JP2010202586A - プロトンポンプ阻害剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な母核保有プロトンポンプ阻害剤の提供。
【解決手段】式(1)の化合物及びその塩。
Figure 2010202586

(1)[式中、R1及びR2は、水素原子又はプレニル基、R3、R6、R7は、水素原子、水酸基、プレニル基、R4及びR5は、水素原子、水酸基、プレニル基を表す。但し、R4とR5が結合して含酸素環を形成してもよい。]
【選択図】図2

Description

本発明は、後記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とするプロトンポンプ阻害剤に関し、詳しくは、当該プロトンポンプ阻害剤を含む組成物に関する。
Figure 2010202586
(1)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はプレニル基を表し、R3、R6は及びR7、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表し、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表す。ただし、R4とR5が結合して環を形成し、式(2)で表される基を表してもよい。]
Figure 2010202586
(2)
細胞は、細胞膜により物理的に外部環境と区別されるため、細胞内外における環境は大きく異なる。細胞膜により区画化される細胞には、必要な物質を細胞内に取り込んだり、細胞外に必要のない物質を排出・分泌したりするための選択的な物質輸送機能が備わっている。この様な細胞内外における物質輸送機能は、細胞膜や細胞内小胞膜の主要な構成成分である多様なチャネル(カルシウムチャネル、カリウムチャネル等)、トランスポ−タ−(モノアミントランスポ−タ−、プロトンポンプ等)、輸送体(糖輸送体、アミノ酸輸送体等)を介する能動輸送又は受動輸送により行われ、細胞内の機能維持に重要な役割を果たしている。
ATP分解エネルギ−を利用して細胞膜の内外におけるイオンを、イオン濃度勾配に逆らって能動輸送する働きをする膜タンパク質として、膜ATPaseが知られている。膜ATPaseは、輸送するイオンによりNa+/K+−ATPase、H+−ATPase、Ca2+−ATPaseなどに分類される。特に、細胞膜の内外におけるプロトン濃度を維持する働きを担うH+−ATPaseとしては、ミトコンドリア内膜に存在するF型ATPase群、細胞内の液胞などの細胞膜に存在するV型ATPase群、形質膜に存在するP型ATPase群が報告されている。特に、P型ATPaseに分類されるH+/K+−ATPaseは、胃壁細胞内の分泌小胞に存在し、胃酸分泌に深く関与することが明らかとなっており、胃潰瘍の治療薬の創薬標的分子として注目されている(例えば、特許文献1を参照)。また、あらゆる細胞に存在するNa+/K+−ATPase と共役的に働くNa+/H+交換輸送蛋白質(NHE)は、細胞内のプロトンと細胞外のナトリウムをATP非依存的に交換することにより、細胞内のプロトン濃度を調整する(例えば、非特許文献1を参照)。細胞内外におけるプロトン濃度変化は、細胞内外に存在するイオンチャネルや酵素などの生体内分子の機能及び活性に大きく影響を与える(例えば、非特許文献2を参照)。このため、H+−ATPase及びNa+/H+交換輸送蛋白質(NHE)に代表される細胞膜の内外におけるプロトン濃度を維持する働きを担う生体内分子は、細胞内プロトン濃度により機能が変化する生体機能分子が関与する本態性高血圧、不整脈、狭心症、心肥大、糖尿病、虚血若しくは虚血性再潅流による臓器障害、脳虚血障害等の予防又は治療薬に対する創薬標的分子として注目されている。特に、細胞内プロトンを細胞外に輸送することによる胃酸分泌を抑制するプロトンポンプ阻害剤は、直接的に胃酸分泌を抑制する抗潰瘍薬として開発されている。さらに、細胞又は細胞小器官内におけるプロトン濃度を調整し、様々な機能分子(イオンチャネル、酵素等)の活性を制御するプロトンポンプ阻害剤は、プロトン濃度が関与する様々な疾患治療に対し効果が期待されるが、実際には、稀にアナフィラキシ−等の副作用を発現する場合が存し、この様なアレルギ−に対応する為、同薬効を示す別構造の化合物開発が課題となっている。
プロトンポンプ阻害剤としては、胃潰瘍治療薬であるオメプラゾ−ル、ランソプラノ−ル等のベンズイミダゾ−ル誘導体がよく知られ、現在、医薬品として使用されている。また、Na+/H+交換輸送系を選択的に阻害する化合物としては、エチルイソプロピルアミロリド(EIPA)(例えば、非特許文献2を参照)、グアニジン誘導体(例えば、特許文献2を参照)、イソフラボン誘導体又はキサントン誘導体(例えば、特許文献3を参照)が、既に報告されている。しかしながら、それらの生物活性は十分に満足のいくものではなく、より高い活性及び選択性を有し、体内動態に優れ、副作用の少ない新しい骨格の阻害剤が望まれている。
また、マメ科に属する植物に含まれる化合物としては、フラボン誘導体(例えば、特許文献4を参照)、イソフラボン(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献8を参照)及びフラバノン誘導体(例えば、特許文献7を参照)が報告されている。前記のフラボン及びイソフラボン誘導体は、抗炎症作用(例えば、特許文献3を参照)、毛様体筋の過緊張による疲れ目改善又は予防作用(例えば、特許文献5を参照)、骨量低下抑制作用(例えば、特許文献を6参照)、メラニン産生抑制作用(例えば、特許文献7を参照)、口腔用抗菌剤(例えば、特許文献8を参照)が知られている。フラボン、イソフラボン及びフラバノン誘導体には、多様な生物活性が存するため、多くの疾患治療薬への可能性が期待される。しかしながら、多様な生物活性を示すために、構造的な特徴を活性向上に結びつけることが難しく、高い活性及び選択性を有する化合物を見出すには至っていない。また、これら化合物には、安定性に課題を有する化合物も少なくない。
さらに、一般式(1)に表される化合物であるフラバノン誘導体は、マメ科ハギ属の植物中に含有されることは既に知られている(例えば、特許文献7を参照)が、一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、更には、これらを含有するマメ科に属する植物より得られる抽出物が、プロトンポンプ阻害作用、Na+/H+交換輸送系阻害剤を有し、本態性高血圧、不整脈、狭心症、心肥大、糖尿病、虚血若しくは虚血性再潅流による臓器障害、脳虚血障害等、色素異常の改善に好適であることは全く知られていない。
特再表2006−036024号公報 再表2004−004701号公報 特開平10−203976号公報 特開2008−007417号公報 特開2008−007417号公報 特開2006−213638号公報 特開2007−186439号公報 特開平06−312983号公報
蛋白質・核酸・酵素、34(10)、1251(1989) Smith, D. R.; Spaulding, D. T.; Glenn, H. M.; Fuller, B. B., Exp. Cell. Res.、2004、 298、 521−534 J. Membrane Biol.、105、1(1989)
本発明は、この様な状況下において為されたものであり、新規のプロトンポンプ阻害剤を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者等は、生体内のおける新規のプロトンポンプ阻害剤を求めて、鋭意努力、研究を重ねた結果、下記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩にプロトンポンプ阻害作用が存することを見出し、発明を完成させるに至った。本発明は、以下に示す通りである。
<1> 下記一般式(1)で表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とする、プロトンポンプ阻害剤。
Figure 2010202586
(1)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はプレニル基を表し、R3、R6は及びR7、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表し、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表す。ただし、R4とR5が結合して環を形成し、式(2)で表される基を表してもよい。]
Figure 2010202586
(2)
<2> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>に記載のプロトンポンプ阻害剤。
Figure 2010202586
(3)
[式中、R8、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表し、R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表す。ただし、R9とR10が結合して環を形成し、式(2)で表される基を表してもよい。]
<3> 一般式(3)で表される化合物が、Euchrenone a6、Euchrenone a3、amorisinであることを特徴とする、<1>又は<2>に記載のプロトンポンプ阻害剤。
<4> プロトンポンプ阻害剤が、Na+/H+交換輸送系である、<1>〜<3>の何れか一項に記載のプロトンポンプ阻害剤。
<5> <1>〜<4>の何れか一項に記載のプロトンポンプ阻害剤を含有することを特徴とする、組成物。
<6> <1>〜<4>の何れか一項に記載のプロトンポンプ阻害剤を、マメ科ハギ属の植物抽出物として含有することを特徴とする、<5>に記載の組成物。
<7> マメ科ハギ属の植物が、キハギ又はトウクサハギであることを特徴とする、<5>又は<6>に記載の組成物。
<8> 前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、組成物全量に対し、0.00001質量%〜5質量%含有されることを特徴とする、<5>〜<7>の何れか一項に記載の組成物。
<9> 経口又は経皮投与組成物であることを特徴とする、<5>〜<8>の何れか一項に記載の組成物。
<10> 食品、医薬品又は化粧料であることを特徴とする、<5>〜<9>の何れか一項に記載の組成物。
<11> 高血圧症、不整脈、狭心症、心肥大、糖尿病、虚血若しくは虚血再潅流による臓器障害、脳障害、骨粗鬆症、胃潰瘍の予防薬又は治療薬、色素異常の改善用であることを特徴とする、<5>〜<10>の何れか一項に記載の組成物。
<12> マメ科ハギ属の植物体を溶媒で抽出し、該抽出物を分画し、分画に於けるプロトンポンプ阻害作用を計測し、該プロトンポンプ阻害作用を有する分画を集めて組成物に含有せしめることを特徴とする、<5>〜<11>の何れか一項に記載の組成物。
本発明によれば、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とする新規のプロトンポンプ阻害剤を提供することが出来る。
本発明におけるフラバノン誘導体(化合物1〜4)のチロシナ−ゼファミリ−タンパク減少作用の検討結果を示す図である。 本発明におけるフラバノン誘導体(化合物1〜3)のメラノソ−ム内酸性化の検討結果を示す図である。
<1> 本発明のプロトンポンプ阻害剤の有効成分である一般式(1)に表される化合物
本発明のプロトンポンプ阻害剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とすることを特徴とする。また、本発明におけるプロトンポンプ阻害剤としては、一般的にプロトンポンプと呼ばれる細胞膜に存在し能動的なプロトン輸送を担うH+−ATPaseのみならず、Na+/K+−ATPase等のイオンポンプと共役的に働き受動的にプロトンを輸送するNa+/H+交換輸送体などに作用し、細胞又は細胞小器官内におけるプロトン輸送を阻害することにより、細胞又は細胞小器官内の酸性化を誘引する物質も包含する。ここで、一般式(1)に表される化合物に付いて述べれば、一般式(1)に於いて、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はプレニル基を表し、R3、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表し、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表す。ただし、R4とR5が結合して環を形成し、式(2)で表される基を表してもよい。前記R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はプレニル基を表し、より好ましくは、プレニル基が好適に例示出来る。前記R3、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、プレニル基を表し、より好ましくは、R3及びR7に関しては、水素原子又は水酸基が、R6に関しては、水素原子又はプレニル基が、好適に例示出来る。前記R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基、又は、R4とR5が結合して環を形成した前記式(2)で表される基を表してもよい基を表し、より好ましいものとしては、水酸基、プレニル基、前記式(2)に表される基が好適に例示出来る。一般式(1)に表される化合物の内、より好ましいものとしては、一般式(3)に表される化合物が好適に例示出来、これらの内、さらに好ましいものとしては、Euchrenone a6(化合物1)、Euchrenone a3(化合物2)、amorisin(化合物3)が好適に例示出来る。一般式(1)に表される化合物の内、プロトンポンプ阻害作用が認められないLespedezaflavanone H(化合物4)は、除かれることが好ましい。また、本発明において、プロトンポンプ阻害作用を有する物質とは、後述するヒト正常メラノサイト(NHEM)を用いたメラノソ−ム内酸性化検出(プロトンポンプ阻害作用)試験において、レ−ザ−顕微鏡による目視観察にて、コントロ−ルに比較し評価物質処理により、pH感受性蛍光色素の発色強度が増強している場合を意味する。
ここで一般式(3)に表される化合物に付いて述べれば、一般式(3)に於いてR8、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表し、R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表す。ただし、R9とR10が結合して環を形成し、式(2)で表される基を表してもよい。前記R8、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表し、より好ましくは、R8及びR12に関しては、水素原子又は水酸基が、R11に関しては、水素原子又はプレニル基が、好適に例示出来る。前記R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基、又は、R9とR10が結合して環を形成した式(2)に表される基を表し、より好ましくは、水酸基、プレニル基、R9とR10が結合して環を形成した式(2)に表される基が好適に例示出来る。ここで、一般式(3)に表される化合物に付いて具体例を挙げれば、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[5、7−ジヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2,2−ジメチル−5−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2,2−ジメチル−7−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2,2−ジメチル−5,7−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2,2−ジメチル−5−ヒドロキシ−7−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2,2−ジメチル−7−ヒドロキシ−5−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−(4H−1−ベンゾピラン−4−オン)、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2−ヒドロキシフェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[3−ヒドロキシフェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシフェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[3−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[4−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2−ヒドロキシ−4−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2−ヒドロキシ−5−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[3−ヒドロキシ−2−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[3−ヒドロキシ−4−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[3−ヒドロキシ−5−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−2−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−5−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[5−ヒドロキシ−2−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[5−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[5−ヒドロキシ−4−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[5−ヒドロキシ−4−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2,3−ジヒドロキシ−4−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2,3−ジヒドロキシ−5−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2,4−ジヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2,5−ジヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[2,5−ジヒドロキシ−4−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[3,4−ジヒドロキシ−2−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[3,4−ジヒドロキシ−5−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩などが好適に例示出来、これらの内、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[3,4−ジヒドロキシ−5−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好ましく例示出来、さらに好ましくは、後記の(2S)−6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(化合物1、Euchrenone a6)、(2S)−6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(化合物2、Euchrenone a3)、(2S)−6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[3,4−ジヒドロキシ−5−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(化合物3、amorisine)が好ましく例示出来る。
斯くして得られた一般式(1)に表される化合物は、そのまま使用することも出来るし、アルカリと共に処理するなどして、塩の形態として使用することも出来る。一般式(1)に表される化合物の塩としては、生理的に許容される塩であれば特に限定されない。生理的に許容される塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、アンモニウム塩、モノエタノ−ルアミン塩、ピペリジン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩などが好適に例示出来る。
かかる成分は、細胞膜に存在するプロトンポンプ(H+−ATPase)阻害作用、又は、イオンポンプであるNa+/K+−ATPaseと共役的に働くNa+/H+交換輸送系などのプロトンポンプに作用し、細胞又は細胞小器官に於けるプロトン輸送を阻害することにより細胞又は細胞内小器官内における酸性化を誘引する作用に優れる。この様な作用は、プロトンポンプ(H+−ATPase)を介した細胞外へのプロトン輸送を阻害することにより、胃酸分泌を抑制するほか、細胞又は細胞小器官内の酸性化を誘引することにより、pH依存的に働くイオンチャネル、酵素(例えば、チロシナ−ゼ等)などの機能分子の生物活性を調整する。この様な細胞又は細胞小器官内におけるプロトンポンプ阻害作用は、高血圧症、不整脈、狭心症、心肥大、糖尿病、虚血若しくは虚血再潅流による臓器障害、脳障害、骨粗鬆症の治療若しくは予防、色素異常の改善及び予防などと深く関与しているため、かかる成分は、前記疾患の予防又は治療薬として期待出来る。かかる成分は、前記プロトンポンプ阻害作用(細胞又は細胞小器官内における酸性化作用)、標的部位への集積性及び選択性に優れ、高い安全性及び安定性を有するために、食品、医薬品、化粧料などへの使用が好ましい。この様な効果を奏するために、本発明の組成物に於けるかかる化合物の含有量は、前記の一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選択される1種乃至は2種以上を、総量で0.00001質量%〜5質量%含有することが好ましく、より好ましくは、0.00003質量%〜3質量%、さらに好ましくは、0.00005質量%〜1質量%含有することがより好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏しない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、この系の自由度を損なう場合が存するためである。
この様な一般式(1)に表される化合物、その異性体は、文献記載の方法(例えば、Ping Zhao et. al.、Phytochemistry、62、1093−1099(2003)、特開2007−008818号公報を参照)に従い、合成することが出来る。また、かかる成分は、天然にも存在していることから、天然物より抽出し、精製を行い得ることも出来る。一般式(1)に表される化合物としては、(2S)−6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[7−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−6−イル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(化合物1、Euchrenone a6)、(2S)−6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(化合物2、Euchrenone a3)、(2S)−6,8−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−5,7−ジヒドロキシ−2−[3,4−ジヒドロキシ−5−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(化合物3、amorisine)などが好適に例示出来、これらの化合物は、後述する通り、マメ科ハギ属の植物体の抽出物に含有される。かかるマメ科ハギ属の植物としては、例えば、キハギ又はトウクサハギが好適に例示出来、キハギ又はトウクサハギの抽出物作製に用いる部位としては、植物体又は地上部が好適に例示出来、地上部がより好ましい。キハギは、本州・四国・九州において、トウクサハギは、本州から九州、韓国・中国において、その育成が認められる植物であり、本発明の実施例においては、日本で育成されたキハギを使用した。抽出に際して、植物体又は地上部は予め、粉砕或いは細切して抽出効率を向上させるように加工することが好ましい。抽出物は、地上部乃至はその乾燥物1質量に対して、溶媒を1〜30質量部加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬する。浸漬後は、室温まで冷却し、所望により不溶物を除去した後、溶媒を減圧濃縮するなどにより除去することが出来る。しかる後、シリカゲルやイオン交換樹脂を充填したカラムクロマトグラフィ−などで分画精製し、所望の抽出物を得ることが出来る。尚、本発明においては、抽出物とは、抽出物自体、抽出物を分画、精製した分画、抽出物乃至は分画、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。
前記抽出溶媒としては、極性溶媒が好ましく、水、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノ−ルなどのアルコ−ル類、1,3−ブタンジオ−ル、ポリプロピレングリコ−ルなどの多価アルコ−ル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフランなどのエ−テル類から選択される1種乃至は2種以上が好適に例示出来、メタノ−ル溶媒が特に好適に例示出来る。
<本発明の組成物>
本発明の組成物は、一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とするプロトンポンプ阻害剤を含有することを特徴とする。本発明の組成物に於いて、一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、1種又は2種以上を組み合わせて用いることが出来る。一般式(1)に表される化合物は、そのまま組成物に配合してもよく、また一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩をマメ科ハギ属に属する植物より得られる抽出物として配合することも出来る。尚、本発明の抽出物とは、抽出物自体、抽出物を分画、精製した分画、抽出物乃至は分画、抽出物乃至は分画、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。この様な一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の粗製物を本発明の組成物に含有させることは、処方の自由度が大きくなるという点でより好ましい。
また、一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、更には、該化合物を含有するマメ科ハギ属に属する植物より得られる抽出物を有効成分とする組成物の製剤化にあたっては、通常の食品、医薬品、化粧料などの製剤化で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、経口投与組成物であれば、例えば、乳糖や白糖などの賦形剤、デンプン、セルロ−ス、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロ−スなどの結合剤、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、カルボキシメチルセルロ−スカルシウムなどの崩壊剤、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステルなどの界面活性剤、マルチト−ルやソルビト−ルなどの甘味剤、クエン酸などの酸味剤、リン酸塩などの緩衝剤、シェラックやツェインなどの皮膜形成剤、タルク、ロウ類などの滑沢剤、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲルなどの流動促進剤、生理食塩水、ブドウ糖水溶液などの希釈剤、矯味矯臭剤、着色剤、殺菌剤、防腐剤、香料など好適に例示出来る。経皮投与組成物であれば、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワックス、オレイン酸オクチルドデシルなどのエステル類、オリ−ブ油、牛脂、椰子油などのトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、レチノイン酸などの脂肪酸、オレイルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、オクチルドデカノ−ル等の高級アルコ−ル、スルホコハク酸エステルやポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤類、アルキルベタイン塩等の両性界面活性剤類、ジアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、これらのポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコ−ル、グリセリン、1,3−ブタンジオ−ル等の多価アルコ−ル類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体等を含有することができる。製造は、常法に従い、これらの成分を処理することにより、困難なく、為しうる。
尚、本発明の一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、マメ科ハギ属に属する植物より得られる植物抽出物から選択される1種若しくは2種以上を有効成分とする組成物としては、一般的に広く使用される、化粧料、医薬品、医薬部外品、食品などに適応するのが好ましい。本発明の組成物の投与経路としては、経口投与、経皮投与の何れもが可能である。また、かかる成分が連続投与される場合、さらには安全性を考慮した場合、経皮的に投与されることが好ましい。皮膚に外用で適応されるものであれば特段の限定なく応用出来、例えば、医薬部外品を含む化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等が好ましく例示できる。
以下に、具体例を挙げて本発明に付いて、更に詳細に説明を加えるが、本発明はかかる実施例に限定されないことは言うまでもない。
<試験例1: 本発明のプロトンポンプ阻害剤のフラバノン誘導体の単離精製>
本発明におけるプロトンポンプ阻害剤であるフラバノン誘導体は、マメ科ハギ属キハギより単離精製し、評価に用いた。
マメ科ハギ属キハギ(Lespedeza buergeri Miq.) 1(kg)の地上部にメタノ−ル 5(L)を加え還流下にて3時間抽出し、吸引濾過により抽出液を得た。得られた抽出液を減圧下にて濃縮し、熱水500(mL)に懸濁した後、エ−テルにて連続抽出を3時間行った。エ−テル層を減圧下にて濃縮し、褐色のエキス 5.83(g)を得た。得られたエ−テル層をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(PSQ−100B、富士シリシア化学株式会社、展開溶媒:クロロホルム:メタノ−ル=97:3→90:10)に付した後、さらに、液体クロマトグラフィ−(カラム:Inertsil ODS−3 3×50cm、溶媒:水:アセトニトリル=42:58→19:81、UV検出:205nm)により分取を行い、一般式(1)に表される化合物、特に、Euchrenone a6(化合物1)、Euchrenone a3(化合物2)、amorisin(化合物3)、さらには、フラバノン誘導体のLespedezaflavanone H(化合物4)を得た。
Figure 2010202586
Euchrenone a6(化合物1)
Figure 2010202586
Euchrenone a3(化合物2)
Figure 2010202586
amorisin(化合物3)
Figure 2010202586
Lespedezaflavanone H(化合物4)
<Euchrenone a6(化合物1)の物理恒数>
1H-NMR(Acetone-d6):δ1.42(6H、s)、1.72(6H、s)、1.75(3H、s)、1.81(3H、s)、2.88(1H、dd)、3.06(1H、dd)、3.29(2H、d)、3.34(2H、d)、5.16(1H、m)、5.23(1H、m)、5.48(1H、d)、5.52(1H、dd)、6.25(1H、d)、6.36(1H、s)、6.52(1H、s)、6.57(1H、s)、6.89(1H、s)、12.31(1H、s).
これらの示性値は、かかる分画が、Euchrenone a6(化合物1)であることを支持している。
<Euchrenone a3(化合物2)の物理恒数>
1H-NMR(Acetone-d6):δ1.61(3H、s)、1.63(3H、s)、1.67(3H、s)、1.71(6H、s)、2.77(1H、dd)、3.10(1H、dd)、3.30−3.40(6H、m)、5.13−5.19(2H、m)、5.32−5.40(2H、m)、6.89(1H、d)、7.20(1H、d)、7.30(1H、s).
これらの示性値は、かかる分画が、Euchrenone a3(化合物2)であることを支持している。
<amorisin(化合物3)の物理恒数>
1H-NMR(Acetone-d6):δ1.71(6H、s)、1.73(3H、s)、1.76(6H、s)、1.89(3H、s)、2.75(1H、dd)、2.98(1H、dd)、3.30−3.40(6H、m)、5.17―5.48(4H、m)、6.71(1H、m)、6.85(1H、s).
これらの示性値は、かかる分画が、(化合物3)であることを支持している。
<Lespedezaflavanone H(化合物4)の物理恒数>
1H-NMR(Acetone-d6):δ1.59(3H、s)、1.61(3H、s)、1.64(3H、s)、1.69(3H、s)、1.72(3H、s)、1.76(3H、s)、2.80(1H、dd)、3.10(1H、dd)、3.26−3.36(6H、m)、5.16−5.21(2H、m)、5.30−5.35(1H、m)、5.67(1H、dd)、6.49(1H、s)、7.20(1H、s).
これらの示性値は、かかる分画が、Lespedezaflavanone H(化合物4)であることを支持している。
<本発明のフラバノン誘導体(化合物1〜4)のメラニン産生抑制作用検討>
前記の方法により得られたフラバノン誘導体(化合物1〜4)を用い、以下の記載の方法に従い、メラニン産生抑制作用を評価した。
24穴プレ−トにヒト正常メラノサイト(クラボウ株式会社)を22500(cells/cm2)播種する。翌日、評価物質を含有する培地 0.5(mL/well)に交換し、0.25(μCi)2−[2−14C]チオウラシル(GEヘルスケアバイオサイエンス社)を添加し培養を継続した。播種4日後、培地を除去しPBSで1回プレ−トを洗浄した後、細胞生存率を評価するため生細胞数測定試薬SF(ナカライテスク社)溶液を添加した培地に交換し、37℃、3時間呈色反応を行った。反応後、450(nm)の吸光度をマイクロプレ−トリ−ダ−Benchmark Plus(Bio-Rad Laboratories)を用いて測定した。コントロ−ルとして評価物質を含まないサンプルを前記同様に調製し、コントロ−ルに対する各評価物質を含むサンプルの吸光度の百分率を求め細胞生存率とした。
メラニン量測定のため吸光度測定後、PBSで1回プレ−トを洗浄し、TCAを添加し、細胞を溶解した後、蒸留水 を加え溶液をバイアルに移した。氷上に放置後、15000rpm、5分間遠心した後、上清を除去した。再度、各バイアルに10%TCA 500(μL)を添加し、氷上15分間放置した。15000rpm、5分間遠心した後、上清を除去した。残渣にアクアゾ−ル−2(パ−キンエルマ−社) 1(mL)を添加し、液体シンチレ−ションカウンタ− LSC−6100(アロカ社製)にて放射線量を測定した。コントロ−ルとして評価物質を含まないサンプルを前記同様に調製し、コントロ−ルに対する評価物質を含むサンプルの放射線量の百分率を求めメラニン量(%)とした。メラニン産生量の50%阻害濃度(IC50値)は、細胞毒性の認められない範囲でSAS software version 9.1.3(SAS Institute Inc.)を用い算出した。本発明に於いて、メラニン産生抑制作用を有する物質とは、ヒト正常メラノサイトを用いたメラニン産生抑制作用評価において、細胞毒性の認められない濃度においてコントロ−ルと比較しメラニン産生量を50%以下のレベルに低下させる作用を有する場合を意味する。これは、メラニン産生抑制作用が低い物質を配合した場合には、期待されるメラニン産生抑制作用が現われないためである。また、メラニン産生抑制作用を有する陽性対照としては、ハイドロキノンを用いた。結果を表1に表す。
Figure 2010202586
表1の結果より、本発明のフラボノイド誘導体(化合物1〜4)は、顕著なメラニン産生抑制作用を有していることが判った。陽性対照のハイドロキノンも優れたメラニン産生抑制作用を示しており、この評価系の客観性も認められた。かかる陽性対照に比して、化合物1、2及び4は優れたメラニン産生抑制作用を示しており、化合物3は、陽性対照と同等乃至はそれ以上のメラニン産生抑制作用を示していることが判る。
<本発明のフラバノン誘導体(化合物1〜4)のチロシナ−ゼ直接阻害作用検討>
本発明のフラバノン誘導体(化合物1〜4)及びフェニルチオウレアを用い、文献記載の方法(Busca, R. et. al.、J. Biol. Chem.,271、31824−30(1996))を参考に、以下の手順に従いチロシナ−ゼ阻害活性を測定した。ヒト正常メラノサイト(クラボウ株式会社)をセルスクレ−パ−にて剥離し、バイアルに移し、5000rpm、5分間遠心して細胞を回収した後、lysis buffer[1% nonidet P-40、100mM NaCl、2mM EDTA、0.5%deoxycholate(DOC)、2mM phenylmethylsulfonyl fluoride(PMSF)、1mM Na3VO4、10μg/mL aprotinin及び10μg/mL leupeptin]を含有した50mM Tris-HCl buffer(pH7.6)]にて溶解した。溶解液を15000rpm、5分間遠心し、上清を回収し細胞抽出液とした。細胞抽出液のタンパク量は、Bio-Rad Dc Protein Assay Kit(Bio-Rad Laboratories)を用いて定量した。96穴プレ−トの1ウェルあたりに評価物質又はフェニルチオウレア(陽性対照)を含有する培地 10μLと基質の0.1%dihydroxyphenylalanine(L-DOPA)(和光純薬工業株式会社) 50μLを添加・混合し、さらに細胞抽出液(タンパク量10μg)を添加・混合して酵素反応を行い、マイクロプレ−トリ−ダ−を用いて37℃保温下にて450nmの吸光度を15分間測定した。コントロ−ルとして評価物質を含まないサンプルも前記同様に調製し、測定した。チロシナ−ゼ活性の50%阻害濃度(IC50値)は、評価物質無添加サンプル(陰性対照)の吸光度を100%とした場合の各評価物質添加サンプルの吸光度の割合を算出し、縦軸に吸光度(%陰性対照)、横軸に各評価物質添加サンプル添加濃度を設定したグラフを作成し、近類曲線の傾きにより求めた。本発明に於いて、チロシナ−ゼ直接阻害作用を有しない物質とは、ヒト正常メラノサイトの細胞抽出液を用いたチロシナ−ゼ直接阻害作用評価において、各評価物質の示したメラニン産生抑制作用の濃度に比較し、100倍以上の濃度の評価物質を反応系に添加してもチロシナ−ゼ直接阻害作用を示さなかった物質を意味する。表2に、上記方法により測定されたフラバノン誘導体(化合物1〜4)及びフェニルチオウレア(陽性対照)のチロシナ−ゼ直接阻害作用検討に関する結果を示す。
Figure 2010202586
表2の結果より、本発明のフラバノン誘導体(化合物1〜4)は、チロシナ−ゼ直接阻害作用を示さなかったのに対し、陽性対照のフェニルチオウレアは、顕著なチロシナ−ゼ直接阻害作用を示した。本発明のフラバノン誘導体(化合物1〜4)には、チロシナ−ゼ直接阻害作用がないことが判った。
<本発明のフラバノン誘導体(化合物1〜4)のWestern Blot法によるチロシナ−ゼファミリ−タンパクに対する影響>
本発明のフラバノン誘導体(化合物1〜4)に関し、以下の手順に従いWestern Blot法によるチロシナ−ゼファミリ−タンパク減少作用を検討した。
φ6cmディッシュにヒト正常メラノサイト(クラボウ株式会社)を22500cells/cm2播種し、翌日、評価物質を含む培地 5mL/dishに交換し培養を継続した。播種後4日後、実施例1に記載の方法に従い細胞生存率を測定した。実施例2に記載の方法に従い、評価物質を含む培地で処理した細胞より細胞抽出液を得た。コントロ−ルとして評価物質を含まないサンプルも前記同様に調製した。12.5%ポリアクリルアミドゲルを用いて、1レ−ンあたりに細胞抽出液(タンパク量10μg)を添加し、SDS-PAGEにて分離したタンパク質をPVDF膜にブロッティングし、3%スキムミルク/0.4%Tween20含有PBSにて室温1時間ブロッキングを行った。0.4%Tween20含有PBSにて洗浄後、抗体反応を実施した。1次抗体は、それぞれ抗チロシナ−ゼ(H-109)抗体、抗TYRP1(H-90)抗体、抗TYRP2(D-18)抗体(いずれもSanta Cruz Biotechnology, Inc.)を0.5%スキムミルク/0.4%Tween20含有PBSにて1:400希釈し、室温1時間、PVDF膜と共にインキュベ−ションした。なお、内部標準としてβ−actinを用いた。0.4%Tween20含有PBSにて洗浄後、ペルオキシダ−ゼ標識された二次抗体と共に再度室温1時間、PVDF膜をインキュベ−ションし、抗体反応を行った。反応終了後、0.4%Tween20含有PBSにて洗浄し、ECLPlus Western Blotting Detection Reagents(GEヘルスケアバイオサイエンス社)を用いて検出した。本発明に於いて、チロシナ−ゼファミリ−タンパク減少作用を有しない物質とは、ヒト正常メラノサイト細胞抽出液を用いたチロシナ−ゼファミリ−タンパクに対する影響の検討において、コントロ−ルと比較し、有意なチロシナ−ゼファミリ−タンパク減少作用を有しない場合を意味する。結果を図1に示す。
図1の結果より、本発明のフラバノン誘導体(化合物1〜4)には、チロシナ−ゼファミリ−タンパクの減少作用を有していないことが判った。
<本発明のフラバノン誘導体(化合物1〜4)のメラノソ−ム内酸性化検出(プロトンポンプ阻害作用)>
本発明のフラバノン誘導体(化合物1〜4)に関し、以下の手順に従い、生細胞内酸性化(プロトンポンプ阻害作用)検出を行った。
ヒト正常メラノサイト(クラボウ株式会社)を4ウェルLab-Tek chamber slide(Thormo Fisher Scientific社)に10000cells/cm2播種し、翌日、評価物質を含有する培地 0.5mL/wellに交換し、1時間30分培養した。コントロ−ルとして評価物質を含まないサンプルを前記同様に調製した。その後、3−(2,4−dinotroanilino)−3’−amino−N−methyldipropylamine(DAMP、Biomedical Research社)を加え、30分間培養した。培養終了後、PBSにて洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで室温15分固定を行った。次いで、PBSにてウェルを洗浄し、4℃、2分間放置した、その後、10%FBS/PBSで室温、30分ブロッキングを行った。抗体反応として抗チロシナ−ゼ抗体(C-19:Santa Cruz Biotechnology, Inc)と抗DAMP抗体(ab24319:abcam)をそれぞれブロッキング溶液で1:100希釈した溶液を添加し、37℃、45分間インキュベ−ションした。反応終了後、PBSにてウェルを洗浄し、Cy3標識ウサギ抗ヤギ抗体(Invitrogen Corporation)とFITC標識ラット抗マウスIgE抗体(American research Products、Inc.)をそれぞれブロッキング溶液で1:100希釈した溶液を添加し、37℃、45分間インキュベ−ションした。PBSにてウェルを洗浄し、スライドガラスでサンプルを封入し、共焦点レ−ザ−顕微鏡(LSM510:Zeiss)にて観察した。本発明に於いて、プロトンポンプ阻害作用を有する物質とは、前記のヒト正常メラノサイトを用いたメラノソ−ム内酸性化検出(プロトンポンプ阻害作用)評価において、pH感受性蛍光色素の発色強度が、レ−ザ−顕微鏡による目視的観察により発光強度の増強が認められる場合を意味する。結果を図2に示す。
評価物質無処理のコントロ−ルに比較し、評価物質処理によりDAMPの蛍光強度(緑色)が増強していれば、ヒト正常メラノサイト内の酸性化が亢進したと考えられる。さらに、チロシナ−ゼの検出も同時に行い、DAMP染色領域と重ねあわせることで酸性化領域とメラノソ−ムの共局在性を確認できる。即ち、チロシナ−ゼの局在を示す赤色と、酸性化領域の局在を示す緑色が重ね合わさった黄色の発色が認められれば、メラノソ−ム内が酸性化していることが判る。結果を図2に示すが、図2において、コントロ−ルでは、酸性化度を示す緑色の染色は薄く、チロシナ−ゼの存在を示す赤色の染色は濃く、これを重ね合わせた写真はオレンジ色を呈しており、化合物1においては、酸性化度を示す緑色の染色が濃くなっており、チロシナ−ゼの存在を示す赤色の染色はコントロ−ルと同程度であり、これを重ね合わせた写真は黄色を呈している。化合物2においては、緑色の染色は、コントロ−ルより明確に濃くなっているが、化合物1には及ばず、チロシナ−ゼの存在は、コントロ−ル、化合物1と同程度であり、この重ね合わせは黄色より幾分オレンジ色がかっている。化合物3では、化合物2よりも緑色の染色が少ないが、コントロ−ルよりは強く、チロシナ−ゼの存在は同程度であり、重ね合わせは、化合物2によりオレンジがかっているが、コントロ−ルほどではない。これらから、酸性化度の度合いは、化合物1>化合物2>化合物3>コントロ−ルであることが判る。図2の結果より、マメ科ハギ属キハギより得られたフラバノン誘導体(化合物1〜3)は、顕著なメラノサイト内における酸性化作用(プロトンポンプ阻害作用)を示すことが判った。フラバノン誘導体(化合物4)は、非特異的な発色を示したため、プロトンポンプ阻害作用を有しないと判断した。
尚、前記の結果を踏まえ、プロトンポンプ阻害作用を介するメラノサイト内の酸性化を以って、メラノサイト内のチロシナ−ゼ活性を阻害する機作のメラニン産生抑制作用の代替値として、このメラノソ−ム内の酸性化作用を用いることが出来ることも判る。かかる作用を有する成分を、プロトンポンプ阻害作用を機作とするメラニン産生抑制剤と見なす。
表3に示す処方に従い、化粧料を作製した。即ち、処方成分を室温で撹拌可溶化し、「本発明のフラバノン誘導体」を含有する化粧料1〜3(化粧料1:化合物1を含有、化粧料2:化合物2を含有、化粧料3:化合物3を含有)を作製した。また、表3に示す処方中、「本発明のフラバノン誘導体」を水に置換した比較例1も作製した。
Figure 2010202586
化粧料1〜3、比較例1を用いて、黒化改善作用を調べた。自由意志で参加したパネラ−の上腕内側部に1.5cm×1.5cmの部位を上下2段に分け、合計5箇所設け、最少紅斑量(MED)の1.5倍紫外線照射を1日1回、3日連続して3回照射した。照射終了後1日より、1日1回28日連続してサンプル50μLを塗布した。1部位は、無処置部位とし、残り4ケ所の内の1部位には、化粧料1を、別の1部位には、化粧料2を、別の1部位には、化粧料3を、もう1部位には、比較例1を塗布した。塗布終了24時間後にコニカミノルタ株式会社製の色彩色差計(CR300)にて標準白色板との色差を求め、これらにより、無処置部位のL値に対する△L値を算出した。結果を表4に示す。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料は優れた美白作用を有することが分かる。これは、前記の優れたプロトンポンプ阻害作用によるものである。
Figure 2010202586
表5に示す処方に従って、本発明のフラバノン誘導体(化合物1〜3)を含有する健康食品1〜3を作製した。即ち、処方成分を10質量部の水と共に転動相造粒(不二パウダル株式会社製「ニュ−マルメライザ−」)し、打錠して錠剤状の健康食品を得た。
Figure 2010202586
本発明は、胃潰瘍、本態性高血圧、不整脈、狭心症、心肥大、糖尿病、虚血若しくは虚血性再潅流による臓器障害、脳虚血障害等、色素異常の改などの予防又は治療薬として応用出来る。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とする、プロトンポンプ阻害剤。
    Figure 2010202586
    (1)
    [式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又はプレニル基を表し、R3、R6は及びR7、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表し、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表す。ただし、R4とR5が結合して環を形成し、式(2)で表される基を表してもよい。]
    Figure 2010202586
    (2)
  2. 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1に記載のプロトンポンプ阻害剤。
    Figure 2010202586
    (3)
    [式中、R8、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表し、R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、プレニル基を表す。ただし、R9とR10が結合して環を形成し、式(2)で表される基を表してもよい。]
  3. 一般式(3)で表される化合物が、Euchrenone a6、Euchrenone a3、amorisinであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプロトンポンプ阻害剤。
  4. プロトンポンプ阻害剤が、Na+/H+交換輸送系である、請求項1〜3の何れか一項に記載のプロトンポンプ阻害剤。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載のプロトンポンプ阻害剤を含有することを特徴とする、組成物。
  6. 請求項1〜4の何れか一項に記載のプロトンポンプ阻害剤を、マメ科ハギ属の植物抽出物として含有することを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
  7. マメ科ハギ属の植物が、キハギ又はトウクサハギであることを特徴とする、請求項5又は6に記載の組成物。
  8. 前記一般式(1)に表される化合物及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、組成物全量に対し、0.00001質量%〜5質量%含有されることを特徴とする、請求項5〜7の何れか一項に記載の組成物。
  9. 経口又は経皮投与組成物であることを特徴とする、請求項5〜8の何れか一項に記載の組成物。
  10. 食品、医薬品又は化粧料であることを特徴とする、請求項5〜9の何れか一項に記載の組成物。
  11. 高血圧症、不整脈、狭心症、心肥大、糖尿病、虚血若しくは虚血再潅流による臓器障害、脳障害、骨粗鬆症、胃潰瘍の予防薬又は治療薬、色素異常の改善用であることを特徴とする、請求項5〜10の何れか一項に記載の組成物。
  12. マメ科ハギ属の植物体を溶媒で抽出し、該抽出物を分画し、分画に於けるプロトンポンプ阻害作用を計測し、該プロトンポンプ阻害作用を有する分画を集めて組成物に含有せしめることを特徴とする、請求項5〜11の何れか一項に記載の組成物。
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JP2014125485A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Pokka Sappro Food & Beverage Ltd フラバノン化合物、並びにそれを含有する抗酸化剤及びその製造方法

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