JP2010178730A - 無煙喫煙治具 - Google Patents

Abstract

【課題】市販の紙巻き煙草や葉巻をそのまま使用し、該商品に火をつけることなく、該煙草の葉からニコチンを蒸発させ、蒸発したニコチンを吸引可能にする。
【解決手段】先端を尖らせた細いヒーター１を直接市販の紙巻き煙草や葉巻１００に挿入し、該紙巻き煙草や葉巻の葉を直接該ヒーターで加熱することにより、煙草の葉の中に含まれるニコチンを蒸発させ、蒸発したニコチンを吸引することができる無煙喫煙治具。
【選択図】図２

Description

本発明は、煙草の葉を燃焼させずに、煙草の葉を直接加熱することにより該煙草の葉より蒸発するニコチンを吸引する治具に関するものである。

煙草には、噛み煙草、嗅ぎ煙草、紙巻き煙草、葉巻等があるが、紙巻き煙草や、葉巻は、煙草の葉に火を点け、該煙草の葉を燃焼させることにより煙草の葉に含まれるニコチンやタールやその他の成分を蒸発させ、それらを吸引できるようにしたものである。その着火部分の温度は、６００〜９００℃にも達しており、寝ながらの喫煙や、火のついた煙草のポイ捨て等による火災の発生が、多く報告されている。

近年では、その取り扱いの容易さから紙巻き煙草が、多く喫煙されている。

しかしながら、紙巻き煙草に火をつけて喫煙する場合、煙草の葉の燃焼と共に、化学物質を多く含んだ巻紙も燃焼させるために、煙草の煙の中には、ニコチン以外の、タール、一酸化炭素、アセトアルデヒド、アクロレイン、ベンゾビレン等に代表される人体に有害な物質が多く含まれていることが知られている。

近年では、喫煙による人体への悪影響を低減するために、フィルター付き紙巻き煙草が、多く喫煙されている。このフィルターには、ニコチンや、タールや、一酸化炭素、アセトアルデヒド、アクロレイン、ベンゾビレン等に代表される人体に有害な物質を吸収し、フィルター付き紙巻き煙草を喫煙する人の体内にこれらの有害な物資が、多く入らないように色々な工夫がなされている。

しかしながら、フィルター付き紙巻き煙草を吸う人は、このフィルターによって、これらの有害な物質が少なくなった煙を吸引するので、煙草の害が少なくなってきているが、喫煙する人の周りに居る人たちは、火のついた部分から立ち上る煙（副流煙）を直接吸引させられるために、これらの有害な物質を含んだ煙を直接吸わされることになり、受動喫煙なる弊害が指摘されている。

その結果、近年では、会社の中、喫茶店・飲食店の中、飛行機・列車・バス・タクシー等の交通機関の中、道路、空港、駅等の公共の場所等では、喫煙は禁止され、喫煙者にとっては喫煙できる場所がますます狭くなってきている。

さらに、喫煙をすると煙草喫煙の特有の臭いが喫煙した部屋や車の中に充満し、非喫煙者にとっては非常に不愉快な臭いが、部屋や車の中に残る。

さらに、勤務中に喫煙をしたくなった場合、特定の喫煙場所まで出かけて行って喫煙する必要があるために、その時間は業務が停止することになり、実質的に勤務時間の減少になっており、仕事の効率が低下するといわれている。

このように弊害があるにもかかわらず、喫煙者はなかなか喫煙をやめることができないのは、喫煙者は既に体がニコチン中毒になっており、ある期間煙草を吸わないと、体内のニコチン量が減少し、ニコチンの禁断症状になり、この禁断症状を緩和したいと体が要求することが禁煙を難しいものにしていると言われている。

そこで、煙草の葉のみを加熱して、煙草の葉に含まれるニコチン等を吸引する無煙喫煙装置が、かなり昔から、考案されている。

特許文献１では、以下に示すような無煙装置が開示されている。この発明品はマウスピース部分に小さな容器が作られており、この容器の中に煙草の葉を充填して、必要な成分を蒸発させる温度に、この容器を電気的に加熱できるようになっている。この容器の中に詰められた煙草の葉の中を、加熱された熱い空気が、通過するときに、煙草の葉からニコチン等の蒸発がおこるようにしたものである。煙草の葉からの蒸発成分と、「熱い空気」が、マウスピースを経由して、この装置を使う人の呼吸器に導かれる。

また、特許文献２では、煙草の葉を、容器の中に詰めて、電気で「熱い空気」を作り、喫煙者が吸引することにより、この「熱い空気」を容器の中に導き、容器の中に詰められた煙草の葉の中を通過させることにより、「熱い空気」が煙草の葉を加熱することにより、煙草の葉からニコチン等を蒸発させ、「熱い空気」と共に、ニコチンが吸引できる無煙喫煙治具が開示されている。

しかしながら、これらの無煙喫煙治具は、「熱い空気」と共に、ニコチン等を吸引するために、吸引者は、口の中が熱くなる。この不具合を改善するために、これらの治具は、外部の空気を取込む工夫がなされており、「外部の冷たい空気」と「熱いニコチン等を含んだ空気」を同時に吸引することにより、喫煙者の口の中が熱く感じないように工夫されている。

さらに、特許文献３や、特許文献４では、本物の煙草の葉の代わりに、ニコチンや香料を含浸させた棒状のケースを準備し、このケースを加熱することにより、ケースに充填されたニコチンや香料を蒸発させ、これらの蒸気を摂取することができる治具が考案されている。しかしながら、これらの蒸気は本物の煙草の葉から出てきたニコチン等ではないために、本物の煙草の葉の風味からは遠く離れたものである。

さらに、特許文献５には、棒状のチャンバーを準備し、この棒状のチャンバーの中に２種類の金属を入れ、この棒状のチャンバーの周りに煙草の葉を巻いて使用する喫煙治具が考案されている。この治具は、この２つの金属に電流を流すことにより発熱し、棒状のチャンバーを加熱させることにより、チャンバーの周りに巻かれた煙草の葉を加熱し、煙草の葉から蒸発するニコチン等を吸引するものである。しかしながら、この治具では、一般的に市販されている紙巻き煙草や葉巻をそのままでは吸引することはできない。

ＵＳ２，１０４，２６６号公報 ＵＳ４，１４１，３６９号公報 特表２００６−５２５７９８号公報 特許３０１２２２５３号公報 ＵＳ５，２８５，７９８号公報

本発明はこのような従来の実情に鑑みて提案するものであり、一般的に市販されている紙巻き煙草や葉巻を、そのままの形で使用しながら、煙草の葉を燃焼させること無しに、吸引可能な適温で、煙草の葉からニコチンを蒸発させ、それを吸引することができる治具を考案することを目的とする。

前述の課題を解決するために、市販されている紙巻き煙草や葉巻に先端を尖がらせた細いヒーターを挿入し、煙草の葉のみを直接加熱することにより、比較的低温で、煙草の葉からニコチンを蒸発させ、それを吸引することができるようにしたものである。

従来の発明品は、煙草の葉を、容器に詰めたり、煙草の葉をシート状にしないと使えないが、本発明によれば、市販されている紙巻き煙草や葉巻をそのままの形で使用することが可能であり、実用上非常に便利であるという特徴を有している。

さらに、従来の発明によれば、煙草の葉を詰めた容器の中を、「熱い空気」を通過させて、煙草の葉を加熱するものであるが、本発明によれば、市販されている紙巻き煙草や葉巻にヒーターを挿入し、ヒーターからの熱を、直接に、煙草の葉に供給することにより、比較的低温（７０℃から２３０℃）で、煙草に火を点けて喫煙する時に発生し、体内に吸引される有害なタール、一酸化炭素、ベンゾビレン、等を発生させることなく、煙草の葉からニコチンを蒸発させ、喫煙者に、本物の煙草の葉から出てくるニコチンを供給することができるという特徴を有している。

さらに、本願発明によれば、本物の紙巻き煙草や葉巻の中に挿入されたヒーターが直接煙草の葉を加熱するために、熱の利用効率が向上し、比較的小さなヒーターを使用することが可能になり、かつ、使用電力も少なく済むために、電源として電池を使用する場合、小さな電池で良いことになり、結果として、治具の形状を小さくすることができ、治具のポータブル性が向上するという特徴をも有している。

さらに、本願発明によれば、加熱部分が、紙巻き煙草の中心近くにあるために、化学物質を多く含んだ巻紙を加熱する温度も低くなり、巻紙からの有害な化学物質の蒸発も抑えられるという特徴をも有している。

さらに、本願発明によれば、加熱部分が、紙巻き煙草や葉巻の中心近くにあるために、外側ケースへの熱の伝導は少なく、その結果、治具の外側の温度は、低く、喫煙者が本願発明治具を手で持っていても、熱いと感じないという特徴をも有している。

さらに、本願発明によれば、市販の紙巻き煙草や葉巻を、本願発明治具に挿入しても、紙巻き煙草や葉巻の形状が変わらないために、この治具で喫煙していた紙巻き煙草や葉巻を途中で治具より取り出して、喫煙可能な場所に行って、取り出した紙巻き煙草や葉巻に火をつけて、通常の火をつけての喫煙が可能になるという特徴をも有している。

さらに、本願発明によれば、市販の紙巻き煙草や葉巻をそのままの姿で使用するので、喫煙者は喫煙するたびに、紙巻き煙草や葉巻を廃棄できる。そのために、他人が使った喫煙治具でも、喫煙者の口に触れるのは喫煙者が所有している紙巻煙草や葉巻のみであるので、もしこの治具を先に使った人が病原菌を持っていても、経口感染の心配がないという特徴をも有している。

さらに、本願発明によれば、ニコチン吸引後、廃棄するものは、市販の紙巻き煙草や葉巻のニコチンが無くなったもの以外に、廃棄するものがないため、これらの物質は簡単に焼却することができ、環境にも優しいという特徴をも有している。

さらに、本願発明によれば、火を使わないために、喫煙による火災の発生の危険性はなく、ガソリン等を取り扱う火気厳禁の場所においても、煙草の葉からのニコチンを摂取することが可能になるという特徴をも有している。

さらに、本願発明品を、ポータブルゲーム機と組み合わせれば、禁煙を要求されている航空機、列車、バス、タクシー等の公共輸送機関の中でも、煙草の葉のニコチンの摂取が可能になり、ヘビースモーカーでも、長時間の旅が苦痛にならないで、快適な旅行が楽しめる。

さらに、一般の会社での業務に於いて、本願発明品を、工作機械等や半田コテや電話機等の事務機器と組合せたり、事務室・会議室等の卓上に設置すれば、作業中・仕事中・会議中でも煙草の葉からのニコチンを摂取することが可能になり、仕事中・仕事中・会議中に「喫煙」のために持ち場を離れなくてもよいので、業務効率が格段に向上する。

さらに、一般家庭においても、室内で喫煙をすることができなくて、喫煙者は寒いベランダで喫煙をしている（「ホタル族」と呼ばれている）が、本願発明品を使用すれば、部屋に臭いが付かないので室内で喫煙することが可能となる。

本実施形態の無煙喫煙治具の外形図である。 本実施形態の無煙喫煙治具のＡ−Ａ’断面図である。 本実施形態の無煙喫煙治具のＢ−Ｂ’断面図である。 本実施形態のフィルター付き煙草を挿入した時の断面図である。 本願治具に使用されているヒーターの断面図である。 本願治具に使用されているヒーターの先端拡大図である。 （１）（２）本願治具に使用されているストッパーの断面図である。 ［図８−１］本願治具の別の実施形態の外形図である。［図８−２］図８−１のＤ−Ｄ’断面図である。［図８−３］図８−１のＥ−Ｅ’断面図である。 本願治具の別の実施形態の外形図である。

以下、本願発明に係る市販の紙巻き煙草や葉巻として、フィルター付き紙巻き煙草を例に挙げ、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。

本願発明による治具は、図１に１つの実施例の外観を示す。治具１００は、フィルター付き紙巻き煙草９０を挿入する煙草挿入口９と、突起部１０と、動作状態を示す表示器５と、外部からの電力を受取るコネクター６（図２に図示）と、外部空気取り入れ口８と図２中に示す内部構成品からなる。

図２は、図１のＡ−Ａ’切断線による内部構造説明図である。ヒータースリーブ７を持った細いヒーター１と、ヒーター１の熱が外部ケース３に伝導することを防ぐ熱的絶縁管２と、外部空気取り入れ口８を持った外側ケース３と、フィルター付き紙巻き煙草の挿入停止位置を決めるストッパー４と、この治具の動作状態を表示する表示器５と、外部からの電力を受取るコネクター６と、により本願発明治具は、基本的に構成される。ヒータースリーブ７は、ヒーター１の長期信頼性を確保するための封止部２８を含んでいる。プリント基板１３には、少なくとも、コネクター６と、表示器５と、ヒーター１と、表示器５のコントロール回路Ａ１１と、ヒーター１のコントロール回路Ｂ１２が、実装されている。ここで、ヒーター１の先端は、煙草挿入口９より、少し内部にしてあるのは、本願治具を使用する喫煙者が火傷しないための配慮である。

図３は、図１のＢ−Ｂ’切断線による内部構造説明図である。外側ケース３は、内部にある熱的絶縁管２、ヒータースリーブ７、プリント基板１３を保持するような形状に造られている。

本願発明による治具１００の使い方は、以下に示すような手順で使用される。
１． 喫煙者は、自分の好みのフィルター付き紙巻き煙草９０を、治具１００の煙草挿入口９に、ストッパー４で止まる所まで挿入する。これにより、細いヒーター１が、フィルター付き紙巻き煙草９０の煙草部９２中に挿入される。この挿入された状態の本願治具と挿入されたフィルター付き紙巻き煙草９０との位置関係を、図４に示す。
２． 喫煙者は、本願治具のコネクター６より電力を供給し、ヒーター１の温度上昇により煙草部９２の葉が、直接加熱され、ニコチンが蒸発するまで待つ。ここで、表示器５は、吸引可能になったことを知らせる時もあるが、単に加熱状態のみを表示する時もある。
３． 喫煙者は、煙草の葉が加熱され、煙草の葉からニコチンが蒸発し始めると、本願治具に、フィルター付き煙草９０を挿入したまま、あるいは、本願治具から、フィルター付き煙草９０を抜き出して、フィルター９１から、煙草の葉から蒸発しているニコチンを吸引する。
４． 以後、該フィルター付き煙草９０の煙草の葉からのニコチンの蒸発が無くなるまで２，３を繰り返す。

本願発明による治具１００の別の使い方の手順を、以下に示す。
１． 喫煙者は、あらかじめ、ストッパー４を、手前の位置に固定する。たとえば、煙草部９２の１／３位が挿入される位置に、止める。喫煙者は、本願治具にコネクター６より電力を供給し、ヒーターを加熱する。
２． 喫煙者は、自分の好みのフィルター付き紙巻き煙草９０を、治具１００の煙草挿入口９に、ストッパー４で止まる位置まで挿入する。これにより、細いヒーター１が、煙草部９２の１／３位の所まで挿入される。
３． 喫煙者は、煙草の葉が加熱され、該煙草の葉からニコチンが蒸発し始めると、フィルター９１から、煙草の葉から蒸発しているニコチンを吸引する。
４． 喫煙者が、吸引して煙草の葉からのニコチンが蒸発しなくなったと感じたときに、フィルター付き煙草を使用するか、ストッパー位置変更ボタン４４を使用して、ストッパーをさらに奥に１／３位の位置に動かして、その位置に設定する。これにより、挿入されたフィルター付き煙草９０の新たな部分の煙草の葉が加熱され、その部分の煙草の葉からニコチンが新たに蒸発するようになる。
５． さらに、喫煙者が、吸引して煙草の葉からニコチンが蒸発しなくなったと感じた時は、さらに１／３位奥にストッパー４を設定すれば、新たな部分の煙草の葉が加熱され、その部分の煙草の葉からニコチンが蒸発するようになる。
６． このような吸引の仕方をすれば、１本のフィルター付き煙草９０でも、喫煙者は長い時間にわたって、ニコチンを吸引できることが可能になる。

本願発明に使用される先端が尖った細いヒーター１について、以後詳細に説明する。

一般的なフィルター付き紙巻き煙草９０の大きさは、ほぼ、煙草部Ｌ２＝５８ｍｍ、フィルター部Ｌ１＝２６ｍｍで、直径は８ｍｍΦである。

フィルター付き紙巻き煙草９０に、細いヒーターを挿入するといっても、簡単ではない。まずは、先端が尖っていることが、必須条件である。

図５に一般的な細いヒーター１の内部構造断面図を示す。金属チューブ２２は内部に湿気が入らないように先端封止部２１で、封止されている。この金属チューブ２２の中に、抵抗発熱線２４（この部分が、ヒーターとして発熱する）と、抵抗発熱線２４と熔接で接続された内部リード線２５を有し、酸化マグネシュームの粉末２３で内部を充填したものである。ヒータースリーブ７から引き出された内部リード線２５は、外部で、半田付可能な線材のリード線８に繋ぎ変えられる。先端封止部２１は、金属で金属チューブ２２に熔接で附けられているが、封止部２８は、ガラス封止してあるために、ヒーター１を使用する場合、封止部２８の温度は、１５０℃以下で使用する必要がある。もし、１５０℃以上で使用すると、ガラス封止部２８にクラックが入り、内部に湿気が侵入し、ＭｇＯと反応して、ＭｇＯの絶縁性を低下させる。

構造上ヒーター１の封止部２１は、ほぼ平坦であり、このままでは、容易にフィルター付き紙巻き煙草９０の中に、挿入することはできない。そこで、本願発明者は、図６に示すように金属でできた先端３０を、先端封止部２１に熔接して、ヒーター１の先端をとがらせた。これにより、ヒーター１は、容易にフィルター付き紙巻き煙草９０に挿入することができるが、それでも、ヒーター１の径が大きくなると、挿入できないという問題が残った。

そこで、本願発明者は、紙巻き煙草９０に、容易に挿入できるヒーター径を求める実験を行った。

実験結果は、表１に示すような結果となった。

以上の実験結果より、喫煙者が、フィルター付き紙巻き煙草９０を、本願治具にスムーズに挿入できるのは、ヒーター１の径は、φ＝２．３ｍｍ以下にすることが、必要であることがわかった。

次に、実際のフィルター付き紙巻き煙草の葉を採集して、煙草の葉のみをパレットにいれ、パレットを加熱して、煙草の葉から蒸発する成分を、ガスクロマトグラフ質量分析装置を使用して分析した。ここでは、煙草の葉から蒸発してくる成分の内、ニコチンの発生量について着目し、そのデーターを取った。その結果を表２に示す。加熱時間＝５分間

ニコチンは、科学事典によると、無色無臭の油状液体で、沸点（分解）は、２４７℃である。加熱温度が２５０℃になると分析データー量が減少しているのは、煙草の葉から加熱により蒸発して出てきたニコチンの分解が始まっているからと推定される。

さらに、煙草の葉の外観観測より、２３０℃以下の温度にする必要があることがわかった。

一方、本願治具は、喫煙者が手に持って使われることもあるために、ヒーター１の熱が外側ケース３に伝わり、外側ケース３が熱くならない工夫が必要である。

さらに、外観ケース３をコンパクトに仕上げるためには、ヒーター１を図５に示すようにＵ字状に曲げて使用することになるがこのような構造にした場合、ヒーター１と、ヒータースリーブ７が近づき、ヒーター１の熱によりスリーブ７の中にある封止部２８の温度が上昇して、ヒーター１の長期信頼性が確保できなくなるという問題が新たに発生する。

本願発明者は、この問題点を解決するために、ヒーター１に、熱的絶縁管２（一例として、ガラス管、セラミック管）を配置した。この熱的絶縁管２を、使うことにより、以下に示す利点を確保することが可能になった。
・ヒーター１の熱が外側ケース３に伝わりにくくなり喫煙者は本願治具を手に持って吸引することができる。
・ヒーター１の熱が封止部２８に伝わりにくくなりヒーターの信頼性が確保できる。
・フィルター付き煙草９０を本願治具に挿入する場合、この熱的絶縁管２が挿入時のガイドの役目をする。
・さらに、フィルター付き煙草９０を本願治具に挿入した場合、ヒーター１が、挿入された煙草の葉を外側に押し出し、フィルター付き煙草９０の外形を太くして、本願治具から抜けにくくする。

これらの利点を実現するためには、実験の結果、熱的絶縁管２の内径は、フィルター付き煙草９０の外形＋０．０１から＋２．０ｍｍが最適であることがわかった。

次に、本願治具に使用されるストッパー４について説明する。図７に、ストッパー４の実施例の一例を示す。ストッパー４は、円盤状でバネ性を有する外側爪４１と、バネ性を有する内側爪４２を持っており、それぞれ熱的絶縁管２と、ヒーター１とバネにより摩擦力を生じ、任意の所で固定される。本願治具の場合、煙草挿入口９より、その固定位置を細い棒等を挿入して所定の位置にストッパー４を止めることができる。

図８に、他の実施例によるストッパー４の構造を示す。本実施例のストッパーを使用するために、治具１００の外側ケース３の側面に、溝４５を設け、熱的絶縁管２との間に空間を設ける。この空間に、図８−２、図８−３に示すストッパー４３を挿入するものである。ストッパーの位置決めは、ストッパー位置決めツマミ４４により行うことは説明を要しない。

次に、本願治具を使用して、実際に、フィルター無しの紙巻き煙草や葉巻を使用して、ニコチンの吸引を行った。本願治具を使用する喫煙者が、火傷しないように、ヒーター１の先端３０は、煙草挿入口９より、外に出ていないために、フィルター無しの紙巻き煙草や葉巻で、本願治具を使用する場合、全ての煙草の葉を加熱できないという問題がある。すなわち、煙草挿入口９から外側の煙草の葉は、加熱できないために、フィルター無し煙草や葉巻を本願治具で使用する場合、約半分位の煙草の葉を加熱することができないという問題が有る。

そこで、本願発明者は、本願治具に取り付けられるマウスピース１１０を考案した。本マウスピース１１０は、通常の喫煙用パイプのマウスピース部と同じような形状をしているが、その先端部８０の内部は、本願治具１００の突起部１０と勘合するような構造になっている。この構造は、今までに発明された勘合方法のいかなる構造のものでもよい。このような、マウスピース１１０を、本願治具につけることにより、フィルター無し煙草や葉巻は、その全長を、本願治具の中に挿入することが可能になり、全部の煙草の葉を加熱することが可能になった。また、マウスピース１１０の内部に、フィルターを入れることにより、煙草の葉から蒸発してくるニコチン量の摂取率を変えられることは、フィルターの役目からして自明のことである。

本願実施例では、ヒーター１を加熱する電力は、外部からコネクター６を通して供給する事例を記載したが、使い捨て電池を電力として使えば、本願治具の中に内蔵できることは明らかである。また、再充電可能な電池を内蔵し、このコネクター６を利用して再充電を行うことも可能である。

また、本願発明の治具はいままで説明してきた構成に限らず、ヒーター１を途中で曲げることなくストレート形状で使用しても、治具１００の形状が、細長くなるだけであり、本願の発明の中に含まれることは明らかである。

また、本願発明の治具は、今まで説明してきた構造に限らず、市販の紙巻き煙草や葉巻に直接細いヒーター１を差し込める色々な構造品が考案可能である。

１ ヒーター
２ 熱的絶縁管
３ 外側ケース
４ ストッパー
５ 表示器
６ コネクター
７ ヒータースリーブ部
８ 外部空気取り入れ口
９ 煙草挿入口
１０ 突起部
１１ コントロール回路部Ａ
１２ コントロール回路部Ｂ
１３ プリント基板
２１ 先端封止部
２２ 金属スリーブ
２３ 酸化マグネシューム
２４ 抵抗発熱線
２５ 内部リード線
２６ スリーブケース
２８ 封止部
２９ 歪曲部
３０ 先端部
４１ 外部ツメ
４２ 内側ツメ
４３ Ｕ字ストッパー
４４ ストッパー位置決めツマミ
４５ 溝
８０ マウスピース先端部
９０ フィルター付き煙草
１００ 本願治具の一例
１０１ 本願治具の別の一例
１１０ マウスピース

Claims (3)

1. 紙巻き煙草や葉巻の内部に１本あるいは複数本の細いヒーターを挿入し、煙草の葉を該ヒーターで、直接加熱することにより、煙草の葉に含まれるニコチンを蒸発させ、ニコチンを吸引する事を可能とした無煙喫煙治具。
2. 前記ヒーターの先端は、尖った形状で、その径は、２．３ｍｍ以下であることを特徴とする請求項１記載の無煙喫煙治具。
3. 前記ヒーター表面温度は、２３０℃以下にコントロールされたことを特徴とする請求項１記載の無煙喫煙治具。

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