結果を示す説明図である。 図14(A)は本発明の凹み空間成形の成形例における成形条件を示す図表である。 図14(B)は本発明の凹み空間成形の成形例における成形結果を示す説明図である。 図15は工具移動速度と板材の成形可能な半頂角の関係を示すグラフである。 図16は工具移動速度と板材の成形可能な半頂角の関係を示すグラフである。 図17は工具回転速度と板材の成形可能な半頂角の関係を示すグラフである。 図18(A)、(B)は成形時の加工温度を示すグラフである。 図19は加工温度と成形可能な半頂角の関係を示すグラフである。 図20(A)〜(D)は板材の加工状態を示す説明図である。 図21(A)〜(C)は板材の加工状態を示す説明図である。 図22は半頂角と相当ひずみ及び伸びの理論上の関係を示すグラフである。 図23は加工部の硬さを示すグラフである。 図24は加工部の引張強度を示すグラフである。 図25は工具移動速度と工具回転速度の関係を示すグラフである。 図26は工具回転速度と板材の成形限界深さを示すグラフである。 図27(A)、(B)は板材の加工状態を示す説明図である。 図28(A)、(B)は成形時の加工温度を示すグラフである。 図29は工具回転速度と半頂角の関係を示すグラフである。 図30は半頂角と相当ひずみ及び伸びの理論上の関係を示すグラフである。 図31(A)、(B)は板材の加工状態を示す説明図である。 図32(A)、(B)は板材の加工状態を示す説明図である。 図33は工具移動速度と半頂角の関係を示すグラフである。 図34は板材の組織を示す顕微鏡写真である。 図35は成形時の加工温度を示すグラフである。 図36は加工部の硬さを示すグラフである。 図37は加工部の引張強度を示すグラフである。
図1に示す摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング成形装置100は、マグネシウム合金、アルミニウム合金、チタン合金等の合金又は金属からなる板材1を立体形状に成形するものであり、板材1の外縁部を支持する板材支持装置10と、板材1に接する工具20と、工具20を回転させる工具回転装置30と、工具20と板材1を3次元方向に相対的に移動させる移動装置40とを有する。本実施例の板材支持装置10、工具20、工具回転装置30、移動装置40は以下の如くに構成されている。
板材支持装置10は、テーブル11の上面に取着した四角枠状の支持板12と、支持板12の上面との間で板材1の外縁部を挟圧して支持する四角枠状の材料押え板13とからなる。
工具20は、テーブル11の上面に対して鉛直配置された棒状をなし、例えば先端R面を材料押え板13の枠内にある板材1の表面に押付けられる。
工具回転装置30は、工具20をその中心軸まわりに例えば2000rpm以上、好適には7000rpm以上で高速回転させる。
移動装置40は、板材1を直交2軸方向(X軸及びY軸方向)へ移動するようにテーブル11を位置制御する板材移動装置41と、工具20を上記直交2軸方向のそれぞれと直交する方向(Z軸方向)へ移動する工具移動装置42とを有する。
摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング成形装置100は、工具20が接する板材1の裏側に配置され、工具20のX軸及びY軸方向位置と同一位置で該板材1を支える受け具50を有する。本実施例の受け具50は、テーブル11に支持され、板材1の成形形状の全部又は要部をかたどった成形モデル51からなる。
摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング成形装置100は、工具20を板材1に押付け、該工具20を回転させながら板材1に対し、成形モデル51に倣う3次元方向に相対的に移動させ、該板材1を成形モデル51に倣う立体形状に成形するものになる。
このとき、摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング成形装置100は、工具20を板材1に押付け(又は押込み)、該工具20を回転させながら、該板材1の成形すべき立体形状の等高線に沿う一周に沿って相対的に移動させることを、該板材1の高さ方向の各所で繰り返す。即ち、板材1の成形すべき立体形状のデータに基づき、工具20を板材1に押付け、該工具20を回転させながら、板材移動装置41によりテーブル11及び板材1をX軸及びY軸方向へ移動し、工具20を決定された軌跡に従う等高線に沿う一周に渡って移動させる1サイクルの加工を行なった後、工具20をZ軸方向に一定の送りピッチ分移動して該工具20を次の等高線上に位置付け、次の1サイクルの加工を行なうことを、板材1の上縁から下縁に渡って繰り返す。
摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング成形装置100は、板材1の成形すべき立体形状が該板材1の中心軸まわりで対称立体形状をなすものであるとき、成形モデル51に代え、図2に示す如く、テーブル11に支持される天板冶具60を用いることができる。天板冶具60は板材1の成形すべき立体形状の中心軸上の頂部輪郭に合致する平面又は凸面又は凹面を備え、工具20が接する板材1の裏側に配置され、該板材1の中心軸上で該板材1を支える。摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング成形装置100は、板材1の中心軸まわりで、工具20を板材1に押付け、該工具20を回転させながら板材1に対し、3次元方向に相対的に移動させ、該板材1を中心軸まわりで対称をなす立体形状に成形するものになる。この場合にも、図1の摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング成形装置100と同様に、摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング成形装置100は、工具20を板材1に押付け(又は押込み)、該工具20を回転させながら、該板材1の成形すべき立体形状の等高線に沿う一周に渡って相対的に移動させることを、該板材1の高さ方向の各所で繰り返す。
尚、摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング成形装置100は、板材1の成形すべき立体形状が該板材1の中心軸まわりで対称立体形状をなすものであり、かつ工具20が材料押え板13の枠内にある板材1を鉛直下方側に凹状成形するときには、該板材1の裏面側に成形モデル51も天板治具60も設けない凹み空間成形とすることができる(例えば図14(A)、図14(B))。
しかるに、摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング成形装置100にあっては、板材1がマグネシウム合金、アルミニウム合金、チタン合金等の合金又は金属からなるものであり、工具20が接する板材1に、工具回転装置30による工具20の前述の高速回転に起因する摩擦攪拌に基づく塑性流動を引き起こして該板材1を成形するものになる。
工具20が成形油(潤滑油)を介さずに板材1に接して上述の如くに回転するとき、工具20の回転に起因する上述の摩擦攪拌を確実に板材1に引き起こすことができる。
従って、摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング成形装置100によれば以下の作用効果を奏する。尚、以下に記載の効果は、後述する実験結果により裏付けられる。
(a)工具20を板材1に押付け、該工具20を回転させながら板材1に対し3次元方向に相対的に移動させることで、板材1の成形性を向上できる。これにより、マグネシウム合金、アルミニウム合金、チタン合金等の合金又は金属からなる板材1を金型を用いないで(低コストで多品種少量生産に対応可)、かつ加熱なしで常温成形できる。
(b)工具20が接する板材1に、該工具20の回転に起因する摩擦攪拌による塑性流動を引き起こして該板材1を成形する。板材1を固相状態で攪拌流動させることにより、板材1の成形限界深さを大きくし、その成形性を確実に向上できる。同時に、成形された板材1の加工部で金属組織が微細化され、各種機械的特性が向上する。例えば、板材1の加工後の結晶粒が小さくなり、結果として、転位が移動しずらくなって高強度になり、結晶粒が回転し易くなって延性も向上し、加工後のスプリングバックが小さくなる。
(c)工具20が成形油を介さずに板材1に接するものとすることにより、工具20の回転に起因する上述(b)の摩擦攪拌による塑性流動を顕著に引き起こすことができる。
(d)工具20が接する板材1の裏側に、該板材1を支える受け具50を配置するとき、工具20の回転に起因する上述(b)の摩擦攪拌による塑性流動を顕著に引き起こすことができる。
(e)受け具50を板材1の成形モデル51とすることにより、成形モデル51を上述(d)の受け具50として利用できる。
(f)工具20を、板材1に押付けて該板材1の成形すべき立体形状の等高線に沿う一周に渡って相対的に移動させることを、該板材1の高さ方向の各所で繰り返す。従って、工具20により板材1を少しずつ延ばしながら成形するものになり、複雑な形状や先端の尖った形状に板材1を成形できる。
以下、本発明の実験結果について説明する。本実験は、(I)マグネシウム合金、(II)アルミニウム合金のそれぞれについて、図3(A)、(B)に示す如く、供試材である板材1の外縁部を、支持板12と材料押え板13で挟圧して支持し、棒状工具20の先端R面を板材1に押付け、該工具20を高速回転(工具回転速度ω)させながら、該工具20を所望成形パターンの軌跡Kに従う等高線に沿う一周に渡ってX軸及びY軸方向に移動(工具移動速度v)する1サイクルの加工を行ない、この1サイクルの加工後に工具20をZ軸方向に一定の送りピッチpだけ移動して該工具20を次の等高線上に位置付け、次の1サイクルの加工を行なうことを繰り返し、加工された板材1の成形形状、光学顕微鏡写真を採取し、成形性を調査したものである。
本実験では、NC工作機を使用し、NC工作機に取付けて固定した工具20を用いた。工具20はSKH51(高速度工具鋼)からなり、直径6mm、長さ70mm、先端R3mmの半球状面を備えるものにした。工具20の先端を半球状面にすることで、薄板の板材1を多様な形状に成形できる。工具20の回転や移動は、NC工作機に接続したコンピュータに入力するNCコードによって制御した。
本実験では、100mm四方の平板状板材1を、底面が一辺80mmである正方形の正四角錐台の形状に成形した。成形は工具回転速度ω[rpm]と工具移動速度v[mm/min]を変化させ、成形可能な最小の半頂角θを求めることにより成形性を調査した。コンピュータで入力したNCコードに従って工具20を移動させた。初めに正四角錐台の底面部分から成形を開始し、工具20を0.5mm押込んだ後に反時計まわりに1周させた。工具が1周する間にZ方向に0.5mm押込み、設定した半頂角によって任意の長さだけ内側に移動させた。例えば半頂角45度で成形した場合、Z方向の押込み長さである0.5mmと同じだけ内側に移動させた。その後、経路(1)よりも一回り小さい内側の経路(2)を工具が移動し、これを繰り返すことにより最終的に正四角錐台の高さが20mmになるまで成形した。成形中に試料に亀裂が生じた場合は成形を中断し、破断する直前の経路における押込み長さを成形限界高さ(破断することなく成形できる限界の高さ)とした。
[I]マグネシウム合金
供試材には、展伸用マグネシウム合金である厚さ0.5、0.7mmのAZ31焼鈍材、厚さ0.5mmのAZ61焼鈍材、そして厚さ0.8mmのAZ80押出材を用い、100mm四方の板材を用いた。表1に供試材の化学組成を、表2に供試材の物理的性質をそれぞれ示す。
(A)工具回転速度ωと板材1の成形限界高さの関係(図4)
図4は、板厚t=0.5mmのAZ31について、工具移動速度v=3000mm/min、半頂角θ=45度としたとき、工具回転速度ωと板材1の成形限界高さの関係を示すものである。
図4によれば、工具20の工具回転速度ωを7000rpm以上にするときに板材1の成形限界高さを急激に向上でき、8000rpm以上にするときに板材1の成形限界高さを大幅に向上できることが認められる。
図4より、室温下でのマグネシウム合金板の成形において,従来のインクリメンタルフォーミング(ω=0rpm)よりも本発明成形法を用いることで成形性が向上し、工具を回転させるほど成形限界高さは向上した。これは、成形時に工具をある程度回転させることで材料が摩擦熱によって軟化し、成形限界高さが向上したと考えられる。しかし、工具回転速度と入熱量は比例関係にあることから、単純に工具回転速度と成形限界高さについても比例すると思われたが、工具回転速度が8000rpm未満では工具回転速度を増加させてもあまり成形限界高さは変わらず、工具回転速度が8000rpm以上で急激に成形限界高さが向上し、本実験装置の成形限界高さにまで達している。このことから摩擦撹拌による塑性流動が発生するための工具回転速度に閾値があると思われ、また単純に工具との摩擦熱によるものではなく、撹拌によって塑性流動を起こすことで成形性が向上したのではないかと考えられる。
(B)板材1の組織の変化(図5、図6)
図5、図6は、板厚t=0.5mmのAZ31について、工具移動速度v=3000mm/min、半頂角θ=45度とし、工具20の工具回転速度ωを0rpm、7000rpm、8000rpmとするとき、工具20により加工された板材1の工具押込側の組織(図5)、該板材1の工具押込裏側の組織(図6)を示すものである。
図5、図6によれば、加工により板材1の結晶粒が工具回転速度ωを高速化させるほど微細化すること、板材1の工具押込側の方がより微細化することが認められる。加工前の板材1の結晶粒の大きさは表層で圧延時の10μm以下、表層以外では10μm程度であった。加工後の板材1の結晶粒の大きさは表層では確認困難なほどの微細粒、表層から100μmまでは1μm以下であり、この微細な結晶粒は摩擦攪拌により生じたものと認められる。また、板材1の表層から100μmより下でも微細な結晶粒の混在がみられることから、板材1の押込裏側にまで摩擦攪拌された組織が混在していると考えられる。
(C)板材1の成形後のスプリングバック(図7)
図7は、板厚t=0.5mmのAZ31について、工具移動速度v=3000mm/min、半頂角θ=45度とし、工具20の工具回転速度ωを0rpm、7000rpm、8000rpmとするとき、工具20により加工された板材1の成形後のスプリングバックの状態を示すものである。
図7によれば、工具20の工具回転速度ωを高速化して板材1を摩擦攪拌することにより、板材1の成形後のスプリングバックを抑制できることが認められる。
(D)工具移動速度vと板材1の成形可能な半頂角θの関係(図8〜図12、図15、図16)
図8(A)は、板厚t=0.5mmのAZ31について、工具20の工具回転速度ωを10000rpmとするとき、工具20の工具移動速度vと板材1の成形可能な半頂角θ(図8(B))の関係を示すものである。
図8(A)によれば、工具移動速度を遅くするにつれて、より小さい半頂角を成形することが可能であり、移動速度v=1000〜2000mm/minにおいて、成形可能な最小半頂角θmin=25度になる。θ≧55度であれば全ての条件で成形できることが認められる。θが小さい範囲では、工具移動速度vを遅くすることで成形可能になる。各半頂角θにおいて適切な工具移動速度vを選択する必要があることが認められる。
図9は、板厚t=0.5mmのAZ31について、工具20の工具回転速度ωを10000rpmとし、工具20の工具移動速度vを1500mm/min、θを25度とするときの板材1の成形状態を示すものであり、工具20に材料が焼付くことがなく、加工面の状態も良かった。また、板材1の工具押込側、工具押込裏側とも、結晶粒が微細化することが認められる。
図10は図8(A)に対応する工具移動速度vと半頂角θの成形条件範囲で、加工された板材1の形状を示したものである。
図11、図12は図8(A)に対応する工具移動速度vと半頂角θの成形条件範囲で、加工された板材1の工具押込側の組織(図11)、該板材1の工具押込裏側の組織(図12)を示すものである。成形可能な条件下では、板材1の結晶粒が微細化することが認められる。
図10〜図12において、まず工具移動速度vに着目してみると、v=500mm/minで成形した試料は、あまりに移動速度が遅いため、撹拌過多により上手く成形ができなかった。組織写真を見てみると、工具押込側の表面が非常に粗くなっていることがわかり、移動速度v=3000mm/minの試料と比較しても、工具押込側及び工具押込裏側ともに組織は微細化していなかった。また、成形後の工具をみてみると、撹拌過多による特徴的な工具の焼付きがみられた。このため、板材1も精度よく成形することができなかったと思われる。一方、移動速度v=6000mm/minで成形した板材1は、移動速度が速すぎたため、撹拌不足により途中で破断してしまった。結晶粒の微細化も工具押込側の極わずかな領域に限って確認され、このことからも撹拌不足であることがわかる。
次に半頂角に着目してみると、半頂角θ=60度で成形した板材1は、実験装置の成形限界高さに至るまで成形が可能であった。しかし半頂角が大きいことから、相対的に工具が通過する間隔が広くなり結果的に粗い成形となってしまった。このため大きい半頂角で成形する場合は、それに伴って工具20の押込量を細かく刻んで成形しなければならない。加工部の組織も、移動速度v=3000mm/minほどではないが、工具押込裏側の一部を除いて組織の微細化が認められた。また、半頂角θ=30度で成形した板材1をみてみると、工具20の焼付きがみられたことから、これが原因となり途中で破断してしまったと思われる。しかし加工部の組織をみてみると、結晶粒は微細化しており、十分撹拌されていることがわかる。このことから、工具20の焼付きを防ぐために、成形中の工具の交換やクリーンアップ、工具押込量の調整などを行なう必要があると考える。特に半頂角θを変えて成形する場合、工具押込量の選定が重要になってくると思われる。
同様にAZ61(板厚t=0.5mm)、AZ80(板厚t=0.8mm)板についても成形可能な半頂角θの範囲を調査した結果を図15、図16に示す。成形可能な最小の半頂角は、AZ61で最小の半頂角θmin=30度まで、AZ80で最小の半頂角θmin=40度まで成形が可能であった。
(E)工具回転速度ωと板材1の成形可能な半頂角θの関係(図17)
図17に板厚t=0.5mmのAZ31板を用いて、工具移動速度をv=1500mm/minに固定し、工具回転速度を変化させて成形可能な半頂角θの範囲を調査した結果を示す。工具回転速度を増加させるにつれて、より小さい半頂角を成形することが可能であり、工具回転速度ω=10000rpmにおいて、最小の半頂角θmin=25度まで成形が可能であった。このことから、より小さい半頂角を成形するためには、より多くの入熱が必要であり、入熱量の増加とともに材料の温度が上昇し、材料の流動応力が低下することで塑性流動し易くなるものと考えられる。
(F)成形時の加工温度(図18)
図18にAZ31板(板厚t=0.5mm)を成形した時の加工部の温度変化を示す、図18(A)、(B)ともに工具回転速度ω=10000rpmで成形したときのものであり、図18(A)が工具移動速度v=3000mm/min、半頂角θ=45度で成形したとき、図18(B)が工具移動速度v=1500mm/min、半頂角θ=30度で成形したときの温度変化を示している。両条件とも最高で215℃、343℃まで達しており、再結晶温度以上まで上昇していた。更に、加工部は撹拌によって大きなひずみが与えられており、動的再結晶が起こっていると思われる。
(G)温間・熱間成形との比較(図19、図20)
図19にAZ31板(板厚t=0.5mm)を用いて、温間・熱間でインクリメンタルフォーミングを行ったときの加工温度と成形可能な半頂角の関係を示す。温間・熱間でのインクリメンタルフォーミングは、本発明成形法と比較するために、成形可能な最小の半頂角θmin=25度のときの成形条件である工具移動速度v=1500mm/minとし、インクリメンタルフォーミングは工具回転速度ω=0rpmで行なった。図18をみてみると、AZ31合金板の再結晶温度である180℃以上において、成形可能な最小の半頂角θmin=35度まで成形が可能であった。このことから、特に成形する板やブランクホルダ、ダイスを予熱する必要のない、本発明成形法が非常に有効な方法であることがわかった。また、温間・熱間でのインクリメンタルフォーミングにおいて、再結晶温度以上に加熱することで急激に成形性が向上することからも、マグネシウムが高温域では成形性が良いことがわかる。AZ31の深絞り、張出成形においても高温域で成形性が向上することが既に報告されている。
図19に温間・熱間でインクリメンタルフォーミングによって成形した試料の外観写真を示す。また、比較として本発明成形法によって成形した試料の外観写真を併せて示す。加工温度T=180度で成形した図20(B)、(C)をみると、半頂角θ=45度で成形した図20(B)については上手く成形できているが、成形可能な最小の半頂角θmin=35度で成形した図20(C)については、本発明成形法によって成形が可能である最小の半頂角θ=25度で成形した図20(A)と比較して、加工部の肌荒れが多くみられた。特に成形の終盤においては、大きな音をたてながら加工していたため、この段階での肌荒れが顕著である。半頂角θmin=35度が得られたものの、厳しい成形であったといえる。最後に加工温度T=250℃、半頂角θ=30度で成形した図20(D)をみると、成形途中で破断してしまった。同じ半頂角で加工温度T=180℃で成形した場合も同様に成形途中で破断に至ってしまった。
(H)加工部の伸び・相当ひずみ(図21、図22)
図21にAZ31板(板厚t=0.5mm)、AZ61板(板厚t=0.5mm)及びAZ80板(板厚t=0.8mm)を成形可能な最小の半頂角まで成形した試料の外観写真を示す。写真に示した試料の成形条件はAZ31が工具回転速度ω=10000rpm、移動速度v=1500mm/minで最小の半頂角θ=25度、AZ61が工具回転速度ω=10000rpm、移動速度v=3000mm/minで最小の半頂角θ=30度、AZ80が工具回転速度ω=10000rpm、移動速度v=4500mm/minで最小の半頂角θ=35度まで成形が可能であった。外観写真をみると、AZ61、AZ80において加工部表面の肌荒れが顕著であるが、試料にゆがみもなく成形できていることがわかる。
図22に半頂角と相当ひずみ、及び伸びの理論上の関係を示す。図22は、本成形法により加工部がどのくらいのひずみが与えられたのか、またどのくらい伸びたのかを計算したものである。例えば半頂角θ=30度で成形した場合、三角関数によって成形後の錐面の長さは成形前の2倍になることから、加工部の伸びは100%になる。半頂角θが小さくなるほど角度の急な錐面となることから、図22に示すように加工部の伸びも増加し、与えられる相当ひずみも増加する。
表3にそれぞれの試料を半頂角θ=45度及び成形可能な最小の半頂角θminで試料を成形したときの伸びの値を示す。AZ31の引張試験による室温での伸びは26%であるが、半頂角25度で成形した場合の加工部の伸びは137%であり、著しい伸びの向上が確認された。同様にAZ61、AZ80についても室温での伸びが17%、24%のものが本成形法によって加工部の伸びはそれぞれ100%、56%に至り、こちらも大幅な伸びの向上が確認された。
ところで、本発明成形法による成形中の加工部は300℃以上にまで達している。そこで、高温域での伸びを比較してみると、本実験で用いたAZ31-Oの展伸材の伸びは300℃において80%以上まで伸びることが報告されている。本発明成形法は試料を予熱することなく加工部の伸び137%(AZ31-0.5mm)まで成形できることからも、マグネシウム合金板の成形性を大幅に向上させる方法であることがわかる。マグネシウムは高温においては非底面すべりの活動が活発になると同時に、粒界すべりも塑性変形に寄与するようになると考えられている。このことから、単に高温にするだけでなく本発明成形法により結晶粒を微細化させ、より多くの粒界すべりが活動することで成形性の大幅な向上につながるものと考えられる。
表4にそれぞれの試料を半頂角θ=45度及び成形可能な最小の半頂角θminで試料を成形したときの相当ひずみの値を示す。更に各試料の引張試験から求められた相当ひずみも併せて示し、成形時と引張試験時に与えられるひずみの量を計算した。尚、成形時に加工部に与えられる相当ひずみは、工具回転方向のひずみは無視し、単純に加工部の厚さが減少し、一軸方向に伸びたと仮定した場合の相当ひずみである。その結果、全ての試料において成形時に与えられたひずみ量のほうが未成形材を引っ張ったときの破断ひずみよりも大きいことがわかった。つまり、加工部の引張試験を行なう前の段階で既に破断に至るほどのひずみが与えられており、その後更に引張試験によって0.1〜0.2mmのひずみが与えられて破断に至ったことになる。特にAZ31板を半頂角25度で成形し、引張試験を行った試料のひずみ量は1mm以上になる。このことからも、開発した成形法により成形性が大幅に向上していることがわかる。
(I)加工部の硬さと組織の変化
板厚t=0.5mm、0.7mmのAZ31板、板厚t=0.5mmのAZ61板および板厚t=0.8mmのAZ80板を用いて、成形した加工部断面の硬さ試験を行った。半頂角θ=45度で成形した試料の成形条件は全て工具回転速度ω=10000rpm、工具移動速度v=3000mm/minに統一し、半頂角θ=25度で成形した試料のみ工具回転速度ω=10000rpm、工具移動速度v=1500mm/minとした。それぞれの試料のビッカース硬さを図23に示す。
(1)AZ31板(板厚t=0.5mm)
未加工材の硬さは70.8HV0.1であり、半頂角θ=45度で成形すると硬さは77.9HV0.1と成形前に比べて約10%向上した。このときの加工部の組織をみてみると、成形前に比べ表側・裏側ともに微細化していた。しかし半頂角θ=25度で成形すると65.6HV0.1に低下した。このときの加工部の組織は、成形前に比べ半頂角θ=45度で成形したときのように微細化していなかった。しかも成形前に比べ硬さが低下していることから、おそらくは半頂角θ=45度で成形した場合に比べて入熱量が多いため、再結晶後に結晶粒が粗大化したため硬さが低下したと思われる。また半頂角θ=45度で成形した場合に比べて、加工部はより撹拌されていることから、撹拌による集合組織の形成によって硬さが低下したのではないかと考えられる。撹拌による集合組織の形成については、FSWの接合部においても報告されており、集合組織の形成が半頂角θ=45度で成形した場合に比べて顕著に起こったため硬さが低下したと思われる。
(2)AZ31板(板厚t=0.7mm)
未加工材の硬さは73.7HV0.1であったが、半頂角がθ=45度で成形すると硬さは77.6HV0.1と板厚t=0.5mmの場合と同様に成形前に比べて向上した。加工部の組織をみてみると、成形後の組織は工具押込表側が微細化しているが、板厚t=0.5mmのように裏側までは微細化していなかった。しかし、成形前より組織は微細化していることから、結果的に硬さが上昇したものと考えられる。
(3)AZ61板(板厚t=0.5mm)
未加工材の硬さは93.2HV0.1であったが、半頂角がθ=45度で成形すると硬さは80.7HV0.1と硬さの低下がみられた。また加工部組織は、加工によって工具押込側、工具押込裏側ともに析出物が確認された。しかしAZ61で析出するとされるMg17Al12は、硬さには影響を及ぼさないと報告されていることからも、先ほど述べたように撹拌による集合組織の形成が原因ではないかと思われる。
(4)AZ80板(板厚t=0.8mm)
未加工材の硬さは84.5HV0.1であったが、半頂角がθ=45oで成形すると硬さはAZ31の2つの試料でみられたように96.6HV0.1まで硬さが上昇した。加工部の組織は工具押込側、工具押込裏側ともに結晶粒の微細化が確認され、工具押込側においては非常に顕著であった。このことから、結晶粒の微細化が硬さの上昇につながったものと思われる。ちなみに本実験で用いたAZ80は押出材であるが、押出方向に組織の違いはなく、硬さも違いはみられなかった。
(J)加工部の引張強度と組織の変化(図24)
成形した試料の錐面から試験片を切り出し、加工部の引張試験を行なった。試験を行なった試料は硬さ試験と同様の試料を用いた。図24に各試料の引張強度を示す。また加工部の試料の厚さも表5に示す。
(1)AZ31板(板厚t=0.5mm)
未加工材の引張強度は260MPaであり、半頂角θ=45度で成形すると引張強度は289MPaと成形前に比べて約10%向上した。このときの加工部の組織をみてみると、成形前に比べ表側・裏側ともに微細化していた。しかし半頂角θ=25度で成形すると216MPaに低下した。このときの加工部の組織は、成形前に比べ半頂角θ=45度で成形したときのように微細化していなかった。しかも成形前に比べ強度が低下していることから、おそらくは加工による試験片表面の凹凸や撹拌による集合組織の形成により強度が低下したのではないかと考えられる。加工による試験片表面の凹凸については表5からもわかるように、成形前に比べて加工部の厚さは半分以下になっており、わずかな表面の凹凸が破断に影響してくると考えられる。撹拌による集合組織の形成については、前項で述べた通りである。本実験では工具送り方向を引張軸として試験片を切り出しているため、報告されているように底面すべりを起こし易くなることから、引張強度が低下したものと考えられる。
(2)AZ31板(板厚t=0.7mm)
未加工材の引張強度は264MPaであったが、半頂角がθ=45度で成形すると引張強度は242MPaと成形前に比べてわずかに低下した。同様に加工部の組織をみてみると、成形後の組織は工具押込表側が微細化しているが、裏側までは微細化していなかった。表5からもわかるように、板厚t=0.5mmの試料よりも厚みがあることから、裏側までは微細化しておらず、強度の上昇には至らなかったと思われる。その上、加工による試験片表面の凹凸や撹拌による集合組織の形成により強度が低下したのではないかと考えられる。
(3)AZ61板(板厚t=0.5mm)
未加工材の引張強度は301MPaであったが、半頂角がθ=45度で成形すると引張強度は299MPaとほとんど変わらなかった。加工部組織は、加工によって工具押込側、工具押込裏側ともに析出物が確認された。
(4)AZ80板(板厚t=0.8mm)
未加工材の引張強度は335MPaであったが、半頂角がθ=45度で成形すると引張強度は306MPaと成形前に比べて低下した。加工部の組織は工具押込側、工具押込裏側ともに結晶粒の微細化が確認され、工具押込側においては非常に顕著であった。しかし成形前に比べ強度が低下しているのは、AZ31の2つの試料同様、加工部表面の凹凸や撹拌による集合組織の形成が考えられる。また、押出方向よる引張強度の違いはみられなかった。
(結論)
室温では成形が難しいマグネシウム合金板を室温で成形する摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング法の開発に成功し、本発明成形法によるAZ31、AZ61、AZ80マグネシウム合金板の成形加工条件や加工時の温度、温間・熱間でのインクリメンタルフォーミング成形との比較、板材加工部の引張強度や硬さを調査した。その結果、以下のことがわかった。
・工具回転速度に閾値があり、閾値を超えると成形限界高さが急激に上昇した。
・成形する半頂角に対応する最適な成形条件が存在した。
・成形時の加工部の温度は最高で350℃くらいまで上昇し、再結晶温度以上まで達していた。
・従来の温間・熱間でのインクリメンタルフォーミングでは半頂角θ=35度までしか成形できなかったものが、開発した成形法によって最小でθ=25度まで成形できるようになり、成形性が大幅に向上した。
・AZ31合金板は室温での引張試験において破断伸びが26%だったが、半頂角θ=25度に成形した場合の加工部の伸びは137%に相当し、開発した加工法によって成形性が飛躍的に向上することがわかった。同様に、AZ61、AZ80についても室温では成形できない伸び・ひずみ量まで成形が可能であった。
・成形後の加工部の硬さは、AZ31、AZ80板を半頂角θ=45度で成形した場合、成形前よりも硬さは向上した。しかし、AZ31板を半頂角θ=25度で成形した場合、およびAZ61板を半頂角θ=45度で成形した場合は硬さの低下がみられた。
AZ31合金板を半頂角θ=45度で成形した場合の引張強度は、未加工材よりも約10%向上することがわかった。AZ61、AZ80合金板についても半頂角θ=45度で成形した場合、引張強度は最低でも未加工材の80%以上は保っていることから、加工部の引張強度も十分であった。
[II]アルミニウム合金
供試材には、アルミニウム合金である厚さ0.5mmのA5052-H34材を用い、100mm四方の板材を用いた。表6に供試材の化学組成を、表7に供試材の物理的性質及び機械的性質を示す。
(A)工具移動速度と工具回転速度の関係(図25)
図25に成形条件は半頂角θ=45度で固定し、工具移動速度、工具回転速度を変えて成形可能条件を調査した結果を示す。成形できたものを○、成形できなかったものを×、成形ができたりできなかったりと不安定な条件は△で表した。工具移動速度v=4000mm/min以下のとき工具回転速度を上げていくと工具移動速度を高くしても成形は可能であった。しかし、v=500mm/minでは加工部が入熱・撹拌過多となり成形ができなかった。工具移動速度v=5000mm/min以上では工具回転速度が高いにも関わらず成形はできなくなり、工具回転速度ω=10000rpmでは完全に成形できなかった。
(B)工具回転速度ωと板材1の成形限界高さの関係(図26〜図28)
図26に成形条件は工具移動速度v=3000mm/min、半頂角θ=30度で固定し、工具回転速度を変化させ成形可能な高さを調査した結果を示す。工具回転速度ω=0rpmでは過剰に負荷がかかったためNC工作機が止まって成形はできなかった。ω=2000rpmからは成形途中に加工部が破断してしまい、成形高さh=5mm程度までしか成形ができなかった。しかし、ω=7000rpm以上になると成形高さは飛躍的に向上し、使用したプログラムで設定できる成形高さの限界値であるh=20mmまで加工ができた。このことから工具回転速度が成形性に大きく関係していることが分かり、工具回転速度を大きくすることで成形性が向上するものと考えられる。
そこで工具回転による摩擦熱に注目し、成形性が飛躍的に向上するω=7000rpmとその直前のω=6000rpmの加工条件で加工部の温度測定を行った結果を図28に示す。するとω=6000rpm、ω=7000rpmともに加工時の最高温度はそれぞれ273.3℃、284.9℃と両条件ともに再結晶温度(330℃)には至っていなかった。
(C)工具回転速度ωと板材1の成形可能な半頂角θの関係(図29〜図32)
図29に成形条件は工具移動速度v=3000mm/minで固定し、工具回転速度、半頂角を変えて成形可能条件を調査した結果を示す。過去の実験でA5052-H34材、厚さ0.6mmのインクリメンタルフォーミングでは半頂角θ=30度まで成形可能であることが報告されている。本実験でも潤滑油は使用していないが工具回転速度ω=0rpmをインクリメンタルフォーミングと仮定して成形を行うと半頂角θ=45度まで成形ができた。工具回転速度を上げていくとω=6000rpmまでは成形できる半頂角の値はほぼ変わらなかったが、ω=7000rpm以上になると半頂角の値はθ=25度と小さな値まで成形可能となり、ω=10000rpmではθ=20度まで成形可能となった。このことからも工具回転速度は成形性に大きく関係していることがわかる。
半頂角と相当ひずみ、及び伸びの理論上の関係を図30に示す。このグラフは、本発明成形法により加工部がどのくらいのひすみが与えられたのか、またどのくらい伸びたのかを計算したものである。θ=45度成形の加工部の伸びはおよそ41%に相当、θ=20度成形の加工部の伸びはおよそ192%に相当することからも工具回転速度を大きくすることは成形性の向上につながると考えられる。また、インクリメンタルフォーミングによる成形後の試料(ω=0rpm、θ=45度)及び、本発明加工法による成形後の試料(ω=10000rpm、θ=20度)の写真をそれぞれ図31、図32に示す。成形面に大きな違いが見られ、本発明加工法は成形面がインクリメンタルフォーミングに比べてきれいであった。これらのことから本発明加工法はインクリメンタルフォーミングに比べ成形面がきれいであることに加え、成形性を飛躍的に向上させることが分かった。
(D)工具移動速度vと板材1の成形可能な半頂角θの関係(図33)
図33に成形条件は工具回転速度ω=10000rpmで固定し、工具移動速度、半頂角を変え成形可能条件について調査した結果を示す。工具移動速度v=5000mm/min以上になると成形は全くできなくなった。また、v=2000-4000mm/minでは成形可能な半頂角に違いはなく、v=1000mm/min以下になると半頂角に関係なく、工具移動速度が遅すぎるために加工部の入熱・撹拌過多となり成形はできなかった。工具移動速度は成形の可否の要因にはなるものの、成形性との関係は薄いと考えられる。
(E)加工部の組織観察及び加工温度(図34、図35)
図34に工具移動速度v=3000mm/min、工具回転速度ω=7000rpm、半頂角θ=45度で成形した断面組織のSIM像を示す。表面から5μmは粒径500nm程度の等軸粒となっており、それ以降は内部に向かうに従い結晶粒は1-2μm程度の等軸粒となっていた。未加工材に見られたような結晶粒内に転位集積によるひずみは見られなかった。工具を回転させなかったインクリメンタルフォーミング成形に比べると結晶粒は比較的大きく、内部は伸張した粒ではなく等軸粒であった。このような違いは工具回転における摩擦熱の違いであると考えられる。摩擦撹拌インクリメンタルフォーミングの加工時の加工部温度測定結果を図35に示す。最高温度は233℃と再結晶温度(330℃)には至っていないものの非常に高い状態であることが分かる。また成形時には多くのひずみが導入されるため動的再結晶が起こりやすい環境であると考えられる。微細化の過程はインクリメンタルフォーミングと同様であるが、内部の粒が伸張せずに等軸粒になっているのは加工部表面だけでなく内部温度も十分高いため、ひずみが導入されるたびに動的再結晶が起こったためであると考えられる。インクリメンタルフォーミング材に比べ表面の微細結晶粒の領域が狭くなったのは加工域の温度が高いため粒成長したためである可能性が高い。また、近傍で白いコントラストで示される結晶粒ではないものが観察された。おそらく酸化皮膜が撹拌によって内部に侵入したものではないかと考えられるが詳細は不明である。
(F)加工部の硬さと組織の変化(図36)
試料には比較材として未加工材、インクリメンタル成形材(v=3000mm/min、ω=0rpm、θ=45度)、本発明加工法の中でもインクリメンタル成形条件に工具回転を加えたもの(v=3000mm/min、ω=7000rpm、θ=45度)、本発明加工法でもっとも半頂角が小さかったもの(v=3000mm/min、ω=10000rpm、θ=20度)の4種で測定を行ない、その結果は図36に示す。
インクリメンタル成形を行ったものは未加工材に比べ硬度が高くなっていた。加工部は動的再結晶により微細化するも内部は加工の際に変形し、結晶粒が伸張していることから多量のひずみが残っていると考えられる。このことからインクリメンタル成形後の加工部は加工硬化により硬度は高くなったと考えられる。
摩擦撹拌インクリメンタルフォーミングで成形したものはどちらも未加工材に比べ硬度は下がっていた。摩擦撹拌接合でも同様に加工部の硬度低下は確認されている。未加工材であるA5052、H34処理は圧延後安定化処理を施したものであるため多量の転位を含んでおり、加工硬化している。組織写真からも粒内のコントラストに違いがあることから多量のひずみがあることがわかり、このことからも未加工材は加工硬化していることがわかる。摩擦撹拌インクリメンタルフォーミングではインクリメンタルフォーミングと異なり工具を高速回転させていることから成形時の工具と素材間の摩擦熱は高くなる。表面近傍は粒径数500nm程度の等軸粒となっており、それ以降は表面近傍よりも大きい1-3μm程度の等軸粒となっていた。表面近傍をはじめ素材全体で連続的に動的再結晶が起こり結晶粒は微細化したことが示唆される。これらのことより摩擦撹拌インクリメンタルフォーミングを行うことで加工部では動的再結晶が起こり、未加工材に含まれていたひずみが緩和され硬度は下がったと考えられる。
(G)加工部の引張強度と組織の変化(図37)
試料として未加工材、インクリメンタル成形材(v=3000mm/min、ω=0rpm、θ=45度)、本発明加工法(インクリメンタル成形条件に工具回転を加えたもの(v=3000mm/min、ω=7000rpm、θ=45度))の3種で試験を行ない、その結果は図37に示す。
未加工材は最大引張強度286.2MPaに対してインクリメンタル成形を行なったものは232.2MPaと強度は低下していた。一方、摩擦撹拌加工法を行ったものは239.0MPaと未加工材よりも強度は劣るもののインクリメンタル成形と同程度となった。
インクリメンタルフォーミング材は加工硬化および結晶粒微細化から強度は上がると予想されたが未加工材よりも低下していた。これは試料加工部の表面形状が非常に悪いため、表面の一部に応力集中が起こり、そこから破断したため強度は真の値よりも下がったと考えられる。加工部表面近傍では結晶粒が微細化しているため組織を変化させないよう引張試験片作成の際に表面の研磨は行なわなかった。
摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング材(v=3000mm/min、ω=7000rpm、θ=45度)で成形したものは未加工材と比較して強度は低下していた。加工部の結晶粒は微細化していたため強度の上昇が考えられたが、逆の挙動を示していた。摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング時に動的再結晶によりひずみの緩和と結晶粒の微細化が起こる。引張強度の低下は結晶粒微細化による強度上昇より、ひずみの緩和による強度低下の影響が顕著に現れているからであると考えられる。
(結論)
本実験では摩擦撹拌接合とインクリメンタルフォーミングを組み合わせた新しい加工法である摩擦撹拌インクリメンタルフォーミングによりアルミニウム合金A5052-H34薄板の成形を行った。加工条件、加工時の温度測定、そして成形後の加工部における硬度試験、引張試験および組織観察を行なった。その結果明らかになったことを以下に示す。
・工具移動速度と工具回転速度の間には成形を可能にするバランスの良い条件が存在する。
・工具回転数により成形性が決まっており、一定の回転数を超えると成形限界が急激に上昇し、工具回転速度を上げることで成形可能な半頂角は小さくなった。
・成形時の加工部温度は測定した条件の中も工具移動速度v=3000mm/min、工具回転数ω=10000rpm、半頂角θ=20度時の最高温度284.9℃が最も高かったが、再結晶温度(330℃)には到達していなかった。
・工具移動速度v=3000mm/minで固定した場合、インクリメンタルフォーミングでは室温で半頂角45度までが成形可能であったが摩擦撹拌インクリメンタルフォーミングでは最小で半頂角20度まで成形可能であった。加工部の伸びは45度で41%、 20度は192%相当であり、摩擦撹拌インクリメンタルフォーミングにより成形性はインクリメンタルフォーミングに比べ飛躍的に向上した。
・摩擦撹拌インクリメンタルフォーミングによる成形後の加工部の硬度および引張強度は成形前に比べて低下していたが、最低でも硬度は成形前の75%以上、引張強度は80%以上保っていたため加工部の硬度、引張強度は十分であると考えられる。
・摩擦撹拌インクリメンタルフォーミングにより素材の結晶粒は微細化しており、形状は等軸粒を呈していた。中でも表面近傍は粒径500nm程度にまで微細化しており、これら結晶粒の微細化は加工時の動的再結晶によるものと考えられる。
次に、摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング100の工具20による板材1の成形に際し、工具20が接する板材1の裏側に、板材1を支える受け具50(成形モデル51)を配置することが板材1の成形深さに及ぼす影響について調査した結果を示す。
図13(A)(図13(B))は板材1の裏側に受け具50(成形モデル51)を配置した成形例であり、図14(A)(図14(B))は板材1の裏側に受け具50を配置しない前述の凹み空間成形の成形例である。各成形例では、板材1をマグネシウム合金AZ31、成形油なし、工具20の工具回転速度ω、工具移動速度v、Z軸方向の送りピッチp、半頂角θのそれぞれを図13(A)、図14(A)に記載した通りにした。図13(A)(図13(B))、図14(A)(図14(B))によれば、板材1の裏側に受け具50(成形モデル51)を配置することにより、板材1の成形深さを10mmから23mmに2.3倍にまで拡大でき、成形性を向上できることが認められる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明は、マグネシウム合金、アルミニウム合金、チタン合金等の合金又は金属からなる板材を金型を用いないで常温で成形可能にすることができる。
1 板材
10 板材支持装置
20 工具
30 工具回転装置
40 移動装置
41 板材移動装置
42 工具移動装置
50 受け具
51 成形モデル

Claims (16)

  1. 合金又は金属からなる板材を立体形状に成形する板材の成形方法において、
    工具を板材に押付け、該工具を回転させながら板材に対し3次元方向に相対的に移動させることを特徴とする板材の成形方法。
  2. 前記板材がマグネシウム合金からなる請求項1に記載の板材の成形方法。
  3. 前記板材がアルミニウム合金からなる請求項1に記載の板材の成形方法。
  4. 前記板材がチタン合金からなる請求項1に記載の板材の成形方法。
  5. 前記工具が接する板材に、該工具の回転に起因する摩擦攪拌による塑性流動を引き起こして該板材を成形する請求項1〜4のいずれかに記載の板材の成形方法。
  6. 前記工具が成形油を介さずに板材に接する請求項5に記載の板材の成形方法。
  7. 前記工具が接する板材の裏側に、該板材を支える受け具を配置する請求項5又は6に記載の板材の成形方法。
  8. 前記受け具が板材の成形モデルからなる請求項7に記載の板材の成形方法。
  9. 前記工具を、板材に押付けて該板材の成形すべき立体形状の等高線に沿う一周に渡って相対的に移動させることを、該板材の高さ方向の各所で繰り返す請求項1〜8のいずれかに記載の板材の成形方法。
  10. 合金又は金属からなる板材を立体形状に成形する板材の成形装置において、
    板材の外縁部を支持する板材支持装置と、
    板材に接する工具と、
    工具を回転させる工具回転装置と、
    工具と板材を3次元方向に相対的に移動させる移動装置とを有してなることを特徴とする板材の成形装置。
  11. 前記板材がマグネシウム合金からなる請求項10に記載の板材の成形装置。
  12. 前記板材がアルミニウム合金からなる請求項10に記載の板材の成形装置。
  13. 前記板材がチタン合金からなる請求項10に記載の板材の成形装置。
  14. 前記移動装置が、板材を直交2軸方向へ移動する板材移動装置と、工具を上記直交2軸方向のそれぞれと直交する方向へ移動する工具移動装置とを有してなる請求項10〜13のいずれかに記載の板材の成形装置。
  15. 前記工具が接する板材の裏側に配置されて該板材を支える受け具を有する請求項10〜14のいずれかに記載の板材の成形装置。
  16. 前記受け具が板材の成形モデルからなる請求項15に記載の板材の成形装置。
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