JP2010179276A - フィルム表面の異物除去装置及びフィルムの製造方法 - Google Patents

フィルム表面の異物除去装置及びフィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルム表面のゴミを十分に除去することができ、且つ、サクションロールと接触する側のフィルム表面に傷が付かないフィルム表面の異物除去装置及びフィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】バックアップロールがサクションロールであって、該サクションロールのフィルムと接触する表面の縦弾性率が1.0×10MPa以上1.5×10MPa以下であるフィルム表面の異物除去装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、シート状のフィルム基材に付着している異物を除去するフィルム表面の異物除去装置及びフィルムの製造方法に関する。
シート状のフィルム基材に塗布層を形成したフィルムとしては、例えば液晶表示装置の偏光板の保護フィルムや光学補償フィルムなどがある。このようなフィルムは、TACフィルム(セルローストリアセテートフィルム)等の基材となるフィルムの表面に、表面を保護するためのハードコート層や表面の光の反射を制御するための屈折率を制御する層等を塗布している。
このようなフィルムの製造方法においては、均一な塗布層を形成するために、基材となるフィルム表面の塗布面側に付着している塵埃などのゴミを除去した後に、フィルム表面に塗布層が形成される。ゴミを十分に除去していないと、塗布膜にゴミを起点として、塗布膜厚が薄くなるいわゆるハジキ故障が発生する。
特に液晶表示装置に用いられる偏光板などのフィルムは、近年の表示装置に対する高精細化の要求から、ゴミ除去の要求が大きくなってきている。
基材フィルムの表面のゴミの除去装置としては、回転するバックアップロールに所定の抱き角を持って接触する基材フィルムに向けて、高圧のエアーを吹き付け、そのエアー圧力によりフィルム表面に付着する塵埃などのゴミを除去し、ゴミを含んだエアーは、高圧のエアーを吹き付ける位置のフィルム搬送方向上流側及び下流側に配置された吸引口により吸引する方法が知られている(特許文献1参照。)。また、フィルム表面のゴミ除去を徹底するために、そのエアーの圧力は、一段と高められる方向にある。
しかし、上記のゴミの除去方法において、エアーの圧力を高くしていくと、ゴミを含んだエアーを吸引する吸引力も高くする必要があり、そのため吸引口に対向するフィルムが吸引口側に引き寄せられて、吸引口や吸引口取り付け部周辺の部材とフィルム表面が接触し、フィルム表面に傷をつけるという問題が発生した。
このような問題に対して、バックアップロールにサクションロールを用い、フィルムをサクションロール側に吸着させることで、エアーの吸引力を高くしてもフィルムが吸引口側に引き寄せられないようにする方法が提案されている(特許文献2参照。)。
特開平10−309553号公報 特開2008−272647号公報
しかしながら、特許文献2の装置では、フィルム表面の異物は除去できるが、高圧エアーを吹き付けることにより、サクションロールと接触する側のフィルム表面にサクションロール表面の吸引開口部の跡が傷として残るという問題が生じた。特に、液晶表示装置に用いる光学フィルムとしての積層フィルムを製造する場合、塗布面の反対側の面に傷が付くと、光学性能が低下し製品にならないという問題があった。
よって、本発明の目的は、フィルム表面のゴミを十分に除去することができ、且つ、サクションロールと接触する側のフィルム表面に傷が付かないフィルム表面の異物除去装置及びフィルムの製造方法を提供することである。
本発明の課題は、以下の手段により解決することができる。
1.フィルムと所定の抱き角をもって接触し、回転するバックアップロールと、
該バックアップロールと接触する前記フィルムに所定の距離を開けて配置されたクリーニングヘッドを備え、
該クリーニングヘッドが、
前記フィルムの表面に付着するゴミを剥離除去するエアーを噴出するエアー噴出口と、
ゴミを含む前記エアー噴出口からのエアーを吸引するエアー吸引口と、
を有するフィルム表面の異物除去装置において、
前記バックアップロールが、表面に開口した吸引部を有するサクションロールであって、
該サクションロールの前記フィルムと接触する表面の縦弾性率が1.0×10MPa以上1.5×10MPa以下であることを特徴とするフィルム表面の異物除去装置。
2.前記サクションロールの表面の前記吸引部の開口長さが、10μm以上5000μm以下であることを特徴とする前記1に記載のフィルム表面の異物除去装置。
3.前記エアー噴出口から噴出するエアー圧力が500kPa以上1000kPa以下であることを特徴とする前記1又は2に記載のフィルム表面の異物除去装置。
4.前記クリーニングヘッドは、
前記エアー噴出口の長手方向が、前記サクションロールの回転する軸と平行な方向であり、
前記エアー吸引口として、
長手方向が前記エアー噴出口と平行に配置された第1のエアー吸引口と、
前記フィルムの両端部に対向し、長手方向が該フィルムの走行方向と平行に配置された第2のエアー吸引口と、を有することを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載のフィルム表面の異物除去装置。
5.前記サクションロールの表面に接触し、該サクションロールに付着するゴミを除去する粘着ロールを備えたことを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載のフィルム表面の異物除去装置。
6.搬送されるフィルムの表面に高圧エアーを吹き付けることにより、前記フィルムの表面の異物を除去する工程を備えたフィルムの製造方法において、
前記フィルムの表面の異物を除去する工程は、
表面の縦弾性率が1.0×10MPa以上1.5×10MPa以下の回転するサクションロールの表面に所定の抱き角をもって接触する前記フィルムの表面に、
エアー噴出口とエアー吸引口とを有するクリーニングヘッドのエアー噴出口から高圧エアーを前記フィルムの表面に噴出して前記フィルムの表面に付着しているゴミを剥離除去し、前記エアー吸引口に前記フィルムの表面から分離除去されたゴミを含むエアーを吸引することを特徴とするフィルムの製造方法。
本発明によれば、フィルム表面のゴミを除去する異物除去装置において、バックアップロールにサクションロールを用い、該サクションロールのフィルムと接触する表面の縦弾性率を所定の範囲にすることにより、フィルム表面に高圧のエアーを吹き付けても、サクションロールの吸引部の形状痕がフィルムに残らず、且つ、フィルム表面のゴミも十分に除去することができる異物除去装置及びフィルムの製造方法を提供できる。
本発明の異物除去装置10の実施形態を示す概略断面図である。 本実施形態のクリーニングヘッドをバックアップロール側から見た平面図である。 本実施形態のサクションロールの斜視図である。 本実施形態に用いるサクションロールの吸引部の拡大図である。 クリーニングヘッドの別の実施形態を示す平面図である。 サクションロールに粘着ロールと粘着ロールに付着したゴミを除去するブレードを備えた異物除去装置10の断面図である。 フィルム上に塗布膜を形成するための積層フィルム製造装置の模式図である。
本発明を実施形態を用いて以下に説明するが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明のフィルム表面の異物除去装置10の実施形態を示す概略断面図である。異物除去装置10は、バックアップロール1とクリーニングヘッド3を有している。バックアップロール1は、フィルム2と所定の抱き角θをもって接触している。クリーニングヘッド3は、バックアップロール1と抱き角θで接触する部分のフィルム2に対向し、その対向する面の形状は、バックアップロールの形状にほぼ沿った形状でフィルム2の表面から所定の距離dだけ離れた位置に配置されている。クリーニングヘッド3には、フィルム2の表面に付着するゴミを剥離除去するための高圧エアーを噴出するエアー噴出口31と、フィルム2の表面から剥離除去されたゴミを含んだ高圧エアーを吸引するエアー吸引口32とを有している。エアー噴出口31には、図示していないが高圧エアーを発生するポンプがつながっている。また、エアー吸引口32には、図示していないがエアーを吸引する吸引ポンプがつながっている。
図2は、クリーニングヘッド3をバックアップロール1側から見た平面図である。クリーニングヘッド3のエアー吸引口32は、エアー噴出口31を平行で、フィルムの搬送方向aに対して上流側と下流側に1つずつ配置されている。エアー吸引口32の数は、2つである必要はなく、剥離除去されたゴミを含む高圧エアーを効率よく吸引できれば、1つでも2つ以上であっても良い。
図3は、本実施形態のバックアップロール1として用いるサクションロール1の斜視図である。サクションロール1は、その表面に設けられた穴である吸引部11を多数有し、軸端部にはサクションロール1の表面にフィルム2を吸着させるために、サクションロール1の内部を減圧する減圧口12を有している。減圧口12には、図示していないが減圧ポンプがつながっている。
図4は、本実施形態に用いるサクションロール1の吸引部11の拡大図を示している。図4(a)は、吸引部11の平面図、(b)はその断面図、(c)は別の形状を有する吸引部11の平面図を示している。図4(a)における吸引部11は、直径Lの円形の穴であり、穴の空いた円筒状の基材13の表面に縦弾性率調整層14が形成されている。
本発明におけるサクションロール1の表面の縦弾性率は、1.0×10MPa以上1.5×10MPa以下である。基材13の縦弾性率がこの範囲であれば、特に縦弾性率調整層14を形成しなくても良い。
吸引部11の形状は、図4(a)のように円形でもよいが、サクションロール1の内部の減圧により、その表面にフィルム2を吸着できればよいので、図4(c)のように矩形形状であってもよく特に限定するものではない。
次に、図1を用いて本実施形態の異物除去装置10により、フィルム2の表面のゴミを除去する方法について説明する。サクションロール1に所定の抱き角θをもって接触するフィルム2は、一定の張力で矢印a方向に搬送される。フィルム2の搬送と同じ速度でサクションロール1は、図中b方向に回転する。サクションロール2の駆動は、サクションロール1の表面速度とフィルム2の移動速度とが同じであれば、フィルム2とつれ回る従動回転でも良いし、フィルム2を回転駆動させる駆動源を有する駆動ロールであっても良い。
サクションロール1と所定の距離dだけ離れて、抱き角θに対応する位置に配置されたクリーニングヘッド3は、搬送されるフィルム2の表面のゴミを除去するために、エアー噴出口31から高圧のエアーを噴出する。この高圧エアーにより、フィルム2の表面のゴミは剥離除去される。高圧エアーの圧力は、500kPa〜1000kPaが好ましい。高圧エアーの圧力は、高いほどゴミの除去能力が上がり、好ましいが、高すぎると、高圧エアーの圧力により、フィルム2のサクションロール1と接触する面に吸引部11の形状痕がつきやすくなる。よって、上記範囲が好ましい。
剥離除去されたゴミを含むエアーは、エアー噴出口31と平行で、フィルム2の搬送方向上流側及び下流側に配置された2つのエアー吸引口32により吸引される。エアー吸引口32よる吸引力は、エアー噴出口31から噴出されゴミを含んだエアーを吸引し、異物除去装置10外にゴミを含んだエアーを出さないようにするのが好ましい。このようにすることで、フィルム2の表面から除去されたゴミは、異物除去装置10の外に出ることなく除去することができる。
この時、サクションロール1は、その内部が減圧口12につながれた減圧ポンプにより減圧されている。この減圧により、サクションロール1の表面に形成された穴である吸引部11にその表面のフィルム2が吸着される。そのため、従来、エアー吸引口32により吸引されるエアーとともにフィルムがクリーニングヘッド3側に引っ張られて、エアー吸引口32の付近にフィルムが接触して、傷を生じるという問題があったが、サクションロール1によりフィルム2をその表面に吸着させているので、クリーニングヘッド3との接触が起こらずにフィルム2の表面のゴミを十分に除去することができる。
また、サクションロール1の表面の縦弾性率は、1.0×10MPa以上1.5×10MPa以下である。
縦弾性率が、1.5×10MPaを越えるとフィルム2の表面が高圧エアーを吹き付けた時にサクションロール1の吸引部11の穴に押しつけられ、その結果、吸引部11の形状痕がフィルム2の表面に残り、製品として問題となる。特に液晶表示装置などに用いる光学フィルムとしては、吸引部11の形状痕のところで光の屈折が生じて、表示ムラの原因となる。また1.0×10MPa未満の場合にも、フィルム2の表面が吸引部11に食い込み、吸引部11の形状痕が生じることになる。
上記範囲内の縦弾性率を有する材料としては、ゴム、テフロン(登録商標)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリスチレン、ナイロン、マグネシウム、アルミ合金、チタン、強化繊維プラスチック等がある。縦弾性率は、超音波法を用いて測定した。超音波法とは、固体中に伝わる超音波(横波と縦波)の伝わる速度より、縦波音速と横波音速から縦弾性定数とポアソン比、横波音速から横弾性定数を求める。測定装置にはマテック社製MBS8000型音速測定装置を使用し、平行平面をもつ試料(16mmφ×10mm厚さ)を作製し、その一面から超音波パルスを入射し、試料の両端面を多重反射させて超音波エコーを発生させる。これをセンサーで受け、パルスエコー間の時間間隔と試料両面間の距離から超音波の音速、縦波の速度Vと横波の速度Vを求め、下記式から縦弾性率Eを算出する。
Figure 2010179276
また、サクションロール1の表面の吸引部11の開口長さLが、10μm以上5000μm以下であることが好ましい。図4(a)の円形の穴である場合は、開口長さLは直径であり、図4(c)のような矩形の穴である場合は、その対角線の長さとなる。また、穴の形状は、上記の他、多角形であっても良い。多角形の場合は、その対角線の中で最も長い対角線の長さが開口長さLとなる。
吸引部11の開口長さLを上記範囲にすることで、フィルム2を十分にサクションロール1側に吸引できると共に、フィルム2が吸引部11の穴に押圧されて変形することもなく、より形状痕の発生が抑えられて、好ましい。
サクションロール1に用いる基材13としては、エッチング処理などにより穴を形成した金属円筒や、金属ワイヤーを編み込んだメッシュ状の円筒などを用いることができる。
また、基材13の表面に形成する縦弾性率調整層14には、一般的なゴム層を用いることができる。上記材料以外でも、フィルムを吸着して安定して搬送できるものであれば良い。特に、寸法安定性や加工性の面からNiやCr等を用いた円筒にエッチング処理により穴を開けたものが好ましい。
また、本実施形態では、エアー噴出口31の長手方向がサクションロール1の回転軸の方向と平行に配置され、エアー吸引口32は、その長手方向が、エアー噴出口31の長手方向と平行に配置しているが、フィルム2の幅方向両端部に対向する位置で、その長手方向がフィルム2の走行方向と平行に配置されたエアー吸引口も備えるのが好ましい。
図5は、クリーニングヘッド3が、エアー吸引口として、その長手方向がエアー噴出口31の長手方向と平行に配置された第1のエアー吸引口32と、フィルム2の両端部に対向し、その長手方向が該フィルム2の走行方向aと平行に配置された第2のエアー吸引口33とを備えたものをサクションロール1側から見た平面図である。このように第2のエアー吸引口33を設けることにより、クリーニングヘッド3のフィルム2の両端部付近から異物除去装置外へ漏れるエアーを無くすことができる。よって、異物除去装置で除去したゴミを全てエアー吸引口32、33により吸引することができ、再度フィルム2の表面に付着することがない。
サクションロール1の表面や吸引部11の穴内壁などに付着したゴミを除去するために、粘着ロールをサクションロール1の表面に接触させることが好ましい。
図6は、サクションロール1に粘着ロール4と粘着ロール4に付着したゴミを除去するゴミ取りロール41を備えた異物除去装置10の断面図である。このようにサクションロール1に粘着ロール4を接触させることにより、サクションロール1の表面に付着したゴミや吸引部11の穴に付着しているゴミを除去することができ、サクションロール1のフィルム2を吸着させる吸着力の低下を長期にわたって防止することができ、また、フィルム2の表面に再付着するゴミを低減することができる。ゴミ取りロール41は、粘着性のフィルムを巻いたロールで、粘着ロール4の表面のゴミを所定量付着させた後は、表面のフィルムを除去して、新しい粘着面を持つフィルムが露出するようにしている。
以上のように異物除去装置10を用いることにより、走行するフィルム表面に付着するゴミを確実に除去できると共に、フィルムの表面、裏面ともに傷等をつけることがない。
次に、本実施形態の異物除去装置を積層フィルムの製造装置に用いた場合を例として説明する。
図7は、フィルムとして、基材フィルム上に塗布膜を形成しハードコートフィルムを製造するためのフィルムの製造装置の模式図である。
図中、100は積層フィルム製造装置を示す。積層フィルム製造装置100を用いたハードコートフィルムの製造装置は、被塗布物の供給部200と、塗布部300と、乾燥部400と、冷却部500と、活性エネルギー線照射部700と、回収部600とを有している。供給部200は、フィルム201がコア3に巻かれた元巻き4を繰り出す繰り出し装置(不図示)を有している。
供給部200と塗布部300との間には、異物除去装置10が配置されている。
異物除去装置10は、供給部200から連続搬送されるフィルム2の塗布面側の表面に付着しているゴミをクリーニングヘッド3が備えるエアー噴出口からの高圧エアーで剥離除去し、同じくクリーニングヘッド3が備えるエアー吸引口によりゴミを含むエアーを吸引する。除去方法の詳細については先に説明したのでここでは省く。
異物除去装置10により塗布面のゴミが除去されたフィルム2は、塗布部でハードコート層が塗布される。
塗布部300は、フィルム2を保持するバックアップロール301と、バックアップ用ロール301で保持された連続搬送されてくるフィルム2に塗布液を塗布する塗布ヘッド302と、塗布時に塗布ヘッド302からの塗布液とフィルム2との間に形成されるビード(塗布液の溜まり)を安定化するために塗布ヘッド302の上流側に設けられた減圧室303とを有する。
塗布ヘッド302から吐出する塗布液は、活性エネルギー線硬化型樹脂と溶媒を含み、その流量は、不図示のポンプにより調整可能となっている。塗布ヘッド302から吐出する塗布液の流量は、予め調整した塗布ヘッド302の条件で連続塗布したときに、安定して所定の膜厚の塗布層を形成できる量に決めている。
また、減圧室303は減圧度を調整することが可能となっている。減圧室303は減圧ブロワ(不図示)に接続されており内部が減圧状態になる。減圧室303は空気漏れがない状態になっており、かつ、バックアップロールとの間隙も狭く調整され、安定した塗布液のビードを形成するようにしている。
乾燥部400は、塗布部300で被塗布物201の上に塗布された湿潤塗布膜を乾燥する。
冷却部500は、乾燥部400で乾燥された塗布膜を有するフィルム201の温度を冷却し、適切な温度に調整する。
フィルム2上に一定の膜厚に塗布された塗布膜は、乾燥部400を経て、残留溶媒の含有量が所定量になるように調整される。
このように調整した後に塗布膜に活性エネルギー線照射部700で活性エネルギー線を照射し、塗布膜を硬化する。
回収部600は、塗布膜が形成された被塗布物2を巻き取る。
上記のようにして、塗布工程の前の基材となるフィルム表面に付着するゴミがほとんどない状態で、塗布膜としてハードコート層を形成した、ハードコートフィルムを製造することができ、また、製造したフィルムには、塗布時にゴミが起因となるハジキ故障や、裏面の形状痕のない、品質の高いフィルムを製造することができる。
以下、本発明を実施例にて具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜10、比較例1、2)
実施例1〜10と比較例1、2のフィルムを以下のように作製した。
《基材となるフィルムの作製》
(ドープ組成物)
セルローストリアセテート(アセチル置換度2.88) 100質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 5質量部
チヌビン109(チバ・ジャパン(株)製) 1質量部
チヌビン171(チバ・ジャパン(株)製) 1質量部
酸化珪素微粒子(アエロジル200V) 0.1質量部
メチレンクロライド 430質量部
メタノール 90質量部
上記組成物を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温し撹伴しながら完全に溶解した。
次に、このドープ組成物を濾過、冷却して33℃に保ちステンレスバンド上に均一に流延し、剥離が可能になるまで溶媒を蒸発させたところで、ステンレスバンド上から剥離後、テンターによって幅把持しながら乾燥させ、幅手方向で1.1倍となるように延伸し、更に多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、コアに巻き、膜厚40μm、幅1.5m、長さ2000mのフィルムロールを得た。
得られたフィルムロールを図7のフィルム製造装置に取り付けた。
《異物除去装置の条件》
異物除去装置として、図1の異物除去装置10を用いた。
サクションロール1には、SUS製の厚さ10mm、直径150mmの円筒(基材13)を用い、表1に示す縦弾性率の異なるものを作製した。この表で表面材質がCFRP1、CFRP2、ウレタン1、ウレタン2とあるのは、SUSの基材にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)及びウレタンを縦弾性率調整層14として形成したもので、それぞれ表1に示す縦弾性率になるように、ウレタンは材質を、CFRPは炭素繊維と樹脂の比率を調整した。縦弾性率調整層14の厚さは、5mmとした。また、サクションロール1の表面に形成した吸引部11の形状は、円形とした。表1に直径を示す。
また、フィルムの抱き角θは、30°とした。クリーニングヘッドとの離間距離d、エアー噴出口におけるエアー圧力、エアー吸引口における吸引圧力を表1に示す値とした。
フィルムの搬送速度は、15m/分として、塗布前のフィルム表面のゴミの除去を行った。
《ハードコート層の塗布》
異物除去装置10で表面のゴミを除去したフィルムの表面にハードコート層を塗布した。
ハードコート層としては、
(クリアハードコート層(CHC層)塗布組成物)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20質量部
イルガキュア184(チバ・ジャパン(株)製) 2質量部
イソプロピルアルコール 50質量部
酢酸エチル 50質量部
メチルエチルケトン 50質量部
上記作製したフィルムの表面に、上記クリアハードコート層塗布組成物(粘度5.9mPa・s)を押し出しコートし(コータの種類:ダイ、減圧度:−1000Pa、塗布液吐出量:21g/m、塗布速度:50m/min)、次いで乾燥工程で熱風温度及び風量を調整し乾燥した。乾燥工程で乾燥した後、冷却装置で冷却し、その後、紫外線照射設備を使用して紫外線を照射して、ハードコートフィルムを作製した。
《評価》
作製した実施例1〜10と比較例1、2のフィルム(ハードコートフィルム)の全長に渡り、サクションロール1と接触する面の吸引部11の形状痕を目視により観察した。100m当たりの個数を算出して次のように判定した。4個/100m以上では、製品として問題がある。
ランク1:0個/100m
ランク2:1〜3個/100m
ランク3:4〜10個/100m
ランク4:10個以上/100m
また、作製したハードコートフィルムのハードコート層側の塗膜を観察し、100μm以上のハジキ故障を数え、100m当たりの個数を算出し、次のように判定した。4個/100m以上では、製品として問題がある。
◎:0個/100m
○:1〜3個/100m
△:4〜10個/100m
×:10個以上/100m
結果を表1に記載した。
Figure 2010179276
表1の結果から、サクションロールの表面の縦弾性率が、1.0×10MPa以上1.5×10MPa以下であると、フィルムに形状痕が抑制され、好ましいことがわかる。また、実施例7〜10を比較すると、サクションロールの表面の吸引部の開口長さが、10μm以上5000μm以下であることが、フィルム表面の形状痕抑制の面から好ましいことがわかる。また、実施例1〜4を比較すると、エアー噴出口の圧力は、500kPa〜1000kPaが、ハジキ故障の個数からゴミの除去効果が高く、且つ、フィルムへの形状痕も抑制されて、好ましいことがわかる。
(実施例11)
実施例11としては、実施例1の条件のうち、クリーニングヘッドを図5のものに変更した他は、実施例1と同様にフィルムを作製し、評価した。その結果、ハジキ故障が、◎評価になり、塗布前のフィルムに付着するゴミが更に少なくなっていることがわかった。このことから、クリーニングヘッドのエアー吸引口として、エアー噴出口と平行に配置された第1のエアー吸引口と、フィルムの両端部に対向し、該フィルムの走行方向と平行に配置された第2のエアー吸引口とを有することが、ゴミ除去効果の面から好ましいといえる。
(実施例12)
実施例12としては、実施例1の条件のうち、サクションロールの表面をクリーニングするための粘着ロールを配置した他は、実施例1と同様にフィルムを作製し、評価した。その結果、ハジキ故障が、◎評価になり、塗布前のフィルムに付着するゴミが更に少なくなっていることがわかった。このことから、サクションロールの表面のゴミを除去する粘着ロールを配置することが好ましいといえる。
10 異物除去装置
1 バックアップロール、サクションロール
2 フィルム
3 クリーニングヘッド
31 エアー噴出口
32、33 エアー吸引口
11 吸引部
12 減圧口
13 基材
14 縦弾性率調整層
4 粘着ロール
41 ゴミ取りロール
100 積層フィルム製造装置
200 供給部
300 塗布部
301 バックアップ用ロール
302 塗布ヘッド
303 減圧室
304 塗布装置
400 乾燥部
500 冷却部
600 回収部
700 活性エネルギー線照射部

Claims (6)

  1. フィルムと所定の抱き角をもって接触し、回転するバックアップロールと、
    該バックアップロールと接触する前記フィルムに所定の距離を開けて配置されたクリーニングヘッドを備え、
    該クリーニングヘッドが、
    前記フィルムの表面に付着するゴミを剥離除去するエアーを噴出するエアー噴出口と、
    ゴミを含む前記エアー噴出口からのエアーを吸引するエアー吸引口と、
    を有するフィルム表面の異物除去装置において、
    前記バックアップロールが、表面に開口した吸引部を有するサクションロールであって、
    該サクションロールの前記フィルムと接触する表面の縦弾性率が1.0×10MPa以上1.5×10MPa以下であることを特徴とするフィルム表面の異物除去装置。
  2. 前記サクションロールの表面の前記吸引部の開口長さが、10μm以上5000μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム表面の異物除去装置。
  3. 前記エアー噴出口から噴出するエアー圧力が500kPa以上1000kPa以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム表面の異物除去装置。
  4. 前記クリーニングヘッドは、
    前記エアー噴出口の長手方向が、前記サクションロールの回転する軸と平行な方向であり、
    前記エアー吸引口として、
    長手方向が前記エアー噴出口と平行に配置された第1のエアー吸引口と、
    前記フィルムの両端部に対向し、長手方向が該フィルムの走行方向と平行に配置された第2のエアー吸引口と、を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のフィルム表面の異物除去装置。
  5. 前記サクションロールの表面に接触し、該サクションロールに付着するゴミを除去する粘着ロールを備えたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のフィルム表面の異物除去装置。
  6. 搬送されるフィルムの表面に高圧エアーを吹き付けることにより、前記フィルムの表面の異物を除去する工程を備えたフィルムの製造方法において、
    前記フィルムの表面の異物を除去する工程は、
    表面の縦弾性率が1.0×10MPa以上1.5×10MPa以下の回転するサクションロールの表面に所定の抱き角をもって接触する前記フィルムの表面に、
    エアー噴出口とエアー吸引口とを有するクリーニングヘッドのエアー噴出口から高圧エアーを前記フィルムの表面に噴出して前記フィルムの表面に付着しているゴミを剥離除去し、前記エアー吸引口に前記フィルムの表面から分離除去されたゴミを含むエアーを吸引することを特徴とするフィルムの製造方法。
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