JP2010209272A - 共役ジエン系重合体の製造方法、共役ジエン系重合体および共役ジエン系重合体組成物 - Google Patents

共役ジエン系重合体の製造方法、共役ジエン系重合体および共役ジエン系重合体組成物 Download PDF

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真伸 内山
Naoaki Maeda
直明 前田
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Abstract

【課題】第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物に基づく構成単位と共役ジエンに基づく構成単位とを有する共役ジエン系重合体の製造方法であって、該ビニル化合物の保護処理を行わなくとも、共役ジエンと該ビニル化合物とを反応させることができる共役ジエン系重合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式[I]又は[II]で表される有機金属化合物を重合開始剤に用いて、共役ジエンと第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物とを反応させる共役ジエン系重合体の製造方法。
1 4ZnM1 2 [I]
2 4ZnM2 [II]
(一般式[I]及び[II]において、R1及びR2は、置換されていてもよいアルキル基及び置換されていてもよいアリール基からなる置換基群から選ばれる置換基を表し、M1は、アルカリ金属を表し、M2は、アルカリ土類金属を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、共役ジエン系重合体の製造方法、共役ジエン系重合体および共役ジエン系重合体組成物に関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりから、自動車に対して省燃費化の要求が強くなっており、自動車用タイヤに用いる重合体組成物に対しても、省燃費性に優れることが求められている。自動車タイヤ用の重合体組成物としては、ポリブタジエンやブタジエン−スチレン共重合体等の共役ジエン系重合体と、カーボンブラックやシリカ等の充填材とを含有する重合体組成物等が用いられている。
共役ジエン系重合体としては、有機リチウム化合物等の有機金属化合物を重合開始剤に用いて共役ジエンを溶液重合して製造された重合体が広く用いられている。昨今では、省燃費性に優れる共役ジエン系重合体として、充填剤と相互作用するアミノ基を重合体鎖に導入した共役ジエン系重合体が提案されている。例えば、第一級アミノ基や第二級アミノ基を重合体鎖に導入した共役ジエン系重合体の製造方法としては、第一級アミノ基あるいは第二級アミノ基を有する化合物による重合開始剤の失活を防ぐために、第一級アミノ基あるいは第二級アミノ基を有する化合物を、予めアルカリ金属化合物で処理して、第一級アミノ基あるいは第二級アミノ基の活性水素をアルカリ金属に置換する保護処理を行い、次いで、該保護処理がされた化合物を反応させ、更に、反応後に保護処理で導入したアルカリ金属を水素原子に置換する加水分解処理を行う製造方法が特許文献1に記載されている。
特開2004−182894号公報
しかしながら、上記の第一級アミノ基や第二級アミノ基を重合体鎖に導入する共役ジエン系重合体の製造方法は、保護処理、更に加水分解処理を必要とするため、該方法を工業的規模で行うことは、経済的に十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物に基づく構成単位と共役ジエンに基づく構成単位とを有する共役ジエン系重合体の製造方法であって、第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物の保護処理を行わなくとも、共役ジエンと第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物とを反応させることができる共役ジエン系重合体の製造方法、該製造方法により製造された共役ジエン系重合体、該共役ジエン系重合体を含有する共役ジエン系重合体組成物を提供することにある。
本発明は、下記一般式[I]又は[II]で表される有機金属化合物を重合開始剤に用いて、共役ジエンと第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物とを反応させる共役ジエン系重合体の製造方法にかかるものである。
1 4ZnM1 2 [I]
2 4ZnM2 [II]
(上記一般式[I]及び[II]において、R1及びR2は、置換されていてもよいアルキル基及び置換されていてもよいアリール基からなる置換基群から選ばれる置換基を表し、4つのR1及び4つのR2は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。M1は、アルカリ金属を表し、2つのM1は同じであってもよく、異なっていてもよい。M2は、アルカリ土類金属を表す。)
本発明により、第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物に基づく構成単位と共役ジエンに基づく構成単位とを有する共役ジエン系重合体の製造方法であって、第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物の保護処理を行わなくとも、共役ジエンと第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物とを反応させることができる共役ジエン系重合体の製造方法、該製造方法により製造された共役ジエン系重合体、該共役ジエン系重合体を含有する共役ジエン系重合体組成物を提供することができる。
本発明において「重合」という語は、単独重合のみならず、共重合を包含したものであり、また「重合体」という語は単独重合体のみならず共重合体を包含したものである。
本発明の製造方法では、下記一般式[I]又は[II]で表される有機金属化合物を重合開始剤に用いる。
1 4ZnM1 2 [I]
2 4ZnM2 [II]
(上記一般式[I]及び[II]において、R1及びR2は、置換されていてもよいアルキル基及び置換されていてもよいアリール基からなる置換基群から選ばれる置換基を表し、4つのR1及び4つのR2は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。M1は、アルカリ金属を表し、2つのM1は同じであってもよく、異なっていてもよい。M2は、アルカリ土類金属を表す。)
一般式[I]及び[II]において、R1及びR2は、置換されていてもよいアルキル基及び置換されていてもよいアリール基からなる置換基群から選ばれる置換基を表す。一般式[I]の4つのR1は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよく、一般式[II]の4つのR2は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基をあげることができる。
アルキル基の炭素原子数としては、好ましくは、1〜4である。該アルキル基として、好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基である。
アリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基をあげることができる。
アリール基の炭素原子数としては、好ましくは、6〜12である。アリール基として、好ましくは、フェニル基である。
一般式[I]の4つのR1のうち、少なくとも2つのR1が、tert−ブチル基であることが好ましい。また、一般式[II]の4つのR2のうち、少なくとも2つのR2が、tert−ブチル基であることが好ましい。
一般式[I]において、Znは亜鉛原子を表す。
一般式[I]において、M1は、アルカリ金属を表し、2つのM1は同じであってもよく、異なっていてもよい。M1としては、例えば、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子をあげることができる。M1としては、好ましくは、リチウム原子、ナトリウム原子である。
一般式[II]において、M2は、アルカリ土類金属を表す。M2としては、例えば、ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子をあげることができる。M2としては、好ましくは、マグネシウム原子である。
一般式[I]で表される有機金属化合物としては、例えば、ジリチウムテトラ−tert−ブチルジンケート、ジリチウムジ−tert−ブチルジメチルジンケート、ジリチウムジ−tert−ブチルジエチルジンケート、ジリチウムジ−tert−ブチルジイソプロピルジンケート、ジリチウムジ−tert−ブチルジフェニルジンケート、ジリチウム−tert−ブチルトリメチルジンケート、ジリチウムトリ−tert−ブチルメチルジンケート、および、これらの化合物のリチウムをナトリウムとした化合物をあげることができる。一般式[I]で表される有機金属化合物として、好ましくは、ジリチウムテトラ−tert−ブチルジンケート、ジリチウムジ−tert−ブチルジメチルジンケート、ジリチウムジ−tert−ブチルジエチルジンケート、ジリチウムジ−tert−ブチルジイソプロピルジンケートである。
一般式[II]で表される有機金属化合物としては、例えば、マグネシウムテトラ−tert−ブチルジンケート、マグネシウムジ−tert−ブチルジメチルジンケート、マグネシウムジ−tert−ブチルジエチルジンケート、マグネシウムジ−tert−ブチルジイソプロピルジンケート、マグネシウムジ−tert−ブチルジフェニルジンケートをあげることができる。
一般式[I]、[II]で表される有機金属化合物の製造方法としては、特開2004−292328号公報に記載の方法をあげることができる。また、一般式[I]で表される有機金属化合物の製造方法としては、炭化水素溶媒またはエーテル化合物溶媒中、有機亜鉛化合物と有機アルカリ金属化合物とを1:2のモル比で反応させる方法をあげることができ、一般式[II]で表される有機金属化合物の製造方法としては、炭化水素溶媒またはエーテル化合物溶媒中、有機亜鉛化合物と有機アルカリ土類金属化合物とを1:1のモル比で反応させる方法をあげることができる。
有機亜鉛化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジ−sec−ブチル亜鉛、ジ−tert−ブチル亜鉛、ジ−n−ペンチル亜鉛、ジネオペンチル亜鉛、ジイソペンチル亜鉛、ジ−n−ヘキシル亜鉛、ジ−2−エチルヘキシル亜鉛、ジフェニル亜鉛、エチルメチル亜鉛、メチルイソプロピル亜鉛、メチルフェニル亜鉛、エチルイソプロピル亜鉛をあげることができる。有機亜鉛化合物として、好ましくは、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−tert−ブチル亜鉛である。
有機亜鉛化合物は、公知の製造方法により得られる。例えば、n−ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属化合物と塩化亜鉛とを2:1のモル比で反応させることにより、あるいは、有機アルカリ土類金属化合物と塩化亜鉛とを1:1のモル比で反応させることにより得られる。
有機アルカリ金属化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、ネオペンチルリチウム、イソペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、2−エチルヘキシルリチウム、フェニルリチウム、およびこれらの対応のナトリウム化合物をあげることができる。該有機アルカリ金属化合物として、好ましくは、tert−ブチルリチウムである。
有機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジイソブチルマグネシウム、ジ−sec−ブチルマグネシウム、ジ−tert−ブチルマグネシウム、ジ−n−ペンチルマグネシウム、ジネオペンチルマグネシウム、ジイソペンチルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、ジ−2−エチルヘキシルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、エチルメチルマグネシウム、メチルイソプロピルマグネシウム、メチルフェニルマグネシウム、エチルイソプロピルマグネシウムをあげることができる。該有機アルカリ土類金属化合物として、好ましくは、ジ−n−ブチルマグネシウムである。
有機亜鉛化合物と有機アルカリ金属化合物との反応および有機亜鉛化合物と有機アルカリ土類金属化合物との反応において、反応温度は、通常、0℃以下である。
重合においては、一般式[I]又は[II]で表される有機金属化合物を予め調製した後に、一般式[I]又は[II]で表される有機金属化合物を重合反応槽に供給してもよい。有機亜鉛化合物と有機アルカリ金属化合物とを重合反応槽に供給し、重合反応槽内で有機亜鉛化合物と有機アルカリ金属化合物との反応を行って、一般式[I]で表される有機金属化合物を調製してもよい。有機亜鉛化合物と有機アルカリ土類金属化合物とを重合反応槽に供給し、重合反応槽内で有機亜鉛化合物と有機アルカリ土類金属化合物との反応を行って、一般式[II]で表される有機金属化合物を調製してもよい。また、塩化亜鉛と有機アルカリ金属化合物とを重合反応槽に供給し、重合反応槽内で塩化亜鉛と有機アルカリ金属化合物との反応および該反応により生成する有機亜鉛化合物と有機アルカリ金属化合物との反応を行って、一般式[I]で表される有機金属化合物を調製してもよい。塩化亜鉛と有機アルカリ土類金属化合物とを重合反応槽に供給し、重合反応槽器内で塩化亜鉛と有機アルカリ土類金属化合物との反応および該反応により生成する有機亜鉛化合物と有機アルカリ土類金属化合物との反応を行って、一般式[II]で表される有機金属化合物を調製してもよい。
本発明の製造方法では、共役ジエンと第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物とを反応させる。該共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンをあげることができ、これらは1種用いてもよく、2種以上用いてもよい。入手容易性の観点から、好ましくは、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンである。
第一級アミノ基を有するビニル化合物としては、例えば、アリルアミン、アクリルアミド、メタクリルアミド、3−ブテナミン、2−メチルアリルアミン、2−メチレンブタナミド、4−メチレングルタミン酸をあげることができる。該ビニル化合物として、好ましくは、ビニル基のα位にカルボニル基を有する化合物である。該ビニル化合物としては、ビニル基のα位にカルボニル基を有する化合物であるアクリルアミド、メタクリルアミド、2−メチレンブタナミド、4−メチレングルタミン酸が特に好ましい。
第二級アミノ基を有するビニル化合物としては、例えば、N−アリルメチルアミン、N−アリルエチルアミン、N−メチルアクリルアミド、N−ビニルアセタミド、N−ビニル尿素、N−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドをあげることができる。該ビニル化合物としては、ビニル基のα位にカルボニル基を有する化合物であるN−エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドが特に好ましい。
本発明の製造方法では、共役ジエンと第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物とに加え、他のビニル化合物を反応させてもよい。他のビニル化合物としては、芳香族ビニル化合物、ビニルニトリル、不飽和カルボン酸エステルなどをあげることができる。芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンをあげることができる。また、ビニルニトリルとしては、例えば、アクリロニトリルをあげることでき、不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチルをあげることができる。これらの中では、芳香族ビニル化合物が好ましく、入手容易性の観点から、スチレンが好ましい。
共役ジエン系重合体中の構成単位の含有量について、好ましくは、共役ジエンに基づく構成単位の含有量が1〜99重量%であり、第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物に基づく構成単位の含有量が0.01〜10重量%であり、その他のビニル化合物に基づく構成単位の含有量が0〜98.99重量%である。
本発明の製造方法で用いられる溶媒としては、好ましくは炭化水素である。該炭化水素としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素などをあげることができる。脂肪族炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサンなどをあげることができる。また、芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどをあげることができ、脂環族炭化水素としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどをあげることができる。これらは単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。これらの中では、炭素原子数が3〜12の炭化水素が好ましい。
本発明の製造方法で用いられる溶媒としては、テトラヒドロフランのような環状エーテル類を含まないことが好ましい。
本発明の製造方法での重合温度は、通常−80〜150℃であり、好ましくは0〜100℃である。
本発明の製造方法での重合時間は、通常5分〜48時間であり、好ましく30分〜24時間である。
重合終了後、公知の回収方法、例えば、(1)重合反応液に凝固剤を添加する方法、(2)重合反応液にスチームを添加する方法、(3)オーブンドライヤーを用いて重合反応液から溶媒を除去する方法によって、重合反応液から共役ジエン系重合体を回収することができる。回収した共役ジエン系重合体は、バンドドライヤーや押出型ドライヤーなどの公知の乾燥機で乾燥してもよい。
共役ジエン系重合体のビニル結合量は、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、省燃費性の観点から、好ましくは80モル%以下であり、より好ましくは70モル%以下である。また、グリップ性の観点から、好ましくは20モル%以上であり、より好ましくは40モル%以上である。該ビニル結合量は、アミン化合物やエーテル化合物などを添加することによって高くすることができる。該ビニル結合量は、赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm-1付近の吸収強度より求められる。
共役ジエン系重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、強度の観点から、好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上である。また、加工性の観点から、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下である。該ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、JIS K6300(1994)に従って、100℃にて測定される。
共役ジエン系重合体の分子量分布は、省燃費性の観点から、好ましくは1〜10である。
共役ジエン系重合体は、添加剤や他の重合体を配合して、重合体組成物としてもよい。
添加剤としては、公知のものを用いることができ、硫黄などの加硫剤;チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤などの加硫促進剤;ステアリン酸、酸化亜鉛などの加硫活性化剤;有機過酸化物;カーボンブラック、シリカなどの補強剤;炭酸カルシウム、タルクなどの充填剤;シランカップリング剤;伸展油;加工助剤;老化防止剤;滑剤を例示することができる。
共役ジエン系重合体に充填剤を配合した共役ジエン系重合体組成物とする場合、充填剤の含有量は、共役ジエン系重合体100重量部あたり、耐摩耗性および強度の観点から、好ましくは10重量部以上であり、より好ましくは20重量部以上であり、更に好ましくは30重量部以上である。また、補強性を高める観点から、好ましくは150重量部以下であり、より好ましくは120重量部以下であり、更に好ましくは100重量部以下である。
他の重合体としては、本発明の製造方法以外の方法で製造した共役ジエン系重合体、天然ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体などをあげることができる。これらの重合体は、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の共役ジエン系重合体および共役ジエン系重合体組成物は、タイヤ、ベルト、ホース、履物などに、好適に使用される。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明する。
重合体および加硫シートの評価は、次の方法で行った。
1.ムーニー粘度(ML1+4100℃)
JIS K−6300(1994)に従い、100℃にて測定した。
2.スチレン単位の含量
JIS K−6383(屈折率法)に従って測定した。
3.ビニル基の含量
赤外分光分析法(モレロ法)により測定した。測定においては、赤外分光光度計により、ビニル基の吸収ピークである910cm-1付近の吸収強度を測定した。
4.省燃費性
粘弾性測定装置(上島製作所製)を使用し、歪み1%及び周波数10Hzの条件下で、70℃の損失正接(tanδ(70℃))を測定した。
実施例1
(Et2tert−Bu2ZnLi2の合成)
100ミリリットルのナスフラスコ内を乾燥窒素で置換した。ナスフラスコ内にジエチルエーテル20ミリリットル、ジエチル亜鉛1.0ミリモルを加え、次に−78℃でtert−ブチルリチウム2.0ミリモルを加えた。ナスフラスコ内の溶液を、0℃で30分間攪拌し、Et2tert−Bu2ZnLi2のジエチルエーテル溶液を得た。
(重合体の合成)
内容積5リットルのステンレス製重合反応槽内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換した。次にヘキサン2.55kg、1,3−ブタジエン375g、スチレン125g、N,N,N‘,N’−テトラメチルエチレンジアミン1.46g、及び、上記の方法で得たEt2tert−Bu2ZnLi21.0ミリモルを含むジエチルエーテル溶液を加え、攪拌下に65℃で3時間重合を行った。次に、N−イソプロピルアクリルアミド0.23gを加え、攪拌下に15分間反応を行った。10mlのメタノールを加えて、5分間攪拌した。重合反応槽内の重合反応溶液を取り出し、酸化防止剤(住友化学社製スミライザーGM 2g、住友化学社製スミライザーTP−D 1g)3gを加え、ヘキサンの大部分を蒸発させ、55℃で12時間減圧乾燥し、重合体を得た。重合体の物性測定結果を表1に示す。
(重合体組成物および加硫シートの調製)
得られた重合体100重量部、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名:N−339)50重量部、伸展油(共同石油社製、商品名:X−140)10重量部、老化防止剤(住友化学社製、商品名:アンチゲン3C)1重量部、亜鉛華4重量部、ステアリン酸2重量部、加硫促進剤(住友化学社製、商品名:ソクシノールCZ)1重量部、ワックス(大内新興化学工業社製、商品名:サンノックN)1.5重量部、硫黄1.75重量部を、ラボプラストミルにて混練し、重合体組成物を得た。該重合体組成物を、6インチロールでシートに成形した。次に、該シートを160℃で15分加熱して加硫させ、加硫シートを得た。該加硫シートの省燃費性を評価した。評価結果を表1に示す。
比較例1
N,N,N‘,N’−テトラメチルエチレンジアミン1.46gにかえて、テトラヒドロフラン1.35g、および、エチレングリコールジエチルエーテル0.90gを加えたこと、Et2tert−Bu2ZnLi21.0ミリモルを含むジエチルエーテル溶液にかえて、n−BuLi3.3ミリモルを含むヘキサン溶液を加えたこと、および、N−イソプロピルアクリルアミドの添加量を0.38gに変更したこと以外、実施例1と同様に行った。重合体および加硫シートの評価結果を表1に示す。
Figure 2010209272

Claims (8)

  1. 下記一般式[I]又は[II]で表される有機金属化合物を重合開始剤に用いて、共役ジエンと第一級アミノ基および/または第二級アミノ基を有するビニル化合物とを反応させる共役ジエン系重合体の製造方法。
    1 4ZnM1 2 [I]
    2 4ZnM2 [II]
    (上記一般式[I]及び[II]において、R1及びR2は、置換されていてもよいアルキル基及び置換されていてもよいアリール基からなる置換基群から選ばれる置換基を表し、4つのR1及び4つのR2は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。M1は、アルカリ金属を表し、2つのM1は同じであってもよく、異なっていてもよい。M2は、アルカリ土類金属を表す。)
  2. 4つのR1のうち、少なくとも2つのR1が、tert−ブチル基であり、4つのR2のうち、少なくとも2つのR2が、tert−ブチル基である請求項1に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  3. 1が、リチウム原子又はナトリウム原子であり、M2がマグネシウム原子である請求項1または2に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  4. 炭化水素溶媒中で重合する請求項1〜3のいずれかに記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  5. 共役ジエンが、1,3−ブタジエン及び2−メチル−1,3−ブタジエンからなる共役ジエン群から選ばれる少なくとも1種の共役ジエンである請求項1〜4のいずれかに記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の共役ジエン系重合体の製造方法により製造された共役ジエン系重合体。
  7. 共役ジエンに基づく構成単位の含有量を100モル%として、ビニル結合量が20〜80モル%である請求項6に記載の共役ジエン系重合体。
  8. 請求項6または7に記載の共役ジエン系重合体と充填剤とを含有する共役ジエン系重合体組成物。
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