JP2010214448A - ホットチャンバ式ダイキャスト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホットチャンバ型ダイキャスト装置において、シリンダ内への空気の混入を防止し、ダイキャスト金型に送給される溶湯にも空気が混入することを防止して、ダイキャスト鋳造形成品の品質を高め、かつシリンダ内或いは射出パイプ内において溶湯へ空気が混入するのを防止して酸化物の発生を防止し、セラミック素材への磨耗等の影響を排除する。
【解決手段】ポット内の溶湯面7の下方における吐出溶湯路70、47の内部容積を、シリンダ筒内11におけるプランジャの行程容積より大きくしたことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明はアルミニウム、マグネシウム、亜鉛等、或いはこれらの合金等の低融点金属を鋳造するホットチャンバダイキャスト装置に関し、特に、低融点金属の溶湯を射出するシリンダ内への空気の浸入を防止するようにしたホットチャンバ型ダイキャスト装置に関する。
従来、アルミニウム又はその合金等の低融点金属を鋳造するシリンダ射出装置としてホットチャンバ型ダイキャスト装置が知られている。この装置では、アルミニウム溶湯の温度を一定以上に維持するために、溶湯を収容する容器(ポットと称する)をヒータを具備する炉体に搭載すると共に、セラミックで構成されたシリンダ本体をその少なくとも一部がポット内の溶湯に浸漬されるように保持した構造としている。
そして、シリンダ本体は、その内部に、シリンダ筒と、溶湯の吸い込み時にポット内の溶湯をシリンダ筒内へ流入させる開口部と、溶湯の吐出時にシリンダ筒内の溶湯を吐出させる吐出溶湯路とが規定されている。セラミック製プランジャは、ポット内の溶湯面より下方の領域内で且つシリンダ筒内で往復移動して、溶湯の吸い込み及び溶湯の吐出を行う。プランジャの上方には、溶湯の吸込み及び吐出動作を行わせるべく、プランジャを往復動作させる駆動機構が設けられている。射出パイプがシリンダ本体の吐出溶湯路の流出口に接続され、ダイキャスト金型のキャビティ内へ溶湯を送給するように構成されている。
このような構成のホットチャンバ式ダイキャスト装置の先行技術として、特開平10−128517号公報(特許文献1)では、シリンダを有する主筒部分と、主筒部分に連結されて金型に溶湯を送り込む注入筒とを別々のセラミックで構成し、リング状のシール部材で注入筒を主筒部分に接続する構成としている。
また、特開平10−296420号公報(特許文献2)及び米国特許第5,983,979号明細書(特許文献3)では、セラミックにより構成された溶湯射出主筒部とその側面に連結した注入筒部とを外側筒部により支持し、外側筒体をアルミニウム溶湯を収容する溶湯槽及び炉体の外側に設けられた金属又はサーメット製フランジにより支持する構成としている。
特開平10−128517号公報 特開平10−296420号公報 米国特許第5,983,979号明細書
上述した従来のホットチャンバ式ダイキャスト装置において、シリンダ内の容積、即ちプランジャの行程容積(プランジャの行程×プランジャの断面積)をV1として、ポット内の溶湯面より下側に存在するシリンダ本体の吐出溶湯路及びこれに接続された射出パイプの注湯路の合計面積をV2とした場合に、V1がV2より大きい場合であって、射出パイプの出口である射出口が溶湯面により高い位置にある場合は、プランジャによる吸込み時において、射出パイプの射出口から空気が入ってシリンダ内部に流入し、溶湯に空気が混入することが生じた。
このように、溶湯に空気が混入すると、ダイキャスト金型に送給される溶湯にも空気が混入し、これが鋳造成形品に影響を及ぼす虞がある。また、溶湯の吸込み時において、シリンダ内部に空気が混入すると酸化物が生成し、この酸化物がシリンダを構成しているセラミックを磨耗する虞がある。
そこで、本発明では、ホットチャンバ型ダイキャスト装置において、シリンダ内への空気の混入を防止し、ダイキャスト金型に送給される溶湯にも空気が混入することを防止して、ダイキャスト鋳造成形品の品質を向上し、且つシリンダ内或いは射出パイプ内における溶湯への空気の混入を防止して酸化物の発生を防止し、セラミック素材への磨耗等の発生する虞を排除することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明によれば、所定温度以上に維持した状態で低融点金属の溶湯を収容するポットと、少なくとも一部が該ポット内の溶湯に浸漬されるように保持され、且つ内部にシリンダ筒と、溶湯の吸込み時にポット内の溶湯をシリンダ筒内へ流入させる開口部と、溶湯の吐出時にシリンダ筒内の溶湯を流出させる吐出路を具備するシリンダ本体と、該吐出路から吐出された溶湯を金型キャビティ内に送給する部材と、シリンダ筒内で往復移動して、溶湯の吸込み及び吐出動作を行うプランジャと、該プランジャを往復動作させる駆動機構と、からなるホットチャンバ型ダイキャスト装置において、ポット内の溶湯面の下方における前記吐出路の内部容積(V2)を、前記シリンダ筒内におけるプランジャの行程容積(V1)より大きくしたことを特徴とするホットチャンバ型ダイキャスト装置が提供される。ここで、ポット内の溶湯面の下方における前記吐出路の内部容積(V2)とは、シリンダ本体の内部に規定されている溶湯吐出路だけではなく、例えば射出パイプ等のように、該溶湯吐出路に連接される部分であってポット内の溶湯面の下方における領域をも含まれる。
また、前記シリンダ本体に規定される吐出路は、プランジャの行程範囲の下部領域にて前記シリンダ筒に開口する横通路と、該横通路に連通し且つシリンダ筒と略平行に上方に延びる縦通路とからなり、該縦通路は部分的にその容積が拡大されている。
前記開口部は、シリンダ筒の軸線に関し前記吐出路とは反対側で、該軸線に関し略直角の延び、且つ該軸線と前記縦通路の軸線とを結ぶ直線に関し、両側に所定の角度で隔てた2つの開口部からなる。前記開口部は、前記吐出路とは反対側に設けた2つの開口部に加えて、更に、シリンダ筒の軸線に関し前記吐出路の側で、該軸線に関し略直角の延び、且つ該軸線と前記縦通路の軸線とを結ぶ直線に関し、両側に所定の角度で隔てた更に2つの開口部を含むことを特徴とする。
また、前記開口部は、前記吐出路とは反対側に設けた2つの開口部に加えて、更に、前記シリンダ筒から斜め上方に延びて、溶湯面の下方で且つ前記シリンダ本体の上部に開口する傾斜開口部を有することを特徴とする。
前記シリンダ筒の内壁には、プランジャの最上位置において該シリンダ内筒に開口し、前記シリンダ本体の上端部にて溶湯内に開口する垂直に延びる垂直溝が形成されていることを特徴とする。
プランジャを往復動作させる駆動機構は、プランジャのストロークの上部位置(P1)より上方の最上位置(P0)からストロークの上部位置(P1)までをゆっくり下降させ、該行程上部位置(P1)から行程下部位置(P2)までを急速に下降させて溶湯の吐出動作を行うことを特徴とする。
本発明では、ポット内の溶湯面の下方における前記吐出路の内部容積(V2)を、前記シリンダ筒内におけるプランジャの行程容積(V1)より大きくしたことにより、プランジャによる溶湯の吸い込み時において、たとえ射出パイプの流出口から空気が吸い込まれて前記吐出路に空気が混入したとしても、混入した空気はシリンダ内部まで到達しない。したがって、吐出時にシリンダ内部には空気が混入しないので、シリンダ内にて酸化物が発生する虞もなくなる。
従来のアルミホットチャンバ式射出装置の基本的な構造を示す断面図である。 図1の射出装置の矢印A−Aから見た断面図である。 図1の射出装置の溶湯注入筒の主筒部への接続部の詳細断面図である。 シリンダ内でのブランジャの溶湯吐出、成形時の状態を示す概略図である。 ブランジャによる溶湯の吸込み時にシリンダ内に空気が流入した状態を説明する図である。 溶湯吐出時の好ましい状態を説明する図である。 シリンダ内空気浸入防止構造を採用した本発明の実施形態に係る射出装置シリンダ組立体を示す断面図。 本発明の実施形態のシリンダ組立体の平面図である。 本発明の実施形態のシリンダ組立体の底面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明が適用されるアルミホットチャンバ式ダイキャスト装置の基本的な構造を、米国特許第5,983,979号明細書(特許文献3)を参考に説明する。図1及び図2に示しているように、セラミックにより構成された射出用シリンダ1(シリンダ本体)は、同じくセラミックにより構成された円筒状アウタスリーブ2に保持されている。即ち、この円筒状アウタスリーブ2はその底部に内側へ突出した部分又は径の小さくなった部分2aを有し、この部分が射出用シリンダ1を保持している。そして、射出用シリンダ1は、スリーブ2とシリンダ1の外周壁との間に配置された軸方向の溝にキー止めされたセラミックストッパー42によって、回転不能に支持されている。
シリンダ本体1とアウタスリーブ2の側壁には、互いに整合する位置に溶湯流入口10、9が設けられていて、ポット4内の溶湯3がこれらの溶湯流入口10、9からシリンダ本体のシリンダ内部11に流入する。一方、シリンダ本体1の壁部には、シリンダ内部の底部近くに開口し円錐凹型部34まで延びている吐出溶湯路70が設けられている。そして、この円錐凹型部34には、セラミック製の射出パイプ13の円錐凸型部35が接合している。アウタスリーブ2には、射出パイプ13が通過するための開口21が設けられている。
射出パイプ13はポット4の壁部に設けられたセラミック製の円筒状保持部20によって保持され、また、射出パイプ13のポット4からの出口部には、射出パイプ13内の溶湯3を加温するためのノズルヒーター19が設けられている。
アウタスリーブ2は上側のフランジないし突出部22を有する。金属材料又はサーメットで構成されたフランジ8はアウタスリーブ2の上部を固定する。特に、フランジ8は上部フランジ部と円筒内面41を規定する下部25とを有し、この円筒内面41はスリーブ2の外側の円筒状包囲している。フランジ8は、図2に示すように、ボルト23aによって支持体ないしフレームの内側突出部31に固定されている。そして、フランジ8はポット4内の溶湯3には漬からないように、溶湯3の上面7から離れた位置とされる。一方で、シリンダ本体1は、アウタスリーブ2の下方の部分のともに、溶湯3の上面より下側の位置に、溶湯3に完全に漬かるように位置している。アウタスリーブ2をフランジ8に固定するために固定板24もまたフランジ8と共にボルト23、23aによりフレーム31(33)に固定されている。したがって、フランジ8と支持フレーム33は、高温度の溶湯3からの熱等の影響を受けることのないように、ポット4から離れて配置されている。
油圧シリンダ40は「サドル構造」と称する支持構造体(フレーム)33に保持され、カップリング32を介してプランジャ12に連結されている。プランジャ12はアウタスリーブ2の流入開口9及び射出シリンダ1の開口10を通過してシリンダキャビティ内に流入する溶湯を射出する作用をする。溶湯3はプランジャ12の動作によりスプルーブッシュ14及び可動ダイの16のランナー17を介してダイキャビティ18内へ圧送される。プランジャ12の往復動作によりシリンダ本体1が上下に移動するのを防止するために、図2に示すように、固定板24に保持用ボルト26を設けセラミックターミナル27を保持用ボルト26の下端部に設け、シリンダ本体1を常時下方に押圧固定している。
この構成では、シリンダ本体1、セラミック製のアウタスリーブ2、セラミック製のプランジャ12及びセラミック製の射出パイプ35が完全に又は部分的に溶湯3に接触している。一方、フランジ8は溶湯3から離れているので、金属材料等で構成することも可能であって、アルミニウム溶湯3からの浸食の虞はない。この構造によると、シリンダ本体1の位置は、ふらつきが少なく、油圧シリンダ40、プランジャ12及びシリンダ本体1が所定箇所に好適に保持される。支持フレーム33はまた油圧シリンダ40も保持している。
上記のホットチャンバ式ダイキャスト装置において、アルミニウム又はその合金を約620℃〜約670℃の溶融状態(溶湯3)に維持するために、ポット2はヒータ5により加温されている。射出パイプ13はアウタスリーブ2の開口部21に挿入され、シールリング37を介してシリンダ本体1の側壁にある凹形の溶湯出口34に接合し、シリンダ本体1の側壁からわずか上方に(約7°程度)傾斜して横方に延びている。射出パイプ13の出口とスプローブッシュ14との間、及び射出パイプ13の基端部とセラミック板1の連結ジョイント部34との間を確固たる接合状態に維持し、これらの接合部分において溶湯が漏れることがないように、図示しない外力が加えられている。
図3には、図1及び図2に示したアルミホットチャンバ式ダイキャスト装置におけるシリンダ本体1の凹円錐形の流出口34と射出パイプ13の凸円錐形の流入基端部35との間にシールリング37を設けた接合部を示す断面図である。シールリング37は、押圧力により押圧され、この押圧力によってノズル44とダイ15のスプルーブッシュ14との間の連結部をシールするために、ノズル44は射出パイプ13の外側端部においてダイ15に対して押圧されている。
このようにシールリング37は、シリンダ本体1側においてその接点37aで部分的に変形され、且つ射出パイプ13側においてもその接点37bで部分的に変形される。その結果、シリンダ本体1の接合部34と射出パイプ13の接合部35との間で信頼性のある接合を確保することができる。シールリング37は、サーメット、セラミック、またカーボン複合材等の変形可能な素材で構成される。また、シールリング37アルミニウム又はその合金の溶湯3に対して耐用性のある熱抵抗皮膜材で被覆することができる。
図4は、上述したホットチャンバ式ダイキャスト装置において、シリンダ内でのプランジャによる溶湯の吸込み、吐出・成形の状態を示す概略図である。プランジャ12がストロークSの上昇位置(P1)にある時、ポット4内の溶湯3が開口部10からシリンダ11内に流入し、シリンダ内が溶湯で充満される。プランジャ12がストロークSの上昇位置(P1)から下降位置(P2)へ移動するにしたがって、前述のように、シリンダ11内の溶湯3が溶湯吐出路70及び射出パイプ13を経て、ダイキャスト金型のキャビティ18内に射出される。
ここで、シリンダ内11の容積(プランジャ12のストロークS×プランジャの断面積)V1とし、溶湯面7の下側に存在するシリンダ本体1の注湯路70及び射出パイプ13の注湯路47の合計容積(即ち、吐出溶湯路Lの容積)V2とした場合に、これらの関係において次のような問題が生ずる。即ち、V1がV2より大きい場合であって、射出パイプ13の注湯路47の射出口47aがポット内の溶湯面7より高い位置にある場合は、図5に示すように、吸込み時において、注湯路47の射出口47aから空気が流入し、シリンダ内部11に流入する。
このような状態で、プランジャ12を下方へ移動させて、次の溶湯の吐出動作を行わせると、前述のように、ダイキャスト成形型18に空気が混入し、これが鋳造成形品に影響を及ぼすことがあり、アルミニウム・ホットチャンバとしての特質を十分発揮させることはできなくなり、コールドチャンバと同様な問題が生ずる虞がある。また、吸込み時において、シリンダ内部11に空気が混入すると溶湯との間で酸化物が発生し、この酸化物によりシリンダを構成しているセラミックを磨耗する虞がある。
一方、図6は、ホットチャンバ式ダイキャスト装置における吐出時の理想的な状態を示すもので、シリンダ内部11の溶湯には空気が混入しておらず、また、ポット4内の溶湯面7より下方の領域における吐出溶湯路70及び47には空気が混入しておらず、したがって、ダイキャスト成形金型のキャビティ18内に空気が混入することはなく、これにより、ダイキャスト鋳造製品への影響やシリンダ本体1を構成しているセラミックへの影響等も問題がなくなる。
図6のような吐出時の理想的な状態とするためには、シリンダ内11の容積V1より溶湯表面7より下方の吐出溶湯路Lの容積V2を大きくする。このようにすれば、プランジャ12によってシリンダ内11へ吸い込まれる吐出溶湯路70、47内の溶湯は、そのすべてがポットの溶湯面7より下方にある溶湯であり、空気を含んでいなので、シリンダ内11への空気の吸い込みはなくなる。
図7はシリンダ内空気浸入防止構造を採用した本発明の実施形態に係るホットチャンバ式ダイキャスト装置における溶湯射出用のシリンダ組立体を示す断面図であり、図8は同実施形態のシリンダ組立体の平面図であり、図9は同実施形態のシリンダ組立体の底面図である。
この実施形態では、セラミックで構成されたシリンダ本体1の内部に形成される吐出溶湯路70の容積の大きくした。即ち、図7に示すように、シリンダ本体1の吐出溶湯路70は、シリンダのプランジャのストロークSの下端P2より下側に開口した横通路70a、この横通路70aに連通する断面を大きくした縦通路70b、及びその上方の縦通路70cからなる。そして、上方の縦通路70cの上部には、射出パイプ13が連結される錐形凹部34が形成されている。
特に、この実施形態では、略円筒形のシリンダ本体1に対して、その中心軸O1よりややずれた位置O2に円筒形シリンダ11の中心を配置し、その横側にシリンダ11と略平行に縦通路70b及び70cを配置する。そして、縦通路の中央ないし下方の部分70bをシリンダ11の中心O2をほぼ中心として、半径方向も円周方向にも幅を拡大し、通路の断面積、即ち縦通路70bの容積を大きくした。これにより、プランジャ12のストロークSのシリンダ容量V1に対して、ポット内の溶湯上面7より下部位置にある吐出溶湯路の容積が大きくなるようにしている。なお、符号60はシリンダ11の下部を密閉する閉鎖部材、符号62は断面を拡大した縦通路70bの下部を密閉する閉鎖部材、符号64は横通路70aの開放端を密閉する閉鎖部材である。
このような構成により、プランジャ12が上昇する溶湯の吸込み時において、プランジャ12(の下端)がストロークの下部位置P2から上部位置P1へ移動する。上記のように、ストロークSのシリンダ容量V1より溶湯面7下部の吐出溶湯路の容積が大きいので、溶湯路からシリンダ内部11へ吸込まれる溶湯は、そのすべてが、ポット4内の溶湯面7よりも下方の部分にある、空気が混入していない溶湯のみである。そして、ストロークの上部位置P1近くまでプランジャ12が上昇すると、溶湯流入口10が開口し、ポット4内の溶湯3が流入開口10を通じてシリンダ内部11へ流入する。プランジャ12は、ストローク上部位置P1から更に上方の初期位置ないし最上位置P0(図4)まで上昇する。この間にも、ポット4内の溶湯3は、流入開口10を経て負圧となっているシリンダ11内部11へ流入する。
この間、少なくともポット4内の溶湯面7よりも下方に存在するシリンダ11内部の全域及び溶湯面7より下方の吐出溶湯路70及び溶湯面7より下方の射出パイプ13の吐出通路47の領域内には、空気が混入することなく、溶湯3が緻密に充満されることとなる。そして、プランジャ12は、最上位置P0からストローク上部位置P1まではゆっくりと下降し、ストローク上部位置P1まで到達する。この間シリンダ内部11の余分な溶湯は、流入開口10からポット4内へ戻る。
ストローク上部位置P1まで到達したプランジャ12はここから急速に行程下端P2まで移動して、所定量の溶湯3をダイキャスト金型のキャビティ18内へ吐出する。なお、吐出溶湯路内(特に、射出パイプ13内)のポット4の溶湯面7より上部の領域にある空気は、金型への射出前に図示しない手段により予め排出される。よって、ダイキャスト金型のキャビティ18内へは空気が混入することはない。
このように、プランジャ12は最上部位置P0からストローク上部位置P1まではゆっくりと下降し、ストローク上部位置P1からストローク下部位置P2までを急速に下降するように構成したので、溶湯に万一空気が混入していたとしても、プランジャ12がゆっくりと下降する間に、余分な溶湯3をポット4内へ押し戻しもどしながら混入している可能性のある空気も一緒にポット4内へ押し戻すので、シリンダ内部11に空気が混入することは全くなくなる。また、プランジャ12のストロークの上部位置P1と下部位置P2との間ではプランジャ12が急速に下降するので、必要量の溶湯3をダイキャスト金型のキャビティ18内へ圧入することができる。
図7〜図9に示した上述の実施形態において、ポット4内の溶湯3をシリンダ11内部に流入させる開口部は、符号10で示す2箇所に設けることができる。これらの2箇所の開口部10は、溶湯面7に対してシリンダ11の軸方向O2に関し略直角な図示の略水平方向に、また、吐出溶湯路70とは反対側に、シリンダ11の中心軸O2と吐出溶湯路70の中心軸O3を結ぶ直線Lに対し互いに反対方向に所定角度隔てて設けられている。また、これらの開口部10は、プランジャ12がそのストロークの上端P1に位置する時、シリンダ11内に部分的に開口するように、そして最上端P0に位置する時は完全に開口するように配置されている。
ポット4内の溶湯3をシリンダ11内部に流入させる開口部は、符号10で示すものに加え、符号10aで示すように、開口部10の裏側(吐出溶湯路70のある側)に2箇所、シリンダ11の中心軸O2と吐出溶湯路70の中心軸O3を結ぶ直線Lに対し互いに反対方向に所定角度隔てて設けることもできる。これらの2箇所の開口部10aは、シリンダ11に関し、開口部10と同じ位置、即ち、プランジャ12がそのストロークの上端P1に位置する時、シリンダ11内に部分的に開口するように、そして最上端P0に位置する時は完全に開口するように配置される。
更にまた、開口部として、符号10で示すものに加え、符号10bで示すように、斜め上方に延びた開口とすることもできる。この開口部10bは、シリンダ11に関し、開口部10と同じ位置、即ち、プランジャ12がそのストロークの上端P1に位置する時、シリンダ11内に部分的に開口するように、そして最上端P0に位置する時は完全に開口するように配置される。一方、この開口10bは、ポット4側では、シリンダ本体の上面1c(図7)で溶湯面7より下方の位置に開口している。このように、開口部10bはシリンダ11から斜め上方に延びるように形成したので、プランジャ12が上昇する吸込み時において、万一溶湯3内に空気が混入していた場合においても空気を斜め上方により迅速に逃避させることができる。
更にまた、シリンダ11の内壁に軸方向に延びた垂直溝10cを設けることもできる。この垂直溝10cは、シリンダ11の内部に関し、プランジャ12がそのストロークの最上端P0に位置する時に開口するように配置される。一方、この垂直溝10cの上端は、シリンダ本体の上面1cにまで延びている。したがって、万一溶湯3内に空気が混入していた場合においてもプランジャ12のストロークの最上端P0付近の位置にて空気を直接上方に逃がすことができ、空気がより一層逃避され易くなる。
上記のホットチャンバ式ダイキャスト装置において、シリンダ内への空気浸入を防止するための実施形態として種々の構造について説明したが、これらの実施形態における効果を確認するために実験的にシミュレーション試験を行った。この試験では、図7に示した(本来はセラミック等で構成される)シリンダ組立体やプランジャ等をアクリル樹脂で作製し、アルミニウム溶湯に代えて水を用いて実験を行った。その結果、現状のもの(吐出溶湯路の容積を大きくしていないもの)では、シリンダ内への空気の吸込み形態において気泡が多数確認され、気泡残がかなりあり、また、空気が抜けるのにかなりの時間を要したのに対し、上記の実施形態のように構成したものについては、次のような顕著な効果が確認された。
実施形態に相当するものとして、ノズルの容積を大きくした、即ち、射出パイプ13の通路(47)径を大きくした(例えば、現状装置における通路の径11mmを15mmとした)もの(A)、シリンダの吐出溶湯路70の容積を大きくしたものとして、図7の符号70b(図8の破線70b)に図示す程度の大きさではないが図7の符号70c(図8の円形断面を示した破線70c)と比べて中程度に大きくしたもの(B)、符号70bで示す程度に大きくしたもの(C)、或いはこれらの組み合わせとして構成したもの、について実験した結果は、C単独のもの、A+Bとして構成したもの、A+Cとして構成したものでは、、シリンダ内への空気の吸込み形態において気泡が全く確認されず、且つ気泡残も確認されなかった。この実験の結果、上記のように、ポット4内の溶湯面7の下方における前記吐出路の内部容積(V2)(シリンダ本体1の吐出溶湯路70の部分及び射出パイプ13の通路部分47を含む)を大きくすることで、シリンダ内への空気浸入を防止できることが確認された。なお、この実験では、本来セラミックの形成される部品をアクリル品とし、溶湯を水で代用したシミュレーション試験であるので、セラミックやアルミニウム溶湯を用いた実際の製品の場合とは多少は異なる点はあるものの、全体において、実際の製品についてもほぼ同様な傾向が結果として現れるものと推察される。
更に、シミュレーション試験として、ノズルの容積を大きくした、即ち、射出パイプ13の通路(47)径を大きくした(現状の径11mmを15mmとした)もの(A)、プランジャの戻り速度を現状よりも低速にしたもの(D)、プランジャの側部のシリンダ壁に上下方向の垂直溝10cを設けたもの(E)、プランジャの上昇位置をP1ではなく、最上位置P0まで上昇させたもの(F)、溶湯の2つの流入開口部10(現状)の他に、更に2つの開口部10aを追加したもの(G)、斜め上方に延びる開口部10cを追加したもの(H)について実験を行った。その結果、それぞれの処理を施したものは、現状のものよりシリンダ内での気泡残が少ないことが確認された。また、特に、A+D+E+F、A+D+G、A+D+E+F+G、F+G、A+D+F+H、の組合わせ構成において、シリンダ内での気泡残はほとんど確認されず、シリンダ内への空気浸入を十分防止できることが確認された。
以上添付図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神ないし範囲内において種々の形態、変形、修正等が可能である。例えば、上述の実施形態においては、ダイキャストにより成形する材料として、主としてアルミニウム又はその金合として説明したが、本発明では、その他にマグネシウム、亜鉛等、或いはこれらの合金等の低融点金属全般で、ダイキャストにより鋳造可能な比較的低融点の他の材料についても適用可能である。
また、上記の実施形態においては、シリンダ本体、ポット等の素材がセラミックにより形成されている場合について説明したが、対象となる低融点金属の溶湯に対して耐熱性、耐浸食性を有する素材であれば、他のどのような素材(例えば鉄系の材料)でも、使用可能である。
以上に説明したように、本発明では、ダイキャスト金型に射出される溶湯に空気が混入することもなく、またシリンダ内部に混入した空気により酸化物等を発生する虞もなくなる。よって、ダイキャスト成形品の品質を向上させ、且つ酸化物等によるセラミック材料の磨耗等の影響がなくなり、耐久性の良好なアルミニウム等の低融点金属のダイキャスト鋳造品が製造可能なダイキャスト装置とすることができる。
1 シリンダ本体
2 アウタスリーブ
3 溶湯
4 溶湯槽(ポット)
5 ヒータ
7 溶湯面
8 フランジ
9、10、10a 流入開口部
10b 斜め開口部
10c 垂直溝
11 シリンダ
12 プランジャ
13 射出パイプ
18 金型キャビティ
23a、23b ボルト
24 固定板
32 カップリング
33 フレーム(支持構造体)
60、62、64 閉塞部材
70 溶湯路
70a 横溶湯路
70b、70c 縦溶湯路
S ストローク
V1、V2 容積

Claims (7)

  1. 所定温度以上に維持した状態で低融点金属の溶湯を収容するポット(4)と、少なくとも一部が該ポット内の溶湯に浸漬されるように保持され、且つ内部にシリンダ筒(11)と、溶湯の吸込み時にポット内の溶湯をシリンダ筒内へ流入させる開口部(10)と、溶湯の吐出時にシリンダ筒内の溶湯を流出させる吐出路(70)を具備するシリンダ本体(1)と、該吐出路から吐出された溶湯を金型キャビティ内に送給する部材(13)と、シリンダ筒内で往復移動して、溶湯の吸込み及び吐出動作を行うプランジャ(12)と、該プランジャを往復動作させる駆動機構(40)と、からなるホットチャンバ型ダイキャスト装置において、
    ポット(4)内の溶湯面(7)の下方における前記吐出路の内部容積(V2)を、前記シリンダ筒内におけるプランジャの行程容積(V1)より大きくしたことを特徴とするホットチャンバ型ダイキャスト装置。
  2. 前記シリンダ本体に規定される吐出路(70)は、プランジャの行程範囲の下部領域にて前記シリンダ筒に開口する横通路(70a)と、該横通路に連通し且つシリンダ筒と略平行に上方に延びる縦通路(70b、70c)とからなり、該縦通路(70b)は部分的にその容積が拡大されていることを特徴とする請求項1に記載のダイキャスト装置。
  3. 前記開口部は、シリンダ筒の軸線(O2)に関し前記吐出路(70)とは反対側で、該軸線に関し略直角の延び、且つ該軸線と前記縦通路(70b、70c)の軸線(O3)とを結ぶ直線に関し、両側に所定の角度で隔てた2つの開口部(10、10)からなることを特徴とする請求項2に記載のダイキャスト装置。
  4. 前記開口部は、前記吐出路とは反対側に設けた2つの開口部(10、10)に加えて、更に、シリンダ筒の軸線(O2)に関し前記吐出路(70)の側で、該軸線に関し略直角の延び、且つ該軸線と前記縦通路(70b、70c)の軸線(O3)とを結ぶ直線に関し、両側に所定の角度で隔てた更に2つの開口部(10a、10a)を含むことを特徴とする請求項3に記載のダイキャスト装置。
  5. 前記開口部は、前記吐出路とは反対側に設けた2つの開口部(10、10)に加えて、更に、前記シリンダ筒(11)から斜め上方に延びて、溶湯面(7)の下方で且つ前記シリンダ本体の上部(1c)に開口する傾斜開口部(10b)を有することを特徴とする請求項3又は4に記載のダイキャスト装置。
  6. 前記シリンダ筒(11)の内壁には、プランジャ(12)の最上位置(P0)において該シリンダ内筒に開口し、前記シリンダ本体の上端部(1c)にて溶湯(3)内に開口する垂直に延びる垂直溝(10c)が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のダイキャスト装置。
  7. プランジャ(12)を往復動作させる駆動機構は、プランジャのストロークの上部位置(P1)より上方の最上位置(P0)からストロークの上部位置(P1)までをゆっくり下降させ、該行程上部位置(P1)から行程下部位置(P2)までを急速に下降させて溶湯の吐出動作を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のダイキャスト装置。
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CN104870122A (zh) * 2012-12-10 2015-08-26 Ykk株式会社 热室压铸机的动作方法

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