JP2010210999A - 対物レンズ及びこれを有する顕微鏡装置 - Google Patents

対物レンズ及びこれを有する顕微鏡装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 極低倍の観察に必要な偏光子や1/4波長板などの各素子を予め組み込んで構成することで、レボルバの回転作業のみで、極低倍から高倍までの観察を切り替えることが可能な対物レンズ及びこれを有する顕微鏡装置を提供する。
【解決手段】 対物レンズ10は、光源側から順に並んだ、デポラライザ11と、偏光子12と、複数のレンズ群13と、λ/4板14とを有する。そして、偏光子12は、複数の領域に分割され、隣り合う前記領域の偏光方向が互いに直交するように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、対物レンズ及びこれを有する顕微鏡装置に関する。
一般に、反射型の照明装置を備えた顕微鏡装置では、焦点距離の長い対物レンズ、言い換えれば結像倍率の低い対物レンズを使用する場合、反射型照明装置内と結像光学系内に一対のクロスニコル状態の偏光子を配置し、対物レンズと標本との間に1/4波長板を配置することで、対物レンズ面からの反射ノイズ光を除去し、標本からの信号光のみを検出できるような構成をとっている(例えば、特許文献1参照)。この構成によれば、標本からの信号光に対するノイズ光の強度を10-4程度まで減衰させることができる。
特開11−271622号公報
一方で、従来の顕微鏡装置では、焦点距離の短い、言い換えれば結像倍率の高い対物レンズを使用する場合、対物レンズを構成する各レンズの曲率半径を小さくするなどして、該レンズ面での反射光が像面に集光しないように設計することが可能であるため、必ずしも上記のように偏光子と1/4波長板を使用する必要がなかった。
したがって、レボルバに倍率の異なる複数の対物レンズが装着されている状態で、極低倍(2.5倍以下)の対物レンズを使用する場合には、顕微鏡装置に挿脱可能に構成された一対の偏光子をクロスニコル状態で光路内に挿入し、さらに対物レンズの先端に予め装着された1/4波長板を回転させ、標本からの信号強度が最も高くなる位置に設定して観察するが、続けて中倍から高倍の対物レンズに切り替える場合には、極低倍での観察時に使用した一対の偏光子を光路外に出す必要があった。
すなわち、対物レンズを切り替える際には、レボルバの回転作業のみならず、偏光子の挿脱や1/4波長板の調整といった操作が必要となり、煩わしいという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、極低倍の観察に必要な偏光子や1/4波長板などの各素子を予め組み込んで構成することで、レボルバの回転作業のみで、極低倍から高倍までの観察を切り替えることが可能な対物レンズ及びこれを有する顕微鏡装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、本発明の対物レンズは、複数のレンズ群と、前記複数のレンズ群の像側に配置された偏光子と、前記偏光子より標本側に配置された1/4波長板とを有し、前記偏光子は、複数の領域に分割され、隣り合う前記領域の偏光方向が互いに直交するように構成されている。
なお、前記1/4波長板は、前記対物レンズの最も標本側に配置されることが好ましい。
または、前記1/4波長板は、前記偏光子と前記複数のレンズ群との間に配置されることが好ましい。
また、前記偏光子の像側に、偏光解消素子(例えば、本実施形態におけるデポラライザ11)を配置することが好ましい。
また、前記偏光子、前記1/4波長板及び前記偏光解消素子の軸はそれぞれ前記対物レンズの光軸に対して2度以上6度未満傾いていることが好ましい。
また、本発明の顕微鏡装置は、上記いずれかの対物レンズを有する。
本発明によれば、極低倍の観察に必要な偏光子や1/4波長板などの各素子を予め組み込んで構成することで、レボルバの回転作業のみで、極低倍から高倍までの観察を切り替えることが可能な対物レンズ及びこれを有する顕微鏡装置を提供することができる。
本実施形態に係る対物レンズ及びこれを有する顕微鏡装置の概略断面図である。 本実施形態に係る偏光子の偏光状態を模式的に表した図である。 各光学素子(デポラライザ,偏光子のP領域及びQ領域、1/4波長板)の軸方向を、顕微鏡装置の上部から見た図である。 第1実施例に係る対物レンズの断面構成図及び該レンズ内を通過する光束の偏光状態を模式的に表した図である。 第2実施例に係る対物レンズの断面構成図及び該レンズ内を通過する光束の偏光状態を模式的に表した図である。 広帯域対応の1/4波長板の波長特性の一例を示す図である。
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1に本実施形態に係る対物レンズを有する顕微鏡装置の構成断面図を示す。
本実施形態に係る顕微鏡装置は、図1に示すように、光源1と、光源1からの光を平行光に変換するコレクタレンズ2と、コレクタレンズ2によって変換された平行光を集光して開口絞り4の位置に光源像を形成するリレーレンズ群3と、コレクタレンズ2の後側(すなわちリレーレンズ群3側)の焦点位置と共役な位置に配置されている視野絞り5と、視野絞り5の中心を通る光束を光軸と平行な光束に変換するフィールドレンズ6と、フィールドレンズ6により変換された平行光束を図面下向きに偏向するハーフミラー7と、ハーフミラー7の下側に設けられ複数の対物レンズを装着可能なレボルバ8と、レボルバ8に装着されている対物レンズ9,10とを有する。なお、図1では、極低倍(2.5倍以下)の対物レンズ10が選択されている。さらに、顕微鏡装置は、結像光学系、具体的には標本16の一次像を形成する第2対物レンズ18と、俯角を適当に決定する第1プリズム19と、双眼観察に適した光路に分割する第2プリズム20と、第2対物レンズ18により形成された標本16の一次像を拡大観察するための接眼レンズ22とを有する。
上記構成の顕微鏡装置によれば、光源1から射出された光(照明光)は、コレクタレンズ2、リレーレンズ群3、開口絞り4、視野絞り5及びフィールドレンズ6を経て、ハーフミラー7で偏向され、選択された対物レンズ10を介して、ステージ17上の標本16を照明する。これにより、反射型の明視野照明が達成される。
また、標本16で反射された照明光は、標本16を観察するために必要な光(信号光)として、前記選択された対物レンズ10を経て、ハーフミラー7を透過し、第2対物レンズ18、第1プリズム19及び第2プリズム20を順に通り、接眼レンズ22へと導かれる。顕微鏡装置の使用者は、この接眼レンズ22により、標本16の一次像21を拡大観察することができる。
以下、選択されている、極低倍の対物レンズ10の内部構成について詳しく説明する。
(第1実施例)
第1実施例に係る対物レンズ10について、図1〜図4を用いて説明する。この第1実施例に係る対物レンズ10は、2.5倍以下の極低倍の対物レンズであり、図1に示すように、光源側から順に並んだ、デポラライザ11と、偏光子12と、複数のレンズ群13と、1/4波長板14(以下、λ/4板14と記す)とを有する。
なお、デポラライザ11は、入射光の偏光状態を解消(非偏光状態)する機能を持つ光学素子である。また、偏光子12は、所定の偏光成分を選択的に透過させる機能を持つ光学素子である。なお、本実施形態に係る偏光子12は、図2に示すように、複数の領域P,Qに分割され、隣り合う前記領域の偏光方向が互いに直交するように構成されている。また、λ/4板14は、その速い軸の方向に振動する光と、直交する方向に振動する光との間に、1/4波長の位相差を生じさせる機能を持つ光学素子である。
また、デポラライザ11,偏光子12及びλ/4板14は、図3に示すように顕微鏡装置の上から見ると、偏光子12の領域Pの軸に対してデポラライザ11の軸が45度をなすように、また同じく偏光子12の領域Pの軸に対して(デポラライザ11とは反対側に)λ/4板14の速い軸(位相が1/4波長進む振動方向)が45度をなすように配置されている。また、上記したが、偏光子12においては、領域Pの軸に対して領域Qの軸が直交するように構成されている。
また、本実施例の対物レンズ10では、偏光子12において、照明光及び複数のレンズ群13を構成するレンズ面からの反射光であるノイズ光が領域Pを通り、標本16からの反射光である信号光が領域Qを通るように、複数のレンズ群13を構成するレンズの曲率半径や、対物レンズ10を構成する各素子間での位置関係を調整する。
この構成の対物レンズ10によれば、光源1からの照明光は、まずデポラライザ11を通り(但し、ここでは特に偏光状態は変換されない)、偏光子12の領域Pに入射する。偏光子12の領域Pに入射した照明光は、該素子12の領域Pの軸方向に偏光する光のみが選択され透過する。続いて、照明光は複数のレンズ群13によって結像作用を受け、λ/4板14を通過して円偏光となって、標本16に照射される。
図4は、対物レンズ10内を通過する光束の偏光状態を模式的に示したものであり、実線の円は各光学素子における軸方向を示し、破線の円P11〜P19はいずれも光を受け取る側から見た偏光状態を示す。図4に示すように、非偏光光である光源1からの照明光(偏光状態P11)が対物レンズ10に入射すると、矢印A1が示す方向に進み、まずデポラライザ11を透過する。但し、ここでは光の偏光方向は特に変換されず、照明光は非偏光のままである(偏光状態P12)。次に、照明光は偏光子12の領域Pによって偏光方向を選択され(偏光状態P13)、この偏光状態で複数のレンズ群13に入射する。
しかしながら、複数のレンズ群13を構成するいずれかのレンズ面で反射した光が像面に到達すると、ノイズ光となって標本像のコントラストを下げてしまうため、ノイズ光の発生を抑える必要がある。ここで、ノイズ光の振る舞いについて説明すると、複数のレンズ群13のいずれかのレンズ面で反射したノイズ光は、矢印A2が示す方向に進むが、偏光状態は不変である(偏光状態P14)である。この光束の状態は、偏光子12の領域Qの偏光方向と直交する関係にある。したがって、ノイズ光は偏光子12でブロックされ、光強度が偏光子12の消光比のほぼ10-4以下まで減衰されるため、像面に到達しても問題ないレベルとなる。このようにして対物レンズ10では、ノイズ光が回避される。
続いて、矢印A1に沿って偏光状態P13となった照明光は、複数のレンズ群13により結像作用を受け、λ/4板14により左回りの円偏光に(光を受け取る側から見て左回りに偏光面が回転するように)変換された後(偏光状態P15)、標本16を照明する。
そして、標本16で反射した光(信号光)は、矢印A3が示す方向に進み、偏光状態は変わらないまま(偏光状態16。すなわち偏光状態15と同じ)、再びλ/4板14を透過すると、直線偏光に変換される(偏光状態P17)。さらに、信号光は、矢印A4が示す方向に進み、複数のレンズ群13によって結像作用を受け、偏光状態はそのままで偏光子12の領域Qに到達する。この時の光束の偏光状態は領域Qの偏光方向と同じ(平行)であるため、信号光は偏光子12の領域Qを透過することができる(偏光状態P18)。そして、信号光は、再びデポラライザ11を通って非偏光に変換され(偏光状態P19)、顕微鏡装置を構成する結像光学系(図1参照)へと進む。
ここで、本実施例において、デポラライザ11を(対物レンズ10内の)最も結像光学系側(光源側)に配置した理由について説明する。この位置にデポラライザ11がないと、標本16からの信号光は偏光子12の領域Qで選択された直線偏光のまま(偏光状態P18)で結像光学系へと進むことになり、顕微鏡装置内に配置されているハーフミラー7の偏光特性や、第1プリズム19及び第2プリズム20の反射膜の偏光特性などにより、明るさや色合いに影響を受けるおそれがある。ゆえに、デポラライザ11を対物レンズ10内の最も結像光学系側に配置して、結像光学系に入る信号光を非偏光に変換することによって(偏光状態P19)、先のハーフミラー7やプリズム19,20の偏光特性に依存しない観察が可能となるからである。
以上のような構成の対物レンズ10において、信号光の強度は、偏光子12を照明光が1回通る際にほぼ半減する。言い換えれば、信号光の強度は、入射光の約1/2の強度に減衰するだけで済むため、十分な明るさを持って観察に臨むことができる。
なお、本実施例において、デポラライザ11,偏光子12及びλ/4板14など、対物レンズ10内に挿入される各光学素子は、対物レンズ10の光軸に対して2度以上6度未満の傾きを有して配置されていることが望ましい。これまで説明してきた方法を用いれば、複数のレンズ群13を構成するレンズ面での反射により生じたノイズ光は除去できる。しかしながら、上記のような(レンズ群13以外の)挿入する各光学素子は一般に平行平板形状であり、それらの表面からの反射光は除去することができない。そこで、各光学素子を対物レンズ10の光軸に対して傾けて配置することで、各光学素子の入射面や射出面で反射する光がノイズ光となって、観察視野内に入るのを避けている。
まず、複数のレンズ群13と標本16との間に配置される素子について考察する。顕微鏡装置の対物レンズは一般に、標本側テレセントリックになっている。そのため、素子に入射する光束は主光線が光軸に平行で、対物レンズの開口数相当の頂角を持った円錐状の光束である。したがって、素子の表面で反射した光束が、光軸に対して頂角以上になるように傾けることができれば、その光束は対物レンズの瞳径を通過することができないため、像面まで到達しない。
また、極低倍対物レンズの開口数は0.03程度であり、その頂角は約1.7度であるから、光軸に対して−1.7度から+1.7度までの円錐状の光束が像面まで導かれる。すなわち、素子の表面での反射光がこの円錐の外側に出るように、素子の光軸に対する傾きを決めれば良い。素子を+1.7度以上傾ければ、光軸に対して−1.7度で入射する光線の反射光でも光軸に対して+1.7度以上になるので、例えば2度以上にするとよい。
続いて、複数のレンズ群13よりレボルバ8側に配置される素子について考察する。例えば、接眼レンズ22の視野数を25とし、結像光学系を構成する第2対物レンズ18の焦点距離を200mmとした場合、対物レンズ10と第2対物レンズ18の間の光束の最大の画角は約3.6度である。すなわち、素子の表面で反射した光束が3.6度以上になるように傾ければ、その光束を観察視野外に出すことができる。したがって、前記素子の光軸に対する傾斜角は3.6度以上であると、広視野での観察が可能となるため、より好ましい。
また、傾斜角の上限について考察すると、例えば、挿入する素子が偏光板や樹脂製の広帯域の波長板の場合、角度特性は比較的良くできているので、傾きを大きくしても性能への影響が少ない。しかしながら、同焦点距離が限られた対物レンズで、しかも焦点距離の長い(すなわち、低倍である)場合、レンズの全長はできるだけ長い方が収差補正上都合が良い。したがって、ノイズ除去のために挿入する素子の総厚は、可能な限り薄くすることが好ましい。対物レンズ10の光軸に垂直に配置したときの素子群の総厚をtとし、直径をDとし、傾斜角をθとしたとき、傾けたときの素子群の総厚t’は、次式(1)で表される。
t’=D×sinθ+t×cosθ …(1)
例えば、対物レンズ10において、レボルバ8側に3種類の素子を挿入し、それぞれが基板ガラスを含め2mmの厚みで、1mmの空気間隔をとって配置すると、光軸に垂直に配置した場合の総厚は8mmである。このような素子群を傾斜角6度で配置すると、総厚t’は次式(2)で表される。
t’=25×sin6°+8×cos6°= 10.6[mm] …(2)
例えば、同焦点距離を60mmと想定すると、上記の式(2)から分かるように、素子群の総厚t’は対物レンズ10の同焦点距離の2割近くを占めて、レンズ設計の自由度が減ってしまうため、傾きの上限は6度程度にするのが好ましい。
ゆえに、本実施例においては、対物レンズ10に挿入される光学素子は、ノイズ光を除去するため、対物レンズ10の光軸に対して2度以上6度未満の傾きを有して配置されることが望ましい。
(第2実施例)
次に、第2実施例に係る対物レンズ10´について説明する。第2実施例において、上記の第1実施例と同じ構成、機能を有するものについては、同じ符号を用いて説明を省略する。第2実施例の対物レンズ10´は、図5に示すように、偏光子12と複数のレンズ群13との間にλ/4板14´が配置されている点が、第1実施例の対物レンズ10とは異なる。この構成は、複数のレンズ群13において、よりレボルバ8側(光源側)のレンズ面での反射の影響が大きい場合に有効である。
なお、本実施例の対物レンズ10´も第1実施例と同様に、偏光子12において、照明光及び複数のレンズ群13を構成するレンズ面からの反射光であるノイズ光が領域Pを通り、標本16からの反射光である信号光が領域Qを通るように、複数のレンズ群13を構成するレンズの曲率半径や、対物レンズ10を構成する各素子間での位置関係を調整している。
第2実施例に係る対物レンズ10´においては、図5に示すように、非偏光光である光源1からの照明光(偏光状態P11)が入射すると、矢印A1が示す方向に進み、まずデポラライザ11を透過する。但し、ここでは光の向きは特に変換されず、照明光は非偏光のままである(偏光状態P12)。次に、照明光は偏光子12の領域Pによって偏光方向を選択された(偏光状態P13)後に、λ/4板14´を通過して左回りの円偏光に変換され(偏光状態P15)、複数のレンズ群13に到達する。
そして、複数のレンズ群13に到達した照明光のうち、該レンズ群13を構成するいずれかのレンズ面で反射した光、すなわちノイズ光は、矢印A5が示す方向に進む。この時の偏光状態は変わらず、円偏光のままである(偏光状態P15b)。続いて、ノイズ光は、再びλ/4板14´を通過して直線偏光に変換される(偏光状態14b)。この時の偏光状態は、偏光子12の領域Pの偏光方向と直交する関係にある。したがって、ノイズ光は偏光子12でブロックされ、ノイズ光が結像光学系(図1参照)に入り込むことを回避できる。
続いて、複数のレンズ群13を透過した照明光(偏光状態P15)は、該レンズ群13により結像作用を受けた後、標本16を照明する。標本16で反射した光(信号光)は、偏光状態には何ら影響を受けずに、矢印A3´が示す方向に進み(偏光状態P16)、複数のレンズ群13を通って結像作用を受ける。さらに、信号光は、矢印A4´が示す方向に進み、再びλ/4板14´を透過して直線偏光に変換されて(偏光状態P17)、偏光子12の領域Qに到達する。この時の光束の偏光状態は領域Qの偏光方向と同じ(平行)であるため、信号光はそのまま偏光子12の領域Qを透過することができる(偏光状態P18)。そして、信号光は、デポラライザ11を通って非偏光に変換された後(偏光状態P19)、顕微鏡装置を構成する結像光学系(図1参照)へと進む。
以上のような構成の対物レンズ10´において、信号光の強度は、偏光子12を照明光が1回通る際にほぼ半減する。言い換えれば、信号光の強度は、入射光の約1/2の強度に減衰するだけで済むため、十分な明るさを持って観察に臨むことができる。
このように第2実施例に係る対物レンズ10´は、第1実施例と同様に、偏光状態を光量ロスなく変換できる上に、標本16には円偏光が照射されるため、標本16に偏光特性があってもこれに依存せず良好な観察が可能である。
以上のように、本発明によれば、極低倍の観察時に必要な偏光子や1/4波長板などの各光学素子を予め組み込んで対物レンズを構成することにより、従来のように顕微鏡装置に前記光学素子を付帯させる必要がなく、使用者はレボルバの回転作業のみで、極低倍から高倍まで観察することが可能である。
なお、本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
例えば、本発明で使用する1/4波長板は、なるべく広帯域対応のものが好ましい。具体的には、波長400〜600nmにおいて、リタデーション(位相差)が80度〜100度程度のものを用いると、標本の色味が変化することもなく、良好な観察が可能である。
図6は、広帯域対応の1/4波長板の波長特性の一例を示すものであり、横軸が波長で、縦軸が発生するリタデーション(位相差)を角度で示したグラフである。一般に、1/4波長板等の位相板は、ある方向の偏光に対してそれと垂直な方向の偏光の位相を遅らせる素子であるが、通常は複屈折を利用しているため、光の波長によってその位相差が変わってしまうという特徴がある。したがって、上記で用いたようなλ/4板14,14´のように、ノイズ光を2度通すことでクロスニコルによる減衰の目的で使用する場合には、波長によっては2度通過しても直線偏光に戻らないため、色づいたノイズ光が観察される場合があった。ここで、複屈折性と屈折率分布の異なる二つの物質を貼り合わせて1/4波長板を作製すると、特定の2波長において、所望の位相差を持った波長板を作ることができる。これを広帯域波長板や色消し波長板などと呼んでいる。このような特性を持つ波長板を利用すれば、白色光で反射照明観察した場合でも、殆ど全ての波長でノイズを除去することができる。
また、各実施例に係る対物レンズ10,10´において、デポラライザ11に換えて、1/4波長板を用いてもよい。1/4波長板は薄いシート状であるため、厚みのあるデポラライザと比べ、長さに制限がある対物レンズ10内のスペースを有効に活用することができる。
10,10´ 対物レンズ
11 デポラライザ(偏光解消素子)
12 偏光子
13 複数のレンズ群
14,14´ λ/4板(1/4波長板)

Claims (6)

  1. 複数のレンズ群と、
    前記複数のレンズ群の像側に配置された偏光子と、
    前記偏光子より標本側に配置された1/4波長板とを有し、
    前記偏光子は、複数の領域に分割され、隣り合う前記領域の偏光方向が互いに直交するように構成されていることを特徴とする対物レンズ。
  2. 前記1/4波長板は、前記対物レンズの最も標本側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
  3. 前記1/4波長板は、前記偏光子と前記複数のレンズ群との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
  4. 前記偏光子の像側に、偏光解消素子を配置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の対物レンズ。
  5. 前記偏光子、前記1/4波長板及び前記偏光解消素子の軸はそれぞれ前記対物レンズの光軸に対して2度以上6度未満傾いていることを特徴とする請求項4に記載の対物レンズ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の対物レンズを有する顕微鏡装置。
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