JP2010174067A - 表面保護用粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体ウェハの裏面を研削する際に用いる表面保護用粘着テープであって、基材フィルムおよび粘着剤層が順にそれぞれ少なくとも2層積層され、ウェハが貼着される側の少なくとも1層の粘着剤層4および少なくとも1層の基材フィルム3は、平面視で研削するウェハの外周形状の内部に収まる形状の空間部を有し、該空間部が重なって開口部5を形成し、該開口部5の非開放底面は空間部を有しない粘着剤層2が露出し、前記空間部を有しない粘着剤層2は前記開口部5とは反対側の面で空間部を有していない基材フィルム1に接している表面保護用粘着テープ。
【選択図】図1
Description
ディンプルが発生してしまうとウェハ面内の厚み精度が悪化し、ダイシング等の次以降の工程に悪影響を与えたり、製品不良の原因になることがあった。また厚み精度の悪化により、チップの抗折強度が低下し、ディンプル部が起点となってクラックが発生してしまい歩留まりに大きく影響することがある。
しかしながら、バンプ高さが150μm以上になるとバンプを完全に密着させるために粘着剤を非常に柔らかくしなければならず、テープ剥離後に糊(粘着剤)がウェハ上に残ってしまう糊残りが問題となっている。また、粘着剤を2層に分けることによってバンプに対する密着性と耐糊残り性を両立させる方法などが考えられてきたが、バンプに粘着剤を完全に密着させた場合、UV硬化反応により粘着剤がバンプに噛み込んでしまい、テープの剥離不良やバンプ自体をウェハから剥がしてしまう問題が発生している(例えば、特許文献2参照)。さらに、十分に粘着剤を硬化させないでテープを剥離した場合は、剥離はできるがやはり糊残りが発生してしまい、完全に解決されていない。
すなわち本発明は、
(1)半導体ウェハの裏面を研削する際に用いる表面保護用粘着テープであって、
基材フィルムおよび粘着剤層が順にそれぞれ少なくとも2層積層され、ウェハが貼着される側の少なくとも1層の粘着剤層および少なくとも1層の基材フィルムは、平面視で研削するウェハの外周形状の内部に収まる形状の空間部を有し、該空間部が重なって開口部を形成し、該開口部の非開放底面は空間部を有しない粘着剤層が露出し、前記空間部を有しない粘着剤層は前記開口部とは反対側の面で空間部を有していない基材フィルムに接していることを特徴とする表面保護用粘着テープ、
(2)ウェハが貼着される前記空間部を有する粘着剤層および該粘着剤層と接する前記空間部を有する基材フィルムの合わせた厚さが、前記ウェハ表面の中央部に形成されたバンプのから20μm減じた値より厚く、かつバンプの高さより薄い厚さであり、当該バンプ高さが150μm以上であるウェハの研削工程に用いることを特徴とする(1)項記載の表面保護用粘着テープ、
(3)前記ウェハのバンプ形成領域の外側のウェハ表面と該表面に貼着される前記空間部を有する粘着剤層との間の粘着力は、前記空間部を有する基材フィルムとそれに接する空間部を有しない粘着剤層との間の粘着力より弱いことを特徴とする(1)または(2)項に記載の表面保護用粘着テープ、
(4)前記空間部を有しない粘着剤層が非紫外線硬化型の粘着剤からなり、前記空間部を有する粘着剤層が紫外線硬化によって粘着力を制御可能な粘着剤からなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の表面保護用粘着テープ、および、
(5)前記空間部を有しない粘着剤層が温水によって洗浄可能な粘着剤からなることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項記載の表面保護用粘着テープ、
を提供するものである。
なお、ここでいう「粘着力」は、引き剥がし粘着力であり、JIS B 7721により測定するものである。但し、測定は90度引きはがし法によるものとし、この時の引張速さは50mm/minとした。
また、ウェハの回路面外周は空間部を有する基材フィルムと粘着剤層で封鎖されているため、ウェハ表面への研削時のダスト、研削くず、洗浄水の浸入を防止でき、ウェハの汚染を防ぐことができる。
本発明の表面保護用粘着テープの好ましい一つの実施態様を図1の概略断面図および図2の概略斜視図で示す。この実施態様の表面保護用粘着テープAは基材フィルム1、粘着剤層2、基材フィルム3および粘着剤層4の4層構成になっている。基材フィルム1の上に粘着剤層2が形成されており、更にその上に、空間部を有する基材フィルム3および粘着剤層4が、空間部が重なるように積層され、開口部5を形成されている。図2では、貼り付け研削される半導体ウェハの外周を点線で表示している。本実施態様では、平面視で研削するウェハの外周形状が円形で、開口部5(および上記空間部)の平面視における形状がウェハの外径よりも小さい径の円形である例を示しているが、平面視で開口部が研削するウェハの外周形状の内部に収まる形状であれば、開口部およびウェハの外周形状の平面視における形状はそれぞれ円状に限らず、例えば矩形であってもよい。
なお、本発明の表面保護用粘着テープAは、4層からなる積層体に限らず、必要に応じてさらに別の基材フィルムおよび粘着剤層を有する、例えば6層、8層等のさらに多層構成とすることもできる。
したがって、基材フィルム1としては、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブテンのようなポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のようなエチレン共重合体;軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、半硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、天然ゴムならびに合成ゴムなどの高分子材料が好ましい。そして、これらは単層フィルム、またはそれらの複層フィルムとして用いることができる。
この架橋剤としては、ベースポリマーに対応して、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン樹脂などが挙げられる。さらに粘着剤には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、各種添加成分を含有させることができる。
また、放射線硬化型や加熱発泡型の粘着剤も用いることができる。放射線硬化型の粘着剤としては、紫外線、電子線等で硬化し、剥離時には剥離しやすくなる粘着剤を使用することができ、また、発泡剤や膨張剤により剥離しやすくなる加熱発泡型の粘着剤を使用することができる。さらに、粘着剤としてはダイシング・ダインボンディング兼用可能な接着剤であってもよい。
放射線硬化型粘着剤としては、例えば、特公平1−56112号公報、特開平7−135189号公報等に記載のものが好ましく使用されるがこれらに限定されることはない。
(メタ)アクリル系共重合体は下記モノマー(a)とモノマー(b)を常法により、例えば溶液重合法によって共重合させることによって得ることができる。
モノマー(b)としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
粘着剤層2の厚みについては特に限定されるものでは無いが、ある程度基材との密着性を確保するため10μm以上が好ましい。
上記のゴム系あるいはアクリル系のベースポリマーは、天然ゴム、各種の合成ゴムなどのゴム系ポリマー、あるいはポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとこれと共重合可能な他の不飽和単量体との共重合物などのアクリル系ポリマーが使用される。
これらのベースポリマーに凝集力を付加するために架橋剤を配合することができる。この架橋剤としては、ベースポリマーに対応して、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤およびアミン樹脂などが挙げられる。
さらに、この粘着剤には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、各種添加成分を含有させることができる。
紫外線硬化型粘着剤を用いる場合には、粘着剤は紫外線により硬化し三次元網状化する性質を有すればよく、例えば通常のゴム系あるいはアクリル系の感圧性ベース樹脂(ポリマー)に対して、分子中に少なくとも2個の光重合性炭素−炭素二重結合を有する低分子量化合物(以下、光重合性化合物という)および光重合開始剤が配合されてなるものが使用される。
このような光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。
粘着剤層4の厚さは10μm〜バンプ高さまでが好ましく、30μm〜バンプ高さまでがさらに好ましい。厚みが10μm以下の場合、ダスト進入を防止する効果が得られにくく、ウェハの状態や研削厚みによってはウェハ割れやエッジチッピングが発生する可能性が高い。また、粘着剤厚みが30μm以上である場合はウェハとの密着性に優れるため、スクライブラインがエッジまで切られているウェハについてもダスト浸入無くウェハの研削が可能となる。
本発明において、バンプ高さ(Bh)とは、図3に示されるように、バンプ7の頂点からウェハ6の表面までの垂線の長さをいう。
また、ウェハ厚さという場合には、バンプ7を含まない、ウェハ6のみの厚さをいう。
なお、ウェハ表面の中央部に高さの異なる複数のバンプが形成されている場合には、上記バンプ高さ(Bh)は、最も高いバンプの高さをいう。
前記フィルムを押出し成形により製膜し、両面にコロナ処理などの易接着処理を行う。その後コンマコーターやTダイによって粘着剤を塗布し粘着テープを得る。粘着テープは、開口されるものと開口されないものの2種類が作成される。作成された粘着テープのうち、開口される粘着テープをダイシングテープの製造などに用いられるプリカット機により打ちぬかれ開口される。その後打ち抜かれていない粘着テープとラミネートされることで貼り合わされる。
2 粘着剤層
3 基材フィルム
4 粘着剤層
5 開口部
6 ウェハ
7 バンプ
Claims (5)
- 半導体ウェハの裏面を研削する際に用いる表面保護用粘着テープであって、
基材フィルムおよび粘着剤層が順にそれぞれ少なくとも2層積層され、ウェハが貼着される側の少なくとも1層の粘着剤層および少なくとも1層の基材フィルムは、平面視で研削するウェハの外周形状の内部に収まる形状の空間部を有し、該空間部が重なって開口部を形成し、該開口部の非開放底面は空間部を有しない粘着剤層が露出し、前記空間部を有しない粘着剤層は前記開口部とは反対側の面で空間部を有していない基材フィルムに接していることを特徴とする表面保護用粘着テープ。 - ウェハが貼着される前記空間部を有する粘着剤層および該粘着剤層と接する前記空間部を有する基材フィルムを合わせた厚さが、前記ウェハ表面の中央部に形成されたバンプの高さ(Bh)から20μm減じた値より厚く、かつバンプの高さより薄い厚さであり、当該バンプ高さが150μm以上であるウェハの研削工程に用いることを特徴とする請求項1記載の表面保護用粘着テープ。
- 前記ウェハのバンプ形成領域の外側のウェハ表面と該表面に貼着される前記空間部を有する粘着剤層との間の粘着力は、前記空間部を有する基材フィルムとそれに接する空間部を有しない粘着剤層との間の粘着力より弱いことを特徴とする請求項1または2項に記載の表面保護用粘着テープ。
- 前記空間部を有しない粘着剤層が非紫外線硬化型の粘着剤からなり、前記空間部を有する粘着剤層が紫外線硬化によって粘着力を制御可能な粘着剤からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面保護用粘着テープ。
- 前記空間部を有しない粘着剤層が温水によって洗浄可能な粘着剤からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面保護用粘着テープ。
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