JP2010193541A - 建設機械のアーム駆動用電動機の制御装置 - Google Patents

建設機械のアーム駆動用電動機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アームの動作をアーム駆動用電動機とインバータで駆動、制御する方式において、アームの旋回方向が急激に変化する速度指令に対して、安全性、作業性を向上する。
【解決手段】アームを有する建設用機械において、アームを動かす動力であるアーム駆動用電動機6をインバータ7で制御する。インバータ7に、アームを操作する制御信号が入力されると、加減速判断処理部2がその制御信号がアーム駆動用電動機6を加速させる指令であるか、減速指令であるかを判断する。加減速判断処理部2の判断に応じて、フィルタ部4のフィルタ定数が設定され、設定されたフィルタ定数に基づいてアーム駆動用電動機6を制御する。なお、加減速判断処理部2は、インバータ7に旋回方向が異なる速度指令値が入力された場合、アーム駆動用電動機6を減速させ、アーム駆動用電動機6の速度が0になった後に加速と判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アームを有する建設用機械で、アームを動かす動力として電動機を用い、この電動機を駆動するのにインバータを用いるシステムにおいて、このアームを動かす速度制御装置に関するものである。
現在、アームを有する建設用機械、例えばショベルカーのアームを左右旋回方向に動かす動力は油圧モータで、このモータはディーゼルエンジンと油圧ポンプにより発生する高圧、大量の油で駆動する。旋回方向、速度制御は油圧ポンプと油圧モータの間に設けられたコントロールバルブにより、方向、流量を調整して行う。欠点としては、効率が悪く、高圧、大量の油を使用するため、油漏れ、火災など環境性と安全性を配慮したメンテナンスが必要となることである。
これらの事項を解決するため、近年、小型で効率が高く、強力な電動機の出現と、これらの電動機を駆動するインバータが小型、高性能化されたことで、アームを旋回方向に動かす動力に、電動機とインバータの組合せが使用され始めた。
この電動機で駆動するアームの操作方法は、図12に示すように、操作レバー1が中央にいる状態を0とし、右に傾けた時をプラス信号、左に傾けた時をマイナス信号として旋回速度信号が出力される。このように、操作レバー1を倒すことで、旋回方向、速度調整を行うが、中央部付近では無感帯領域として遊びを設け、旋回方向の指令は操作レバー1を左右に倒す方向で指令し、旋回速度の度合いはレバーの傾きで調整する。
アーム制御用インバータの構成図を図13に示す。操作者が意図する動きを操作レバー1で実現できるように操作して、操作レバー1からの指令信号を、フィルタ部4に出力する。このフィルタ部4は建設機械自身の振動が操作レバー1を揺らすことにより発生する機械的振動によるノイズ除去と応答速度を調整するために備えられる。フィルタ部4はインバータ7で実現しようとする旋回方向と速度の指令信号を制御部5に出力し、この出力に応じて制御部5がアーム駆動用電動機6を駆動しアームを動かす。このフィルタ部4は加速時も減速時のどちらにも使用するので、加速時も減速時も応答速度は同じとなる。
なお、建設用機械のアーム制御としては特許文献1、2が公知となっている。特許文献1では、電動機を制御するためにインバータを用い、このインバータのコントローラにレバーからの制御信号を入力して電動機を制御することが記載されている。また、特許文献2では、レバー信号の立ち上がりや立ち下がりで異なる応答速度となるように電動機を制御することが記載されている。
特開2001−226077号公報 国際公開第2006/054581号パンフレット
安全性、作業性、環境性を考慮し、かつ人間工学的にも良いとされるアーム旋回速度は、加速時はゆっくりとした応答で、減速時は速い応答で、かつ急激な加減速をしないことである。現状では、加速時、減速時とも同じ応答速度で、応答速度は減速時に合わせて速く設定することが多いため、微加速で動かすべき動作のところを速く動かしてしまう可能性が高く、安全性の低下と、作業性が悪いという課題がある。他に、急加速から急減速した場合は速度の時間微分による過大な力がアームにかかり、振動、騒音が発生して環境条件を悪化させるという課題がある。
本発明が目的とするところは、アームを有する建設用機械で、アームを動かす動力として電動機を用い、この電動機を駆動するのにインバータを用いるシステムにおいて、作業性、安全性、環境性を向上させるためにアーム動作の加速時、減速時の応答速度を、各時別々に調整をできるようにすることである。特に上記システムにおいて、アームの旋回方向を急激に変化させる指令に対して、アーム駆動用電動機の加速時、減速時の応答速度を、各時別々に調整できるようにすることである。
上記目的を達成する本発明の建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置は、アームを有する建設用機械において、前記アームを動かす電動機を制御するインバータであって、前記アームの旋回方向と速度を指令する操作レバーと、予め定められた一定間隔で、前記操作レバーの出力信号である速度指令値を検出し、前記速度指令値の変化量が予め決められた判定値より大きい場合、前記操作レバーの入力信号が前記アームを加速させる指令値か減速させる指令値かを判断する加減速判断処理部と、加速状態時用の時定数と減速状態時用の時定数が各別に設定され、前記加減速判断処理部の判断処理信号に応じて前記いずれかの時定数を選択する加速状態時用時定数、減速状態時用時定数の選択部と、前記選択された時定数信号に基づき、フィルタ出力値として前記電動機の旋回方向と速度の指令値を出力するフィルタ部とを備え、前記加減速判断処理部は、前記変化量が前記判定値より小さく、前記フィルタ出力値の符号が変化した場合、前記アームを加速すると判断し、前記予め定められた一定間隔において、前記アームの旋回方向が異なる速度指令値が入力されると、前記アームを減速すると判断することを特徴とする。
また、上記目的を達成する本発明の建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置は、アームを有する建設用機械において、前記アームを動かす電動機を制御するインバータであって、前記アームの旋回方向と速度をパルス信号で指令する指令入力装置と、前記指令入力装置の出力信号である速度指令値を検出し、前記指令入力装置の入力信号が前記アームを加速させる指令値か減速させる指令値かを判断する加減速判断処理部と、加速状態時用の時定数と減速状態時用の時定数が各別に設定され、前記加減速判断処理部の判断処理信号に応じて前記いずれかの時定数を選択する加速状態時用時定数、減速状態時用時定数の選択部と、前記選択された時定数信号に基づき、フィルタ出力値として前記電動機の旋回方向と速度の指令値を出力するフィルタ部とを備え、前記加減速判断処理部は、前記指令入力装置からの指令が変わらず、前記フィルタ出力値の符号が変化した場合、前記アームを加速すると判断し、前記指令入力装置から、前記アームの旋回方向が異なる速度指令値が入力されると、前記アームを減速すると判断することを特徴としてもよい。
なお、前記時定数は、加速時の応答速度を減速時の応答速度より遅く設定するとよい。
したがって、以上の発明によれば、アームの動作を電動機とインバータで駆動、制御する方式において、安全性、作業性が向上する。
本発明の第1実施形態を示す構成図。 第1実施形態の判断フロー図。 アーム駆動用電動機の制御例を示す構成図。 アーム駆動用電動機の制御例の判断フロー図。 本発明の第2実施形態を示す構成図。 第2実施形態の判断フロー図。 フィルタ入出力波形図。 減速時に加速状態時用時定数を選択した場合のフィルタ出力波形図。 加速時に減速状態時用時定数を選択した場合のフィルタ出力波形図。 入力される速度指令値と制御周期の関係図。 求められるフィルタ出力波形図。 操作レバー実態図と入出力関係図。 インバータ構成図。
本願発明は、アームの動作をアーム駆動用電動機とインバータで駆動、制御する方式において、安全性、作業性を向上するため、加速時と減速時に各々専用のフィルタ定数を使用して、アーム駆動用電動機の応答性を別々に調節するものである。特に、急激にアームの旋回方向が変わる指令が入力された場合に、アーム駆動用電動機が減速する時には減速時のフィルタ定数(減速状態時用時定数)を選択し、アーム駆動用電動機の回転速度が0となった後に、加速時のフィルタ定数(加速状態時用時定数)に切り替えるようにアーム駆動用電動機を制御する。
本発明に先立ち、発明者らは、アーム駆動用電動機の制御装置に関する発明を行っている。その構成を図3に示す。
図3に示すように、アーム(図示省略)の駆動及び制御は、操作レバー1の入力に基づいて、インバータ7がアーム駆動用電動機6を駆動及び制御することにより行われる。
アームの操作レバー1は、アームの旋回方向と速度の2条件の設定を行う。つまり、旋回方向の指令は操作レバー1を左右に倒す方向で指令し、旋回速度の度合いはレバーの傾きで調整する。例えば、右に傾けた時をプラス信号、左に傾けた時をマイナス信号として旋回速度信号が出力される。このように、操作レバー1を倒すことで、旋回方向、速度の調整を行う。なお、中央部付近では無感帯領域として遊びが設けられている。
インバータ7は、加減速判断処理部2、加速状態時用時定数、減速状態時用時定数の選択部3(以後、時定数選択部3とする)、フィルタ部4、制御部5及びフィルタ差分演算部9(以後、演算部9とする)より構成される。
演算部9は、図7で示すように、加速状態から減速状態に移行する過渡時において、速度指令として急加速から急減速が発せられる場合に、アーム駆動用電動機6の急加速変化を抑制して安全性を向上するために備えられる。
なお、図7において、実線は速度指令として急加速から急減速が発せられた場合の速度指令値を示す。一方、点線は実線で示す速度指令値が入力された際のフィルタ出力値(点線)を示す。
演算部9は、操作レバー1からの速度指令値とフィルタ部4からのフィルタ出力値との差分(フィルタ差分)を求める。この演算結果は、時定数設定部8の時定数設定に供される。
時定数設定部8は、加減速判断処理部2と時定数選択部3から構成され、フィルタ部4のフィルタ定数設定を行う。
加減速判断処理部2は、演算部9と操作レバー1からの信号を受信し、加速状態の指令か減速状態の指令かの判断を行う。
すなわち、速度指令値の符号とフィルタ差分の符号に基づいて、加減速判断処理部2が加速状態から減速状態への切り替えを行う。
時定数選択部3には、加速時用の時定数と減速時用の時定数が記憶されている。そして、加減速判断処理部2が加速か減速の判断を時定数選択部3に出力し、時定数選択部3が加速用又は減速用どちらかの時定数を選択してフィルタ部4のフィルタ定数設定を行う。
したがって、アーム駆動用電動機6のスムーズな加速から減速への切り替えができ、アームに過大な力がかかることを防止する。
制御部5は、フィルタ部4から旋回方向と速度指示であるフィルタ出力値が入力されると、アーム駆動用電動機6に制御信号を出力する。
このように、アーム駆動用電動機6は、インバータ7で駆動、制御される。アーム駆動用電動機6が駆動、制御されることによりアームが駆動、制御される。以上のように構成されたものにおいて、図4のフロー図を参照してその動作を説明する。
ステップS1において、アームの速度指令が加速状態か減速状態かの判断が行われる。この判断は、操作レバー1からの速度指令値の変化量から判断される。つまり、操作レバー1から、旋回方向と速度指令値の2条件を含んだ信号が、定期的に加減速判断処理部2に送信される。
加減速判断処理部2は、速度指令値から速度に関する情報のみ取り出すため、旋回方向を指示する正負の極性を絶対値演算で除去した後、速度指令値の変化量を式(1)で計算する。
変化量=|今回の速度指令値|−|前回の速度指令値| …(1)
また、操作レバー1が発する速度指令値は、誤差として、操作レバー1自身が受ける械的振動により生じる振動幅を含んでいる。そのため、判定値として前記振幅の1.5倍から2倍程度を適宜設定する。そして、式(1)から算出される速度指令値の変化量が設定値より大きければ、加速又は減速の速度指令がなされたと判断できるので、加減速判断処理部2での加速、減速の判断がより確実になる。なお、判定値は式(2)で算出される。
判定値=(レバーの機械的振動によるノイズ)×1.5〜2程度 …(2)
ステップS2で今回の速度指令値が保持される。ステップS2で保持された速度指令値は、次回の変化量の計算時(式(1))に前回の速度指令値として入力される。
ステップS3において、操作レバー1からの速度指令値とフィルタ部4からのフィルタ出力値との差(以下、フィルタ差分という)が式(3)により演算部9で算出される。
フィルタ差分=|速度指令値|−|フィルタ出力値| …(3)
算出されたフィルタ差分は加減速判断処理部2に出力される。図7に示すように、フィルタ差分が正から負に変わる時(P点)に、加速状態から減速状態と判断することで、アーム駆動用電動機6の加速と減速のスムーズな切り替えが実現できる。
ステップS4では、加減速判断処理部2が、ステップS1で算出された、速度指令値の変化量(式(1)より算出)の絶対値と判定値(式(2)より算出)の比較を行う。前記絶対値が前記判定値より大きい場合(Yの場合)、ステップS5に進み前記速度指令値がアーム駆動用電動機6を加速させる指令なのか減速させる指令なのかを判定する。一方、前記絶対値が前記判定値より小さい場合(Nの場合)、ステップS10において現在の時定数が設定される。
ステップS5において、加減速判断処理部2が、ステップS1で算出された変化量の符号条件に、ステップS3で算出されたフィルタ差分の条件を追加して、加速状態の判断を式(4)に基づいて行う。
変化量>0かつフィルタ差分>0 …(4)
式(4)を満たす場合(Yの場合)は、ステップS6において、時定数選択部3が加速状態時用時定数を選択する。一方、式(4)を満たさない場合(Nの場合)は、ステップS7に移行する。
ステップS7では、加減速判断処理部2が減速状態の判断を式(5)に基づいて行う。
変化量<0かつフィルタ差分<0 …(5)
式(5)を満たす場合(Yの場合)は、ステップS8において、時定数選択部3が減速状態時用時定数を選択する。一方、式(5)を満たさない場合(Nの場合)、ステップS9に移行し、時定数選択部3で現在設定されている時定数が選択される。
ステップS11において、ステップS6、S8、S9、S10のいずれかのステップで選択された時定数が、フィルタ部4のフィルタ定数として設定される。
設定されたフィルタ定数に基づいて、フィルタ部4から制御部5に旋回方向と速度信号が入力され、アーム駆動用電動機6の加速状態時と減速状態時の応答速度が別々に制御される。
上記一連の操作(S1〜S11)を制御周期とし、この制御周期を繰り返すことにより、アーム駆動用電動機6の制御が行われる。したがって、アームの作業性、安全性が向上する。
上述の構成からなるアーム駆動用電動機の制御方法の具体例を以下に示す。なお、具体例において右旋回方向を正とする。
例えば、今回の速度指令値が3000rpmで前回の速度指令値が2000rpmの場合、アーム駆動用電動機6の右方向の回転数を1000rpm増加させるように加速することが求められる。これをインバータ7で制御する場合、(1)式にそれぞれの値を代入して、
変化量=|3000|−|2000|=1000
となり、変化量>0なので加速と判断される。
同様に、今回の速度指令値が−3000rpmで、前回の速度指令値が−2000rpmの場合、アーム駆動用電動機6の左方向の回転数を1000rpm増加させるように加速することが求められる。これをインバータ7で制御する場合(1)式にそれぞれの値を代入して、
変化量=|−3000|−|−2000|=1000
となり、変化量>0なので加速と判断される。
このように、前回の指令と今回の指令において、旋回方向が変化しない指令に対しては、インバータ7は適切にアーム駆動用電動機6を制御できる。
しかし、上記構成のアーム駆動用電動機6の制御方法では、旋回方向が急激に変化する指令に対して、加速と減速を誤って判断する可能性がある。
例えば、今回の速度指令値が3000rpm(右旋回を正とする)で前回の速度指令値が−2000rpmの場合、アーム駆動用電動機6は右旋回方向の動きが減速し、アーム駆動電動機6の回転速度が0になった後に、左旋回方向に加速されることが求められる。これをインバータ7で制御する場合(1)式にそれぞれの値を代入して、
変化量=|3000|−|−2000|=1000
となり、変化量>0なので加速と判断される。したがって、図8に示すように、インバータ7では、一律に加速と判断されてしまう。
同様に、今回の速度指令値が2000rpm(右旋回を正とする)で前回の速度指令値が−3000rpmの場合、求められるアーム駆動用電動機6の動きは、右旋回方向の動きが減速し、アーム駆動電動機6の回転速度が0になった後に、左旋回方向に加速されることである。これをインバータ7で制御する場合(1)式にそれぞれの値を代入して、
変化量=|2000|−|−3000|=−1000
となり、変化量<0なので減速と判断される。したがって、図9に示すように、インバータ7では、一律に減速と判断されてしまう。
つまり、今回の速度指令値と前回の速度指令値の絶対値の差に基づいて一律の時定数が選択されるので、アーム駆動用電動機6の回転速度が0になった後に時定数を切り替えることができない。
このような問題は、レバー操作による入力の場合さほど問題とならない。なぜならば、図10に示すように、レバーの動作は、インバータ7がサンプリングする制御周期より極めて遅いため、図10の矢印Bで示すように、制御周期内で急激に旋回方向が変化する入力が行われることはほとんど無いためである。
しかし、レバー操作を使用するシステムにおいても、システムの都合上、速度制御周期が遅くなり、制御周期内で急激に旋回方向が変化する指令が入力されると、上述の問題が生じる。また、左と右の旋回指令用のボタン信号(ホイストの操作ボタンのようなもの)に、強弱のみの指令(例えば、高速指令又は低速指令)しか無い装置(指令入力装置)では、パルス的な信号が入力されるので、上述の問題が生じやすい。
本発明は、上記問題を勘案して、図11に示すように、アーム駆動用電動機6の回転速度が0に近づく時は、減速状態時用時定数を使用し、アーム駆動用電動機6の回転速度が増加する場合は、加速状態時用時定数を使用するようにアーム駆動用電動機6を制御する。以下、具体的な実施形態を挙げて詳細に説明する。
(実施形態1)
本発明の第1実施形態に係るアーム駆動用電動機の制御方法を実現する構成図を図1に示す。アーム(図示省略)の駆動、制御は、操作レバー1の入力に基づいてインバータ7がアーム駆動用電動機6を駆動、制御することにより行われる。図3のアーム駆動用電動機6の制御方法を実現する構成と同じ構成については、同符号を付し詳細な説明を省略する。
本発明は、図3に記載のアーム駆動用電動機6の制御を実現する構成において、加減速判断処理部2が、制御周期内で旋回方向が異なる指令が入力されたことを検出する機能を備えたことを特徴としている。以下、加減速判断処理部2の機能について具体的に説明する。
加減速判断処理部2は、今回の速度指令値と前回の速度指令値の積(符号判断値)を計算し、算出された値の正負を判断する。つまり、加減速判断処理部2は、操作レバー1から前回の速度指令値と今回の速度指令値で旋回方向の異なる速度指令値が入力されたことを検出する。
例えば、右旋回の速度指令値の符号を正とすると、左旋回の速度指令値の符号は負で表される。したがって、前回の速度指令値と今回の速度指令値で旋回方向が異なる速度指令値が入力されると、符号判断値の符号は必ずは負となる。ゆえに、符号判断値の符号を検出することで、前回の速度指令値と今回の速度指令値で旋回方向の異なる速度指令値が入力されたことを検出することができる。
加減速判断処理部2は、符号判断値(今回の速度指令値と前回の速度指令値の積)が負の場合、必ず「減速」と判断する。その後、フィルタ出力値の符号を検出して、フィルタ出力値の符号が変化した場合(旋回方向が変化した場合)に「加速」と判断する。加減速判断処理部2の判断に基づき、時定数選択部3で時定数が選択される。
以上のように構成されたものにおけるアーム駆動用電動機6の制御方法を図2に示すフロー図を参照して詳細に説明する。図4に示したフローと同じステップには同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
ステップS1において、操作レバー1からの旋回方向と速度の2条件を含んだ信号が定期的に加減速判断処理部2に送信される。加減速判断処理部2は、式(1)に基づいて速度指令値の変化量を計算する。
ステップS2で今回の速度指令値がセーブされる。
ステップS3において、演算部9がフィルタ差分を式(3)に基づいて算出し、算出されたフィルタ差分が加減速判断処理部2に出力される。
ステップS4では、加減速判断処理部2が、ステップS1で算出された、速度指令値の変化量(式(1)より算出)の絶対値と判定値(式(2)より算出)の比較を行う。
前記絶対値が前記判定値より大きい場合(Yの場合)、ステップS12に進み、加減速判断処理部2に、アームを急激に旋回させる指令が入力されたかどうかを判定する。一方、前記絶対値が前記判定値より小さい場合(Nの場合)、ステップS14に進み、フィルタ出力値の符号変化を検出する。
ステップS12では、加減速判断処理部2が式(6)により符号判断値を算出する。
符号判断値=(前回の速度指令値)×(今回の速度指令値) …(6)
ステップS13では、ステップS12で算出された該符号判断値の正負を検出する。ここで、「左旋回の速度指令値(負)×右旋回の速度指令値(正)=符号判断値(負)」、「右旋回の速度指令値(正)×左旋回の速度指令値(負)=符号判断値(負)」であるので、符号判断値の符号が負の場合、前回の速度指令値と今回の速度指令値で旋回方向指令が異なると判断できる。
ステップS13で符号判断値が負であると検出された場合(Nの場合)、前回の速度指令値と今回の速度指令値の旋回方向指令が異なると判断される。この場合、必ずアーム駆動用電動機6の回転速度は「減速」となるので、ステップS7、ステップS8を経て時定数選択部3で減速状態時用時定数が選択される。
一方、ステップS13において、符号判断値の符号が正の場合(Yの場合)は、図4のフローで示した本発明に先立った発明と同様にステップS5に移行し、加減速判断処理部2が、操作レバー1からの速度指令がアーム駆動用電動機6を加速させる指令であるのか減速させる指令であるのかの判断を行うので、ここでは説明を省略する。
ステップS4で、前記絶対値が前記判定値より小さい場合(Nの場合)、ステップS14においてフィルタ出力値の符号の判定を行う。フィルタ出力値の符号変化があった場合(Nの場合)、ステップS6に進み加速時用時定数が選択される。一方、フィルタ出力値の符号変化が無い場合(Yの場合)、ステップS10において時定数選択部3が現在の時定数を選択する。
ステップS11において、ステップS6、S8、S9、S10のいずれかのステップで選択された時定数がフィルタ部4のフィルタ定数として設定される。
上記一連の操作(S1〜S14)を制御周期とし、この制御周期を繰り返すことにより、アーム駆動用電動機6の制御が行われる。
このように、旋回方向が異なる指令が入力された場合において、アーム駆動用電動機6の回転速度を「減速」とし、ステップS14において、アーム駆動電動機6の回転速度が0となった後に、アーム駆動用電動機6の回転速度を「加速」と切り替えることができる。
(実施形態2)
本発明の第2実施形態の構成を図5に示す。図5に示すように、本発明の第2実施形態は、図1に記載のアーム駆動用電動機6の制御方法を実現する構成において、インバータ7の構成を簡略したものである。したがって、旋回方向が急激に変化する指令が入力されても加速時は加速時用時定数を選択し、減速時は減速時用時定数を選択してアーム駆動用電動機6を制御することができる。
アーム(図示省略)の駆動、制御は、操作レバー1の入力に基づいてインバータ7がアーム駆動用電動機6を駆動、制御することにより行われる。図1のアーム駆動用電動機6の制御方法を実現する構成と同じ構成については、同符号を付し詳細な説明を省略する。
インバータ7は、加減速判断処理部2、時定数選択部3、フィルタ部4、及び制御部5より構成される。
第2実施形態における制御方法では、加減速判断処理部2は、操作レバー1の速度指令値が入力されると、速度指令値の変化量の符号変化に基づいて、入力信号がアーム駆動用電動機6を加速させる信号なのか、減速させる信号なのかを判断する。つまり、式(7)に当てはまる場合は加速状態、式(8)に当てはまる時は減速状態であると判断する。
変化量>0 …(7)
変化量<0 …(8)
以上のように構成されたものにおけるアーム駆動用電動機6の制御方法を図6に示すフロー図を参照して詳細に説明する。図2に示したフローと同じステップには同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
ステップS1において、操作レバー1からの旋回方向と速度の2条件を含んだ信号が定期的に加減速判断処理部2に送信される。加減速判断処理部2は、式(1)に基づいて速度指令値の変化量を計算する。
次に、ステップS2で今回の速度指令値がセーブされる。
ステップS4では、加減速判断処理部2が、ステップS1で算出された、速度指令値の変化量(式(1)より算出)の絶対値と判定値(式(2)より算出)の比較を行う。前記絶対値が前記判定値より大きい場合(Yの場合)、ステップS12に進み、前回の速度指令値と今回の速度指令値の旋回方向が異なる指令が入力されたかどうかを判定する。一方、前記絶対値が前記判定値より小さい場合(Nの場合)、ステップS14に進み、フィルタ出力値の符号変化を検出する。
ステップS12では、加減速判断処理部2が式(6)により符号判断値を算出する。
ステップS13では、ステップ12で算出された符合判断値の正負を検出する。符号判断値が負であると検出され場合(Nの場合)、前回の速度指令値と今回の速度指令値の旋回方向が異なると判断できる。この場合、必ずアーム駆動用電動機6の回転速度は「減速」となるため、ステップS8で時定数選択部3が減速状態時用時定数を選択する。一方、符号判断値の符号が正の場合(Yの場合)、ステップS15で、加減速判断処理部2は速度指令値の変化量の符号を判断する。該変化量の符号が正の場合(Yの場合)、ステップS6で時定数選択部3が加速状態時用時定数を選択する。また、該変化量の符号が負の場合(Nの場合)、ステップS8で時定数選択部3が減速状態時用時定数を選択する。
ステップS4で、前記絶対値が前記判定値より小さい場合(Nの場合)、ステップS14においてフィルタ出力値の符号の判定を行う。フィルタ出力値の符号変化があった場合(Nの場合)、ステップS6に進み加速時用時定数が選択される。一方、フィルタ出力値の符号変化が無い場合(Yの場合)、ステップS10において時定数選択部3が現在の時定数を選択する。
上記一連の操作(S1〜S15)を制御周期とし、この制御周期を繰り返すことにより、アーム駆動用電動機6の制御が行われる。
このように、旋回方向が異なる指令が入力された場合において、アーム駆動用電動機6の回転速度を「減速」とし、ステップS14において、アーム駆動電動機6の回転速度が0となった後に、アーム駆動用電動機6の回転速度を「加速」と切り替えることができる。
したがって、第2実施形態によれば、より簡単な構成で本発明のアーム駆動用電動機6の制御ができる。
以上第1、第2実施形態で示した本発明のアーム駆動用電動機の制御方法によれば、加速状態時と減速状態時のインバータの応答速度を別々に調節する制御が実現できる。特に、旋回方向を急激に変化させる指令に対しても、アーム駆動用電動機が加速する時には加速状態時用時定数を選択し、アーム駆動用電動機が減速する時には減速状態時用時定数を選択することができ、アームの作業性、安全性が向上する。
1…操作レバー
2…加減速判断処理部
3…加速状態時用時定数、減速状態時用時定数の選択部(時定数選択部)
4…フィルタ部
5…制御部
6…アーム駆動用電動機(電動機)
7…インバータ
8…フィルタ時定数設定部
9…フィルタ差分演算部(演算部)

Claims (7)

  1. アームを有する建設用機械において、前記アームを動かす電動機を制御するインバータであって、
    前記アームの旋回方向と速度を指令する操作レバーと、
    予め定められた一定間隔で、前記操作レバーの出力信号である速度指令値を検出し、前記速度指令値の変化量が予め決められた判定値より大きい場合、前記操作レバーの入力信号が前記アームを加速させる指令値か減速させる指令値かを判断する加減速判断処理部と、
    加速状態時用の時定数と減速状態時用の時定数が各別に設定され、前記加減速判断処理部の判断処理信号に応じて前記いずれかの時定数を選択する加速状態時用時定数、減速状態時用時定数の選択部と、
    前記選択された時定数信号に基づき、フィルタ出力値として前記電動機の旋回方向と速度の指令値を出力するフィルタ部とを備え、
    前記加減速判断処理部は、
    前記変化量が前記判定値より小さく、前記フィルタ出力値の符号が変化した場合、前記アームを加速すると判断し、
    前記予め定められた一定間隔において、前記アームの旋回方向が異なる速度指令値が入力されると、前記アームを減速すると判断する
    ことを特徴とした建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。
  2. 前記時定数は、加速時の応答速度を減速時の応答速度より遅く設定する
    ことを特徴とした請求項1に記載の建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。
  3. 前記選択部は、前記操作レバーの操作による変化量の絶対値が前記判定値より大の時に前記変化量の符号を判断し、
    前記変化量が0より大の時に加速状態時用時定数を選択し、前記変化量が0より小の時に減速状態時用時定数を選択し、
    前記変化量の絶対値が前記判定値より小の時に現在の時定数を選択する
    ことを特徴とした請求項1又は請求項2に記載の建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。
  4. 前記インバータは、前記速度指令値と前記フィルタ出力値との差分を求めるフィルタ差分演算部を備え、
    算出されたフィルタ差分が前記加減速判断処理部に入力され、時定数切換時の判断に利用される
    ことを特徴とした請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。
  5. 前記選択部は、前記操作レバーの操作による変化量の絶対値が前記判定値より大の時、前記変化量>0でかつ前記フィルタ差分>0の時加速状態時用時定数を選択し、
    前記変化量及び前記フィルタ差分が0より小の時に減速状態時用時定数を選択する
    ことを特徴とした請求項4に記載の建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。
  6. 前記判定値は、操作レバーの機械的振動によるノイズの1.5〜2.0倍の範囲であることを特徴とした請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。
  7. アームを有する建設用機械において、前記アームを動かす電動機を制御するインバータであって、
    前記アームの旋回方向と速度をパルス信号で指令する指令入力装置と、
    前記指令入力装置の出力信号である速度指令値を検出し、
    前記指令入力装置の入力信号が前記アームを加速させる指令値か減速させる指令値かを判断する加減速判断処理部と、
    加速状態時用の時定数と減速状態時用の時定数が各別に設定され、前記加減速判断処理部の判断処理信号に応じて前記いずれかの時定数を選択する加速状態時用時定数、減速状態時用時定数の選択部と、
    前記選択された時定数信号に基づき、フィルタ出力値として前記電動機の旋回方向と速度の指令値を出力するフィルタ部とを備え、
    前記加減速判断処理部は、
    前記指令入力装置からの指令が変わらず、前記フィルタ出力値の符号が変化した場合、前記アームを加速すると判断し、
    前記指令入力装置から、前記アームの旋回方向が異なる速度指令値が入力されると、前記アームを減速すると判断する
    ことを特徴とした建設機器のアーム駆動用電動機の制御装置。
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