JP2010199198A - 環境調整装置及びステージ装置並びに露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動体が移動する空間の環境を容易に維持可能な環境調整装置を提供する。
【解決手段】移動体2が移動する空間の環境を調整する。移動体の移動に伴って移動し、移動体の表面側に環境調整用気体KAを供給する気体供給部8Cを有する。
【選択図】図3
【解決手段】移動体2が移動する空間の環境を調整する。移動体の移動に伴って移動し、移動体の表面側に環境調整用気体KAを供給する気体供給部8Cを有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、環境調整装置及びステージ装置並びに露光装置に関するものである。
移動ステージを有するステージ装置においては、移動ステージ(または移動ステージに設置された移動鏡)に反射面を設け、この反射面に対して照射したレーザ光等のビームの反射光を受光することにより、移動面に沿う方向(例えばX軸方向、Y軸方向)の位置を検出する干渉計が用いられている。また、特許文献1には、移動面に沿う方向に照射されたビームを移動ステージにおいて移動面と直交する方向(Z方向)に折り曲げ、移動ステージの上方に設けた反射板で反射させることにより、移動ステージのZ方向の位置(高さ位置)を検出する干渉計の構成が開示されている。
上記の位置計測においては、位置検出を高精度に行うためには、空気揺らぎ等の誤差要因を排除するために検知光の光路に対して温度・湿度等の環境を調整する必要がある。
そこで、従来では、検知光の光路に対して、温度調整されたドライエア等を供給することにより光路における環境調整が行われている。
そこで、従来では、検知光の光路に対して、温度調整されたドライエア等を供給することにより光路における環境調整が行われている。
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
移動ステージの位置検出は、移動ステージの移動範囲全体に亘って行われるため、この移動範囲全体に亘って環境調整を行うことは困難であり、装置の大型化を招く虞がある。また、上記ドライエアの供給口と移動ステージとの間の距離が大きい場合には、所定の環境が維持されなくて位置計測精度が低下してします可能性もある。
移動ステージの位置検出は、移動ステージの移動範囲全体に亘って行われるため、この移動範囲全体に亘って環境調整を行うことは困難であり、装置の大型化を招く虞がある。また、上記ドライエアの供給口と移動ステージとの間の距離が大きい場合には、所定の環境が維持されなくて位置計測精度が低下してします可能性もある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、移動体が移動する空間の環境を容易に維持可能な環境調整装置及びステージ装置並びに露光装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図11に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の環境調整装置は、移動体(2)が移動する空間の環境を調整する環境調整装置(8)であって、移動体の移動に伴って移動し、移動体の表面側に環境調整用気体を供給する気体供給部(8C)を有するものである。
従って、本発明の環境調整装置では、移動体の表面側に環境調整用気体を供給する気体供給部(8C)が移動体の移動に伴って移動するため、環境調整用気体を局所的に供給すればよくなり、装置の大型化を招くことなく容易に空間の環境を調整することができる。
本発明の環境調整装置は、移動体(2)が移動する空間の環境を調整する環境調整装置(8)であって、移動体の移動に伴って移動し、移動体の表面側に環境調整用気体を供給する気体供給部(8C)を有するものである。
従って、本発明の環境調整装置では、移動体の表面側に環境調整用気体を供給する気体供給部(8C)が移動体の移動に伴って移動するため、環境調整用気体を局所的に供給すればよくなり、装置の大型化を招くことなく容易に空間の環境を調整することができる。
また、本発明のステージ装置は、先に記載の環境調整装置を備えるものである。
従って、本発明のステージ装置では、上述の環境調整装置を備えているため、移動ステーの移動空間の環境を容易に調整することができ、空気揺らぎ等の悪影響を排除して高精度の位置計測を行うことが可能になる。
従って、本発明のステージ装置では、上述の環境調整装置を備えているため、移動ステーの移動空間の環境を容易に調整することができ、空気揺らぎ等の悪影響を排除して高精度の位置計測を行うことが可能になる。
そして、本発明の露光装置は、先に記載のステージ装置を備えるものである。
従って、本発明の露光装置では、高精度に計測された移動体の位置に基づいて、高精度の露光処理を実施することができる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために、一実施例を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明が実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
従って、本発明の露光装置では、高精度に計測された移動体の位置に基づいて、高精度の露光処理を実施することができる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために、一実施例を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明が実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明では、移動体が移動する空間の環境を容易に維持することができる。
以下、本発明の環境調整装置及びステージ装置並びに露光装置の実施の形態を、図1ないし図11を参照して説明する。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY及びθZ方向とする。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY及びθZ方向とする。
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ(移動体)2と、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置を光学的に計測する干渉計システム3と、基板ステージ2の位置を光学的に計測するエンコーダシステム4と、基板ステージ2に保持された基板Pの表面の位置情報を光学的に検出する検出システム(フォーカス・レベリング検出システム)23と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材5と、少なくとも投影光学系PLを収容するチャンバ装置6と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7とを備えている。
また、本実施形態の露光装置EXは、エンコーダシステム4の計測光LB(後述、図3参照)の光路及びその周辺の環境を調整する環境調整装置8(図1では不図示、図3等参照)を備えている。
また、本実施形態の露光装置EXは、エンコーダシステム4の計測光LB(後述、図3参照)の光路及びその周辺の環境を調整する環境調整装置8(図1では不図示、図3等参照)を備えている。
チャンバ装置6は、実質的に閉ざされた内部空間6Sを形成するチャンバ部材6Tと、内部空間6Sの環境(温度、湿度、及びクリーン度等)を制御する環境制御装置6Cとを有する。環境制御装置6Cは、内部空間6Sの環境を制御するために、内部空間6Sに気体を供給する。本実施形態において、内部空間6Sには、マスクステージ1、基板ステージ2、照明系IL、投影光学系PL等が配置される。
露光装置EXは、例えばクリーンルーム内の支持面FL上に設けられた第1コラム9、及び第1コラム9上に設けられた第2コラム10を含むボディ11を備えている。第1コラム9は、第1支持部材12と、第1支持部材12に防振装置13を介して支持された第1定盤14とを備えている。第2コラム10は、第1定盤14上に設けられた第2支持部材15と、第2支持部材15に防振装置16を介して支持された第2定盤17とを備えている。
第1コラム9は、実質的に閉ざされた内部空間9Sを形成する。本実施形態において、露光装置EXは、内部空間9Sの環境(温度、湿度、及びクリーン度等)を制御する環境制御装置9Cを有する。環境制御装置9Cは、内部空間9Sの環境を制御するために、内部空間9Sに気体を供給する。
照明系ILは、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書等に開示されるような、光源、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、及びブラインド機構等を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)、及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRに移動可能である。マスクステージ1は、マスクMをリリース可能に保持するマスク保持部1Hを有する。本実施形態において、マスク保持部1Hは、マスクMのパターン形成面(下面)とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。マスクステージ1は、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含む第1駆動システム1Dの作動により、第2定盤17の上面(ガイド面)に沿って、照明領域IRを含むXY平面内を移動可能である。第2定盤17の上面は、XY平面とほぼ平行である。本実施形態においては、マスクステージ1は、マスク保持部1HでマスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。投影光学系PLの複数の光学素子は、鏡筒18に保持されている。鏡筒18は、フランジ18Fを有する。投影光学系PLは、フランジ18Fを介して、第1定盤14に支持される。なお、第1定盤14と鏡筒18との間に防振装置を設けることができる。
本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXはZ軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子21は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面22を有する。投影領域PRは、射出面22から射出される露光光ELの照射位置EPを含む。
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、投影領域PR(照射位置EP)に移動可能である。基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部2Hを有する。本実施形態において、基板保持部2Hは、所謂、ピンチャック機構を含む。本実施形態において、基板保持部2Hは、基板Pの表面(露光面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。基板ステージ2は、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含む第2駆動システム2Dの作動により、第3定盤19の上面(ガイド面)に沿って、投影領域PRを含むXY平面内を移動可能である。第3定盤19は、防振装置20を介して、支持面FLに支持されている。第3定盤19の上面は、XY平面とほぼ平行である。本実施形態においては、基板ステージ2は、基板保持部2Hで基板Pを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ2は、基板保持部2Hの周囲に配置され、終端光学素子21の射出面22と対向可能な上面2Tを有する。基板保持部2Hは、基板ステージ2上に設けられた凹部2Cに配置されている。基板保持部2Hに保持された基板Pの表面は、終端光学素子21の射出面22と対向可能である。基板ステージ2の上面(表面)2Tは、平坦で、XY平面とほぼ平行である。基板保持部2Hに保持された基板Pの表面と基板ステージ2の上面2Tとは、ほぼ同一平面内に配置される(ほぼ面一である)。
本実施形態において、基板ステージ2は、基板保持部2Hに保持された基板Pの周囲に配置されるプレート部材Tを有する。本実施形態において、基板ステージ2は、プレート部材Tをリリース可能に保持するプレート部材保持部2Jを備えている。本実施形態において、プレート部材保持部2Jは、所謂、ピンチャック機構を含む。プレート部材保持部2Jは、基板保持部2Hの周囲に配置されている。
プレート部材Tは、基板Pを配置可能な開口THを有する。プレート部材保持部2Jに保持されたプレート部材Tは、基板保持部2Hに保持された基板Pの周囲に配置される。本実施形態において、プレート部材保持部2Jに保持されたプレート部材Tの開口THの内面と、基板保持部2Hに保持された基板Pの外面とは、所定のギャップを介して対向する。プレート部材保持部2Jは、プレート部材Tの上面とXY平面とがほぼ平行となるように、プレート部材Tを保持する。本実施形態においては、基板保持部2Hに保持された基板Pの表面と、プレート部材保持部2Jに保持されたプレート部材Tの上面とは、ほぼ同一平面内に配置される(ほぼ面一である)。すなわち、本実施形態においては、基板ステージ2の上面2Tは、プレート部材保持部2Jに保持されたプレート部材Tの上面を含む。
干渉計システム3は、XY平面内におけるマスクステージ1(マスクM)の位置情報を光学的に計測可能な第1干渉計ユニット3Aと、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置情報を光学的に計測可能な第2干渉計ユニット3Bとを有する。第1、第2干渉計ユニット3A、3Bのそれぞれは、レーザ干渉計を複数有する。第1干渉計ユニット3Aは、マスクステージ1に設けられた計測ミラー1Rに計測光を照射して、X軸、Y軸、及びθZ方向に関するマスクステージ1(マスクM)の位置情報を計測する。第2干渉計ユニット3Bは、基板ステージ2に設けられた計測ミラー2Rに計測光を照射して、X軸、Y軸、及びθZ方向に関する基板ステージ2(基板P)の位置情報を計測する。
検出システム23は、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置情報を光学的に検出可能である。検出システム23は、例えば米国特許第5448332号明細書、米国特許出願公開第2007/0247640号明細書等に開示されているような、複数の検出点のそれぞれで基板Pの表面の高さ情報(Z軸方向に関する位置情報)を検出する、所謂、多点位置検出システムを含む。検出システム23は、基板Pの表面の位置情報のみならず、例えば基板ステージ2の上面2Tの位置情報を検出可能である。
エンコーダシステム4は、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置情報を光学的に計測する。エンコーダシステム4は、図3に示すように、基板ステージ2に設けられたエンコーダヘッド31と、エンコーダヘッド31と対向可能に配置されたエンコーダスケール33とを備えている。エンコーダスケール33は、連結部材32Fを介して、第1コラム9の第1定盤14に吊り下げられた支持部材(支持部)32に支持されている。
エンコーダシステム(計測装置)4は、エンコーダヘッド(射出部)31がエンコーダスケール(計測部)33を読み取ることにより、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置を計測する。なお、エンコーダシステム4の詳細は、例えば米国特許出願公開第2007/0288121号明細書や、米国特許出願公開第2006/0227309号明細書に開示されているため、ここでは説明を省略する。
環境調整装置8は、エンコーダシステム4の計測光LBの光路及びその周辺の環境を調整するものであって、基板ステージ2に設けられた気体供給路8Aと、気体供給路8Aに温度調整及び湿度調整された環境調整用気体(例えばドライエア、以下単に気体と称する)を供給する気体供給装置8Bとを有している。気体供給路8Aの先端は、エンコーダヘッド31の近傍で基板ステージ2の表面側(+Z側、基板Pの表面側)に開口して気体を噴出する開口部8Cとなっている。
図4は、基板ステージ2の概略的な平面図である。
この図に示されるように、エンコーダヘッド31は、基板Pを挟んだX方向及びY方向の両側にそれぞれ配置されており、開口部8Cは各エンコーダヘッド31毎に、エンコーダヘッド31を挟んで基板Pと反対側、及び基板Pの外周の接線方向でエンコーダヘッド31の両側の3ヶ所にそれぞれ配置されて、エンコーダヘッド31を取り囲むように設けられている。
この図に示されるように、エンコーダヘッド31は、基板Pを挟んだX方向及びY方向の両側にそれぞれ配置されており、開口部8Cは各エンコーダヘッド31毎に、エンコーダヘッド31を挟んで基板Pと反対側、及び基板Pの外周の接線方向でエンコーダヘッド31の両側の3ヶ所にそれぞれ配置されて、エンコーダヘッド31を取り囲むように設けられている。
液浸部材5は、終端光学素子21の近傍に配置される。液浸部材5は、終端光学素子21と、照射位置EPに配置された物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。液浸空間LSは、液体LQで満たされた部分(空間、領域)である。本実施形態において、照射位置EPに配置可能な物体は、照射位置EPに移動可能な物体を含む。本実施形態において、その物体は、基板ステージ2(プレート部材T)、及び基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。基板Pの露光中、液浸部材5は、終端光学素子21と基板Pとの間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。
液浸部材5は、物体と対向可能な下面24を有し、下面24と物体との間の空間は液体LQを保持可能である。下面24と物体との間に保持された液体LQによって液浸空間LSが形成される。本実施形態においては、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LGは、液浸部材5の下面24と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
本実施形態において、液浸部材5は、第1コラム9に支持されている。本実施形態においては、液浸部材5は、連結部材5Cを介して、第1コラム9の第1定盤14に吊り下げられている。
図2は、終端光学素子21及び液浸部材5の近傍を示す断面図である。本実施形態において、液浸部材5は、例えば米国特許出願公開第2007/0132976号明細書、欧州特許出願公開第1873815号明細書に開示されているような液浸部材であって、射出面22から射出された露光光ELが通過可能な開口25と、液体LQを供給する供給口26と、液体LQを回収する回収口27とを有する。回収口27には、多孔部材28が配置されている。本実施形態において、液浸部材5の下面24の少なくとも一部が、多孔部材28の下面で構成される。供給口26は、流路29Rを介して、液体供給装置29と接続されている。液体供給装置29は、清浄で温度調整された液体LQを送出可能である。回収口27は、流路30Rを介して、液体回収装置30と接続されている。液体回収装置30は、真空システムを含み、液体LQを吸引して回収可能である。本実施形態においては、制御装置7は、供給口26を用いる液体供給動作と並行して、回収口27を用いる液体回収動作を実行することによって、一方側の終端光学素子21及び液浸部材5と、終端光学素子21及び液浸部材5と対向する他方側の物体との間に液体LQで液浸空間LSを形成可能である。
次に、上述した構成を有する露光装置EXの動作の一例について説明する。本実施形態においては、基板ステージ2は、第3定盤19のガイド面上において、露光光ELの照射位置EP及び基板交換位置(不図示)を含む所定領域内を移動可能である。制御装置7は、搬送システム(不図示)を用いて、基板交換位置に移動した基板ステージ2(基板保持部2H)に対して露光前の基板Pを搬入(ロード)する動作、及び基板ステージ2(基板保持部2H)より露光後の基板Pを搬出(アンロード)する動作を含む基板交換処理を実行可能である。
本実施形態において、検出システム23は、基板交換位置と照射位置EPとの間において、基板Pの表面の位置情報を検出する。検出システム23は、基板Pの表面内(XY平面内)の複数の検出点のそれぞれに対して、Z軸方向と傾斜した方向から検出光を照射する照射装置23Aと、検出点を介した検出光を受光可能な受光装置23Bとを備えている。
基板Pの露光動作を開始するために、制御装置7は、基板ステージ2を基板交換位置へ移動して、搬送システム(不図示)を用いて、基板交換位置に配置された基板ステージ2に、露光前の基板Pをロードする。基板ステージ2に基板Pがロードされた後、制御装置7は、第2駆動システム2Dを作動して、基板交換位置から照射位置EPへ向けて、基板ステージ2の移動を開始する。
検出システム23の検出領域は、基板交換位置と照射位置EPとの間に配置されている。制御装置7は、基板ステージ2が基板交換位置から照射位置EPへ移動する途中において、検出システム23を用いて、基板Pの表面の位置情報を検出する。本実施形態においては、制御装置7は、エンコーダシステム4を用いて、XY平面内における基板ステージ2の位置情報を計測しつつ、基板ステージ2をXY平面内で移動しながら、検出システム23を用いる検出動作を実行する。
制御装置7は、基板Pの複数のショット領域を、投影光学系PL及び液浸空間LSの液体LQを介して順次露光する動作を開始する。基板Pの露光動作を開始する際に、終端光学素子21及び液浸部材5と基板Pの表面との間に液体LQで液浸空間LSが形成されている。本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光時、制御装置7は、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、光軸AX(露光光ELの光路)と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置7は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pは露光光ELで露光される。
本実施形態においては、基板Pの露光中、マスクステージ1の位置情報が、第1干渉計ユニット3Aで計測され、基板ステージ2の位置情報が、エンコーダシステム4で計測される。第1干渉計ユニット3Aは、マスクステージ1(マスクM)の位置情報を、計測光を用いて取得する。エンコーダシステム4は、基板ステージ2(基板P)の位置情報を、計測光LBを用いて取得する。制御装置7は、基板Pの露光中、第1干渉計ユニット3Aを用いて取得したマスクステージ1の位置情報、及びエンコーダシステム4を用いて取得した基板ステージ2の位置情報に基づいて、マスクM及び基板Pそれぞれの位置を制御しながら、基板Pに露光光ELを照射する。
上記エンコーダシステム4においては、エンコーダヘッド31によりエンコーダスケール33を読み取ることにより、基板ステージ2(基板P)の位置情報を取得するが、このとき、環境調整装置8の開口部8Cから、図3に示すように、環境調整用気体KAが噴出・供給される。本実施形態においては、液浸空間LSの液体LQの気化に起因して、計測光LBの光路上で湿度勾配及び温度勾配が発生する可能性がある。例えば、液浸空間LSの近傍の計測光LBの光路の湿度が高く、液浸空間LSから離れた計測光LBの光路の湿度が低くなる可能性がある。また、湿度勾配に伴い生じた気化潜熱の違いにより温度勾配が生じる可能性があり、湿度勾配が発生すると、例えばエンコーダヘッド31とスケール部材33との間に、計測光LBに対する屈折率勾配が生じる可能性がある。また、屈折率勾配が経時的に変化する可能性もある。その結果、エンコーダシステム4の計測精度が低下し、基板ステージ2の位置制御精度が低下し、その結果、露光不良が発生する可能性があるが、本実施形態では、計測光LBの光路及びその周辺が環境調整用気体KAで満たされることから、雰囲気の温度変動や湿度変動の悪影響を受けることなくエンコーダスケール33を読み取ることにより、基板ステージ2(基板P)の位置情報を高精度で取得することができる。
なお、本実施形態においては、第2干渉計ユニット3Bの計測値は、エンコーダシステム4の計測値の長期的変動(例えばスケール部材33の経時的な変形)を補正(較正)する場合等に補助的に用いられる。
基板Pの露光が終了した後、制御装置7は、露光後の基板Pを基板ステージ2からアンロードするために、第2駆動システム2Dを作動して、照射位置EPから基板交換位置へ向けて基板ステージ2の移動を開始する。制御装置7は、基板ステージ2を基板交換位置へ移動して、搬送システム(不図示)を用いて、基板交換位置に配置された基板ステージ2から、露光後の基板Pのアンロードを実行する。その後、制御装置7は、その基板ステージ2に対して、搬送システムを用いて、露光前の基板Pをロードする。以下、上述と同様の処理が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態では、開口部8Cから環境調整用気体KAを供給するため、エンコーダシステム4の計測光LBの光路での温度勾配や湿度勾配の発生を容易に抑制することができる。したがって、エンコーダシステム4の計測精度の低下を抑制でき、その計測結果に基づく基板ステージ2の移動制御を良好に実行できる。したがって、露光不良の発生、不良デバイスの発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、基板ステージ2に環境調整用気体KAを供給する開口部8Cが設けられているため、従前のように、基板ステージ2の移動範囲全体に亘って環境調整用気体を供給する必要がなくなり、装置の小型化及び低価格化に寄与することができる。また、天井部にエンコーダスケール33等の部材があって上方からの環境調整用気体の供給に支障を来す場合であっても、容易に環境調整用気体KAを供給することができる。
また、本実施形態では、基板ステージ2に環境調整用気体KAを供給する開口部8Cが設けられているため、従前のように、基板ステージ2の移動範囲全体に亘って環境調整用気体を供給する必要がなくなり、装置の小型化及び低価格化に寄与することができる。また、天井部にエンコーダスケール33等の部材があって上方からの環境調整用気体の供給に支障を来す場合であっても、容易に環境調整用気体KAを供給することができる。
なお、上記第1実施形態では、開口部8Cが基板ステージ2の上面2Tの法線方向に環境調整用気体KAを噴出する構成としたが、これ以外にも、図5に示すように、エンコーダスケール33において計測光LBが照射される位置に向けて噴出する構成としてもよい。この構成では、効果的に計測光LBの光路の雰囲気を調整することができる。
(第2実施形態)
続いて、環境調整装置8の第2実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。
これらの図において、図1乃至図4に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
上記第1実施形態では、開口部8Cを基板ステージ2の上面2Tに形成していたが、第2実施形態では別部材に設ける点で第1実施形態とは異なっている。
続いて、環境調整装置8の第2実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。
これらの図において、図1乃至図4に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
上記第1実施形態では、開口部8Cを基板ステージ2の上面2Tに形成していたが、第2実施形態では別部材に設ける点で第1実施形態とは異なっている。
図6に示すように、基板ステージ2の各側面には、エンコーダヘッド31を挟んだ基板Pと逆側に位置して気体噴出部材120が一体的に取り付けられている。図7に示すように、気体噴出部材120には、気体供給路8Aが形成されており、気体供給路8Aの先端には、エンコーダスケール33において計測光LBが照射される位置に向けて環境調整用気体KAを噴出する開口部8Cが形成されている。
なお、気体噴出部材120の上面は、基板テーブル2の上面2Tよりも突出しない位置に形成されている。
なお、気体噴出部材120の上面は、基板テーブル2の上面2Tよりも突出しない位置に形成されている。
上記構成の環境調整装置8では、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、気体供給路8A及び開口部8Cが基板テーブル2に形成されていないため、基板テーブルを容易に製造することが可能になる。また、本実施形態では、環境調整用気体KAの噴出方向を変更する際にも、気体噴出部材120の取付位置を変更する等により容易に対応可能である。
(第3実施形態)
続いて、環境調整装置8の第3実施形態について、図8乃至図10を参照して説明する。
これらの図において、図1乃至図4に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
上記第1実施形態では、開口部8Cを直接的(第1実施形態)または間接的(第2実施形態)に基板ステージ2に設けていたが、第3実施形態では、基板ステージ2と同期移動する第2移動体に設ける場合について説明する。
続いて、環境調整装置8の第3実施形態について、図8乃至図10を参照して説明する。
これらの図において、図1乃至図4に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
上記第1実施形態では、開口部8Cを直接的(第1実施形態)または間接的(第2実施形態)に基板ステージ2に設けていたが、第3実施形態では、基板ステージ2と同期移動する第2移動体に設ける場合について説明する。
図8に示す基板ステージ(ステージ装置)WSTは、基板Pを保持する基板テーブルWTと、定盤WBに支持されて基板テーブルWTと一体的にリニアモータ等の駆動装置によりY軸方向に連続移動するとともにX軸方向にステップ移動し、更にθZ方向に微少移動可能なXYステージ(移動体)71とを備える。基板テーブルWTとXYステージ71との間には、ボイスコイルモータ等のアクチュエータが複数設けられ、これらのアクチュエータを駆動することにより、基板テーブルWTはXYステージ71に対して、Z軸方向、θX方向、及びθY方向の3方向の微少運動が可能であり、全体として、6自由度を有する。
XYステージ71を駆動する駆動装置は、XYステージ71をX方向にロングストロークで駆動するとともに、Y方向、Z方向、θx、θy、θzに微小駆動する第1駆動系72と、XYステージ71及び第1駆動系72をY方向にロングストロークで駆動する第2駆動系73A、73Bとを備えている。第2駆動系73Aは、Y方向に延びる固定子74Aと、可動子75Aとから構成される。第2駆動系73Bは、Y方向に延びる固定子74Bと、可動子75Bとから構成される。そして、可動子75A、75Bの間に上記第1駆動系72が設けられる。
また、第2駆動系73A、73Bには、Y軸方向に関しては、基板ステージWSTと一体的に移動し、X方向に関しては、Xリニアモータ70の駆動により基板ステージWSTに追従して(同期して)移動するサブステージとしてのチューブキャリア76が設けられている。チューブキャリア76は、電気配線やエア供給管等、基板ステージ(移動体)WSTに接続される用力供給部材(不図示)を中継するものである。なお、図8では、チューブキャリア76は一つのみ図示されているが、実際にはXYステージ71を挟んだY方向の両側に設けられている。
そして、図9及び図10に示すように、チューブキャリア76には、基板テーブルWTと非接触で気体噴出部材120Yが、基板テーブルWTを挟んだY方向の両側に位置して搭載されている。また、基板テーブルWTを挟んだY方向の両側に位置して、気体噴出部材120Xが基板テーブルWTと非接触で配置されている。気体噴出部材120Xは、連結部121により気体噴出部材120Yと一体的に接続されている。なお、図示はしていないが、連結部121には気体導入路が設けられており、気体噴出部材120Yに供給された環境調整用気体の一部は、当該気体導入路を介して気体噴出部材120Xに供給される。
噴出部材120X、120Yのそれぞれには、気体供給路8Aが形成されており、気体供給路8Aの先端には、エンコーダスケール33において計測光LBが照射される位置に向けて環境調整用気体KAを噴出する開口部8Cが形成されている。
なお、気体噴出部材120X、120Yの上面も、基板テーブルWTの上面よりも突出しない位置に形成されている。
なお、気体噴出部材120X、120Yの上面も、基板テーブルWTの上面よりも突出しない位置に形成されている。
上記構成では、基板ステージ71及び基板テーブルWTがX方向に移動した際には、チューブキャリア76が同期移動(追従)することにより、用力供給部材を介して振動等が基板テーブルWTに伝わることを防止できる。また、噴出部材120X、120Yの開口部8Cからは計測光LBの光路に向けて環境調整用気体が供給されるため、上述したように、基板テーブルWT(基板P)の位置情報を高精度に計測することができる。
このように、本実施形態では、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、基板ステージ71、基板テーブルWTには環境調整用気体KAが流動せず、振動的に環境調整装置8と独立して設けられているため、基板テーブルWT(基板P)に環境調整用気体KAの供給に伴う振動が伝わってパターンの結像特性に悪影響を及ぼすことを防止できる。
このように、本実施形態では、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、基板ステージ71、基板テーブルWTには環境調整用気体KAが流動せず、振動的に環境調整装置8と独立して設けられているため、基板テーブルWT(基板P)に環境調整用気体KAの供給に伴う振動が伝わってパターンの結像特性に悪影響を及ぼすことを防止できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、環境調整装置8によりエンコーダシステム4を用いる雰囲気を調整する構成としたが、エンコーダシステム4は必須ではなく、環境調整装置8により基板ステージ2、WTの表面側に環境調整用気体を供給することにより、液浸露光により生じる水分を飛散させて、気化熱による温度変動や結露等の悪影響を抑制することが可能になる。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば対応米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、例えば米国特許第6897963号明細書等に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載し、露光対象の基板を保持しない計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図11に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ(移動体)、 2T…上面(表面)、 4…エンコーダシステム(計測装置)、 8…環境調整装置、 8C…開口部(気体供給部)、 31…エンコーダヘッド(射出部)、 32…支持部材(支持部)、 33…エンコーダスケール(計測部)、 71…XYステージ(移動体)、 EX…露光装置、 WST…基板ステージ(ステージ装置)
Claims (8)
- 移動体が移動する空間の環境を調整する環境調整装置であって、
前記移動体の移動に伴って移動し、該移動体の表面側に環境調整用気体を供給する気体供給部を有する環境調整装置。 - 前記気体供給部は、前記移動体の前記表面に開口し、前記環境調整用気体を噴出する開口部を有する請求項1記載の環境調整装置。
- 前記移動体と非接触に設けられ当該移動体と同期移動する第2移動体を有し、
前記気体供給部は、前記第2移動体に設けられる請求項1記載の環境調整装置。 - 前記第2移動体は、前記移動体に用力を供給する用力供給部材を支持する請求項3記載の環境調整装置。
- 計測光を射出する射出部と、前記射出部と対向可能な位置に配置され、前記射出部から射出された前記計測光が照射される計測部とを有する計測装置を備え、
前記移動体には、前記射出部と前記計測部とのいずれか一方が設けられ、
前記移動体の移動領域と対向する位置に配置された支持部には、前記射出部と前記計測部とのいずれか他方が支持される請求項1から4のいずれか一項に記載の環境調整装置。 - 前記計測装置は、エンコーダヘッドと、前記エンコーダヘッドと対向可能なスケール部材とを有するエンコーダシステムを含み、
前記射出部は、前記エンコーダヘッドを含む請求項5記載の環境調整装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の環境調整装置を備えるステージ装置。
- 請求項7記載のステージ装置を備える露光装置。
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