本発明は、被測定流体が流れる計測流路と、この計測流路に設けた超音波送受信器と、計測流路内を伝搬する超音波の不要伝搬波を減衰させる第一の不要伝搬波減衰手段と、超音波送受信器間の超音波の伝搬時間を計測する計測制御部と、計測制御部からの信号に基づいて流量を算出する演算部とを備えたものである。そして、正規の伝搬路から逸脱した不要な伝搬波は第一の不要伝搬波減衰手段により減衰され、受信側の超音波送受信器では計測流路内の正規の伝搬路を通過した正規の伝搬波の比率を高めて受信でき、ノイズ成分の少ない受信波形の検出がなされてS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり、伝搬時間をより高精度に計測できることにより流速あるいは流量の計測精度を向上でき、さらに計測可能な流速あるいは流量の計測上限値の拡大あるいは計測下限値の低減により計測範囲を拡大することができる。
また、被測定流体が流れる計測流路と、この計測流路に設けた超音波送受信器と、計測流路を形成する流路壁を伝搬する超音波の不要伝搬波を減衰させる第二の不要伝搬波減衰手段と、超音波送受信器間の超音波の伝搬時間を計測する計測制御部と、計測制御部からの信号に基づいて流量を算出する演算部とを備えたものである。そして、送信側の超音波
送受信器から送信された超音波が受信側の超音波送受信器に計測流路内を伝搬する時に、計測流路の筐体に漏れた不要な振動は減衰されて受信側の超音波送受信器に受信されることになり、受信側の超音波送受信器では計測流路筐体からの伝搬波の影響を排除することでS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測流路内を通過した伝搬波を正確に受信でき、流速あるいは流量の計測精度の向上と計測範囲の拡大ができる。
また、被測定流体が流れる計測流路と、この計測流路に設けた超音波送受信器と、計測流路に連通し外部の配管に接続される接続口と、外部の配管から侵入した外乱振動を減衰させる第三の不要伝搬波減衰手段と、超音波送受信器間の超音波の伝搬時間を計測する計測制御部と、計測制御部からの信号に基づいて流量を算出する演算部とを備えたものである。そして、接続口に接続された外部の配管を経由した外部の振動波(例えば配管系統において近くに設置された他の超音波流量計測装置の超音波振動波など)などの外乱を減衰させて超音波送受信器に到達するのを低減し、S/N特性に優れた高感度な超音波の受信が可能となり計測流路内を通過した伝搬波を正確に受信でき、流速あるいは流量の計測精度の向上と計測範囲の拡大ができ、他の超音波流量計測装置に関わらず自由な位置に設置できるため設置自由度が高く利便性を向上できる。
また、被測定流体が流れる計測流路と、この計測流路に設けた超音波送受信器と、計測流路に連通し外部の配管に接続される接続口と、計測流路内を伝搬する超音波の不要伝搬波を減衰させる第一の不要伝搬波減衰手段と、計測流路を形成する流路壁を伝搬する超音波の不要伝搬波を減衰させる第二の不要伝搬波減衰手段と、外部の配管から侵入した外乱振動を減衰させる第三の不要伝搬波減衰手段と、超音波送受信器間の超音波の伝搬時間を計測する計測制御部と、計測制御部からの信号に基づいて流量を算出する演算部とを備えたものである。そして、外乱などが加わった場合でも第三の不要伝搬波減衰手段により外乱による振動波が計測流路に伝搬するのが低減され、また計測流路を形成する流路壁に漏れた不要な振動は第二の不要伝搬波減衰手段により受信側の超音波送受信器に到達する前に減衰され、さらに第一の不要伝搬波減衰手段により受信側の超音波送受信器では計測流路内の正規の伝搬路を通過した正規の伝搬波の比率を高めて受信でき、ノイズ成分の少ない受信波形の検出がなされてS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり、伝搬時間をより一層高精度に計測できることにより流速あるいは流量の計測精度を一層向上でき、また計測可能な流速あるいは流量の計測上限値の拡大あるいは計測下限値の低減により計測範囲を一層拡大することができる。さらに、外乱に強い流量計測装置が実現でき、他の流量計測装置の設置位置の自由度が高められて設置性を向上できる。
また、被測定流体が流れる計測流路と、この計測流路に設けた超音波送受信器と、計測流路内を伝搬する超音波の不要伝搬波を減衰させる第一の不要伝搬波減衰手段と、計測流路を形成する流路壁を伝搬する超音波の不要伝搬波を減衰させる第二の不要伝搬波減衰手段と、超音波送受信器間の超音波の伝搬時間を計測する計測制御部と、計測制御部からの信号に基づいて流量を算出する演算部とを備えたものである。そして、計測流路を形成する流路壁に漏れた不要な振動は第二の不要伝搬波減衰手段により受信側の超音波送受信器に到達する前に減衰され、さらに第一の不要伝搬波減衰手段により受信側の超音波送受信器では正規の伝搬路を通過した正規の伝搬波の比率を高めて受信でき、ノイズ成分の少ない受信波形の検出がなされ、S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり伝搬時間をより一層高精度に計測できることにより流速あるいは流量の計測精度を一層向上でき、さらに計測可能な流速あるいは流量の計測上限値の拡大あるいは計測下限値の低減により計測範囲を一層拡大することができる。
また、被測定流体が流れる計測流路と、この計測流路に設けた超音波送受信器と、計測流路に連通し外部の配管に接続される接続口と、計測流路内を伝搬する超音波の不要伝搬波を減衰させる第一の不要伝搬波減衰手段と、外部の配管から侵入した外乱振動を減衰さ
せる第三の不要伝搬波減衰手段と、超音波送受信器間の超音波の伝搬時間を計測する計測制御部と、計測制御部からの信号に基づいて流量を算出する演算部とを備えたものである。そして、外乱などが加わった場合でも第三の不要伝搬波減衰手段により外乱による振動波が計測流路に伝搬するのが低減され、さらに第一の不要伝搬波減衰手段により受信側の超音波送受信器では正規の伝搬路を通過した正規の伝搬波の比率を高めて受信できるため、ノイズ成分の少ない受信波形の検出がなされ、S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり伝搬時間をより一層高精度に計測できることにより流速あるいは流量の計測精度を一層向上でき、さらに計測可能な流速あるいは流量の計測上限値の拡大あるいは計測下限値の低減により計測範囲を一層拡大することができる。さらに、外乱に強い流量計測装置が実現でき、他の流量計測装置の設置位置の自由度が高められて設置性を向上できる。
また、被測定流体が流れる計測流路と、この計測流路に設けた超音波送受信器と、計測流路に連通し外部の配管に接続される接続口と、計測流路を形成する流路壁を伝搬する超音波の不要伝搬波を減衰させる第二の不要伝搬波減衰手段と、外部の配管から侵入した外乱振動を減衰させる第三の不要伝搬波減衰手段と、超音波送受信器間の超音波の伝搬時間を計測する計測制御部と、計測制御部からの信号に基づいて流量を算出する演算部とを備えたものである。そして、外乱などが加わった場合でも第三の不要伝搬波減衰手段により外乱による振動波が計測流路に伝搬するのが低減され、また計測流路を形成する流路壁の筐体に漏れた不要な振動は第二の不要伝搬波減衰手段により受信側の超音波送受信器に到達する前に減衰され、受信側の超音波送受信器では計測流路筐体からの伝搬波の影響を排除することでノイズ成分の少ない受信波形の検出がなされてS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり、伝搬時間をより一層高精度に計測できることにより流速あるいは流量の計測精度を一層向上でき、また計測可能な流速あるいは流量の計測上限値の拡大あるいは計測下限値の低減により計測範囲を一層拡大することができる。さらに、外乱に強い流量計測装置が実現でき、他の流量計測装置の設置位置の自由度が高められて設置性を向上できる。
また、第一の不要伝搬波減衰手段は計測流路を形成する流路壁の内面に設けた第一の吸音手段を備えたものである。そして、計測流路の内壁の任意の位置に最適な吸音手段を配置することで被計測流体の圧力損失を高めること無く反射波の発生を抑えて不要な伝搬波を効率よく減衰させることができる。
また、第一の不要伝搬波減衰手段は超音波送受信器を計測流路に直接臨ませる開口穴に設けた第二の吸音手段を備えたものである。そして、開口穴内での不要な反射波の発生を低減し、計測流路への不要波の送信を低減することでS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測精度を高めることができる。
また、第一の不要伝搬波減衰手段は計測流路を形成する流路壁の内面に設けた第一の吸音手段と超音波送受信器を計測流路に直接臨ませる開口穴に設けた第二の吸音手段とを備えたものである。そして、計測流路への不要波の送信の低減と計測流路での不要な反射波の低減がなされ、より一層S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測精度を高めることができ、超音波送受信器は電池などによる低電圧駆動が実現できる。
また、第一の不要伝搬波減衰手段は計測流路を形成する流路壁の内面に設けた乱反射手段を備えたものである。そして、計測流路内で正規の超音波伝搬路を外れた不要波が発生しても、その不要波は計測流路の内面に設けた乱反射手段により一定の方向ではなく全方向に乱反射されるため、不要波の一部が受信側に到達する場合でも不要波が乱反射により弱められているため受信側のノイズを低減でき、S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測精度を高めることができる。
また、第二の不要伝搬波減衰手段は計測流路の超音波送受信器間に設けた振動伝達抑制手段を備えたものである。そして、たとえ計測流路を形成する筐体に送信された超音波の不要な伝搬波が漏れたとしても、この不要な伝搬波は受信側の超音波送受信器に到達する前に振動伝達抑制手段はより減衰され、受信側の超音波送受信器は計測流路の筐体を伝搬する不要波を排除し計測流路内の正規の伝搬路を通過した超音波成分の比率を高めてS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測流路内を通過した伝搬波を正確に受信でき、流速あるいは流量の計測精度の向上と計測範囲の拡大ができる。
また、第二の不要伝搬波減衰手段は計測流路を形成する流路壁の外面に設けた遮音手段を備えたものである。そして、超音波などの振動が外部から加わっても計測流路を覆う遮音手段によりその外乱振動が減衰され、超音波送受信器は外乱の振動の影響を排除した超音波の送受信が可能となり、外乱に強い流速あるいは流量の計測が実現でき、信頼性の向上ができる。
また、第二の不要伝搬波減衰手段は計測流路の超音波送受信器間に設けた振動伝達抑制手段と計測流路を形成する流路壁の外面に設けた遮音手段とを備えたものである。そして、筐体を伝搬する不要波を排除してS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信による計測精度の向上と計測範囲の拡大と、外乱の振動の影響を排除した超音波の送受信による外乱に対する信頼性の向上とが両立でき、実用性を高めることができる。
また、振動伝達抑制手段は上流側の超音波送受信器を配置する上流側の流路壁と下流側の超音波送受信器を配置する下流側の流路壁とを制振体を介して連結したものである。そして、送信側の超音波送受信器から計測流路の筐体に漏れた不要波は制振体により遮断されて受信側の超音波送受信器に到達しないため、より一層S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測精度と計測範囲が一層向上できる。
また、第二の不要伝搬波減衰手段は計測流路の流路壁を制振材料で形成したものである。そして、S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信を維持したまま
計測流路の構成を簡略化でき、計測流路の小型化と軽量化および低コスト化により実用性を高めることができる。
また、遮音手段は断熱性能を備えたものである。そして、外乱振動に強い流速あるいは流量の計測の実現に加えて、日射や外気温変化などの外部からの熱による音速変動や結露などの計測流路への影響を低減し、流速あるいは流量の計測精度の信頼性を向上できる。
また、第三の不要伝搬波減衰手段は接続口と計測流路を形成する流路壁との間に介在させた外部振動抑制手段を備えたものである。そして、接続口に接続された外部の配管を経由した外乱は外部振動抑制手段により遮断されて計測流路への侵入を防止して、接続口から侵入した外乱ノイズは一層低減されてS/N特性により優れた高感度な超音波の受信が可能となり計測流路内を通過した伝搬波を正確に受信でき、流速あるいは流量の計測精度と計測範囲が一層向上できる。
また、第三の不要伝搬波減衰手段は計測流路の上流側あるいは下流側を制振材料で形成した入口ブロックあるいは出口ブロックを備えたものである。そして、接続口から侵入した外乱ノイズを低減しS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信を維持したまま計測装置の構成を簡略化でき、計測装置の小型化と軽量化および低コスト化により実用性を高めることができる。
また、第三の不要伝搬波減衰手段は断熱性能を備えたものである。そして、接続口に接
続した配管あるいは計測装置に入った日射や外気温変化などの外部からの熱による計測流路への影響を低減し、流速あるいは流量の計測精度の信頼性を向上できる。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1を示す超音波流量計測装置の構成断面図である。図1において、6は流路壁7に囲まれた計測流路であり、8および9はこの計測流路6を挟んで互いに対向するように計測流路の上流側および下流側に設けた超音波送受信器である。この超音波送受信器8、9は防振と気密シールを行う支持体10を介して流路壁7に取付けられ、上流側の超音波送受信器8と下流側の超音波送受信器9は距離Lを隔てるとともに計測流路6の長手方向に対して角度θ傾けて設置されている。11、12は超音波送受信器8、9を計測流路6を流れる被測定流体に臨ませる上流側および下流側の開口穴であり、流路壁7に対して窪みとなっている。13は対向する超音波送受信器8および9間で送信された超音波が壁面に反射すること無く直接相手側の超音波送受信器に伝搬する超音波伝搬路(二点鎖線で領域を示す)である。14は計測流路6に設けた第一の不要伝搬波減衰手段であり、この第一の不要伝搬波減衰手段14は超音波伝搬路13の上流側の近傍で計測流路6の幅W方向を分割するように配置するとともに流れ方向に延びる吸音材料で形成した第一の吸音手段15を設けている。この第一の吸音手段15は通気性の有る発泡体としての樹脂や金属の多孔質吸音材やフェルト、グラスウールなどの不織布などが利用でき、図2に示すように計測流路6の高さH方向にわたり全域に形成して配置している。特に、第一の吸音手段の材質としては、アルミニウム系などの金属多孔質発泡材は剛体であるので計測流路6に設置が容易であるとともに、フェルト、グラスウールのような不織布で起こる繊維の離散が生じにくいため被測定流体を汚さず信頼性を高くでき、さらに経年劣化が少ないため長期間にわたり安定して使用でき耐久性に優れる。
16は計測流路6の入口側に設けた流入抑制体であり、流路壁7に設けた窪み部に嵌め込むようにして設置し流路壁7との段差が無いようにしている。この流入抑制体16は被測定流体の流れ方向を整える方向規制部16aと流速分布の均一化あるいは流れの脈動を低減する変動抑制部16bを有している。この方向規制部16aは計測流路6の横断面を分割する仕切壁が設けられており、変動抑制部16bは流れ方向の長さが短く計測流路6の横断面に対して多数の微細形状の連通路を有している。17は計測流路6の上流側に設けた開閉弁(図示せず)に連通する屈曲部、18は計測流路6の下流側の屈曲部であり、屈曲部17、18により流路がコンパクトに構成されている。19は超音波送受信器8、9に接続され超音波の送受信をさせる計測制御部であり、20は計測制御部19での信号を基に流速を計算し流量を算出する演算部である。
次に超音波による流量計測動作を説明する。計測流路6の超音波伝搬路13では、流れに対して計測制御部19の作用により超音波送受信器8、9間で計測流路6を横切るようにして超音波の送受が行われる。すなわち、上流側の超音波送受信器8から発せられた超音波が下流側の超音波送受信器9で受信されるまでの伝搬時間T1を計測する。また一方、下流側の超音波送受信器9から発せられた超音波が上流側の超音波送受信器8で受信されるまでの伝搬時間T2を計測する。
このようにして測定された伝搬時間T1およびT2を基に、以下の演算式により演算部20で流量が算出される。
いま、計測流路5の長手方向の被計測流体の流速Vと超音波伝播路とのなす角度をθとし、超音波送受信器7、8間の距離をL、被測定流体の音速をCとすると、流速Vは以下の式にて算出される。
T1=L/(C+Vcosθ)
T2=L/(C−Vcosθ)
T1の逆数からT2の逆数を引き算する式より音速Cを消去して
V=(L/2cosθ)((1/T1)−(1/T2))
θおよびLは既知なのでT1およびT2の値より流速Vが算出できる。いま、空気の流量を計ることを考え、角度θ=45度、距離L=70mm、音速C=340m/s、流速V=8m/sを想定すると、T1=2.0×10−4秒、T2=2.1×10−4秒であり、瞬時計測ができる。
ここで、計測流路5の流れ方向に直交する横断面積sより、流量Qは
Q=kVs
ここで、kは横断面積sにおける流速分布を考慮した換算係数である。
このようにして演算部20で流量を求めることができる。
次に、この超音波流量計測装置の計測流路内の流れ状態と超音波の伝搬について説明する。被計測流体が計測流路6の上流側に設けた開閉弁(図示せず)での流路断面積の拡大縮小あるいは屈曲部17を流れることなどにより偏流あるいは流れの脈動を生じたまま計測流路6に入る。計測流路6では超音波伝搬路13の上流側に設けた第二の流入抑制体16の方向規制部16aにより計測流路6断面内の流れは開口穴11、12に流入しにくい方向に整流された流れにするとともに流れの乱れを低減させ、さらに変動抑制部16bにより脈動などの流れ変動による乱れを低減して開口穴11、12への流入をより一層抑える状態にして超音波伝搬路13に流入させる。この変動抑制部16bは網状のメッシュ、発泡体、微細多孔板、不織布体などで開口率の高いものを流れ方向に薄くすることで変動抑制部16bによる圧力損失を小さくでき、圧力損失を高めずに計測流路での流れの変動を低減できる。
この整流された流れに対して、超音波伝搬路13では一方の超音波送受信器8あるいは9から送信された超音波の大部分は流路壁7に反射すること無く直接波として対向する超音波送受信器9あるいは8で受信される。ところが、超音波送受信器8あるいは9から送信された超音波の一部は開口穴11あるいは12を出て放射状に広がり超音波伝搬路13から逸脱する。特に、上流側の超音波送受信器8から送信された超音波は、開口穴11の壁面が上流側で先に計測流路6に開放される形状のため、超音波伝搬路13の上流側に広がり易くなり、下流側の超音波送受信器9から送信された超音波は逆に超音波伝搬路13の下流側に広がり易くなる。しかし、超音波伝搬路13から逸脱した多重反射の経路(図中の破線で一例を示す)は流れ方向に延びる吸音材料で形成した第一の吸音手段15で構成した第一の不要伝搬波減衰手段14で遮られ、超音波伝搬路13から逸脱して第一の不要伝搬波減衰手段14に到着した超音波は吸音され減衰するため、対向する超音波送受信器9あるいは8に到達する反射波は低減される。このため、受信側の超音波送受信器では直接波の割合を高めた正しい受信波形を計測でき、超音波伝搬路13を反射すること無く直接伝搬した直接波と計測流路6の流路壁7に反射した反射波との干渉により位相のずれを生じた干渉波を計測しないため、時間T1、T2の計測精度を向上できるとともに、計測精度を高めるために超音波の送受信を数多く繰り返すいわゆるシングアラウンドの回数を低減して計測時間の短縮と消費電力の低減ができ、電池を電源とする場合では長期間にわたり電池交換なしで使用可能となり長寿命化により利便性を向上できる。
このように、正規の伝搬路から逸脱した不要な伝搬波は第一の不要伝搬波減衰手段により減衰され、受信側の超音波送受信器では計測流路内の正規の伝搬路を通過した正規の伝搬波の比率を高めて受信でき、ノイズ成分の少ない受信波形の検出がなされてS/N特性
に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり、伝搬時間をより高精度に計測できることにより流速あるいは流量の計測精度を向上でき、また計測可能な流速あるいは流量の計測上限値の拡大あるいは計測下限値の低減により計測範囲を拡大することができる。さらに、本実施例のように流れ方向に延びる第一の吸音手段15で計測流路6の幅W方向を分割することにより、流れの整流が強化されて開口穴11、12への流れ込みを一層抑制して、渦や流れの乱れを大幅に低減でき、S/N特性に優れた超音波の送受信により計測上限値の向上や計測精度の向上ができる。
なお、上流側の超音波送受信器8から送信され超音波伝搬路13の上流側に逸脱した超音波および下流側の超音波送受信器9から送信され超音波伝搬路13から逸脱した超音波は第一の吸音手段15に到達して吸音されるが、上流側の超音波送受信器8から送信され超音波伝搬路13の下流側に逸脱した超音波は流路壁で反射しても対向する超音波送受信器9に到達しないため、超音波伝搬路13の下流側には第一の吸音手段15を設けなくても良いが、下流側にも第一の吸音手段15を設けることで反射波の吸音作用を高めることができるとともに被測定流体の流れをより安定にできるため、超音波伝搬路13の下流側にも第一の吸音手段を設けた方が良いのは言うまでもなく、逆流を伴う流れに対しても精度良く計測できるようになる。
図3は第一の不要伝搬波減衰手段の他の実施例を示す構成図であり、図1の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。図3において、21は計測流路6を形成する流路壁7の内面に設けた第一の吸音手段であり、この第一の吸音手段21は流路壁7の内面から突出すること無く面一に設置されて計測流路6の流れを乱さないようにしている。この第一の吸音手段21は第一の不要伝搬波減衰手段14となっている。
次に、超音波の伝搬について説明する。超音波送受信器8あるいは9から送信された超音波は前述のようにその大部分は超音波伝搬路13を通過して対向する超音波送受信器9あるいは8に到達する。しかし、超音波伝搬路13から逸脱した超音波(図中の破線で経路の一例を示す)は計測流路6の幅Wを決めている内壁面に設置した第一の吸音手段15に到達すると吸音されて減衰するため、対向する超音波送受信器9あるいは8に到達する多重反射波は減衰されて低減される。このため、受信側の超音波送受信器では前述のように直接波の割合を高めた正しい受信波形を計測でき計測精度を向上できるとともに、計測時間の短縮と消費電力の低減ができ、電池を電源とする場合では長期間にわたり電池交換なしで使用可能となり長寿命化により利便性を向上できる。さらに、第一の吸音手段15は計測流路6の流れを乱さないように配置できるため、被測定流体の圧力損失を高めることが無く低圧力損失化できるためコンパクトな流路で大流量を流すことができる。なお、ここでは第一の吸音手段15を計測流路6の幅Wを決めている内壁面に設置する場合で説明したが、図4に示すように計測流路6の高さHを決める内壁面にも第一の吸音手段15を配置することにより、反射波の減衰効果を一層高めることができるのは言うまでもない。
このように、計測流路の内壁の任意の位置に最適な吸音手段を配置することで被計測流体の圧力損失を高めること無く反射波の発生を抑えて不要な伝搬波を効率よく減衰させることができる。
図5は第一の不要伝搬波減衰手段の他の実施例を示す構成図であり、図1〜図4の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。図5において、22は開口穴11、12の内面に設けるとともに吸音材で形成した第二の吸音手段であり、この第二の吸音手段22は超音波の伝搬方向に沿う面を覆うように設置している。ここでまず、上流側の超音波送受信器8から超音波を送信する場合で
説明する。超音波送受信器8から送信された超音波の一部は開口穴11の内面に衝突して反射波を発生するが、開口穴11内での反射波は内面設置された第二の吸音手段22により吸音されて減衰して、超音波伝搬路13を逸脱する方向に開口穴11から出る超音波が減少し、直接波の割合を高めた超音波を下流側の超音波送受信器9に送信でき、ノイズ成分を少ない受信波形の計測ができる。また、下流側の超音波送受信器9から送信する場合も同様にして上流側の超音波送受信器8でノイズ成分を少ない受信波形の計測ができる。このように、開口穴内での不要な反射波の発生を低減し、計測流路への不要波の送信を低減することでS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測精度を高めることができる。
また、第一の不要伝搬波減衰手段14として開口穴11、12に設けた第二の吸音手段22と計測流路6に設けた第一の吸音手段21とを備える場合では、上記の開口穴11、12内での反射波の低減作用による効果だけでなく、開口穴11、12を出た送信波が広がって伝搬することにより超音波伝搬路13を逸脱する成分が生じても、前述のように第一の吸音手段21により吸音されて減衰されるため対向する超音波送受信器へは直接波の割合を一層高めた受信波形を計測できる。このため、計測流路への不要波の送信の低減と計測流路での不要な反射波の低減がなされ、より一層S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測精度を高めることができ、超音波送受信器は電池などによる低電圧駆動が実現できる。なお、第一の吸音手段として図1に示した計測流路6の幅W方向を分割するように配置した第一の吸音手段15とした場合は、上記の第一の吸音手段21の場合での効果に加えて、流れの整流作用により開口穴への流れ込みを低減することにより計測上限値の向上と計測精度の向上ができる。
図6は第一の不要伝搬波減衰手段の他の実施例を示す構成図であり、図1〜図5の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。図6において、23は計測流路6の幅Wを決めている流路壁7の内壁面に設けた乱反射手段であり、計測流路6の内壁面から突出しないように配置して流れを乱さないようにしている。この乱反射手段23は表面の凹凸の高さHsが超音波の波長λの1/4より大きくした(Hs>λ/4)ものであり、例えば超音波の周波数が200kHzで被測定流体を常温の空気(音速340m/s)とした場合では超音波の波長λ=1.7mmとなり、乱反射手段23には表面の凹凸の高さHsは0.425mmより大きくすることになる。
ここで、超音波伝搬路13を外れた不要伝搬波が乱反射手段23に衝突すると、不要伝搬波は一定の方向ではなく全方向に乱反射されるため受信側の超音波送受信器に到達する不要伝搬波を弱めることができ、直接波の割合を高めた受信波形の計測ができる。また、乱反射手段23を吸音材料で形成することにより乱反射の効果と吸音による減衰効果の両方により、受信側の超音波送受信器に到達する不要伝搬波を一層低減できる。
さらに、乱反射手段23と第一の吸音手段15あるいは21、あるいは第二の吸音手段22を第一の不要伝搬波減衰手段14として組合わせることで、受信波形のノイズをさらに低減してS/N特性を高めて計測精度の向上と低消費電力化の向上ができる。
このように、計測流路内で正規の超音波伝搬路を外れた不要波が発生しても、その不要波は計測流路の内面に設けた乱反射手段により一定の方向ではなく全方向に乱反射されるため、不要波の一部が受信側に到達する場合でも不要波が乱反射により弱められているため受信側のノイズを低減でき、S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測精度を高めることができる。
以上のように、本実施例によれば不要伝搬波を減衰させる第一の不要伝搬波減衰手段を
備えているので、正規の伝搬路から逸脱した不要な伝搬波は第一の不要伝搬波減衰手段により減衰され、受信側の超音波送受信器では計測流路内の正規の伝搬路を通過した正規の伝搬波の比率を高めて受信でき、ノイズ成分の少ない受信波形の検出がなされてS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり、伝搬時間をより高精度に計測できることにより流速あるいは流量の計測精度を向上でき、さらに計測可能な流速あるいは流量の計測上限値の拡大あるいは計測下限値の低減により計測範囲を拡大することができる。
また、第一の不要伝搬波減衰手段は計測流路を形成する流路壁の内面に設けた第一の吸音手段を備えて、計測流路の内壁の任意の位置に最適な吸音手段を配置することで被計測流体の圧力損失を高めること無く反射波の発生を抑えて不要な伝搬波を効率よく減衰させることができる。
また、第一の不要伝搬波減衰手段は超音波送受信器を計測流路に直接臨ませる開口穴に設けた第二の吸音手段を備えて、開口穴内での不要な反射波の発生を低減し、計測流路への不要波の送信を低減することでS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測精度を高めることができる。
また、第一の不要伝搬波減衰手段は計測流路を形成する流路壁の内面に設けた第一の吸音手段と超音波送受信器を計測流路に直接臨ませる開口穴に設けた第二の吸音手段とを備えて、計測流路への不要波の送信の低減と計測流路での不要な反射波の低減がなされ、より一層S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測精度を高めることができ、超音波送受信器は電池などによる低電圧駆動が実現できる。
また、第一の不要伝搬波減衰手段は計測流路を形成する流路壁の内面に設けた乱反射手段を備えて、計測流路内で正規の超音波伝搬路を外れた不要波が発生しても、その不要波は計測流路の内面に設けた乱反射手段により一定の方向ではなく全方向に乱反射されるため、不要波の一部が受信側に到達する場合でも不要波が乱反射により弱められているため受信側のノイズを低減でき、S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測精度を高めることができる。
なお、本実施例では屈曲部17、18を計測流路6の幅Wの方向に曲げた場合を示したが、屈曲部17、18の曲がり方向は計測流路6の高さHの方向でも良いだけでなく任意の方向でも良く、さらに屈曲部17と屈曲部18の曲がり方向が異なっていても良いのは言うまでもない。
(実施例2)
図7、図8で本発明の実施例2を説明する。図7は本発明の実施例2を示す超音波流量計測装置の構成断面図であり、図8は図7のB−B断面図である。図7、図8において、図1〜図6の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
24は流路壁7に設けた流路スペーサであり、この流路スペーサ24により超音波送受信器8、9は計測流路6の高さH方向のほぼ中心に配置されている。計測流路6の高さH方向の一方に流路スペーサ24に設けることで、超音波送受信器8と超音波送受信器9間の一方の流路壁7aと他方の流路壁7bの長さを変えている。ここでは、流路スペーサ24を設けた流路壁7a側の超音波の伝搬距離Laは他方の流路壁7b側の超音波の伝搬距離Lbよりも大きく(La>Lb)している。しかも、この伝搬距離の差は、流路壁7a側を通った超音波と流路壁7bを通った超音波とが受信側の超音波送受信器で干渉により減衰するように設定している。すなわち、流路壁7a側を通った超音波と流路壁7bを通った超音波とは半波長(λ/2)の差が生じるように伝搬距離の差を設定(La−Lb=
λ/2)する。例えば、流路壁7を音速Vが約5000m/sのアルミニュウム系合金で形成し、超音波の周波数f=200kHz、流路壁7b側の伝搬距離Lb=200mmとした場合は、波長λ=V/fなので流路壁7a側の伝搬距離はLa=212.5mmとすれば良いことになる。
25は上述の伝搬距離の差のように流路壁7を構成する筐体を伝搬する超音波を減衰させる第二の不要伝搬波減衰手段であり、この第二の不要伝搬波減衰手段25は流路壁7a側と流路壁7b側の筐体を伝搬する超音波を相互に干渉させて減衰させる流路壁7としている。
また、流路スペーサ24は制振材を介して流路壁7に取付けたり(図示せず)、樹脂など超音波の減衰が大きい材料とすることで、流路スペーサ24内を超音波が伝搬し難いようにできる。
次に、流量計測時の筐体を伝わる超音波の動作について上流側の超音波送受信器8を送信側とし下流側の超音波送受信器9を受信側とした場合で説明する。超音波送受信器8、9は防振と気密シールを行う支持体10を介して流路壁7に取付けられているため、上流側の超音波送受信器8を駆動して超音波を送信すると超音波の大部分は被測定流体中に送出されるが、超音波の一部は支持体10を通過して計測流路6を形成する筐体である流路壁7に漏れ、受信側の超音波送受信器9に到達する。筐体を構成する固体材料の音速は気体や液体の被測定流体中の音速よりも十分大きいので、本来の超音波伝搬路13を通った超音波よりも先に筐体を通った超音波が受信側の超音波送受信器に到着して受信される。超音波を一回だけ打って速度を求める場合はディレイ時間を設けて筐体を伝わった超音波を受信しないようにできるが、計測精度を高めるために超音波の送信、受信を数多く繰り返すシングアラウンドを行う場合は前に打った超音波の筐体伝搬波をディレイ時間で避けることが困難となる。しかし、ここでは流路壁7に第二の不要伝搬波減衰手段25を設けているため、流路壁7を伝搬した不要波が互いに干渉して受信側の超音波送受信器9で減衰されて受信され、計測流路6内を通過した伝搬波の比率を高めた受信がなされて計測流路内を通過した伝搬波を正確に受信でき、筐体からの伝搬波の影響を排除することでS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり流速あるいは流量の計測精度の向上と計測範囲の拡大ができる。下流側の超音波送受信器9を送信側とし上流側の超音波送受信器8を受信側とした場合も同様である。
なお、本実施例では流路壁7a側と流路壁7b側とを同じ材料で形成し、筐体を伝搬する超音波に半波長の差が生じるように伝搬距離のみを変える例を示したが、流路壁7a側と流路壁7b側とを音速の異なる材料で形成することで干渉による減衰効果を生み出すことができるとともに、材料選定により流路壁の外形寸法を小型化できる。
図9は第二の不要伝搬波減衰手段の他の実施例を示すB−B断面図であり、26は流路壁7内に設けられ超音波送受信器8、9方向に延びる振動伝達抑制手段である。この振動伝達抑制手段26は流路壁7に密着させるとともに超音波の伝搬に対して減衰効果の大きい材料で形成して、送信側の超音波送受信器から漏洩した超音波が流路壁7を伝搬して受信側の超音波送受信器へ到着するのを妨げて第二の不要伝搬波減衰手段としての作用を行う。
このため、たとえ計測流路を形成する筐体に送信された超音波の不要な伝搬波が漏れたとしても、この不要な伝搬波は受信側の超音波送受信器に到達する前に振動伝達抑制手段はより減衰され、受信側の超音波送受信器は計測流路の筐体を伝搬する不要波を排除し計測流路内の正規の伝搬路を通過した超音波成分の比率を高めてS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測流路内を通過した伝搬波を正確に受信でき、流速ある
いは流量の計測精度の向上と計測範囲の拡大ができる。
さらに、この振動伝達抑制手段26は流路壁7内の超音波送受信器の設置方向に延伸されて配置されているため、送信側から受信側に漏れる超音波を減衰させるだけでなく、外部からの超音波振動や故意の妨害振動に対してもこの外乱を減衰させることができ、外乱に対する計測動作の信頼性を高めることができる。
図10は振動伝達抑制手段の他の実施例を示すB−B断面図である。図10において、27は上流側の超音波送受信器8を取付けている上流側の流路壁7cと下流側の超音波送受信器9を取付けている下流側の流路壁7dとの間に介在させた制振体であり、振動伝達抑制手段28は上流側の流路壁7cと下流側の流路壁7dとを制振体27を介して連結して形成している。そして、送信側の超音波送受信器から計測流路の筐体に漏れた不要伝搬波は制振部により確実に遮断されて受信側の超音波送受信器に到達しないため、より一層S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測精度と計測範囲が一層向上できる。
また、計測流路6を形成する流路壁7を制振性の高い制振材料で形成した(図示せず)ものである。この制振材料としては、ダイキャスト合金として通常よく使用されるアルミニウム鋳造合金よりも減衰性が優れる鋳鉄材やマグネシウム合金などの金属材料があり、構成の簡略化により計測流路の小型化ができ、特にマグネシウム合金ではさらに軽量化が実現できる。このように、S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信を維持したまま計測流路の構成を簡略化でき、計測流路の小型化と軽量化および低コスト化により実用性を高めることができる。
図11は第二の不要伝搬波減衰手段の他の実施例を示すB−B断面図であり、29は計測流路6を形成する流路壁7の外面に設けた遮音手段であり、計測流路6の外部から加わった超音波振動や故意の妨害振動に対して、この外乱を計測流路6側に入らないように遮蔽あるいは減衰させる。そして、超音波などの振動が外部から加わっても計測流路を覆う遮音手段によりその外乱振動が減衰され、超音波送受信器は外乱の振動の影響を排除した超音波の送受信が可能となり、外乱に強い流速あるいは流量の計測が実現でき、信頼性の向上ができる。さらに、計測流路の超音波が外部に漏れるのを遮音手段により低減できるため他への影響を無くして設置性を向上できる。
また、第二の不要伝搬波減衰手段として振動伝達抑止手段28と遮音手段29とを備えたものである。そして、筐体を伝搬する不要波を排除してS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信による計測精度の向上と計測範囲の拡大と、外乱の振動の影響を排除した超音波の送受信による外乱に対する信頼性の向上とが両立でき、実用性を高めることができる。
また遮音手段の他の実施例として、遮音手段29に断熱性能を持たせたもの(図示せず)である。そして、外気温変化や急激な日射量の変化が生じても計測流路6全体の温度変化が均等化されることや急速な温度変化が防止することで、被測定流体の音速変化による計測誤差を低減し、対となる超音波送受信器の温度の同一化により超音波送受信器の温度特性に起因する計測誤差を低減し、さらに急激あるいは局所的な低温化による結露の発生を防止する。そして、外乱振動に強い流速あるいは流量の計測の実現に加えて、日射や外気温変化などの外部からの熱による音速変動や結露などの計測流路への影響を低減し、流速あるいは流量の計測精度の信頼性を向上できる。
以上のように、本実施例によれば筐体を伝搬する不要伝搬波を減衰させる第二の不要伝搬波減衰手段を備えているので、送信側の超音波送受信器から送信された超音波が受信側
の超音波送受信器に計測流路内を伝搬する時に、計測流路の筐体に漏れた不要な振動は減衰されて受信側の超音波送受信器に受信されることになり、受信側の超音波送受信器では計測流路筐体からの伝搬波の影響を排除することでS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測流路内を通過した伝搬波を正確に受信でき、流速あるいは流量の計測精度の向上と計測範囲の拡大ができる。
また、第二の不要伝搬波減衰手段は計測流路の超音波送受信器間に設けた振動伝達抑制手段を備えたものである。そして、たとえ計測流路を形成する筐体に送信された超音波の不要な伝搬波が漏れたとしても、この不要な伝搬波は受信側の超音波送受信器に到達する前に振動伝達抑制手段はより減衰され、受信側の超音波送受信器は計測流路の筐体を伝搬する不要波を排除し計測流路内の正規の伝搬路を通過した超音波成分の比率を高めてS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測流路内を通過した伝搬波を正確に受信でき、流速あるいは流量の計測精度の向上と計測範囲の拡大ができる。
また、第二の不要伝搬波減衰手段は計測流路を形成する流路壁の外面に設けた遮音手段を備えたものである。そして、超音波などの振動が外部から加わっても計測流路を覆う遮音手段によりその外乱振動が減衰され、超音波送受信器は外乱の振動の影響を排除した超音波の送受信が可能となり、外乱に強い流速あるいは流量の計測が実現でき、信頼性の向上ができる。
また、第二の不要伝搬波減衰手段は計測流路の超音波送受信器間に設けた振動伝達抑制手段と計測流路を形成する流路壁の外面に設けた遮音手段とを備えたものである。そして、筐体を伝搬する不要波を排除してS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信による計測精度の向上と計測範囲の拡大と、外乱の振動の影響を排除した超音波の送受信による外乱に対する信頼性の向上とが両立でき、実用性を高めることができる。
また、振動伝達抑制手段は上流側の超音波送受信器を配置する上流側の流路壁と下流側の超音波送受信器を配置する下流側の流路壁とを制振体を介して連結したものである。そして、送信側の超音波送受信器から計測流路の筐体に漏れた不要波は制振体により遮断されて受信側の超音波送受信器に到達しないため、より一層S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり計測精度と計測範囲が一層向上できる。
また、第二の不要伝搬波減衰手段は計測流路の流路壁を制振材料で形成したものである。そして、S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信を維持したまま計測流路の構成を簡略化でき、計測流路の小型化と軽量化および低コスト化により実用性を高めることができる。
また、遮音手段は断熱性能を備えたものである。そして、外乱振動に強い流速あるいは流量の計測の実現に加えて、日射や外気温変化などの外部からの熱による音速変動や結露などの計測流路への影響を低減し、流速あるいは流量の計測精度の信頼性を向上できる。
(実施例3)
図12は本発明の実施例3を示す超音波流量計測装置の構成断面図である。図12において、図1〜図11の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
30は屈曲部17の上流側に接続され計測流路6に開口する連通口31を有する入口ブロックであり、この入口ブロック30には弁座32に対向する弁体33を有する開閉弁34が設けられている。35は弁座32の上流側に設けられ外部の配管(図示せず)に接続され流体が流入する入口側の接続口である。36は屈曲部18の下流側に連通して設けた
出口ブロックであり、この出口ブロック36は外部の配管(図示せず)に接続され流体が流出する出口側の接続口37を有している。38は弁体33を弁座32の方向に付勢するスプリングであり、39は弁体33を開成あるいは閉成させるべく駆動するソレノイドやモータなどの駆動部である。40は入口ブロック30を覆うようにその外周部に接触して設けるとともに制振材料で形成した第三の不要伝搬波減衰手段であり、41は出口ブロック36を覆うようにその外周部に接触して設けるとともに制振材料で形成した第三の不要伝搬波減衰手段である。これらの第三の不要伝搬波減衰手段40、41は入口側あるいは出口側の接続口35、37に接続された外部の配管(図示せず)から侵入し外乱となる振動あるいは超音波が計測流路6に伝搬するのを減衰させるものである。
次に、動作について説明する。この流量計測装置を並列して設置した場合、例えば家庭用のガスメータなどの様に近距離に隣接して設置された場合では隣家のガスメータ内の計測用の超音波振動が配管を伝搬して来ても入口側に設けた第三の不要伝搬波減衰手段40によりその外乱振動が減衰されて計測流路6への伝搬を低減でき、受信側の超音波送受信器ではノイズ成分を低減した高感度な超音波の受信が可能となり高精度な流量の計測ができる。また、外部の配管に異常な振動を加えられた場合でも、入口側あるいは出口側に設けた第三の不要伝搬波減衰手段40、41により計測流路6への外乱振動の侵入が低減でき、信頼性の高い計測を行うことができる。また、計測流路での超音波振動が外部の配管側に漏洩するのを防止でき、また外部の配管からの外乱を受け難いので設置位置や設置距離などの制約を無くして設置自由度を向上できる。なお、ここでは入口ブロックには弁を内蔵した例で説明したが、入口ブロックが出口ブロックのように弁を持たない構成の場合も同様であるのは言うまでもない。
このように、接続口に接続された外部の配管を経由した外部の振動波(例えば配管系統において近くに設置された他の超音波流量計測装置の超音波振動波など)などの外乱を減衰させて超音波送受信器に到達を低減し、S/N特性に優れた高感度な超音波の受信が可能となり計測流路内を通過した伝搬波を正確に受信でき、流速あるいは流量の計測精度の向上と計測範囲の拡大ができ、他の超音波流量計測装置に関わらず自由な位置に設置できるため設置自由度が高く利便性を向上できる。
図13は第三の不要伝搬波減衰手段の実施例を示す他の構成断面図であり、図12の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付して詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。図13において、42は入口側の接続口35と計測流路6の間に介在させた外部振動抑制手段であり、計測流路6を形成する流路壁7と入口ブロック30とはこの外部振動抑制手段42を間に挟んで接続されている。43は出口側の接続口37と計測流路6の間に介在させた外部振動抑制手段であり、計測流路6を形成する流路壁7と出口ブロック36とはこの外部振動抑制手段43を間に挟んで接続されている。これらの外部振動抑制手段42、43は振動の減衰特性に優れた制振材料で形成することで第三の不要伝搬波減衰手段としている。
このため、外部の配管に加わった振動あるいは超音波は、この外部振動抑制手段42、43により計測流路6への伝搬が防止される。従って、接続口に接続された外部の配管を経由した外乱は外部振動抑制手段により遮断されて計測流路への侵入を防止して、接続口から侵入した外乱ノイズは一層低減されてS/N特性により優れた高感度な超音波の受信が可能となり計測流路内を通過した伝搬波を正確に受信でき、流速あるいは流量の計測精度と計測範囲が向上できる。
さらに、第三の不要伝搬波減衰手段として前述の第三の不要伝搬波減衰手段40、41および外部振動抑制手段42、43をともに設けることにより不要伝搬波をより一層減衰させて、計測精度と計測範囲が一層向上できる。
また、第三の不要伝搬波減衰手段の他の実施例として、計測流路を形成する流路壁の上流側あるいは下流側に接続される入口ブロックあるいは出口ブロックを制振材料で形成して構成したものである。この構成により、入口ブロックと出口ブロックが外部の配管と計測流路を形成する流路壁との振動伝達において隔離された状態とできるため外乱に関わらず安定しS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信がなされるとともに、入口ブロックあるいは出口ブロックの構成を簡略化して装置の小型化、軽量化および低コスト化が可能となる。そして、接続口から侵入した外乱ノイズを低減しS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信を維持したまま計測装置の構成を簡略化でき、計測装置の小型化と軽量化および低コスト化により実用性を高めることができる。
また、第三の不要伝搬波減衰手段の他の実施例として、第三の不要伝搬波減衰手段40、41あるいは外部振動抑制手段42、43に断熱性能を持たせたものである。このため、接続口35、37に接続された外部の配管に加わった日射や外気温度の変化による計測流路の温度の急変や温度分布の不均一の発生が防止でき、超音波送受信器の温度特性による誤差の発生を低減して計測精度を安定化できる。そして、接続口に接続した配管あるいは計測装置に入った日射や外気温変化などの外部からの熱による計測流路への影響を低減し、流速あるいは流量の計測精度の信頼性を向上できる。
以上のように、本実施例によれば外部の配管から侵入した外乱振動を減衰させる第三の不要伝搬波減衰手段を備えているので、接続口に接続された外部の配管を経由した外部の振動波(例えば配管系統において近くに設置された他の超音波流量計測装置の超音波振動波など)などの外乱を減衰させて超音波送受信器に到達を低減し、S/N特性に優れた高感度な超音波の受信が可能となり計測流路内を通過した伝搬波を正確に受信でき、流速あるいは流量の計測精度の向上と計測範囲の拡大ができ、他の超音波流量計測装置に関わらず自由な位置に設置できるため設置自由度が高く利便性を向上できる。
また、第三の不要伝搬波減衰手段は接続口と計測流路を形成する流路壁との間に介在させた外部振動抑制手段を備えているので、接続口に接続された外部の配管を経由した外乱は外部振動抑制手段により遮断されて計測流路への侵入を防止して、接続口から侵入した外乱ノイズは一層低減されてS/N特性により優れた高感度な超音波の受信が可能となり計測流路内を通過した伝搬波を正確に受信でき、流速あるいは流量の計測精度と計測範囲が一層向上できる。
また、第三の不要伝搬波減衰手段は計測流路の上流側あるいは下流側を制振材料で形成した入口ブロックあるいは出口ブロックを備えているので、接続口から侵入した外乱ノイズを低減しS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信を維持したまま計測装置の構成を簡略化でき、計測装置の小型化と軽量化および低コスト化により実用性を高めることができる。
また、第三の不要伝搬波減衰手段は断熱性能を備えているので、接続口に接続した配管あるいは計測装置に入った日射や外気温変化などの外部からの熱による計測流路への影響を低減し、流速あるいは流量の計測精度の信頼性を向上できる。
(実施例4)
図14は本発明の実施例4を示す超音波流量計測装置の構成断面図である。図14において、図1〜図13の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
計測流路6には第一の不要伝搬波減衰手段14となる第一の吸音手段15を設け、計測
流路6を形成する流路壁7には上流側の超音波送受信器8を取付けている上流側の流路壁7cと下流側の超音波送受信器9を取付けている下流側の流路壁7dとの間に介在させた制振体27による第二の不要伝搬波減衰手段25を設け、さらに外部の配管(図示せず)を接続する接続口35あるいは37を備えた入口ブロック30あるいは出口ブロック36には第三の不要伝搬波減衰手段40あるいは41を設けている。
このため、超音波送受信器8および9間で超音波の送受信により流速を測定する場合、超音波伝搬路13から逸脱した超音波は前述のように第一の不要伝搬波減衰手段14により吸音されて減衰し、送信側の超音波送受信器8あるいは9から流路壁7に漏洩した超音波振動は制振体27で形成した第二の不要伝搬波減衰手段25により減衰して受信側の超音波送受信器8あるいは9にノイズ成分として影響しなくなり、受信側の超音波送受信器8あるいは9では超音波伝搬路13を通過した正規の伝搬波によるS/N特性に優れたより高感度の超音波の送受信がなされる。さらに、外部の配管にノイズ成分となる振動が加わっても第三の不要伝搬波減衰手段40あるいは41によりその不要振動波は減衰して計測流路6に影響を与えないため安定した流量計測が外乱の有無に関わらず実行できる。なお、第二の不要伝搬波減衰手段として図11で前述した流路壁7の外面に設けた遮音手段29を備えた場合は外部の配管以外からの外乱に対しても強くできるのは言うまでもない。
このように、外乱などが加わった場合でも第三の不要伝搬波減衰手段により外乱による振動波が計測流路に伝搬するのが低減され、また計測流路を形成する流路壁に漏れた不要な振動は第二の不要伝搬波減衰手段により受信側の超音波送受信器に到達する前に減衰され、さらに第一の不要伝搬波減衰手段により受信側の超音波送受信器では計測流路内の正規の伝搬路を通過した正規の伝搬波の比率を高めて受信でき、ノイズ成分の少ない受信波形の検出がなされてS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり、伝搬時間をより一層高精度に計測できることにより流速あるいは流量の計測精度を一層向上でき、また計測可能な流速あるいは流量の計測上限値の拡大あるいは計測下限値の低減により計測範囲を一層拡大することができる。さらに、外乱に強い流量計測装置が実現でき、他の流量計測装置の設置位置の自由度が高められて設置性を向上できる。
(実施例5)
図15は本発明の実施例5を示す超音波流量計測装置の構成断面図である。図15において、図1〜図14の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
計測流路6には第一の不要伝搬波減衰手段14となる第一の吸音手段15を設け、計測流路6を形成する流路壁7には上流側の超音波送受信器8を取付けている上流側の流路壁7cと下流側の超音波送受信器9を取付けている下流側の流路壁7dとの間に介在させた制振体27による第二の不要伝搬波減衰手段25と流路壁7の外面に設けた遮音手段29による第二の不要伝搬波減衰手段25を設けている。このように、第二の不要伝搬波減衰手段25として流路壁7に介在させた制振体27と流路壁7の外面の遮音手段29を備えることで、流路壁7を伝搬する超音波振動によるノイズ成分を抑えるとともに、第一の不要伝搬波減衰手段14により超音波伝搬路13を伝搬した正規の伝搬波を高感度で受信できる。特に、第二の不要伝搬波減衰手段25として流路壁7の外面に遮音手段29を設けることで、計測流路6の外部からの不要な振動などの外乱に強い装置が実現でき、実用性を高めることができる。
このため、計測流路を形成する流路壁に漏れた不要な振動は第二の不要伝搬波減衰手段により受信側の超音波送受信器に到達する前に減衰され、さらに第一の不要伝搬波減衰手段により受信側の超音波送受信器では正規の伝搬路を通過した正規の伝搬波の比率を高め
て受信でき、ノイズ成分の少ない受信波形の検出がなされ、S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり伝搬時間をより一層高精度に計測できることにより流速あるいは流量の計測精度を一層向上でき、さらに計測可能な流速あるいは流量の計測上限値の拡大あるいは計測下限値の低減により計測範囲を一層拡大することができる。
(実施例6)
図16は本発明の実施例6を示す超音波流量計測装置の構成断面図である。図16において、図1〜図15の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
計測流路6には第一の不要伝搬波減衰手段14となる第一の吸音手段15を設け、入口ブロック30あるいは出口ブロック36には第三の不要伝搬波減衰手段40あるいは41が設けられるとともに、入口ブロック30の接続口35と計測流路6を形成する流路壁7との間に介在させた外部振動抑制手段42と、出口ブロック36の接続口37と計測流路6を形成する流路壁7との間に介在させた外部振動抑制手段43とを第三の不要伝搬波減衰手段40、41としている。このように第三の不要伝搬波減衰手段40、41を設けているので、外部の配管(図示せず)を伝搬してきた不要な振動が計測流路6を形成する流路壁7に伝わるのを低減でき外乱に対して強くできるとともに、超音波送受信器8あるいは9から送信された超音波の振動が外部の配管(図示せず)側への漏洩が防止され、本流量計測装置を隣接して並列に配置することができるようになる。また、第一の不要伝搬波減衰手段14により超音波伝搬路13を伝搬した正規の伝搬波の高感度な送受信ができ、計測精度の向上と計測範囲の拡大ができる。
このため、外乱などが加わった場合でも第三の不要伝搬波減衰手段により外乱による振動波が計測流路に伝搬するのが低減され、さらに第一の不要伝搬波減衰手段により受信側の超音波送受信器では正規の伝搬路を通過した正規の伝搬波の比率を高めて受信できるため、ノイズ成分の少ない受信波形の検出がなされ、S/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり伝搬時間をより一層高精度に計測できることにより流速あるいは流量の計測精度を一層向上でき、さらに計測可能な流速あるいは流量の計測上限値の拡大あるいは計測下限値の低減により計測範囲を一層拡大することができる。さらに、外乱に強い流量計測装置が実現でき、他の流量計測装置の設置位置の自由度が高められて設置性を向上できる。
(実施例7)
図17は本発明の実施例7を示す超音波流量計測装置の構成断面図である。図17において、図1〜図16の実施例と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略し、異なるところを中心に説明する。
計測流路6を形成する流路壁7には上流側の超音波送受信器8を取付けている上流側の流路壁7cと下流側の超音波送受信器9を取付けている下流側の流路壁7dとの間に介在させた制振体27による第二の不要伝搬波減衰手段25と流路壁7の外面に設けた遮音手段29による第二の不要伝搬波減衰手段25を設け、入口ブロック30あるいは出口ブロック36には第三の不要伝搬波減衰手段40あるいは41が設けられるとともに、入口ブロック30の接続口35と計測流路6を形成する流路壁7との間に介在させた外部振動抑制手段42と、出口ブロック36の接続口37と計測流路6を形成する流路壁7との間に介在させた外部振動抑制手段43とを第三の不要伝搬波減衰手段40、41として設けている。
このため、送信側の超音波送受信器から漏洩した超音波振動あるいは外部の配管から侵入した外乱振動などの不要な超音波は第二の不要伝搬波減衰手段25あるいは第三の不要
伝搬波減衰手段40、41によりより一層減衰されて受信側の超音波送受信器に悪影響を及ぼさず外乱に対する信頼性を向上できる。また、超音波送受信器8あるいは9から送信された超音波の振動が外部の配管(図示せず)側への漏洩が防止され、本流量計測装置を隣接して並列に配置することができるようになる。さらに、第二の不要伝搬波減衰手段25である遮音手段29および第三の不要伝搬波減衰手段40、41に断熱性能を付与することにより、雰囲気温度の変化や流量計測装置に当たっている日射量の急変などに対して流量計測部6の温度の変化速度を緩やかにして安定した信頼性の高い流量計測ができ、熱環境の変化に強い装置が実現できる。
このように、外乱などが加わった場合でも第三の不要伝搬波減衰手段により外乱による振動波が計測流路に伝搬するのが低減され、また計測流路を形成する流路壁の筐体に漏れた不要な振動は第二の不要伝搬波減衰手段により受信側の超音波送受信器に到達する前に減衰され、受信側の超音波送受信器では計測流路筐体からの伝搬波の影響を排除することでノイズ成分の少ない受信波形の検出がなされてS/N特性に優れた高感度な超音波の送受信が可能となり、伝搬時間をより一層高精度に計測できることにより流速あるいは流量の計測精度を一層向上でき、また計測可能な流速あるいは流量の計測上限値の拡大あるいは計測下限値の低減により計測範囲を一層拡大することができる。さらに、外乱に強い流量計測装置が実現でき、他の流量計測装置の設置位置の自由度が高められて設置性を向上できる。