JP2010199337A - シリコンウェーハの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素の外方拡散によるウェーハ表層の酸素濃度の低下を防ぎ、STI領域での転位発生を防止でき、研磨ダメージや研磨起因のウェーハ表面の局所的な凹凸欠陥を低減もしくは消滅可能なシリコンウェーハの製造方法を提供する。
【解決手段】仕上げ研磨されたシリコンウェーハの表面に、高エネルギ光を照射エネルギ密度0.5〜20J/cm、加熱時間0.01μ秒以上10μ秒未満で照射する。これにより、表層が1350℃以上融点未満で加熱されるので、STI領域の転位発生を防ぎ、研磨ダメージやウェーハ表面の研磨起因の局所的な凹凸欠陥あるいは微小結晶欠陥を低減または消滅できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、シリコンウェーハの製造方法、詳しくは表層の酸素濃度の低下を防止し、かつ研磨に起因した表層のダメージや表面の局所的な凹凸欠陥(研磨欠陥)を低減または解消可能なシリコンウェーハの製造方法に関する。
近年のデバイスプロセスでは、例えば図3に示すように、N−チャンネルMOSトランジスタ101とP−チャンネルMOSトランジスタ102が電気的な影響を及ぼさないように、シリコンウェーハWの表層103に、シャロー・トレンチ・アイソレーション(Shallow Trench Isolation:STI)104を形成し、素子101,102間の分離が行われている。
STI104の作製は、まず異方性エッチングにより、シリコンウェーハWの表面に深さ0.5μm程度の溝105を所定ピッチで形成する。次に、CVD(Chemical Vapour Deposition)により、この溝105に酸化シリコン106を埋め込むことでなされる(例えば特許文献1)。素子101,102は、この溝105を挟んで形成される。
STI104では、溝105内に、例えば、酸化シリコン106が埋め込まれる。そのため、デバイスプロセス工程での種々の熱処理によりシリコンとの熱膨張率の相違によりSTI104とシリコン107との界面には大きな応力が発生し、シリコンウェーハWのSTI104の形成部分、特にSTI104の底部において転位aが発生し、これがトランジスタ領域へ進展することでデバイス歩留を低下させていた。この転位aの進展は、表層103の酸素濃度に依存することが知られている。すなわち、酸素濃度が低ければ表層103から発生した転位aが進展し易く、反対に酸素濃度が高ければ転位は固着され進展し難い。
この点から、例えばアルゴンアニールされたシリコンウェーハ(アルゴンアニールウェーハ)WをSTI形成用のウェーハとした場合には、ポリッシュウェーハに比べて転位aの進展率が高まると言われている。これは、アルゴンアニール時、表層103内で酸素の外方拡散を積極的に利用するため、表層103の酸素濃度が低下することによる。アルゴンアニールウェーハWは、ウェーハをアルゴンガスの雰囲気で例えば1200℃、1時間、アニールすることで得られる。
そこで、アルゴンアニールウェーハWの転位aを抑制するには、少なくともSTI104の形成領域(ウェーハ表面から深さ約1μm)付近まで、高い酸素濃度を維持させる必要がある。そこで、この転位抑制策として、従来、シリコンウェーハWを表面から5μm程度(低酸素濃度部分)を研磨し、STI104の形成領域の酸素濃度を高めていた。
また、ウェーハ製造プロセスにおいて、最終的に表面が仕上げ研磨されたシリコンウェーハWでは、その表面欠陥として、研磨ダメージや研磨起因の局所的な凹凸欠陥(研磨欠陥)が知られている(特許文献2)。この研磨欠陥は、ウェーハ表面の凹みであるスクラッチや、微小な高さの突起(微小突起)である。スクラッチや微小突起は、研磨時に研磨砥粒やスラリーが凝集し、その状態で研磨を継続することで起きると推測される。
従来、この研磨ダメージや研磨に起因したウェーハ表面の局所的な凹凸欠陥を縮小または消滅させる技術として、研磨砥粒の小サイズ化、研磨速度の低速化により対処する方法が知られていた。
特開2008−28355号公報 特開2004−303973号公報
このように、デバイスプロセスでのSTI104の形成領域の低酸素化対策としては、従来、アルゴンアニールウェーハWを表面から5μm程度(低酸素濃度部分)研磨し、表層103の酸素濃度を高める方法が採られていた。しかしながら、5μm程度の研磨では、表層103に充分な酸素を存在させることができない。そこで、表層103のさらなる高酸素濃度化を図るため、この研磨量を増やすことが考えられる。ところが、研磨代を増大させればアニール処理で消滅できなかった結晶欠陥や酸素析出物がウェーハ表面に露出し、デバイスの歩留まりを大幅に低下させるという別の問題が発生してしまう。
一方、特許文献1には、ウェーハ表面へレーザ光を照射し、ウェーハ表層103に対して1100℃以上の温度で0.01m秒以上1秒以下の熱処理を施し、ウェーハ表層103を改質する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1の実施例で得られた二次イオン質量分析(SIMS)装置での測定によるシリコンウェーハWの酸素濃度プロファイル(図1の破線グラフ)によれば、ウェーハ表面から1μmの深さまでは酸素濃度が低下しており、現実において、STI104の形成領域の転位抑制には不利であった。
また、特許文献2においては、前述したようにウェーハ表面の研磨起因による局所的な凹凸欠陥を縮小または消滅させるため、従来から研磨砥粒を小サイズ化したり、研磨速度を低速化することが行われている。しかしながら、これらの方法では研磨時間が長くなり、製品ウェーハの生産性が低下して、製品ウェーハのコスト高を招いていた。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、シリコンウェーハの仕上げ研磨された表面に、高エネルギ光を、照射エネルギ密度0.5〜20J/cmで、加熱時間0.01μ秒以上10μ秒未満の条件で照射し、ウェーハ表層を1350℃以上融点未満となる熱処理を施せばよいことに想到した。すなわち、仕上げ研磨されたシリコンウェーハの表層に溶融を伴わない熱処理を施すのである。これにより、ウェーハ表層(例えば深さ1μm)の酸素の外方拡散が起こらない状態でウェーハを熱処理することができる。その結果、STI領域付近での転位発生を防止することができる。しかも、研磨に起因したデバイス特性の劣化も抑制することができることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、ウェーハ熱処理に際して、酸素の外方拡散によるウェーハ表層の酸素濃度の低下を防止することができ、デバイスプロセスでウェーハ表層にSTI領域を形成した場合には、STI領域での転位発生を防止することができ、しかもウェーハ表層の研磨ダメージや研磨起因のウェーハ表面の局所的な凹凸欠陥を低減または消滅させることができるシリコンウェーハの製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、単結晶からなるシリコンウェーハの仕上げ研磨された表面に、照射エネルギ密度が0.5〜20J/cm、加熱時間が0.01μ秒以上10μ秒未満で高エネルギ光を照射し、前記シリコンウェーハの表層に、1350℃以上融点未満となる溶融を伴わない条件で熱処理を施すシリコンウェーハの製造方法である。
請求項1に記載の発明によれば、仕上げ研磨されたシリコンウェーハの表面に、高エネルギ光を、照射エネルギ密度0.5〜20J/cm、加熱時間0.01μ秒以上10μ秒未満の条件で照射する。これにより、ウェーハ表層が1350℃以上融点未満に加熱され、表層に溶融を伴わない熱処理が施される。すなわち、従来のようにレーザ光の照射により表層が溶融しないので、このウェーハ表層(例えば深さ1μm)の酸素の外方拡散が起こらない状態でシリコンウェーハの熱処理が可能となる。その結果、例えばデバイスプロセスでウェーハ表層にSTI領域を形成した場合には、このSTI領域の転位発生を防止することができる。しかも、ウェーハ表層の研磨ダメージや研磨起因のウェーハ表面の局所的な凹凸欠陥を低減または消滅させることができる。その結果、デバイス歩留まりを高めることができる。
すなわち、前記条件でのレーザ光の照射により、ウェーハ表層のシリコン原子の移動が可能となる。これにより、ウェーハ表面の研磨に起因したデバイス特性の劣化を抑制することができる。
シリコンウェーハとしては、チョクラルスキー法により引き上げられた単結晶シリコンインゴットをウェーハ加工(仕上げ研磨を含む)して得られた単結晶シリコンウェーハなどを採用することができる。その他、アルゴンアニールウェーハ、SOIウェーハなどでもよい。
「シリコンウェーハの表層」とは、シリコンウェーハの表面から深さ1μm以内の領域をいう。
高エネルギ光としては、例えばランプ光、レーザ光などを採用することができる。
加熱方式としては、フラッシュランプアニール法やレーザアニール法を採用することができる。レーザアニール法に用いられるアニール装置としては、具体的に絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ(IGBT)製品の裏面ドーパント活性用として使用されている装置を、そのまま適用可能である。
高エネルギ光の照射エネルギ密度が0.5J/cm未満では、表面および表層領域を改質するには密度が低くすぎるので、処理時間が長くなり生産性が低下する。また、20J/cmを超えれば、処理時間は短くなるがレーザアニール炉に搭載するレーザ発振器の台数を大幅に増加させる必要があり、装置コストが高くなる。高エネルギ光の好ましい照射エネルギ密度は、1〜5J/cmである。この範囲であれば、レーザ発振器を増加させることなく、既存のIGBT用装置をそのまま使用することができる。
高エネルギ光によるウェーハ表層の加熱時間が0.01μ秒未満では、酸素外方拡散は起こらないが、表層改質するには処理時間が短すぎる。
また、10μ秒以上では、処理時間の増加に伴い生産性が低下する。レーザ光による好ましい加熱時間は、0.1〜1μ秒である。この範囲であれば、生産性の劣化がないというさらに好適な効果が得られる。
ウェーハ表層の加熱温度が1350℃未満では、酸素外方拡散は抑制されるがウェーハ表層を改質することができない。また、融点以上であれば、シリコン表層に凹凸が生じる可能性があり、最終的に研磨が必要となる。ウェーハ表層の好ましい加熱温度は、1380℃〜1400℃である。この範囲であれば、前記IGBT用装置をレーザ発振器の増加なしでそのまま適用することができるというさらに好適な効果が得られる。
高エネルギ光としてレーザ光を採用した場合のレーザ光としては、300nm以上550nm以下の波長のエキシマーレーザやグリーンレーザ、800nm付近以上の波長のエキシマーレーザやグリーンレーザ、ダイオードレーザまたはCOレーザを単独、または複数用いることができる。
また、波長が異なるレーザを用いて2波長以上のレーザ光を照射してもよい。レーザ光はパルス光、連続光の何れでもよい。特に800nm付近の波長は、シリコンウェーハの表層より深い領域まで加熱できるため、表層のみを加熱させる短波長側のレーザ光を加熱アシストに使用することも可能である。
レーザ照射条件として、短波長側のレーザ光はシリコンの吸収係数が大きく、表層加熱を効率よくできるので、レーザ光の照射エネルギ密度は1.0J/cmでよい。また、長波長側のレーザ光は、逆にレーザ光の進入深さが長くなり、その分、表層の加熱温度が低くなるので、高密度エネルギが必要となり、例えば10J/cm程度のエネルギ密度を必要とする。
ウェーハ表層の加熱温度が融点に達したかは、レーザ光をシリコンウェーハの表面に照射後、顕微鏡などでその照射位置を観察することで確認できる。すなわち、溶融した場合には、レーザ溶融領域に照射跡が残る。融点付近の温度域は、まずウェーハ表層が溶融するレーザ光の照射条件を求め、次にその照射条件の閾値から約10〜20%だけその照射条件値を下げれば、簡単に求めることができる。
シリコンウェーハの表面は、シリコンで終端された面またはシリコンに水素またはフッ素が終端処理された面が好ましい。
すなわち、シリコンウェーハの表面は、酸化膜など存在しない状態、または、水素やフッ素が表面のシリコン原子と終端処理(ターミネイト)された状態である。そのため、高エネルギ光の照射により簡単に水素原子やフッ素原子が脱離してシリコン表面が未結合状態となる。
したがって、ウェーハ表層の加熱によってシリコン原子の表面移動が容易となり、研磨起因の修復を円滑に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、前記高エネルギ光は、ランプ光またはレーザ光である請求項1に記載のシリコンウェーハの製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記シリコンウェーハに高エネルギを照射する際の炉内は、真空雰囲気または不活性ガス雰囲気である請求項1または請求項2に記載のシリコンウェーハの製造方法である。
請求項3に記載の発明によれば、レーザ照射雰囲気が真空または不活性ガス雰囲気であるため、シリコン表面を加熱する際、表面の酸化膜を新たに成長させることがない。これにより、シリコン表面における前記シリコン原子の移動を妨げない。
不活性ガスとしては、例えばアルゴンガス、ヘリウムなどを採用することができる。
請求項4に記載の発明は、前記シリコンウェーハは、シャロー・トレンチ・アイソレーション形成用のもので、前記溶融を伴わない条件での熱処理は、前記シリコンウェーハのうち、その表面から1.0μmまでの領域に施される請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載のシリコンウェーハの製造方法である。
シリコンウェーハの表層に対する溶融を伴わない熱処理により、シリコンウェーハの表面から1.0μm以内(表層)におけるシリコンウェーハの酸素濃度の低下を防止することができる。これにより、シャロー・トレンチ・アイソレーションの周辺領域に発生する転位の移動を抑制することができる。しかも、シリコンウェーハの表面およびシリコンウェーハの表層付近の加工起因や結晶起因の欠陥を低減させることができる。
熱処理により改質されるウェーハ表層の深さが1.0μmを超えれば、STIの底部より表層改質領域が十分に深くなるので、転位移動の抑制は可能であるが、生産性は低下してしまう。表層改質領域の好ましい深さは、1μm前後である。この範囲であれば、STIの転位を抑制することができるとともに、高い量産性(生産性)も得られる。なお、表層改質領域の深さが、シリコンウェーハの表面から0.2μm未満の場合には、表層改質領域がSTIの底部より浅くなり、転位移動の抑制力が低下するおそれがある。
請求項1に記載の発明によれば、仕上げ研磨されたシリコンウェーハの表面に、高エネルギ光を、照射エネルギ密度0.5〜20J/cmで、加熱時間0.01μ秒以上10μ秒未満の条件で照射する。これにより、ウェーハ表層が1350℃以上融点未満に加熱され、この表層に対して溶融を伴わない表層領域の改質が施される。その結果、デバイスプロセスでウェーハ表層にSTI領域を形成した際のSTI領域の転位発生を防止することができ、しかもウェーハ表層の研磨ダメージや研磨起因のウェーハ表面の局所的な凹凸欠陥を低減または消滅させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、高エネルギ光の照射雰囲気が真空または不活性ガス雰囲気であるため、シリコン表面を加熱する際、表面の酸化膜を新たに成長させることがない。これにより、シリコン表面における前記シリコン原子の移動を妨げない。
この発明の実施例に係るシリコンウェーハの製造方法により製造されたシリコンウェーハについて、表層の深さと酸素濃度との関係を示したグラフである。 この発明の実施例に係るシリコンウェーハの製造方法により製造されたシリコンウェーハの表層に、STIおよび素子が作製された状態を示す要部拡大断面図である。 従来手段に係るシリコンウェーハの製造方法により製造されたシリコンウェーハの表層に、STIおよび素子が作製された状態を示す要部拡大断面図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
この発明の実施例に係るシリコンウェーハの製造方法を説明する。
チョクラルスキー法により直径300mm、比抵抗が10mΩ・cm、初期酸素濃度1.0×1018atoms/cm(ASTM F−121,1979)のシリコン単結晶インゴットを引き上げる。得られたシリコン単結晶インゴットのうち、空孔と格子間シリコンとの過不足が少ないニュートラルなN領域の結晶部分をブロック切断し、このブロックに外径研削、スライスの各工程を順次行う。これにより、多数枚の無欠陥なシリコンウェーハ(サンプルウェーハ)が得られた。その後、各シリコンウェーハには、面取り、ラッピング、エッチング、1次研磨、仕上げ研磨が順次施された。
(比較例1)
得られたシリコンウェーハのうち、4枚に対して表面検査装置SP−2(テンコール社製)を使用し、表面に存在するパーティクルを観察した。そのうちの1枚について、全てのパーティクルの座標を記録し、原子間力顕微鏡(AFM)を用いてパーティクルの実態を観察した。その結果、35個はパーティクル、残り11個は凹凸欠陥(微小段差)であることがわかった。同様に残り3枚に対しても、パーティクルと微小段差の位置と個数を記録した。これらの4枚のシリコンウェーハを、比較例1のウェーハとする。
(比較例2,3)
次に、比較例1で選出されなかったサンプルウェーハの中から別の4枚を選出し、これらをレーザアニール炉に投入した。この炉内で各シリコンウェーハに対して、アルゴンガス雰囲気での1200℃、1時間の熱処理を施した。その後、2枚のシリコンウェーハに対しては、枚葉式の表面研磨装置を使用し、ウェーハ表面を5μm研磨して比較例2のウェーハとした。
また、残り2枚のシリコンウェーハは研磨せず、比較例3のウェーハとした。これらの4枚のシリコンウェーハに対して、比較例1と同様の手法により、表面検査装置SP−2を用いたウェーハ表面上のパーティクルの観察、AFM観察による凹凸欠陥の位置と個数とを記録した。
その結果、比較例3の2枚のシリコンウェーハには、何れも凹凸欠陥は確認できなかった。これに対して、ウェーハ表面を5μm研磨した比較例2のシリコンウェーハの場合には、何れもウェーハ表面に9個の凹凸欠陥が確認された。
(実施例1)
次に、比較例1〜3のシリコンウェーハの中から1枚ずつウェーハを選出し、これらを5容量%のフッ酸水溶液中に5分間浸水し、ウェーハ表面のシリコン酸化膜(自然酸化膜)を除去した。その後、フッ酸処理された各ウェーハを超純水により10分間洗浄した。シリコン酸化膜の除去により、ウェーハ表面は水素またはフッ素により終端される。その結果、レーザ光の照射時に簡単に水素原子やフッ素原子が脱離し、シリコン表面が未結合状態となる。
次いで、洗浄後の各ウェーハをパルス方式でレーザアニール炉に挿入し、アルゴンガス雰囲気で波長308nmのエキシマーレーザ光を、パルス幅0.02μ秒、照射エネルギ密度0.8J/cmの条件で、ウェーハ表面に照射した。その結果、レーザ照射部は約1390℃に加熱され、この表層に溶融を伴わない熱処理が施された。
すなわち、レーザ光を照射しても照射時間が短く、かつウェーハ表層が溶融しないので、ウェーハ表層(ウェーハ表面から深さ1μmの領域)の酸素の外方拡散が起こらない状態(酸素濃度が表層全域で均一な状態)を保持したまま、ウェーハ表層中のシリコンの歪緩和やウェーハ表面でのシリコン原子の移動を伴うアニールウェーハの熱処理が可能となった(図1の実線グラフ)。
その結果、図2に示すようなデバイスプロセスでシリコンウェーハWの表層Waに形成されるSTI11の形成領域において、初期酸素濃度を維持したままの状態であるので、転位aの移動を抑制することができる。しかも、仕上げ研磨時の表層Waの研磨ダメージや、研磨起因のウェーハ表面の局所的な凹凸欠陥を低減または消滅させることができ、デバイス歩留まりを高めることができる。
このSTI11は、異方性エッチングにより、シリコンウェーハWの表面に深さ0.5μm程度の溝12を形成後、CVDにより溝12に酸化シリコン13を埋め込んで作製される。この溝12を挟んで、素子分離を行う。
実際に、実施例1の各シリコンウェーハWに対して、予め記録した位置座標を観察したが、研磨起因の凹凸欠陥は消滅または縮小していることが確認された。また、比較例1〜3のシリコンウェーハのうち、実施例1用として選出されなかったウェーハに対して、フッ酸水溶液の浸漬なしに同様のレーザ照射を行った。その結果、前記凹凸欠陥は消滅または縮小していることが確認できた。すなわち、この実験条件では、シリコンウェーハのフッ酸水溶液への浸漬の効果が得られなかった。
(実施例2)
次に、実施例1と同様に比較例1〜3のシリコンウェーハの中から1枚ずつ別のウェーハを選出し、その後、同じレーザアニール炉を使用し、アルゴンガス雰囲気下で波長532nm、パルス幅0.2μ秒、照射エネルギ密度1.2J/cmの条件で各ウェーハ表面にレーザ光を照射し、これらを実施例2のシリコンウェーハWとした。その後、実施例2のウェーハWの全ての表面に対して、予め記録されていた位置座標を観察したが、実施例1と同様に凹凸欠陥は消滅または縮小していることが確認された。その他の構成、作用および効果は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
(実施例3)
次に、実施例1で得られた各シリコンウェーハWの一部を切り出し、二次イオン質量分析装置により、ウェーハ表面から5μmまでの表層の酸素(Oi)濃度を測定した結果、酸素濃度の低下は一切観察されなかった。
11 STI(シャロー・トレンチ・アイソレーション)、
16 シリコン、
W シリコンウェーハ、
Wa 表層。

Claims (4)

  1. 単結晶からなるシリコンウェーハの仕上げ研磨された表面に、照射エネルギ密度が
    0.5〜20J/cm、加熱時間が0.01μ秒以上10μ秒未満で高エネルギ光を照射し、前記シリコンウェーハの表層に、1350℃以上融点未満となる溶融を伴わない条件で熱処理を施すシリコンウェーハの製造方法。
  2. 前記高エネルギ光は、ランプ光またはレーザ光である請求項1に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  3. 前記シリコンウェーハに高エネルギを照射する際の炉内は、真空雰囲気または不活性ガス雰囲気である請求項1または請求項2に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  4. 前記シリコンウェーハは、シャロー・トレンチ・アイソレーション形成用のもので、
    前記溶融を伴わない条件での熱処理は、前記シリコンウェーハのうち、その表面から1.0μmまでの領域に施される請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載のシリコンウェーハの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012212844A (ja) * 2011-03-22 2012-11-01 Covalent Materials Corp シリコンウェーハの熱処理方法及びシリコンウェーハ

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