JP2010170442A - 画像形成装置および画像形成装置における電子マネー返金方法 - Google Patents
画像形成装置および画像形成装置における電子マネー返金方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】非接触で電子マネー端末からの事前決済を行ってからジョブを実行し、ジョブの実行が正常終了又は異常終了したとき、決済額に残金がある場合、その残金を利用者に対して確実に返金することができるようにする。
【解決手段】画像形成装置1は、電子マネーを記録した電子マネー端末20と非接触で電子マネー情報の送受信を行う電子マネー情報読取装置8と、電子マネー情報読取装置8を介して電子マネー端末20に記録されている電子マネーでの決済処理を行う決済処理部12と、決済処理部12による決済処理が完了してから、指定されたジョブの実行を開始するジョブ制御部11と、ジョブ制御部11により実行開始されたジョブが終了したとき、決済処理部12によって事前に決済された決済額が、実際にジョブを実行してサービスを提供した金額を超える場合、返金額を算出して返金処理を行う返金処理部13とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】画像形成装置1は、電子マネーを記録した電子マネー端末20と非接触で電子マネー情報の送受信を行う電子マネー情報読取装置8と、電子マネー情報読取装置8を介して電子マネー端末20に記録されている電子マネーでの決済処理を行う決済処理部12と、決済処理部12による決済処理が完了してから、指定されたジョブの実行を開始するジョブ制御部11と、ジョブ制御部11により実行開始されたジョブが終了したとき、決済処理部12によって事前に決済された決済額が、実際にジョブを実行してサービスを提供した金額を超える場合、返金額を算出して返金処理を行う返金処理部13とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、決済処理を行ってからジョブを実行する画像形成装置およびその画像形成装置における電子マネー返金方法に関する。
近年、ICカードや携帯電話機などに電子マネー情報を記録した電子マネー端末が普及している。このような電子マネー端末は、非接触で電子マネー情報の読み取りや決済処理を行うことができるので、利便性に優れている。例えば、電子マネー端末は、プリペイド方式により予めチャージされた電子マネーを記録しており、商品購入時やサービス利用時には非接触で代金相当分の電子マネーが減算されることにより決済が行われる。電子マネー端末に記録された電子マネーの残高が代金相当分の金額に満たない場合、商品を購入することはできず、またサービスを利用することもできない。この場合、利用者は、電子マネー端末に対して電子マネーを再チャージすることが必要となり、電子マネーの残高が代金相当分以上の金額になれば、商品の購入やサービスの利用が可能になる。
また従来、複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像形成装置は、コンビニエンスストアやプリントショップなどにも設置されている(例えば、特許文献1)。このような店舗設置型の画像形成装置の多くは、硬貨などを予め投入しておき、ジョブの実行に伴ってサービス提供分の金額を決済していく決済方法を採用しているが、上述した非接触式の電子マネー決済を行うようにした画像形成装置は存在しない。
ところで、画像形成装置でコピーサービスなどのサービスを提供する場合、その決済額は、カラー印刷とモノクロ印刷のいずれで印刷するか、或いは印刷枚数が何枚であるかといった種々の要素で決定される。そのため、画像形成装置において非接触式且つプリペイド方式の電子マネー端末による決済処理を行う場合、決済処理の前に決済額を算出することが必要不可欠であり、例えば画像形成装置において原稿のコピーを行う場合には、電子マネー端末で決済処理を行う前に、印刷モードの設定や原稿の全ページの読み取り動作を完了しておく必要がある。そして決済額を算出した場合には、次の印刷処理を開始する前に、電子マネー決済を完了する必要がある。印刷完了後に決済処理を行うこととすると、悪意ある利用者が電子マネー端末による決済を行うことなく、印刷された出力用紙を持ち去る可能性があるからである。
しかしながら、画像形成装置において例えば10枚の印刷を行うことを前提として電子マネー決済を行った後、印刷処理を開始してから10枚の印刷が完了するまでに利用者が印刷の途中終了を指示した場合、或いは画像形成装置に何らかの異常が発生して印刷を継続することができなくなった場合、事前決済した決済額は、画像形成装置がサービスを提供した金額を超えることとなり、サービス未提供分の残金が発生する。この残金は利用者が所持する電子マネー端末に返金する必要があるが、電子マネー端末から非接触で決済処理を行った場合、利用者は事前にどれくらいの額を支払ったかに気付き難く、残金を返金させるための操作を忘れ、そのまま画像形成装置から立ち去ってしまう可能性がある。この場合、返金されなかった残金が次の利用者によって利用されてしまう可能性があり、問題となる。
そこで本発明は、上記課題を解決することを目的としてなされたものであり、非接触で電子マネー端末からの事前決済を行ってからジョブを実行し、ジョブの実行が正常終了又は異常終了したとき、事前決済額が、実際にジョブを実行してサービスを提供した金額を超える場合には、確実に返金すべき利用者に返金できるようにした画像形成装置および画像形成装置における電子マネー返金方法を提供するものである。
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、画像形成装置であって、電子マネーを記録した電子マネー端末と非接触で電子マネー情報の送受信を行う電子マネー情報読取手段と、前記電子マネー情報読取手段を介して電子マネー端末に記録されている電子マネーでの決済処理を行う決済処理手段と、前記決済処理手段による決済処理が完了してから、指定されたジョブの実行を開始するジョブ制御手段と、前記ジョブ制御手段により実行開始されたジョブが終了したとき、前記決済処理手段によって決済された決済額が、実際にジョブを実行してサービスを提供した金額を超える場合、返金額を算出して返金処理を行う返金処理手段とを備えることを特徴としている。
かかる発明によれば、利用者が画像形成装置から返金を受けるための操作を行わない場合であっても、画像形成装置においてジョブが終了したときに利用者に返金すべき返金額があれば、画像形成装置が自動で返金処理を行うので、利用者に返金されなかった残金が画像形成装置に保持された状態が継続することを防止することができる。
また請求項2にかかる発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記決済処理手段は、指定されたジョブを正常終了させるために要する金額を決済額として算出し、該決済額に基づいて決済処理を行い、前記ジョブ制御手段は、ジョブの実行を開始した後、ジョブの実行を途中終了させる指示を入力した場合、又は、ジョブの実行を妨げる異常が発生した場合、実行中のジョブを途中終了させ、前記返金処理手段は、前記ジョブ制御手段が実行中のジョブを途中終了させた場合、前記決済額のうちのサービス未提供分の返金額を算出して返金処理を行うことを特徴としている。
かかる発明によれば、ジョブの途中終了によって、指定されたジョブが正常終了することを前提として決済した決済額にサービス未提供分の返金額が発生した場合でもその返金額を確実に利用者に返金することができるようになる。
また請求項3にかかる発明は、請求項1記載の画像形成装置において、決済額を入力する入力手段をさらに備え、前記決済処理手段は、前記入力手段から入力する決済額に基づいて決済処理を行い、前記返金処理手段は、前記ジョブ制御手段によるジョブの実行が終了したとき、前記決済額のうちのサービス未提供分の返金額を算出して返済処理を行うことを特徴としている。
かかる発明によれば、ジョブの実行が終了したとき、入力手段からの入力に基づいて決済した決済額にサービス未提供分の返金額が発生した場合でもその返金額を確実に利用者に返金することができるようになる。
また請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、電子マネー端末に記録される電子マネーを管理するための電子マネー管理サーバと通信を行う通信手段をさらに備え、前記返金処理手段は、返金処理を行う際、前記通信手段を介して前記電子マネー管理サーバに対して返金額の返金を要求することを特徴としている。
かかる発明によれば、画像形成装置が電子マネー管理サーバに対して返金を要求することによって利用者に対する返金処理を行うので、利用者が画像形成装置から返金を受けるための操作を忘れてしまうような場合でも、確実にその利用者に対して返金を行うことができるようになる。
また請求項5にかかる発明は、請求項4記載の画像形成装置において、前記返金処理手段は、返金処理を行った場合、前記電子マネー管理サーバにアクセスするためのアクセス情報を印刷出力することを特徴としている。
また請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記返金処理手段は、返金処理を行った場合、利用者に対して、サービス提供分の返金額を返金した旨の通知を行うことを特徴としている。
さらに、請求項7にかかる発明は、電子マネーを記録した電子マネー端末との間で、非接触で電子マネー決済を行う画像形成装置においてサービス未提供分の電子マネーを返金する方法であって、前記電子マネー端末から非接触で電子マネー情報を読み取る工程と、前記電子マネー端末に記録されている電子マネーにより、予め決定された決済額の決済処理を行う工程と、前記決済額の決済処理が完了してから、指定されたジョブの実行を開始する工程と、前記ジョブの実行が終了したとき、前記決済額が、実際にジョブを実行してサービスを提供した金額を超える場合、返金額を算出して返金処理を行う工程とを有することを特徴としている。
本発明によれば、指定されたジョブの実行を開始する前に非接触で電子マネーによる決済処理を行っておき、ジョブが終了したときに事前に決済された決済額が、実際にジョブを実行してサービスを提供した金額を超える場合には返金額を算出して返金処理を行うように構成されるので、利用者が画像形成装置から返金を受けるための操作を忘れてしまうような場合でも、画像形成装置は確実に利用者への返金処理を行うことができる。それ故、サービス未提供分の残金が他の利用者によって利用されることを防止することができる。その結果、画像形成装置における決済方法として、電子マネーを記録した電子マネー端末から非接触で決済処理を行う方法を採用することができ、利便性の高い画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1実施形態である画像形成装置1の外観構成を示す図である。この画像形成装置1は、例えばコンビニエンスストアやプリントショップなどに設置され、利用者に対してコピーサービスやスキャナサービス、プリントサービス、FAX送信サービスなどを提供するものであり、一般には複合機やMFPなどと呼ばれる装置である。この画像形成装置1は、装置本体の上部に原稿の画像を読み取るスキャナ部2を備えており、このスキャナ部2のさらに上部には複数枚の原稿をセットすることが可能な自動原稿搬送装置(以下、ADFという。)3が設けられている。ADF3はセットされる複数枚の原稿を1枚ずつ取り出してスキャナ部2に自動搬送することができ、例えばコピーサービスを行う場合において複数枚の原稿の連続自動読み取りを可能にする。但し、画像形成装置1は必ずしもADF3を必要とするものではなく、ADF3を具備しない構成であっても構わない。
図1は、本発明の第1実施形態である画像形成装置1の外観構成を示す図である。この画像形成装置1は、例えばコンビニエンスストアやプリントショップなどに設置され、利用者に対してコピーサービスやスキャナサービス、プリントサービス、FAX送信サービスなどを提供するものであり、一般には複合機やMFPなどと呼ばれる装置である。この画像形成装置1は、装置本体の上部に原稿の画像を読み取るスキャナ部2を備えており、このスキャナ部2のさらに上部には複数枚の原稿をセットすることが可能な自動原稿搬送装置(以下、ADFという。)3が設けられている。ADF3はセットされる複数枚の原稿を1枚ずつ取り出してスキャナ部2に自動搬送することができ、例えばコピーサービスを行う場合において複数枚の原稿の連続自動読み取りを可能にする。但し、画像形成装置1は必ずしもADF3を必要とするものではなく、ADF3を具備しない構成であっても構わない。
画像形成装置1は、スキャナ部2の正面側に利用者が操作可能な操作パネル4を備えている。操作パネル4は、利用者に対して各種情報を表示するための表示部4aと、利用者が操作して各種情報を入力するための操作キー4bとを備えている。表示部4aは、液晶ディスプレイなどで構成され、利用者に対して画像形成装置1の利用金額や操作案内画面などを表示するように構成されている。操作キー4bは、表示部4aの画面上に配置されたタッチパネルキーと、表示部4aの周囲に配置された複数の押しボタンキーとから構成されており、利用者が画像形成装置1に対して各種情報を入力する入力手段となっている。
画像形成装置1の装置本体下部には、用紙に画像形成を行って出力するプリンタ部5と、プリンタ部5に対して出力用紙を1枚ずつ供給する給紙部6とが設けられている。例えば画像形成装置1のコピーサービスやプリントサービスなどを利用する場合には、印刷出力時にプリンタ部5と給紙部6とが作動して印刷処理が行われる。尚、本実施形態におけるプリンタ部5はカラー画像を印刷することが可能なように構成されている。
また画像形成装置1の上部側面には、図1に示すよう棚部7が設けられている。この棚部7には、電子マネー情報を記録したICカードや携帯電話機などの電子マネー端末20(図2参照)から、非接触で電子マネー情報を読み取ることが可能な電子マネー情報読取装置8が設置されている。電子マネー情報読取装置8は、画像形成装置1の利用時に利用者が所持する電子マネー端末からサービス提供料相当額を事前決済するためのものである。この電子マネー情報読取装置8は上部に読取部8aを有しており、画像形成装置1の利用者が電子マネー端末を読取部8aにかざすことにより、電子マネー情報読取装置8が電子マネー端末に記録されている電子マネー情報を読み取ることが可能となり、また電子マネー端末に記録される電子マネー情報を書き換えることができるようになる。尚、電子マネー情報読取装置8は、同時に複数の電子マネー端末から電子マネー情報を読み取ることも可能である。図例では、電子マネー情報読取装置8は棚部7に設置されているが、その設置位置は必ずしもこれに限られるものではない。
この画像形成装置1は、利用者が所持する電子マネー端末20に記録されている電子マネーの残金が十分にある場合には、その電子マネー端末20が読取部8aにかざされている状態において非接触で電子マネーの決済処理を行い、利用者が操作パネル4を操作することによって指定されたジョブを実行する。
図2は、電子マネー決済を行うためのシステム構成を示す図である。図2に示すように、画像形成装置1は、通信網9を介して電子マネーを管理する事業者の電子マネー管理サーバ50と接続されている。電子マネー情報読取装置8は、利用者によって電子マネー端末20が読取部8aの近傍にかざされると、その電子マネー端末20に割り当てられている個別の識別情報と、記録されている電子マネー情報(残金情報など)とを読み取り、画像形成装置1の本体に対して出力する。画像形成装置1は、電子マネー情報読取装置8から識別情報と電子マネー情報とを入力すると、電子マネー端末20の真偽を確認するため、電子マネー管理サーバ50にアクセスし、利用者によってかざされた電子マネー端末20の真偽を問い合わせる。そして電子マネー管理サーバ50は自身が保持しているデータベースを検索し、適正な電子マネー端末20であると判断した場合、その旨を画像形成装置1に返答する。画像形成装置1は、利用者によってかざされた電子マネー端末20が適正な端末であることが判ると、利用者によって指定されたジョブを実行するのに要する金額分の残金がその電子マネー端末にあるかを判断し、十分な残金がある場合に決済処理を行い、電子マネー情報読取装置8に対して金額引き落としの命令を送出する。これに伴い、電子マネー情報読取装置8は、読取部8aにかざされている電子マネー端末20の電子マネー残金を減算し、電子マネー情報を書き換える。電子マネー端末20の電子マネー情報が書き換えられると、画像形成装置1は、電子マネー管理サーバ50に対して決済処理を行ったことを通知し、利用者によって指定されたジョブを実行することでサービスを提供する。
また図2に示すように電子マネー端末20が携帯電話機である場合、利用者が電子マネー端末20のウェブ閲覧機能などを操作することにより、電子マネー端末20は、通信網9を介して電子マネー管理サーバ50にアクセスし、電子マネー管理サーバ50に対して各種の処理要求を行うことができる。例えば、画像形成装置1においてサービス未提供分の残金が発生した場合、画像形成装置1は電子マネー端末20に対して直接返金処理を行うことができない場合、通信網9を介して電子マネー管理サーバ50にアクセスし、電子マネーの返金通知を行う。電子マネー管理サーバ50は、画像形成装置1から返金通知を受けた電子マネーを管理する。そして返金すべき利用者の電子マネー端末20から返金要求を受けた場合、電子マネー管理サーバ50は、その返金要求を受けた電子マネー端末20に対して電子マネーを返金するための処理を実行する。
図3は、画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、画像形成装置1は、全体制御部10と、表示制御部14と、操作検知部15と、記憶部16と、通信処理部17とを有している。全体制御部10は、ハードウェアとしてはCPUやメモリなどで構成されており、CPUが所定のプログラムを実行することによって実現される制御手段である。この全体制御部10は、利用者によって指定されたジョブの実行を制御するジョブ制御部11と、そのジョブを実行することによる決済額を算出して決済処理を行う決済処理部12と、ジョブ制御部11によって実行されるジョブが正常終了或いは異常終了した場合にサービス未提供分の残金があるか否かを判断し、残金がある場合に返金処理を行う返金処理部13として機能する。
表示制御部14は、操作パネル4における表示部4aの表示画面を制御するものであり、全体制御部10からの指示に基づいて画面データを生成し、表示部4aに出力する。操作検知部15は、操作パネル4の操作キー4bからの入力を検知するものであり、利用者が操作キー4bを操作すると、操作検知部15はその操作を検知し、全体制御部10に出力する。記憶部16は、例えばハードディスクや半導体メモリなどによって構成される記憶手段であり、決済処理を行う際に参照する課金情報16aが格納されている。この課金情報16aは、画像形成装置1において実行するジョブの設定内容などに応じて課金すべき単価情報を含んでいる。通信処理部17は、決済処理部12及び返金処理部13が電子マネー管理サーバ50と通信を行う際に機能し、通信網9を介して電子マネー管理サーバ50とのデータ通信を行う。
また図3に示すように、上述したスキャナ部2およびADF3は画像形成装置1における画像読取部18を構成している。またプリンタ部5および給紙部6は画像形成装置1における画像形成部19を構成している。画像読取部18および画像形成部19がジョブ制御部11の制御に基づいて動作することにより、画像形成装置1は、利用者によって指定されたジョブを実行し、コピーサービスやスキャナサービス、プリントサービス、FAX送信サービスなどの各サービスを利用者に提供する。
以下、画像形成装置1が利用者に対してコピーサービスを提供する場合を例に挙げ、本実施形態における画像形成装置1の動作を説明する。本実施形態では、まず画像形成装置1がコピー対象の原稿を全て読み取った後、利用者が操作パネル4を介して入力した印刷設定などに基づいて出力枚数を算出し、決済すべき金額(決済額)を求める。そして利用者が所持する電子マネー端末20から非接触状態で決済額分の電子マネーを決済処理し、正常に決済処理が行われれば、印刷処理を開始する。この印刷処理を正常に完了することができれば、事前決済した決済額はサービス提供分と同額であるので残金は発生しない。しかし、印刷処理を開始してから最後の出力用紙を印刷するまでの間に、利用者がジョブの強制終了を指示した場合、或いは、サービスマンエラーなどが発生して画像形成装置1が印刷処理を継続することができない状態となった場合、画像形成装置1はジョブの実行を途中で終了する。この場合、サービス未提供分の残金が発生するので、画像形成装置1は返金処理部13を機能させ、ジョブが途中終了することに伴って発生する残金の返金処理を自動で行うことにより、画像形成装置1にはサービス未提供分の残金が残らないようにしている。以下、さらに詳しく説明する。
図4乃至図6は、本実施形態における画像形成装置1の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、主に上述した全体制御部10によって行われる。この処理が開始される前の状態では、画像形成装置1は、操作パネル4に対して初期画面を表示している。図7は、操作パネル4の初期画面21の一例を示す図である。この初期画面21は、利用者が原稿のコピーを行うために詳細なジョブ設定を行う画面となっており、部数設定欄21aや原稿設定欄21b、カラー設定欄21c、出力用紙設定欄21dなどが表示されている。また表示部4aの右側には、図7に示すように押しボタン式の操作キーとして、テンキー31やスタートキー32、ストップキー33、キャンセルキー34などが設けられている。利用者は、この初期画面21が表示されている状態で操作パネル4を操作することにより、コピーを行うための詳細なジョブ設定を行う。例えば、テンキー31を操作することにより部数設定欄21aにコピー部数を設定することができる。また表示部4aに対して直接操作することにより、タッチパネルキーがその操作を検知するので、原稿設定欄21b、カラー設定欄21cおよび出力用紙設定欄21dなどの各欄を設定することができる。利用者は、ジョブの設定操作を終えた場合、原稿をADF3にセットしてスタートキー32を押下すれば、画像形成装置1にジョブの実行を指示することができる。ストップキー33は、画像形成装置1においてジョブの実行を開始した後、利用者がそのジョブの実行を途中で強制終了させるためのキーである。またキャンセルキー34は、利用者が設定したジョブの設定内容を解除し、各設定欄を初期設定に戻すためのキーである。
画像形成装置1は、図4のフローチャートを開始すると、利用者が上記のようにしてスタートキー32を押下することによりジョブの実行指示が与えられるまで待機する(ステップS100)。そしてジョブの実行指示が与えられると(ステップS100でYES)、画像形成装置1は、原稿の読み取り動作を開始する(ステップS101)。ここではジョブ制御部11の制御により画像読取部18が作動し、原稿の読み取り動作が行われる。この原稿読み取り動作では、ADF3にセットされた全ての原稿の読み取りが完了するまで行われる。そして全ての原稿の読み取り動作が完了すると、決済処理部12が機能し、ジョブの設定情報に基づいて出力枚数を計算する(ステップS102)。そして決済処理部12は、その算出した出力枚数と、印刷モード毎に予め設定されている課金単価とに基づき、ジョブの実行を行ってサービスを提供するのに要する金額(決済額)を算出する(ステップS103)。そして決済処理部12は、算出した決済額を操作パネル4の表示部4aに表示する(ステップS104)。
図8は、決済額算出後に操作パネル4に表示される決済額表示画面の一例を示す図である。この画面では、画像形成装置1の利用者に対し、指定されたジョブの実行に要する金額の表示が行われると共に、決算処理を行うために利用者が所持している電子マネー端末20を電子マネー情報読取装置8にかざすことを促す表示が行われる。このような表示が行われると、利用者は、電子マネー端末20を所持していればその電子マネー端末20を電子マネー情報読取装置8にかざして決済処理を行うための操作をする。また、利用者が電子マネー端末20を所持していない場合には、その利用者はキャンセルキー34を押下し、設定したジョブをキャンセルする。
画像形成装置1は、図8のような画面を表示すると、利用者が電子マネー情報読取装置8の読取部8aに電子マネー端末20をかざしたか否かを判断する(ステップS105)。ここで利用者が電子マネー端末20を電子マネー情報読取装置8に対してかざしていない場合(ステップS105でNO)、画像形成装置1は、さらに利用者がキャンセルキー34を操作したか否かを判断する(ステップS106)。そして利用者がキャンセルキー34を操作した場合(ステップS106でYES)、画像形成装置1は、利用者によって設定されたジョブを破棄し(ステップS107)、処理を終了する。これに対し、利用者がキャンセルキー34の操作をしていない場合(ステップS106でNO)、ステップS105に戻り、利用者が電子マネー端末20を電子マネー情報読取装置8に提示する操作を行うか、或いは、キャンセルキー34を操作するまで、ステップS105およびS106をループする。
そして利用者が電子マネー端末20を電子マネー情報読取装置8に提示した場合(ステップS105でYES)、画像形成装置1の全体制御部10において決済処理部12が機能し、電子マネー情報読取装置8を介して利用者が提示している電子マネー端末20から非接触で電子マネー情報を読み取る(ステップS108)。このとき、利用者によって提示されている電子マネー端末20の識別情報と、電子マネーの残金情報の取得が行われる。またこのとき、決済処理部12は電子マネー管理サーバ50との通信を行うことにより、利用者が提示した電子マネー端末20が適正なカードであるか否かの判断を行うが、これについての手順は図示を省略しており、適正な電子マネー端末20あった場合にこれ以降の処理に進んで決済処理が行われる。
決済処理に進むと、決済処理部12は、利用者が提示した電子マネー端末20に記録されている電子マネーの残金がサービス提供に要する算出金額(決済額)以上であるか否かを判断する(ステップS109)。そして残金が算出金額以上である場合(ステップS109でYES)、決済処理部12は、利用者が提示している電子マネー端末20から算出金額分の電子マネーを引き落とすことにより、決済処理を行う(ステップS110)。このとき必要に応じて決済処理部12は、電子マネー管理サーバ50と通信を行い、算出金額分の電子マネーを決済したことを通知する。そして決済処理が正常に完了すると、ジョブ制御部11が機能することによって画像形成部19を作動させ、印刷処理(ステップS111)を開始する。一方、利用者が提示した電子マネー端末20の残金が算出金額未満であった場合(ステップS109でNO)、画像形成装置1は、利用者によって設定されたジョブを破棄し(ステップS107)、処理を終了する。
図5は、印刷処理(ステップS111)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。この印刷処理に進むと、ジョブ制御部11は画像形成部19に対して印刷用の画像データを出力し、給紙部6およびプリンタ部5のそれぞれを制御することによって画像形成部19での印刷処理を開始する(ステップS120)。これにより、画像形成部19は、利用者が印刷中止を指示する場合および画像形成装置1においてサービスマンエラーなどが発生して印刷処理を継続することができなる場合を除き、ステップS102で計算された出力枚数分の印刷処理が終了するまで印刷動作を続行する。
ジョブ制御部11は、画像形成部19による印刷処理を開始した後、印刷を中止すべき状況が発生したかを判断し(ステップS121)、印刷を中止すべき状況が発生していない場合(ステップS121でNO)には、画像形成部19による印刷処理が正常に完了したかを判断する(ステップS122)。ジョブ制御部11は、このステップS121およびS122の判断を繰り返し行い、印刷処理が正常に完了した場合(ステップS122でYES)には処理を終了する。この場合、ステップS102で計算された印刷枚数分の印刷が正常に行われたことになるので、図4のステップS110で決済した金額にサービス未提供分の残金は生じない。よって、この場合、画像形成装置1はそのまま全ての処理を終了する。
一方、ステップS120で開始した印刷処理が正常に完了するまでの間に、印刷を中止すべき状況が発生した場合(ステップS121でYES)、ジョブ制御部11は、画像形成部19の動作を停止させ、印刷処理を途中で終了させる(ステップS123)。ここで印刷を中止すべき状況とは、例えば利用者が操作パネル4のストップキー33が押して、印刷処理を強制的に終了させる指示を行った場合や、印刷処理中にトナーが無くなり、印刷処理を続行させることができなくなった場合などである。このような状況が発生した場合、ジョブ制御部11は、ジョブの実行を途中終了して印刷処理を終了する。このとき、未実行分のジョブは破棄しても良い。
このような場合、ステップS102で計算された印刷枚数分の印刷は完了しておらず、図4のステップS110で決済した金額にはサービス未提供分の残金が発生する。よって、この場合はジョブの実行を終了した後、画像形成装置1において返金処理部13が機能し、利用者に対して残金を返金するための返金処理を実行する(ステップS124)。
図6は、この返金処理(ステップS124)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。返金処理部13が返金処理(ステップS124)を開始すると、まず返金額の計算を行う(ステップS130)。すなわち、実際に印刷出力を行った枚数と単価情報とに基づいてサービス提供分の金額を計算し、このサービス提供分の金額を決済処理した金額(決済額)から減算することにより、サービス未提供分の返金額を算出する。そして返金処理部13は、通信処理部17を介して電子マネー管理サーバ50にアクセスし、電子マネー管理サーバ50に返金額を通知して利用者に返金することを要求する(ステップS131)。つまり、本実施形態では、利用者が所持する電子マネー端末20に対して返金処理を行うのではなく、電子マネーを管理する電子マネー管理サーバ50に対して返金処理を行う。これにより、利用者が返金のために自身の電子マネー端末20を再び電子マネー情報読取装置8にかざすことを忘れた場合でも、電子マネー管理サーバ50に対して自動的に、かつ、確実に返金処理を行うことができ、画像形成装置1にサービス未提供分の残金が残ることを防止できる。
電子マネー管理サーバ50は、画像形成装置1から通信網9を介して返金要求を受信すると、その返金額に基づいて利用者に返金すべき電子マネーがあることを把握する。電子マネー管理サーバ50は、この返金すべき電子マネーを管理し、例えば利用者が自身の電子マネー端末20を操作して電子マネー管理サーバ50にアクセスしてきた場合、その電子マネー端末20に記録されている電子マネー残金に返金額を加算して書き換えることにより、返金額を利用者の電子マネー端末20に反映する。つまり、本実施形態では、画像形成装置1が電子マネー管理サーバ50に返金額を通知した時点では、利用者が所持する電子マネー端末20への返金が完了しておらず、その返金を正常に完了させるためには、画像形成装置1が電子マネー管理サーバ50に返金額を通知した後に、利用者がその返金額を自身の電子マネー端末20に反映させるための操作を別途行う必要がある。
そのため、画像形成装置1は、電子マネー管理サーバ50に対して返金額を通知した後、利用者に対し、返金がある旨および電子マネー管理サーバ50にアクセスするための情報を通知するための通知処理を行う(ステップS132)。この通知処理には、種々の態様があるが、例えば画像形成部19が印刷出力可能な状態であれば、電子マネー管理サーバ50にアクセスするためのアクセス情報を印刷して出力することにより、利用者にアクセス情報を提供する。例えば、利用者が10枚の原稿をコピーするジョブの実行を指示した後、3枚のコピー出力(印刷出力)が行われた時点でストップキー33を押下してジョブの実行を強制終了させた場合、画像形成装置1は3枚のコピー出力が終了した後、4枚目の出力紙に対してアクセス情報を印刷して出力する。
図9は、このようにしてアクセス情報が印刷された出力用紙41の一例を示す図である。図9に示すように、この出力用紙41には、利用者に対して返金があることを示す表記と、アクセス情報42と印刷されている。図例では、アクセス情報42は、携帯電話機などで読み取り可能な二次元バーコードとして印刷される場合を示している。そのため、利用者がこの出力用紙41を確認し、アクセス情報42として記された二次元バーコードを電子マネー端末20などで読み取れば、電子マネー管理サーバ50にアクセスすることができるようになり、画像形成装置1によって返金された返金額を利用者自身の電子マネー端末20に反映させるための操作を簡単に行うことができるようになる。ただし、アクセス情報42は、必ずしも二次元バーコードに限られるものではなく、例えば電子マネー管理サーバ50にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)などの情報であっても良い。
このように画像形成装置1がアクセス情報42を印刷して出力することにより、利用者は、画像形成装置1から排出される出力用紙の全てを取り出し、各用紙に印刷された内容をその場で確認するか、或いは持ち帰って確認すると考えられるので、電子マネー管理サーバ50にアクセスするためのアクセス情報42を確実に利用者に伝えることができる。
一方、画像形成装置1がジョブの実行を途中終了したとき、例えば画像形成部19が印刷出力できない状態であれば、上記のようにアクセス情報42を印刷することはできない。それ故、画像形成装置1は、利用者への通知処理(ステップS132)を行う際、アクセス情報42を印刷出力することができない場合、例えば電子マネー管理サーバ50に登録されている利用者の電子メールアドレスなどを電子マネー管理サーバ50から取得し、そのアドレスに対してメッセージを送信することなどによって通知処理を行う。この場合、利用者のアドレスに送信するメッセージに、上述したアクセス情報42が含まれる。したがって、画像形成装置1が、印刷出力することができない状況であっても、利用者に対して返金があること、および、電子マネー管理サーバ50にアクセスするためのアクセス情報42を確実に伝えることができるようになる。
上記のように画像形成装置1が利用者への通知処理(ステップS132)を行うことにより、画像形成装置1が電子マネー管理サーバ50に返金額を通知した後、利用者がその返金額を自身の電子マネー端末20に反映させるための操作を確実に行うことができるようになるので、画像形成装置1にサービス未提供分の残金が発生した場合でもその残金を確実に利用者に返金することができるようになる。以上で全ての処理が終了する。
このように本実施形態の画像形成装置1は、電子マネーを記録した電子マネー端末20から非接触で電子マネー決済を行うように構成されており、ジョブの実行に先立ち、そのジョブの実行に要する金額を算出して決済処理を行う。そして決済処理を行った後、利用者によって指定されたジョブの実行を開始するが、その実行を開始したジョブが途中終了したときには、事前決済した決済額が、実際にジョブを実行してサービスを提供した金額を超えることとなるので、画像形成装置1は、サービス未提供分の返金額を算出して返金処理を行うように構成されている。特に本実施形態においてこの返金処理は、利用者が所持する電子マネー端末20に対して行うのではなく、電子マネーを管理する電子マネー管理サーバ50に対して行うので、画像形成装置1において残金が発生した時点で速やかに返金処理を行うことができ、画像形成装置1に残金が保持され続けることがなくなるので、他の利用者に残金が消費されることを防止できるようになる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。本実施形態では、利用者が画像形成装置1を利用する際に予め決済額を決定して入力し、画像形成装置1はその入力した決済額に基づいて利用者が提示する電子マネー端末20から非接触で決済処理を行い、その後、利用者によって指定されるジョブを実行してコピーサービスなどのサービスを提供する形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成装置1の詳細構成などは、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
次に第2の実施の形態について説明する。本実施形態では、利用者が画像形成装置1を利用する際に予め決済額を決定して入力し、画像形成装置1はその入力した決済額に基づいて利用者が提示する電子マネー端末20から非接触で決済処理を行い、その後、利用者によって指定されるジョブを実行してコピーサービスなどのサービスを提供する形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成装置1の詳細構成などは、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
上述した第1の実施の形態は、全ての原稿の読み取り動作を行った後、ジョブの設定などに基づいて利用者によって指定されたジョブを正常終了させるために要する金額を決済額として算出し、その決済額を事前決済する形態である。それ故、第1の実施の形態においてサービス未提供分の残金が発生する場合は、実行するジョブが正常終了するのではなく、途中終了する場合である。
これに対し、本実施形態では、利用者が予め決定して入力した決済額に基づいて事前決済を行うため、ジョブの実行中にサービス提供料が決済額を超える場合がある。そのため、画像形成装置1は、ジョブの実行に伴い、サービス提供料が事前決済した決済額を超えることとなれば、そのジョブの実行を途中了する。この場合、事前決済した決済額には、ジョブ単価以下の額がサービス未提供分の残金として発生する可能性がある。また、利用者によって指定されたジョブを正常終了した場合でも、それによるサービス提供料が決済額に満たないこともあり、この場合にもサービス未提供分の残金が発生する。本実施形態の画像形成装置1は、上記のような場合に発生する残金を利用者に対して確実に返金するものである。以下、本実施形態の画像形成装置1の動作についてさらに詳細に説明する。
図10乃至図12は、本実施形態における画像形成装置1の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、主に上述した全体制御部10によって行われる。この処理が開始されると、画像形成装置1は、操作パネル4に対して決済額入力画面を表示する(ステップS200)。図13は、このとき操作パネル4に表示される決済額入力画面の一例を示す図である。図13に示すように、この決済額入力画面では、利用者に対して決済額を入力し、電子マネー端末20を電子マネー情報読取装置8にかざすことを促す表示が行われる。また画面中央部には利用者が入力する決済額を表示するための決済額表示欄22aが表示され、画面下部には利用者が入力した決済額を確定するためのOKボタン22bが表示される。このような決済額入力画面が表示されている状態で、利用者は、例えばテンキー31を操作することによって決済額を入力する。このとき入力される決済額は決済額表示欄22aに反映して表示され、利用者は入力した決済額を確認することができる。そして確認した決済額で事前決済を行う場合、利用者はOKボタン22bを押下する。よって、本実施形態では、操作パネル4が、決済額を入力するための入力手段となっている。
画像形成装置1は、上記のような決済額入力画面を表示した状態で利用者による決済額の入力操作を受け付ける(ステップS201)。そして利用者がOKボタン22bを押下した場合には、電子マネー端末20が電子マネー情報読取装置8の読取部8aの近傍に提示されたか否かを判断する(ステップS202)。ここで電子マネー端末20が提示されていなければ(ステップS202でNO)、利用者によってキャンセルキー34が押下されたか否かを判断する(ステップS203)。そしてキャンセルキー34が押下されていなければ、利用者によって電子マネー端末20が提示されるのを待機する状態とするため、ステップS202に戻る。またキャンセルキー34が押下された場合には、ステップS200に戻って初期状態となり、決済額入力画面を表示する状態となる。
一方、決済額を入力した利用者が、電子マネー端末20を電子マネー情報読取装置8に提示した場合(ステップS202でYES)、画像形成装置1の全体制御部10において決済処理部12が機能し、電子マネー情報読取装置8を介して利用者が提示している電子マネー端末20から非接触で電子マネー情報を読み取る(ステップS204)。このとき、利用者によって提示されている電子マネー端末20の識別情報と、電子マネーの残金情報の取得が行われる。そして決済処理部12は電子マネー管理サーバ50との通信を行うことにより、利用者が提示した電子マネー端末20が適正なカードであるか否かの判断を行うが、これについての手順は図示を省略しており、適正な電子マネー端末20あった場合にこれ以降の処理に進んで決済処理が行われる。
決済処理に進むと、決済処理部12は、利用者が提示した電子マネー端末20に記録されている電子マネーの残金が、利用者によって入力された決済額以上であるか否かを判断する(ステップS205)。このとき、電子マネーの残金が決済額未満であれば(ステップS205でNO)、ステップS200に戻って初期状態となり、操作パネル4に決済額入力画面を表示する状態となる。これに対し、電子マネーの残金が決済額以上である場合(ステップS205でYES)、決済処理部12は、利用者が提示している電子マネー端末20から決済額分の電子マネーを引き落とすことにより、決済処理を行う(ステップS206)。つまり、ステップS206では、利用者が入力した決済額に基づいて事前決済が行われる。尚、本実施形態では、この決済額をPとする。そして、このとき必要に応じて決済処理部12は、電子マネー管理サーバ50と通信を行い、決済額分の電子マネーを決済したことを通知する。このような決済処理が正常に完了すると、ジョブ制御部11が機能し、操作パネル4にジョブの設定操作を行うための画面を表示し、利用者によるジョブの設定操作を受け付ける。そして利用者がスタートキー32を押下することによるジョブの実行指示を待機する状態となる(ステップS207)。尚、以下においても利用者が原稿のコピーを行うことを指定してジョブの実行指示を与えた場合を例示する。
利用者によってジョブの実行指示が与えられると(ステップS207でYES)、画像形成装置1は、原稿の読み取り動作を開始する(ステップS208)。ここではジョブ制御部11の制御により画像読取部18が作動し、原稿の読み取り動作が行われる。この原稿読み取り動作では、例えばADF3にセットされている全ての原稿の読み取りが完了するまで行われる。そして全ての原稿の読み取り動作が完了すると、決済処理部12が機能し、ジョブの設定情報に基づいて出力枚数を計算する(ステップS209)。このとき算出される出力枚数をNとする。
図11のフローチャートに進み、決済処理部12は、記憶部16に記憶されている課金情報16aから印刷モード毎に予め設定されている課金単価を読み出し、ジョブの設定に基づいた出力単価Cを取得する(ステップS210)。そして決済処理部12は、印刷枚数を示すMの値を1に初期化する(ステップS211)。
そして決済処理部12は、印刷枚数Mが出力枚数N未満であるかを判断する(ステップS212)。ここでは、今回行おうとするM枚目の印刷により印刷枚数Mが、予定された出力枚数Nを超えていなければYESとなり、印刷枚数Mが出力枚数Nを超えた場合にNOとなる。そして印刷枚数Mが出力枚数Nを超えていない場合、次に決済処理部12は、今回のM枚目の印刷を行うことによるサービス提供料(すなわち、印刷枚数M×出力単価C)が決済額P以下であるかを判断する(ステップS213)。そしてサービス提供料が決済額P以下であれば(ステップS213でYES)、ジョブ制御部11に対してMページ目の印刷指示を行うことにより、ジョブ制御部11が、画像形成部19を制御してMページ目の印刷処理を開始する(ステップS214)。画像形成装置1においてMページ目の印刷処理が開始されると、決済処理部12は、印刷枚数Mの値に1加算し、印刷枚数をインクリメントする(ステップS215)。そしてステップS212に戻る。このようにしてステップS212〜S215の処理を繰り返し実行することにより、画像形成装置1は、1ページ目から順に印刷処理を行い、コピー出力を行っていく。
そしてステップS212〜S215のループ処理を実行中、印刷枚数Mが出力枚数Nよりも大きな値となると、予定された出力枚数N分のコピー出力が全て完了したことになるので、ステップS212の判断はNOとなり、ステップS212〜S215のループ処理を抜けてステップS217に進む。また、ステップS212〜S215のループ処理を実行中、サービス提供料(すなわち、印刷枚数M×出力単価C)が決済額Pを超えることとなった場合、それ以降のサービスを提供するには事前決済した決済額Pが不足しているので、ステップS213の判断はNOとなり、ステップS212〜S215のループ処理を抜けてステップS216に進む。ステップS212又はS213における判断がNOとなり、ステップS212〜S215のループ処理を抜ける場合、ジョブ制御部11は、ジョブの実行を終了する。特に、決済額Pが不足している場合(ステップS213でNO)、ジョブ制御部11は、ジョブの実行を途中終了した後、印刷処理の行われなかった残りのジョブを破棄する(ステップS216)。そしてステップS217に進む。
ステップS217に進むと、画像形成装置1では返金処理部13が機能する。返金処理部13は、画像形成装置1において実際に印刷が行われた枚数を算出するため、現在の印刷枚数Mの値を1減算する(ステップS217)。つまり、ステップS215でインクリメントされた印刷枚数Mの値に基づくM枚目の印刷処理は、画像形成装置1において行われていないため、印刷枚数Mの値を1減算することにより、印刷枚数Mは画像形成装置1において実際に印刷が行われた枚数となる。
そして返金処理部13は、事前決済した決済額Pにサービス未提供分の残金があるか田舎を確認する(ステップS218)。具体的には、画像形成装置1が実際にサービスを提供したサービス提供料(すなわち、印刷枚数M×出力単価C)が決済額P未満であるか否かを判断し、実際のサービス提供料が決済額Pに満たない場合(ステップS218でYES)、その差額が残金として発生しており、利用者に返金する必要があるので、返金処理部13が返金処理を実行する(ステップS219)。これに対し、実際のサービス提供料が決済額P以上である場合(より厳密には、サービス提供料が決済額Pと同額である場合)、事前決済した決済額Pにはサービス未提供分の残金は発生していないため、ステップS218でNOとなり、処理を終了する。
図12は、返金処理(ステップS219)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。返金処理部13が返金処理(ステップS219)を開始すると、まず返金額の計算を行う(ステップS230)。算出する返金額をRとすると、返金額Rは、R=P−M*Cにより算出することができる。すなわち、実際に印刷出力を行った印刷枚数Mと出力単価Cとに基づいてサービス提供分の金額(M*C)を計算し、このサービス提供分の金額(M*C)を事前決済した決済額Pから減算することにより、サービス未提供分の返金額Rを算出する。そして返金処理部13は、通信処理部17を介して電子マネー管理サーバ50にアクセスし、電子マネー管理サーバ50に返金額Rを通知して利用者に返金することを要求する(ステップS231)。つまり、本実施形態においても、第1の実施の形態と同様に、利用者が所持する電子マネー端末20に対して返金処理を行うのではなく、電子マネーを管理する電子マネー管理サーバ50に対して返金処理を行う。これにより、利用者が返金のために自身の電子マネー端末20を再び電子マネー情報読取装置8にかざすことを忘れた場合でも、電子マネー管理サーバ50に対して自動的に、かつ、確実に返金処理を行うことができ、画像形成装置1にサービス未提供分の残金が残ることを防止できる。
そして返金処理部13は、電子マネー管理サーバ50に対して返金額を通知した後、利用者に対し、返金がある旨および電子マネー管理サーバ50にアクセスするための情報を通知するための通知処理を行う(ステップS232)。この通知処理には、種々の態様があるが、第1の実施の形態と同様に、電子マネー管理サーバ50にアクセスするためのアクセス情報を印刷して出力することによって通知しても良いし、また利用者の電子メールアドレスに対して電子メールを送信することによって通知しても良い。このような通知処理により、利用者に対して返金があること、および、電子マネー管理サーバ50にアクセスするためのアクセス情報42を確実に伝えることができるようになる。そして画像形成装置1が利用者への通知処理(ステップS232)を行うことにより、画像形成装置1が電子マネー管理サーバ50に返金額Rを通知した後、利用者がその返金額Rを自身の電子マネー端末20に反映させるための操作を確実に行うことができるようになるので、画像形成装置1にサービス未提供分の残金が発生した場合でもその残金を確実に利用者に返金することができるようになる。以上で全ての処理が終了する。
このように本実施形態の画像形成装置1は、電子マネーを記録した電子マネー端末20から非接触で電子マネー決済を行うように構成されており、ジョブの実行に先立ち、利用者が操作パネル4を介して入力する決済額に基づいて決済処理を行う。そして決済処理を行った後、利用者によって指定されたジョブの実行を開始するが、その実行を開始したジョブが終了したときには、事前決済した決済額にサービス未提供分の残金が発生しているか否かを判断し、残金がある場合、その残金を返金額Rとして返金処理を行うように構成されている。そして本実施形態においても返金処理は、利用者が所持する電子マネー端末20に対して行うのではなく、電子マネーを管理する電子マネー管理サーバ50に対して行うので、画像形成装置1において残金が発生した時点で速やかに返金処理を行うことができ、画像形成装置1に残金が保持され続けることがなくなるので、他の利用者に残金が消費されることを防止できるようになる。
(変形例)
以上、本発明に関するいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、画像形成装置1で実行するジョブの一例としてコピージョブの場合を説明したが、上述した画像形成装置1で実行可能なジョブとしては、上述のコピージョブの他にも、例えばプリントジョブ、スキャンジョブ、FAX送信ジョブなどがある。これら他のジョブを実行してサービスを提供する場合でも、事前決済を行う場合はジョブの実行が終了した時点でサービス未提供分の残金が発生する場合がある。上述した第1および第2の実施の形態における返金方法は、そのような他のジョブを実行する場合に発生する残金を返金する際にも適用可能であることは言うまでもない。
以上、本発明に関するいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、画像形成装置1で実行するジョブの一例としてコピージョブの場合を説明したが、上述した画像形成装置1で実行可能なジョブとしては、上述のコピージョブの他にも、例えばプリントジョブ、スキャンジョブ、FAX送信ジョブなどがある。これら他のジョブを実行してサービスを提供する場合でも、事前決済を行う場合はジョブの実行が終了した時点でサービス未提供分の残金が発生する場合がある。上述した第1および第2の実施の形態における返金方法は、そのような他のジョブを実行する場合に発生する残金を返金する際にも適用可能であることは言うまでもない。
また上述した実施形態では、電子マネー端末20が携帯電話機である場合を例示したが、これに限られるものではなく、例えばICカードであっても良いし、他の記録媒体であっても良い。
1 画像形成装置
4 操作パネル(入力手段)
8 電子マネー情報読取装置(電子マネー情報読取手段)
10 全体制御部
11 ジョブ制御部(ジョブ制御手段)
12 決済処理部(決済処理手段)
13 返金処理部(返金処理手段)
16 記憶部(記憶手段)
17 通信処理部(通信手段)
18 画像読取部
19 画像形成部
20 電子マネー端末
4 操作パネル(入力手段)
8 電子マネー情報読取装置(電子マネー情報読取手段)
10 全体制御部
11 ジョブ制御部(ジョブ制御手段)
12 決済処理部(決済処理手段)
13 返金処理部(返金処理手段)
16 記憶部(記憶手段)
17 通信処理部(通信手段)
18 画像読取部
19 画像形成部
20 電子マネー端末
Claims (7)
- 電子マネーを記録した電子マネー端末と非接触で電子マネー情報の送受信を行う電子マネー情報読取手段と、
前記電子マネー情報読取手段を介して電子マネー端末に記録されている電子マネーでの決済処理を行う決済処理手段と、
前記決済処理手段による決済処理が完了してから、指定されたジョブの実行を開始するジョブ制御手段と、
前記ジョブ制御手段により実行開始されたジョブが終了したとき、前記決済処理手段によって決済された決済額が、実際にジョブを実行してサービスを提供した金額を超える場合、返金額を算出して返金処理を行う返金処理手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記決済処理手段は、指定されたジョブを正常終了させるために要する金額を決済額として算出し、該決済額に基づいて決済処理を行い、
前記ジョブ制御手段は、ジョブの実行を開始した後、ジョブの実行を途中終了させる指示を入力した場合、又は、ジョブの実行を妨げる異常が発生した場合、実行中のジョブを途中終了させ、
前記返金処理手段は、前記ジョブ制御手段が実行中のジョブを途中終了させた場合、前記決済額のうちのサービス未提供分の返金額を算出して返金処理を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 決済額を入力する入力手段をさらに備え、
前記決済処理手段は、前記入力手段から入力する決済額に基づいて決済処理を行い、
前記返金処理手段は、前記ジョブ制御手段によるジョブの実行が終了したとき、前記決済額のうちのサービス未提供分の返金額を算出して返済処理を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 電子マネー端末に記録される電子マネーを管理するための電子マネー管理サーバと通信を行う通信手段をさらに備え、
前記返金処理手段は、返金処理を行う際、前記通信手段を介して前記電子マネー管理サーバに対して返金額の返金を要求することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記返金処理手段は、返金処理を行った場合、前記電子マネー管理サーバにアクセスするためのアクセス情報を印刷出力することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 前記返金処理手段は、返金処理を行った場合、利用者に対して、サービス提供分の返金額を返金した旨の通知を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 電子マネーを記録した電子マネー端末との間で、非接触で電子マネー決済を行う画像形成装置においてサービス未提供分の電子マネーを返金する方法であって、
前記電子マネー端末から非接触で電子マネー情報を読み取る工程と、
前記電子マネー端末に記録されている電子マネーにより、予め決定された決済額の決済処理を行う工程と、
前記決済額の決済処理が完了してから、指定されたジョブの実行を開始する工程と、
前記ジョブの実行が終了したとき、前記決済額が、実際にジョブを実行してサービスを提供した金額を超える場合、返金額を算出して返金処理を行う工程と、
を有することを特徴とする画像形成装置における電子マネー返金方法。
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