JP2010202700A - 気相重合装置、重合体の製造方法および閉塞検知方法 - Google Patents

気相重合装置、重合体の製造方法および閉塞検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】移送管内に閉塞が生じているか否かを検出することができる気相重合装置を提供する。
【解決手段】オレフィンを気相重合する気相重合槽1と、気相重合槽1にて気相重合されたオレフィンの重合体を入れるためのホッパー2と、気相重合槽1およびホッパー2を連結する移送管3と、移送管3の温度を測定する温度計4とを備えるので、移送管3内に生じる閉塞を検出することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、オレフィン等の気相重合装置において移送管内の閉塞を検知する気相重合装置、重合体の製造方法および閉塞検知方法に関するものである。
流動床式反応器を用いたオレフィンの重合法では、オレフィン重合体の塊または板状物等の塊状物が流動床式反応器内に発生することがあり、流動床式反応器からオレフィン重合体の粒子を抜き出すとき、塊状物が抜き出し配管を閉塞させる。このため、製品の抜き出し不良により重合停止が生じることがあり、重合による発熱と除熱とのバランスがくずれて重合温度が制御不良となり、重合停止に至ることもある。
塊状物の発生等の気相重合槽における異常を検知する方法として、例えば、特許文献1,2には、流動層型重合器の外殻表面の温度分布を温度測定装置により測定する方法が記載されている。
特開平11−189603号公報(1999年7月13日公開) 特開平11−193302号公報(1999年7月21日公開)
しかしながら、流動床式等の気相重合反応器においては、原料を重合した後、当該反応器から下流の気相重合槽またはホッパー等へ移送する移送管内に生じる重合体の塊状物によって移送管が閉塞され、重合が停止することがあり、移送管の閉塞を防止することが求められていた。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、移送管内に閉塞が生じているか否かを検出することができる気相重合装置を提供することにある。
本発明に係る気相重合装置は、上記課題を解決するために、オレフィンを気相重合する気相重合槽と、上記オレフィンの重合体を入れるための容器と、上記気相重合槽および上記容器を連結する移送管と、上記移送管の温度を測定する温度測定手段とを備える。
また、本発明に係る気相重合装置において、上記温度測定手段は上記移送管の外壁面の温度を測定する手段であることが好ましい。
また、本発明に係る気相重合装置において、上記移送管は、上記移送管内を洗浄するための気体を上記移送管内に供給する供給口を、上記気相重合槽と上記温度測定手段によって測定する位置との間に備えることが好ましい。
本発明に係る重合体の製造方法は、上記課題を解決するために、本発明に係る気相重合装置を用いてオレフィンの重合体を製造する方法であって、オレフィンを気相重合する気相重合工程と、重合した上記オレフィンの重合体を、上記移送管を介して上記容器に移送するとともに、上記移送管の温度を測定する移送工程とを包含する。
また、本発明に係る重合体の製造方法において、上記移送管は、上記移送管内を洗浄するための気体を上記移送管内に供給する供給口を、上記気相重合槽と上記温度測定手段によって測定する位置との間に備えるものであり、上記移送工程において、上記気相重合工程における重合温度よりも低い温度の上記気体を、上記供給口から上記移送管に供給することが好ましい。
さらに、本発明に係る重合体の製造方法において、上記気体は、エチレン、水素、窒素または上記気相重合槽における未反応の原料ガスであることが好ましい。
また、本発明に係る重合体の製造方法において、上記移送工程では、上記重合体を、上記気相重合槽および上記容器の内部の圧力差によって移送することが好ましい。
本発明に係る閉塞検知方法は、上記課題を解決するために、本発明に係る気相重合装置において、上記移送管内の閉塞を検知する方法であって、上記移送管を介して上記重合体を移送しているとき、上記温度測定手段を用いて測定した上記移送管の温度が、予め設定した温度より低くなるか否かによって、当該移送管に閉塞が生じているか否かを検知する。
本発明によれば、移送管内に閉塞が生じているか否かを検出することができる。
本発明の一実施形態に係る気相重合装置100の概略構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る気相重合装置100の移送管3の構成を示す図である。
本発明の一実施形態について図1、2に基づいて説明すると、以下の通りである。
(気相重合装置100の構成)
まず、図1を参照して本実施形態に係る気相重合装置100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る気相重合装置100の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、気相重合装置100は、気相重合槽1と、ホッパー(容器)2と、移送管3と、温度計(温度測定手段)4とを備えている。
気相重合装置100はオレフィンの重合体を製造する装置であり、移送管3を介して当該重合体を気相重合槽1から下流のホッパー2へ移送するとき、移送管3の温度を測定する温度計4を備えている。
すなわち、気相重合装置100では、まず、気相重合槽1に原料のオレフィンを投入して気相重合する。次に、重合反応により生成したオレフィンの重合体は、気相重合槽1から抜き出し、移送管3を介してホッパー2へ移送する。このとき、本実施形態に係る気相重合装置100によれば、温度計4によって移送管3の温度を測定しているので、移送管3内に閉塞が生じているか否かを検出することができる。なお、閉塞の有無を検出する方法の詳細については後述する。
ここで、閉塞とは、移送管3の内部が塊等によって塞がれた状態が意図される。なお、本実施形態において、当該塊とは、オレフィンの重合体が凝固・固化することによって生じる塊状物が意図される。
オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテン等が挙げられる。また、オレフィンは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
オレフィンの組み合わせの例としては、例えば、エチレンとプロピレン、エチレンと1−ブテン、エチレンと1−ヘキセン、エチレンと4−メチル−1−ペンテン、エチレンと1−オクテン、プロピレンと1−ブテン、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセン、およびエチレンと1−ブテンと4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、この組み合わせによって共重合体を形成することができる。その中でも、オレフィンの共重合体としては、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であることが特に好ましく、ポリエチレン結晶構造を有するエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体がさらに好ましい。
α−オレフィンとしては、炭素原子数3〜8のα−オレフィンであることがより好ましく、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテン等が挙げられる。
ここで、重合とは、単独重合および共重合を包含するものであり、重合体は単独重合体および共重合体を包含することが意図される。
気相重合槽1は、オレフィンを気相重合する槽である。気相重合槽1としては、例えば、特開昭58−201802号公報、特開昭59−126406号公報、特開平2−233708号公報、特開平4−234409号公報、特開平7−62009号公報等に記載の、公知の気相流動床式反応器を用いればよい。
気相重合槽1の構成としては、図1に示すように、例えば、オレフィン、触媒等のガスまたは循環ガスを導入するガス導入口15、導入されたガスを分散させるガス分散板13、重合したオレフィンの重合体を抜き出す抜き出し口14、重合に未反応であったガスを排出するガス排出口16、および排出したガスを循環させるガス循環ライン10を備えていてもよい。
ホッパー2は、気相重合によって生成したオレフィンの重合体を入れるための容器である。すなわち、気相重合槽1において重合したオレフィンの重合体が、移送管3を介して導入される槽である。ホッパー2としては、図1に示すように、導入された重合体を一時貯蔵するホッパーであればよいが、例えば、引き続き気相重合を行なう気相重合装置の場合、ホッパー2の代わりに気相重合槽を用いてもよい。
移送管3は、気相重合槽1およびホッパー2を連結し、気相重合槽1における気相重合によって生成したオレフィンの重合体をホッパー2へ移送する。すなわち、移送管3は気相重合槽1の抜き出し口14から抜き出された重合体を移送し、下流のホッパー2に設けられた受け入れ口21から導入する。移送管3の数は、例えば、本実施形態において示すように3本であればよいが、1本または複数であってもよい。
本実施形態において、移送管3は、移送管3内を洗浄するための気体(以下、本発明に係る気相重合装置が備える移送管内を洗浄するための気体を「洗浄ガス」という。)を移送管3内に供給する供給口を、気相重合槽1と温度計4によって測定する位置との間に備えることが好ましい。これによれば、移送管3内に閉塞が生じているか否かをより迅速に検知することができるとともに、供給口から供給した洗浄ガスによって、移送管3内に生じている重合体の塊状物を取り除くことができる。
温度計4は、重合体を移送しているときの移送管3の温度を測定する。本実施形態において、温度計4は移送管3の外壁面の温度を測定することが好ましい。これによれば、移送管3の外壁面の温度を測定することにより、移送管3の内部に閉塞が生じているか否かを検知することができる。温度計4としては、例えば、熱電対式温度計、放射温度計、抵抗温度計等が挙げられる。ここで、本実施形態の移送管3および温度計4について、図2を参照して詳細に説明する。
(移送管3および温度計4)
図2は、本実施形態に係る気相重合装置100の移送管3の構成を示す図である。上述したように、気相重合装置100は移送管3、特に移送管3の外壁面の温度を測定するための温度計4を備えている。これによれば、移送管3の内部に閉塞が生じているか否かを検知することができる。
例えば、気相重合槽1において生成した重合体を抜き出し、移送管3を介してホッパー2へ送るとき、移送管3の内部に閉塞が生じていなければ、移送管3の温度は気相重合槽1における重合温度に近い値となる。
これに対し、例えば、移送管3の内部において重合体が塊状化して塊を形成していると、移送管3内が閉塞して重合体が流れなくなる。その結果、閉塞が生じている位置よりも下流には重合体が流れないため、当該位置付近における移送管3の温度は重合温度よりも著しく低下する。
本実施形態に係る気相重合装置100によれば、移送管3の外壁面の温度を測定する温度計4を備えているため、温度計4によって測定した移送管3の温度が、予め設定した温度より低くなるか否かによって、移送管3に閉塞が生じているか否かを検知することができる。
ここで、予め設定した温度とは、移送管3に閉塞が生じているか否かを判断するために設定した温度が意図される。例えば、事前に何回か気相重合装置100を用いてオレフィンの重合体を製造し、そのとき移送管3内に閉塞が生じた温度を特定して、その平均値を当該温度と設定すればよい。
よって、移送管3の温度が予め設定した温度よりも低くなれば、移送管3内に塊が存在し、閉塞が生じていると判断することができる。これにより、閉塞が生じている移送管3を交換または清掃等することによって、重合反応を停止させることなく、気相重合装置100の運転を継続することができる。
温度計4は、例えば移送管3の外壁面に直接設置すればよく、またセンサ等を移送管3の外壁面に取り付けて遠隔で測定してもよい。また、温度計4によって測定する箇所は、例えば、1箇所であればよく、複数であってもよい。
温度計4によって測定する位置としては、移送管の長さ等によって適宜設定すればよいが、例えば、移送管の長さが5〜50mの場合、気相重合槽1の抜き出し口14よりも0.5m先から、ホッパー2の受け入れ口21よりも0.5m手前の範囲(図2中Aで示す範囲)内に位置することが好ましく、抜き出し口14から2mに位置することがより好ましい。この位置で測定すれば、特に閉塞が生じ易い位置における移送管3の温度を測定することができるため、閉塞を検知し易い。
また、上述したように、移送管3には移送管3内を洗浄するための洗浄ガスを供給するための供給口31を、気相重合槽1と温度計4によって測定する位置との間に備えることが好ましい。
例えば、洗浄ガスを供給口31から移送管3に供給すると、当該洗浄ガスは供給口31よりも下流へと流れる。このとき、供給口31からは気相重合槽1における重合温度よりも低い温度の洗浄ガスを供給する。そのため、移送管3内の閉塞が供給口31よりも気相重合槽1側に生じている場合、温度計4によって測定している箇所の移送管3内部は、ほとんど供給した洗浄ガスに占められる。よって、温度計4の測定値は重合温度よりも低い値を示すことになり、移送管3に閉塞が生じていることをより明確に検知することができる。
一方、移送管3内の閉塞が供給口31よりもホッパー2側に生じている場合、洗浄ガスの圧力によって移送管3に滞留している重合体を払い出すことができる。
洗浄ガスとしては、例えば、エチレン、水素、窒素または気相重合槽1における未反応の原料ガスであることが好ましい。これらの気体を洗浄ガスとして用いれば、例えば、ホッパー2が次工程の気相重合槽である場合、当該洗浄ガスを次工程の気相重合において使用することができる。また、洗浄ガスの温度は、気相重合槽1における重合温度よりも低ければよいが、例えば、−10〜50℃であることが好ましい。次に、本実施形態に係る気相重合装置100を用いた重合体の製造方法について説明する。
(重合体の製造方法)
本実施の形態に係る重合体の製造方法は、主に、気相重合工程および移送工程を包含すればよい。
気相重合工程とは、オレフィンを気相重合する工程である。
移送工程とは、重合したオレフィンの重合体を、移送管3を介してホッパー2に移送するとともに、移送管3の温度を測定する工程である。
本実施形態に係る重合体の製造方法によれば、まず、気相重合槽1に原料のオレフィンを導入し、気相重合させて重合体を生成する。次に、生成した重合体を抜き出し口14から移送管3へ抜き出し、ホッパー2へ移送する。ここで、上述したように、気相重合装置100には移送管3の温度を測定する温度計4が設けられており、重合体を移送する移送管3の温度を温度計4によって測定する。これにより、温度計4を用いて測定した移送管3の温度が、予め設定した温度より低くなるか否かによって、移送管3に閉塞が生じているか否かを検知する。
ここで、本実施形態に係る気相重合装置100を用いて重合体を製造する一連の流れについて説明する。なお、以下に示す気相重合槽1における気相重合はほんの一例であり、例えば従来公知の気相重合方法を用いて重合体を生成すればよい。
本実施形態に係る重合体の製造方法では、まず、気相重合槽1内の温度および圧力を後述する重合条件に従って設定する。次に、主原料のオレフィンガスと水素とを循環ガスライン10から投入するとともに、触媒も投入する。投入したオレフィンガス等は、上昇して流動床を形成しながら重合反応する。その後、重合反応によって生成したオレフィンの重合体を気相重合槽1の下方に設けられた抜き出し口14から抜き出す。
ここで、流動床を通過した重合に未反応であったオレフィンガス(以下、未反応ガスという)は、気相重合槽1の上方部に位置する減速領域において流速が減速される。この未反応ガスを、気相重合槽1の上部に設けられたガス排出口16から循環ガスライン10へ排出し、循環ガスライン10を通して気相重合槽1のガス分散板13よりも下部に設けられたガス導入口15へ移送する。
このとき、未反応ガスを気相重合槽1に導入する前に、当該ガスが保有する重合反応熱を下げる必要がある。そのため、未反応ガスを循環ガスライン10に設けられた熱交換器12によって冷却し、コンプレッサー11によって圧縮した後に、ガス導入口15から導入する。このように、気相重合槽1に導入された未反応ガスは、再び重合反応に用いることができる。
次に、抜き出し口14から抜き出した重合体を、移送管3を介してホッパー2へ移送する。このとき、移送管3では、重合体を気相重合槽1およびホッパー2の内部の圧力差によって移送することが好ましい。これによれば、簡易な設備で効果的に重合体を移送することができる。
また、重合体の移送は、例えば連続的または間歇的に行なえばよいが、連続的に移送することがより好ましい。これによれば、重合体を間歇的に移送する場合と比較して、移送管3内に重合体が滞留するのを防ぐことができる。そのような移送方法としては、例えば、特開2001−139605号公報、特表2002−530441号公報または特開2008−143929号公報に記載の方法を用いて行なえばよい。
また、本実施形態において、移送管3を介して重合体を移送しているとき、気相重合槽1における重合温度よりも低い温度の洗浄ガスを、供給口31から移送管3に供給することが好ましい。これによれば、供給口31からは重合温度よりも低い温度の洗浄ガスを供給するので、例えば、移送管3内に閉塞が生じている場合には、迅速に移送管3内の温度を下げ、閉塞を検知することができる。
なお、気相重合反応における重合条件は、例えば公知の重合条件であってもよい。すなわち、気相重合槽1内の圧力は、オレフィンの全体または少なくとも一部が気相として存在し得る範囲内であればよく、例えば、0.1〜5.0MPaであってもよいが、1.5〜3.0MPaであることがより好ましい。また、気相重合槽1内の温度は、使用する触媒、気相重合槽1内の圧力、重合するオレフィンの種類等によって適宜選択すればよく、例えば、30〜110℃であってもよい。また、気相重合槽1内を循環する循環ガスの流速は、例えば、10〜100cm/秒であってもよいが、20〜70cm/秒であることがより好ましい。また、当該循環ガスには、水素または不活性ガスを共存させてもよい。
ここで、本明細書において、循環ガスとは、オレフィンガスを含む、気相重合槽1に投入されるすべてのガスを総称したものが意図される。すなわち、オレフィンの気相重合において、原料となるオレフィンガス以外に、分子量調節剤の役割を果たす水素、または触媒等を供給する際に同伴する窒素等が含まれていてもよい。
また、オレフィンガスは、原料中の不純物、および気相重合中の水素添加反応による副産物として、アルカンが存在する。そのため、例えば、エチレン、ブテンまたはヘキセン等をオレフィンガスとして使用した場合、エタン、ブタンまたはヘキサン等が存在することになる。このように、循環ガスは、オレフィンガス以外に、水素、窒素およびアルカン(エタン、ブタン、ヘキサン等)を含む。
また、オレフィンを重合させるために使用する重合触媒としては、例えば、チーグラー型触媒またはフィリップス型触媒等の公知のオレフィン重合用触媒を用いてもよいが、メタロセン系化合物を用いたメタロセン系触媒であることがより好ましい。
すなわち、品質面に関して、一般的に、メタロセン系触媒を用いると、組成分布が狭いために、生成されるポリマーの強度が強くなる。また、メタロセン系触媒は、助触媒によるが、活性点が限定されるため、ポリマーの分子量分布を制御することが可能であるとともに、上述の組成分布が狭いことから、フィルムのブロッキングが軽減される。また、一部のメタロセン系触媒は、ポリマーに長鎖分岐を導入することができるので、加工性を改良することができる。
また、製造面(特に、気相重合工程)に関して、メタロセン系触媒は共重合性が良いために、気相中のコモノマー濃度が低く、そのため製品パウダーに吸着しているコモノマー量が少なくなる。よって、後処理系に同伴するコモノマー量が低減するので、コモノマーのロスまたは回収の手間が軽減する。
チーグラー型触媒の製造方法としては、例えば、特開昭59−8706号公報、特開昭
59−22907号公報、特開昭59−22908号公報、特開昭59−64611号公
報、特開昭59−71309号公報、特開昭60−42404号公報、特開昭60−13
3011号公報、特開昭60−215006号公報、特開昭62−232405号公報、
特開昭62−297304号公報、特開平1−256502号公報、特開平1−2898
09号公報、特開平3−81303号公報、特開平3−88808号公報、特開平3−9
3803号公報、特公昭56−18132号公報、特公昭56−15807号公報、特公
昭61−50964号公報、特公昭61−363号公報、特公昭62−56885号公報、特開平11−322833号公報、特開2002−187909号公報等に記載の、公知の製造方法を用いればよい。また、この他にも必要に応じて、少量のオレフィンを重合して得た粒子を使用することができる(例えば、特開2001−342211号公報等を参照のこと)。なお、このように少量のオレフィンを重合させる前処理を、予備重合と称することもある。
メタロセン系触媒としては、例えば、有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物およびホウ素化合物等の助触媒成分とメタロセン系化合物とを粒子状担体に担持させてなる固体触媒成分(例えば、特開昭61−108610号公報、特開昭61−296008号公報、特開昭63−89505号公報、特開平3−234709号公報、特開平6−336502号公報等に記載の固体触媒成分)を用いて、予備重合して得た粒子を使用することができる。また、必要に応じて、有機アルミニウム化合物、ホウ素化合物等の助触媒成分を併用してもよい。
また、例えば、有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、有機亜鉛化合物等の助触媒成分を粒子状担体に担持させてなる固体触媒成分(例えば、特開2003−171412号公報を参照)を使用し、メタロセン系化合物または有機アルミニウム化合物等の触媒成分と併用して、少量のオレフィンを予備重合して得た粒子をメタロセン系触媒として用いてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。なお、以下に示す実施例において、各項目の測定値は次の方法で測定した。
(1)密度(単位:kg/m
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料にはJIS K6760−1995に記載のアニーリングを行なった。
(2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定した。
〔実施例1〕
実施例1では、流動床式気相重合反応器(気相重合槽)と、当該反応器から重合体を回収する後処理系のホッパー(容器)とが2つの移送管によって連結された気相重合装置を作製した。なお、1つの移送管は連続的に重合体を移送させて、もう1つの移送管は間歇的に重合体を移送させた。
また、これら移送管のうち、連続的に重合体を移送する移送管の外壁面に、移送開始位置(抜き出し口)から2mの位置に温度計(温度測定手段)を設置し、この位置の温度を監視した。さらに、移送管の移送開始位置から0.45mの位置に洗浄ガスの供給口を設けた。
重合反応の条件は、重合温度:87℃、圧力:2.0MPaG、循環ガスの流速:55cm/秒とした。また、ガス組成は、エチレン57.1mol%、水素9.4mol%、1−ブテン19.6mol%、窒素12.0mol%、ヘキサン1.9mol%とした。
また、重合反応中に触媒およびトリエチルアルミニウムを投入した。触媒としては、特開2001−342211号公報の実施例2に記載の予備重合触媒と同等の予備重合触媒を使用した。また、トリエチルアルミニウムは、生成する重合体に対して5.5mol/t供給した。さらに、上述した洗浄ガスの供給口からは、25℃のエチレンを50kg/hで供給した。このような条件において、エチレンおよび1−ブテンを共重合させた。また、エチレン−1−ブテン共重合体の密度は921.1kg/m、MFRは1.11g/10分で装置を稼動した。
装置の稼動中、移送管に設置した温度計は約74℃を示していたが、途中で急速に温度が低下し、28℃となった。そのため、移送管を予備の移送管と交換した。
その結果、気相重合反応器における重合温度に異常が発生することなく、運転を継続することが可能であった。なお、温度が低下した移送管を開放して点検したところ、重合体が塊状化しており、移送管の閉塞が確認された。
〔比較例1〕
比較例1では、実施例1において作製した気相重合装置における温度計および洗浄ガスの供給口を設けていない以外は、同様の構成により装置を作製した。
重合反応の条件は、重合温度:87℃、圧力:2.0MPaG、循環ガスの流速:55cm/秒とした。また、ガス組成は、エチレン54.3mol%、水素10.0mol%、1−ブテン20.8mol%、窒素12.8mol%、ヘキサン2.1mol%とした。触媒およびトリエチルアルミニウムは、実施例1と同様のものを使用した。また、エチレン−1−ブテン共重合体の密度は920.7kg/m、MFRは1.16g/10分で装置を稼動した。
装置の稼動中、急に気相重合反応器における重合温度が上昇し始めたため、熱交換器によって除熱を強化した。しかしながら、重合温度を制御することができなくなり、重合温度が95℃に達したため、緊急失活剤を投入して重合を停止した。開放点検の結果、移送管内に閉塞が確認された。
なお、本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る気相重合装置は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの製造に適用できる。
1 気相重合槽
2 ホッパー(容器)
3 移送管
4 温度計(温度測定手段)

Claims (8)

  1. オレフィンを気相重合する気相重合槽と、
    上記気相重合槽にて気相重合された上記オレフィンの重合体を入れるための容器と、
    上記気相重合槽および上記容器を連結する移送管と、
    上記移送管の温度を測定する温度測定手段とを備える、気相重合装置。
  2. 上記温度測定手段は上記移送管の外壁面の温度を測定する手段である、請求項1に記載の気相重合装置。
  3. 上記移送管は、上記移送管内を洗浄するための気体を上記移送管内に供給する供給口を、上記気相重合槽と上記温度測定手段によって測定する位置との間に備える、請求項1または2に記載の気相重合装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の気相重合装置を用いてオレフィンの重合体を製造する方法であって、
    オレフィンを気相重合する気相重合工程と、
    重合した上記オレフィンの重合体を、上記移送管を介して上記容器に移送するとともに、上記移送管の温度を測定する移送工程とを包含する、重合体の製造方法。
  5. 上記移送管は、上記移送管内を洗浄するための気体を上記移送管内に供給する供給口を、上記気相重合槽と上記温度測定手段によって測定する位置との間に備えるものであり、
    上記移送工程において、上記気相重合工程における重合温度よりも低い温度の上記気体を、上記供給口から上記移送管に供給する、請求項4に記載の重合体の製造方法。
  6. 上記気体は、エチレン、水素、窒素または上記気相重合槽における未反応の原料ガスである、請求項5に記載の重合体の製造方法。
  7. 上記移送工程では、上記重合体を、上記気相重合槽および上記容器の内部の圧力差によって移送する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
  8. 請求項1に記載の気相重合装置において、上記移送管内の閉塞を検知する方法であって、
    上記移送管を介して上記重合体を移送しているとき、上記温度測定手段を用いて測定した上記移送管の温度が、予め設定した温度より低くなるか否かによって、当該移送管に閉塞が生じているか否かを検知する、閉塞検知方法。
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