以下の考察や図面、実例を参照すると、開示されたシステムや装置への取り組みが、詳細に示されている。図面は、いくつかの可能性のある取り組みを表しているが、図面は必ずしもスケールが必要でない。ある図面は、誇張され、移動され、又はよりよく図解するために部分的に切断されて、本発明を説明している。さらに、ここに説明される上記記載は、請求の範囲を、限定し、又は他の制限をし、又は減縮して、明らかな形や図面に示された配置や、そして以下の詳細な説明に開示されたものにすることを意味するものではない。
さらに以下の考察に取り入れられた多くの定数がある。あるケースでは、定数の説明に役立つ値が与えられる。他のケースでは、特定の値が与えられない。定数の値は、関連するハードウェアの特性、環境条件や開示されたシステムに関連する操作条件ばかりでなく、互いにその特性の相互関係に依存する。
以下の考察を容易にするために、取り入れられる要素番号の最初の数字は、概して、その要素が最初に取り入れられる図番号に対応する。例えば、車両100は、図1に最初に取り入れられている。
実例の環境での典型的な油圧駆動システムの概観
図1は、典型的な油圧駆動システム102(モータ車両(動力車)100で使用される時、本発明の譲受人の登録商標ハイドローリック ランチ アシストHydraulic Launch Assist又はHLAとして知られている)を備えた車両100を図解している。油圧駆動システム102の、より詳細な概要は、図2に示されており、以下、詳細に説明される。
車両100は、四輪後駆動104で、前輪106は駆動されない。他の説明される実施形態では、全ての車輪が駆動輪でもよい。さらに、より多い車輪、又は、より少ない車輪が、車両100にあってもよい。車輪104及び106のそれぞれと関連する操作で、従来型の車輪ブレーキ108であってもよい。好ましくは、車輪ブレーキ108は、よく知られたタイプで、商業的に利用可能な、全体がエレクトロ−ハイドローリック ブレーキ(EHB)システムの一部である。
車両100は、概して、参照符号110で示す車両駆動システムを含む。車両駆動システム110は、車両エンジン112、トランスミッション114、油圧駆動システム102を含む。トランスミッション114は、操作時にエンジン112に接続され、エンジン112によって発生するトルクを車輪104に伝達する。トランスミッション114は、以下により詳細に説明するように、油圧駆動システム102と相互に作用する。駆動システム110の配置は、さまざまな方法で変更可能であるのと同様に、エンジン112及びトランスミッション114の特別のタイプ及びその構造は、以下に詳述される。例えば、車両100は、「エンジン」として通常考えられるものと使用するために、特別に制限されない。それゆえ、当然のことながら、「エンジン」への言及は、如何なるタイプの動力源又は他の原動機をも意味し、含む。最後に、油圧駆動システム102は、車両駆動システム110と接続されて図示され、説明されているけれども、車両の一部であろうとなかろうと、ここに図示され、記載されているいかなるタイプの油圧駆動システムとも有効に使用される。
トランスミッション114から後方に延び、また、車両駆動システム110の部分を形成するものは、駆動系であり、概して、116で指定されている。図示のシステム100において、例としてのみ、駆動系116は、前方ドライブシャフト118、中間ドライブシャフト(ここでは図示していないが、図2で要素202として示されている)、後方ドライブシャフト120、ホイール間ディファレンシャル122、左右後車軸124、126を含む。駆動系116は、何の制限もなく、全体の車両駆動システム110の理解を容易にするために、主として、前記シャフト118、202、120、124及び126を含むものとして図示され、記載されていることは、本明細書の解釈から、当業者には理解されるであろう。例えば、より少ない、又は、より多くのシャフトがあってもよく、このシャフトは、永久的に、又は、選択的に互いに接続されてよい。
油圧駆動システム102の典型的配置は、図2に詳細に示されている。特に、図2は、システム102の種々の要素の典型的な配置と、それらの互いの物理的関係を概略的に示している。上で述べたように、開示された配置は、単に記載を容易にするものであり、その配置が制限されるものではない。さらに、ある要素は、油圧駆動システム102の繰り返し操作を制限することなく、加えてもよいし、取り外してもよい。図2は、多くのセンサ、スイッチ、及びソレノイドを含んでいる。
図1,2を参照すると、機械的エネルギーの流れに寄与する既に記載した要素に加えて、上に述べたように、駆動システム110は、また、油圧駆動システム102を含んでいる。油圧駆動システム102は、油圧エネルギーの貯蔵と開放(放出)を指示される。トランスファーケース128内のクラッチ208は、以下により詳細に説明するように、機械的エネルギーと油圧エネルギー間の転換でのインターフェースの供給を助ける。
概略図1,2において、油圧駆動システム102は、トランスファーケース128、油圧ポンプ−モータ130、チャージポンプ204を保持するエンドカバー(図2参照)、複数のバルブ機構222、232、242、246、258、低圧圧力タンク134、フィルタアセンブリ136、高圧アキュムレータ138を含む。低圧圧力タンク134は、アキュムレータ型であるが、高圧アキュムレータ138に対して低圧型である。低圧タンク及び低圧アキュムレータの用語は、要素134に対して交互に用いられる。さらに、アキュムレータ138は、高圧貯蔵装置の例であるが、一方、タンク134は、低圧貯蔵装置の例である。タンクが使われているけれども、油圧駆動システム102は開回路(オープンサーキット)の例である。米国特許第6,971,232号は大気圧にオープンであるタンクより、アキュムレータを使用する閉じられた(クローズド)システムを説明している。米国特許第6,971,232号の内容は、その全体を参照することにより本書に組み込まれる。以下に説明される様々な概念に対して、オープンシステム又はクローズドシステムの何れか一方が使用できる。その結果、図には油圧駆動システム102の概略レイアウトが示されているだけである。
一方、種々の要素が説明の便利のため、特別の物理的構造で示されているが、あらゆる要素が単一の又は一部の構造内にあることが可能である。ただの一例として、モータ−ポンプ130は、エンドカバー132内に組み込まれてもよく、又は、二つの要素とトランスファーケース128は、概略図1に示されるように単一構造内に設置されてもよい。さらに、全ての要素(コンポーネント)又はサブコンポーネント(例 特別な要素)が要求される。例えば、チャージポンプ204が示される一方、実際には、そのようなポンプは、以下に説明されるようにポンプ−モータ130の二重操作の観点で要求されない。例えば、低圧クローズドアキュムレータが大気圧でむしろ低圧タンク134で使用される場合には、チャージポンプは、要求されない。
一般的な用語で、ポンプ−モータ130とエンドカバー132内の要素は、低圧タンク134と高圧アキュムレータ138間の油のような、油圧油の移動のための油圧通路を備える。図1と図2の組合せを使用することを示すように、トランスファ128は、ポンプ−モータ130とチャージポンプ204双方に、機械的に接続されているシャフト206を含む。クラッチ208と歯車装置210は、シャフト202と206間のトルクを選択的に移す。
ポンプ−モータ130は、シャフト206を含む種々のシャフト間の機械的エネルギーと、油圧駆動システム102内の圧力の形式で貯蔵される油圧エネルギー間の、転換のために使用される。ポンプモードでの駆動システム102の通常の操作で、機械的エネルギーは、モータリング(運転)モードの間、油圧エネルギーとして蓄えられ、油圧エネルギーは機械的エネルギーに変換される。プリチャージモードについて、図6に関して以下に説明されるように、機械的エネルギーは、また、ポンプ−モータ130を使用する油圧エネルギーに変換される。
典型的には、油圧駆動システム102を含む駆動システム110は、異なる時間に二つの異なるモードで動作する。再生又はポンプモード(典型的には、減速サイクルで起る)と呼ばれる駆動システム110の第1モードで、車両は、ブレーキ操作による動作信号によって減速する。その時、車両の運動エネルギーは、ポンプとしてポンプ−モータ130を駆動し、低圧タンク130から高圧アキュムレータ138へ油圧油を移送し、駆動系116から付加的なトルクを取り去る。必ずしも必要とされないが、チャージポンプ204を使用する一つの利点は、ポンプ−モータ130内の望ましくないキャビテーションを防止するのに役立つことである。図示のシステム100において、エネルギーは、トルクの形式でホイール104から生じ、車軸124、126、ディファレンシャル122を通り、それからシャフト116、202によって、トランスファーケース128へ伝わる。いくつかのやり方で、ホイール106は、運動エネルギーの同様な回収を可能にするために、適切なシャフティングや、関連する機構を含む。クラッチ208が適用される時、制動エネルギーは、歯車装置210を介して、シャフト206、そして最終的にチャージポンプ204とポンプ−モータ130に移送される。窒素ガスアキュムレータが使用される時、油圧油はアキュムレータ138内で窒素ガスを圧縮し、油圧駆動システム102に圧力を加える。ある環境下で、トランスミッション114、シャフト118を介する、また、中間シャフト202に接続されたエンジン112を使用するポンプモードの再生を始めることが可能である。
ランチ(立ち上がり)アシスト又はモータモード(典型的には、加速モードで起る)と呼ばれる、駆動システム110の第2モードにおいて、高圧アキュムレータ138内の油圧油は、モータとしてのポンプ−モータ130を駆動させるために計量しながら供給される。ポンプ−モータ130は、シャフト206へトルクを働かせるが、それは、歯車装置210、作用させるクラッチ208、それからシャフト206、120、ディファレンシャル122、アクスルシャフト124を介し、そして最後にホイール104へ分配される。下記に詳細に説明されるように、圧力の多くが高圧アキュムレータ138から開放される時、モータモードは停止する。モータモードが再び始められる時、ポンプモードを使用する高圧アキュムレータ138の再生は、起らねばならない。
コントローラ140は、油圧駆動システム102を、少なくとも部分的に制御する。多くの情報入力がコントローラ140によって受信され、ヒューリスティックス、すなわち、論理ルール又はプロセスが、前記入力に適用される。出力があると、それは車両100の駆動システム110の全体の操作との関連で、油圧駆動システム102の操作に影響する。分離したコントローラ140が図示されているけれども、コントローラ140は、電子制御ユニット(ECU)全体、又はエンジン110又はトランスミッション114に関連するECUの一部、又はいくつかの組合せに、組み込まれてもよい。
コントローラ140に使用される油圧駆動システム102に関連する多くの入出力は、図3に示されている。図2に説明されるセンサ又はスイッチのそれぞれに対し、同じセンサ又はスイッチが、図3に示されている。同様に図2に説明されるソレノイドのそれぞれに対し、コントローラ140からの対応する出力が、図3に示されている。図3に示されるように、図2に関連する要素から、コントローラ140が受信するいくつかの入力は、アナログであり、他の入力はデジタル又は時間に関連したものである。同様に、図2に関連する要素へのいくつかの出力は、ある範囲の値であり、事実上、比例しているが、他方、他の出力は、事実上、バイナリである。
更に図3に示すように、分離された電子制御ユニット(ECU)は、車両100内の他のECUと通信するとき、コントローラ140は、車両全体のコントローラエリアネットワーク(CAN)からメッセージ入力を受け、前記CANにメッセージ出力を出す。ソサエティ・オブ・オートモーティブ・エンジニアズ(SAE)によって定められた周知の通信規格は、CANベースの通信に対しては、SAEJ1939である。SAEJ1587は、使用できる他の通信規格であるが、しかし、概してロバスト(robust)でない。さらに、ISO9141Kのような、他の通信規格、又は他の公知の規格が使用されてもよい。以下の種々の入力と関連する技術が、その規格の仕様に従ってJ1939で規定される。
コントローラ140に入力できるCANメッセージの例は表1でわかる。
コントローラ140から出力できるCANメッセージの例は表2でわかる。
図2を参照すると、フイルタアッセンブリ136は、フイルタマニフォールド212、バルブ機構213、フィルタが詰まったときのみ始動するデジタルスイッチ214を含み、弁調節をする。フイルタアッセンブリ136のスイッチ214は、コントローラ140へのデジタル入力の一つとして、図3に記載されている。多くのフイルタアッセンブリ136が、油圧駆動システム102内に使用されてよいことが想像される。一例のアッセンブリ136は、同時係属出願11/408,504に記載されており、それは、その全体が組み込まれた一部継続出願10/828,590及び10/624,805である。
フイルタアッセンブリ136は、油圧駆動システム102の「低圧」側に配置された低圧タンク134のポートと連通している。概して、「低圧」側に関連する導管は、点線によって接近して描かれており、一方、「高圧」側に関連する導管は、要素間の実線で描かれている。部品を構成する要素間に単に配置される内部導管は、「肉太」の線の太さで描かれており、必ずしもシステムの「高圧」側又は「低圧」側に必要な部分ではない。しばしば、それらは、どちらか一方の側を選択的に示している。
典型的な油圧駆動システム102のような油圧駆動システムの関連で、典型的なフイルタアッセンブリ136の操作等は、米国特許第6,971,232号に、より詳細に記載されており、その内容は、参照することによりその全体が本書に組み込まれる。
一例のポンプ−モータ130は、可変配置型である。しかし、ポンプ−モータ130は、多くのタイプの構造を含むが、ベント軸、羽根、又はラジアルピストンに制限されない。本図のポンプ−モータ130において、アクシャルピストン型である。これは、ポンプ−モータ217内に収容される斜板216、及び二つの斜板位置センサ218、220を含む。斜板ポンプ−モータユニット117の角変位を変えることは、何らかの変位変更手段を含むものであり、例えば、図2に221で示されるようなタイプの、少なくとも二液圧サーボアクチュエータ(ストローキングシリンダ)などである。ストローキングシリンダに関する多くの情報は、米国特許第7,076,946号に提供されており、参照することによりその全体が本書に組み込まれる。
図2に概略的に描かれるアクチュエータは、サーボアクチュエータのタイプを制限するものではない。サーボアクチュエータ221は、導管219を経由して典型的な電気−油圧コントローラ(斜板制御バルブ222で表示された電気−油圧コントローラ)の出口に油圧で接続されている。斜板制御バルブ222は、エンドカバー232内に配置される。斜板制御バルブ222の操作は、斜板216の所望の角度と変位にして、必要に応じて導管219を使用するサーボアクチュエータ221へ、システムの「高圧」側で導管から圧力流体を連通させることであり、それら全ては、ポンプ及びモータ技術、特にアクシャルピストンポンプの当業者に一般的に周知である。
サーボアクチュエータ221を適切に制御するために、斜板制御バルブ222は、モータソレノイド224及びポンプソレノイド226を含む。二つのソレノイドは、コントローラ140によって比例制御され、バルブ222及び適切なサーボアクチュエータ221を手段として、モータモードが望まれるときは正の角度位置、ポンプモードが望まれるときは負の角度位置の、何れか一方で、斜板216を位置付けるために使用される。斜板216の角度変位は、位置センサ218又は位置センサ220によって決定され、図3に示されるように、その示度数は、コントローラ140に入力される。典型的には、一方のセンサのみが必要とされ、他のセンサは一方が故障の場合にバックアップとして機能する。しかし、両方のセンサ218,220が、斜板216の角度変位の平均を決定するために、共に用いられてもよい。
ポンプ−モータ217がそのニュートラル位置にあるとき(典型的には、車両がモータモードでもなく、ポンプモードでもない場合)はいつでも、油圧駆動システム102内で、ポンプ−モータ130とアキュムレータ134、138間に、実質的な流れはない。しかし、周知ではあるが、以下に、より詳細に説明されるように、アキュムレータ39と41のそれぞれのプリチャージ(事前供給)のために、油圧駆動システム102は、ポンプモータユニット217がそのニュートラル状態にある間でさえ、「加圧されている」状態にある。ポンプ−モータユニット217がそのニュートラル状態にある時、理想的には、斜板216は角度変位が0である。実際には、角度0の変位又はその代わりから斜板216の偏りのため、無効果となるが、一方、偏るセンサ218及び/又は220からの信号の結果、斜板216はその正しい方向にある。その結果、斜板216の実際の位置あるいは測定に関して偏りに注意を向けることが望ましい。偏り(偏位)を減少させる機構は、以下に触れられる。
斜板制御バルブ222に加えて、エンドカバー132はモード制御バルブアッセンブリ230を含む。同様に、モード制御バルブアッセンブリ230は、モードバルブ232を含む。モード制御バルブ232に組み込まれて操作可能なものは、ステップ−オリフィス制御バルブ234であり、オン/オフソレノイド238を有するソレノイド型モードパイロットバルブ236、導管240によって低圧源(タンク134、又は単に油圧駆動システム1023の低圧側)と連通している前記モードパイロットバルブの出力である。典型的な油圧駆動システム102のような油圧駆動システムとの関連で、典型的なモードバルブアッセンブリ230の操作等は、米国特許第6,971,232号に、より詳細に説明されており、その内容は、参照することによりその全体が本書に組み込まれる。
エンドカバー132は、高圧アキュムレータ138と斜板制御バルブ222間の導管243内に連続して配置される遮断バルブ242を含む。遮断バルブ242は、好ましくはポペット型バルブであり、ソレノイドがあり、ソレノイド244によって操作される。油圧駆動システム102が動作するとき、遮断バルブ242は、「オン」すなわち、導管223を通って高圧アキュムレータ138から斜板制御バルブ222へ、高圧が自由につながる。油圧駆動システム11が「オフ」であるとき、遮断バルブ61が図2に示す位置にスプリングで偏らされ、遮断バルブは、ポンプ−モータ130と高圧アキュムレータ138から油圧的に孤立している斜板制御バルブ222を維持し、そこで、高圧アキュムレータ138は、システム102が操作されていない間、斜板制御バルブを介して「リークダウン」しない。遮断バルブ242は、油圧駆動システム102に対して「キーオン」として動作する。油圧駆動システム102を待機させておくことが行われていた。それは、油圧駆動システム102の低圧側から、高圧側を分離する。それは、また、バイパスバルブ246へパイロット圧を供給する。
油圧駆動システム102が「オフ」であることへの言及(レファレンス)は、車両100が全く操作モードでない時ばかりでなく(エンジン「オフ」状態)、車両100がポンピング−モータモードでない時の、車両100の双方の操作サイクルの部分を意味し、含まれると理解されるであろう。
エンドカバー132は、また、バイパスバルブ246を備え、それらは、また、「アンローディングバルブ」又は「ダンプ」バルブとして参照されるが、バルブの技術で周知であると理解されている。バイパスバルブ246は、その入力時にポンプモータユニット217の出力ポートAと、その出力時に油圧駆動システムの「低圧側」との間に配置される。それは、ポンプ−モータ130を「アンロード(unload)」するために使用される。
導管248のような、「高圧」側内の圧力レベルを決定しやすくするために、エンドカバー132は、図3に示すようなコントローラ140に入力される測定値を示す、センサ249を含む。センサ249は、いかなるタイプでもよく、アナログセンサに限定されない。センサ249は、ポンプ−モータ130のポートAからの、出口圧力を測定するために示される。
バイパスバルブ246は、エンジンが「オフ」すなわち、駆動圧力が導管223又は導管248内にあるときはいつでも、ポンプ−モータ130を「アンロード」にし、その結果、ポンプ−モータ130は、シャフト202への意図しないトルクを伝達しない。ポンプ−モータ130をアンロードにするために、制御可能なソレノイド252に関連するバイパスパイロット250は、内部導管256によって、バイパスバルブ246へ動作可能なように接続される。バイパスパイロット250は、バイパスバルブ246を選択的に開くことを可能にし、それによって、システムの「高圧」側から「低圧」側へ圧力を開放する。油圧駆動システム102が操作可能なとき、しかし、バイパスパイロット250と関連するソレノイド252は、周知であるように、バイパスバルブ246を圧力流体が通過しないようにする。
圧力駆動システム102は、エンドカバー132内にある、図2に示すようなリリーフバルブ258を含み、それは、閉位置でスプリングによりバイアスされている。上記バルブ258は、ポペットバルブとして描かれている。リリーフバルブ258の入口は導管260と連通しており、導管260は導管223によって高圧アキュムレータ138のポートリリーフバルブ258の入口と相互に接続し、また、モードコントロールバルブ258の入口とも相互に接続している。導管260内の圧力が所定最大値を越えるときはいつでも、リリーフバルブ258は、導管256から導管261へ連通する位置へバイアスされ(図2の「左」へ動かされ)、それは、油圧駆動システム102の「低圧」側である。
チャージバイパスバルブ263を含むチャージバイパスバルブアッセンブリ262、チャージバイパスパイロット264及びチャージバイパスパイロットソレノイド266は、低圧導管270と低圧導管215の間に配置されるように、図2に示されている。チャージバイパスバルブアッセンブリ262は、ポンピング操作中、チャージポンプ204及びポンプ−モータ130を流れる油圧油が、高圧アキュムレータ138をチャージすることなしに、低圧タンク134へただ戻る再循環をしないように、ソレノイド266によって閉じられる。しかし、チャージバイパスバルブアッセンブリ262は、図2に描かれているようにモータリング中、開であり、より詳細には、以下で説明される。
高圧アキュムレータ138は、エンドカバー132の外側に設置されるものとして描かれている。しかし、上記で述べたように、時として高圧アキュムレータ138のような要素は、エンドカバー132に関して説明されように、同じ物理的ハウジング又は構造内に配置できる。同様に、エンドカバー内に物理的に位置する要素は、例えば、油圧駆動システム102の適切な操作を妨げることなく、他の構造と関連してもよい。
高圧アキュムレータ138は、導管223と関連する油圧駆動システム102の「高圧」側の末端を表している。高圧アキュムレータ138は、高圧アキュムレータユニット280、圧力レベルセンサ282及び圧力アキュムレータ近接スイッチ284を含む。センサ282は、アナログであり、アキュムレータユニット280内で関連する又は貯蔵される圧力を測定するために使用される。例のみの手段として、高圧アキュムレータ138は、ガス−チャージ型からなる。典型的な減速サイクルの終わりに(ポンプモード)、高圧アキュムレータユニット280は最大システム圧、典型的には約5000ポンドパースクエアインチ(PSI)までチャージされるが、しかし、より高くも可能である。
アキュムレータ138内に貯蔵される油圧油が、開放されるモータモード中、圧力点は、圧力近接スイッチ284が、アキュムレータユニット280の閉止を示すデジタル信号を発生するところまで達し、それによって前記アキュムレータからの油圧油の更なる流れが禁止される。スイッチ284は、図3に示されるように、コントローラ140への入力としてその信号を供給する。高圧アキュムレータ近接スイッチ284の起動を管理するルールは、以下に詳細に説明される。しかし、一般に、スイッチ284は、モータモード中、油圧油が多過ぎて、アキュムレータユニット280からあふれるときのみ始動し、アキュムレータユニット内の圧力は、急激にゼロに低下する。この状態は望ましくない。また、しばしば起らない。しかし、それが起るとき、油圧駆動システム102は、圧力制限のために温度補償に関して以下に説明されるように、その防止法を知るために発生させる。油圧は、アキュムレータ138内で必然的に維持され、その結果、オイルの最小量が高圧アキュムレータ内にいつも維持され、導管223及び260双方内には所定の、最小チャージ圧力がある。
スイッチ284が起動される前に、モータリングを停止することが可能であることが重要である。しかし、高圧アキュムレータユニット280から押し出される油圧油の量は、温度で変化する。高圧アキュムレータ138の操作と関連して油圧駆動システム102内の温度を、リアルタイム又はリアルタイムに近く、正確に測定することは、非常に難しい。その結果、圧力補償に基づく異なるアプローチが、前記アキュムレータ238からの流量を正確に制御することや、スイッチ284の起動前にそれを停止することを、以下に開示している。にもかかわらず、アキュムレータ138内や、導管223、260に関連する圧力がゼロの方に低下すると、スイッチ284が作動して、付加的な外部への流れからアキュムレータユニットを閉じる。そのとき、二つのことが起る:第一は、状態は圧力スレッシュホールドを調整するために使用され、その結果、そのような過剰な流量は、圧力制限のための温度補償に関して以下に説明されるように、その後、防止される。:第二に、以下に説明されるような、プリチャージ操作が要求される。
低圧アキュムレータ又はタンク134は、導管215、268と関連する油圧駆動システム102の「低圧」側の終点を示す。より詳細に以下に説明されるように、導管215は、フイルタアッセンブリ136によって低圧タンク134へ油圧油を供給するために使用され、一方、導管268は、油圧油(圧力流体)をタンクから取り出し、それによって高圧アキュムレータ138を充填する通路を表す。
典型的なシステム102で示されるように、要素134がタンクである時、それは油圧油レベルセンサ286と油圧油温度センサを含む。上記センサは、要求される機能を達成するアナログ又はデジタル又はいかなるタイプでもよい。概して、油圧駆動システム102内に使用されるセンサのタイプは、図示されたものに制限することを意図しているものではない。タンク134内の油圧油のレベルは、モータ動作が起るとき、増加し、ポンピングによりタンクから油圧油を高圧アキュムレータ138へ再充填するために移動するとき、減少する。油圧駆動システム102が閉じられるとき、油圧油レベルは、また、増加する。典型的には、油圧センサの温度は、油圧駆動システム102が使用されるとき増加し、また、周囲温度のような、外部の環境条件によって影響される。
トランスファーケース128とその要素のいくつかは、図1に関して上記に説明されている。トランスファーケース128は、車両駆動システム110と油圧駆動システム102の機械的部分間のインターフェースを表している。インタミディエイトシャフト202は、車両駆動ライン116の部分を形成する。シャフト202は、クラッチ208によって油圧駆動システム102に、選択的にかみ合う。図示のシステムにおいて、クラッチ208は、クラッチバルブ292の部分を形成するクラッチソレノイド290によって、空気圧で操作され、その作動信号は、図3に示されるようにコントローラ140によって発生される。以下に説明されるタイプの積極的なクラッチングは、油圧駆動システム102内で使用され、そのとき、ソレノイド290は、選択的にかつ次第に作用するように、好ましくは、パルス幅変調(PWM)に基づく。さもなければ、より簡単なオン/オフソレノイドが、機械的な、ドッグタイプクラッチを制御する。クラッチがかみ合っていることの相応する確認は、デジタルクラッチセンサ294を使用して決定され、それは、トランスファ状態デジタル信号として、コントローラ140に入力される。歯車装置210は、回転速度とシャフト206(ポンプ−モータユニット217とチャージポンプ204に接続されている)の関連するトルク間の適切なバランスを提供するために、2段階の切替(リダクション)を使用することを示している。他のギア比が、ポンプの望まれる配置や、性質に依存して使用されてよい。シャフト206は、選択的に回転する。もし、シャフトが回転していても、それはいつも回転していない。他方、シャフトが回転していない場合でさえ、シャフト206が回転することは可能である。クラッチ208とギア装置210は、シャフト202と206間のインターフェースを提供している。
シャフト206の速度を決定するために、速度センサ296が使用される。シャフト206の速度は、その時、図3に示されるように、コントローラ140へのタイマ入力として、入力される。他の測定ユニットが使用されて良いけれども、典型的に、シャフト206の速度は、毎分の回転数で測定される。たといクラッチセンサ294が、クラッチがかみあった、ということを示したとしても、速度センサ296は、クラッチ208がかみ合っている場合、他の決定機構を提供する。クラッチ208に関連してクラッチソレノイドがあり、それは、図3に示すように、コントローラ140によって選択的に作動される。
さらに図2を参照すると、ポンプ−モータユニット217は、ポート(「A」で示す)を含み、それは、モードコントロールバルブ232へ、「高圧」レベル導管248によって接続されている。ポンプ−モータユニット217は、他のポート(「B」で示す)を含み、それは、チャージバイパスパイロット264とチャージバイパスバルブ262を通過後、「低圧」導管217へ入る「低圧」導管270によって、フイルタアッセンブリ136と流体連結している。
概して、「ポンピング」と「モータリング」のため、図2の流体フローと関連する適切な矢印によって示されるように、ポンプ−モータユニット217がポンプモードにある時、ポートAは、圧力があって、出口ポート(図2のポンプ記号内の矢印参照)であり、前記ユニットがモータモードにある時、ポートAは、圧力があって、入口ポートであり、ポートBは、圧力がなく、出口ポートである。
現在のところ、以下に示す油圧駆動システム102の特定の観点の説明のための背景を準備するために、図2に関して、通常のモータリングとポンピングの間の油圧駆動システムの全般の操作が、要約されている。以下の説明は、典型的なポンピング操作が、最初に図示されているので、アキュムレータ138が既にある最小スレッシュホールド圧力以上に満たされていることを、前提としている。もし、アキュムレータ138が、最小スレッシュホールド以下であるならば、典型的なモータ操作中、油圧システム102を効率的にプリチャージできることが、以下に説明されている。
あらかじめ述べたように、車両100が、減速も加速もされていないとき、ポンプ−モータユニット217とチャージポンプ104は、クラッチ208の機構によってクラッチ操作されていない。インタミディエイト(中間)ドライブシャフト202からクラッチがはずされたポンプ−モータユニット217とチャージポンプ104で、図1に示された車両駆動システム全体110は、あたかも油圧駆動システム102がないかのように、同様に作動する。
車両の運転者が図示の車両ブレーキ302に関して図3に表され、かつ、要求されたブレーキの程度をアナログフォーマットで示すブレーキセンサに対応するブレーキ操作を実行し始めるとき、その結果、クラッチ208は、ソレノイド290を介してクラッチバルブ292を使用して作動する。そして、ポンプ−モータユニット217は、駆動ラインシステム116(例 インタミディエイトドライブシャフト202へ)にかみ合わされている。以下に説明するように、従来の方法でクラッチを適合すると望ましくない非効率がある。これらの非効率を減少させるために、一例のやり方では油圧駆動システム102は、時々、積極的にクラッチングとみなされることを実行する。
一度、クラッチが適合すると、適切なコマンド信号が、コントローラ140によって、斜板コントロールバルブ222のポンピングソレノイド226へ供給され、斜板216を「ネガティブ」の方向に動かし、その結果、インタミディエイトドライブライン202の回転(車両を前方方向に移動させる)は、ポンプ−ユニット217とチャージポンプ204に、ポートAから導管248へ圧力流体を送り込む。前記流体は、導管268を介して低圧タンクから抜かれ、最初に「低圧」導管270を介してポンプ−モータ217のポートBに達する前に、チャージポンプ204を通過し、ポンプ−モータユニットに入る。
斜板216の変位(ドライブライン202の回転あたりの流体量)は、典型的には、車両の運転者がブレーキペダルを押し下げる程度に比例する。運転者が動作するブレーキトルクに比例する斜板216の変位や、ブレーキペダルの変位をどのようにセットするかは、公知であり、それゆえ、斜板216の変位のさらなる説明は、ここでは必要がない。
運転モードでの、チャージポンプ204とポンプ−モータユニット217で、導管248を連通する圧力流体は、モードコントロールバルブ232内のポペットメンバーを退かせ、その結果、圧力流体は導管223へ流れ、それによって高圧アキュムレータ138の圧力を高める。同時に、導管260は、また、圧力流体で満たされるが、圧力流体は、この導管に沿って作用しない。
ブレーキングサイクル(ポンプモード)の減速部分の完了時、車両の運転者は、ブレーキペダル302を解放し、実質的にアクセルを踏み始める。このことは、図3に関して説明されるコントローラ140への可能なCANメッセージ入力の一つとして表される。コントローラ140は、ポンプ−モータユニット217のポンプモード(前記に説明されている)からモータモードへの推移を命令する圧力を使用するモータソレノイド224によって、斜板コントロールバルブ222へ適切な信号を伝える。
モータモードにおいて、斜板216は、ユニットがポンプモード(すなわち、斜板216がポジティブ傾斜角度になる)であった時とは、反対の傾斜角度に配置される。ポンプ−モータユニット217がモータモードにある時、斜板216は移動され、その結果、ポンプユニット217を通る(ポートAからポートBへ)流量により、ポンプモータは、車両が既にかみ合っている同じ前進運動に相当する方向へ、ドライブラインシステム110のインタミィデエイトシャフト202を駆動しようとして、ドライブラインシャフト202へトルクを伝える。例によってのみ、斜板コントロールバルブ222は、構成され、その結果、圧力流体は、導管248から導管223へいつも流れることができる(すなわち、ポンプモード)。しかし、モードパイロットバルブ236がそのソレノイドへ適切な入力信号を受けるときのみ、ソレノイド238への適切なパイロット信号がある。前記パイロット信号は、モードバルブ232のポペットメンバーの開口内で、導管223を通して、また、ポンプモータ217のポートA(モータモードの入力ポート)へ導管223を通して、アキュムレータ138から比較的制限のない高圧流体の流れを許容することに役立つ。
高圧流体内に蓄えられるエネルギーは、ポンプ−モータユニット217を介して、回転シャフト206へ伝えられる。このエネルギーは、クラッチ208が作用するとき、ギア装置210を介して、機械的に、インタミィデエイトシャフト202へ伝えられる。前記エネルギーは、それからドライブラインシステム110に沿って、ホイール104へ伝えられる。
「低圧」流体は、ポートBでポンプ−モータユニットから導管270へ抜け出す。その時、チャージバイパスバルブアッセンブリ262を通過し、それは、ポンピング中、反対側に開かれており、導管215に入って、フイルタアッセンブリ136と低圧タンク134にも開かれている。
HLAコントローラへの論理的入出力
コントローラ140に関連する制御ロジックの概観は、図4に説明されており、そこでは、コントローラ140に供給される多くの入力の少なくともサブセットが描かれている。図4の制御ロジックへのいくつかの入力は、定数であり、一方、他のものは変数である。以下に、より詳細に説明されるように、コントローラ140に実装されるルールは、図4に説明される特定の入力によって、図2に説明された要素へ種々の出力をもたらす。図4に説明された種々の入力の概観は、以下の表3に規定される。多くの入力は、油圧駆動システム102と関連する特定の操作に関して、以下に詳細に説明される。
表4は、図4で特定されたコントローラ140のいろいろな出力の概観を提供する。出力の多くは、油圧駆動システム102と関係する特定の操作に関連し、以下により詳細に説明されている。
上記表3に最初に説明され、コントローラ140への入力として使用されている、斜板位置コマンドSwashCmdの決定の例は、図5について説明されている。概して、トルクを要求する運転者は、斜板変位の決定に形を変え、それによって、このトルクは油圧変位と定数の積によって分けられる圧力に等しくなる。トルクの要求がないとき、斜板位置コマンドは、0度である。
更に具体的にいうと、斜板216の角度変位の決定をするのに、二つの入力がある。第1の入力は、運転者の要求トルク、すなわち、トルクコマンド(Nm)である。要求トルクは、運転者の制動動作あるいは加速動作の結果としてある。可能な入力は、図3のブレーキ圧センサ304からのもの、あるいはアクセルペダルの位置に関するCANメッセージからのものを含む。第2の入力,「AccPress_bar」、アキュムレータ圧(バールbar)は、「AccPress」であり、504で示される図2のセンサ282で測定される。斜板位置コマンドは、車両トルクが0であるとき「0」度であろう。さもなければ図示のやり方である。
式1:
斜板コマンド = トルクコマンド(Nm)/(K*アキュムレータ圧(バール))
ここで
K=250立方センチメートル/回転*トランスファーケース比/2*pi*(15)度
例示的なトランスファーケースでは、トランスファーケース比=2.55。
また、加速トルクコマンドは、正の斜板コマンドをもたらし、制動トルクコマンドは、負の斜板コマンドをもたらす。
しかし、一度、斜板コマンドが計算されると、加速の飽和についてポテンシャル調整が必要である。特に、斜板位置コマンドは、SwashLimit値まで飽和する。ここでSwashLimit値は式2:
−条件 ポンプ速度<2500RPMならば、その時、 SwashLimit=15度
−条件 ポンプ速度>3000RPMならば、その時、 SwashLimit=0
−条件 3000RPM>ポンプ速度>2500RPMならば、その時、SwashLimitは、15度から7.5度に、直線的に減少する。
2500RPM、3000RPM、15度と7.5度の値は、単に、例である。前記値は、ポンプ−モータ130の実際の特性に基づくものであるが、ポンプ−モータへの不注意の損傷あるいは不適切な長期の摩耗の問題を防止するために選択される。にもかかわらず、前記値は、特別なポンプ−モータ217に基づき、概して、比例的に調整されるであろう。例えば、7.5度は、15度の半分である。
同様に、一度、斜板コマンドが計算されると、ブレーキングの飽和についてポテンシャル調整がなければならない。斜板位置コマンドは、SwashLimit値に飽和し、その飽和値は、
式3:
−条件 ポンプ速度<2500RPMならば、その時、 SwashLimit=−15度
−条件 ポンプ速度>3000RPMならば、その時、 SwashLimit=0
−条件 3000RPM>ポンプ速度>2500RPMならば、その時、SwashLimitは、−15度から−7.5度に、直線的に減少する。
図5に説明されているように、トルクコマンドはHLADrivelinTorqueRequest_Nm、アキュムレータ圧は「AccPress_bar」、定数KはC_SwashCalcGain、加速の飽和はC_SwashCmdAccelLimit、ブレーキングの飽和はC_SwashCmdBrakeLimitである。
今度の場合も、2500RPM、3000RPM、−15度と−7.5度の値は、単に、例である。前記値は、前記のように、ポンプ−モータ130の実際の特性に基づくものである。
その結果、トルクとアキュムレータに対する入力についてのスレッシュホールドが満足されるなら、導入部の値が式1にしたがって最初に計算されるであろう。その時、加速の飽和についての決定は、式2にしたがってなされる。式1と2の結果の最小値が決定される。最小値は、式3にしたがって、ブレーキングに対する計算と比較され、最大値が使用される。結果として生じる最大値は、典型的には、表3に示されるように、コントローラ140内のSwashCmdに対して、入力として使用される。
しかし、ある条件下で、SwashCmdに対する入力は、しばしば油圧駆動システム102内で検出される条件に基づいて、特定の規則によって上書きされており、例えば、高圧アキュムレータ138が、最初にスタートアップでチャージされるとき、または、油圧駆動システムがシャットダウンしたときなどである。
プリチャージロジック
油圧駆動システム102のポンプモードとモータモードに関する上記の説明は、油圧駆動システム102が、通常の状態にあることを仮定していた。通常のモータモードか、通常のポンプモードかの何れか一方から出るより詳細の説明は、図11を発端に説明されている。しかし、システム102がそのような状態にない時、高圧アキュムレータ138をプリチャージすることが有利である。このプリチャージの記載との関連において、油圧油は、アキュムレータ138から油圧油によって動力を供給される油圧駆動システム102内の種々の油圧制御機器(例 バルブ作動)を作動することやその他のために、十分な高圧スレッシュホールドを有することができるように、油圧油のある量を加える必要があることに関連する。
例えば、油圧駆動システム102は、車両の点火のオフ時にシャットダウンを制御するとき、車両駆動システム102内のアキュムレータあるいは他の要素への望ましくない損傷を抑制するために、高圧アキュムレータ138を空にし、補修や関連することをやりやすくすることが望ましい。アキュムレータ138は、油圧駆動システム102の再起動時に再加圧されることが必要である。同様に、温度補償方法が、高圧近接スイッチ284の望ましい操作に関連して以下に説明されており、時々、高圧アキュムレータ138内の圧力は、所定最小スレッシュホールド以下に低下し、再び、高圧アキュムレータ138をプリチャージすることを要求する。
SwashPrechargeLogicという名の、プリチャージロジックヒューリスティック600は、図6に関して説明されている。概して、フラグSwashEnableは、最初に「偽(FALSE)」に定められる(表4)。斜板216は、ポンピング方向の所望の角度方向に定められ、必要なバルブは、車両100が実際に運転しているにもかかわらず、ポンピングサイクルを起こさせるために、適切な方向にセットされている。その結果、プリチャージングが行われるとき、機械的エネルギーとして駆動系116を通るエンジンによって発生するエネルギーの増加レベルのいくらかは、油圧エネルギーとして油圧駆動システム102に転換される。一度、プリチャージングが行われると、通常のモータモードおよびポンプモードは、図11で開始を、より詳細に説明されている。
プリチャージロジックヒューリスティックは、アキュムレータ138が排出されるとき、斜板216への制御がなくなるので、必要とされる。上述のように、斜板216の制御は、アキュムレータ138を操作するために、油圧が必要とされる。よって、それは、ブーツ−ストラッピング型である。仮に、放出されたアキュムレータ138で適切な斜板制御が行われれば、油圧駆動システム102が、すでにアキュムレータ138をチャージするように意図されている車両100に最初のブレーキングが行われるまで、待つことは非効率ではない。
SwashPrechargeLogicヒューリスティック600へのエントリィ・ポイントが、図6に示されている。好ましくは、ヒューリスティック600は、システム102が必要である時、コントローラ104内でいつもアクティブであり、使用可能である。SwashPrechargeLogicヒューリスティック600に関連する種々の範囲は、取り囲まれた領域602、604、606、608、610に表されている。
種々の図において説明されているフローにおいて、「操作範囲」という用語は、システム状態をいうものである。しかし、付加的な状態は、操作範囲のそれぞれの中にある。さらに、他の状態は、以下に記載される状態内にあることができる。その結果、「操作範囲」、「状態」及び「ボックス」という用語は、指示されたトピック(topic)に対して、油圧駆動システム102内で説明されているレベルについてのアドバイスを提供するために使用される。状態は、操作範囲内で記載され、ボックスは、状態内で記載されている。もし、操作範囲に対する囲まれた領域、状態及びボックスが、ボールド体(肉太)であれば、典型的には、続く図において、より詳細な説明がある。操作範囲、状態、ボックス内で、操作をすることが可能であり、それは、示されたフロー内で長方形の箱(ボックス)によって表されている。
各操作範囲に対するタイトルは、各操作範囲604、606、608、610及び612内で、第一の情報が提供される。「entry:T_HLAP_id」という名の第二の情報は、デバッグ作業の目的に使用され、ここでは更に説明されない。各ボックス内の他の情報は、操作範囲内で適用される時に条件を提供し、適切に説明されるであろう。「during:」という用語は、関連性のある取り囲まれた領域604、606、608、610及び612によって表される操作範囲で、「:」に続く指示によって示される処理を行う指示を表している。すなわち、「during:」という用語は、状態から有効でない遷移でアクティブがある間に、状態がイベントを受けるとき、実行される行為についてのものである。最後に、「exit:」という用語は、状態が、状態から片付けられた遷移の結果として終了するとき、実行される行為をいうものである。
各操作範囲604、606、608、610及び612の間で、1以上の矢印があり、それぞれ、614、616、618、620、622、624、626及び628が付されている。矢印の各々は、概して、ブール演算子に関するものについての条件である。
ブール演算子は、知られている方法で表される。例えば、演算子「AND」は記号表示「&&」で表される;演算子「OR」は、記号表示「‖」によって表される;演算子「EQUAL TO」は、記号表示「==」で表される;演算子「NOT EQUAL TO」は、記号表示「〜=」で表される;演算子「LESS THAN」は、「<」で表される;演算子「GREATOR THAN」は、「>」で表される;演算子「LESS THAN OR EQUAL TO」は、演算子「<=」で表される;演算子「GREATOR THAN OR EQUAL TO」は、演算子「>=」で表される。記号表示「...」は、満足される必要がある条件が、テキストの次の行に続くということを、単に示す。特定の矢印に関連する条件は、角かっこ「[]」によって囲まれる。
操作範囲の一つに入るとき、以下により詳細に説明されているように、用語「entry」は、特定の「操作範囲」、「状態」、「ボックス」は、その状態への遷移の結果として入るとき、実行される行為をいう。他のブール演算子又はフローコマンド、図6のより詳細な説明、及びここに示した同様な性質のものは、「StateFlow」として知られるプログラム、及び特にこのプログラムのバージョン6.4に関し、当業者には明白である。ユーザガイド、「StateFlow」に対する関連参考資料、および前記プログラムをより特定するバージョン6.4は、参照することにより本書に組み込まれる。付加的な情報は、また、URLhttp://www.mathworks.com/products/stateflow/
で検索できる。図6に関連するロジックは、油圧駆動システム102の他の観点について、以下に記載される他の図に等しく適用される。
油圧駆動システム102が、例えば、車両100のシャットダウン後に作動するときや、車両イグニッションが、図4のコントローラ140の制御ロジックによって得られるものとしてオンするとき、コントローラ140は、ポイント602でSwashPrechargeLogicヒューリスティック600を呼び出す。SwashPrechargeLogicヒューリスティック600は、その時、SwashDriftという名前で操作領域604に順に入る。フラグT_SwashDriftは、「TRUE」にセットされる。大まかにいえば、また、変数SwashCmdPrechLogicを使用するコマンドSwashCmdPrechLogic=SwashBrackLimitによって説明されているように、フラグが「真」である場合、コマンドはコントローラ140に送られ、ポンピングを容易にするために、斜板の角度変位を負の方向に最大にする。一実施形態では、前記値が負の−15度である場合、最大可能角度変位はポンプモータ217の特性、及び表3に記載のSwashBrackLimitの値に基づく。
同様に、MainBypassCmd,IsolationCmd,及びChargeBypassCmdの用語は、表4について説明され、それらは、図6に示されているように「オン」にセットされる。要約すれば、ソレノイド252が「オン」であるとき、油圧油は、閉じられているバイパスバルブ246を使って、「高圧」側から「低圧」側へ流れることができない。ソレノイド244「オン」であるとき、油圧油は、遮断バルブ242を通ってどちらの方向にも通過可能であり、示されているチェックバルブによって、アキュムレータ138の方への一方通行に制限されない。バイパスソレノイドが「オン」であるとき、チャージバイパスバルブ262は閉じられており、チャージポンプ204を通過する油圧油は、導管215を経由して、タンク134へ容易に戻れない。
さらに、操作範囲604にあり、車両100の運転者が加速を命令するとき、クラッチが作動し、車両が動き出し、ポンプモータ217とチャージポンプ204は、車両の周囲を回転し始め、プリチャージングが始まる。
プリチャージポンピングが行われるとき、操作範囲604において、油圧油は、タンク134から流れ、導管268に沿い、チャージポンプ204を通り、導管270に沿い、ポンプモータ130を通り、導管248に沿い、そのスプリング圧に抗してモードバルブ232を通り、導管123へ入り、最後に高圧アキュムレータ138に流れる。
ヒューリスティック600は、Delay2という名で、フローライン614によって、操作範囲604から操作範囲606へ移動する。この推移は、フローライン614に関連する受け入れられる示された条件の一つが合ったときに起る。受け入れられる条件の最初のセットでは、アキュムレータ圧AccPressは、定数C_AccPressStartupよりも大きくなければならず、また、高圧アキュムレータスイッチAccStateの状態は、「空でない」に等しくなければならない。一実施形態において、定数C_AccPressStartupは、100バールである。第2の受け入れられる条件は、センサ信号SwashFbkが、センサ218及び/又は220から測定されるものとして、−5度以下である。第3の受け入れられる条件は、モードバルブが、実際に閉じられていない(すなわち、「オン」にセットされている)ことである。最後の受け入れられる条件は、センサ296から測定されるポンプモータユニットB17の速度PumpSpeedが、200RPM未満であることである。ポンプ速度は、最小速度が高圧アキュムレータ130内の圧力増加のため起るので、ヒューリスティック600で使われる。必要とされる実際の速度は、ポンプモータ130、チャージポンプ204の特性及びシステム102の他の速度で変わるだろう。
高圧アキュムレータ138が、SwashPrechargeLogic600を使用して満たされ始めるとき、スイッチ284に関連するバルブは、導管223に沿う圧力の流れが開き始める場合に、開き始める。これは、加圧ガスアレンジメントが使用されるときのように、アキュムレータユニット280に関連するブラダ(bladder)を保護するためになされる。あるやり方では、アキュムレータ280は、窒素を含む一つのブラダを有する。しかし、たとえバルブが開いても、スイッチは、最小スレッシュホールド圧が満たされるまで、AccState(表3に記載されるように)によって「アキュムレータが空」と「アキュムレータが空でない」の間の状態を変えない。最小スレッシュホールドは、満たされるまで続くので、通常のモータリングとポンピング中、スイッチ284は、「アキュムレータが空でない」にとどまるであろう。異なるヒューリスティックが図7と8について以下に説明され、それは、スイッチ状態が、温度変化と同等で変化しないことを確認するのに役立つ。しかし、ヒューリスティックが失敗すると、そのときSwashPrechargeLogicヒユーリスティック600は、アクティブになる。
一度、範囲602内で、タイマがソレノイド252が「オン」にセットされている間に、セットされると、遮断ソレノイド244が「オン」にセットされるが、チャージバイパスソレノイド266は、「オフ」にセットされる。その結果、油圧油は、導管270から導管215を通ってタンク134へ流れることができる。他の遅延時間が使用可能である。5ミリ秒の使用は、単に例示である。遅延時間の選択において、いろいろなスイッチインジケータについて、操作範囲608に移る前に、あるいは更なる時間がアキュムレータ圧を増加するために必要ならば、潜在的な誤差信号やノイズを除去するために、遅延時間のセットを設けることは重要である。その結果、説明されるように、操作範囲604に戻るか、あるいは操作範囲606から操作範囲608に移るかの何れか一方を通ることが可能である。
以下の条件が合わなければ、前記システム600は、フローライン616に示されるように、操作範囲604に戻るだろう。最初に、アキュムレータ圧が定数C_AccPressStartup未満であるか、あるいは、スイッチ284がアキュムレータが空の状態かの、いずれか一方でなければならない。条件が合った場合、(i)斜板216の角度変位は、−5度より大きい;(ii)モードバルブ232が閉じており、ソレノイド238がアクティブでないことを意味している;(iii)モータポンプユニット217の速度が、センサ296によって測定されるような所定値500RPMより大きい場合、斜板216の位置は、調整されねばならない。SwashDrift補償は、操作範囲604で再び必要である。
一度、タイマが、フローライン616を介して、操作状態606から操作範囲604へ戻る何らの条件なしで、0.2秒より大きいか、または0.2秒に等しいことを示すと、そのとき、フローライン618に示されるように、前記システム600は、HoldPositionという名で、操作範囲608に移る。0.2秒の期間は、単に例示である。しかし、SwashDrift操作範囲604の更なる使用が要求されないことを確信するために、十分に長い時間が選択される。
操作範囲608で、フラグT_SwashDriftは、「FALSE」にセットされる。このフラグは、斜板216の如何なる特定の制御をいうものではない。その時、操作範囲608の間、変数SwashCmdPrechLogicは、センサ218及び/又は620からのセンサ信号SwashFbkに等しくセットされる。この操作範囲の間、前記高圧アキュムレータが満たされ始め、加圧されるまで、SwashPrechargeLogicヒューリスティック600は、待っている。その結果、フラグT_SwashDriftは、通常のモータリング又はポンピング操作のため、典型的には、「偽」にセットされる。しかし、フラグSwashEnableのように(表4)、モータモードとポンプモードの間で、油圧駆動システム102の通常操作範囲を優先することが望ましい時もある。T_SwashDriftが、「真」にセットされると、プリチャージングが引き継がれ、前記バルブと斜板216の方向の双方をセットする。
概して、制御は、操作範囲608から操作範囲610へ、Normalという名でフローライン620に沿って通る。フローライン620に関連して示されるように、アキュムレータ圧AccPressが定数C_AccPressStartupより大きい時、操作状態608と610の間で、制御は通り、また、スイッチ284は前記アキュムレータが空状態でない位置である。
通常、車両100がいろいろなモータリング及びポンプモード間で通常操作されるとき、システム600は、操作範囲600にとどまり、そして、変数SwashCmdPrechLogicは、SwashOut1に等しいだろう。SwashOut1は、好ましくは所定の一定割合にセットされ、油圧駆動システム102がポンプモード又はモータモードから動く時、適用され、また、斜板216の変位が、急速に変わらないことを確認するために、使用される。
SwashPrechargeLogicヒューリスティック600は、二条件のうち一つが合った場合のみ、フローライン622を介して、HoldPosition操作範囲608へ戻すために操作状態610のままにするであろう。アキュムレータ138の圧力が、定数C_AccPressStartupマイナス所定のオフセット値未満になる場合に、第1の条件が満たされる。示されたシステムにおいて、前記オフセット値は20バールである。高圧アキュムレータ近接スイッチ284が、アキュムレータ空状態を入力する場合、第2の条件が満たされる。
操作範囲610への遷移は別として、HoldPosition操作範囲608から離れる、例えば、フローライン624によって、第2の道がある。そのような遷移は、コントローラ140が高圧アキュムレータ138内の圧力により状況、例えば、前記アキュムレータが「アキュムレータ空」の状態、あるいはC_AccPressStartupによって示された圧力以下である、を把握する場合のみ、起る。フローライン624に関連する条件は、操作範囲604と606との間の遷移を示すフローライン616の場合と同じである。
操作状態612は、実質的には組み込みの遅延時間機構であるが、例えば、遅延時間変数は、5ミリ秒にセットされてもよい。フローライン626の条件が合えば、コントロールは、前記HoldPosition操作状態608に戻るであろう。対応を再び示すと、フローライン626の条件は、操作状態604と606の間のフローライン614の場合と同じである。他方、コントローラ140が高圧アキュムレータ138に対して必要な最小アキュムレータ圧を失ったシステム102の状況を示す場合には、所定時間後、1秒以上でコントロールが操作範囲604に戻るであろう。機械的エネルギーがチャージポンプ204やポンプ−モータ130によって、油圧エネルギーに変換される時、斜板216の必要な角度変位を強制的に動かすことや、バルブが最小圧力を築くためにセットされることを含む、完全なプロセスが再び始まる。
圧力制限のための温度補償
詳細に上述したように、SwashPrechargeLogicヒューリスティック600は、高圧アキュムレータ近接スイッチ284が、種々のAccStateによって、「アキュムレータが空」(ACC_EMPTY)から「アキュムレータが空でない」(ACC_NOT_EMPTY)へ状態を変化できるように、高圧アキュムレータ138を少なくとも最小圧力でプリチャージ(予充填)するために使用される。SwashPrechargeLogicヒューリスティック600は、点火装置が最後に切られたときに、アキュムレータ138は大気圧にされる必要があるため、車両100の点火装置の作動及び油圧駆動システム102の最初の作動のときのみに使用されることが望ましい。このような抽気(ブリーディング)は、アキュムレータの作動寿命を最大にすることが望ましいなどの種々の理由で実行される。油圧駆動装置102が通常の作動状態にある場合にはアキュムレータ138を完全に抽気させる必要はない。
AccState用の最適な切断ポイントがある。ここでは、適量の油圧流体(油圧油)の大部分が高圧アキュムレータユニット280から排出され、流体の追加量の排出が急激な圧力降下となり、その結果、高圧アキュムレータ138を再充填するためにヒューリスティック600を使用する必要がある。圧力ポイントは、不用意に急激に圧力を降下させないような温度に対して、できるだけ多量の流体を排出するように選ばれる。それによって、システム102の通常の作動中にヒューリスティック6100を連続して起動させる必要性が創生される。表3で上述したように、油圧駆動システム102がモータモードとポンプモードとの間で正常に作動している間に、アキュムレータスイッチ284に対して、AccStateの状態の変化を回避することが望ましい。
図7Aは、モータモードとポンプモード及びこれらの間の通常の遷移中に、センサ282に対して望ましい圧力変化を線702で示す。時間t0でモータモードが開始され、アキュムレータ138の圧力は最大である。モータが作動されると、アキュムレータから圧力流体が排出され、圧力が降下し始める。圧力が所定のしきい値に近づくと、時間t1で示すように、アキュムレータスイッチが「アキュムレータが空でない」から「アキュムレータが空」の状態に変化することなく、モータモードは終了する。続いて、時間t1と時間t2の間では、油圧駆動システム102内ではモータもポンプも作動しないが、車両100自体は移動している。しかしながら、ある時点で車両100が減速すると、時間t3でポンプモードが開始される。ポンプ動作は、アキュムレータ238内に貯蔵される流体の圧力が時間t0と略同じになるまで継続される。システムのサイクルは時間t0に戻ってこの工程が繰り返される。
しかしながら、不運にも、圧力は正確には維持されない。時間t1と時間t2との間に示す最低圧力を少なくとも維持する代わりに、一旦、所定の最低圧力レベルが線704と点706で示すようになった後は、アキュムレータは、基本的に全圧力を急激に失ってしまう。このような圧力喪失の原因は、大量の油圧流体がアキュムレータユニット280に残されてしまうためである。このような状況下では、上述したように、ヒューリスティック600を利用してアキュムレータユニット280を予充填するための時間及びエネルギーが必要となり、予充填する場合には通常のモータ作動及びポンプ作動を行うことができないため、システム102の作動効率が低下する。さらに、上述したように、有効な圧力流体が存在しない場合には、斜板216も制御できない。
実際には、高圧アキュムレータユニット280の完全抽気を回避するために、近接スイッチ284が状態を変化させなければならない状態は一定ではないが、特に、温度で変化する。図7Bに示すように、圧力対容積の種々のグラフは、温度が増加(上昇)するに従って、同一の圧力で貯蔵される油圧流体の容積は減少する。
このように、SwashPrechargeLogicヒューリスティック600の起動の必要性を最小にするために、機構は、「アキュムレータが空」の状態と「アキュムレータが空でない」の状態との間でスイッチ284の作動に関連するパラメータを調整する必要があることが分かってきた。このような調整が温度の変化に基づく圧力の変化に適しており、これによって、いずれかの時間で、高圧アキュムレータユニット280から排出することができる容積量に影響する。
高圧センサ282、高圧アキュムレータ近接スイッチ284及びアキュムレータユニット280を含むアキュムレータ130の利用に関連する温度測定は、解決が困難になってきた。実際、上述したように、急激に圧力を降下させることなくアキュムレータ138から排出することができる油圧流体の最大容量を決定することができるリアルタイム温度読取値を決定することが困難となってきた。
一般的に、以下のように、圧力は、流体駆動システム102内でモニターされる。センサ282によって検知された圧力は、スイッチ284が状態を変化させ、また、モータモードを開始させるように開とされたときに記憶される。これが、図7Aに、時間t0で示されている。センサ282で検知された圧力は、スイッチ284が、時間t1で、「アキュムレータが空でない」と「アキュムレータが空」との間で状態を変化させるときに、特に、望ましくない急激な圧力降下がある場合に、再度記憶される。このような状況下では、圧力用のオフセットがヒステリシスとして加えられ、新規でより高い値の圧力がスイッチ284の状態を変化させる新規な圧力リミットとして使用され、流体の容量が望ましくないくらいに低下する前に関連するバルブが閉鎖される。このように、圧力の変化によりモータ作動を停止させる圧力は、状態変化に基づいて調整することができる圧力しきい値と比較される。
このようなアプローチにより、高圧アキュムレータ130から排出される受入れ可能な容量を決定するために、状態を変化させて、単に流体温度を測定することがより正確であることが分かってきた。それにもかかわらず、リザーバ134用のセンサ288によって計測された温度を使用することについてアドバイスする。特に、まず、車両100が発進して、システム温度が略一定である場合、好適には、温度情報は、スイッチ284の状態変化を設定するために最初の圧力を供給するために使用され、やがて、温度が上昇(温度増加)するに従って調整される。同じ理由(例えば、アイドリングの一時期)で温度が低下した場合には、時間t1で、スイッチを有効にするために圧力レベルを減少させることができる。
HighAccPressMinLimitsヒューリスティック800が図8に示されている。ヒューリスティック800は、エントリポイント802で開始され、操作範囲804,806,808および810を含んでいる。
操作範囲804は、FootValveOpenという題が付けられている。変数AccPressMinは、135バールとして例示されているように、AccPressMinの優先反復またはプリセット定数のどちらかの最大値と等しく、これは、摂氏20度の大気温度のほぼ大気圧である。しかしながら、AccPressMinは、油圧システム102が受入れ可能な最小圧力値を反映すべきである。例えば、最初の最低圧力はまた、アキュムレータ280用に設計された予充填圧力(予め充填される圧力)に基づいている。このように、「最大」操作は、一般に、ブラダを備えたガスアキュムレータを使用する場合に、高圧アキュムレータ280に関連するブラダの予期しない過圧縮を防止するために使用される。
AccPressMinは上記表4で定義されている。AccPressMinの最初のデフォルト値は、センサ288などのセンサによって測定された温度の値に基づいて変更することができ、また、一般的に、温度が上昇するとより高くなる。このように、あるアプローチでは、ルックアップテーブルが準備され、センサ288によって測定された温度が上昇するに従って、135バールの最小値が上方に調整される。
次に、変数MinAccPressToMotorは、変数AccPressMinと所定のオフセットとの和に等しく設定される。例示したフローでは、オフセットは15バールである。MinAccPressToMotorは上記表4で定義されている。システム102がモータモードに入るべき場合を決定するために使用される。
操作範囲804から操作範囲806への制御はTimeDelay2で表示されており、フローライン812で示すように、高圧アキュムレータ近接スイッチ284が「アキュムレータが空」へ状態を変化させる場合である。操作範囲806は、擬似信号を取り除くための時間遅れを提供する。図示したヒューリスティックでは、時間変化は5ミリ秒に設定される。擬似信号が存在し、スイッチ284が「アキュムレータが空」へ状態を変化させなかった場合には、制御は、FootValveOpenの操作範囲804に戻される。好適には、流体駆動システム102は、上述した理由により、システムの通常作動中は操作範囲804を離れるべきではない。しかしながら、例えば、温度の変化により調整が要求されている場合には、以下に議論するように、一つの例示であるが、ヒューリスティック800を利用して、実際の圧力調整が行われる。
したがって、フローライン816に示すように、遅延時間が0.5秒以上で、アキュムレータスイッチ284が「アキュムレータが空」の状態に入った場合には、操作範囲806からFootValveClosedと題する操作範囲808へ制御が移る。
FootValveClosed操作範囲808では、一時的な値は、センサ282で計測された現在のアキュムレータの圧力に設定される。この一時的な圧力値は、スイッチ284に関連するバルブが状態を変更して、開となるまで引き続き更新される。つまり、ヒューリスティック800の制御は、フローライン818で示すように、「アキュムレータが空でない」の状態を変更するまで、操作範囲818内で維持される。このような状態変更の時点の測定圧力が、変数HighAccPress_tempに取り込まれる。
フローライン818は、時間が同一ではないが、操作範囲806と同様の操作が行われるTimeDlay1と題する操作範囲810に接続される。擬似(false)信号があり、かつ、アキュムレータの状態が「アキュムレータが空」である場合には、制御は、操作範囲808に戻される。
それ以外の場合は、時間が0.5秒より大きく、かつ、アキュムレータスイッチ284の状態が「アキュムレータが空でない」の場合には、変数AccPressMinは、操作範囲808のときのAccPress_Tempの値に設定され、また、5バールとして示されるプリセット量が増加される。これは、操作範囲810からFootValveOpen操作範囲804に戻されるフローライン822の制御に示されている。上述したように、理想的には、圧力が制限されるため、さらなる温度補償まで、制御は操作範囲804内に留まる。
斜板ニュートラルドリフトのための補償
上述したように、流体駆動システム102が排出する場合(例えば、モータモード)、斜板216は、最大角度15度までの正角度で変位される。同様に、流体駆動システム102が充填される場合(例えば、予充填または通常のポンプモード)、斜板は、最大角度15度までの負角度で変位される。システムがニュートラル(中立)位置にある場合には、ポンプ動作もモータ動作もなく、理想的には、斜板216は、変位ゼロ(0)のニュートラル位置、すなわち、ゼロ(0)度に設定される。斜板216がゼロ度にある場合、絶対ニュートラル位置とみなされる。
しかしながら、実際には、斜板216、或いは、斜板216の位置を計測するセンサ218及び/または220は、ドリフトする傾向があり、全体システムがより効率的に作動するためには、ドリフトを調整するために斜板やセンサを較正する補償が有効であることが分かってきた。斜板216のドリフトを参照する議論において、センサの読み取りの結果であるセンサ信号のドリフトに関する潜在的な問題も言及する。
NeutralDriftCompensation900と呼ばれるヒューリスティックの操作が図9及び図10に示されている。ヒューリスティック900は、操作範囲904,906及び908を含んでいる。操作範囲906の詳細が図10により詳細に示されている。図11についてより詳細に説明すると、斜板216のドリフト用の調整は、好適には、操作範囲1110から操作範囲1108への遷移についてフローライン1130で示すように、モータモードが終了した後に起こる。モータモードから出る条件に加えてフローライン1130に関連する条件は、図11及び図15の操作1112に関連して説明する。
ドリフト補償を起こさせるためには、十分に必要な条件の一つとして、モードバルブ232を開とさせることが必要である。バルブ232は、流体駆動システム102がモータモードの場合に開となる。続いて、コントローラ140が、ドリフトがあったかどうかを確認するために、ポンプ‐モータユニット217を介してモータ方向の流れをチェックする。
NeutralDriftCompensationヒューリスティック900は、NotEnabledと題されるデフォルト状態である入力ポイント902で開始される。制御は、フローライン908の条件に一致するまで、操作範囲904のままである。まず、コントローラ140からの出力変数の一つとして議論したSwashCalibrationフラグは、「FALSE」と等しくすることはできない。SwashCalibrationフラグの「FALSE」値は、(i)流体駆動システム102がモータモードからちょうど出たこと、(ii)アクチュエータ138からリザーバ134への流れを許容するようにモードバルブ232が開のままであること、及び、(iii)有効なニュートラルドリフトを検知するために十分な車両速度であること、を示す。次に、センサ218及び/または210から読み込むSwashFbkは、斜板216がニュートラル位置にあることの確信を示すように、定数C_SwashAccelIdleBandより小さく、かつ、2番目の定数C_SwashBrakeIdleBandよりも大きくなければならない。図示した一つのアプローチでは、定数C_SwashAccelIdleBandは+0.25度であるが、定数C_SwashBrakeIdleBandは−0.25度である。3つの条件を全て満足している場合は、フローライン908を利用して、制御は、操作範囲904から、遅延(Delay)と題された操作範囲906に移る。一方、例えSwashCalibrationフラグが「FALSE」と等しくないと設定された場合でも、斜板216が、定数C_SwashBrakeIdleBandと定数C_SwashAccelIdleBandとの間の操作帯内にある場合には、制御は、次の操作範囲に移行しない。例えば、C_SwashAccelIdleBandの値は、0.5度である。定数C_SwashAccelIdleBandの利用は、斜板216が、ニュートラルで適切にドリフトが較正された場合でさえ、ゼロ(0)度に正確に留まることを期待することが現実的ではないことを確認することを表す。さらに、受入れ可能な「ニュートラル性」は、ハードウェア及び環境問題、或いは、特別な性能考察の成果として容易に調整することができる。例えば、定数は、所定の操作プロトコルの下で最適に変更することができる。
Delay操作範囲906では一旦、適切に変更することができる変数LOOP_TIMESLOWに従って時間遅延が課される。操作範囲908に関連して説明したように、遅延は、操作範囲906で課されて、調整計算が開始される前に、斜板216を安定させる。フローライン910で示すように、3つの条件のいずれかを満足した場合、斜板216の調整は実行されない。最初に、SwashCalibrationフラグが「FALSE」に設定された場合、続いて、制御は、Delay操作範囲906からNotEnabled操作範囲902に戻る。制御はまた、センサ218及び/または220からのセンサ読取値が、定数C_SwashAccelIdleBandより大きいか、または、C_SwashBrakeIdleBandより小さい場合には、Delay操作範囲906からNotEnabled操作範囲902に戻る。ただし、乗算の係数1.5は、操作範囲908に頻繁に入力する必要性を回避するために指定された条件として示されている。しかしながら、状況によっては、オフセットされない。オフセットは単に、一つのアプローチの説明として表示されている。
一方、フローライン910に関連する条件が満足されていないが、フローライン912で示すように、遅延時間が定数C_SwashCalibrationDelayTimeより大きいかまたは等しい場合は、制御は、Ajustmentと題された操作範囲908に移る。定数の値は、油圧駆動システム102の操作、環境、及びハードウェア特性にもよるが、好適には、できるだけ適度に短くすべきである。
フローライン910に関連して説明した同様の条件が、フローライン914を満足した場合には、制御は、フローライン914によって、Ajustment操作範囲908からNotEnabled操作範囲902に戻される。いくつかのアプローチでは、オフセット値(ここでは、両方とも1.5)などの条件の一部が異なる場合がある。
操作範囲908内で起こる操作が図10に示されている。この操作範囲は、ポイント1102で入力され、Time1と題された状態1004に移る。流体システム102内の適当なポイントで、例えば、高圧アキュムレータ282からのAccPress_barを利用して、HighPとして示される圧力が読み取られる。圧力の値は、変数HighP_t1を使用して保存され、また、タイマは、操作範囲906で起動される。タイマは一旦、フローライン1006で示す定数C_PressureChangeTimeより大きいか等しい値を取得すると、制御は、状態1004からTime2と題される状態1008に移動する。通常、定数C_PressureChangeTimeは、秒などの次数に設定される。状態1008では、センサ282などの同じセンサからの圧力は、再度測定され、保存変数HighP_t2を使用して保存される。状態Time1内の時間1の圧力と状態Time2内の時間2の圧力を表す2つの仮の変数が比較される。
2つの圧力読取値の間に圧力の変化がある場合には流れがある。流れがある場合には、実際には、ポンプ‐モータユニット130はニュートラルではない。2つの時間の間の圧力変化が正の場合は、圧力の排出が起こっていること(例えば、モータ動作)を意味し、操作範囲908は、斜板216を負の方向に調整する必要がある。しかしながら、圧力の変化が負である場合は、充填操作(例えば、ポンプ動作)が行われており、操作範囲は、斜板216を正の方向に調整する必要がある。このプロセスは、上述した図9のフローライン914に関連する条件のいずれかで操作範囲908から出るまで継続する必要がある。
より具体的には、調整プロセスは、フローライン1010、条件ポイント1012、フローライン1014、条件ポイント1016、フローライン1018、条件ポイント1020及びフローライン1022で示されており、最後に、状態1008に戻る。
条件ポイント1012と条件ポイント1016の間のフローライン1014で示すように、圧力変化が定数C_DecreaseSwashPressureChangeよりも大きい場合には、斜板216は、条件「-=1」で表すように、負の方向に、微量Angle1_Neutral_Bitで調整される。これに対して、条件ポイント1018と条件ポイント1020の間のフローライン1018で示すように、圧力変化が同じ定数よりも小さかった場合には、斜板216の角度変位は、条件「+=1」で表すように、正の方向に、変数Angle1_Neutral_bitで表される量で調整される。通常、Angle1_Neutral_Bitは、0.04度のオーダーに設定されており、調整プロセスの各反復処理のためには、角度変位の変化が非常に小さい。角度変位の変化が、時間的制約のために不十分である場合には、それに応じて値を増加させることができる。
モータモード及びポンプモードの終了
図11から図28は、油圧駆動システム102が、ニュートラル状態から、通常の操作のポンプモードまたはモータモードのいずれか一方への動作に関連しており、続いて、いずれかのモードからニュートラル状態に戻る。終了がオペレータ(運転者)の指令による場合には、以下の詳述するように、定数レートの手順を使用するパスに従う。ただし、終了が、油圧駆動システム102による場合には、条件のアプローチが制限され、通常、ポンプ‐モータ130の速度またはアキュムレータ138の測定圧力のいずれかによる場合には、「ソフト終了」と呼ばれる変数レートの手順を使用するパスに従う。
用語の定数レートを使用することは、秒毎の斜板216の変位が大きい(例えば、500ミリ秒で15度)ことを意味する。
一方、タイミングが問題となる場合、異なる基準、つまり、圧力(バール)とポンプ速度(RPM)の両方の関連が使用される。用語の変数レートを使用することは、アキュムレータ138の圧力が変化する毎に、或いは、ポンプ‐モータ130のポンプ速度が変化する毎に、斜板216の変位が大きいことを意味する。
説明を容易にするために、以下のように、車両100のオペレータがブレーキ動作を終了したとき(例えば、オペレータの足がブレーキペダルから離れる)の定数レートでポンプモードを終了すると仮定する。油圧駆動システム102は、最大量の油圧エネルギーがシステムに貯蔵された場合、或いは、システムに特有の別の条件を満足した場合に、変数レートでブレーキ動作を終了する。
油圧駆動システム102は、オペレータの指令が終了したとき(例えば、足がブレーキペダルから離れる)に、定数レートでモータモードを終了する。油圧駆動システム102もまた、システム102が加速動作を推進するために有効な貯蔵エネルギーを排出したときにモータ動作を終了する。
定数レートでのモータモードの終了は、一般に変数レートでの終了よりも短い。油圧駆動システム102に関連するパフォーマンスの問題は、制限要素(例えば、システム内に貯蔵され、或いは、残された圧力に関連する問題はない)ではないため、変数レートは、時間に基づくことができる。その他の要因も圧力と速度の両方に影響する。
ただし、変数レートの終了を使用する場合、制限に近づくと、斜板216のより小さい変位が許容される。一般に、制限は、ゼロ変位に近づくと同時に到達する。この方法では、段階的な、または「ソフト終了」がある。ただし、このような終了は、定数レートの終了よりはむしろ高速終了である。ただし、定数レートの終了状態および変数レートの終了状態は両方とも、モータモードまたはポンプモードのいずれかからニュートラル状態への遷移を表す。
具体的には、例えば図7Aに関連して説明したように、高圧アキュムレータ138に関連する圧力が所定のレベルに降下したとき、または、ポンプ‐モータユニット217が望ましいポンプ速度制限を超えた場合、モータモードをソフト終了させることが望ましい。したがって、両方の条件(高圧アキュムレータ138の圧力とポンプ‐モータユニット217の速度)は注意深く監視される。同様に、ポンプモードを終了するためには、高圧アキュムレータ138が望ましい最大圧力に到達できなければならないし、または、ポンプ‐モータ217の速度がしきい値を越える。しかしながら、どちらの場合でも、フォールト(fault)などの酌量すべき事情でない限り、トルクを最大化する方法でポンプモードまたはモータモードを終了することが望ましいが、油圧駆動システム102の長期間の作動を突然中断させない方法で達成することである。また、油圧駆動システムのニュートラル状態への遷移は、変化するトルク負荷に対してエンジン112をスムーズに調整させる必要がある。このような遷移は、現在の圧力とニュートラルに到達するための終了圧力を考慮して、斜板216の調整または変調を制御することで実現される。温度はまた、ファクタとしての役割をすることができる。それにもかかわらず、好適には、斜板216は徐々にストロークが低下する。
図11は、用語Engagedで表された連結状態1100にあるときの油圧駆動システム102を示す。連結状態1100に入力すると、フラグSwashEnableが「TRUE」に等しく設定され、斜板216の変位のためのクローズループ斜板制御の操作をさせる。コントローラ140内でDisengageCmdと呼ばれる変数が「FALSE」に設定される。さらに、変数IsolationCmdとMainBypassCmdの両方が、遮断弁242が開で、バイパスバルブ250が閉に設定されることを意味する「ON」に設定される。連結状態1100では、状態が、状態から離れた有効な遷移状態である間にある事象を受け取ると、特定の動作が実行される。これらのアクションには、SwashEnableを条件「TRUE」に設定することが含まれる。さらに、TransCaseCmdに関連するフラグが「ON」に設定されたときに、適切な信号が、クラッチバルブソレノイド290を設定する。最後に、IsolationCmdとMainBypassCmdの両方が「ON」条件で維持される。
連結状態1100はエントリポイント1102で入力される。連結状態1100に関連する種々の操作範囲1104,1106,1108及び1110がある。連結状態1100にあるときに呼ばれる、種々の操作1112,1114,1116,1118及び1120もある。
一旦、エントリポイント1102で連結状態1100に入力すると、制御は、最初に、PumpInNeutralと題した操作範囲1104を通過する。この操作範囲では、変数SwashOutは、斜板のセットポイントがニュートラルのゼロ(0)度の変位を意味する「0(ゼロ)」に等しく設定される。モードバルブ230は、条件「OFF」に設定される変数ModeCmdによって、閉位置に設定されるが、チャージバイパスバルブ263は、条件「OFF」に設定される変数ChargeBypassCmdによって、開位置に設定される。変数BrakeCmdとAccelCmdに関連するフラグの両方は、モータモードもポンプモードも実行されないことを意味する「FALSE」に設定される。変数DisengageCmdは「FALSE」に設定される。
さらに、EvalBrakeTorqueAvailと題する操作1116は、操作範囲1104で実行される。図12に例示的な方法で示すように、操作1116は、エントリポイント1202で入力される。フローライン1204で示すように、3つの条件が満足されると、変数NegativeSwashLimitは、油圧駆動システム102がブレーキトルクを利用して、オペレータの指令を受けたときにポンプモードに入ることができることを意味する変数SwashBrakeLimitに関連する値と等しくなるように設定される。変数SwashBrakeLimitは上述したように、表3に含まれる。それ以外の場合は、条件のいずれかが満足されない場合、変数NegativeSwashLimitは、油圧駆動システム102がブレーキトルクを伝達することができないことを意味する、フローライン1206で示す「0」と等しく設定される。3つの条件は、(i)センサ282によって計測された圧力は、MaxAccPressToBrakeによって設定された値よりも小さくなければならない;(ii)ポンプ‐モータ130の速度は、ポンプモードを許容する最低ポンプ速度を表すC_MinPumpSpeedToBrakeで表された値よりも大きくなければならない;及び(iii)センサ286の測定に関連するリザーバレベルは、低圧リザーバ134の油圧流体の最低レベルを表す定数C_MinOilLevelToBrakeより大きくなければならない。2つの定数の値は、特定の油圧駆動システム102により異なるが、条件が満足されている場合はそのように設定され、ポンプモードに適切に入力することができる。表3で上述したように、MaxAccPresstoBrakeの値は温度に関連している。
フローライン1204の条件が満足された場合に、次に、変数SwashCmdが定数C_SwashBrakeldleBandより小さい場合、オペレータのブレーキコマンドが存在することを示しており、フローライン1208で示すように、フラグBrakeCmdが「TRUE」に設定される。これは、油圧駆動システム102がポンプモードに移行する(すなわち、ブレーキ操作状態である)ように指令されていることを意味する。それ以外は、フラグBrakeCmdが、フローライン1210で示すように「FALSE」に設定されており、また、油圧駆動システム102はPumplnNeutral操作範囲1104に維持される。表3及び図5で説明したように、SwashCmdは、斜板位置コマンドの決定に基づく入力である。定数C_SwashBrakeIdleBandは、図9を参照して説明する。
操作範囲1104はまた、EvalAccelTorqueAvailと題された操作1118を実行する。図13に例示したように、操作1118はエントリポイント1302で入力される。変数PositiveSwashLimitを、変数SwashAccelLimitに関連する値に等しく設定するために、下記の4つの条件が満足される必要がある。それ以外は、つまり、いずれの条件も満足されない場合、変数PositiveSwashLimitは、フローライン1306に示すように、「0」に等しく設定される。これは、油圧駆動システム102が加速トルクを伝達することができないことを示している(ブレーキ作動中)。変数SwashAccelLimitは、上述したように、表3に含まれている。最初の条件は、アキュムレータの圧力282が、変数MinAccPressToAccelに関連する値より大きい値である必要がある。表3で上記したように、MinAccPressToAccelの値は温度に関連している。2番目の条件は、ポンプ‐モータユニット217の速度が定数C_MinPumpSpeedToAccelより大きい値である必要がある(図12で説明)。3番目の条件は、ポンプ‐モータユニット217の速度が定数C_MaxPumpSpeedToAccel未満である必要がある。この定数は、ポンプ‐モータユニット217にモータモードを許可する最高速度である。4番目の条件は、高圧近接スイッチ284に関連するフラグAccStateが、「アキュムレータが空でない」の状態に設定される必要があることを満足している必要がある。定数の値は、特定の油圧駆動システム102に応じて異なるが、条件が満足されている場合は、モータモードに適切に入力することが設定される。
フローライン1304の条件が満足された場合、油圧駆動システム102は、加速トルクを供給することができる。さらに、変数SwashCmdが定数C_SwashBrakeldleBandよりも大きい場合、フラグAccelCmdは、フローライン1308で示すように、「TRUE」に設定される。これは、油圧駆動システムが、モータモード、Acceleration操作範囲1110に遷移することを意味する。それ以外は、フラグAccelCmdは、フローライン1310で示すように、「FALSE」に設定される。これは、油圧駆動システム102が、PumpInNeutral操作範囲1104に留まっていることを意味する。SwashCmdは、斜板位置コマンドの決定に基づく入力であり、表3及び図5で説明されている。定数C_SwashAccelldleBandは、図9で説明する。
油圧駆動システム102の制御が操作範囲1104内に保持されている場合、続いて、操作1116と1118が実行される。また、CheckDisengageCondと題された追加の操作1120が実行される。操作1120の例が、図14に示されている。状態1100を終了するために使用されるフラグDisengageCmdは、油圧駆動システム102内で起こる特定の形式のフォールトがある場合、「TRUE」に設定される。制御はまた、表3で説明した変数HLAOpModeが「ソフトシャットダウン」を実行するように設定された場合、終了状態1100になる。最後に、DisengageCmdフラグはまた、ポンプ‐モータユニット217の速度が定数C_DisengageSpeedで表される連結解除速度よりも大きいか等しい場合には、「TRUE」と等しく設定される。定数C_DisengageSpeedの値は、種々の条件と同様に油圧駆動システム102の関連部分の物理的な構造に依存する。
フローライン1122で示すように、フラグBrakeCmdが「TRUE」に設定された場合には、制御は、操作範囲1104を離れて操作範囲1106に移行して、ポンプ動作を許容する。フローライン1124で示すように、ポンプモードが完了した場合、制御は、操作範囲1104に戻る。斜板216の位置は、状態1706で説明した定数レートでニュートラルへストロークが低下されるか、または、状態1708で説明した変数レートでニュートラルへストロークが低下されるかのいずれかで、操作範囲1104を終了するように制御される。両方の操作は以下に説明する。
同様に、フローライン1126で示すように、フラグAcclCmdが「TRUE」に設定された場合には、制御は、操作範囲1104を離れて操作範囲1110に移行して、モータ動作を許容する。フローライン1128で示すように、モータモードが完了して、図9で説明したように、斜板のドリフトを調整する必要がない場合に、制御は、操作範囲1104に戻る。CheckDriftCompensationCondと題された操作1112が、図15に示されている。以下の条件が満足された場合、フラグDriftCompensationCondは「FALSE」に設定される。(i)特定のフォールトが発生;(ii)油圧駆動システム102が「ソフトシャットダウン」モードに入力;(iii)ポンプ‐モータユニット217の速度が定数C_SwashCalibrateMinSpeedより小さいか等しい(斜板216の較正が行われるポンプ‐モータユニット217の最小速度);(iv)変数SwashCmdの値が定数C_SwashBrakeIdleBandより小さいか、または、定数C_SwashAccelIdleBandより大きい;(v)ポンプ‐モータユニット217の速度が定数C_Disengagespeedより大きいか等しい。それ以外は、変数PumpSpeedが定数C_SwashCalibrateMinSpcedよりも大きい場合、フラグDriftCompensationCondは、「TRUE」に設定される。
ただし、モータモードが完了した場合にはいつでも、斜板216のドリフトを調整する必要がある場合には、CheckNeutralDriftと題された操作範囲1108に入力される。フローライン1130で示されているように、フラグDoneAccelが「TRUE」に設定され、また、フラグDriftCompensationCondが「TRUE」に設定される。操作範囲1108は、ニュートラルドリフト補償900を実行する条件とタイミングを設定する。操作範囲1108の制御は、フラグDriftCompExitCmdによって適切に「TRUE」に設定された場合に終了して、フローライン1132によって操作範囲1104に戻される。この場合、ポンプ‐モータ130はニュートラルである。
CheckDriftExitと題する操作1114は、操作1108を終了するかどうかを決定するために使用される。図16に示すように、終了は、典型的な条件のいずれかが満足されたときに実行される。この条件には、(i)定義済みのシステムの故障;(ii)油圧駆動システム102のソフトシャットダウンを実施するためのコマンド;(iii)変数SwashCmdが、図5に説明したような指定した定数より小さいか、または、定数より大きい;(iv)ポンプ‐モータ130の速度が、C_SwashCalibrateMinSpeed(斜板216の較正が行われるポンプ‐モータユニット217の最低速度)と題する定数から300RPMで示すオフセットをマイナスした値よりも小さい;(v)定数C_DisengageSpeed(ポンプ‐モータユニット217の連結解除速度)と等しいか、または、大きいポンプ速度;または、(vi)定数C_SwashCalibrationTotalTime(斜板較正を実行させる全時間)よりも大きいタイマ値。別途述べたように、定数は、ハードウェア、操作及び環境条件に依存して設定される。典型的な条件のいずれかが満足された場合、フラグDriftCompExitCmdが「FALSE」に設定される。
ポンプモードに関連するBrakingと題する操作範囲1106が、図17に詳細に示されている。操作範囲1106は、エントリポイント1702で入力される。1704,1706及び1708の3つの状態が図17に示されている。制御は、まず、Brakeと題する状態1704に移行する。フラグExitBrakeが「TRUE」に設定されている場合、制御は続いて、フローライン1710で示すように、ExitBrakeAtConstRateと題する状態1706に移行する。それ以外の場合は、アキュムレータセンサ282の圧力がMaxAccPressToBrake(表3)の値よりも大きい場合、制御は、フローライン1712で示すように、ExitBrakeAtVarRateと題する状態1704と1708に移行する。操作範囲1106では、さまざまな操作1714、1716,1718,1720及び1722が呼び出される。
操作範囲1106に入力すると、モードバルブ232が閉じられ、変数ExitBrakeが「0」の値に設定される。操作範囲1106で、CheckBrakeExitConditionsと題した操作1714が実行される間、モードバルブ232は閉方向に設定され、また、チャージバイパスバルブ263は、ソレノイド266の作動によって閉方向に設定される。変数PositiveSwashLimitは「0」の値に設定される。変数PositiveswashLimitは、表3で説明したように、ポンプモードとは対照的にモータモードで使用される。
CheckBrakeExitConditions操作1714は、一つの模範的なアプローチで図18に示されている。フラグExitBrakeは、次の条件のいずれかが満足される場合、「TRUE」に設定される。(i)変数SwashCmdが「0」の値より大きいか等しい(表3及び図5参照);(ii)所定のフォールトが実行される;(iii)油圧駆動システム102がソフトシャットダウンを行うように設定される;(iv)ポンプ‐モータユニット217の速度が、ポンプが停止されるポンプ‐モータユニット217の最低速度である定数C_PumpSpeedPumpExitよりも小さいか等しい;(v)ポンプ速度が、定数C_DisengageSpeedよりも大きいか等しい、または、(vi)低圧リザーバ134のレベルが、センサ286で測定されたC_OilLevelPumpExitで表される所定のレベルよりも低下している。それ以外の場合は、フラグExitBrakeは「FALSE」に設定され、制御は、ブレーキ操作範囲1106に維持される。定数C_PumpSpeedPumpExitは、典型的なアプローチでは150RPMに設定される。ただし、一般的に、定数C_PumpSpeedPumpExitは、効果的なブレーキ作動を行うためには低すぎると判断される速度に設定される。これは、指定した速度でエネルギーをあまり蓄積できないことを意味する。この状況では、コントローラ140は、ポンプモードの終了を開始するようにプログラムされている。
制御は、エントリポイント1702からBrakeと題する状態1704に移行する。フラグDoneBrakeは「FALSE」に設定され、変数SwashOutは、「0」度の値に設定される。変数NegativeSwashLimitはSwashBrakeLimit(表3)で表される値に設定される。ブレーキ状態1704では、BrakeMoreと題する操作1718及びBrakeLessと題する操作1716が実行される。
BrakeMore操作1718の例が図19に示されている。操作1718は、オペレータコマンドSwashCmdが、斜板216のさらなる負変位を要求したときに呼び出される。変数SwashCmdが、フローライン1902で示す変数SwashOutの値より小さい場合に、操作は続行される。この条件は、車両100のオペレータがブレーキペダルを押し続けていることを示している。そのため、ブレーキコマンドが増加する。その結果、変数SwashOutは、このオペレータからの継続ブレーキコマンドに基づいて再計算され、組み込まれた定数レートがオペレータのコマンドを常に無効とする。
したがって、ブレーキコマンドでは、2つの可能な結果がある。フローライン1904で示すように、変数SwashOutとSwashCmdとの差の値が、定数C_SwashBrakeDecreaseよりも大きい場合は、変数SwashOutは、定数の値よりも小さい前の値に設定される。それ以外は、フローライン1906で示すように、変数SwashOutの値が変数SwashCmdの値に設定される。
したがって、コマンド変更が組み込みレートの変更よりも大きい場合は、組み込みレートの変更が優先される。一つの例では、斜板216を15度角度変位させるための組込みレートは500ミリ秒(msec)である。2度の角度変位が指令された場合、変位は、2度*(500ミリ秒/15度)、すなわち66.6ミリ秒よりも早く起こることはできない。C_SwashBrakeDecreascは、一例では、0.15度/サイクル(すなわち、カウント)に設定される。ここでは、一つのサイクルは5ミリ秒である。こうして、0.15度の変位だけが5ミリ秒で許可される。ゼロ(0)度から15度への最大変位は、500ミリ秒未満で発生することはないという結果となる。
一方、図20のBrakeLess操作1716で示すように、後者の操作は、変数SwashCmdの値が、フローライン2002で示すように、変数SwashOutの値より大きい場合に利用される。操作1716は、オペレータコマンドが斜板216のより小さい負の変位を要求している場合に呼び出される。フローライン2004で示すように、変数SwashCmdの値と変数SwashOutの値との差が、定数C_SwashBrakelncreaseより大きい場合、変数SwashOutの値は、SwashOutの前の値に定数C_SwashBrakelncreaseを加えた値に設定される。最後に、変数SwashOutは、SwashOutの現在の値または「0」のどちらかの最小値と等しく設定される。それ以外は、フローライン2006で示すように、操作1716の他の分岐では、変数SwashOutの値は、変数SwashCmdと等しく設定される。また、変数SwashOutは、変数SwashOutの現在値または「0」のどちらかの最小値と等しく設定される。変数の「0」への設定は、システムが、正の角度変位の加速範囲には入らないことを保証する。定数C_SwashBrakeIncreaseは、上述したように、C_SwashBrakeDecreaseと同じ理論的解釈を使用して、0.15に設定される。
操作1716または操作1718のどちらかのSwashOutの値を使用して、SwashOutは、状態1704で、どちらかが大きい(言い換えると、どちらかが負)SwashOutの現在値またはSwashBrakeLimitのどちらかの最大値に設定される。これにより、コマンドは、ポンプ‐モータユニット217の速度によって制限される数であるSwashBrakeLimitの限定コマンドを超えることがないことが保証される。例えば、速度が2000RPMより大きい場合、斜板216の許容最大変位は低下する(表3参照)。
SwashOutの値はブレーキ状態1704の間は変化する。フローライン1710または1712に関連する終了条件に応じて、ブレーキ操作を終了するために別のアプローチに移行する。まず、フローライン1710に従うと、フラグExitBrakeが「TRUE」に設定された場合に、制御は、ExitBrakeAtConstRate状態1706に移行する。タイマがスタートする。タイマが作動している間、変数SwashOutの値は、SwashOutの現在の値に定数C_SwashBrakelncreaseを加えた値に設定される。続いて、変数SwashOutは、SwashOutの現在値の最小値または「0」に設定される。次に、SwashOutの値は、SwashOutの現在の値の最大値、または変数SwashBrakeLimitの値に設定される。SwashOutの最大値が決定された後、変数NegativeSwashLimit(表4)が、SwashOutの現在値に設定される。最後に、CheckBrakeDoneConstRateと題された操作1722が実行される。
状態1706では、斜板216は、負の値からゼロに向けて、定数C_SwashBrakeIncreaseよりも大きくない増加で、変位が徐々に増加するように指令される。斜板216はまた、正または最大側でゼロ(0)に限定する必要があり、また、負または最小側でSwashBrakeLimitに限定する必要がある。これは、SwashOut=min(SwashOut,0)及びSwashOut=max(SwashOut,SwashBrakeLimit)であることの理由である。
図21に、CheckBrakeDoneConstRate操作1722の実行が示されている。SwashOutの値が定数C_SwashBrakeldleBand(ニュートラルに到達)より大きいかまたは等しい場合、または、状態1706での経過時間が、定数C_SwashCmdBrakeLimit(図5の説明を参照)をSwashBrakeIncreaseRateで除算した値よりも大きい場合、フラグDoneBrakeは「TRUE」に設定される。それ以外は、フラグDoneBrakeは「FALSE」に設定される。
最大角度変位が約15度の場合に、斜板216を、最大角度変位からニュートラルへ移動させるための最大許容時間として、500ミリ秒(msec)の例の使用を継続すると、比率としてのSwashBrakelncreaseRateの値は、500msecに設定される。このように、CheckBrakeDoneConstRate操作1722は、時間切れのように機能する。
さまざまな定数の典型的な値は以下のとおりである。
SwashBrakeDecreaseRate=15/0.5;%(度/秒)、より大きい
SwashBrakelncreaseRate=15/0.5;%(度/秒)、より小さい
C_SwashBrakeDecrease=SwashBrakeDecreaseRate*5msec;%(度)
C_SwashBrakelncrease=SwashBrakelncreaseRate*5msec;%(度)
フローライン1712が状態1704と1708との間に従う場合、ブレーキの終了は、ExitBrakeAtVarRate状態1708を使用する変数レートである。変数AccPressureLimitRatioは、高圧アキュムレータ138で許容される最大圧力AccPressMax(表3)とセンサ282で測定された圧力AccPressとの差を、AccPressMaxと変数MaxAccPressToBrake(表3)との差で除算した値に等しく設定される。変数LimitRatioは、変数AccPressureLimitRatioの値に等しく設定される。変数SwashOutTempは、変数SwashBrakeLimit(表3)に変数LimitRatioを掛けた値に等しく設定される。SwashOutの値は、SwashOutTempの現在の値の最大値または変数SwashCmdの値に設定される。次に、SwashOutの値が、SwashOutの現在の値の最小値に、定数C_SwashBrakelncreaseで表されるオフセットを加えた値に設定される。ここでは、SwashOutの値は、ニュートラルに向かって行く代わりに、斜板216が反対の方向に行く場合である。とにかく、前述したように、組み込みレートよりも速く行くべきではない。ニュートラルの方向の代わりに反対方向に行かせる斜板216のコマンドは、圧力が高くなる代わりに低くなる場合のみに発生する可能性があり、定数レートを確認する必要がある。
SwashOutの値はSwashOutの現在の値の最小値または「0」に設定される。この設定は、正の変位の加速範囲になることを禁止する。NegativeSwashLimitの値が、SwashOutTempの値に等しく設定される。
最後に、CheckBrakeDoneVarRateと題する操作1720が実行される。斜板216は、実際の圧力が最大圧力からの圧力の程度に比例する係数によってゼロ変位に向けて徐々に移動する。圧力がさらに最大許容圧力に向かうと、斜板216は徐々にゼロ変位に向かって行く。同時に、何らかの理由で圧力が反転した場合に、正の変位または負のさらなる変位への好ましくない移動を防ぐために提供される保護がある。
CheckBrakeDoneVarRate操作1720の実行が図22に示されている。アキュムレータ圧力AccPressが最大許容圧力AccPressMaxの値よりも大きいか、または、センサ218及び/または220からの角度SwashFbkが定数C_SwashBrakeldleBandより大きいか等しい場合に、フラグDoneBrakeが「TRUE」に設定される。それ以外は、変数DoneBrakeが「FALSE」に設定される。一般に、ブレーキ操作は、斜板216がニュートラル位置にある場合、または、アキュムレータ238の圧力が最大許容レベルである場合に行われるように決定される。
ポンプモードと加速モードとの間には対称性があることに注意すべきである。例えば、一般的に、変数AccPressressureLimitRatioは両方のモードに対して、高圧デバイス圧力しきい値と所定の圧力との差の絶対値を、高圧デバイス圧力しきい値と所定の圧力との差で割った、とみなすことができる。高圧デバイス圧力しきい値は、AccPressMinまたはAccPressMaxであり、また、所定の圧力は、MinAccPressToAccelまたはMaxAccPressToBrakeである。
加速操作範囲1110は、図23に詳しく示されている。制御は、エントリポイント2302で操作範囲1110に入る。3つの状態、2304、2306及び2308が図17に示されている。制御は、最初にAccelと題した状態2304に移行する。フラグExitAccelが「TRUE」に設定されている場合、フローライン2310で示すように、制御は、ExitAccelAtConstRateと題する状態2306に移行する。それ以外の場合は、(i)アキュムレータセンサ282の圧力がMinAccPressToAccelの値よりも大きい値より小さいか、または、等しい場合、;または、(ii)ポンプ‐モータユニット217の速度が、定数C_MaxPumpSpeedToAccelより大きいか等しい場合には、制御は、フローライン2312で示すように、ExitAccelAtVarRateと題する状態2304から状態2308に移行する。
一つの典型では、MinAccPressToAccelは、150バールに等しく設定されている。これは、デフォルト値である。制限として機能する値が、図7及び8で説明した温度補償ヒューリスティックによって絶えず評価され、修正される。理論的解釈は以下のとおりである。この値は、変数AccPressMinに直接関連している(正の15バールオフセット)。AccPressMinのデフォルトは、図では、135バールであり、アキュムレータを予め充填する値に近いことが分かった。油圧駆動システムがこの値よりも下に行く場合、高圧近接スイッチ284が閉じて、システム内の圧力がゼロに近づくように低下する。図13に関連して説明したように、定数C_MaxPumpSpeedToAccelは、ポンプ‐モータ130またはチャージポンプ204に損傷を与えないでモータモードを許容する最大のポンプ速度を表す。さまざまな操作2314,2316,2318,2320及び2322は、操作範囲1110で呼び出される。
ポンプモードとは対照的に、操作範囲1110に入力する場合は、ソレノイド238を使用してモードバルブ232を開く信号が送信されるが、チャージバイパスバルブ263を開かせる信号は存在しない。操作範囲1110中は、CheckAccelExitCondと題された操作2314が実行される。また、操作モード1110中は、ソレノイド238に対する信号は「ON」であるが、チャージバルブソレノイド266に対する信号は、「OFF」である。変数はポンプモードに関連しており、モータモードには関連していないので、変数NegativeSwashLimit(表4)は、「0」に設定される。
CheckAccelExitCond操作2314は図24に示されている。フラグExitAccelは、次の条件のいずれかが満足された場合に「TRUE」と等しい値に設定される:(i)変数SwashCmdが「0」に等しいかそれよりも小さい;(ii)規定のフォールトがある;(iii)制御は、「ソフトシャットダウン」を行うように設定されている;または、(iv)高圧近接スイッチ284が「アキュムレータが空」に状態を変更する。後者の条件は、上述したように、プリチャージロジックを呼び出す必要があるかどうかで発生する。(i)から(iv)の条件のいずれも満足されない場合、フラグExitAccelは「FALSE」に等しく設定される。
上述したように、制御が操作範囲1110に移行した場合、エントリポイント2302で入力して、Accel状態に移行する。フラグDoneAccelは「FALSE」に設定される。変数PositiveSwashLimit(表4)は、変数SwashAccelLimit(表3)の値に設定され、また、変数SwashOut(表3)は「0」度に設定される。操作範囲2304に留まる場合には、AccelMoreと題する操作2316、AccelLessと題する操作2318が実行される。最後に、SwashOutの値が、(i)操作後に呼び出されたSwashOutの現在の最小値、または、(ii)SwashAccelLimitの値に設定される。
AccelMore操作2316は、図25に詳細に示されている。操作2316は、オペレータコマンドが斜板216のさらなる正の変位を要求している場合に呼び出される。引き続き操作2316を実行するためには、SwashCmdの値は、フローライン2502で示すように、SwashOutの現在の値よりも大きくなければならない。SwashCmdの値がSwashOutの現在の値よりも大きい場合は、SwashOutの2つの値のいずれかが可能である。フローライン2504で示すように、SwashCmdの値が、SwashOutの現在の値に、定数C_SwashAccelIncreaseを加えた値より大きい場合、SwashOutの値は、最初に、SwashOutの現在の値に定数C_SwashAccelIncreaseの量を加えた値に設定される。
操作2316は、一般に、上述した操作1716におけるC_SwashBrakelncreaseと同様である。操作2316の目的は、典型的な値の一つを使用して、500ミリ秒で15度以上の斜板216の角度変位の増加を防ぐことである。定数、組込みレートは、急激な加速を回避するために、オペレータのコマンドが最大の受入れ可能な組込みレートを超える要求を無効にする。
種々の定数の典型的な値は以下のとおりである。
%MotorSwashConstants(モータ動作は正)
SwashAccelDecreaseRate=15/0.5;%(度/秒)
SwashAccellncreaseRate=15/0.5;%(度/秒)
C_SwashAccelDecrease=SwashAccelDecreaseRate*5msec;%(度)
C_SwashAccelIncrease=SwashAccellncreaseRate*5msec;%(度)
最後に、SwashOutは、SwashOutの現在の値の最小値、またはSwashAccelLimitの値に設定される。それ以外は、フローライン2506で示すように、SwashOutの値は、SwashCmdの値に設定され、また、SwashOutの値は、SwashOutの現在の値またはSwashAccelLimitの値いずれかの最小値に設定される。こうして、斜板216は、さらに正の変位が指令される(つまり、より高速化)。まず、オペレータコマンドの増加が、組込みレートC_SwashAccelIncreaseより大きいかどうかを確認するチェックがある。ある場合には、オペレータコマンドは組込みレートで無効とされる。それ以外の場合は、オペレータコマンドは、最大組込みレートより大きくないために適用され、オペレータコマンドは受け入れられる。さらに、最大のコマンドは、一般に、SwashAccelLimitの値未満に制限される。
AccelLess操作2318は、図26に詳細に示されている。オペレータコマンドが、斜板216に対して、小さい角度変位を要求している場合に呼び出される。操作2318を継続するためには、変数SwashCmdの値が、フローライン2602で示される変数SwashOutの値よりも小さくなければならない。その場合は、2つの可能なフローラインの一つが続行される。フローライン2604で示すように、SwashCmdの値が、SwashOutの値と定数C_SwashAccelDecreaseとの差よりも小さい場合には、SwashOutの値は、SwashOutの現在の値と定数C_SwashAccelDecreaseとの差に設定される。最後に、SwashOutの値は、SwashOutの現在値の最大値または「0」に設定される。フローライン2604に関連する条件が満足されない場合には、次に、フローライン2606で示すように、SwashOutの値はまずSwashCmdの値に等しく設定される。次に、SwashOutの値は、SwashOutの現在値の最大値または「0」に等しく設定される。
上記シナリオにおける斜板216は、小さい正の変位を指令される(つまり、加速は小さい)。コントローラ140は、オペレータコマンドの減少が、組込みレートC_SwashAccelDecreaseより大きいかどうかをチェックして、そうであれば、オペレータコマンドは、組込みレートで無効とされる。それ以外の場合は、組込みレートより大きくないため受け入れられて、コマンドが適用される。さらに、チェックは、オペレータコマンドを「0」に制限する。
条件ExitAccelが「TRUE」の場合、制御は、Accel状態2304から、フローライン2310によってExitAccelAlConstantRate2306に移行する。状態2306の場合、フラグDriftCompensationCondは「FALSE」に等しく設定される。タイマが開始される。タイマが作動中は、SwashOutの値は、SwashOutの現在値と定数C_SwashAccelDecreaseとの差に設定される(組込みレートより大きい変更は許可されていない)。次に、SwashOutの値は、SwashOutの現在値または「0」のいずれかの最大値に設定される。この設定は、システムが「0」以下のならないことを確認するためのガードである。次に、SwashOutの値は、SwashOutの現在値の最小値または変数SwashAccelLimitの値に設定される。これは、最大SwashAccelLimitのガードである。SwashOutの最小値が一旦設定されると、変数PositiveSwashLimitは、SwashOutの現在の値に等しく設定される。最後に、CheckAccelDoneConstRateと題した操作2320に従って、CheckDriftCompensationCond操作1112が実行される。
CheckAccelDoneConstRate操作が、図27に詳細に説明されている。フラグDoneAccelを「TRUE」に等しく設定するために、次の条件のいずれかを満足する必要がある:(i)SwashOutの値が、定数C_SwashAccelldleBand未満である必要がある;または、(ii)状態2306用のタイマに関連する時間が、変数SwashAccelDecreaseRateの値で除算したC_SwashCmdAccelLimit(図5)の値より大きいこと。それ以外の場合は、フラグDoneAccelは、「FALSE」に等しく設定される。
Accelの状態2304を終了する他の方法は、フローライン2312によってExitAccelAtVariableRateの状態2308に移動することである。フローライン2312に関連する2つの条件のいずれかが満足される必要がある。センサ282に関連するアキュムレータ圧力AccPressは、MinAccPressToAccelを加速する最低圧力以下または等しいことが必要である。また、モータ‐ポンプ217の速度は、定数C_MaxPumpSpeedToAccelより大きいか、または等しい。
状態2308では、変数AccPressressureLimitRatioの値は、アキュムレータ圧力AccPressとAccPressMin(表4)の値との差を、MinAccPresstoAccelの値とAccPressMinの値との差で除算した値に等しい。変数SpeedLimitRatioは、定数C_SpeedMaxAccelExitとポンプ‐モータユニット217の現在速度との差を、定数C_SpeedMaxAccelExitと定数C_MaxPumpSpeedToAccelとの差で除算した値に等しく設定される。典型的なアプローチでは、定数C_SpeedMaxAccelExitは、2500RPMである。より一般的には、値は、ポンプ217の変位に対して高すぎると判断される値に設定される。したがって、上記の制限は、ハードウェアの制限の操作である。変数SwashOutTempは、SwashAccelLimitの値にSpeedLimitRatioの値を乗算した値に等しく設定される。次に、変数SwashOutは、SwashOutTempの現在の値の最小値またはSwashCmdの現在の値の最小値に等しく設定される(変数の制限よりも高い変更を適用する)。
次に、SwashOutの値は、SwashOutの現在値と定数C_SwashAccelDecreaseとの差の最大値、または、SwashOutの現在の値に等しく設定される。この設定は、圧力または速度を反対方向へ変更し始める場合に行われる。したがって、このSwashOutの設定は、段階的な変更を確認して、ここでは、定数レートが使用される。
最後に、SwashOutの値はSwashOutの現在値の最大値または値「0」に設定され、ゼロ(「0」)以上の変位に対抗させる。変数PositiveSwashLimitは、SwashOutTempの値に等しく設定される。次に、CheckAccelDoneVarRateと題する操作2322が実行される。
CheckAccelDoneVarRateの操作2322が図28に示されている。フラグDoneAccelは、次の3つの典型的な条件のいずれかが満足された場合、「TRUE」に設定される:(i)アキュムレータ圧力AccPressがAccPressMinの値より小さいか等しい;(ii)ポンプ‐モータ217の速度は、定数C_SpeedMaxAccelExitよりも大きいか等しい;または、(iii)斜板216の角度変位SwashFbkが、定数C_SwashAccelIdleBandより小さいか等しい。それ以外は、フラグDoneAccelは「FALSE」に設定される。
積極的なクラッチング
油圧駆動システム102を効率的に使用するための別な機構として、積極的なクラッチングの使用がある。この機構は、主に、クラッチ208が周知のプログレッシブウェットディスク摩擦クラッチの場合に使用される。積極的なクラッチ機構に使用する典型的な油圧回路2900の簡略化された部分が、図29に示されている。回路2900は、アクチュエータピストンとして示すクラッチ208を含む。クラッチパック潤滑2902及びアンギュラ接触軸受潤滑2904がアクチュエータピストンに関連している。回路2900は、高圧アキュムレータ2906及びオイルリザーバと称される油圧流体リザーバ2908を含む。油圧流体は、リザーバ2908から、ジェロータポンプ2912を回転させる電動モータによって、低圧側導管2914、フィルタ2918、一方向チェックバルブ2920及び高圧側導管2916を介して、高圧アキュムレータへ流入する。
クラッチ208を作動させる場合、比例クラッチバルブ292を制御するソレノイド290が選択され、アキュムレータ2906からの高圧油圧流体を高圧導管2916によって受け取る。ソレノイド290で受信する信号の強さは、バルブ292で供給される流体圧力のレベルを制御して、それによって、図29のアクチュエータピストンで表されるように、クラッチ208に作用する力の量を制御する。比例クラッチバルブ292を介して流れる油圧流体は、導管2922からクラッチ208に流入する。高圧導管2916内の配置で、アキュムレータ2906と比例クラッチバルブ292との間に、回路2900内の代替経路導管2926を提供するトランスデューサ2924が配置されている。導管2926は、トランスデューサ2924と、アンギュラ接触軸受潤滑2904及びクラッチパック潤滑2902との間に配置されている。リリーフバルブ2928は、導管2926内に、トランスデューサ2924の下流で潤滑機構2902及び2904の上流に配置されている。最後に、クラッチ用の入力圧力は、センサ2928で測定することができる。
図1及び図2示すように、駆動ライン116に関連するクラッチ208は、機械エネルギーを油圧エネルギーに転換することによって、中間シャフト202を、ギアセット210及びシャフト206に相互に連結するために使用されるが、潜在的な有害抗力の問題がある。このように、油圧駆動システム102は、必要となるまで、車両駆動システム110の残りの部分から連結解除されていることが望ましい。システム102が連結される必要がある場合には、車両100のオペレータが気づくことなく、力の最大量を油圧エネルギーに転換できるように、できるだけ迅速にクラッチを連結することが好ましい。それにより、駆動ライン116内で好ましくないトルクスパイクは起きない。
油圧駆動システム102のサブシステム3000が、図30に示されている。サブシステム3000は、駆動システム102がモータモードとポンプモードの間にある場合に、エントリポイント3002で入力する。Wait(待機)と題する操作範囲3004と、ClutchEngageと題する操作範囲3006の2つの操作範囲が示されている。Wait操作範囲3004は、さらに図31に関連して説明するが、ClutchEngageの操作範囲3006は、図32から図35に関連して説明する。
制御は、5つの典型的な条件が全て一致した場合に、フローライン3008で示すように、Wait操作範囲3004を離れて、ClutchEngageの操作範囲3006に移行する。あるシステムでは、条件を増やしたり減らしたりする必要がある場合がある。
第1に、変数HLAOpModeは、油圧駆動システムが正常に作動しており、また、ポンプモードとモータモードとの間で移動することができることを意味するフラグvsc_normalに設定する必要がある。第2に、システムを正常に作動させるために、フォールト(エラー)がないことである。たとえば、フローライン3008は、FaultLevelが「1」と等しくなく、また、「2」に等しくない場合に、往来する。表3で説明したように、あるタイプのフォールトがハードウェアの障害になることがあり、また、別の種類のフォールトがロジックに関係している可能性がある。第3に、センサ2928で測定されたクラッチ208に関連する入力は、定数である最小値しきい値MinEngagelnletPressよりも大きくなければならない。この定数の値は、システムからシステムへ変化するが、クラッチ208の完全動作を許容し、また、チャージ操作またはディスチャージ操作のいずれも許容する。満足する必要のある4番目の条件は、車両100(表3参照)に関連するCANで提供されるように、中間シャフト202を含む駆動ライン116に関連するシャフトOutputShaftSpeedの回転速度が、最大連結解除速度である定数C_DisengageSpeedよりも小さいことである。最後に、第5の条件は、第1から第4の条件と共に、次の3つの条件の少なくとも一つを含む条件を満足している必要がある。:(i)変数TransShaftSpeedは定数MinDisengageSpeedよりも小さいこと;(ii)変数SwashCmdは、定数C_SwashBrakeIdleBandよりも小さいか等しいこと、または、(iii)変数SwashCmdは、定数C_SwashAccelIdleBandより大きいか等しいこと。変数SwashCmdは、表3及び図5で説明する。定数C_SwashBrakeIdleBandとC_SwashAccelIdleBandは、フローライン908の条件に関連してより詳細に説明する。定数MinDisengageSpeedについて、ポンプ‐モータ130にとって有害な条件であるゼロ変位(ニュートラル)に保持されるには長すぎる定数よりも大きいポンプ速度でポンプ‐モータ130が回転している場合に、クラッチ208の連結を解除するために使用する。このような条件が起こる場合、FaultLevelは、Engaged(連結)状態1100から連結解除状態に移行する「1」の値に設定される。
制御が、一旦、操作範囲3004から操作範囲3006に移行した場合、操作範囲3006から離れる方法として、3つの方法がある。最初に、クラッチ208が正しく連結されている場合、サブシステム3000は、フローライン3010によって終了する。また、クラッチの連結時間が、変数ClutchTime5_6よりも大きい場合には、以下の図35に関連するフローライン3012で詳述するように、フラグFailedEngagementCount(表4)が「TRUE」に設定され、制御は、操作範囲3004に戻る。最後に、コントロールはまた、次の条件が満足されている場合、ClutchEngage操作範囲3006からWait操作範囲3004に移行する。第1に、フォールトは、FaultLevelによって示されるように、フローライン3014に示す「1」または「2」のいずれかに等しいことが検出される。第2に、変数HLAOpModeは、通常のvsc_normal用のフラグに等しくない。最後に、フローライン3014用の第3の可能な条件は、駆動ラインシステム110の出力軸速度が、定数C_DisengageSpeedと規定のオフセットとの和よりも大きい。ここでは、オフセットは50RPMとして示されている。
Wait操作範囲3002が図31に詳細に説明されている。基本的に、操作範囲3002内では、特定の条件が満足された場合は、クラッチ208に電流の形式のコマンドが適用され、クラッチは、既に準備ができており、すなわち、しきい値に極めて近づいている。非常に少量の電流がクラッチに適用されるので、クラッチは、迅速に連結されることを意味する。適用される電流は、中間シャフト202を含む駆動ラインシステム110のシャフトの速度に高度に依存する。
操作範囲3002は、エントリポイント3102で入力して、制御は、ClutchDisengageと題する状態3104に移行する。TransCaseCmdによるコマンドがクラッチ208を確実に連結させるように、ソレノイド290に送信される。バイパスバルブ246への信号MainBypassCmd、遮断弁242への信号IsolationCmd及びモードバルブ232への信号ModeCmdは、表4で例示して説明した各バルブの結論のように、すべて「OFF」の条件に設定されている。最後に、変数SwashEnableに関連するフラグが、表4に関連して説明したように、「FALSE」に設定される。
フローライン3108に関連する条件が満足されたとき、フローライン3108により、制御は、状態3104からWaitDisengagedと題する状態3106に移行する。これらの条件には、第1に、出力軸速度OutputShaftSpeedは、定数C_DisengageSpeedとオフセットとの和より小さい必要があり、ここでは、200RPMとして示されている。第2に、出力軸速度は定数MinDisengageSpeedより大きいことが必要である。第3に、システムフォールトFaultLevelはありえない。
状態3106では、タイマが開始される。このタイマを開始する目的は、クラッチ208を連結させるために必要なすべての条件が維持されていることを確認することである。状態3106のタイマに関連する時間が、DissAggressiveTimeとしての設定値より大きい値となり、また、油圧駆動システムの操作モードHLAOpModeが正常である場合、制御は、フローライン3112によってClutchDisengagedAggressiveと題する状態3110に移行する。
状態3110では、フラグは、変数TransCaseCmdに関連して設定されており、クラッチ208はほぼ準備ができているので、ソレノイド290によってクラッチバルブ292を作動させるようにクラッチ208に信号を送信する。一つの例では、TransCaseCmdHold=0.6Aである。「hold(保持)」電流というこの呼び出された電流は、連結を阻止するように十分に低い。連結が指令され、高電流が適用されると、保持電流がすでにソレノイド292のコイルを流れている場合、その電流を短時間で受け取る。よく知られているように、電流がソレノイドに流されると、インダクタンスに比例して電流に反比例する特
定遅延の後に、ソレノイドのインダクタンスが、電流を目的の値に上昇させる。
フローライン3008またはフローライン3114に関連する条件が満足されている場合を除いて、操作範囲3004は状態3110に留まる。フローライン3114に関連する条件は、(i)もはや油圧駆動システム102は正常に作動していないか、または、(ii)出力軸速度OutputShaftSpeedが、定数C_DisengageSpeedとフローラインの250RPMで示すオフセットとの和よりも大きいことである。どちらかの条件が満足される場合、制御は状態3104に戻され、上述したように、クラッチは、その他の変数の条件の変更と共に再び連結解除される。図30に関連して上述したように、操作範囲3004が終了するまで、操作範囲3004は、状態3104、3106と状態3110との間で移動する。多くの場合、制御は、終了する場合には、状態3110内になる。
ClutchEngage操作範囲3006が図32により詳細に説明されている。操作範囲がエントリポイント3202で入力すると、変数PumpSpeedInstは、ポンプ‐モータ130のポンプ速度PumpSpeedに等しく設定される。表4で説明したように、バイパスバルブ246は、MainBypassCmd「ON」の条件に設定され、遮断弁242はIsolationCmd「ON」の条件に設定され、また、変数SwashEnableに関連するフラグは、「TRUE」に設定される。最後に、変数SwashOut1は「0」に等しく設定される。このコマンドは、斜板216がニュートラルの位置に指令されることを示す。しかしながら、別の場所で述べたように、プリチャージヒューリスティック600が作動中の場合には、プリチャージヒューリスティックがSwashOut1コマンドに優先する。詳細に説明したように、クラッチ208を連結するようにクラッチバルブ292のソレノイド290に送信された信号は、異なる時点で変化する。本質的に、システム102に示すように、電流プロファイルは、それぞれ特定のハードウェアの配置により、異なる種類の条件がクラッチアプリケーションに影響することを考慮して作成される。高効率を必要する場合には、油圧駆動システム102のユーザーが、油圧駆動システムに対して好ましくない印象を受けないように、クラッチ208のアプリケーションを制御することも重要である。さらに、油圧回路2900によって、過度に積極的なクラッチアプリケーションにより、油圧クラッチ208を必要以上に使用することを最小化することが望ましい。図示した配置は単なる例であり、短期間の効率と長期的なパフォーマンスや知見との間のバランスを見つける問題に取り組む一つのアプローチを与える。油圧クラッチ208を使用する場合、より高速でクラッチを連結することが可能である(つまり、ポンプモードが要求されるとき、車両100はある速度で移動している)が、単純な機械式噛合型クラッチは、本質的にゼロ(0)の車両速度で連結させることができる。後者の場合、車両のオペレータがブレーキ操作の要求を準備している場合、クラッチ208は、要求前の一定の時間連結されている。
エントリポイント3202で、ClutchEngage操作範囲3006に入力した後、制御は、Clampingと題した状態3204に移動する。操作ClutchTimeClamping3206が実行され、操作3206の結果を使用して、変数TransCaseCmdで送信される信号を設定して、クラッチ208の種々のアプリケーションを制御する。
一般に、クランプ電流は、クラッチ208の連結に必要な電流よりも高い。連結シーケンスの開始の短時間(ClutchTimeClamping)が、連結の「jump start(ジャンプ開始)」に適用される。次に説明するクランプ後に、サブシステム3000は小さい電流に戻され、連結状態3208で説明したプロファイルが実装される。
ClutchTimeClampingCalc操作3206が、図33に詳細に示されている。操作3206は、エントリポイント3302で入力され、図示した終了ポイント3304、3306、3308及び3310に関連する条件が満足されると、ポイント3304、3306、3308及び3310で終了する。一般的に、クラッチのクランプ時間は、低圧リザーバ134の温度センサ288で測定された油圧流体の温度操作で変化する。図を使用するだけであるが、最初のクラッチ操作時間ClutchTimeClampingは、センサ288に関連する油温OilTempが、規定の油温OilTemp1よりも小さい場合に、設定される。それ以外の場合は、油温が第2油温OilTemp2よりも小さい場合に、変数ClutchTimeClampingは、ClutchTimeClamping2の第2の規定値に設定される。最後に、例示するだけであるが、油温が第3の油温よりも小さい場合には、変数ClutchTimeClampingは、第3の値に設定される。油温と時間との間の関連を表す少ないまたは追加の許容条件を設定することができる。ただし、いずれの条件も満足されない場合には、デフォールトクランプ時間が設定され、図に示すように、既定値ClutchTimeClampingP3と等しく設定される。
一般に、油圧駆動システム102に対して、温度の上昇と共に、より短い持間でクラッチ208をクランプすることが決定されている。したがって、有利には、油圧駆動システム102の効率化を推進するために、全体の連結時間を短縮することが可能である。単に例示するだけであるが、変数は、ワンカウントの時間の短縮に伴って変化するクラッチクランプ時間が増加するごとに、設定される。ここで、ワンカウントは5ミリ秒を表す。温度は、監視可能なしきい値に基づく温度に基づいており、ハードウェア、操作条件及び環境条件に関連しているが、OilTempに関連する変数は、温度の増加と共に上昇する。
具体的には、変数は、次のように設定されている。
OilTempP1=32℃
OilTempP2=48℃
OilTempP3=60℃
ClutchTimeClampingP1=13カウント、各カウントは、5msec_>13*5=65msec
ClutchTimeClampingP2=12カウント、各カウントは、5msec_>12*5=60msec
ClutchTimeClampingP3=11カウント、各カウントは、5msec_>11*5=55msec
一旦、クラッチコマンドTransCaseCmdが状態3204で送信されると、タイマが設定されている。フローライン3210で示すように、制御は、状態3204からEngagingと題する状態3208に移行して、ClutchTimeClampingと題した時間よりも大きい場合、または、モータ‐ポンプ130の速度PumpSpeedが、先にPumpSpeedlnstにオフセット、ここでは、25RPMを加えた変数よりも大きい場合、状態3204のタイマに関連する時間が、CiutchTimeClampingCalc操作3206によって設定される。このオフセットは、ポンプシャフト206が回転し始めていることを示す。
Engaging状態3208は、図34及び図35に関連して詳細に説明されている。ただし、操作範囲3006は、図30に関連して説明したように、ライン3010,3012または3014によって、状態3208を終了するように示されている。
Engaging状態3208は、図34のフローライン3210で入力される。Engaging状態3208内で、ClutchProfileCalc操作3404が実行される。図35に示すように、出力軸速度OutputShaftSpeedが、フローライン3502で示すように、定数SpeedEngP1より小さい場合には、各種コマンド信号及び対応するクラッチ時間が、指定された値に設定される。一つの図示したアプローチでは、SpeedEngP1は、750RPMに等しい。それ以外の場合は、別の値が、フローライン3504で示すように設定される。一実施の形態では、同じパラメータは、エンジンの速度に関係なく使用される。ただし、他の実施の形態では、より小さい力で連結する低いエンジン速度が予想されるので、違いがある。
一般に、変数はトルクセンサを使用して設定され、フィードバックを分析することにより、最小時間でより滑らかにクラッチ208を連結することを決定する。こうして、効率性と既知のパフォーマンスとの間で適切にバランスされる。
具体的には、一例では、変数は、次のように設定される:
TransShaftSpeed<750rpmの場合、続いて、
TransCaseCmd_1_P1=0.73A(アンペア);
TransCaseCmd_2_P1=0.74A;
TransCaseCmd_3_P1=0.75A;
TransCaseCmd_4_P1=0.76A;
TransCaseCmd_5_P1=0.77A;
ClutchTime1_2P1=30カウント、各カウントは5msec_>30*5=150msec
ClutchTime2_3P1=20カウント、各カウントは5msec_>20*5=100msec
ClutchTime3_4P1=20カウント、各カウントは5msec_>20*5=100msec
CIutchTime4_5P1=10カウント、各カウントは5msec_>10*5=50msec
その他
TransCaseCmd_1_P2=0.73A;
TransCaseCmd_2_P2=0.74A;
TransCaseCmd_3_P2=0.75A;
TransCaseCmd_4_P2=0.76A;
TransCaseCmd_5_P2=0.77A;
ClutchTime1_2P2=30カウント、各カウントは5msec_>30*5=150msec
ClutchTime2_3P2=20カウント、各カウントは5msec_>20*5=100msec
ClulchTime3_4P2=20カウント、各カウントは5msec_>20*5=100msec
ClutchTime4_5P2=10カウント、各カウントは5msec_>10*5=50msec
クラッチ連結コマンド信号としての目標電流値とクラッチ連結時間(秒)が、操作ClutchProfileCalcを使用して決定されると、通常、クラッチ208が完全に連結されるまで、状態3208は、異なる時間期間で異なる電流をソレノイド290に適用する。
一般的に、電流は信号に対応している。以下の段落で詳細に示すように、クラッチ208が連結するまで、複数の信号が、複数のプリセット時間で適用される。
ボックス3406はSpeedMatchlと題されている。クラッチコマンドTransCaseCmdが、操作CIutchProfileCalcから変数TransCaseCmd_1に設定され、タイマが開始される。TransCaseCmd_1は、最初の連結信号とみなすことができる。フローライン3408で示すように、3つの条件のいずれかが満足された場合、制御は、ボックス3410に移行する。最初の条件は、タイマに関連する時間が、操作で設定される変数ClutchTime1_2よりも大きい。ClutchTime1_2は、最初のプリセット時間とみなすことができる。第2の可能な条件は、ポンプ速度が、変数PumpSpeedlnstと、25RPMの例として示すオフセットとの和よりも大きい。第3の可能な条件は、出力軸速度からポンプ‐モータ130の速度をマイナスした値の絶対値が、EngageSpeedErrorと題した規定の連結速度エラーより小さい。便宜上、この第3の条件は、速度のエラー条件として参照される。
変数EngageSpeedErrorは、クラッチ208の両側の差、すなわち、中間シャフト202とポンプ‐モータシャフト206の速度である。一例では、差が、規定レベル(例えば、50RPM)より小さい場合、クラッチ208の両側は連結されているとみなされる。このように、クラッチのわずかな滑りが許容されるが、滑り量は制御される。
SpeedMatch2と題するボックス3410では、クラッチコマンド信号は、第2連結信号とみなされるTransCaseCmd_2に設定される。変数デルタは、TransCaseCmd_3とTransCaseCmd_2との差を、全て操作3404内で決定される第2のプリセット時間とみなされるClutchTime2_3の値で除算した値と等しく設定される。クラッチコマンド信号が変数デルタに設定される間に、タイマが起動するように設定される。実際には、変数デルタを使用することで、電流は、ClutchTime2_3で指定された期間中に、初期値TransCaseCmd_2から現在値TransCaseCmd_3に増加する。もちろん、一部のシステムでは、電流を一定に保持するか、または、電流を低下させることができることが望ましい。それにもかかわらず、クラッチ208を連結させることが目標であるため、時間と共に電流を増加させることは、効率推進に有利であることがわかっている。同様に、ボックス3414,3418及び3426でも真実である。タイマが、ClutchTime2_3の操作3404で設定された変数より大きい場合、または、速度エラー条件が満足される場合、制御は、フローライン3412でボックス3414に移行する。これは、クラッチの連結が完了したことを意味する。SpeedMatch3と題するボックス3414では、クラッチコマンド信号はTransCaseCmd_3に設定される。変数デルタは、TransCaseCmd_4とTransCaseCmd_3との差を時間ClutchTime3_4で除算した値に設定される。クラッチコマンド信号が変数デルタに設定される間に、タイマが起動するように設定される。タイマが、時間ClutchTime3_4よりも大きいか等しい場合、または、速度エラー条件が満足される場合は、制御は、フローライン3416によってボックス3418に移行する。これは、クラッチの連結が完了したことを意味する。
SpeedMatch4と題するボックス3418では、クラッチコマンド信号は、TransCaseCmd_4に設定される。変数デルタは、TransCaseCmd_5とTransCaseCmd_4との差をClutchTime4_5で除算した値に設定される。クラッチコマンド信号が変数デルタに設定されている間、タイマは起動中に設定されている。タイマが時間ClutchTime4_5以上の場合、または、速度エラー条件が満足された場合、制御は、フローライン3420によってボックス3422に移行する。これは、クラッチ連結が完了したことを意味する。
SpeedMatch5と題するボックス3422では、クラッチコマンド信号は、変数TransCaseCmd_5に設定される。タイマが設定され、タイマの実行中、クラッチコマンド信号と同じ値が維持される。SpeedMatch5ボックス3422からは2つのフローラインがある。最初のフローラインP-24は、タイマがクラッチ連結時間ClutchTimeEngageの値よりも大きい場合に従う。条件を満足している場合、SpeedMatch6と題するボックス3426では、クラッチ208を連結するために最後の試行が行われる。クラッチコマンド信号TransCaseCmdは、TransCaseCmd_5に関連する値に等しく設定される。変数デルタは、TransCaseCmd_6とTransCaseCmd_5との差をClutchTime5_6のクラッチ時間値で除算した値に等しく設定される。クラッチコマンド信号が変数デルタに設定されている間は、タイマは起動中に設定される。フローライン3012に関連する条件が満足されている場合、フローライン3012で示すように、連結状態3208は終了する。
したがって、油圧駆動システム102が、SpeedMatchの状態(1〜6)のいずれかにあり、速度条件エラーが満足されるか「TRUE」に設定されている場合、クラッチ208は連結され、さまざまな追加時間を待つ必要がない。こうして、連結状態3208は、連結が完了するまで、非常に短時間で実行される。
連結状態3208がライン3012で終了しない限り、クラッチ208は、一旦、ボックス 3406,3410,3414,3418,3422、または、3426のいずれかを使用して連結され、制御は、フローライン3428を利用して状態3208から離れる。一旦、ボックスのいずれかに関連する条件が満足されると、制御は、フローライン3428を終了するために、後の番号の付いたボックスを通じて、落とされる。
結 論
ここで説明したプロセス、システム、方法、ヒューリスティックなどに関して、このようなプロセスなどの手順が、特定の順序づけられたシーケンスに従って起こるように説明されているが、このようなプロセスは、説明した手順で実行されるべきであり、ここで説明した順序以外の順序で実行できる可能性があることを理解すべきである。さらに、ここで説明した特定の手順が同時に実行され、他の手順が追加され、または、特定の手順が省略される可能性があることを理解する必要がある。つまり、ここでのプロセスの説明は、図示した特定の実施の形態のために用意されており、請求した発明を限定するように解釈すべきではない。
したがって、上述した説明は、例示しようとするものであり、限定しようとするものではないことを理解されたい。当業者であれば、上述した説明を読むことにより、提供した例以外の多くの実施の形態及び応用例が明らかになる。本発明の範囲は、上記説明を参照するだけでなく、むしろ、クレームとなる得る全ての同等物とともに、添付した請求項を参照して、決定する必要がある。さらなる開発がここで説明されている技術に起こりうるし、開示したシステムや方法は、さらなる実施の形態として組み込まれることが、予想され、また、意図される。要するに、本発明は、変更及び修正が可能であり、添付された請求項のみに限定されないことを理解すべきである。
請求項で使用されている全ての用語は、最大限の合理的な構成や、明確に指示しない限り、当業者が理解できるように通常の意味を与えるものであることを意図する。特に、「a」「the」「said」などの単数を使用することは、明示的に限定しないかぎり、指示した要件のひとつあるいはそれ以上を示すものとして読むべきである。