JP2010187336A - 車載用複合アンテナ - Google Patents

車載用複合アンテナ Download PDF

Info

Publication number
JP2010187336A
JP2010187336A JP2009031728A JP2009031728A JP2010187336A JP 2010187336 A JP2010187336 A JP 2010187336A JP 2009031728 A JP2009031728 A JP 2009031728A JP 2009031728 A JP2009031728 A JP 2009031728A JP 2010187336 A JP2010187336 A JP 2010187336A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
gain
telephone
substrate
edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009031728A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Kusunoki
正弘 楠
Noriyuki Shoji
範行 庄司
Kazuyoshi Aoki
一芳 青木
Yujiro Nakayama
裕次郎 中山
Shoichi Negami
昭一 根上
Yoichi Iso
洋一 磯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Automotive Systems Inc
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Automotive Systems Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd, Furukawa Automotive Systems Inc filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2009031728A priority Critical patent/JP2010187336A/ja
Publication of JP2010187336A publication Critical patent/JP2010187336A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Waveguide Aerials (AREA)

Abstract

【課題】本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、垂直偏波成分が水平偏波成分に対し高い利得が得られる広帯域な電話用アンテナを備える車載用複合アンテナを提供する。
【解決手段】電話用アンテナ120は、アンテナ素子121の主要部121aが基板110の一つのエッジ部113に沿って配置され、これに接続されてL字状に屈曲された接続部121bがエッジ部113に隣接するエッジ部112に沿って配置されている。アンテナ素子121をこのようなL字形状とすることで、給電部122及び短絡部123をエッジ部113と接する角部から離れたエッジ部112の中央側に配置している。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載される複合アンテナに関し、特にETC、VICS等のアンテナにさらに電話用アンテナを搭載した車載用複合アンテナに関するものである。
従来より、1枚の共用グランド板の上にETC、VICS、GPS等に用いる複数のアンテナを配置した車載用複合アンテナが開発されている。例えば特許文献1では、VICS用アンテナとGPS用アンテナが1つの基板上に配置され、指向性の異なるETC用アンテナが別の基板上に配置されており、この2つの基板が1枚の共用グランドの中央付近に配置されている。なお、基板の各アンテナを搭載する面とは反対側の面には、ほぼ全面に基板用グランドが形成されている。
一方、近年は携帯電話などに用いる電話用アンテナも車両に搭載したいといったニーズが高まっており、電話用アンテナの設置スペースの確保が困難なことから、従来の複合アンテナにさらに電話用アンテナも統合させることが強く望まれている。車両に搭載される電話用アンテナとして、例えば900MHz帯(824MHz〜960MHz)の周波帯が使用されている。
電話用アンテナは、従来からアンテナ素子が直線状に形成されたもの(以下では、I字型アンテナと称する)が広く用いられている。このようなI字型アンテナを従来の車載用複合アンテナに統合させる場合、小型化の観点からVICS用アンテナやGPS用アンテナが搭載された基板上に搭載するのが好ましい。この場合、基板の中央付近にはVICS用アンテナやGPS用アンテナが配置されていることから、電話用アンテナは基板のエッジに配置されることになる。
また、逆F型アンテナなどのグランド上で動作させるアンテナでは、給電部の垂直立ち上がり部をグランドを有する基板の角に配置し、アンテナ素子の水平部を基板のエッジに配置することが多い。このように、アンテナ素子を基板のエッジに配置することで、使用周波数での周波数帯を広帯域化できるといった効果が得られる。
特開2004−056773号公報
アンテナの効率を測る一つの指標として、アンテナから放射される電磁波の利得を全方向にわたって積分し平均化した通常のアンテナ効率がある(以下では通常アンテナ効率と称する)。しかし、電話用アンテナでは、携帯電話用基地局のアンテナの主偏波成分が垂直偏波となっているため、通常アンテナ効率ではなく、垂直利得を重視した利得を高くする必要がある。しかしながら、従来のI字型アンテナを電話用アンテナに用いた場合には、水平偏波成分に対し垂直偏波成分が十分な利得を有するように調整することが難しいといった問題があった。
I字型アンテナを基板のエッジに配置すると、グランド上に水平方向の電流が流れるため、垂直偏波成分の利得が低下してしまう。このような垂直偏波成分の利得低下を防止するには、I字型アンテナをグランドの中心線上に設置するのがよく、この場合にはグランド上の水平方向の電流が打ち消しあい、アンテナ素子上の垂直方向の電流が残る。その結果、送受信波において垂直偏波が水平偏波に対して支配的となる。しかしながら、I字型アンテナをグランドの中心線上に設置すると、他のGPS用アンテナ等がグランドの中央部に配置できなくなるだけでなく、電話用アンテナとしても使用可能な周波数帯が狭帯域となり、必要な帯域で十分なゲインを確保することができないといった問題があった。
そこで、本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、垂直偏波成分が水平偏波成分に対し高い利得が得られる広帯域な電話用アンテナを備える車載用複合アンテナを提供することを目的とする。
本発明の車載用複合アンテナの第1の態様は、基板と、前記基板の一方の面に搭載された電話用アンテナと、前記基板の他方の面に形成されたグランドとを備える車載用複合アンテナであって、前記電話用アンテナは、前記グランドから所定の高さで平行に配索されて所定の周波帯で共振するアンテナ素子と、前記基板に垂直に配索されて前記アンテナ素子に接続された給電部と、を備え、前記アンテナ素子の主要部が前記基板の第1のエッジに沿って配置され、前記主要部からL字状に屈曲した前記アンテナ素子の接続部が前記給電部に接続され、前記給電部が前記第1のエッジに隣接する第2のエッジの中央側に配置されていることを特徴とする。
本発明の車載用複合アンテナの他の態様は、前記アンテナ素子の前記グランドからの高さは、10mm以上であることを特徴とする。
本発明の車載用複合アンテナの他の態様は、前記給電部は、前記第2のエッジの中心から略1/4の長さの範囲に配置されていることを特徴とする。
本発明の車載用複合アンテナの他の態様は、前記給電部は、前記第2のエッジの中心から略1/8の長さの範囲に配置されていることを特徴とする。
本発明の車載用複合アンテナの他の態様は、前記電話用アンテナは、一端が前記アンテナ素子または前記給電部に接続され、他端が前記グランドに接続された短絡部をさらに備えて逆F型アンテナを形成していることを特徴とする。
本発明の車載用複合アンテナの他の態様は、前記アンテナ素子に略平行に配置され、一端が前記グランドに接続されている無給電素子をさらに備えることを特徴とする。
本発明の車載用複合アンテナの他の態様は、前記電話用アンテナは、824MHz〜960MHzの帯域で使用されることを特徴とする。
本発明の車載用複合アンテナの他の態様は、前記グランドは縦70mm、横70mmの寸法を有していることを特徴とする。
以上説明したように本発明によれば、電話用アンテナをL字型としてアンテナ素子を基板のエッジに配置するとともに給電部を別のエッジの中央側に配置することで、垂直偏波成分が水平偏波成分に対し高い利得が得られる広帯域な電話用アンテナを備える車載用複合アンテナを提供することができる。
本発明の第1の実施形態の車載用複合アンテナの概略構成を示す斜視図及び平面図である。 従来の車載用複合アンテナの概略構成を示す斜視図及び平面図である。 アンテナ給電位置を説明する斜視図である。 第1の実施形態の電話用アンテナのVSWR及びゲイン特性を示すグラフである。 比較例のI字型アンテナのVSWR及びゲイン特性を示すグラフである。 第1の実施形態の電話用アンテナ及びI字型アンテナのアンテナ給電位置に対するゲイン特性の変化を示すグラフである(アンテナ素子の高さ20mm)。 第1の実施形態の電話用アンテナ及びI字型アンテナのアンテナ給電位置に対するゲイン特性の変化を示すグラフである(アンテナ素子の高さ10mm)。 第1の実施形態の電話用アンテナ及びI字型アンテナのアンテナ給電位置に対するゲイン特性の変化を示すグラフである(アンテナ素子の高さ5mm)。 本発明の第2の実施形態の車載用複合アンテナの概略構成を示す斜視図である。 別の従来例の車載用複合アンテナの概略構成を示す斜視図である。
本発明の好ましい実施の形態における車載用複合アンテナについて、図面を参照して詳細に説明する。同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
本発明の第1の実施形態に係る車載用複合アンテナを、図1を用いて説明する。図1(a)は、本実施形態の車載用複合アンテナ100の斜視図を示しており、図1(b)は車載用複合アンテナ100の平面図を示している。車載用複合アンテナ100は、基板110と電話用アンテナ120とを備えている。以下では、電話用アンテナ120の使用周波数帯を824MHz〜960MHzの900MHz帯とする。また、基板110の寸法を70mm×70mmとする。基板110は、例えばPCB(プリント基板)で形成することができる。
電話用アンテナ120は、基板110の隣接する2つのエッジ部112、113に沿ってL字形状に配置されている。なお、図1では、基板110のエッジ部112、113に電話用アンテナ120のみを配置しているが、基板110の中央部には別のアンテナを配置することができる。一例として、特許文献1の複合アンテナと同様に、基板110の中央部にGPSアンテナやVICSアンテナを配置することができる。GPSアンテナやVICSアンテナは、指向性等の観点から、基板110の中央部に配置するのがよい。これに対し、電話用アンテナ120は、基板110のエッジ部112、113に配置されることで、好適なアンテナ特性が得られるようにすることができる。
基板110の電話用アンテナ120が配置されている面と反対側の面には、グランド111が形成されている。グランド111は、電話用アンテナ120のグランドとして動作するとともに、基板110上に搭載されている別のアンテナのグランドとしても動作する。基板110の別の実施例として、グランド111を間に挟んで2層以上からなる多層基板を用いることもできる。この場合、多層基板の電話用アンテナ120が配置されている面と反対側の面には、別の回路等を搭載することが可能となる。
本実施形態の電話用アンテナ120は、一例として逆F型アンテナとしており、アンテナ素子121と給電部122と短絡部123とで構成されている。アンテナ素子121は、グランド111から所定の高さの位置でこれに平行に配置されている。また、給電部122は、基板110に立設されて一端がアンテナ素子121の接続部121bに接続され、他端が所定の給電線路(図示せず)に接続されている。さらに、短絡部123は、基板110に立設されて一端がアンテナ素子121の接続部121bに接続され、他端がグランド111に接続されている。
電話用アンテナ120の特徴として、アンテナ素子121の主要部121aが基板110の一つのエッジ部113に沿って配置され、これに接続されて直角に屈曲された接続部121bがエッジ部113に隣接するエッジ部112に沿って配置されている。アンテナ素子121を、このような直交する主要部121aと接続部121bとで構成することで、アンテナ素子121の形状がL字状になっている。アンテナ素子121をこのようなL字形状とすることで、給電部122及び短絡部123をエッジ部113と接する角部から離れたエッジ部112の中央側に配置している。
アンテナ素子121の主要部121aを基板110のエッジ部113に沿って配置することにより、使用する周波数帯域において一定レベル以上のゲインを確保することができる。すなわち、使用する周波数帯域において必要なゲインが得られるように広帯域化が実現される。以下では、ゲイン特性の説明に、ゲインの平均値(単に平均ゲインと称する)、水平偏波成分のゲイン、及び垂直偏波成分のゲインを用いる。電話用アンテナ120では、使用する周波数帯域における各ゲインが所定値以上確保されることが要求される。
本実施形態では、給電部122をエッジ部112の中央側に設けることで、グランド111上に流れる電流の水平成分をある程度打ち消すようにしており、その結果として、相対的に垂直偏波成分のゲインが大きくなるようにしている。電話用アンテナ120をこのように形成することで、他のアンテナを設置するスペースを最大限確保した上で、平均ゲインとして必要な大きさ以上を確保することが可能となる。特に、水平偏波成分のゲインとの比較で、垂直偏波成分のゲインを相対的に高くすることができる。
本実施形態の電話用アンテナ120の特性を、従来のI字型アンテナと比較して説明する。比較対象の従来のI字型アンテナを備えた従来の車載用複合アンテナの一例を、図2に示す。図2(a)は、従来の車載用複合アンテナ900の斜視図を示しており、図2(b)は平面図を示している。図2において、比較例のI字型アンテナ920は、基板110の一つのエッジに沿って配置されている。より詳しくは、アンテナ素子921が本実施形態のアンテナ素子120の主要部121aと同様に、基板110のエッジ部113に沿って配置されており、給電部922及び短絡部923がエッジ部113の端部(エッジ部113と112とが交わる角部)に配置されている。本実施形態の電話用アンテナ120と比較例のI字型アンテナ920とでは、アンテナ素子121、921の形状と給電部122,922(及び短絡部123,923)の配置位置が異なっている。
本実施形態の電話用アンテナ120では、アンテナ素子121の主要部121aが基板110のエッジ部113に沿って配置されるが、給電部122及び短絡部123(以下では給電部122のみについて記載するが、短絡部123も含むものとする)については、エッジ部112の端部以外の中央側に配置するようにしており、その配置位置によってアンテナ特性を調整するようにしている。また、アンテナ素子121のグランド111からの高さによってもアンテナ特性が変化する。
以下では、給電部122の配置位置、及びアンテナ素子121のグランド111からの高さを変更したときの電話用アンテナ120のアンテナ特性について説明する。アンテナ特性として、VSWRとゲイン特性(平均ゲイン、水平偏波成分のゲイン、及び垂直偏波成分のゲイン)について説明する。VSWRについては、インピーダンス整合後の結果を示している。
また、本実施形態の電話用アンテナ120のアンテナ特性と比較するために、比較例のI字型アンテナ920についても、給電部922及び短絡部923(以下では給電部922のみについて記載するが、短絡部923も含むものとする)の配置位置及びアンテナ素子921の高さを変化させたときのアンテナ特性を求める。但し、I字型アンテナ920では、給電部922の配置位置をエッジ部112に沿って変化させる場合は、アンテナ素子921を含む全体の配置位置が変更される。
給電部122、922のエッジ部112に沿う方向の配置位置は、図3に示す距離yfで表わされるものとする。距離yfは、エッジ部112の中心から給電部122、922が配置されている位置までの距離である。以下では、距離yfをアンテナ給電位置yfとして説明する。また、アンテナ素子121,921のグランド111からの高さは、図3に示す高さzfで表されるものとする。以下では、図3に矢印で示すように、エッジ部113に平行な方向をx方向、エッジ部112に平行な方向をy方向、及び、基板110に垂直の方向をz方向として説明する。
本実施形態の電話用アンテナ120、及び比較例のI字型アンテナ920のアンテナ特性のシミュレーション結果を、それぞれ図4、5に示す。図4、5に示すアンテナ特性は、アンテナ素子121,921の高さzfをともに20mmとしたときのものである。図4、5のそれぞれにおいて、(a)はyf=0mm(エッジ部112の中心)のとき、(b)はyf=17mm(エッジ部112の中心と端部との間の略中央)のとき、及び(c)はyf=34mm(エッジ部112の略端部)のとき、のそれぞれのアンテナ特性を示している。また、(a)〜(c)のそれぞれにおいて、左側にVSWRを示し、右側にゲイン特性を示している。各図に示すゲイン特性では、平均ゲイン、水平偏波成分のゲイン、及び垂直偏波成分のゲインを、それぞれ符号10、11、12で示している。
図4に示す本実施形態の電話用アンテナ120では、アンテナ給電位置yfがいずれの場合にも、VSWR及びゲイン特性が使用周波数帯824MHz〜960MHzにおいてほぼ一定となっており、良好な特性を示している。また、偏波成分のゲイン特性については、アンテナ給電位置yf=0mmとして給電部122をエッジ部112の中心に配置したときに、垂直偏波成分のゲイン12が最も高くなって水平偏波成分のゲイン11とほぼ等しくなっている。アンテナ給電位置yfを17mm、34mmと大きくして給電部122をエッジ部122の端部に近付けるにつれて、垂直偏波成分のゲイン12が低下するとともに水平偏波成分のゲイン11が上昇しており、垂直偏波成分のゲイン12が相対的に低下していく。
一方、図5に示す比較例のI字型アンテナ920では、基板110の中心に配置されたときのアンテナ給電位置yf=0mmの場合に、VSWR及びゲイン特性が使用周波数帯において大きく変化しており、yfを大きくしてエッジ部113側に移動させるほどVSWR及びゲイン特性の変化が小さくなっていく。偏波成分のゲイン特性については、アンテナ給電位置yf=0mmとして給電部122をエッジ部112の中心に配置したときに、水平偏波成分がグランド111上の水平方向の電流とキャンセルし合う。そのため、周波数によらずほぼ垂直偏波成分のみとなるため、平均ゲイン10が垂直偏波成分とほぼ等しくなっている。
アンテナ給電位置yfを17mm、34mmと大きくしてI字型アンテナ920をエッジ部122の端部に近付けていくと、水平偏波成分が現れるとともに、垂直偏波成分のゲイン12が低下していく。I字型アンテナ920をエッジ部122に近接して配置したyf=34mmの場合には、水平偏波成分のゲイン11と垂直偏波成分のゲイン12が逆転して垂直偏波成分のゲイン12の方が低下してしまう。この場合には、グランド111上の水平方向の電流が支配的になって水平偏波成分のゲイン11が上昇する。
上記のように、本実施形態の電話用アンテナ120では、アンテナ素子121の主要部121aをエッジ部113に近接配置することで、使用周波数全体の広い帯域でVSWR及びゲイン特性がほぼ一定となり、好ましい広帯域特性が得られる。また、給電部122をエッジ部112の中央側に配置することで垂直偏波成分のゲイン12を相対的に高めることができ、電話用アンテナとして好適な特性が得られる。
これに対し、比較例のI字型アンテナ920では、アンテナ全体をエッジ部112の中央に配置すると、垂直偏波成分に対し相対的に高いゲインが得られるものの、使用周波数帯でVSWR及びゲイン特性が大きく変化して好ましい特性が得られない。この場合には、狭帯域で使用可能なアンテナ特性となってしまう。一方、I字型アンテナ920をエッジ部113に近接配置すると、使用周波数帯でVSWR及びゲイン特性がほぼ一定の好ましい広帯域特性が得られるが、電話用アンテナとして要求される垂直偏波成分が大きく低下してしまう。
本実施形態の電話用アンテナ120及び比較例のI字型アンテナ920について、アンテナ給電位置yfを変化させたときのゲイン特性の変化を図6に示す。図6は、横軸をアンテナ給電位置yfとし、縦軸を平均ゲイン、水平偏波成分のゲイン、及び垂直偏波成分のゲイン(それぞれ符号20、21、22で示す)としている。平均ゲイン20、水平偏波成分のゲイン21、及び垂直偏波成分のゲイン22は、それぞれ使用帯域内で平均化したものである。
図6より、本実施形態の電話用アンテナ120では、アンテナ給電位置yfを0に近付けて給電部122をエッジ部112の中心に近付けるほど、垂直偏波成分のゲイン22が上昇するとともに水平偏波成分のゲイン21が低下することがわかる(実線)。また平均ゲイン20も、給電部122をエッジ部112の中心に近付けたときに若干大きくなっている。これは、垂直偏波成分のゲイン22の上昇量が水平偏波成分のゲイン21の低下量を上回っているためである。
これに対し、比較例のI字型アンテナ920では、アンテナ給電位置yfを大きくして給電部122をエッジ部113に近接させるほど、水平偏波成分のゲイン21が大幅に上昇するとともに、垂直偏波成分のゲイン22が低下して水平偏波成分のゲイン21よりも小さくなってしまう(破線)。そのため、I字型アンテナ920を基板110のエッジに配置して車載用複合アンテナに用いても、電話用アンテナに必要な垂直偏波成分の利得が十分に得られない。
上記では、アンテナ素子120の高さzfを20mmとしたときのシミュレーション結果を示したが、アンテナ素子120の高さzfを低くしたときのシミュレーション結果についても以下に説明する。zf=10mm及びzf=5mmとしたときのシミュレーション結果を、それぞれ図7、8に示す。ここでは、図6と同様に、横軸をアンテナ給電位置yfとし、縦軸を使用帯域内で平均化したゲインの値を示している。
図7に示すzf=10mmの場合には、本実施形態の電話用アンテナ120において、アンテナ給電位置yfを0に近付けて給電部122をエッジ部112の中心に近付けると、垂直偏波成分のゲイン22が大きくなるとともに水平偏波成分のゲイン21が低下している。しかし、zf=20mmの場合に比べて、垂直偏波成分のゲイン22が水平偏波成分のゲイン21よりも小さくなっている。また、平均ゲインもわずかに減少しており、垂直偏波成分のゲイン22の上昇量が小さいことがわかる。
これに対し、比較例のI字型アンテナ920では、アンテナ給電位置yfを大きくして給電部122をエッジ部113に近接させるほど、水平偏波成分のゲイン21が大幅に上昇するとともに垂直偏波成分のゲイン22が低下し、zf=20mmの場合に比べて水平偏波成分のゲイン21と垂直偏波成分のゲイン22との差がさらに大きくなっている。そのため、I字型アンテナ920を基板110のエッジに配置して車載用複合アンテナに用いても、電話用アンテナに必要な垂直偏波成分の利得が十分に得られない。
図8に示すzf=5mmの場合には、本実施形態の電話用アンテナ120及び比較例のI字型アンテナ920とも、垂直偏波成分のゲイン22が水平偏波成分のゲイン21よりも大幅に低下してしまう。そのため、本実施形態の電話用アンテナ120を用いた場合でも、好適なアンテナ特性を得ることができない。
上記のように、アンテナ素子120の高さzfを低くしていくと、水平偏波成分が支配的となっていくため垂直偏波成分の上昇量が小さくなる。また、高さzfを低くすることでアンテナQ値が大きくなり、給電部122をエッジ112の中心に近付けたときの帯域幅の減少がより顕著になるため、使用周波数帯域内でのゲインの平均値が低下してしまう。但し、zf=10mmの場合には垂直偏波成分のゲイン22は低下しておらず、水平偏波成分のゲイン21だけが低下しているため、インピーダンス整合回路を付加、もしくは無給電エレメント等を付加することによって帯域を拡大することができる。従って、アンテナ素子121のグランド111からの高さを10mm以上とするのがよい。
上記のようなシミュレーション結果をもとに、本実施形態の電話用アンテナ120における給電部122のエッジ112の中心からの距離yfを検討した結果、距離yfを略8mmとするのがより好ましい。この場合には、使用周波数帯での平均値である平均ゲイン20及び垂直偏波成分のゲイン22を、ともにバランスよく高くすることができる。従って、平均ゲイン20を低下させずに垂直偏波成分のゲイン22を上昇させるためには、給電部122のエッジ112の中心からの距離yfを略8mmとした電話用アンテナ120を用いるのがよい。
本実施形態の車載用複合アンテナ100では、一つの電話用アンテナ120を基板110のエッジ部112及び113に配置しているが、本発明の車載用複合アンテナの別の実施形態として、図1(b)に示すように、電話用アンテナ120の配置位置と対称(鏡面対称)の位置にも別の電話用アンテナ120’を配置することも可能である。車両に搭載される電話用アンテナでは、受信感度を高める観点から、スペースダイバーシチ方式の採用を要求される場合がある。その場合には、電話用アンテナ120に加えて、これと対称な位置に別の電話用アンテナ120’を搭載すればよい。
なお、比較例のI字型アンテナ920を用いた車載用複合アンテナでも、図2(b)に示すように、I字型アンテナ920の配置位置と鏡面対象の位置に別のI字型アンテナ920’を配置することで、スペースダイバーシチ方式が採用される。
本発明の第2の実施形態に係る車載用複合アンテナを、図9を用いて説明する。図9は、本実施形態の車載用複合アンテナ200の斜視図を示しており、(a)と(b)は車載用複合アンテナ200を異なる角度から見たときの斜視図である。本実施形態の車載用複合アンテナ200では、アンテナ素子221に近接させてこれと略平行に無給電素子230を備えている。無給電素子230は、基板110に垂直に立設された無給電短絡部231でグランド111に接続されており、給電部は有していない。
アンテナ素子221に近接させて無給電素子230を配置することで、電話用アンテナ220の帯域幅の調整等が容易となる。すなわち、使用周波数帯域の一部で必要なゲイン特性等が得られない場合、無給電素子230を用いてこれを改善することができる。無給電素子230を用いたアンテナ特性の調整方法として、無給電素子230の長さやアンテナ素子221との距離等を調整する方法がある。
同様にI字型アンテナ920に対しても、無給電素子を用いてゲイン特性等の調整を行うことができる。I字型アンテナ920に隣接して無給電素子を配置した車載用複合アンテナ901の斜視図を図10に示す。図10は、I字型アンテナ920に隣接して無給電素子930を配置した車載用複合アンテナ901の一例を示しており、(a)と(b)は異なる角度から見た斜視図である。I字型アンテナ920でも、このような無給電素子930を用いることで帯域幅の調整等を行うことが可能である。しかしながら、I字型アンテナ920では、このような無給電素子930を用いても垂直偏波成分のゲインを大きく改善することはできず、電話用アンテナとして必要な特性を確保することができない。
なお、上記実施形態では、電話用アンテナ130を逆F型アンテナとしたが、これに限定されるものではなく、例えば逆L型アンテナとすることも可能である。本実施の形態における記述は、本発明に係る車載用複合アンテナの一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における車載用複合アンテナの細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
100、200、900、901 車載用複合アンテナ
110 基板
111 グランド
112、113 エッジ部
120、220 電話用アンテナ
121、221、921 アンテナ素子
122、922 給電部
123、923 短絡部
230、930 無給電素子
231 無給電短絡部
920 I字型アンテナ
140、201、211、221 吸収体

Claims (8)

  1. 基板と、前記基板の一方の面に搭載された電話用アンテナと、前記基板の他方の面に形成されたグランドとを備える車載用複合アンテナであって、
    前記電話用アンテナは、
    前記グランドから所定の高さで平行に配索されて所定の周波帯で共振するアンテナ素子と、
    前記基板に垂直に配索されて前記アンテナ素子に接続された給電部と、を備え、
    前記アンテナ素子の主要部が前記基板の第1のエッジに沿って配置され、
    前記主要部からL字状に屈曲した前記アンテナ素子の接続部が前記給電部に接続され、前記給電部が前記第1のエッジに隣接する第2のエッジの中央側に配置されている
    ことを特徴とする車載用複合アンテナ。
  2. 前記アンテナ素子の前記グランドからの高さは、10mm以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の車載用複合アンテナ。
  3. 前記給電部は、前記第2のエッジの中心から略1/4の長さの範囲に配置されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車載用複合アンテナ。
  4. 前記給電部は、前記第2のエッジの中心から略1/8の長さの範囲に配置されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車載用複合アンテナ。
  5. 前記電話用アンテナは、一端が前記アンテナ素子または前記給電部に接続され、他端が前記グランドに接続された短絡部をさらに備えて逆F型アンテナを形成している
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車載用複合アンテナ。
  6. 前記アンテナ素子に略平行に配置され、一端が前記グランドに接続されている無給電素子をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車載用複合アンテナ。
  7. 前記電話用アンテナは、824MHz〜960MHzの帯域で使用される
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車載用複合アンテナ。
  8. 前記グランドは縦70mm、横70mmの寸法を有している
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車載用複合アンテナ。
JP2009031728A 2009-02-13 2009-02-13 車載用複合アンテナ Pending JP2010187336A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009031728A JP2010187336A (ja) 2009-02-13 2009-02-13 車載用複合アンテナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009031728A JP2010187336A (ja) 2009-02-13 2009-02-13 車載用複合アンテナ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010187336A true JP2010187336A (ja) 2010-08-26

Family

ID=42767690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009031728A Pending JP2010187336A (ja) 2009-02-13 2009-02-13 車載用複合アンテナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010187336A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5288668B2 (ja) * 2011-01-26 2013-09-11 パナソニック株式会社 アンテナ装置および無線通信装置
JP2016046739A (ja) * 2014-08-26 2016-04-04 矢崎総業株式会社 アンテナ装置
JP2016181816A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 セイコーエプソン株式会社 アンテナ及び電子機器

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07131229A (ja) * 1993-05-06 1995-05-19 At & T Global Inf Solutions Internatl Inc アンテナ装置
JP2000261243A (ja) * 1999-03-04 2000-09-22 Nippon Antenna Co Ltd 逆f型アンテナ
JP2002094324A (ja) * 2000-09-19 2002-03-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線端末装置
JP2002185238A (ja) * 2000-12-11 2002-06-28 Sony Corp デュアルバンド対応内蔵アンテナ装置およびこれを備えた携帯無線端末
JP2007013258A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Mitsumi Electric Co Ltd 複合アンテナ装置
JP2007049249A (ja) * 2005-08-08 2007-02-22 Furukawa Electric Co Ltd:The アンテナ装置
JP2008141337A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Mitsumi Electric Co Ltd アンテナ装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07131229A (ja) * 1993-05-06 1995-05-19 At & T Global Inf Solutions Internatl Inc アンテナ装置
JP2000261243A (ja) * 1999-03-04 2000-09-22 Nippon Antenna Co Ltd 逆f型アンテナ
JP2002094324A (ja) * 2000-09-19 2002-03-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線端末装置
JP2002185238A (ja) * 2000-12-11 2002-06-28 Sony Corp デュアルバンド対応内蔵アンテナ装置およびこれを備えた携帯無線端末
JP2007013258A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Mitsumi Electric Co Ltd 複合アンテナ装置
JP2007049249A (ja) * 2005-08-08 2007-02-22 Furukawa Electric Co Ltd:The アンテナ装置
JP2008141337A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Mitsumi Electric Co Ltd アンテナ装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5288668B2 (ja) * 2011-01-26 2013-09-11 パナソニック株式会社 アンテナ装置および無線通信装置
US9184509B2 (en) 2011-01-26 2015-11-10 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Antenna device and wireless communication apparatus
JP2016046739A (ja) * 2014-08-26 2016-04-04 矢崎総業株式会社 アンテナ装置
JP2016181816A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 セイコーエプソン株式会社 アンテナ及び電子機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9203154B2 (en) Multi-resonance antenna, antenna module, radio device and methods
JP6323455B2 (ja) アンテナ装置
JP6495985B2 (ja) 車載用アンテナ装置
US20150138033A1 (en) Antenna structure and wireless communication device using the same
JP4690820B2 (ja) アンテナ装置
US20170170555A1 (en) Decoupled Antennas For Wireless Communication
KR20110015407A (ko) 2주파 안테나
JP5451169B2 (ja) アンテナ装置
JP5011029B2 (ja) アンテナ及び無線機器
JP2010187336A (ja) 車載用複合アンテナ
JP6207586B2 (ja) 逆f型アンテナ及び車載用複合アンテナ装置
JP2010050548A (ja) アンテナ装置
JP2007335981A (ja) 偏波ダイバーシチアンテナ装置
JP5149232B2 (ja) アンテナ装置
WO2012053494A1 (ja) 車載用アンテナ
WO2021085483A1 (ja) Mimoアンテナ装置
JP2005203971A (ja) アンテナ装置、アンテナシステム
JP2015037241A (ja) アンテナ装置及び携帯端末
JP5308009B2 (ja) 無線通信アンテナ装置
JP2010171507A (ja) 車載用複合アンテナ
JP5112530B2 (ja) 折り返しモノポールアンテナ
JP5407067B2 (ja) アンテナ装置
US20240030624A1 (en) Antenna device
WO2024071311A1 (ja) 車両用アンテナ装置
JP2012090011A (ja) 車載用広帯域アンテナ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121207

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130610