JP2010174851A - 圧縮機用シャフト・ロータ組立体、ベーンロータリコンプレッサおよび圧縮機用シャフト・ロータ組立体の製造方法 - Google Patents
圧縮機用シャフト・ロータ組立体、ベーンロータリコンプレッサおよび圧縮機用シャフト・ロータ組立体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】圧縮機等に使用されるシャフトとロータとの組立体において、ロータを薄くしても、冷媒を圧縮するときにシャフトからロータへ回転トルクを伝達することができると共に、シャフトを保持してロータを機械加工するときに、ロータがシャフトから抜け出てしまうおそれを回避する
【解決手段】ロータ29に設けられている貫通孔63に、焼き嵌めによって、シャフト31を挿入してあると共に、シャフト31の軸C1方向におけるロータ29のシャフト31に対する動きを、塑性流動結合を用いて、止めている。
【選択図】図3
【解決手段】ロータ29に設けられている貫通孔63に、焼き嵌めによって、シャフト31を挿入してあると共に、シャフト31の軸C1方向におけるロータ29のシャフト31に対する動きを、塑性流動結合を用いて、止めている。
【選択図】図3
Description
本発明は、圧縮機用シャフト・ロータ組立体、ベーンロータリコンプレッサおよび圧縮機用シャフト・ロータ組立体の製造方法に係り、たとえば、焼き嵌めと塑性流動結合とを用いてシャフトとロータとを一体的に結合してあるものに関する。
従来、ベーンロータリコンプレッサにおいて、図7で示すように、ロータ201とシャフト203とを、トルクを伝達するためのスプラインもしくはロレット目等のセレーション205と、ロータ201がシャフト203から軸C1の方向に抜けてしまうことを防止するためのメタルフロー(塑性流動結合)207とを用いて締結している構成のものが知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、ベーンロータリコンプレッサにおいて、図8で示すように、ロータ211とシャフト213とを、焼き嵌めを用いて締結している構成のものが知られている。そして、焼き嵌めによって、トルクの伝達とロータ211のシャフト213からの抜けを防止している。
ロータ(シャフト)の回転数を変えて冷媒の吐出量を容易に変更することができるという利便性に鑑み、たとえば特開2008−38832号公報に示すような電動コンプレッサ(電動モータのシャフトとベーンロータリコンプレッサのシャフトとが一体に形成されているコンプレッサ)が採用されることがある。
上記電動コンプレッサでは、吐出容量(ロータ1回転あたりの冷媒の吐出量)が小さくても、ロータの回転数を上げることで吐出量を容易に多くすることができるので、Vベルト等を介してエンジンにより駆動されるベーンロータリコンプレッサに比べて、ロータが薄く形成されている。すなわち、図7で示すロータ201や図8で示すロータ211において、幅寸法である左右方向の寸法が小さくなっている。
ところで、図7で示すように、ロータ201とシャフト203とを、セレーション205とメタルフロー207とを用いて締結している構成のものでは、ロータ201が薄くなると、冷媒を圧縮するときに必要なトルクをシャフト203からロータ201に伝えることができないおそれが生じる。
たとえば、ロータ201の幅が1/2になると、冷媒の吐出容量も1/2になるので、冷媒の圧縮に必要なトルクもほぼ1/2になる。その一方で、セレーション205では端部処理(図7に示すセレーション205の左右両端部の処理)が必要であるので、ロータ201の幅が1/2になると、セレーション205の長さが、1/2よりも小さくなってしまう。そして、冷媒を圧縮するときに必要なトルクをセレーション205によりシャフト203からロータ201に伝えることができないおそれが生じる。
また、図8で示すように、ロータ211とシャフト213とを、焼き嵌めを用いて締結している構成のものでは、ロータ211が薄くなっても、冷媒を圧縮するときに必要なトルクをシャフト213からロータ211に伝えることができる。
しかしながら、図8に示す構成のものでは、焼き嵌めを用いてシャフト213とロータ211とを締結した後に、ロータ211に設けられているベーン設置用の溝215を切削加工や研削加工等の機械加工によって形成している。上記機械加工は、鋼等の硬い金属材料で構成されているシャフト213を、バイス等の取付具で固定して、アルミニウムやアルミニウム合金等の軟らかい金属材料で構成されているロータ211に加工を施している。
上記機械加工の際、シャフト213に対して軸C1のまわりで発生するロータ211のトルクは、焼き嵌めでも受けることができるので、上記機械加工の際に、ロータ211がシャフト213に対して回転位置ずれすることは無い。
一方、上記機械加工の際、シャフト213に対して軸C1の方向でロータ211に発生する力は、焼き嵌めだけでは受けることができず、上記機械加工の際に、ロータ211がシャフト213から抜け落ちてしまうおそれがある。
すなわち、従来のベーンロータリコンプレッサでは、ロータを薄くすると、冷媒を圧縮するときにシャフトからロータへ回転トルクを伝達することができなかったり、シャフトを保持してロータを機械加工するときに、ロータがシャフトから抜け出てしまうという問題がある。
なお、上記問題は、電動のベーンロータリコンプレッサだけでなく、Vベルト等を介してロータを回転させるベーンロータリコンプレッサ(たとえば、ロータを薄くして吐出容量を小さくしたベーンロータリコンプレッサ)、他の形式の気体圧縮機、圧縮機以外の機器においても同様に発生する場合がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、圧縮機等に使用されるシャフトとロータとの組立体において、ロータを薄くしても、冷媒を圧縮するときにシャフトからロータへ回転トルクを伝達することができると共に、シャフトを保持してロータを機械加工するときに、ロータがシャフトから抜け出てしまうおそれを回避することができるものを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、圧縮機に使用されるシャフトとロータとの組立体である圧縮機用シャフト・ロータ組立体において、前記シャフトの少なくとも周方向で前記シャフトに対する前記ロータの動きを規制し保持する第1の規制保持手段と、前記シャフトの軸方向で前記シャフトに対する前記ロータの動きを規制し保持する第2の規制保持手段とを有する圧縮機用シャフト・ロータ組立体である。
請求項1に記載の発明によれば、ロータをシャフトに各規制保持手段で締結しているので、ロータを薄くしても、第1の規制保持手段によって冷媒を圧縮するときのトルクをシャフトからロータへ伝達することができると共に、シャフトを保持してロータを機械加工するときに発生するシャフトの軸方向の力を、第1の規制保持手段に加えて第2の規制保持手段で受け止めることができ、ロータがシャフトから抜け出てしまう弊害を回避することができる。
請求項2に記載の発明は、圧縮機に使用されるシャフトとロータとの組立体である圧縮機用シャフト・ロータ組立体において、前記ロータに設けられている貫通孔に、焼き嵌め、冷し嵌め、圧入、接着剤を用いることの少なくともいずれかによって、前記シャフトを挿入してあると共に、前記シャフトの軸方向における前記ロータの前記シャフトに対する動きを、止め輪、ねじ、塑性流動結合のうちの少なくともいずれかを用いて、止めている構成である圧縮機用シャフト・ロータ組立体である。
請求項2に記載の発明によれば、ロータをシャフトに焼き嵌めしていると共に、シャフトの軸方向におけるロータの動きを塑性流動結合により止めているので、ロータを薄くしても、焼き嵌めの部位を介して冷媒を圧縮するときのトルクをシャフトからロータへ伝達することができると共に、シャフトを保持してロータを機械加工するときに発生するシャフトの軸方向の力を、焼き嵌めと塑性流動結合とで受け止めることができ、ロータがシャフトから抜け出てしまう弊害を回避することができる。
請求項3に記載の発明は、円柱状の第1の部位と、この第1の部位よりも小径であり前記第1の部位の軸方向の一端部から突出している円柱状の第2の部位と、この第2の部位の軸方向の中間部で前記第1の部位から所定の距離だけ離れて設けられた円環状の溝部とを備えたシャフトと、内径が前記第2の部位とほぼ等しい円筒状に形成され、軸方向の一端部が前記第1の部位と前記第2の部位との境界に形成されている段差に当接し、内面が所定の圧力で前記第2の部位の外周面に面接触し、軸方向の他端部側の部位が塑性流動結合によって前記溝部に係合して、前記シャフトに一体的に設置されたロータとを有する圧縮機用シャフト・ロータ組立体である。
請求項3に記載の発明によれば、ロータの内面が所定の圧力でシャフト外周面に面接触していると共に、シャフトの軸方向におけるロータの動きを塑性流動結合により止めているので、ロータを薄くしても、所定の圧力で面接触している部位を介して冷媒を圧縮するときのトルクをシャフトからロータへ伝達することができると共に、シャフトを保持してロータを機械加工するときに発生するシャフトの軸方向の力を、所定の圧力で面接触している部位と塑性流動結合とで受け止めることができ、ロータがシャフトから抜け出てしまう弊害を回避することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の圧縮機用シャフト・コンプレッサ組立体を有するベーンロータリコンプレッサである。
請求項4に記載の発明によれば、ロータが薄く形成されている組立体を使用しているので、ベーンロータリコンプレッサの軸方向の長さを短くすることができる。
請求項5に記載の発明は、圧縮機に使用されるシャフトとロータとの組立体である圧縮機用シャフト・ロータ組立体の製造方法において、前記ロータに設けられている貫通孔に、焼き嵌め、冷し嵌め、圧入、接着剤を用いることの少なくともいずれかによって前記シャフトを挿入する挿入工程と、前記挿入工程で前記ロータに前記シャフトを挿入した後に、前記シャフトの軸方向における前記ロータの前記シャフトに対する動きを、止め輪、ねじ、塑性流動結合のいずれかを用いて止める係止工程と、前記各工程で前記ロータを前記シャフトに一体的に設けた後に、前記シャフトを保持して前記ロータに加工を施す加工工程とを有する圧縮機用シャフト・ロータ組立体の製造方法である。
請求項5に記載の発明によれば、ロータをシャフトに焼き嵌めしており、シャフトの軸方向におけるロータの動きを塑性流動結合により止めている。そして、この後に、ロータを加工しているので、ロータを薄くしても、焼き嵌めの部位を介して冷媒を圧縮するときのトルクをシャフトからロータへ伝達することができると共に、シャフトを保持してロータを加工するときに発生するシャフトの軸方向の力を、焼き嵌めと塑性流動結合とで受け止めることができ、ロータがシャフトから抜け出てしまう弊害を回避することができる。
圧縮機等に使用されるシャフトとロータとの組立体において、ロータを薄くしても、冷媒を圧縮するときにシャフトからロータへ回転トルクを伝達することができると共に、シャフトを保持してロータを機械加工するときに、ロータがシャフトから抜け出てしまうおそれを回避することができるという効果を奏する。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる電動圧縮機1の断面図であり、図2は、本発明の実施形態にかかる電動圧縮機1の圧縮機構17を示す図である。
電動ベーンロータリコンプレッサ(電動圧縮機)1は、第1ケース5とこの第1ケース5の後側に設けられた第2ケース(インバータケース)7とからなるケーシング3を備えている。これら第1ケース5および第2ケース7は、第1ケース5の開口部を第2ケース7の前側の隔壁9によって塞ぐ状態で一体化されている。そして、第2ケース7の隔壁9には、側方から取り入れた冷媒をその前側に位置する圧縮機構17に向けて導入する取入口13が形成されており、一方、第1ケース5の前側の側部には、冷媒を外部に送出する送出口11が形成されている。
第1ケース5内の開口側(後側)には、隔壁9と接触させて圧縮機構17が配設されている。圧縮機構17は、ベーン型の圧縮機構として構成されており、第1ケース5内における隔壁9の前側に接触する本体部19を備え、この本体部19として、さらに、内周面が楕円形状を呈するシリンダ21と、このシリンダ21の後側に設けられたリアシリンダブロック23と、シリンダ21の前側に設けられたフロントシリンダブロック25と、このフロントシリンダブロック25の前側に設けられた回転シール27とを備えている。
本体部19内には、圧縮ロータ(ロータ)29が回転可能に設けられている。このロータ29は、第1ケース5のベアリング35とリアシリンダブロック23およびフロントシリンダブロック25の油軸受31aを介して回転自在に支持されたシャフト31によって回転駆動される。なお、参照符号37は、オイルシールである。
また、ロータ29には、複数のベーン39が放射状に設けられており、各ベーン39は、ロータ29の回転によってロータ径方向(ロータ29の径方向)Rへ連動して移動するようになっている。
フロントシリンダブロック25(本体部19の前側部)には、冷媒を吐出する一対の吐出口41が形成されており、各吐出口41は対応する送出口11に連通してある。また、シリンダ21には、シリンダ21内と対応する吐出口41を繋ぐ一対の連絡穴43が形成されており、各々の連絡穴43の出口側には、シリンダ21側へ冷媒の流入を阻止するワンウェイバルブ45がそれぞれ設けられている。また、リアシリンダブロック23(本体部19の後側部)には、冷媒を吸入する一対の吸入口47が形成されており、各吸入口47は、対応する取入口13に連通してある。
なお、リアシリンダブロック23の外周部、フロントシリンダブロック25の外周部、およびシャフト31に前側外周部には、冷媒の漏れを防止するシール部材(図示せず)がそれぞれ設けられている。
第1ケース5内における圧縮機構17の前方側(電動モータ収容部5a)には、ロータ29を回転させる3相の電動モータ51が設けられている。この電動モータ51は、環状のモータ固定子53と、シャフト31を回転させるモータ回転子55とを備えている。また、モータ固定子53の後側には、当該モータ固定子53の各相の導線と電気的に接続された端子を有するモータコネクタ57が設けられている。
かかる構成において、電動モータ51が駆動されると、吸入口47から吸入された冷媒が圧縮機構17で圧縮され、吐出口41から吐出され、吐出口41から吐出された冷媒は、電動モータ収容部5aの隙間を通って電動モータ51を冷却しながら、送出口11からケーシング3外へ送出されるようになっている。
ここで、電動ベーンロータリコンプレッサ1に使用されているシャフト31とロータ29との組立体である圧縮機用シャフト・ロータ組立体61について詳しく説明する。
図3は、圧縮機用シャフト・ロータ組立体61の概略構成を示す断面図である。
圧縮機用シャフト・ロータ組立体61は、円筒状のロータ29の円柱状の貫通孔63に、円柱状のシャフト31を、焼き嵌めによって挿入し(シャフト31を常温にしたままロータ29を加熱して挿入後冷却し)、シャフト31にロータ29を一体的に組み付けたものである。
なお、シャフト31は、たとえば、鋼等の硬い金属材料で構成されており、ロータ29は、たとえば、アルミニウムやアルミニウム合金等の軟らかい金属材料で構成されている。
また、圧縮機用シャフト・ロータ組立体61では、軸(シャフト31やロータ29の軸)C1の方向におけるロータ29のシャフト31に対する動きを、塑性流動結合(メタルフロー)を用いて、補助的に止めている構成になっている。すなわち、軸C1の方向におけるロータ29の動きを、焼き嵌めによることに加えて、塑性流動結合を用いて、さらに止めている。
圧縮機用シャフト・ロータ組立体61についてさらに詳しく説明すると、シャフト31は、円柱状の第1の部位65と円柱状の第2の部位67と溝部69とを備えて構成されている。第2の部位67の外径は、第1の部位65の外径よりも小さくなっている。また、第2の部位67は、第1の部位65と同軸で(軸C1を共通にして)、第1の部位65の軸C1の方向の一端部(図3における第1の部位65の左端部)から、図3における左方向に所定の長さ突出している。
溝部69は、第2の部位67の軸C1方向の中間部で第1の部位65から所定の距離だけ離れて設けられている。なお、溝部69は、円環状に形成されており、溝部69底部の直径は第2の部位67の外径よりも小さくなっている。
ロータ29は、上述したように円筒状に形成されてシャフト31に一体的に設置されている。円筒状に形成されているロータ29の外径は第1の部位65よりも大きくなっており、ロータ29の貫通孔63の内径は第2の部位67とほぼ等しくなっている。ロータ29の軸C1方向の寸法(図3における左右方向の寸法)は、段差71から溝部69までの寸法よりも僅かに大きくなっている。なお、段差71は、第1の部位65と第2の部位67との境界に形成されている段差である。
また、ロータ29は、軸C1方向の一端部(図3の右側の端部)が段差71に当接し、円柱側面状の内面(貫通孔63の内面)が、焼き嵌めによる所定の圧力で第2の部位67の円柱側面状の外周面に面接触し、軸C1方向の他端部側の部位73が塑性流動結合によって溝部69に係合して、シャフト31に一体的に設置されている。
なお、塑性流動結合をしている部位73が、シャフト31の軸C1方向で、段差71と協働してロータ29(塑性流動結合している部位73と段差71との間に位置しているロータ29の部位)を所定の圧力で挟み込んでいる。
次に、圧縮機用シャフト・ロータ組立体61の製造の手順について説明する。
なお、初期状態として、シャフト31は仕上げ加工が完了しており、ロータ29は、下加工が完了しているものとする。すなわち、ロータ29では、貫通孔63の仕上げ加工が完了しており、ロータ29の他の部位では荒加工等が完了している。また、上記初期状態では塑性流動結合がされていないので、貫通孔63には塑性流動結合部73が形成されておらず、貫通孔63は円柱形状に形成されている。
上記初期状態において、ロータ29に設けられている円柱状の貫通孔63に、焼き嵌めによって円柱状のシャフト31(第2の部位67)を結合する。
前記結合をした後に、シャフト31の軸C1方向におけるロータ29のシャフト31に対する動きを、塑性流動結合を用いて、さらに止める。
ここで、前記塑性流動結合は、ロータ29の貫通孔63に、焼き嵌めによってシャフト31を挿入し結合した後、たとえば、実開平4−122816号公報や特開平8−189486号公報に記載されているように、ロータ29の端面(図3の左側の端面)からダイスによって貫通孔63の周縁(円環状の周縁)を押圧し、この押圧された部位に塑性流動を生じさせ、塑性流動した部位がシャフト31の溝部69に入り込んでシャフト31に固着することによりなされている。
前記焼き嵌めと前記塑性流動結合とによってロータ29をシャフト31に一体的に設けた後に、シャフト31を保持してロータ29に加工(たとえば、切削加工や研削加工等の機械加工)を施して、圧縮機用シャフト・ロータ組立体61を生成する。
前記加工では、シャフト31をクランプして、ベーン39を設置するための溝(ロータ29に設けられている溝)75の仕上げ加工やロータ29の両端面(図3の左右方向における両端面)の仕上げ加工がなされる。
圧縮機用シャフト・ロータ組立体61によれば、ロータ29をシャフト31に焼き嵌めしていると共に、シャフト31の軸C1方向におけるロータ29の動きを塑性流動結合により止めているので、ロータ29を薄くしても、焼き嵌めの部位を介して冷媒を圧縮するときのトルクをシャフト31からロータ29へ伝達することができると共に、シャフト31を保持してロータ29を機械加工するときに発生するシャフト31の軸C1方向の力を、焼き嵌めと塑性流動結合とで受け止めることができ、ロータ29がシャフト31から抜け出てしまう弊害を回避することができる。
また、焼き嵌めのために昇温されたロータ29を、温度が上昇している状態で、塑性変形(塑性流動結合のための塑性変形)させれば、シャフト31にロータ29を組み付ける工程を効率良く簡素化することができる。
また、電動ベーンロータリコンプレッサ1によれば、ロータ29が薄く形成されている組立体61を使用しているので、軸方向の長さを短くすることができる。
ところで、前述した焼き嵌めに代えてもしくは加えて、冷し嵌め、圧入、接着剤を用いるようにしてもよく、また、前述した塑性流動結合に代えて、止め輪、ねじを用いるようにしてもよい。
すなわち、ロータ29に設けられている貫通孔63に、焼き嵌め、冷し嵌め、圧入、接着剤を用いることの少なくともいずれかによってシャフト31を挿入し固定してある構成であってもよい。たとえば、ロータ29を加熱する焼き嵌めとシャフト31を冷却する冷し嵌めとを併用してあってもよい。
また、シャフト31の軸C1方向におけるロータ29のシャフト31に対する動きを、塑性流動結合、止め輪、ねじ、塑性流動結合のいずれかを用いて、さらに止めている構成であってもよい。
ここで、焼き嵌めと塑性流動結合とを用いて、シャフトにロータを設置した構成の変形例について説明する。
図4は、圧縮機用シャフト・ロータ組立体61の変形例に係る圧縮機用シャフト・ロータ組立体61aの概略構成を示す断面図である。
圧縮機用シャフト・ロータ組立体61aは、前述した圧縮機用シャフト・ロータ組立体61のシャフトと同様に構成されたシャフト31と、ロータ29aと、ロータ保持部材77とを備えて構成されている。
ロータ29aは、前述したロータ29と同様にして円筒状に形成されている。ただし、ロータ29aの軸C1方向の寸法は、シャフト31段差71からシャフト31の溝部69までの寸法とほぼ等しくなっている。また、ロータ29aは、前述したロータ29と同様にして、軸C1方向の一端部がシャフト31の段差71に当接し、内面(貫通孔63の面)が焼き嵌めによる所定の圧力でシャフト31の第2の部位67の外周面に面接触して、シャフト31に一体的に設置されている。
ロータ保持部材77は、ロータ29a(29)と同様な材料で構成されて円環状等の環状に形成されており、ロータ保持部材77の内径側の部位が塑性流動結合によってシャフト31の溝部69に係合し、シャフト31に一体的に設置されている。この設置がされていることにより、ロータ保持部材77が、シャフト31の軸C1方向で段差71と協働してロータ29aを所定の圧力で挟み込んでいる。
次に、焼き嵌めと止め輪79とを用いて、シャフト31bにロータ29bを設置した圧縮機用シャフト・ロータ組立体61bについて説明する。
図5は、圧縮機用シャフト・ロータ組立体61,61aの変形例に係る圧縮機用シャフト・ロータ組立体61bの概略構成を示す断面図である。
圧縮機用シャフト・ロータ組立体61bは、前述した圧縮機用シャフト・ロータ組立体61のシャフトとほぼ同様に構成されたシャフト31bと、ロータ29bと、止め輪(たとえば、C形止め輪)79とを備えて構成されている。
ロータ29bは、前述したロータ29aと同様にして円筒状に形成されて、前述したロータ29aと同様にしてシャフト31に設置されている。
止め輪79は、シャフト31bの溝部69bに係合して(嵌りこんで)、シャフト31に一体的に設置されている。この設置がされていることにより、止め輪79が、シャフト31bの軸C1方向で段差71と協働してロータ29bを所定の圧力で挟み込んでいる。
次に、焼き嵌めとナット83とを用いて、シャフト31cにロータ29cを設置した圧縮機用シャフト・ロータ組立体61cについて説明する。
図6は、圧縮機用シャフト・ロータ組立体61,61a,61bの変形例に係る圧縮機用シャフト・ロータ組立体61cの概略構成を示す断面図である。
圧縮機用シャフト・ロータ組立体61cのシャフト31cは、圧縮機用シャフト・ロータ組立体61のシャフト31の各部位65、67とほぼ同様に構成された第1の部位65と第2の部位67cとを備えて構成されている。ただし、第2の部位67cには溝部が形成されておらず、第2の部位67cの先端に雄ねじ81が一体で設けられている。雄ねじ81は、第2の部位67cと同軸で、第2の部位67cの軸C1方向の先端部(第1の部位65側の端部とは反対側の端部)から突出している。また、雄ねじ81の山径は、第2の部位67cの外径と等しいかもしくは小さく形成されている。
ロータ29cは、前述したロータ29a,29bと同様にして円筒状に形成されて、前述したロータ29a,29bと同様にしてシャフト31cに設置されている。
ナット83は、雄ねじ81に螺合し、シャフト31cの軸C1方向で段差71と協働してロータ29cを所定の圧力で挟み込むようにして、シャフト31cに一体的に設置されている。
また、ナット83は、たとえば、円筒状に形成されており、ナット83の円柱側面状の外周は、ナット83をシャフト31cに設置した後、仕上げ加工されており、圧縮機用シャフト・ロータ組立体61cを電動ベーンロータリコンプレッサ1に設置したときに、ナット83の外周が、リアシリンダブロック23の油軸受31aに係合するようになっている。
ところで、上記説明では、圧縮機用シャフト・ロータ組立体61,61a,61b,61cを、電動ベーンロータリコンプレッサ1に用いた場合を例に掲げているが、圧縮機用シャフト・ロータ組立体61,61a,61b,61cを、電動ベーンロータリコンプレッサ以外の機器に使用してもよい。
すなわち、圧縮機用シャフト・ロータ組立体61,61a,61b,61cを、Vベルト等を介して稼動するベーンロータリコンプレッサ(ロータを薄くして吐出容量を小さくしたベーンロータリコンプレッサ)に使用してもよい。また、同様にして、油圧用のベーンポンプや、ベーンタイプ以外の構成の流体(気体もしくは液体)圧縮機器にシャフト・ロータ組立体を使用してもよい。さらに、モータのような圧縮機以外の機器にシャフト・ロータ組立体を使用してもよい。
ところで、上述した圧縮機用シャフト・ロータ組立体61,61a,61b,61cは、圧縮機に使用されるシャフトとロータとの組立体である圧縮機用シャフト・ロータ組立体であって、前記シャフトの少なくとも周方向で(主に周方向で)前記シャフトに対する前記ロータの動きを規制し保持する第1の規制保持手段と、前記シャフトの軸方向で前記シャフトに対する前記ロータの動きを規制し保持する第2の規制保持手段とを有するものの例である。
なお、すでに理解されるように、前記第1の規制保持手段は、圧縮機用シャフト・ロータ組立体を圧縮機に組み付けて圧縮機を運転しているときに、シャフトに対するロータの回転位置ずれを無くし、シャフトとロータとの一体性を(結合を)維持し、シャフトとロータとの間でのトルクの伝達を可能にする手段である。
また、前記第2の規制保持手段は、圧縮機用シャフト・ロータ組立体に機械加工を施すときに、シャフトの軸方向で、シャフトに対するロータのスラスト位置ずれを無くし、シャフトとロータとの一体性を(結合を)維持する手段である。
すなわち、第2の規制保持手段は、圧縮機用シャフト・ロータ組立体を圧縮機に組み付ける前であって、圧縮機用シャフト・ロータ組立体に機械加工を施すときに(シャフトをクランプしてロータに機械加工を施すときに)、シャフトとロータとの間に発生するシャフトの軸方向の力によって、シャフトに対するロータの位置ずれが発生しないように、シャフトとロータとの一体性を(結合を)維持する手段である。
なお、第2の規制保持手段は、第1の規制保持手段と協働してもしくは第1の規制保持手段の補助として、シャフトの軸方向で、シャフトとロータとの一体性を(結合を)維持するようになっている。また、圧縮機用シャフト・ロータ組立体に機械加工を施すときに、第1の規制保持手段によって、シャフトの周方向でのシャフトに対するロータの回転位置ずれが発生しないになっており、シャフトとロータとの一体性が(結合が)維持されるようになっている。
1 電動ベーンロータリコンプレッサ(電動圧縮機)
29、29a、29b、29c ロータ
31、31b、31c シャフト
61、61a、61b、61c 圧縮機用シャフト・ロータ組立体
65 第1の部位
67 第2の部位
69 溝部
73 塑性流動結合部
29、29a、29b、29c ロータ
31、31b、31c シャフト
61、61a、61b、61c 圧縮機用シャフト・ロータ組立体
65 第1の部位
67 第2の部位
69 溝部
73 塑性流動結合部
Claims (5)
- 圧縮機に使用されるシャフトとロータとの組立体である圧縮機用シャフト・ロータ組立体において、
前記シャフトの少なくとも周方向で前記シャフトに対する前記ロータの動きを規制し保持する第1の規制保持手段と;
前記シャフトの軸方向で前記シャフトに対する前記ロータの動きを規制し保持する第2の規制保持手段と;
を有することを特徴とする圧縮機用シャフト・ロータ組立体。 - 圧縮機に使用されるシャフトとロータとの組立体である圧縮機用シャフト・ロータ組立体において、
前記ロータに設けられている貫通孔に、焼き嵌め、冷し嵌め、圧入、接着剤を用いることの少なくともいずれかによって、前記シャフトを挿入してあると共に、
前記シャフトの軸方向における前記ロータの前記シャフトに対する動きを、止め輪、ねじ、塑性流動結合のうちの少なくともいずれかを用いて、止めている構成であることを特徴とする圧縮機用シャフト・ロータ組立体。 - 円柱状の第1の部位と、この第1の部位よりも小径であり前記第1の部位の軸方向の一端部から突出している円柱状の第2の部位と、この第2の部位の軸方向の中間部で前記第1の部位から所定の距離だけ離れて設けられた円環状の溝部とを備えたシャフトと;
内径が前記第2の部位とほぼ等しい円筒状に形成され、軸方向の一端部が前記第1の部位と前記第2の部位との境界に形成されている段差に当接し、内面が所定の圧力で前記第2の部位の外周面に面接触し、軸方向の他端部側の部位が塑性流動結合によって前記溝部に係合して、前記シャフトに一体的に設置されたロータと;
を有することを特徴とする圧縮機用シャフト・ロータ組立体。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の圧縮機用シャフト・ロータ組立体を有することを特徴とするベーンロータリコンプレッサ。
- 圧縮機に使用されるシャフトとロータとの組立体である圧縮機用シャフト・ロータ組立体の製造方法において、
前記ロータに設けられている貫通孔に、焼き嵌め、冷し嵌め、圧入、接着剤を用いることの少なくともいずれかによって前記シャフトを挿入する挿入工程と;
前記挿入工程で前記ロータに前記シャフトを挿入した後に、前記シャフトの軸方向における前記ロータの前記シャフトに対する動きを、止め輪、ねじ、塑性流動結合のいずれかを用いて止める係止工程と;
前記各工程で前記ロータを前記シャフトに一体的に設けた後に、前記シャフトを保持して前記ロータに加工を施す加工工程と;
を有することを特徴とする圧縮機用シャフト・ロータ組立体の製造方法。
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JP2009021454A JP2010174851A (ja) | 2009-02-02 | 2009-02-02 | 圧縮機用シャフト・ロータ組立体、ベーンロータリコンプレッサおよび圧縮機用シャフト・ロータ組立体の製造方法 |
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JP2009021454A Withdrawn JP2010174851A (ja) | 2009-02-02 | 2009-02-02 | 圧縮機用シャフト・ロータ組立体、ベーンロータリコンプレッサおよび圧縮機用シャフト・ロータ組立体の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013137053A1 (ja) * | 2012-03-13 | 2013-09-19 | ナブテスコオートモーティブ株式会社 | 真空ポンプ |
WO2014017633A1 (ja) * | 2012-07-26 | 2014-01-30 | 株式会社ミクニ | 電動ポンプ |
-
2009
- 2009-02-02 JP JP2009021454A patent/JP2010174851A/ja not_active Withdrawn
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JP2014025412A (ja) * | 2012-07-26 | 2014-02-06 | Mikuni Corp | 電動ポンプ |
CN104685214A (zh) * | 2012-07-26 | 2015-06-03 | 株式会社三国 | 电动泵 |
US9726174B2 (en) | 2012-07-26 | 2017-08-08 | Mikuni Corporation | Electric pump |
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