JP2010207393A - 回診用x線撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回診用X線撮影装置において、登坂時にはスムースに上り、平地走行時には急加速することなく走行する。
【解決手段】
登坂時にモータに流れる電流値の上限と平地走行時にモータに流れる電流の上限値とを変動させる。登坂時には、平地走行時に比べてモータ電流値の上限を上げることでモータにより多くの電流を流すことができ出力トルクを大きくすることができるので、スムースに上り坂を登坂することができる。また、平地走行時には、登坂時に比べてモータ電流値の上限を下げることで、モータに流れる電流の制限を強くすることができるので、急加速を防止することができる。これより、登坂時や平地走行時にかかわらず、自然に操作することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、操作ハンドルの力に応答して前進または後退する動力駆動型X線撮影装置に係わり、特に、駆動モータに流れる電流に制限を設けた回診用X線撮影装置に関する。
従来、回診用X線撮影装置には、この装置の重量が400kg以上になるので、走行用のモータが備えられており、モータが駆動することで回診用X線撮影装置が移動することができる。このモータ駆動はパルス幅変調(Pulse Width Modulation)制御(以下、PWM制御と称す)により制御されており、操作レバーハンドルの位置により、PWM制御のパルス幅を制御している。モータの回転数が操作レバーハンドルからの入力信号に対する所定の回転数よりも低ければ、PWM制御のパルス幅を広げることでモータの回転数を上げる。また、モータの回転数が操作レバーハンドルからの入力信号に対する所定の回転数よりも高ければ、PWM制のパルス幅を狭めることでモータの回転数を下げる。このようにして、操作レバーハンドルの位置によりモータの回転数を制御している。
このような回診用X線撮影装置では、登坂時と平地走行時とに同じモータ駆動電流を流しても路面の傾斜が変われば負荷も変わるので、上り坂では重く下り坂では軽くなる。そこで、登坂時には、大きなモータ駆動電流を流してモータからの出力トルクを増大する必要があるが、このようにモータを制御すると、平地における発進時にもモータに過大な駆動電流が流れ、急発進するという問題が生じた。
そこで、特許文献1に記載されている回診用X線撮影装置においては、予め、走行するいろいろな傾斜角度θによる車輪回転速度とモータ駆動回路出力とを記憶し、それぞれの速度と出力の平均値の比Ro(θ)と、実際に走行する時の速度と出力との平均値の比Rとを比較して、登坂傾斜角度θを推定し、操作レバーハンドルからの入力信号に登坂傾斜角度θに応じた係数を乗算して、モータの回転速度を制御している。
特開2001−309910号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている回診用X線撮影装置では、この装置の仕様を変更するごとに、走行するいろいろな傾斜角度θによる車輪回転速度とモータ駆動回路出力とを測定しなければならず、これらのデータを取得することは大変な労力を必要とする。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、上り坂においてもスムースに登坂し、平地においては急加速を防ぐことができる回診用X線撮影装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、回診用X線撮影装置であって、互いに独立に駆動される一対の車輪と、前記車輪を駆動するモータと、前記モータを駆動制御するモータ駆動制御回路と、前記モータに流れる電流値を検出する電流検出手段と、前記回診用X線撮影装置の走行状態に応じて前記モータに流す電流の上限値である制限電流値を算出する演算部と、前記制限電流値と前記モータに流れる電流値とを比較する制限電流判別部とを備え、前記モータに流れる電流値が前記制限電流値を超えたことを前記制限電流判別部が判別した場合、前記モータ駆動制御回路は前記モータ電流値が前記制限電流値を超えないように制御することを特徴とする。
上記構成によれば、回診用X線撮影装置の走行状態に応じてモータへ流す電流の上限値である制限電流値が演算部により算出される。また、モータに流れる電流値は電流検出手段により検出され、このモータに流れる電流値と制限電流値とが制限電流判別部において比較される。制限電流判別部においてモータに流れる電流値が制限電流値を超えていると判別した場合、モータに流れる電流値が制限電流値を超えないようにモータ駆動制御回路が制御するので、直ちにモータに流れる電流値が制限電流値内に収まる。これより、モータに過剰な電流が流れないので、モータから適正な出力トルクを得ることができ、平地走行時において急加速することがない。また、制限電流値は回診用X線撮影装置の走行状態に応じて変化するので、登坂時などモータ電流を多く必要とするときには制限電流値が大きくなる。このように、平地走行時と登坂時とでは、モータに流れる電流の制限電流値が異なるので、どちらを走行するときにおいても違和感なく自然に操作することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回診用X線撮影装置において、前記モータ駆動制御回路は、前記モータを駆動するモータ駆動回路と、前記モータに流れる電流をパルス幅変調制御するパルス信号を前記モータ駆動回路へ送るパルス幅変調制御回路とを備え、前記モータに流れる電流値が前記制限電流値を超えたことを前記制限電流判別部が判別した場合、前記パルス幅変調制御回路は前記パルス信号のパルス幅を変調して前記モータ電流値が前記制限電流値を超えないように制御することを特徴とする。
上記構成によれば、制限電流判別部においてモータに流れる電流値が制限電流値を超えていると判別した場合、モータに流れる電流値が制限電流値を超えないようにパルス幅変調制御回路はパルス幅を変調して制御するので、直ちにモータに流れる電流値が制限電流値内に収めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の回診用X線撮影装置において、前記モータ駆動制御回路は、前記モータを駆動するモータ駆動回路と、前記モータ駆動回路に印加する電圧をパルス振幅変調制御するパルス振幅変調制御回路とを備え、前記モータに流れる電流値が前記制限電流値を超えたことを前記制限電流判別部が判別した場合、前記パルス振幅変調制御回路は前記モータに印加する電圧をパルス振幅変調制御して前記モータ電流値が前記制限電流値を超えないように制御することを特徴とする。
上記構成によれば、制限電流判別部においてモータに流れる電流値が制限電流値を超えていると判別した場合、モータに流れる電流値が制限電流値を超えないようにパルス振幅変調制御回路は前記モータ駆動制御回路に供給する電圧を制御するので、直ちにモータに流れる電流値を制限電流値内に収めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3いずれか1つに記載の回診用X線撮影装置において、前記回診用X線撮影装置の傾斜状態を検出する傾斜検出手段を備え、前記演算部は、前記傾斜検出手段により検出された傾斜情報より前記制限電流値を算出することを特徴とする。
上記構成によれば、回診用X線撮影装置の走行状態を傾斜検出手段により検出する。すなわち、傾斜検出手段により回診用X線撮影装置がどの程度の傾斜状態にあるかを検出し、その傾斜状態に最適な制限電流値を演算部が算出する。これより、傾斜状態に応じて制限電流値を変えることができるので、登坂時には平地走行時よりも制限電流値を大きくすることで、平地走行時に比べモータのより大きい出力トルクを得ることができる。このように、登坂時と平地走行時とで制限電流値を変えることで、上り坂および平地のどちらを走行するときにおいても違和感なく自然に操作することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から3いずれか1つに記載の回診用X線撮影装置において、前記演算部は、前記制限電流値に閾値を設定しつつ、前記モータに流れる電流値と前記閾値との差を前記制限電流値に加算したものを新たな制限電流値とすることを特徴とする。
上記構成によれば、回診用X線撮影装置の走行状態を、演算部が制限電流値に設けた閾値とモータに流れる電流値との比較により検出する。演算部は、モータに流れる電流値と閾値との差を制限電流値に加算し、これを新たな制限電流値とする。これより、モータに流れる電流値に対応して制限電流値が変動する。登坂時のように、モータに流す電流値が時間とともに増加傾向にある場合、モータに流れる電流値と閾値との差の分だけ制限電流値も大きくなるので、平地走行時に比べモータのより大きい出力トルクを得ることができる。また、平地走行時など、モータに流れる電流値が閾値を超えない場合、閾値とモータに流れる電流値との差の分だけ制限電流値が小さくなるので、回診用X線撮影装置が急加速するのを防ぐことができる。このように、どちらを走行するときにおいても違和感なく自然に操作することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の回診用X線撮影装置において、前記演算部は、前記制限電流値に予め決められた係数を乗算して前記閾値を設定することを特徴とする。
上記構成によれば、閾値は制限電流値に予め決められた係数を乗算して設定するので、モータに流れる電流値の変動に対応して制限電流値が変動すれば閾値も変動するので、モータに流れる電流値の変動に最適な閾値および制限電流値を算出することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の回診用X線撮影装置において、 前記演算部は、前記モータに流れる電流値を所定周期毎に平均した値として前記閾値との差を算出することを特徴とする。
上記構成によれば、演算部はモータに流れる電流値を所定周期毎に平均した値として閾値との差を算出するので、制限電流値が急激に変化するのを防ぐことができ、より滑らかな加速を実現することができる。
本発明に係る回診用X線撮影装置によれば、上り坂においてもスムースに登坂し、平地においては急加速を防ぐことができる回診用X線撮影装置を提供することができる。
実施例に係る回診用X線撮影装置の側面図である。 実施例1に係る回診用X線撮影装置の構成を示すブロック図である。 実施例1に係るPWM制御回路を示すブロック図である。 実施例1に係るモータ駆動回路を示す回路図である。 実施例2に係る回診用X線撮影装置の構成を示すブロック図である。 実施例2に係る制限電流値の変動を示す説明図である。 実施例2に係る制限電流値の変動を示す説明図である。 実施例3に係る回診用X線撮影装置の構成を示すブロック図である。 実施例3に係るモータ駆動回路を示す回路図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1は回診用X線撮影装置の概略側面図であり、図2は回診用X線撮影装置の構成を示すブロック図であり、図3はPWM制御回路を示すブロック図であり、図4はモータ駆動回路を示す回路図である。
<回診用X線撮影装置>
図1および図2に示すように、回診用X線用撮影装置1は、X線を照射するX線管2と、X線管2を保持するアーム3と、アーム3を支持しつつ台車4上で旋回可能な支柱5と、旋回自在の前輪5およびかじ取り不能の後輪6(左後輪7、右後輪8)とを備え、台車4に取り付けられたハンドル保持台9に設けられたレバーハンドル10を前後に操作することによって、下部に設けられた駆動モータ11(左モータ12、右モータ13)が回転して前進または後進することができる。
アーム3にはX線管2の支持機構と回転機構が備えられており、水平方向に伸縮するアーム3は支柱5上をスムースに垂直移動し、バランスが取れる機構に設計され、被検者の撮影部位に応じてあらゆる方向と空間的な位置に、X線管2のコリメータ14(X線放射口)をむけることができる。
台車4の後部には固定したかじ取り不能の一対の後輪6が設けられ、台車4の前部には、一対のキャスターすなわち旋回自在の前輪5によって支持されている。また、後輪6と駆動モータ11は左右に独立の制御系統を持ち、後輪6は、台車に装着された駆動モータ11により互いに独立に駆動される。つまり、前輪5を正面にして後輪6の左側の左後輪7は左モータ12に、後輪6の右側の右後輪8は右モータ13により駆動される。
そして、台車4には、自動車用バッテリとインバータで主回路100〜120V、60Hzを内部電源とし、高電圧変圧器とコンデンサとを備えている。その制御回路はソリッドシステム化され、撮影操作は自動プログラム化したワンタッチ式の装置が多く使用されている。
また、前輪5および後輪6にはゴムタイヤなどを用い、病室での出入りが自在であるように設計され、その他ブレーキシステム、カセッテボックス、付属装置を備えている。この回診用X線撮影装置1は移動型装置として小型・軽量で移動操作性の良いことが重要であり、病院内でベッドルーム、技工室、手術室、小児室、レントゲン室、乳児室、エレベータ等に容易に移動して、手軽に現場でX線撮影用として使用される。
レバーハンドル10は比較的堅いが可撓性のあるバネ部材を介して台車4に接続されている。台車4の両側に接続された2個所のバネ部材は、堅い板バネで構成され、そのバネ部材を設けたことにより、レバーハンドル10を押したり引いたりするようなレバーハンドル10に加えられる力に応じて、レバーハンドル10を僅かに前後方向に変位させることができる。レバーハンドル10を前後に操作することで、バネ部材のバネ作用により、レバーハンドル10は比較的容易に変位させることができるとともに、レバーハンドル10を離したとき、中性位置または中心位置にすばやく復帰させることができる。
レバーハンドル10の両端にはレバーハンドル10と共に動く一対の線形磁石がそれぞれ取り付けられている。一方、一対のホール効果センサ(左圧力センサ18、右圧力センサ19)が台車4に取り付けられ、それぞれ対応する磁石に隣接して配置される。
ホール効果センサ(左圧力センサ18、右圧力センサ19)が磁石に対して中心位置にあるとき、ホール効果センサ(左圧力センサ18、右圧力センサ19)の出力信号はゼロ・レベルになり、磁石をずらすと、ホール効果センサ(左圧力センサ18、右圧力センサ19)の出力信号は正の最大値と負の最大値の間でほぼ線形に変化する。
センサ信号の符号すなわち極性はレバーハンドル10の変位の方向を表し、センサ信号の大きさは変位量に比例する。このようにして、レバーハンドル10に加わる操作力を電気信号に変換することができる。また、ホールセンサ以外の圧力センサを用いて操作力を検出してもよい。左圧力センサ18および右圧力センサ19は本発明における操作力検出手段に相当する。
操作者が台車4のレバーハンドル10を前後に操作すると、レバーハンドル10の両端に設けられた左圧力センサ18および右圧力センサ19からの操作力信号Ft(左操作力信号20、右操作力信号21)が左右独立してCPU(Central Processing Unit)17に入力される。一方、左車輪7および右車輪8の車軸に設けられ左モータ12または右モータ13の回転速度Vtをそれぞれ検出する左エンコーダ22と右エンコーダ23から、モータ回転速度信号としてCPU17に入力される。
また、傾斜検出回路24から回診用X線撮影装置1の傾斜角度に応じて傾斜信号がCPU17に入力される。傾斜検出回路24は、回診用X線撮影装置1が平地を走行しているのか、坂道を上っているのかあるいは下っているのかを検出することができる。傾斜検出回路24として、ジャイロスコープや重力センサ等を採用することができる。
次に、CPU17は、左圧力センサ18および右圧力センサ19からの前進、後退の操作力信号Ft(左操作力信号20、右操作力信号21)に比例したPWM制御のデューティ比を算出し、デューティ比信号を左右それぞれ独立にPWM制御回路16へ送る。また、CPU17は、傾斜検出回路24からの傾斜信号を基に、傾斜角度に応じた制限電流値を算出し、この制限電流値を制限電流判別部25へ送る。CPU17は本発明における演算部に相当する。
PWM制御回路16は、CPU17から送られたデューティ比信号を基にデューティ比が決められたスイッチングパルス信号を生成し、モータ駆動回路15をPWM制御する。また、PWM制御回路16には、左PWM制御回路と右PWM制御回路とを備え、どちらも同じ制御回路である。左PWM制御回路は左モータ駆動回路へスイッチングパルス信号を送り、右PWM制御回路は右モータ駆動回路へスイッチングパルス信号を送る。このように、PWM制御のスイッチングパルス信号がモータ駆動回路15へ左右それぞれ独立に送られる。
モータ駆動回路15は、左モータ駆動回路と右モータ駆動回路とを備えており、どちらも同じ回路構成である。左モータ駆動回路は左モータ12の回転を制御し、右モータ駆動回路は右モータ13の回転を制御する。モータ駆動回路15はPWM制御回路16から送られるPWM制御されたスイッチングパルス信号により、左モータ12および右モータ13に流れる電流をオン・オフ制御することで各モータが出力トルクTで回転する。このようにして、左モータ12は左後輪7を、右モータ13は右後輪8をそれぞれ独立に駆動する。
こうして出力トルクTで回転する駆動モータ11(左モータ12、右モータ13)の回転速度Vtを左エンコーダ22および右エンコーダ23がそれぞれ検出し、そのモータ回転速度信号が再びCPU17に入力される。回転速度Vtがレバーハンドル10からの操作力信号Ftに対する所定の回転数よりも低ければ、PWM制御のパルス幅を広げ、また、高ければPWM制御のパルス幅を狭めて帰還制御する。CPU17は、それに対応したデューティ比信号をPWM制御回路16に入力し、PWM制御回路16はモータ駆動回路15を制御し、モータ駆動回路15は左モータ12および右モータ13の回転速度Vを制御するものである。次に各構成部について詳細に説明する。
<制限電流判別部>
制限電流判別部25は、図2および図3に示すように、モータ駆動回路15から送られる駆動モータ11に流れる電流値がCPU17から送られる制限電流値を超えるか超えないかの判別を行う。電流計33で検出された電流値(モータ電流値と称す)がCPU17から送られた制限電流値以下である場合には、制限電流判別部25はPWM制御回路16に対してなにも作動しない。しかしながら、モータ電流値がCPU17から送られた制限電流値を超えている場合には、制限電流判別部25はPWM制御回路16に対して、CPU17から送られるデューティ比信号のデューティ比をパルス幅が小さくなるように変更するデューティ比変更信号をPWM制御回路16へ送る。どの程度、パルス幅を小さくするかは適宜設定すればよい。
<PWM制御回路>
PWM制御回路16は、図3に示すように、パルスを発生するパルス発生回路26と、CPU17から送られるデューティ比信号および制限電流判別部25から送られるデューティ比変更信号により、パルス発生回路26にて発生したパルスのデューティ比を変更するデューティ比変更回路27とを備える。すなわち、左PWM制御回路と右PWM制御回路とには、パルス発生回路26およびデューティ比変更回路27をそれぞれ備える。デューティ比変更回路27にデューティ比信号およびデューティ比変更信号が送られている時は、デューティ比信号によるデューティ比よりも小さいパルス幅のスイッチングパルス信号を生成する。デューティ比変更回路25にてデューティ比が変更されたスイッチングパルス信号はモータ駆動回路15へ送られる。
<モータ駆動回路>
モータ駆動回路15は、左モータ駆動回路および右モータ駆動回路それぞれに、図4に示すように、直流定電圧が出力される直流電源Vと、供給される電流により装置を走行させる駆動モータ11(左モータ12、右モータ13)と、駆動モータに流れるモータ電流を検出する電流計33と、FETトランジスタ等のスイッチング素子SW1〜SW4で構成されたHブリッジ回路と、各スイッチング素子SW1〜SW4と並列に接続されたダイオードD1〜D4と、各スイッチング素子SW1〜SW4をオン、オフするためのスイッチング素子駆動回路30とを備える。
スイッチング素子SW1とSW2とは、両端が直流電源Vと接続された通電線31に直列に接続されており、スイッチング素子SW3とSW4とは、両端が直流電源Vと接続された通電線32に直列に接続されている。すなわち、通電線31と通電線32とは互いに並列に接続されている。また、駆動モータ11と電流計33とが直列に、通電線31のスイッチング素子SW1とSW2との間、並びに通電線32のスイッチング素子SW3とSW4との間に接続されている。
このH型ブリッジ回路によれば、スイッチング素子SW1をオン状態、SW2とSW3とをオフ状態にして、SW4をPWM制御すれば、駆動モータ11を正転駆動することができる。また、スイッチング素子SW3をオン状態、SW1とSW4とをオフ状態にしてSW2をPWM制御すれば、駆動モータ11を逆転駆動することができる。
モータ駆動回路15内のスイッチング素子駆動回路30には、PWM制御回路16内のデューティ比変更回路25からスイッチングパルス信号が送られる。このスイッチングパルス信号に基づいてスイッチング素子駆動回路30から駆動信号が発せられてスイッチング素子SW1とSW4とがオン・オフ制御される。スイッチング素子SW1とSW4とがオン状態のときに、直流電源V、スイッチング素子SW1、モータ11、スイッチング素子SW4とで閉回路が形成されるのでモータの駆動電流Iaが流れて駆動モータ11が正回転して回診用X線撮影装置1が前方向へ加速する。
一方、回診用X線撮影装置1を後方へ走行させたい場合には、同様に、レバーハンドル10を後ろへ操作すると、スイッチング素子駆動回路30から駆動信号が発せられてスイッチング素子SW2とSW3とがオン状態、SW1とSW4とがオフ状態となり、上記駆動電流Iaとは逆方向の駆動電流が流れて駆動モータ11が逆回転して回診用X線撮影装置1が後方へ移動する。
次に、平地において発進する場合を説明する。平地において発進する場合、後輪6は停止しているので、左エンコーダ22および右エンコーダ23からCPU17へ入力されるモータ回転速度信号はゼロ・レベルである。これよりレバーハンドル10からの操作力信号Ftとモータ回転速度信号との差が大きいので、CPU17はパルス幅の大きなデューティ比を算出し、PWM制御回路16へデューティ比信号を送る。また、傾斜検出回路24からCPU17に入力される傾斜信号は、平地であるのでゼロ・レベルであり、この入力信号に基づいた制限電流値が制限電流判別部25へ送られる。
PWM制御回路16は、CPU17が算出したデューティ比に基づき、生成したパルスのデューティ比を変更し、デューティ比の変更されたスイッチングパルス信号をモータ駆動回路15へ送る。モータ駆動回路15では送られたスイッチングパルス信号をもとに、スイッチング素子がオン・オフ制御されモータ駆動電流Iaが流れる。モータ駆動電流Iaが流れると、直ちに電流計33により駆動モータ11に流れる電流値が検出され、検出されたモータ電流値は制限電流判別部25へ送られる。
制限電流判別部25では、送られたモータ電流値と制限電流値とを比較する。モータ電流値が制限電流値を超えていることを判別した場合、デューティ比変更信号をPWM制御回路16へ送る。PWM制御回路16では、制限電流判別部25からデューティ比変更信号が送られると、CPU17から送られるデューティ比信号によるデューティ比よりもパルス幅が小さくなるようにデューティ比が変更されたスイッチングパルス信号がモータ駆動回路15へ送られる。
このように、平地発進時には、制限電流値を超えるモータ駆動電流が一瞬の間、駆動モータ11に流れるものの、直ちに制限電流値以下の電流が駆動モータ11に流れるように変更されるので、モータの過大な出力トルクを防止した発進となり、急加速をしないので操作者は安心して回診用X線撮影装置を発進することができる。
次に、回診用X線撮影装置1が上り坂を走行する場合を説明する。この場合には、傾斜検出回路24は上り坂であることを検出し、上り坂であることを示す傾斜信号をCPU17に送る。CPU17は、送られた傾斜信号より検出された傾斜角度に応じて制限電流値を算出する。算出された制限電流値は制限電流判別部25へ送られる。つまり、上り坂では平地よりも制限電流値が大きくなる。これより、モータ駆動回路15へは、平地走行時よりも大きい駆動電流Iaを駆動モータ11へ流すことができるので、平地走行時に比べて駆動モータ11の出力トルクTが大きくなり、快適に上り坂を走行することができる。
また、回診用X線撮影装置1が下り坂を走行する場合には、傾斜検出回路24は下り坂であることを検出し、下り坂であることを示す傾斜信号をCPU17に送る。CPU17は、送られた傾斜信号により検出された傾斜角度に応じて制限電流値を算出する。算出された制限電流値は制限電流判別部25へ送られる。つまり、下り坂では平地よりも制限電流値が小さくなる。これより、モータ駆動回路15へは、平地走行時よりも小さい駆動電流Iaしか駆動モータ11へ流すことができないので、平地走行時に比べて駆動モータ11の出力トルクTが抑えられ、不用意に下り坂を急加速することがないので安心して下り坂を走行することができる。
このように、実施例1の回診用X線撮影装置によれば、登坂時には制限電流値が大きいので、駆動モータ11に大きな駆動電流Iaを流すことができ、駆動モータ11の出力トルクTを大きくすることができる。一方、平地や下り坂の走行時には制限電流値が小さいので、駆動モータ11に大きな駆動電流Iaを流すことができず、駆動モータ11に過大なトルクが発生するのを防ぐことができる。これより、登坂時には滑らかな加速をすることができ、平地や下り坂の走行時には、急加速をしないので操作者にとって走行しやすい。また、傾斜角度により制限電流値を変更することができるので、傾斜の大小にかかわらず同じ走行性とすることもできる。
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。
図5は回診用X線撮影装置の構成を示すブロック図であり、図6および図7は制限電流値の変動を示す説明図である。実施例1と同様の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施例1と実施例2との違いは、実施例1では制限電流値を路面の傾斜角度により決定していたのを、実施例2では制限電流値に閾値を設け、この閾値とモータ電流値との関係から制限電流値を決定する構成である。以下にその詳細を説明する。
実施例2における回診用X線撮影装置41では、図5に示すように、実施例1とは違い傾斜検出回路を備えていない。また、モータ駆動回路15の電流計33にて検出されたモータ電流値は、CPU42へも送られる。CPU42は時刻tにおける制限電流値CL(t)よりも小さい閾値Ct1を、係数αを用いて下式のように算出する。
Ct1=CL(t)×α ,(0<α<1) … (1)
さらに、次の時刻(t)における制限電流値CL(t)を、検出されたモータ電流値Cdと閾値Ctとの差だけ時刻t時の制限電流値CL(t)に加算した値とするので下式が成立する。
CL(t)=CL(t)+(Cd−Ct) … (2)
また、次の時刻(t)における閾値Ctを、モータ電流値Cdと閾値Ctとの差に係数αを乗算した値を時刻t時の閾値Ctに加算した値とするので、下式が成立する。
Ct=Ct+α×(Cd−Ct) … (3)
(3)式は、(1)式と(2)式からも算出される。
また、(2)式および(3)式におけるモータ電流値Cdは電流計33が検出したモータ電流値の時間T間の平均値とする。これは閾値以上の電流が流れてから制限電流値を変えるまでの間、一定の時間を空けることと等価である。これより、制限電流値が急激に変化することを防ぐことができる。CPU42は、モータ駆動回路15より送られるモータ電流値の時間T間における平均値も算出する。この時間T間における平均値は移動平均値として算出してもよい。
CPU42は、(2)式で得られた制限電流値を制限電流判別部43へ送り、制限電流判別部43は、制限電流値CL(t)とモータ電流値とを比較して、モータ電流値が制限電流値を超えるときには、デューティ比変更信号をPWM制御回路16へ送る。
実施例2の構成によれば、図6(a)に示すように、登坂時などモータ電流値が増加傾向にある場合、時間間隔T間に移動平均されたモータ電流値Cdと閾値Ctとの差の分ΔCL(=Cd−Ct)だけ、図6(b)に示すように、時刻t時の制限電流値に加算する。また、α×ΔCLだけ、時刻t時の閾値に加算する。登坂時などモータ電流値が増加傾向にある場合には、モータ電流値が閾値を超えて、Cd>Ctとなり、ΔCLの符号はプラスになる。これより、制限電流値の上限が引き上げられるので、駆動モータ11(左モータ12、右モータ13)にさらに駆動電流Iaを流すことができ、駆動モータ11の出力トルクを上げることができる。
また、図7(a)に示すように、上り坂を登りきった後の平地走行時や、下降時などモータ電流値が減少傾向にある場合には、時間間隔T間に移動平均されたモータ電流値Cdと閾値Ctとの差の分ΔCL(=Cd−Ct)だけ、図7(b)に示すように、制限電流値に加算される。また、α×ΔCLだけ、時刻t時の閾値に加算する。モータ電流値が減少傾向にある場合、Cd<CtとなりΔCLの符号はマイナスになる。これより、制限電流値の上限が引き下げられるので、駆動モータ11に流すことのできる駆動電流Iaがより制限され、急加速するのを防ぐことができる。
このように、傾斜検出回路の代わりにモータ電流値に応じて制限電流値を変化させた場合でも、登坂時の走行をスムースにすることができる。また、実施例2による制限電流値の算出方法であると、登坂走行が終わり、駆動モータ11に流れる駆動電流Iaが小さくなった場合でも、それに合わせて制限電流値が小さくなる。これより、登坂走行終了時の平地や下り坂での走行においても、急加速することがない。また、平地や下り坂走行時にも加速開始直後に突入電流として大きな電流が流れるが、モータ電流値を移動平均値として制限電流値を算出するので、制限電流値の急激な変化を抑制することができる。これより、駆動モータ11に流れる駆動電流Iaも急激に変わることが無いので、回診用X線装置41の急な加速を防ぐことができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。
図8は回診用X線撮影装置の構成を示すブロック図であり、図9はモータ駆動回路を示す回路図である。実施例1と同様の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施例1と実施例3との違いは、実施例1では駆動モータ11に流れる電流をPWM制御していたのを、実施例3では、駆動モータ11に直流定電圧を供給する直流電源Vをパルス振幅変調(Pulse Amplitude Modulation)制御(以下、PAM制御と称す)することで、駆動モータ11に流れる電流を制御する構成である。実施例1と異なる構成部分を以下に説明する。
回診用X線撮影装置51に備えられたCPU52は、左圧力センサ18および右圧力センサ19からの前進、後退の操作力信号Ft(左操作力信号20、右操作力信号21)に比例したPAM制御の振幅を算出し、PAM振幅信号を左右それぞれ独立にPAM制御回路54へ送る。また、CPU52は、傾斜検出回路24からの傾斜信号を基に、傾斜角度に応じた制限電流値を算出し、この制限電流値を制限電流判別部53へ送る。CPU52は本発明における演算部に相当する。
PAM制御回路54は、CPU52から送られたPAM振幅信号を基に、直流電源Vからモータ駆動回路55へ供給する電圧値が決められ、モータ駆動回路55をPAM制御する。また、PAM制御回路54には、左PAM制御回路と右PAM制御回路とを備え、どちらも同じ制御回路である。左PAM制御回路は左モータ駆動回路へPAM制御した電圧を供給し、右PAM制御回路は右モータ駆動回路へPAM制御した電圧を供給する。このように、PAM制御された電圧がモータ駆動回路55へ左右それぞれ独立に送られる。
モータ駆動回路55は、左モータ駆動回路と右モータ駆動回路とを備えており、どちらも同じ回路構成である。モータ駆動回路55はPAM制御回路54から送られるPAM制御された電圧により、左モータ12および右モータ13に流れる電流を制御することで各モータが出力トルクTで回転する。
こうして出力トルクTで回転する駆動モータ11(左モータ12、右モータ13)の回転速度Vtを左エンコーダ22および右エンコーダ23がそれぞれ検出し、そのモータ回転速度信号が再びCPU52に入力される。回転速度Vtがレバーハンドル10からの操作力信号Ftに対する所定の回転数よりも低ければ、PAM制御の振幅を広げてモータ駆動回路55へ供給する電圧値を上げ、また、高ければPAM制御の振幅を狭めてモータ駆動回路55へ供給する電圧値を下げる帰還制御をする。CPU52は、それに対応したPAM振幅信号をPAM制御回路54に入力し、PAM制御回路54はモータ駆動回路55をPAM制御し、モータ駆動回路55は左モータ12および右モータ13の回転速度Vを制御するものである。
制限電流判別部53は、図8および図9に示すように、モータ駆動回路55から送られる駆動モータ11に流れる電流値がCPU52から送られる制限電流値を超えるか超えないかの判別を行う。モータ電流値がCPU52から送られた制限電流値以下である場合には、制限電流判別部53はPAM制御回路54に対してなにも作動しない。しかしながら、モータ電流値がCPU52から送られた制限電流値を超えている場合には、制限電流判別部53はPAM制御回路54に対して、CPU52から送られるPAM制御の振幅が小さくなるように変更するPAM振幅変更信号をPAM制御回路54へ送る。どの程度、振幅を小さくするかは適宜設定すればよい。
モータ駆動回路55は、図9に示すように、供給される電流により装置を走行させる駆動モータ11と、駆動モータに流れるモータ電流を検出する電流計33と、FETトランジスタ等のスイッチング素子SW1〜SW4で構成されたHブリッジ回路と、各スイッチング素子SW1〜SW4と並列に接続されたダイオードD1〜D4と、各スイッチング素子SW1〜SW4をオン、オフするためのスイッチング素子駆動回路56とを備える。
スイッチング素子SW1とSW2とは、両端がPAM制御回路54と接続された通電線31に直列に接続されており、スイッチング素子SW3とSW4とは、両端がPAM制御回路54と接続された通電線32に直列に接続されている。
このH型ブリッジ回路によれば、スイッチング素子SW1とSW4をオン状態、SW2とSW3とをオフ状態にして、PAM制御すれば、駆動モータ11を正転駆動することができる。また、スイッチング素子SW3とSW2をオン状態、SW1とSW4とをオフ状態にしてPAM制御すれば、駆動モータ11を逆転駆動することができる。
モータ駆動回路55内のスイッチング素子駆動回路56には、レバーハンドル10の前又は後ろへの移動に伴い、CPU52からスイッチング信号が送られる。このスイッチング信号に基づいてスイッチング素子駆動回路56から駆動信号が発せられてスイッチング素子SW1とSW4とがオン・オフ制御される。スイッチング素子SW1とSW4とがオン状態のときに、PAM制御回路54、スイッチング素子SW1、モータ11、スイッチング素子SW4とで閉回路が形成されるのでモータの駆動電流Iaが流れて駆動モータ11が正回転して回診用X線撮影装置1が前方向へ加速する。
一方、回診用X線撮影装置1を後方へ走行させたい場合には、同様に、レバーハンドル10を後ろへ操作すると、スイッチング素子駆動回路56から駆動信号が発せられてスイッチング素子SW2とSW3とがオン状態、SW1とSW4とがオフ状態となり、上記駆動電流Iaとは逆方向の駆動電流が流れて駆動モータ11が逆回転して回診用X線撮影装置1が後方へ移動する。
次に、平地において発進する場合を説明する。平地において発進する場合、レバーハンドル10からの操作力信号Ftとモータ回転速度信号との差が大きいので、CPU52はPAM制御の大きな振幅を算出し、PAM制御回路54へPAM振幅信号を送る。また、傾斜検出回路24からCPU52に入力される傾斜信号は、平地であるのでゼロ・レベルであり、この入力信号に基づいた制限電流値が制限電流判別部53へ送られる。
PAM制御回路54は、CPU52が算出したPAM制御の振幅に基づき、直流電源Vから供給される電圧をPAM制御して、モータ駆動回路55への供給電圧を制御する。モータ駆動回路55ではPAM制御された電圧が供給されることでモータ駆動電流Iaが流れる。モータ駆動電流Iaが流れると、直ちに電流計33により駆動モータ11に流れる電流値が検出され、検出されたモータ電流値は制限電流判別部53へ送られる。
制限電流判別部53では、送られたモータ電流値と制限電流値とを比較する。モータ電流値が制限電流値を超えていることを判別した場合、PAM振幅変更信号をPAM制御回路54へ送る。PAM制御回路54では、制限電流判別部53からPAM振幅変更信号が送られると、CPU52から送られるPAM振幅信号によるパルス振幅よりも小さくなるようにパルス振幅が変更された電圧がモータ駆動回路55へ送られる。
このように、平地発進時には、制限電流値を超えるモータ駆動電流が一瞬の間、駆動モータ11に流れるものの、直ちに制限電流値以下の電流が駆動モータ11に流れるように変更されるので、モータの過大な出力トルクを防止した発進となり、急加速をしないので操作者は安心して回診用X線撮影装置を発進することができる。
次に、回診用X線撮影装置51が上り坂を走行する場合を説明する。この場合には、傾斜検出回路24は上り坂であることを検出し、上り坂であることを示す傾斜信号をCPU52に送る。CPU52は、送られた傾斜信号より検出された傾斜角度に応じて制限電流値を算出する。算出された制限電流値は制限電流判別部53へ送られる。つまり、上り坂では平地よりも制限電流値が大きくなる。これより、モータ駆動回路55へは、平地走行時よりも大きい駆動電流Iaを駆動モータ11へ流すことができるので、平地走行時に比べて駆動モータ11の出力トルクTが大きくなり、快適に上り坂を走行することができる。
また、回診用X線撮影装置51が下り坂を走行する場合には、傾斜検出回路24は下り坂であることを検出し、下り坂であることを示す傾斜信号をCPU52に送る。CPU52は、送られた傾斜信号により検出された傾斜角度に応じて制限電流値を算出する。算出された制限電流値は制限電流判別部53へ送られる。つまり、下り坂では平地よりも制限電流値が小さくなる。これより、モータ駆動回路55へは、平地走行時よりも小さい駆動電流Iaしか駆動モータ11へ流すことができないので、平地走行時に比べて駆動モータ11の出力トルクTが抑えられ、不用意に下り坂を急加速することがないので安心して下り坂を走行することができる。
このように、実施例3の回診用X線撮影装置によれば、登坂時には制限電流値が大きいので、駆動モータ11に大きな駆動電流Iaを流すことができ、駆動モータ11の出力トルクTを大きくすることができる。一方、平地や下り坂の走行時には制限電流値が小さいので、駆動モータ11に大きな駆動電流Iaを流すことができず、駆動モータ11に過大なトルクが発生するのを防ぐことができる。これより、登坂時には滑らかな加速をすることができ、平地や下り坂の走行時には、急加速をしないので操作者にとって走行しやすい。また、傾斜角度により制限電流値を変更することができるので、傾斜の大小にかかわらず同じ走行性とすることもできる。
また、実施例3では、制限電流値を路面の傾斜角度により算出していたのを、実施例2のように制限電流値に閾値を設け、この閾値とモータ電流値との関係から制限電流値を算出する構成でもよい。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、制限電流判別部25において制限電流値を超えるモータ電流値が検出されると、デューティ比変更信号がPWM制御回路16に送られて、CPU17、42から送られるデューティ比信号に基づいたデューティ比のパルス幅よりもパルス幅を小さくしたデューティ比のスイッチングパルス信号がPWM制御回路16からモータ駆動回路15へ送られていた。このように制御する代わりに、デューティ比変更信号によりパルス幅をゼロに変更して、スイッチングパルス信号の送信を停止する制御でもよい。
駆動モータ11にモータ駆動電流Iaが流れなくても、駆動モータ11は慣性回転するので回診用X線撮影装置が惰性走行する。また、制限電流判別部25、43はモータ電流値がゼロになり、制限電流値よりも下回ったことを判別すると、再び、デューティ比信号に基づいたデューティ比のスイッチングパルス信号の送信を再開するのでモータ駆動電流Iaが流れる。このように制御することで、平地走行時や下り坂走行時において、急加速を防ぐことができる。
(2)上述した実施例ではモータに流れる電流値の検出手段として電流計を採用したが、これに限らず、電流検出回路として検出してもよい。これより、駆動モータ11に流れる電流値をより高精度に検出することができるので、精度のよいモータ制御をすることができる。
(3)上述した実施例では、PWM制御をすることで、スイッチング素子のオン・オフ制御を実施していたが、これに限らず、パルス数変調(Pulse Number Modulation)制御(以下PNM制御と称す)することで、スイッチング素子のオン・オフ制御をしてもよい。
(4)上述した実施例では、PWM制御、PNM制御またはPAM制御をすることで、駆動モータ11に流れる電流の制御を実施していたが、これに限らず、PWM制御、PNM制御、およびPAM制御の2つ以上を併用して駆動モータ11に流れる電流の制御をしてもよい。駆動モータ11の回転数によって、PWM制御、PNM制御、およびPAM制御とを使い分けることで、駆動モータ11を効率よく駆動制御することができる。
1、51 … 回診用X線撮影装置
6 … 後輪
7 … 左後輪
8 … 右後輪
11 … 駆動モータ
12 … 左モータ
13 … 右モータ
14、55 … モータ駆動回路
15 … PWM制御回路
16、52 … CPU
17 … 右圧力センサ
18 … 左圧力センサ
21 … 左エンコーダ
22 … 右エンコーダ
24 … 傾斜検出手段
25、53 … 制限電流判別部
33 … 電流計
54 … PAM制御回路

Claims (7)

  1. 回診用X線撮影装置であって、
    互いに独立に駆動される一対の車輪と、
    前記車輪を駆動するモータと、
    前記モータを駆動制御するモータ駆動制御回路と、
    前記モータに流れる電流値を検出する電流検出手段と、
    前記回診用X線撮影装置の走行状態に応じて前記モータに流す電流の上限値である制限電流値を算出する演算部と、
    前記制限電流値と前記モータに流れる電流値とを比較する制限電流判別部とを備え、
    前記モータに流れる電流値が前記制限電流値を超えたことを前記制限電流判別部が判別した場合、
    前記モータ駆動制御回路は前記モータ電流値が前記制限電流値を超えないように制御する
    ことを特徴とする回診用X線撮影装置。
  2. 請求項1に記載の回診用X線撮影装置において、
    前記モータ駆動制御回路は、
    前記モータを駆動するモータ駆動回路と、
    前記モータに流れる電流をパルス幅変調制御するパルス信号を前記モータ駆動回路へ送るパルス幅変調制御回路とを備え、
    前記モータに流れる電流値が前記制限電流値を超えたことを前記制限電流判別部が判別した場合、前記パルス幅変調制御回路は前記パルス信号のパルス幅を変調して前記モータ電流値が前記制限電流値を超えないように制御する
    ことを特徴とする回診用X線撮影装置。
  3. 請求項1に記載の回診用X線撮影装置において、
    前記モータ駆動制御回路は、
    前記モータを駆動するモータ駆動回路と、
    前記モータ駆動回路に印加する電圧をパルス振幅変調制御するパルス振幅変調制御回路とを備え、
    前記モータに流れる電流値が前記制限電流値を超えたことを前記制限電流判別部が判別した場合、前記パルス振幅変調制御回路は前記モータに印加する電圧をパルス振幅変調制御して前記モータ電流値が前記制限電流値を超えないように制御する
    ことを特徴とする回診用X線撮影装置。
  4. 請求項1から3いずれか1つに記載の回診用X線撮影装置において、
    前記回診用X線撮影装置の傾斜状態を検出する傾斜検出手段を備え、
    前記演算部は、前記傾斜検出手段により検出された傾斜情報より前記制限電流値を算出する
    ことを特徴とする回診用X線撮影装置。
  5. 請求項1から3いずれか1つに記載の回診用X線撮影装置において、
    前記演算部は、前記制限電流値に閾値を設定しつつ、
    前記モータに流れる電流値と前記閾値との差を前記制限電流値に加算したものを新たな制限電流値とする
    ことを特徴とする回診用X線撮影装置。
  6. 請求項5に記載の回診用X線撮影装置において、
    前記演算部は、前記制限電流値に予め決められた係数を乗算して前記閾値を設定する
    ことを特徴とする回診用X線撮影装置。
  7. 請求項5または6に記載の回診用X線撮影装置において、
    前記演算部は、前記モータに流れる電流値を所定周期毎に平均した値として前記閾値との差を算出する
    ことを特徴とする回診用X線撮影装置。
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