JP2010167079A - 歯科用補綴物とその製造方法およびこれを用いた歯科修復方法 - Google Patents

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潤 横山
Akitsugu Segawa
彰継 瀬川
Seiji Hamano
誠司 濱野
Masaya Tsujimoto
雅哉 辻本
Hideo Nakanishi
秀雄 中西
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Abstract

【課題】内側冠と外側冠とを含む二重冠構造を採用した歯科用補綴物において、外側冠の破損時等によって交換が必要になった場合でも、内側冠や支台歯を削ることなく外側冠のみを交換することが可能な歯科用補綴物とその製造方法およびこれを用いた歯科修復方法を提供する。
【解決手段】歯科用補綴物10では、外側表面12aに凹部としてのアンダーカット部14aを有する内側冠12と、内側冠12に接する内側表面13aに凸状の突起部14bを有する外側冠13と、を備えている。内側冠12に対して外側冠13を固定する際には、内側冠12側のアンダーカット部14aに対して、外側冠13側の突起部14bを嵌合させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、歯科医療における歯科用補綴物と歯科修復方法に関するものであり、より詳細には、歯科修復のための別々に作製された内側冠と外側冠とを備えた歯科用補綴物とその製造方法およびこれを用いた歯科修復方法に関する。
歯冠修復には、適応症として大きく分類してインレー、アンレー、ベニアという、主に単独歯の部分修復を行うものと、単独歯全体を覆い修復するクラウン、および複数の部分を連結して補綴修復するブリッジ等がある。
これらのクラウン、ブリッジには、金属またはレジンまたはセラミックの1層から構成されるものと、金属やセラミックの内側冠表面に陶材やレジンを築盛りして外側冠を作成して2層構造からなるものとがある。特に、審美性が求められる症例には、クラウンやブリッジ等の2層構造からなる歯科用補綴物が用いられている。
これらの従来の2層構造からなる歯科用補綴物を製造する際には、フレームと呼ばれる内側冠表面に外側冠となる陶材やレジンを築盛り後、焼成や光重合等によって外側冠を硬化させることで、直接的に内側冠と外側冠とを接合する一般的な製造方法がある。一方で、近年発達してきたCAD(Computer Aided Design)/CAM(Computer Aided Manufacturing)システムによる製造方法がある。この製造方法では、CADを用いて内側冠と外側冠の形状を設計し、CAM装置を用いて切削、研削によって金属やセラミックの外側冠および内側冠を別々に作製し、内側冠と外側冠とを接着材料によって接合させて製造する(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−277059号公報(平成10年10月20日公開)
しかしながら、上記従来の歯科用補綴物では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上述した2層構造からなる歯科用補綴物の外側冠は、一般的に対向歯を傷つけないように天然歯に対して磨耗性を持った材料を用いる必要があり、長期間の使用によって磨耗が進行して交換が必要になる場合がある。また、外側冠にポーセレンのようなガラス材を用いると、耐衝撃性が低いために損傷して交換が必要になる場合がある。
しかし、従来の2層構造からなる歯科用補綴物の製造方法では、内側冠と外側冠とを接合して固定しているため、その歯科用補綴物の外側冠の磨耗または破損、設計変更等によって歯科修復が必要になった場合に、交換が必要な外側冠だけでなく、内側冠や内側冠と接合されている患者の歯質部分である支台歯の一部まで除去する必要があるという問題がある。
また、例えば、内側冠としてアルミナ系セラミック、ジルコニア系セラミック等の硬質な難削材を用いている場合には、歯科医が患者の口腔内で歯科用切削用具を用いて内側冠を除去する所要時間が長くなってしまう。このため、患者にかかる負担を増大し、内側冠の除去作業中に過剰な力が掛かることで支台歯自体を損傷させてしまうおそれがある。
本発明の課題は、内側冠と外側冠とを含む二重冠構造を採用した歯科用補綴物において、外側冠の破損時等によって交換が必要になった場合でも、内側冠や支台歯を削ることなく外側冠のみを交換することが可能な歯科用補綴物とその製造方法およびこれを用いた歯科修復方法を提供することにある。
第1の発明に係る歯科用補綴物は、支台歯に対して取り付けられ、歯科修復を行うための歯科用補綴物であって、内側冠と、外側冠と、を備えている。内側冠は、支台歯を覆うように取り付けられるお碗状の部材であって、外表面に凸部あるいは凹部の一方を有する。外側冠は、内側冠を覆うように取り付けられるお碗状の部材であって、内側冠に面する内表面に内側冠側の凸部あるいは凹部に嵌合する凹部あるいは凸部の一方を有し、凸部と凹部との嵌合によって内側冠に固定される。
ここでは、内側冠の外周面を覆うように外側冠を取り付けて構成される歯科用補綴物において、内側冠と外側冠とを互いの凹凸を嵌合させて固定している。
ここで、嵌合に用いられる凸部が、内側冠側に設けられている場合には、外側冠側に凹部が設けられていればよい。あるいは、その逆の組合せであってもよい。
これにより、外側冠が摩耗や破損等した場合でも、外側冠と内側冠との嵌合部分を解除するだけで容易に外側冠だけを交換することができる。この結果、内側冠に対して外側冠が接着剤等で固定されていた従来の歯科用補綴物と比較して、外側冠の破損等時に内側冠や支台歯まで削る必要がなくなり、患者や歯科医師に掛かる負担を軽減することができる。
第2の発明に係る歯科用補綴物は、第1の発明に係る歯科用補綴物であって、外側冠は、少なくとも凹部あるいは凸部を含む部分に弾性を有しており、内側冠に取り付けられる際には、凹部あるいは凸部付近が弾性変形して内側冠の凸部あるいは凹部に対して嵌合する。
ここでは、外側冠側に形成された凸部あるいは凹部付近に弾性を持たせている。そして、この外側冠側の凸部等の弾性変形を利用して、いわゆるスナップイン方式によって凸部と凹部とを嵌合させて内側冠に対して外側冠を固定している。
ここで、外側冠側の凸部等に弾性を持たせるためには、例えば、外側冠を樹脂によって成形すればよい。
これにより、内側冠に対して外側冠を取り付ける際に、外側冠側の凸部あるいは凹部付近が弾性変形しながら嵌合することで、内側冠に対する外側冠の取付けを容易に行うことができる。
第3の発明に係る歯科用補綴物は、第1の発明に係る歯科用補綴物であって、内側冠あるいは外側冠が有する凹部は、挿入軸を中心に外側冠を回転させながら内側冠に固定されるように形成され、外側冠あるいは内側冠側の凸部が嵌合した状態で移動する誘導溝を含む。
ここでは、内側冠あるいは外側冠に形成された凹部として、嵌合する凸部を誘導するための誘導溝を形成しており、挿入軸を中心に外側冠を回転させながら内側冠に対する取付けを行う。
ここで、上記誘導溝は、内側冠の外周面あるいは外側冠の内周面に沿って、例えば、挿入軸に対して斜めに形成されているものを含む。
これにより、内側冠に対して外側冠を取り付ける際には、内側冠に対して外側冠をネジのように回転させながら嵌合させて容易に固定することができる。
第4の発明に係る歯科用補綴物は、第3の発明に係る歯科用補綴物であって、内側冠は、挿入軸方向から見た平面視において略円形となるように形成されている。
ここでは、内側冠の形状として、挿入軸方向から見た平面視において略円形の部材、つまり、挿入軸に対して略平行な外周面を含む略円筒形状の部材を用いている。
これにより、例えば、ネジ式で固定される外側冠の内周面を、内側冠の外周面に沿って回転させながら固定することができる。
第5の発明に係る歯科用補綴物は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物であって、凸部および凹部は、内側冠および外側冠において挿入軸を中心とする線対称な位置に配置されている。
ここでは、内側冠と外側冠とを固定する際に互いに嵌合する凸部と凹部の組合せを、挿入軸に対して線対称な位置にそれぞれ配置している。
これにより、内側冠に対する外側冠の嵌合位置が、歯科用補綴物として対称な位置となるため、嵌合力をバランスよく効かせることができる。
第6の発明に係る歯科用補綴物は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物であって、凹部は、内側冠の外周面に沿って1周するように形成されている。
ここでは、凸部が嵌合して嵌合力を生じさせる凹部が、内側冠の外周面を1周するように形成されている。
これにより、内側冠と外側冠にそれぞれ形成される凸部あるいは凹部を精度よく形成できない場合でも、凸部を凹部に対して容易に嵌合させて、外側冠を内側冠に対して固定することができる。
第7の発明に係る歯科用補綴物は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物であって、内側冠の外周面および外側冠の内周面の少なくとも一方には、挿入軸方向に対して垂直な方向に沿って互いに略平行な複数の加工痕が形成されている。
ここでは、例えば、被加工物である内側冠あるいは外側冠に対して、挿入軸を中心として加工工具を同じ高さ位置で一周させ、順次高さ位置を変化させながら加工する、いわゆる等高線加工によって、内側冠の外周面、あるいは外側冠内周面に、加工工具による加工傷(加工痕)を残すように、内側冠あるいは外側冠を形成する。
これにより、外側冠を内側冠に対して取り付けた後、これらの加工痕がグリップとなって、外側冠を内側冠に対して強固に固定することができる。
第8の発明に係る歯科用補綴物は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物であって、凹部は、挿入軸に沿った上流側に、挿入軸に対して略垂直な方向に沿った平面を有している。
ここでは、凸部が嵌合する凹部が、挿入方向における上流側に、挿入軸に対して略垂直に近い方向に沿って形成された平面を有するように形成されている。
これにより、凸部とは嵌合しやすく、抜けにくい嵌合構造を形成することができる。
第9の発明に係る歯科用補綴物は、第1から第8の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物であって、内側冠は、アルミナ系セラミック、ジルコニア系セラミックのいずれか一方によって成形されている。外側冠は、樹脂によって成形されている。
ここでは、内側冠の原材料として、比較的硬質で難削材であるアルミナ系セラミック、ジルコニア系セラミック等を用いており、外側冠の原材料として、弾性を有する樹脂を用いている。
これにより、外側冠を樹脂等の弾性を有する材料によって形成しているため、硬質な材料によって形成された内側冠に対して、外側冠の一部を弾性変形させて、容易に嵌合させることができる。
第10の発明に係る歯科用補綴物は、第9の発明に係る歯科用補綴物であって、内側冠は、外周面に凸部を有している。外側冠は、内周面に凹部を有している。
ここでは、比較的硬質な材料によって形成された内側冠と、弾性を有する材料によって形成された外側冠とを嵌合させて固定する歯科用補綴物において、剛性が高い内側冠側に凸部を、剛性が低い外側冠側に凹部をそれぞれ設けている。
これにより、内側冠に対して外側冠を取り付ける際に、凸部を凹部に嵌合させた場合でも、凸部が破損することを回避して、十分な嵌合力を保持することができる。
第11の発明に係る歯科用補綴物は、第1から第10の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物であって、シールド材充填部を、さらに備えている。シールド材充填部は、外側冠における内側冠に対して接触する下端部に設けられており、内側冠と外側冠との間の隙間を埋めるシールド材が充填される。
ここでは、内側冠に対して外側冠を取り付けた際に、内側冠と外側冠とが接触する下端部付近に、隙間を埋めるためのシールド材を充填するシールド材充填部が設けられている。
ここで、このシールド材充填部としては、内側冠側に形成された凹部、外側冠側に設けられた凹部、あるいはこれらの組合せを用いることができる。
これにより、内側冠に対する外側冠の着脱が容易な歯科用補綴物であっても、内側冠と外側冠との間の隙間から細菌が侵入することを回避することができる。この結果、細菌の侵入による歯周病や口臭の発生を効果的に予防することができる。
第12の発明に係る歯科用補綴物は、第11の発明に係る歯科用補綴物であって、シールド充填部には、歯科用の仮着セメント、あるいは生体シリコンを含む弾性材料が充填される。
ここでは、上述したシールド材充填部に対して充填されるシールド材として、例えば、歯科用の仮着セメントや生体シリコンを含む弾性材料を用いている。
これにより、仮着セメント等の接着力が小さい材料によって隙間を充填することで、外側冠を交換する際の除去のし易さというメリットを損なうことを回避することができる。また、生体シリコン等の弾性材料を用いることで、隙間の形状に沿って変形して隙間を十分に充填して、細菌の侵入をより効果的に防止することができる。
第13の発明に係る歯科用補綴物の製造方法は、第1から第12の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物の製造方法であって、第1設計ステップと、第2設計ステップと、加工ステップと、を備えている。第1設計ステップは、CADシステムによって内側冠を設計する。第2設計ステップは、CADシステムによって外側冠を設計する。加工ステップは、CAMシステムを用いて、加工データに基づいてNC加工を行う。
ここでは、上述した歯科用補綴物の製造方法として、CADシステムを用いて内側冠と外側冠とをそれぞれ設計した後、CAMシステムを用いたNC加工によって、内側冠および外側冠を製造する。
これにより、上述したように、外側冠の交換を容易に行うことが可能な歯科用補綴物を、CAD/CAMシステム等によって容易に量産することができる。
第14の発明に係る歯科用補綴物の製造方法は、第13の発明に係る歯科用補綴物の製造方法であって、加工ステップでは、内側冠および外側冠の少なくとも一方が、切削加工あるいは研削加工を用いて作製される。
ここでは、上記加工ステップにおいて、研削加工、あるいは切削加工のいずれか一方を用いて、内側冠、外側冠を加工する。
これにより、CAMシステムを用いたNC加工等によって、加工精度の高い歯科用補綴物を容易に作製することができる。
第15の発明に係る歯科用補綴物を用いた歯科修復方法は、第1から第12の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物を用いた歯科修復方法であって、外側冠のみを口腔内で除去する除去ステップと、新たな外側冠を作製する作製ステップと、新たな外側冠を口腔内で固定する固定ステップと、を備えている。
ここでは、上述した歯科用補綴物を用いた歯科修復方法において、摩耗や破損等によって交換が必要になった外側冠だけを口腔内から除去した後、新たな外側冠を作製して、再度、口腔内で内側冠に対して固定する。
これにより、従来は内側冠やその下の支台歯まで除去する必要があった外側冠の交換を、患者や歯科医師への負担を軽減しつつ、容易に実施することができる。
本発明に係る歯科用補綴物によれば、内側冠に対して外側冠が接着剤等で固定されていた従来の歯科用補綴物と比較して、外側冠の破損等時に内側冠や支台歯まで削る必要がなくなり、患者や歯科医師に掛かる負担を軽減することができる。
(実施形態1)
本発明の一実施形態に係る歯科用補綴物、その製造方法およびこれを用いた歯科修復方法について、図1〜図8(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
[歯科用補綴物10の構成]
歯科用補綴物10は、図1に示すように、内側冠12と外側冠13と嵌合部14とを備えており、歯科治療によって成形された患者の支台歯11に対して内側冠12がセメントによって接合されている。
内側冠12は、外側冠13によって覆い被されるようにして固定される。そして、内側冠12における外側冠13と接する表面(以下、外側表面12a)には、図2に示すように、外側冠13の内側冠への挿入方向である挿入軸23に対して、嵌合部14を構成するアンダーカット部(凹部)14aが設けられている。
また、外側冠13における内側冠12と接する表面(以下、内側表面13a)は、内側冠12の外側表面12aに倣った形状となっており、上述したアンダーカット部14aの溝部分に嵌合する突起部(凸部)14bが形成されている。
内側冠12における外側表面12aは、外側冠13の内側表面13aに当接しており、内側冠12における内側表面12bが支台歯11に対してセメントによって接合されている。また、内側冠12と外側冠13とは、外側冠13を取り外す方向、すなわち挿入軸23の方向と逆向きの方向への力を外側冠13のアンダーカット部14aの形状によって支えることにより、互いに固定されている。
嵌合部14は、上述した内側冠12における内側冠外側表面12aに形成されたアンダーカット部14aと、外側冠13における内側表面13aに形成された突起部14bとが互いに嵌合することで構成される。ここで、本実施形態では、内側冠12に対する外側冠13の嵌合力として、110N程度の保持力になるように、内側冠12および外側冠13を設計している。この保持力の計算は、長期使用に耐え得る歯科用の仮着セメントを用いて接着した場合の保持力等に基づいて算出したものである。これにより、通常の使用時に口腔内において外側冠13が容易に外れてしまうことを防止することができる。
アンダーカット部14aは、図3に示すように、挿入軸23に対して、内側に奥まった湾曲状の窪みとして形成されている。より具体的には、内側冠12を挿入軸23方向に沿って見たときに、外側表面12aの一部が隠れる領域がアンダーカット部14aとなる。そして、アンダーカット部14aには、挿入軸23の方向に沿って移動してきた外側冠13の内側表面13aに形成された突起部14bが嵌合する。
突起部14bは、内側冠12における外側表面12aに形成されたアンダーカット部14aに対して嵌合するように、アンダーカット部14aの湾曲形状に合わせて形成されている。
外側冠13を内側冠12に対して取り付ける場合には、図2に示すように、外側冠13を挿入軸23方向に移動させていき、内側冠12のアンダーカット部14aに倣った形状である外側冠13の突起部14bが、外側冠13と内側冠12とが密着する前に内側冠12に接する。この内側冠12と外側冠13の突起部14bが最初に接する位置において、外側冠13を挿入軸23方向に力を加えることで、外側冠13は外側に広がる方向に弾性変形しながら、外側冠13と内側冠12とが密着する装着位置まで挿入される。外側冠13が装着位置にある状態では、上述したように、外側冠13の突起部14bによって挿入軸23と逆向きの方向への動きが規制される。このため、セメントなどの接着剤などの手段を介さずに、外側冠13と内側冠12とを容易に固定することができる。
なお、本実施形態では、アンダーカット部14aとして、図4に模式的に示した14aaと14abの斜線部分の2箇所に設けている。この2つのアンダーカット部14aa,14abは、支台歯11と内側冠12とが接する辺縁部24の重心位置25を通る挿入軸23に対して、線対称となる位置に配置した。
次に、外側冠13および内側冠12を成形する材料について説明する。
本実施形態では、外側冠13の材料として、対合歯を傷つけないように天然歯に対して磨耗性を有する樹脂を用いた。具体的には、無機質充填剤と少なくとも1個の不飽和2重結合を持つメタクリレートまたはアクリレートのモノマーと加熱重合開始剤からなる混合物を加熱して重合・硬化させブロック体形状とした樹脂硬化物を切削加工して外側冠13の形状にしたものを用いることが好ましい。
一方、内側冠12の材料として、強度および靭性に優れたアルミナ系セラミックまたはジルコニア系セラミックを用いた。具体的には、セリア系正方晶ジルコニアの結晶粒内にナノメータサイズの微細なアルミナ粒子が分散したジルコニア系セラミックスを用いることが好ましい。
このような外側冠13と内側冠12の材料の組み合わせは、外側冠13と内側冠12との固定時において、以下のような利点がある。
すなわち、内側冠12は、歯科修復用のフレームとして十分な強度と靭性を有しているために損傷しにくいという特性がある。そして、外側冠13は、ガラス系セラミックと比較して弾性変形が容易であるという特性がある。このため、本実施形態のような、いわゆるスナップインによって外側冠13と内側冠12とを固定する構成では、互いの利点を活かすことができるため特に好適である。
<歯科用補綴物10の製造方法>
次に、本実施形態における歯科用補綴物10の製造方法について、図5に示すフローチャートを用いて説明すれば以下の通りである。
まず、ステップS1において、歯科用印象材を用いて患者の支台歯11を印象採得する。この際、支台歯11と隣接する隣接歯や対合する対合歯もあわせて印象採得してもよい。
次に、ステップS2において、この印象に基づいて石膏模型を作製する。
次に、ステップS3において、この石膏模型の3次元形状を計測し、支台歯の3次元データを電子データとして取得し、コンピュータに保存する。ここまでの一連の作業は、例えば、患者の口腔内で3次元形状の計測ができる携帯型の計測器を用いて、歯科用印象材および石膏模型を用いずに、直接、支台歯の3次元データを電子データとして取得する方法をとってもよい。
次に、ステップS4(第1設計ステップ)およびステップS5(第2設計ステップ)において、CAD/CAMシステムのCAD機能を用いて、コンピュータ上で支台歯11の3次元データをグラフィック表示し、この形状を元に、内側冠12および外側冠13の形状を設計する。
具体的には、まず、支台歯11の表面から一定の厚みを持たせた内側冠12を作図し、その後、内側冠12の内側冠外側表面にアンダーカット部14aを設けるように作図することで、内側冠12を設計する(ステップS4)。次に、内側冠12の内側冠外側表面を外側冠内側表面とした外側冠13を作図し、外側冠13を設計する(ステップS5)。
なお、本実施形態では、内側冠12の設計後に外側冠の設計を行ったが、各部分の設計の順序は任意の順序でよい。また、内側冠12を一定の厚みとして設計したが、任意の形状として設計してもよい。また、内側冠12および外側冠13を手動で作図したが、アンダーカット部14aの深さなどを外側冠13のヤング率などの材料特性などを用いて構造解析によって最適な値を算出し、コンピュータで自動設計するようにしてもよい。
次に、ステップS6において、ステップS4およびステップS5において設計した内側冠12と外側冠13の電子データを、加工データとして作成する。
次に、ステップS7(加工ステップ)において、CAD/CAMシステムのCAM機能に転送された加工データに基づいて、内側冠12と外側冠13を加工機によってNC制御による切削によって別々に作製する。
ここで、内側冠12の作製は、図6(a)に示すように、加工機の主軸31を挿入軸方向に合わせて加工工具32を用いて螺旋加工していく。つまり、主軸31を中心にして加工工具32を螺旋状に回転させながら内側冠12の外側表面を加工していく。これにより、内側冠12の外側表面には、螺旋加工跡(加工痕)33が形成される。
一方、外側冠13の作製は、図6(b)に示すように、加工機の主軸31を挿入軸方向に合わせて加工工具32を用いて等高線加工していく。つまり、主軸31を中心にして加工工具32を所定の高さ位置にセットし、同じ高さ位置において加工工具32を回転させながら外側冠13の内側表面を加工していき、1周したら異なる高さ位置に加工工具32をセットして同様に加工していく。これにより、外側冠13の内側表面には、等高線加工跡(加工痕)34が形成される。
これにより、外側表面に螺旋加工跡33が形成された内側冠12と、内側表面に等高線加工跡34が形成された外側冠13とを互いに接合することで、互いの加工跡33,34が摩擦抵抗となって保持力を向上させることができる。
なお、本実施形態では、内側冠12および外側冠13の加工を切削のみで加工を行ったが、研削による加工を行ってもよいし、切削と研削を併用した加工を行ってもよい。
以上のような、CAD/CAMシステムを用いた切削および研削加工による内側冠12および外側冠13の製造方法によって、内側冠12と外側冠13の形状の適合性が良い歯科用補綴物を効率よく製造することができる。
以上のように作製した内側冠12は、患者の支台歯に接着材料を用いて接合する。接着材料としては、具体的には、歯科用レジンセメント、歯科用カルボキシレートセメント等があげられるが、安定性および接着強度の面から歯科用レジンセメントが好適である。その後、内側冠12に対して外側冠13をスナップインによって固定されることで、歯科修復が完了する。
<歯科用補綴物10を用いた歯科再修復方法>
次に、本実施形態の歯科用補綴物10を用いた歯科再修復方法について、図7に示すフローチャートを用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態の歯科用補綴物10を用いて歯科修復を行った後、外側冠13の磨耗、または破損、または設計変更によって概補綴物の再修復が必要になった場合には、以下のような手順により再修復を行う。
すなわち、まず、ステップS11(除去ステップ)において、患者の口腔内において外側冠13だけを除去する。
ここで、外側冠13を除去する方法としては、歯科用ドリルまたは歯科用メスにて外側冠13の表面に数箇所の切れ目を入れた後に、歯科用ペンチで引っ張って取り除く方法が好適である。この方法は、外側冠13を直接歯科用ペンチで引き抜く方法に比べて、小さな力で外側冠13を除去することが期待でき、患者の天然歯への負担を小さくできるという利点がある。
このようにして外側冠13が除去された内側冠12は、従来の歯科用補綴物のようにセメント層の付着や外側冠13の除去の際に生じる欠損などがないため、そのまま利用することができる。
次に、ステップS12(作製ステップ)において、新たな外側冠13の作製を開始する。
ここで、外側冠13の3次元形状の電子データは1回目の外側冠13の製作時のデータを再利用することが可能であるため、ステップS13(作製ステップ)において、このデータを取得する。
次に、ステップS14(作製ステップ)において、CAD/CAMシステムにより外側冠13を加工する。ここで、外側冠13の加工方法としては、上述したように、切削加工、研削加工の少なくとも一方を用いて行えばよい。
なお、本実施形態の歯科用補綴物の長期間の使用により、対合歯および隣接歯などの周辺の歯の形状に変化があると想定される場合は、支台歯11および周辺の歯列形状を印象採得し、CAD/CAMシステムのCAD機能を用いて外側冠13を設計しなおしてもよい。
次に、ステップS15(固定ステップ)において、ステップS12〜ステップS14において作製した新たな外側冠13を、内側冠12にスナップインによって挿入し内側冠12に固定する。これにより、患者の口腔内で内側冠12および支台歯11を削ることなく外側冠13のみを交換することが可能となる。そして、支台歯形成時に、天然歯の除去量が少なくなるという利点もある。
なお、本実施形態のようなスナップイン方式による固定方法は、一般的にはどの歯に対しても適用可能であるが、例えば、前歯に対して適用することが特に好ましい。
本実施形態では、さらに、上述した歯科修復方法によって互いに固定された内側冠12と外側冠13との間の隙間(シールド材充填部)S(図8(a)および図8(b)参照))をシールド材によって充填する処理を行う。
具体的には、ステップS16において、内側冠12と外側冠13との下端縁に沿って形成される隙間S内に、比較的接着力の弱い歯科用仮着セメント、あるいはユージノール系のペースト型・粉液型セメント等を充填する。
ここで、上記隙間Sは、例えば、10〜100μm程度(好ましくは、20〜50μm)の幅、0.5〜2.0mmの高さを有している。上記数値範囲の下限値は、一般的なセメント厚さが10〜20μmであり、セメントスペースがこれ以上小さいとセメント硬化による外側冠の浮きが生じるおそれや、セメント層がセメントの被膜厚さよりも薄くなると接着不良が生じるおそれがあるために設定されたものである。一方、上記数値範囲の上限値は、セメントスペースが広すぎると、気泡の侵入によるシールド不良が生じるおそれがあるために設定されたものである。また、隙間Sの高さについては、歯科医師の作業性の問題からセメントを塗ることができる最小値として0.5mm以下を下限値とし、シールド目的という観点から2.0mmを上限値とした。
これにより、内側冠12と外側冠13との間の隙間Sから細菌や食べかす等が侵入して、歯周病や口臭の発生を効果的に予防することができる。また、シールド材として、接着力が弱い仮着セメントを用いることで、外側冠13を交換する場合でも、支台歯11や内側冠12を傷めることなく外側冠13だけを容易に取り外すことができる。
なお、隙間Sに充填されるシールド材としては、仮着セメント以外にも、例えば、外側冠13の内側表面13aに接着された生体シリコン等の弾性体を用いてもよい。
この場合には、シールド材が弾性体であるため、隙間Sをより隙間無く充填することができる。この結果、隙間Sへの細菌等の侵入をさらに効果的に防止することができる。
[本歯科用補綴物10の特徴]
(1)
本実施形態の歯科用補綴物10では、図1および図2に示すように、外側表面12aに凹部としてのアンダーカット部14aを有する内側冠12と、内側冠12に接する内側表面13aに凸状の突起部14bを有する外側冠13と、を備えている。そして、内側冠12に対して外側冠13を固定する際には、内側冠12側のアンダーカット部14aに対して、外側冠13側の突起部14bを嵌合させる。
これにより、内側冠12と外側冠13とを含む二重冠構造を採用した歯科用補綴物10において、外側冠13の破損時等によって交換が必要になった場合でも、内側冠12や支台歯11を削ることなく外側冠13のみを容易に交換することができる。
さらに、支台歯11を削る必要がないため、従来の歯科用補綴物の構造と比較して、歯科修復に要する時間を短縮し、かつ患者や歯科医師に掛かる負担を軽減することができる。
(2)
本実施形態の歯科用補綴物10では、図2に示すように、内側冠12に対して外側冠13を取り付ける際には、内側表面13aに突起部14bを有する外側冠13側が弾性変形して、内側冠12の外側表面12aに形成されたアンダーカット部14aに対して突起部14bが嵌合することで、外側冠13が内側冠12に対して固定される。
これにより、弾性変形を利用した、いわゆるスナップイン方式によって、内側冠12と外側冠13とを容易に固定することができる。
(3)
本実施形態の歯科用補綴物10では、図2および図4に示すように、内側冠12側に形成されたアンダーカット部14a(アンダーカット部14aa,14ab)と、外側冠13側に形成された突起部14bとは、それぞれ挿入軸23を中心とする線対称な位置に設けられている。
これにより、互いに嵌合することで内側冠12と外側冠13とを固定する嵌合部14を、挿入軸23を中心とする線対称な位置に配置することで、歯科用補綴物10全体において嵌合力をバランスよく効かせることができる。よって、内側冠12に対して外側冠13を固定し易く、また容易には外れにくい構造とすることができる。
(4)
本実施形態の歯科用補綴物10では、図6(a)および図6(b)に示すように、内側冠12の外側表面、外側冠13の内側表面にそれぞれ加工痕(螺旋加工跡33、等高線加工跡34)を形成している。
これにより、互いに接触する表面同士に加工痕が形成されているため、内側冠12と外側冠13との間における摩擦力を増大させることができる。よって、内側冠12に対する外側冠13の保持力を向上させることができる。
(5)
本実施形態の歯科用補綴物10では、アルミナ系セラミックあるいはジルコニア系セラミックによって形成される内側冠12と、樹脂によって形成される外側冠13とを組み合わせて構成している。
これにより、比較的硬質な材料によって形成された内側冠12に対して、弾性変形し易い樹脂によって形成された外側冠13を固定する際には、スナップイン方式によって上述したアンダーカット部14aと突起部14bとを容易に嵌合させることができる。
(6)
本実施形態の歯科用補綴物10では、図8(a)および図8(b)に示すように、内側冠12と外側冠13とが固定された状態において、それぞれの下端縁部分に沿って隙間Sが形成されており、シールド材が充填される。
これにより、接着剤を用いることなく内側冠12に対して外側冠13を固定する歯科用補綴物10であっても、その間に形成される隙間Sをシールド材によって充填することで、細菌や食べかす等の侵入を防止することができる。よって、隙間Sへの細菌等の侵入による歯周病や口臭の発生を効果的に予防することができる。
(7)
本実施形態の歯科用補綴物10では、図8(b)等に示すように、内側冠12と外側冠13との間の隙間Sに充填されるシールド材として、歯科用の仮着セメント、あるいは生体シリコン等の弾性体を用いている。
これにより、内側冠12に対する外側冠13の着脱性を低下させることなく、隙間Sの充填だけを行うことができる。
(8)
本実施形態の歯科用補綴物10の製造方法では、図5に示すように、ステップS4(第1設計ステップ)およびステップS5(第2設計ステップ)において、CAD/CAMシステムのCAD機能を用いて、内側冠12および外側冠13の形状を設計する。そして、ステップS7において、加工データに基づいてNC加工を行う。
これにより、上述したスナップイン方式の歯科用補綴物10の内側冠12および外側冠13を、精度の高い嵌合部14を含む歯科用補綴物10を自動的に作製することができる。
(9)
本実施形態の歯科用補綴物10の製造方法では、図5に示すように、内側冠12および外側冠13の加工を、切削加工あるいは研削加工によって実施する。
これにより、CAMシステムを用いたNC加工等によって、精度の高い歯科用補綴物10を容易に作製することができる。
(10)
本実施形態の歯科用補綴物10の歯科修復方法では、図7に示すように、ステップS11において、既に口腔内に装着されている外側冠13を除去し、ステップS12〜ステップS14において、新たな外側冠13を作製する。そして、ステップS15において、新たに作製された外側冠13を、口腔内において内側冠12に対して固定する。
これにより、摩耗や欠け、破損等によって交換が必要になった外側冠13だけを容易に除去して交換することができる。よって、患者や歯科医師に掛かる負担を軽減して、歯科修復を行うことができる。
(実施形態2)
本発明の他の実施形態に係る歯科用補綴物50について、図9〜図13を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態の歯科用補綴物50は、内側冠12に対する外側冠13の固定方法が、スナップイン方式ではなく、ネジ式の固定方法を採用している点において、上記実施形態1の歯科用補綴物10とは異なっている。
具体的には、歯科用補綴物50は、図9に示すように、内側冠52と外側冠53とによって構成されている。内側冠52と外側冠53とは、ガイド溝部(凹部、誘導溝)54aと突起部(凸部)54bとを含む嵌合部54によって固定される。
ガイド溝部54aは、図10(a)に示すように、内側冠52における外側表面に形成されており、挿入軸23方向における高さL1から高さL2まで、挿入軸23に対して斜め方向に延伸するように形成されている。なお、このガイド溝部54aの溝形状については、後段にて詳述する。
突起部54bは、図10(b)に示すように、外側冠53における内側表面に形成されており、上記ガイド溝部54aに沿って高さL1から高さL2まで移動しながら所定の固定位置P3(図13参照)において保持される。
また、本実施形態の歯科用補綴物50では、図11(a)および図11(b)に示すように、平面視において外径が略円形となる内側冠52を用いている。つまり、内側冠52を設計する際には、内側表面については支台歯11の形状に合わせて設計するとともに、外側表面については平面視において略円形となるように設計する。
これにより、内側冠52に対して外側冠53をネジのように回しながら取り付けを行うネジ式の固定方法を採用した場合でも、内側冠52に対してスムーズに外側冠53を回転させながら固定することができる。
<歯科用補綴物50を用いた歯科再修復方法>
本実施形態では、上述した構成を備えた歯科用補綴物50を用いて、以下のようにして歯科修復を行う。
すなわち、図12(a)に示すように、内側冠52に対して外側冠53を上から被せるように挿入軸23に沿って移動させ、突起部54bがガイド溝部54aの導入位置P1に来るようにセットする(図13参照)。
次に、内側冠52に対して外側冠53を時計回りに回転させていく。このとき、ガイド溝部54aの導入位置P1に位置していた突起部54bは、ガイド溝部54aにおける挿入軸23に対して斜めに形成された溝部分に沿って移動していく。このため、外側冠53は、内側冠52に対して接近する方向に移動していく。
次に、ガイド溝部54aにおける中継位置P2まで突起部54bが移動した状態において、さらに外側冠53を時計回りに回転させる。すると、突起部54bは、図12(b)に示すように、ガイド溝部54a内における中継位置P2から、挿入軸23に垂直な方向に延伸した溝部分に沿って、固定位置P3まで移動する。
これにより、外側冠53は内側冠52に対して挿入軸23方向には移動しないように規制された状態で保持される。
ここで、ガイド溝部54aについて、図13を用いて詳しく説明すれば以下の通りである。
ガイド溝部54aは、内側冠52に対して外側冠53を固定する際に、外側冠53の内側表面に形成された突起部54bを誘導していくために形成されている。そして、ガイド溝部54aは、傾斜溝部54aaと水平溝部54abとを有している。
傾斜溝部54aaは、導入位置P1から中継位置P2までを結ぶ線に沿って形成されており、挿入軸23に対する傾斜角度θは、0〜180度の任意の角度で設計されていればよい。ただし、内側冠52に対する外側冠53の回転角度を抑えるという観点では、60〜120度になるように設計されていることが好ましい。
水平溝部54abは、中継位置P2において傾斜溝部54aaと接続されており、中継位置P2から固定位置P3までの間を、挿入軸23に対して垂直な方向に沿って形成されている。
これにより、内側冠52に対して外側冠53を取り付ける際には、突起部54bをガイド溝部54a内に沿って誘導していく方向に、外側冠53をネジのように回転させることで、容易に固定することができる。
なお、本実施形態のようなネジ式による固定方法は、一般的にはどの歯に対しても適用可能であるが、例えば、臼歯等のように、除去量が多くなる支台歯を形成した場合の歯科修復に対して適用することが特に好ましい。
また、本実施形態の歯科用補綴物50においても、上記実施形態1において説明した材料、CAD・CAMシステムを用いた製造方法によって、内側冠52および外側冠53を作製することができる。
[本歯科用補綴物50の特徴]
(1)
本実施形態の歯科用補綴物50では、図12(a)および図12(b)に示すように、外側表面に凹部としてのガイド溝部54aを有する内側冠52と、内側冠52に接する内側表面に凸状の突起部54bを有する外側冠53と、を備えている。そして、内側冠52に対して外側冠53を固定する際には、内側冠52に対して外側冠53をネジのように時計回りに回転させ、突起部54bをガイド溝部54a内に沿って誘導しながら、所定の固定位置において突起部54bを保持する。
これにより、内側冠52に対する外側冠53の固定をネジ式という簡素な方法によって実施することができる。よって、外側冠53の破損時等によって交換が必要になった場合でも、内側冠52や支台歯11を削ることなく外側冠53のみを容易に除去して交換することができる。
さらに、支台歯11を削る必要がないため、従来の歯科用補綴物の構造と比較して、歯科修復に要する時間を短縮し、かつ患者や歯科医師に掛かる負担を軽減することができる。
(2)
本実施形態の歯科用補綴物50では、図11(a)に示すように、外側冠53が固定される相手として、平面視において略円形となる内側冠52を用いている。
これにより、上述したネジ式によって内側冠52に対して外側冠53を回転させて固定する方式であっても、平面視において略円形の内側冠52を採用しているために、外側冠53をスムーズに回転させながら、容易に固定することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態1では、スナップイン方式で嵌合するアンダーカット部14aと突起部14bとの組合せを、挿入軸23を中心とする線対称な位置にそれぞれ配置した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図14に示すように、突起部が嵌合する凹部として、内側冠112における外側表面112aを1周するように形成されたアンダーカット部(凹部)114aを設けてもよい。
この場合には、CAD/CAMシステムの加工機の加工精度の制約によって、十分な形状精度で内側冠112のアンダーカット部114aと外側冠の突起部とを形成できない場合でも、アンダーカット部114aと突起部との接触面積を多く取ることができる。この結果、内側冠112と外側冠とを固定する時のガタツキを最小限に抑えることができる。
なお、以上のように設計された内側冠112は、上記実施形態1と同様の材料を用いて、同様のCAD/CAMシステムによって製造することが可能である。
(B)
上記実施形態1では、内側冠12の外側表面にアンダーカット部14aを、外側冠13の内側表面に突起部14bを設けて、嵌合部14を構成した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図15に示すように、凹凸を反対にして、歯肉方向からみて、外側冠213の内側冠212への挿入軸23に対して、アンダーカット部(凹部)214aが外側冠213における内側表面に設けられており、また、内側冠212の外側表面に外側冠213の内側表面に倣った形状を有する突起部(凸部)214bが設けられている嵌合部214を備えた歯科用補綴物210であってもよい。
以上のような内側冠212および外側冠213によって嵌合部214を構成することにより、外側冠213を内側冠212にスナップインで挿入する際にもっとも荷重のかかる突起部214bを、剛性の高い材料によって形成される内側冠212上に形成することができる。よって、外側冠213が内側冠212から外れる方向にかかる力に対する保持力を向上させることができる。
なお、以上のように設計された内側冠212および外側冠213は、上記実施形態1と同様の材料を用いて、同様のCAD/CAMシステムによって製造することが可能である。
(C)
上記実施形態1では、湾曲状のアンダーカット部14aおよび突起部14bを組み合わせてスナップイン方式の嵌合部14を構成した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図16(a)に示すように、外側冠313の一部に挿入軸23に対して角度βだけ傾斜した平面を含む突起部(凸部)314bを凸部とし、これに対応する内側冠側の凹部との組合せによって嵌合部を形成してもよい。
この場合には、内側冠に対して外側冠313を固定する際には、まず、突起下部の略半円状の部分に力がかかるため、外側冠313を容易に弾性変形させながら嵌合させることができる。そして、嵌合後には、突起上部の平面部分において荷重を受けることで、高い保持力を持つことができる。
あるいは、図16(b)に示すように、内側冠412の一部に挿入軸23に対して角度βだけ傾斜した平面を含む突起部(凸部)414bを凸部とし、これに対応する外側冠側の凹部との組合せによって嵌合部を形成してもよい。
この場合には、内側冠412に対して外側冠を固定する際には、まず、突起上部の略半円状の部分に力がかかるため、外側冠を容易に弾性変形させながら嵌合させることができる。そして、嵌合後には、突起下部の平面部分において荷重を受けることで、高い保持力を持つことができる。
なお、これらの突起部314b,414bが有する平面部分の傾斜角度βとしては、挿入軸23に対して、0〜78度の範囲(好ましくは、45〜78度)で設計されていることが好ましい。
(D)
上記実施形態2では、内側冠52の外側表面にガイド溝部54a、外側冠53の内側表面に突起部54bをそれぞれ設け、嵌合部54を構成した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、凹凸を反対にして、図17(a)および図17(b)に示すように、内側冠152の外側表面に突起部(凸部)154b、外側冠153の内側表面にガイド溝部(凹部、誘導溝)154aをそれぞれ設けた構成であってもよい。
(E)
上記実施形態2では、ネジ式の固定方法を採用した歯科用補綴物50において、平面視において略円形となる内側冠52を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図18に示すように、側面視において略長方形の断面を有する円筒部252aを含む内側冠252を用いてもよい。
この場合には、挿入軸23を中心にして外側冠を回転させながら内側冠252に対して固定する場合でも、よりスムーズに外側冠を回転させて、突起部を固定位置まで誘導することができる。また、内側冠252に対して外側冠を固定する際に、外側冠を挿入軸23方向に沿って移動させやすくすることができる。
(F)
上記実施形態では、平面視において略円形となる内側冠52を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図19(a)および図19(b)に示すように、内側冠352が平面視において異形断面を有していてもよい。
この場合でも、図19(a)および図19(b)に示すように、突起部354bがガイド溝部354aに嵌合した状態で、内側冠352に対して外側冠353を所定角度だけ回転させることで、外側冠353を内側冠352に対して容易に固定することができる。
(G)
上記実施形態1,2では、内側冠12が単一の材料によって形成される1層の材料によって成形されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、内側冠としては、異なる材料を2層以上接合した成形材を用いてもよい。
(H)
上記実施形態1,2では、外側冠13が単一の材料によって形成される1層の材料によって成形されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、外側冠としては、異なる材料を2層以上接合した成形材を用いてもよい。
(I)
上記実施形態1,2では、内側冠12および外側冠13を、ともに切削加工、研削加工によって製造した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、内側冠のみを切削加工および研削加工の少なくともいずれか一方の方法で製造し、外側冠については別の方法、例えば、鋳造などの方法によって製造してもよい。
あるいは、反対に、外側冠のみを切削加工および研削加工の少なくともいずれか一方の方法で製造し、内側冠については別の方法、例えば、鋳造などの方法によって製造してもよい。
(J)
上記実施形態1では、図6(a)および図6(b)に示すように、内側冠12の外側表面と外側冠13の内側表面とに、それぞれ加工痕(螺旋加工跡33、等高線加工後34)が形成されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、内側冠の外側表面、および外側冠の内側表面のいずれか一方にだけ加工痕が形成されている構成であってもよい。
この場合でも、加工痕によって摩擦抵抗が増すため、内側冠に対する外側冠の保持力を向上させることができる。
(K)
上記実施形態1では、内側冠12の外側表面、外側冠13の内側表面に形成される加工痕として、螺旋加工跡33、等高線加工跡34を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、加工工具を用いた他の加工跡であってもよい。
本発明の歯科用補綴物は、内側冠と外側冠とを含む二重冠構造を採用した歯科用補綴物において、外側冠の破損時等によって交換が必要になった場合でも、内側冠や支台歯を削ることなく外側冠のみを交換することができるという効果を奏することから、歯科修復方法として広く適用可能である。
本発明の一実施形態に係る歯科用補綴物の構成を示す断面図。 図1の歯科用補綴物を内側冠と外側冠とで分離した状態を示す側断面図。 図1の歯科用補綴物におけるスナップイン方式による嵌合部分の拡大図。 図1の歯科用補綴物を構成する内側冠の構成を模式的に示す斜視図。 図1の歯科用補綴物の製造方法の流れを示すフローチャート。 (a),(b)は、図2の内側冠と外側冠とをそれぞれ作製する際の加工状態を示す説明図。 図1の歯科用補綴物を用いた歯科修復方法の流れを示すフローチャート。 (a)は、図1の歯科用補綴物における内側冠と外側冠との間に形成される隙間の位置を示す図。(b)は、その拡大図。 本発明の他の実施形態に係る歯科用補綴物の構成を示す断面図。 (a),(b)は、図9の歯科用補綴物を構成する内側冠、外側冠の構成を示す側断面図。 (a),(b)は、図10(a)の内側冠の平面図と側断面図。 (a),(b)は、図9の歯科用補綴物を構成する内側冠に対して外側冠を固定する際の手順を示す平面図。 図10(a)の内側冠に形成されたガイド溝部と図10(b)の外側冠に形成された突起部の構成を示す模式図。 本発明のさらに他の実施形態に係る歯科用補綴物を構成する内側冠の構成を模式的に示す斜視図。 本発明のさらに他の実施形態に係る歯科用補綴物の構成を示す側断面図。 (a),(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係る歯科用補綴物を構成する嵌合部の構成を模式的に示す側面図。 (a),(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係る歯科用補綴物を構成する内側冠と外側冠の構成を示す側断面図。 本発明のさらに他の実施形態に係る歯科用補綴物を構成する内側冠の構成を示す側面図。 (a),(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係る歯科用補綴物を構成する外側冠を内側冠に対して固定する際の手順を示す平面図。
10 歯科用補綴物
11 支台歯
12 内側冠
12a 外側表面
12b 内側表面
13 外側冠
13a 内側表面
14 嵌合部
14a アンダーカット部(凹部)
14aa アンダーカット部(凹部)
14ab アンダーカット部(凹部)
14b 突起部(凸部)
23 挿入軸
24 辺縁部
25 重心位置
31 主軸
32 加工工具
33 螺旋加工跡(加工痕)
34 等高線加工跡(加工痕)
50 歯科用補綴物
52 内側冠
53 外側冠
54 嵌合部
54a ガイド溝部(凹部、誘導溝)
54aa 傾斜溝部
54ab 水平溝部
54b 突起部(凸部)
112 内側冠
112a 外側表面
114a アンダーカット部(凹部)
152 内側冠
153 外側冠
154a ガイド溝部(凹部、誘導溝)
154b 突起部(凸部)
210 歯科用補綴物
212 内側冠
213 外側冠
214 嵌合部
214a アンダーカット部(凹部)
214b 突起部(凸部)
252 内側冠
252a 円筒部
313 外側冠
314b 突起部
352 内側冠
353 外側冠
354a ガイド溝部(凹部、誘導溝)
354b 突起部(凸部)
412 内側冠
414b 突起部(凸部)
P1 導入位置
P2 中継位置
P3 固定位置
S 隙間(シールド材充填部)

Claims (15)

  1. 支台歯に対して取り付けられ、歯科修復を行うための歯科用補綴物であって、
    前記支台歯を覆うように取り付けられるお碗状の部材であって、外表面に凸部あるいは凹部の一方を有する内側冠と、
    前記内側冠を覆うように取り付けられるお碗状の部材であって、前記内側冠に面する内表面に前記内側冠側の前記凸部あるいは前記凹部に嵌合する凹部あるいは凸部の一方を有し、前記凸部と前記凹部との嵌合によって前記内側冠に固定される外側冠と、
    を備えている歯科用補綴物。
  2. 前記外側冠は、少なくとも前記凹部あるいは前記凸部を含む部分に弾性を有しており、前記内側冠に取り付けられる際には、前記凹部あるいは前記凸部付近が弾性変形して前記内側冠の前記凸部あるいは前記凹部に対して嵌合する、
    請求項1に記載の歯科用補綴物。
  3. 前記内側冠あるいは前記外側冠が有する前記凹部は、挿入軸を中心に前記外側冠を回転させながら前記内側冠に固定されるように形成され、前記外側冠あるいは前記内側冠側の前記凸部が嵌合した状態で移動する誘導溝を含む、
    請求項1に記載の歯科用補綴物。
  4. 前記内側冠は、挿入軸方向から見た平面視において略円形となるように形成されている、
    請求項3に記載の歯科用補綴物。
  5. 前記凸部および前記凹部は、前記内側冠および前記外側冠において挿入軸を中心とする線対称な位置に配置されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の歯科用補綴物。
  6. 前記凹部は、前記内側冠の外周面に沿って1周するように形成されている、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の歯科用補綴物。
  7. 前記内側冠の外周面および前記外側冠の内周面の少なくとも一方には、挿入軸方向に対して垂直な方向に沿って互いに略平行な複数の加工痕が形成されている、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の歯科用補綴物。
  8. 前記凹部は、挿入軸に沿った上流側に、挿入軸に対して略垂直な方向に沿った平面を有している、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の歯科用補綴物。
  9. 前記内側冠は、アルミナ系セラミック、ジルコニア系セラミックのいずれか一方によって成形されており、
    前記外側冠は、樹脂によって成形されている、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の歯科用補綴物。
  10. 前記内側冠は、外周面に前記凸部を有しており、
    前記外側冠は、内周面に前記凹部を有している、
    請求項9に記載の歯科用補綴物。
  11. 前記外側冠における前記内側冠に対して接触する下端部に設けられており、前記内側冠と前記外側冠との間の隙間を埋めるシールド材が充填されるシールド材充填部を、さらに備えている、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の歯科用補綴物。
  12. 前記シールド充填部には、歯科用の仮着セメント、あるいは生体シリコンを含む弾性材料が充填される、
    請求項11に記載の歯科用補綴物。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の製造方法であって、
    CADシステムによって内側冠を設計する第1設計ステップと、
    CADシステムによって外側冠を設計する第2設計ステップと、
    CAMシステムを用いて、加工データに基づいてNC加工を行う加工ステップと、
    を備えている歯科用補綴物の製造方法。
  14. 前記加工ステップでは、前記内側冠および前記外側冠の少なくとも一方が、切削加工あるいは研削加工を用いて作製される、
    請求項13に記載の歯科用補綴物の製造方法。
  15. 請求項1から12のいずれか1項に係る歯科用補綴物を用いた歯科修復方法であって、
    前記外側冠のみを口腔内で除去する除去ステップと、
    新たな外側冠を作製する作製ステップと、
    前記新たな外側冠を口腔内で固定する固定ステップと、
    を備えている歯科用補綴物を用いた歯科修復方法。
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JP2018519911A (ja) * 2015-07-21 2018-07-26 シロナ・デンタル・システムズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 部分義歯の修復または調整のプランニング
KR101886710B1 (ko) 2018-07-09 2018-08-09 이정치과기공(주) 치과용 보철물

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