JP2010194714A - 放電加工装置および放電加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 工具電極と被加工物とで構成される加工間隙の状態を正しく検出する。
【解決手段】 工具電極と被加工物との極間に電力を供給する電源手段と、電源手段で供給された電力に基づき発生する極間での放電波形を検出する放電検出手段と、放電波形において、所定のサンプリング時間内での放電発生回数Ndをカウントする放電発生回数カウンタ手段と、電源手段から供給される電圧印加にともなう放電が予め設定した短絡電圧閾値Vshを下回る短絡放電の短絡回数N1をカウントする短絡発生回数カウンタ手段と、放電発生回数Nd、短絡回数N1、予め設定される無負荷電圧V0、パルス幅Ton、休止時間Toff、放電電圧eg、サンプリング時間Tsを用い、極間での想定平均電圧Vgsを演算する演算手段と、この演算手段により演算された上記想定平均電圧Vgsが、上記サンプリング時間Ts内でのサーボ基準電圧SVとなるように加工軸制御を行う電極位置制御手段とを備えた。
【選択図】 図1

Description

この発明は、放電加工装置および放電加工方法に関し、特に、放電加工状態の認識とその認識結果から加工軸の送り制御を行う技術に関するものである。
放電加工装置は、加工液中に設けられた工具電極と被加工物間に放電を生じさせて被加工物を加工液中で溶融除去するものである。
放電加工においては、放電が生じる工具電極と被加工物間(以下、加工間隙)に被加工物の溶融除去によって生じる加工屑が発生し、この加工屑は何らかの手段によって加工間隙より排除しないと、加工間隙の絶縁回復、放電の繰返しが正常な状態を保つことができなくなり、加工効率の低下、加工面性状の悪化等の悪影響があることは周知である。
加工屑の排除と加工間隙の維持のために放電加工装置では、放電電圧を検出してその時々刻々の放電電圧の変化に対して加工軸の制御を行う。例えば特公昭44−13195号公報などの方式では、特定のサンプリング時間内での平均電圧(Vg)を放電状態として扱い、予め設定しておいた目標平均電圧であるサーボ基準電圧(SV)と比較し、加工軸送り制御、つまり放電加工機でのサーボ制御を行うことで加工中の放電の安定性を維持している。
具体的には、工具電極と被加工物によって形成される加工間隙に検出線を設け、時々刻々の加工間隙の電圧を検出器で取得し、そのときの放電電圧をフィルタ回路に通して平均化、平滑化し、特定のサンプリング時間内で抽出したものを平均電圧(Vg)として扱い、軸制御装置上では予め定められたサーボ基準電圧(SV)と比較して比較した結果で検出された平均電圧が目標となる平均電圧より低いときは加工軸を加工方向とは逆方向に戻し、高いときは加工軸方向に送るようにするものである。
加工軸制御を行うべく、極間状態を加工間隙の電圧変動からフィルタを通して検出する方法においては、サンプリング時間とフィルタ回路の時定数が密接であり、サンプリング時間よりも十分に小さい時定数にすると回路として外乱を受けやすく、少なくともフィルタ回路の時定数をサンプリング時間の2〜3倍にしようとすると、構成されたフィルタの充放電特性が影響して目標値との認差が生じてしまい(図8参照)、機械の固有振動特性と合わせてフィルタを設計することは非常に難しい問題である。
また、電圧の検出を行うためには検出線を必要とし、または、専用の検出線を必要としない場合でも検出線として電源からの供給線で併用する場合があるが、いずれの場合でも長さが長くなると、電気回路上ではL成分が増してしまい、加工間隙の状態と検出された電圧成分にはL成分を通しての電圧になることから、実際の加工状態とは異なってしまうといった問題がある。
特開平6−262435号公報では、無負荷時間(Td)、パルス幅(Ton)、休止時間(Toff)はクロックパルスを用いてカウントする手段を備えた放電加工装置が開示された。
この方式では、放電を検出するフィルタ回路がなくなったことで上記問題点を解決できたかのように見えるが、制御対象がサーボ基準電圧(SV)自体であり、加工状態によってサーボ基準電圧(SV)を変えることは安定性の面では改善できるが、結果としてはサーボ基準電圧が高い、つまり加工効率が低下した状態での加工になり、加工速度が大幅に低下してしまうという問題がある。
特開平7−246518号公報では、放電周波数と短絡回数をカウントし、その結果と別途決めておいた無負荷時間(Td)から放電ギャップ長を推定し制御する方式が開示されているが、パルス幅(Ton)に対して休止時間(Toff)と無負荷時間(Td)は長く、放電エネルギは小さい仕上げ加工を対象としているものに過ぎず、本技術を通常の加工に適用すると、無負荷時間を長くする必要があり、結果としては加工速度が低下してしまうといった問題が残る。
特開平6−170645号公報では、同じように放電周波数をカウントし放電周波数のばらつきや放電の良否判定をファジィ推論によって補正し、適正な制御が行われるように状態変化と関連したメンバーシップ関数を用意して制御する手段を開示している。
この方式では特開平7−246518号公報の問題点であった例外的に不安定になってしまった場合にはどのように回避すべきかまで言及されているものの、メンバーシップ関数の定義ではその設計自体に多くのノウハウを必要とし、加工の安定性や結果はメンバーシップ関数そのものの影響が強くでてしまうことになる。
特公昭44−13195号公報 特開平6−262435号公報 特開平7−246518号公報 特開平6−170645号公報
然るに、従来の問題点とは放電間隙での放電状態が正確に検出できないことであり、フィルタ回路を使用する場合でも、放電周波数をカウンタにより検出して扱う場合でも、サーボ制御は極間の放電状態が正確に検出されれば基本的な制御自体は大きな違いはないことになる。
本発明は、上述の如き問題点に着目してなされたものであり、比較的簡単な装置構成であっても工具電極と被加工物とで構成される加工間隙の状態を、正しく検出し、放電状態に反映させ、その状態に合わせて時々刻々の変化に対応できるような加工軸の送り制御、所謂サーボ制御を行うものである。
この目的を達成するために、所定のサンプリング時間Ts内における加工の平均電圧Vgが、サーボ基準電圧SVとなるように加工軸制御を行う放電加工装置において、工具電極と被加工物との極間に電力を供給する電源手段と、この電源手段で供給された電力に基づき発生する上記極間での放電波形を検出する放電検出手段と、この放電波形において、所定のサンプリング時間内での放電発生回数Ndをカウントする放電発生回数カウンタ手段と、上記放電波形において、電源手段から供給される電圧印加にともなう放電が、予め設定した短絡電圧閾値Vshを下回る短絡放電の短絡回数N1をカウントする短絡発生回数カウンタ手段と、上記放電発生回数Nd、短絡回数N1、予め設定される無負荷電圧V0、パルス幅Ton、休止時間Toff、放電電圧eg、サンプリング時間Tsを用い、極間での想定平均電圧Vgsを演算する演算手段と、この演算手段により演算された上記想定平均電圧Vgsが、上記サンプリング時間Ts内でのサーボ基準電圧SVとなるように加工軸制御を行う電極位置制御手段と、を備えたものである。
この発明によれば、比較的簡単な装置構成であっても工具電極と被加工物とで構成される加工間隙の状態を、正しく検出し、放電状態に反映させ、その状態に合わせて時々刻々の変化に対応できるような加工軸の送り制御、所謂サーボ制御を行うことができる。
実施の形態1における放電加工装置の概略構成を示す構成図である。 あるサンプリング時間における放電発生回数の検出について説明するための図である。 ある放電現象を示す図である。 加工間隙の平均電圧と放電発生回数の関係を示した図でる。 実際の加工間隙の平均電圧と放電発生回数の関係を示した図である。 実際の加工間隙の平均電圧と放電発生回数の関係を示した図である。 本発明における制御フローを示したフローチャートである。 加工間隙電圧波形とフィルタ回路電圧波形の関係を示す図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の放電加工装置の実施の形態を示したものである。なお、本実施の形態では、X軸とY軸についてはワークテーブルが可動するものを例として説明を行うが、X軸とY軸は主軸側が可動する方式の放電加工装置でもよく、放電加工装置の軸機構や機械構成自体そのものが実施の形態に影響をおよぼすものではない。
放電加工装置は、モータ1によりZ軸方向に駆動される主軸4と、モータ2によりX軸方向に駆動されるワークテーブル5と、モータ3によりY軸方向に駆動される主軸ワークテーブル6と、ワークテーブル5、6上に設置された加工槽7とを有しており、主軸4には工具電極8が取り付けられ、加工槽7内には加工液が注入されると共に、被加工物Wが配置される。
工具電極8と被加工物Wとは、加工液中で加工間隙をもって相対向し、工具電極8と被加工物Wの間に、電源装置9より電力が供給されることで放電が発生し、被加工物Wの溶融除去が行われる。
電極位置制御装置10は、加工プログラム等の加工条件が加工条件設定部11によって設定されると、そのプログラム内容にあわせてモータ1、モータ2、モータ3を制御して、各軸の位置制御やサーボ制御を行う。また、電極位置制御装置10は主軸4のジャンプ制御や工具電極8を被加工物Wに対して特定の軌跡を与えながら加工を行う揺動制御も行う。
加工条件設定部11では、放電加工を行うにあたって設定される基本的な加工条件である、放電電流(IP)、パルス幅(Ton)、休止時間(Toff)、印加電圧(V0)、サーボ基準電圧(SV)、ジャンプ制御設定(JUMP)、揺動制御設定(Orb)、目標加工位置(Zref)などが入力装置を用いて登録され記録される。
この他に、例えば、加工状態の判別として、正常な放電が発生しているときの放電電圧(eg)、異常放電電圧閾値(Vng)、短絡電圧閾値(Vsh)、最小無負荷時間(Tdo)、異常放電が発生したときに休止時間を延ばす制御を行ったときの休止時間(Toffs)を設定することも可能であり、また、既に加工対象の工具電極8の放電加工部になる加工面積(S)が分かっている場合には、加工面積(S)を入力することも可能である。これらの情報は、使用される条件毎に個別に設定可能し記憶させておくことが可能であり、電源装置9が所定の基本的な加工条件を呼び出したときには合わせて呼び出さ、各々の制御装置に読み込まれる。
放電検出回路13は、あるサンプリング時間(Ts)毎に、工具電極8と被加工物W間で発生した全放電発生回数(Nd)を記録し、検出結果は主演算装置12に転送される。
なお、転送後は、放電検出回路13が検出したそれぞれの値はリセットされ、次回のサンプリングが開始される。
また、放電検出回路13では、加工条件設定部11において、短絡電圧閾値(Vsh)が設定されている場合には、短絡電圧閾値(Vsh)に基づいて、閾値を下回った放電を短絡としてその回数(N1)を記録する。
同様に最小無負荷時間(Tdo)が設定されている場合には、それを下回った無負荷時間の放電を小無負荷放電回数(N2)、異常放電電圧閾値(Vng)が設定されている場合には、それを下回った放電を異常放電回数(N3)としてそれぞれ個別に記録する。
ここで、正常放電とは最小無負荷時間(Tdo)よりも長い無負荷時間(Td)を持ち、放電電圧(eg)が異常放電電圧閾値(Vng)よりも高いものである。
短絡とは、工具電極8と被加工物Wが接触した状態であり、このとき放電は発生しないが、工具電極8と被加工物Wが導通することで短絡電流が生じる。
短絡時には、0〜十数Vの短絡電圧が発生するため、短絡電圧閾値(Vsh)よりも下回った電圧は短絡として認識させている。
短絡は加工屑を介しても工具電極8と被加工物Wが導通する場合も考えられるが、加工間隙の状態として認識することは困難であるが、短絡が発生した場合には、物理的な接触になるため、ひどい場合には工具電極の変形につながり、また、軽微な場合でもシミなどの要因になり、加工面質を損なってしまう。
最小無負荷時間(Tdo)を設けているのは、短い無負荷時間の連続は、放電が発生した近傍で連続して行われていることを示し、この場合は放電が集中している状態になる。
放電の集中は局所的な消耗や加工になってしまい、加工面のウネリや形状転写の悪化を招く要因になる。
異常放電とは、短絡でもなく、短い無負荷時間でもないが、正常放電ではないものとし、一例として挙げると、無負荷時間は存在するが、無負荷時間中に印加電圧(V0)が設定値よりも降下して漏れ電流が流れた場合などであり、この場合は漏れ電流が発生したことからも明らかなように、加工間隙に電流が生じていることから絶縁回復不足であり、次の放電は集中放電や短絡になると考えられ、絶縁回復が行われない場合にはアークに移行し著しく加工面質を損なう。
加工は、短絡や集中や異常放電が正常放電内に入り混じりながら進行し、それぞれは何が原因で発生するものなのかが定性的・定量的には未だ不明であり、現状では、加工内容や加工対象の材質などにより、それぞれの問題の重み付けをして、問題が発生して休止を延ばすなどすることで問題が継続することを抑制するような制御を行う場合には、それぞれの事象毎に設定された休止設定を使っている。
次に放電検出回路13の具体的動作について図2を用いて説明する。
図2(A)はあるサンプリング時間(Ts)における工具電極8と被加工物Wの加工間隙の放電状態を電圧と電流によって示している。
図2(B)は、極間に電圧がかかっている時間を示す電圧信号であり、無負荷電圧時間(Td)とパルス幅(Ton)時間分生成される。
この信号の逆は休止時間(Toff)ということになる。
図2(C)は、極間で絶縁破壊が行われ、電流が生じている際のパルス幅(Ton)分の時間に相当する放電時間信号を示している。
図2(D)は図2(B)と図2(C)の差であり、無負荷電圧時間(Td)を示している。
図2(E)は加工条件設定部11で最小無負荷時間(Tdo)設定が行われているときに、無負荷電圧時間(Td)との比較を行うべく、休止時間(Toff)発生後に電圧が印加されたタイミングで発生させている比較用の信号である。
図2(F)は、無負荷電圧時間(Td)と最小無負荷時間(Tdo)を比較した結果で最小無負荷時間(Tdo)を下回った無負荷電圧時間(Td)の場合にはワンショットとして生成される。
図2(G)は加工条件設定部11で短絡電圧閾値(Vsh)設定が行われているときに、パルス幅(Ton)時間中に短絡電圧閾値(Vsh)と放電電圧(eg)を比較し、短絡電圧閾値(Vsh)を下回ったことが判定された場合に生成されるワンショット信号である。
ここで、短絡時には印加電圧が発生しないため、無負荷時間も短いことから小無負荷放電として認識されてしまうので、検出の際には小無負荷放電回数(N2)から短絡回数(N1)を引いておく必要がある。
図2(H)は加工条件設定部11で異常放電電圧閾値(ng)が設定されて、例えば、印加電圧(V0)と比較することとした場合に、図2(D)の信号と比較して無負荷時間中に異常放電電圧閾値(Vng)を下回ったことが判定された場合に生成されるワンショット信号である。
放電検出回路13では、図2(C)の信号をカウンタにより取込むことで全放電発生回数(Nd)として認識し、それぞれ短絡回数(N1)は図2(G)の信号、小無負荷放電回数(N2)は図2(F)から図2(G)の信号を引いた信号、異常放電回数(N3)は図2(H)の信号をそれぞれ取込んでカウンタで計測したものである。
ここで、正常放電(Nn)は全放電発生回数(Nd)から短絡回数(N1)と小無負荷放電回数(N2)と異常放電回数(N3)を引いたものである。
このように、本発明では、これまで加工間隙の状態を電圧変動として取込むことで評価していたものを各状態の事象をより定量的に把握することで、より正確な放電状態として認識し、加工軸送り制御に反映して行わんとするものである。
具体的には、放電検出回路13から取得したそれぞれの状態量については、これまで扱ってきた平均電圧に相当する量に変換して、その信号を元に加工軸送り制御を行うのである。
本実施の形態に係る加工軸の送り制御に関する考え方について説明する。
先ず、基本的な概念として、放電検出回路13で得られた全放電発生回数(Nd)が全て正常放電だったと仮定して、加工軸の送り制御を行う場合について説明する。あるサンプリング時間(Ts)における放電発生回数(Nd)がN回であったとする。
一回の放電は無負荷時間(Td)、パルス幅(Ton)、休止時間(Toff)で構成され、パルス幅(Ton)、休止時間(Toff)は加工条件設定部11で設定された値である。
無負荷時間(Td)は設定できるものではなく加工状態によって変化する量であり、平均電圧(Vg)による加工軸送り制御では、加工間隙の平均電圧(Vg)をサーボ基準電圧(SV)に保つように加工軸送り制御が行われ、図3に示すように、ある放電一回の平均電圧(Vg)は、
Figure 2010194714
で表すことができる。
ここで、平均電圧(Vg)をサーボ基準電圧(SV)に合わせるということは、パルス幅(Ton)、休止時間(Toff)、印加電圧(V0)は全て加工条件設定部11で設定される既知の値であり、放電電圧(eg)は工具電極8と被加工物Wの組合せや極性などによって決まる20〜30Vの値であることから、未知数である無負荷時間(Td)を一定にしようと制御することと同じであることが分かる。
このことから、加工状態を一定に制御しようとする理想的な場合には無負荷時間(Td)が同じであるとすると、あるサンプリング時間(Ts)における放電発生回数(Nd)が求まると、
Figure 2010194714
と表すことができる。
つまり、あるサンプリング時間(Ts)における放電発生回数(Nd)が分かれば、そのときの無負荷時間(Td)は、
Figure 2010194714
となる。
式(1)はある放電一回の平均電圧としたが、あるサンプリング時間(Ts)中の平均電圧(Vg)はこの一回の放電の集まりがNd回あると考えればよいので、式(1)は式(3)を使うことで、
Figure 2010194714
と表すことができる。
これにより加工間隙の電圧を検出することなく、放電発生回数(Nd)を検出するだけで放電の状態量となる、あるサンプリング時間(Ts)の平均電圧(Vg)を求めることが可能になり、この平均電圧(Vgs)を従来の検出した平均電圧(Vg)の代わりに加工軸送り制御に使うことで電気的な外乱に影響を受けない正確な状態量を反映した加工軸送り制御がなされることになる。
式(4)により、加工間隙の平均電圧は放電発生回数(Nd)の一次式で表された。
これは、サンプリング時間(Ts)の平均電圧(Vg)が印加電圧(V0)と同じ値であるときには、放電発生回数(Nd)は0、つまり、放電が発生しなかったことを表し、あるサンプリング時間(Ts)の平均電圧(Vg)が0、つまり短絡している場合は、式(4)、または、式(3)から、
Figure 2010194714
であることが分かる。
しかし、式(5)のときの放電発生回数(Nd)が発生しえる最大の放電発生回数(Ndmax)だとは言えない。
何故なら、実際には、決まったパルス幅(Ton)と休止時間(Toff)の元では、無負荷時間(Td)が0の場合にパルス幅(Ton)と休止時間(Toff)だけの繰返しで発生する最大の放電回数が決定してしまい、式(1)において無負荷時間(Td)が0だとした場合には、
Figure 2010194714
であり、この平均電圧(Vg)のときにも放電発生回数は最大の放電発生回数(Ndmax)になるので、式(4)は印加電圧(V0)から式(6)の範囲までが比例関係にあり、それ以上は式(5)で表される放電発生回数(Nd)を超えることがない。
つまり図4に示される関係にある。
つまり、あるサンプリング時間(Ts)の平均電圧(Vg)が0から式(6)までの範囲では放電発生回数(Nd)が最大の放電発生回数(Ndmax)で同じになってしまい、全放電発生回数(Nd)を全て正常放電として扱った場合には、この領域においては正確な平均電圧(Vgs)を算出することができない限界になる。
本発明における方式の問題点は、全放電発生回数(Nd)を全て正常放電として扱った場合には、あるサンプリング時間(Ts)の平均電圧(Vg)が0から式(6)までの範囲で正確に平均電圧(Vg)を認識することができないということになるが、この範囲では無負荷時間(Td)が短い小無負荷放電か、または、短絡のいずれか、または両方が混在した状態が頻発している状態にあるということが分かるので、この二つの状態を認識して反映させれば良いことになり、式(6)から無負荷時間(Td)が0の状態がこの領域なので、実際には短絡がどの程度発生したかを認識すれば良いということになる。
そこで、放電検出回路13では加工条件設定部11で決められた短絡電圧閾値(Vsh)を下回った放電を短絡回数(N1)として測定している。この短絡回数(N1)の全放電発生回数(Nd)における依存度が分かればよいことになり、式(2)は、
Figure 2010194714
と表せる。
また、短絡時には無負荷時間(Td)が無かった場合で、短絡電圧(Vsh)が生じていたと考えると、式(4)は式(7)から、
Figure 2010194714
と表すことができる。
短絡が発生したときには短絡電圧はほとんどの場合0Vであり、短絡電圧閾値(Vsh)を0Vとすると、式(8)は、
Figure 2010194714
とすることができる。
これにより、あるサンプリング時間(Ts)の平均電圧(Vgs)を求めるに当たって、全放電発生回数(Nd)中に短絡回数(N1)が混在した場合でも正しく平均電圧換算できることになる。
工具電極8にΦ10mmの銅、被加工物Wには鋼材を用いて、加工軸送り制御を従来方法として表1に示す試験条件で加工を行った際の加工間隙の平均電圧(Vg)と全放電発生回数(Nd)との関係を図5に示す。
表1
Figure 2010194714
図5において、直線はこのグラフに式(9)を当てはめたものであり本発明による加工軸送り制御で使用する平均電圧(Vgs)が正しければ、サンプリング時間(Ts)毎の平均電圧(Vg)としてプロットした全放電発生回数(Nd)が直線上に乗ることになるが、試験結果からは両者がほぼ等しいことが分かった。
すなわち、本発明で新たに作成した平均電圧(Vgs)を従来の加工軸送り制御の平均電圧(Vg)の代わりに使用可能であることが分かる。
次に、正常放電以外の放電を認識した場合に、休止時間(Toff)を伸ばして(Toffs)とすることにより加工の安定化を図る制御が従来より行われておるが、該休止時間の延長を行った場合における式(9)の補正について説明する。
放電検出回路13で取得される短絡回数(N1)と小無負荷放電回数(N2)と異常放電回数(N3)を考慮しているので、正常放電以外の放電状態を把握することは可能である。
基本的には、休止時間を延ばす休止制御が何回行われたのかが分かれば良く、短絡による休止制御での休止をToffs1、小無負荷放電による休止制御での休止をToffs2、異常放電による休止制御での休止をToffs3とすると、あるサンプリング時間(Ts)での休止成分がどの程度寄与していたかが分かればよいので、式(7)は、
Figure 2010194714
と表され、これにより式(9)は、
Figure 2010194714
と表せる。
一般化するために、休止制御を行う種類がnあり、休止制御時の休止時間がそれぞれToffnだったとすると、
Figure 2010194714
と表せる。
これを反映して式(9)は、
Figure 2010194714
と表すことができる。
すなわち、短絡、小無負荷放電、異常放電以外にも休止制御を行った場合にも対応できることが示せた。
工具電極8にΦ10mmの銅、被加工物Wには鋼材を用いて、加工軸送り制御を従来方法として表2に示す試験条件で加工を行い、異常放電を認識させた制御で式(8)により平均電圧(Vgs)を認識させたもの(a)と、異常放電を認識させた制御で式(11)により平均電圧(Vgs)を認識させたもの(b)と、全放電発生回数(Nd)との関係を図6に示す。
表2
Figure 2010194714
図6において、直線はこのグラフに式(11)を当てはめたものであり、本発明による加工軸送り制御で使用する平均電圧(Vgs)が正しければ、サンプリング時間(Ts)毎の平均電圧(Vg)としてプロットした全放電発生回数(Nd)が直線上に乗ることになる。
図に示される加工結果では、前者の加工では休止制御が入ることで、正しい平均電圧(Vgs)が認識されていないだけでなく、全放電発生回数(Nd)が0のときにも平均電圧(Vgs)が0Vとなり、本来、全放電発生回数(Nd)が0とは加工間隙には印加電圧(V0)がかかっている状態、所謂、オープン状態となるはずであるが、そうならない場合もある。
短絡とオープン状態では大きな違いがあるのだが、式(11)で休止制御を考慮すれば、後者のように正しく平均電圧を認識することが可能になった。
休止制御の一例としては、図2で示したように印加電圧(V0)が無負荷時間(Td)中に降下した場合、放電検出回路が異常放電として認識しすると、異常放電回数(N3)を増やす。電源装置9はこれに伴い休止制御を行い、休止時間(Toff)を異常放電用の休止時間(Toff3)に変更するように制御を行う。また、並行して短絡や小無負荷放電に対しても休止制御を行った場合も同様であり、このような休止制御が行われた際には、式(11)で示したようにして、休止時間の延長を考慮した正確な平均電圧(Vgs)を認識する。
また、異常放電の定義は様々あり、現状の放電加工機においても検出手段や認識方法などが異なるが、異常放電が認識された場合は上述したように休止制御が行われることがほとんどであり、検出手段や認識方法が異なった場合でも、異常放電後に休止制御が行われる手段であれば、休止制御が行われた場合でも加工間隙の平均電圧を正しく認識させることが可能である。
次に、本発明における実施の形態1の制御フローチャートを図7に示す。
従来の直接加工間隙の放電電圧を検出しフィルタ回路から平均電圧(Vg)を生成して加工軸送り制御を行う場合のフローチャートを図7(a)、本発明での放電発生回数から平均電圧(Vgs)を生成して加工軸送り制御を行う場合のフローチャートを図7(b)に記す。
基本的な制御フローに違いはなく、加工軸送り制御を電極位置制御装置10で行う場合の基準となる信号をフィルタ回路から生成する(従来:a)か、放電検出回路13で認識した放電発生回数から生成する(本発明:b)かの違いである。
制御としては、休止制御を行う加工を行っているかいないかで制御フローが分かれ、休止制御を行っているならば式(11)に基づき平均電圧(Vgs)を演算し、休止制御を行っていないならば式(9)に基づき平均電圧(Vg)を求めるものである。
本実施の形態によれば、従来からの問題点が検出線の特性やノイズにあるとすると、本発明の手法であれば、平均電圧を直接検出するのではなく、加工軸送り制御を全放電発生回数(Nd)から算出する平均電圧(Vgs)用いるため、従来技術の課題であった、フィルタ回路をなくすことが可能になっただけでなく、専用の電圧検出線も排除し、ノイズ成分などの悪影響を排除し、正しい平均電圧(Vg)で加工軸送り制御が実現できることになる。
その結果、加工面の精度向上等に大きく寄与する。
また、平均電圧(Vgs)が小さくなる場合などでは、短絡発生回数(N1)を考慮して、全放電発生回数(Nd)から減ずる方式により、加工間隙の平均電圧を正しく検出できるができる。
なお、本発明の実施形態は形彫放電加工機を使用した例であるが、放電現象を判断して平均電圧(Vg)から加工軸送り制御を行うものであれば送り機構の差異はあるものの、同じ概念により制御可能になると言える。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2として、本発明による加工軸送り制御を行う放電加工装置での小無負荷時間(Tdo)の設定に関して説明する。
加工条件設定部11では加工中に発生する小無負荷放電が集中放電に移行することを懸念して小無負荷時間(Tdo)を設定することが可能であり、放電検出回路13では実施の形態1で説明した如く、この小無負荷時間(Tdo)と一回毎の放電加工の無負荷時間(Td)を比較している。
一般に、小無負荷放電の多い加工は集中放電しやすくなりアークに移行しやすいため、無負荷時間(Td)はある程度の余裕を持った設定にする必要がある。
反面、この無負荷時間(Td)自体は放電が発生することが無いため、長すぎると加工効率が低下してしまう。
このため、加工速度を向上させようとした場合には、休止時間(Toff)を小さくする以外にサーボ基準電圧(SV)を小さくして、結果的に無負荷時間(Td)を小さくすることが行われる。
このことから、集中放電が発生しない程度に無負荷時間(Td)を小さく設定できれば理想的な加工速度が得られることになる。
その他、加工速度を向上させる場合に必要になる要素の一つに、加工中の平均電流密度(Id)がある。
これは、加工部の面積、即ち、工具電極8の面積あたりに投入できるエネルギ量は、工具電極8と被加工物Wの組合せによってほぼ決定され、この平均電流密度(Id)を超えなければほとんどの場合は安定した加工が維持されることが知られている。
加工を行う場合、工具電極8の面積(S)と加工条件設定部11で設定される加工条件のうち、放電電流(IP)、パルス幅(Ton)、休止時間(Toff)、サーボ基準電圧(SV)、印加電圧(V0)が分かれば、式(1)から加工中の目標となる無負荷時間(Td)が計算され、加工中の平均電流密度(Id)は、
Figure 2010194714
として表され、単位面積あたりのエネルギ投入量が計算される。
様々な実験結果から、工具電極8に銅と被加工物Wに鉄鋼材を用い、工具電極8側をプラス極性として加工を行う場合には、工具電極8の形状にもよるが平均電流密度(Id)は5〜15A/cmを超えなければ加工が安定することが知られている。
同様に、工具電極8にグラファイトと被加工物Wに鉄鋼材を用い、工具電極8側をプラス極性として加工を行う場合には、工具電極8の形状にもよるが平均電流密度(Id)は2〜5A/cmを超えなければ加工が安定することが知られている。
同様に、工具電極8に銅タングステン合金と被加工物Wに超硬合金を用い、工具電極8側をマイナス極性として加工を行う場合には、工具電極8の形状にもよるが平均電流密度(Id)は3〜10A/cmを超えなければ加工が安定することが知られている。
本発明における放電加工装置の加工条件設定部11で基本的な加工条件設定以外に、加工対象の被加工物Wの面積(S)が入力されたときには、式(14)から設定された放電電流(IP)、パルス幅(Ton)、休止時間(Toff)が決まれば目標になる無負荷時間(Td)が決まり、その結果を式(1)に適用することで、加工条件で設定されるべきサーボ基準電圧(SV)が決定される。
このとき計算される無負荷時間(Td)を限界無負荷時間(Tds)とすればこの値を小無負荷時間(Tdo)として扱えば集中放電のときの危険状態を感知できる。
実際に適正な小無負荷時間(Tdo)を求めるために、表3に示される条件で加工を行った。
表3
Figure 2010194714
工具電極8には10mm角の銅タングステン、被加工物Wに超硬合金を使用し、電極側の極性をマイナスとした加工において、荒加工条件を表2(No.1)に示すような条件で加工を行う場合、平均電流密度(Id)を10A/cmとすれば、サーボ基準電圧(SV)は40Vで限界無負荷時間(Tds)は60μsecである。
この試験では、小無負荷時間(Tdo)を設定せず、限界無負荷時間(Tds)を下回った無負荷時間(Td)の放電が発生しても休止制御を行わないものとして行うと、大きなアークには移行することはなかったが、加工面には黒くなったシミが残り、電極の角部には局所的に大きく消耗した個所が見られた。
そこで、小無負荷時間(Tdo)を変化させることによる加工状態の変化を観察すべく、小無負荷時間(Tdo)を限界無負荷時間(Tds)と同じ60μsec(No.2)、10μsec(No.3)、20μsec(No.4)と設定として、小無負荷放電(Tdo)が2回連続で発生したときには、休止時間(Toff)を一つ多く入れる休止制御のもとで試験を行った。
表2に示す如く、No.2の条件では、加工面や電極消耗には問題が無かったが、加工時間が1割以上遅くなり、No.4の条件では、加工面や電極消耗に問題が無く速度を向上させることができた。
この結果から、小無負荷時間(Tdo)は限界無負荷時間(Tds)の0〜1.0倍程度の値を設定し、望ましくは0.3〜0.5倍程度で設定すれば良好な加工が実現できると考えられる。
つまり、限界無負荷時間(Tds)と同じ放電が連続した場合でもその状態では電流密度の制限を越えることがなく、この状態の無負荷時間(Td)の放電に対して休止制御を行った場合には、かえって加工速度が低下してしまう。
小無負荷放電は連続することで集中放電に移行すると考えれば、限界無負荷時間(Tds)よりも小さい無負荷時間(Td)の放電が連続することが危険であると考えられる。
このため、本実験では限界無負荷時間(Tds)の1/3程度が良好であったと考えられる。
なお、この実験では本発明による加工軸送り制御を行ったが、加工結果の良かったNo.4の試験を従来の加工軸送り制御で加工を行った(No.5)ところ、ほぼ同じような加工結果ではあったが、本発明による加工軸送り制御の方が結果は良好であった。
これは、加工中の平均電圧を正しく認識して加工軸送り制御に反映できたからと考えられる。
同様にして、工具電極8には10mm角の銅、被加工物Wに鉄系鋼材を使用し、電極側の極性をマイナスとした加工において、仕上加工条件を表2(No.6)に示すような条件で加工を行う場合、平均電流密度(Id)を10A/cmとしたときには、限界無負荷時間(Tds)はマイナスとなってしまい、電流密度を超えることで加工に異常が発生することは無いということが分かる。
このため、小無負荷放電での休止制御は行わないこととした。
このような小さい加工エネルギの場合には、加工間隙が小さくなるので短絡の心配が最も大きいため、サーボ基準電圧(SV)は印加電圧(V0)の1/2よりもある程度大きめの値を設定し、加工間隙に余裕を持たせ、休止制御については短絡が一回発生した場合に行うこととして実験を行った。
本発明における加工軸送り制御では仕上加工でも良好な結果を得ることができた。従来方式(No.7)では、加工中の短絡が若干多く、その結果として消耗の増加と加工面でのシミが見られた。
これは、従来方式ではフィルタ回路を用いた平均電圧(Vg)であることから、急に短絡が発生した場合には0Vになるまでにフィルタ回路の時定数による遅れのために、電圧変動の認識にも遅れが生じたためと考えられ、新方式ではフィルタ回路の時定数に依存しないため、短絡が発生した直後に認識し、加工軸送り制御に反映できたためと考えられる。限界無負荷時間(Tds)が0以下の場合にはあえて小無負荷放電での休止制御を行わなくとも良いことが分かった。
面積(S)が小さくなった場合や放電電流(IP)やパルス幅(Ton)が大きくなり、限界無負荷時間(Tds)が大きくなった場合には、荒加工と同様に限界無負荷時間(Tds)の0.3〜0.5倍程度の小無負荷時間(Tdo)を設定すればよい。
実施の形態3.
異常放電での休止制御方法を元に、逆に正常放電が継続して、電流密度(Id)を超えていないような場合で休止時間(Toff)を狭めることを施行することも可能である。
例えば、正常放電が5回連続で発生したときのタイミングで認識信号が生成され、そのときは休止時間を狭めるとした場合、正常放電が5回連続で発生した回数を休止短縮回数(N4)とし、休止時間を短縮休止(Toff4)と予め設定しておくことで、休止短縮回数(N4)をあるサンプリング時間(Ts)毎に放電検出回路13で検出し、式(13)を用いた平均電圧(Vgs)の算出を行うことで、短絡、小無負荷放電、異常放電だけでなく、安定状態で休止を短くするような制御が行われた場合にも適用できる。
以上のように、加工軸送り制御を全放電発生回数(Nd)から算出する平均電圧(Vgs)を用いた平均電圧方式にすることで、従来と同じ制御が可能であることが確認され、放電発生回数のカウンタを用いることで、従来技術の課題であった、フィルタ回路をなくすことが可能になっただけでなく、専用の電圧検出線も排除し、ノイズ成分などの悪影響を排除することが可能になった。
また、平均電圧(Vgs)が小さくなる場合などでは、短絡発生回数(N1)を考慮して、全放電発生回数(Nd)から減ずる方式により、加工間隙の平均電圧を正しく検出できることが分かった。
さらに、加工軸送り制御において、電流密度(Id)から算出した限界無負荷時間(Tds)の0〜1.0倍の範囲で、望ましくは0.3〜0.5倍の時間を小無負荷時間(Tdo)として休止制御を行うことで、良好な加工結果を得ることができる。
さらにまた、正常放電以外を認識して休止制御を行う場合でも、正しい平均電圧を算出して加工が行われるだけでなく、安定状態で休止を短くするような制御が行われた場合においても正確な平均電圧が算出し加工を行うことができる。
1、2、3 モータ、4 主軸、5、6 ワークテーブル、7 加工槽、8 工具電極、9 電源装置 10 電極位置制御装置、11 加工条件設定部、12 主演算装置、13 放電検出回路、14 放電発生回数カウンタ、15 短絡発生回数カウンタ、16 小無負荷時間放電発生回数カウンタ、17 電圧降下無負荷放電発生回数カウンタ。

Claims (8)

  1. 所定のサンプリング時間Ts内における加工の平均電圧Vgが、サーボ基準電圧SVとなるように加工軸制御を行う放電加工装置において、
    工具電極と被加工物との極間に電力を供給する電源手段と、
    この電源手段で供給された電力に基づき発生する上記極間での放電波形を検出する放電検出手段と、
    この放電波形において、所定のサンプリング時間内での放電発生回数Ndをカウントする放電発生回数カウンタ手段と、
    上記放電波形において、電源手段から供給される電圧印加にともなう放電が、予め設定した短絡電圧閾値Vshを下回る短絡放電の短絡回数N1をカウントする短絡発生回数カウンタ手段と、
    上記放電発生回数Nd、短絡回数N1、予め設定される無負荷電圧V0、パルス幅Ton、休止時間Toff、放電電圧eg、サンプリング時間Tsを用い、
    Figure 2010194714
    に基づき、極間での想定平均電圧Vgsを演算する演算手段と、
    この演算手段により演算された上記想定平均電圧Vgsが、上記サンプリング時間Ts内でのサーボ基準電圧SVとなるように加工軸制御を行う電極位置制御手段と、
    を備えた放電加工装置。
  2. 正常放電以外の放電発生、或いは正常放電の連続に基づく休止時間制御を考慮して想定平均電圧Vgsを求めることを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
  3. 演算手段は、休止時間制御を行う種類の回数をNn、休止制御時の休止時間をToffnとし、
    Figure 2010194714
    に基づき想定平均電圧Vgsを演算することを特徴とする請求項2に記載の放電加工装置。
  4. 正常放電以外の放電は、電源手段から供給される電圧印加にともなう放電が予め設定した短絡電圧閾値Vshを下回る短絡放電、電源手段から供給される電圧印加から予め設定した小無負荷時間Tdo以内に放電に移行する小無負荷時間放電、電源手段から供給される電圧印加が予め設定した異常放電閾値Vngを下回る放電電圧となる異常放電とすることを特徴とする請求項2または3に記載の放電加工装置。
  5. 小無負荷放電Tdoは、平均電流密度Idに基づき算出した限界無負荷時間Tdsの0.3〜0.5倍の時間とすることを特徴とする請求項4に記載の放電加工装置。
  6. 所定のサンプリング時間Ts内での平均加工電圧Vgが、サーボ基準電圧SVとなるように加工軸制御を行う放電加工方法において、
    工具電極と被加工物との極間に供給された電力に基づき発生する放電波形を検出する工程と、
    この放電波形において、所定のサンプリング時間Ts内での放電発生回数Ndをカウントする工程と、
    上記放電波形において、電源手段から供給される電圧印加にともなう放電が、予め設定した短絡電圧閾値Vshを下回る短絡放電の短絡回数N1をカウントする工程と、
    上記放電発生回数Nd、短絡回数N1、予め設定される無負荷電圧V0、パルス幅Ton、休止時間Toff、放電電圧eg、サンプリング時間Tsを用い、
    Figure 2010194714
    に基づき、極間での想定平均電圧Vgsを演算する工程と、
    この演算された上記想定平均電圧Vgsが、上記サンプリング時間内Tsでのサーボ基準電圧SVとなるように加工軸制御を行う工程と、
    を備えた放電加工方法。
  7. 正常放電以外の放電発生、或いは正常放電の連続に基づく休止時間制御を考慮して想定平均電圧Vgsを求めることを特徴とする請求項6に記載の放電加工方法。
  8. 演算工程では、休止時間制御を行う種類の回数をNn、休止制御時の休止時間をToffnとし、
    Figure 2010194714
    に基づき想定平均電圧Vgsを演算することを特徴とする請求項6に記載の放電加工方法。
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