JP2010164082A - 駆動力配分装置 - Google Patents

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孝幸 関
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Abstract

【課題】調圧弁のソレノイドを流れる電流が短絡電流以上になってから制御部が短絡故障の発生を判定するまでの間に運転者が感じる違和感を低減または解消可能な駆動力配分装置を提供する。
【解決手段】調圧弁であるリニアソレノイドバルブ106を駆動するソレノイド106aに流れる実電流Siが短絡電流以上になったとき、CPU23aは、リニアソレノイドバルブ106のソレノイド106aが過電流状態になったと判定する。そして、左右の油圧クラッチの係合を解除し、左右の駆動輪の駆動力差を解消する。さらにCPU23aは、過電流状態が所定の時間に亘って継続したときには、ソレノイド106aに制御信号Lsを入力するソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定し、直流電源26とソレノイド駆動回路23cを遮断してソレノイド106aに短絡電流が流れることを防止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の駆動力を左右の駆動輪に配分する駆動力配分装置に関する。
エンジンが出力する駆動力を左右の駆動輪に任意の配分比で配分して、旋回時の安定性を向上させる駆動力配分装置を備える車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような駆動力配分装置は左右の駆動輪に対応する2つの油圧クラッチを含んで構成され、その油圧クラッチに発生するトルク(伝達トルク)を調節することで、左右の駆動輪に配分される駆動力の配分比を調節している。
駆動力配分装置には、任意の油圧の作動油を油圧クラッチに送油して、油圧クラッチに油圧を供給する油圧回路が備わっている。そして、駆動力配分装置を制御する制御部は、左右の駆動輪に配分される駆動力の配分比に基づいて油圧クラッチを駆動する作動油の油圧を設定すると、油圧回路を制御して設定した油圧の作動油を油圧クラッチに送油して油圧を供給し、油圧クラッチに発生する伝達トルクを調節する。
駆動力配分装置の油圧回路には、ソレノイドで動作する調圧弁が備わり、制御部は、このソレノイドを制御して作動油の油圧を調節している。駆動力配分装置にはソレノイドを駆動するためのソレノイド駆動回路が備わり、ソレノイドに誘起電流を発生させる電流を供給している。制御部は、ソレノイドに供給する電流を制御することでソレノイドの動作を制御できる。
このように構成される油圧回路のソレノイド駆動回路が故障して短絡が発生すると、ソレノイド駆動回路を流れる電流が急増して電流量の大きな短絡電流が発生する。
以下、短絡が発生する故障を短絡故障と称する。
調圧弁は、ソレノイドに入力される電流の増加に応じて作動油の油圧を昇圧するように構成されることから、電流量の大きな短絡電流がソレノイドに供給されるとソレノイドが動作(誤動作)し、調圧弁が作動油を昇圧する。そして、高い油圧が油圧クラッチに供給されて油圧クラッチに大きな伝達トルクが発生し、その結果、駆動力配分装置は、制御部が設定した配分比と異なる配分比で駆動力を配分する。
したがって、駆動力配分装置を制御する制御部が、ソレノイド駆動回路の短絡故障の発生を監視し、ソレノイド駆動回路に短絡故障が発生したと判定したときには、ソレノイドへの電流の供給を遮断して調圧弁での油圧の昇圧を停止し、駆動力を左右の駆動輪に均等に配分して左右の駆動輪の駆動力差を解消する構成が好適である。
特開平9−310748号公報
制御部が、ソレノイド駆動回路の短絡故障の発生を監視する方法として、ソレノイドを流れる電流(実電流)を監視する方法が考えられている。ソレノイド駆動回路に短絡故障が発生すると電流量の大きな短絡電流が発生し、それにともなって、ソレノイドを流れる実電流が大きくなることから、例えば電流センサでソレノイドを流れる実電流を測定し、制御部は、その測定値が、予め設定される所定の境界電流(例えば、短絡電流)の値以上になったことを検知することで、ソレノイド駆動回路に短絡故障が発生したと判定できる。
以下、ソレノイドを流れる実電流が所定の境界電流以上になる状態を、過電流状態と称する。
しかしながら、例えば制御部は、電流センサの測定値に含まれるノイズによって、ソレノイド駆動回路に短絡故障が発生したと誤判定する場合があることから、一般的に、制御部は、過電流状態が所定時間継続したときに、短絡故障が発生したと判定するように構成される。
このような構成によると、ソレノイド駆動回路に実際に短絡故障が発生した場合であっても、制御部は、所定時間は短絡故障の発生を判定しない。
そして、制御部が短絡故障の発生を判定するまでの間は、短絡故障によって発生する短絡電流でソレノイドが動作して調圧弁で作動油が昇圧し、高い油圧が油圧クラッチに供給される。したがって、駆動力配分装置は、制御部が設定した配分比と異なる配分比で駆動力を配分する。その結果、左右の駆動輪には意図しない駆動力差が生じ、運転者が違和感を感じる。
そこで本発明は、調圧弁のソレノイドを流れる電流が短絡電流以上になってから制御部が短絡故障の発生を判定するまでの間に運転者が感じる違和感を低減または解消可能な駆動力配分装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明は、駆動源が出力する駆動力を左右の駆動輪に配分するとともに、制御部の指令に応じて2つの油圧クラッチを択一的に係合させることによって、駆動力の配分比を変更可能な駆動力配分装置とし、前記2つの油圧クラッチに供給する油圧を発生する油圧源と、前記油圧源から入力される油圧を、ソレノイドに供給される電流の増加に応じて昇圧して出力する調圧弁と、前記2つの油圧クラッチのそれぞれに対応して2つ備わり、前記調圧弁が出力する油圧を供給する油圧供給路と前記油圧を排出する排油路を、前記制御部の指令に応じて選択的に切り替えて、それぞれ対応する前記油圧クラッチに接続するシフト弁と、前記制御部の指示値に応じた電流を直流電源から生成して前記ソレノイドに供給するソレノイド駆動回路と、前記制御部の指令に応じて前記直流電源と前記ソレノイド駆動回路を遮断する遮断回路と、前記ソレノイドを流れる実電流を測定する電流センサと、を備える。
前記制御部は、前記ソレノイドを流れる前記実電流が所定の境界電流より大きい過電流状態が第1の所定時間に亘って継続したときには、前記2つの油圧クラッチをそれぞれ前記排油路に接続するように前記2つのシフト弁に指令を与え、前記過電流状態が、前記第1の所定時間より長い第2の所定時間に亘って継続したときには、前記直流電源と前記ソレノイド駆動回路を遮断するように前記遮断回路に指令を与えることを特徴とする。
本発明によれば、駆動力配分装置に備わる2つの油圧クラッチに油圧を供給する調圧弁のソレノイドを流れる実電流が所定の境界電流より大きい過電流状態が、第1の所定時間に亘って継続したときに、2つの油圧クラッチを排油路に接続できる。2つの油圧クラッチに供給された油圧は排油路から排出され、2つの油圧クラッチの係合を解除できる。
そして、左右の駆動輪へ駆動力を等しく配分することができる。
さらに過電流状態が、第1の所定時間より長い第2の所定時間に亘って継続したときには、ソレノイドに電流を供給するソレノイド駆動回路と直流電源を遮断することができ、ソレノイド駆動回路に過電流が流れることを防止できる。
また、本発明は、前記所定の境界電流は、前記ソレノイド駆動回路に短絡故障が発生したときに前記ソレノイドを流れる短絡電流であることを特徴とする。
本発明によれば、ソレノイド駆動回路に短絡故障が発生したときにソレノイドを流れる短絡電流を、所定の境界電流にすることができる。
本発明によれば、調圧弁のソレノイドを流れる電流が短絡電流以上になってから制御部が短絡故障の発生を判定するまでの間に運転者が感じる違和感を低減または解消可能な駆動力配分装置を提供できる。
フロントエンジン・フロントドライブ車の動力伝達系を示すスケルトン図である。 油圧回路の構成を示す図である。 油圧回路の構成を示す図である。 電子制御ユニットの一構成例を示す図である。 従来の短絡判定手順を比較例として示すフローチャートである。 本実施形態における短絡判定手順を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
車両の動力伝達系に備わる駆動力配分装置1は、エンジンE(駆動源)が出力する駆動力を、左右の駆動輪WFL,WFRに任意の配分比で配分して伝達する装置であり、例えば、図1に示すように構成される。
駆動力配分装置1には、トランスミッションMから延びる入力軸2aに設けた入力ギヤ2に噛み合う外歯ギヤ3から駆動力が伝達される差動装置Dが一体に設けられる。差動装置Dはダブルピニオン式の遊星歯車機構よりなり、外歯ギヤ3と一体に形成されたリングギヤ4と、このリングギヤ4の内部に同軸に配設されたサンギヤ5と、リングギヤ4に噛み合うアウタプラネタリギヤ6およびサンギヤ5に噛み合うインナプラネタリギヤ7を、それらが相互に噛み合う状態で支持するプラネタリキャリア8とから構成される。差動装置Dは、そのリングギヤ4が入力要素として機能するとともに、一方の出力要素として機能するサンギヤ5が左出力軸9および左車軸Aを介して左駆動輪WFLに接続され、また他方の出力要素として機能するプラネタリキャリア8が右出力軸9および右車軸Aを介して右駆動輪WFRに接続される。
駆動力配分装置1は、遊星歯車機構を備えており、そのキャリア部材11が左出力軸9の外周に回転自在に支持されるとともに、円周方向に90°間隔で配置された4本のピニオン軸12(図1には2本のピニオン軸12を図示)の各々に、第1ピニオン13、第2ピニオン14および第3ピニオン15を一体に形成した3連ピニオン部材16が回転自在に支持される。左出力軸9の外周に回転自在に支持されて第1ピニオン13に噛み合う第1サンギヤ17は、差動装置Dのプラネタリキャリア8に連結される。また左出力軸9の外周に固定された第2サンギヤ18は第2ピニオン14に噛み合う。更に、左出力軸9の外周に回転自在に支持された第3サンギヤ19は第3ピニオン15に噛み合う。
第3サンギヤ19は、左出力軸9の外周に嵌合するスリーブ21および左側の油圧クラッチ30(以下、左クラッチ30と称する場合がある)を介してハウジング20に結合可能であり、左クラッチ30の係合によってキャリア部材11の回転速度が増速される。また、キャリア部材11は、右側の油圧クラッチ30(以下、右クラッチ30と称する場合がある)を介してハウジング20に結合可能であり、右クラッチ30の係合によって、キャリア部材11の回転速度が減速される。
駆動力配分装置1の右クラッチ30が係合されると、摩擦による係合力(摩擦係合力)によってキャリア部材11がハウジング20に結合され、右クラッチ30には、キャリア部材11の回転を抑制する方向のトルクが伝達トルクとして発生する。そして、キャリア部材11は回転を停止する。このとき、左駆動輪WFLと一体に回転する左出力軸9と、右駆動輪WFRと一体に回転する右出力軸9(即ち、差動装置Dのプラネタリキャリア8)とは、第2サンギヤ18、第2ピニオン14、第1ピニオン13および第1サンギヤ17を介して連結されているため、左駆動輪WFLの回転速度Nは増速される。
さらに、右クラッチ30の摩擦係合力を適宜調節することで伝達トルクを調節することができ、キャリア部材11の回転速度を減速できる。そして、その減速に応じて左駆動輪WFLの回転速度Nを右駆動輪WFRの回転速度Nに対して増速させることができ、右駆動輪WFRから左駆動輪WFLに任意の駆動力を伝達することができる。
また、駆動力配分装置1の左クラッチ30を係合すると、摩擦係合力によってスリーブ21がハウジング20に結合され、左クラッチ30には、スリーブ21の回転を抑制する方向のトルクが伝達トルクとして発生する。そして、スリーブ21は回転を停止する。その結果、スリーブ21に第3サンギヤ19を介して接続された第3ピニオン15が公転および自転し、左出力軸9の回転速度に対してキャリア部材11の回転速度が増速され、右駆動輪WFRの回転速度Nは左駆動輪WFLの回転速度Nに対して増速される。
この場合にも、左クラッチ30の摩擦係合力を適宜調節することで伝達トルクを調節することができ、キャリア部材11の回転速度を増速できる。そして、その増速に応じて右駆動輪WFRの回転速度Nを左駆動輪WFLの回転速度Nに対して増速し、左駆動輪WFLから右駆動輪WFRに任意の駆動力を伝達することができる。
なお、左右の油圧クラッチ30,30が共に係合しないとき、エンジンEの駆動力は、左右の駆動輪WFL,WFRに均等に配分されるように構成される。
また、駆動力配分装置1には、エンジントルクTe、エンジン回転速度Ne、車速V、図示しない操向ハンドルの操舵角θ等に基づいて、左右の駆動輪WFL,WFRにエンジンEの駆動力を配分する配分比を決定し、駆動力配分指示信号DDIsを出力する主制御部Uと、油圧クラッチ30(30,30)の伝達トルクを調節する電子制御ユニット23と、作動油を油圧クラッチ30の図示しない油圧系統に送油する油圧回路24と、左右の駆動輪WFL,WFRの回転速度N,Nをそれぞれ検出して電子制御ユニット23に入力する車輪速センサ51(51,51)が備わる。
電子制御ユニット23は、主制御部Uから入力される駆動力配分指示信号DDIsに基づいて、左右の油圧クラッチ30,30の伝達トルクを算出し、算出した伝達トルクを油圧クラッチ30に発生させるための制御信号Lsを油圧回路24に入力する。また、伝達トルクを発生する左右の油圧クラッチ30,30を択一的に選択するための制御信号Cs,Csを油圧回路24に入力する。
油圧回路24は、電子制御ユニット23から入力される制御信号Lsに基づいて油圧クラッチ30に送油する作動油の油圧を設定する。そして設定した油圧の作動油を、制御信号Cs,Csで択一的に選択される左右の油圧クラッチ30,30の図示しない油圧系統にそれぞれ送油して選択された油圧クラッチ30を係合し、左右の油圧クラッチ30,30にそれぞれ発生する伝達トルクを調節する。
すなわち、電子制御ユニット23は、制御信号Cs,Cs及び制御信号Lsで油圧回路24を制御して、左右の油圧クラッチ30,30に発生する伝達トルクを調節する。
図2、図3に示す油圧回路24は、油圧クラッチ30を駆動する作動油が循環する回路で、図2に示すオイル溜101に溜まる作動油は、加圧源となるオイルポンプ100で加圧されて油路L1を介して汲み上げられ、レギュレータバルブ102で一次調圧された後、図3に示す油温センサ104を備える油路L2を経由して、リニアソレノイドバルブ106に送油されて二次調圧される。リニアソレノイドバルブ106から延びる油路L3は、途中で油路L3aと油路L3bに分岐し、それぞれ、左シフトソレノイドバルブ108、右シフトソレノイドバルブ108に接続され、リニアソレノイドバルブ106で二次調圧された作動油が、左シフトソレノイドバルブ108、右シフトソレノイドバルブ108に送油される。
左シフトソレノイドバルブ108は、油圧センサ50を備える油路L4を介して左クラッチ30に接続される。そして、左シフトソレノイドバルブ108が油路L4を開くと左クラッチ30と油路L4が接続された状態になり、リニアソレノイドバルブ106で二次調圧された作動油が左クラッチ30に送油され、油圧が左クラッチ30に供給される。
また、右シフトソレノイドバルブ108は、油圧センサ50を備える油路L5を介して右クラッチ30に接続される。そして、右シフトソレノイドバルブ108が油路L5を開くと右クラッチ30と油路L5が接続された状態になり、リニアソレノイドバルブ106で二次調圧された作動油が右クラッチ30に送油され、油圧が右クラッチ30に供給される。
このように、油路L4,L5は、それぞれ左クラッチ30、右クラッチ30に油圧を供給する供給路であり、請求項に記載の油圧供給路になる。
図3に示す左シフトソレノイドバルブ108は、排油路L6を介してオイル溜101(図2参照)と接続される。左シフトソレノイドバルブ108は、油路L4を閉じたときに排油路L6を開いて、左クラッチ30と排油路L6を接続するように構成される。そして、左シフトソレノイドバルブ108が油路L4を閉じたとき、左シフトソレノイドバルブ108や左クラッチ30に残留する作動油が排油路L6を経由してオイル溜101に戻る。すなわち、左シフトソレノイドバルブ108や左クラッチ30の油圧が排油路L6を介して排出される。
また、右シフトソレノイドバルブ108は排油路L7を介して、オイル溜101と接続される。右シフトソレノイドバルブ108は、油路L5を閉じたときに排油路L7を開いて、右クラッチ30と排油路L7を接続するように構成される。そして、右シフトソレノイドバルブ108が油路L5を閉じたとき、右シフトソレノイドバルブ108や右クラッチ30に残留する作動油が排油路L7を経由してオイル溜101に戻る。すなわち、右シフトソレノイドバルブ108や右クラッチ30の油圧が排油路L7を介して排出される。
このように、左シフトソレノイドバルブ108、右シフトソレノイドバルブ108は、それぞれ、油路L4,L5と排油路L6,L7を選択的に切り替えて左クラッチ30、右クラッチ30に接続する機能を有することから、請求項に記載のシフト弁になる。
図3に示すリニアソレノイドバルブ106は、電子制御ユニット23と接続されて制御信号Lsが入力され、図2に示すレギュレータバルブ102で一次調圧された作動油を、制御信号Lsに基づいて二次調圧する。
リニアソレノイドバルブ106にはソレノイド106a(図4参照)が備わり、制御信号Lsとして入力される電流でソレノイド106aが駆動し、入力される制御信号Lsの大きさ(電流の大きさ)に応じて作動油を二次調圧する。そして、入力される制御信号Ls(電流)の増加に応じて作動油の油圧を昇圧して出力するように構成される。したがって、リニアソレノイドバルブ106は、請求項に記載の調圧弁になる。
左シフトソレノイドバルブ108は電子制御ユニット23と接続されて制御信号Csが入力され、制御信号Csに対応して油路L4を開閉し、右シフトソレノイドバルブ108は電子制御ユニット23と接続されて制御信号Csが入力され、制御信号Csに対応して油路L5を開閉する。
すなわち、電子制御ユニット23が制御信号Lsを出力すると、リニアソレノイドバルブ106は制御信号Lsに応じて作動油を二次調圧する。そして、電子制御ユニット23は、左シフトソレノイドバルブ108に作動油を送油するときは、制御信号Csを左シフトソレノイドバルブ108に入力して油路L4を開いて左クラッチ30と油路L4を接続し、二次調圧された作動油を左クラッチ30に送油する。すなわち、左クラッチ30に油圧を供給する。
一方、右シフトソレノイドバルブ108に作動油を送油するとき、電子制御ユニット23は、制御信号Csを右シフトソレノイドバルブ108に入力して油路L5を開いて右クラッチ30と油路L5を接続し、二次調圧された作動油を右クラッチ30に送油する。すなわち、右クラッチ30に油圧を供給する。
このように、電子制御ユニット23は、作動油を送油する油圧クラッチ30を択一的に選択する。
油圧センサ50は、左シフトソレノイドバルブ108から左クラッチ30に送油される作動油の油圧を検出し、作動油の油圧Psとして電子制御ユニット23に入力する。同様に、油圧センサ50は、右シフトソレノイドバルブ108から右クラッチ30に送油される作動油の油圧を検出し、作動油の油圧Psとして電子制御ユニット23に入力する。
なお、図2に示すレギュレータバルブ102で一次調圧された作動油の一部は、油路L8(図3参照)を経由して、潤滑油として左右の油圧クラッチ30,30(図3参照)に送油される。
また、図2において、符号112はクーラリリーフバルブ、符号114は潤滑/クーラリリーフバルブ、符号116はドレンフィルタ、符号118はラジエータ内蔵冷水クーラを示す。
次に、電子制御ユニット23(図4参照)の構成について説明する。
図4に示すように、電子制御ユニット23は、制御部であるCPU(Central Processing Unit)23a、リレー駆動回路23b、オペアンプOP、シャント抵抗R1、ソレノイド駆動回路23c、左シフトソレノイドバルブ駆動回路23d、右シフトソレノイドバルブ駆動回路23dを含んで構成され、例えば、イグニッションスイッチ(IG−SW)25が「ON」することで、直流電源26から電力が供給されて起動する。
なお、CPU23aに表記される「FSR」、「PWM」、「AD」、「LSFT」、及び「RSFT」は、CPU23aの端子名の一例であり、これらの名称に限定するものではない。
リレー駆動回路23bにはフェールセーフリレー(FSR)27が接続され、FSR27を制御する制御信号を端子「FSR」から出力する。リレー駆動回路23bは、IG−SW25が「ON」のときにFSR27を「ON」し、例えば、CPU23aの端子「FSR」からLo信号が出力されたときに、FSR27を「OFF」する回路とする。この場合、CPU23aの端子「FSR」は、Hi信号と、Lo信号を出力する端子であればよい。
なお、FSR27を「OFF」するために端子「FSR」から出力される信号の極性は限定されるものではなく、端子「FSR」からHi信号が出力されたときに、FSR27が「OFF」になる構成であってもよい。
また、Hi信号は、例えばCPU23aが5V駆動のときには、駆動電圧の5Vであるハイレベル信号とし、Lo信号は、接地電圧の0Vであるローレベル信号とする構成のものが知られている。
ソレノイド駆動回路23cは、油圧回路24に備わるリニアソレノイドバルブ106を制御する制御信号Lsを生成する回路である。ソレノイド駆動回路23cには直流電源26が接続され、CPU23aの端子「PWM」から出力されるPWM(Pulse Width Modulation)信号に応じて、直流電源26からリニアソレノイドバルブ106のソレノイド106aを駆動する電流を生成し、制御信号Lsとしてソレノイド106aに入力する。
直流電源26とソレノイド駆動回路23cの間にはFSR27が介在し、例えばCPU23aがFSR27を「OFF」すると、直流電源26とソレノイド駆動回路23cが遮断されるように構成される。
すなわち、CPU23aがFSR27を「OFF」すると、リニアソレノイドバルブ106を制御する制御信号Lsが「0」になる。
なお、FSR27及びリレー駆動回路23bが請求項に記載の遮断回路になる。
制御信号Lsが「0」のとき、油圧クラッチ30(図1参照)に送油される作動油の油圧が「0」になるようにリニアソレノイドバルブ106を構成すれば、FSR27を「OFF」することで、左右の油圧クラッチ30,30に供給する油圧を「0」にできる。そして、左右の油圧クラッチ30,30の係合を共に解除することができる。
前記したように、左右の油圧クラッチ30,30の係合が共に解除されるとエンジンE(図1参照)の駆動力は、左右の駆動輪WFL,WFR(図1参照)に均等に配分されることから、CPU23aがFSR27を「OFF」すると、エンジンEの駆動力を左右の駆動輪WFL,WFRに均等に配分できる。そして、左右の駆動輪WFL,WFRの駆動力差がなくなる。
CPU23aに備わる端子「AD」は、入力される電圧をA/D変換して取り込む機能を有し、本実施形態においては、ソレノイド106aを流れる実電流Siを検出するための端子として機能する。
すなわち、ソレノイド106aを流れる実電流Siをシャント抵抗R1で電圧に変換し、さらにその電圧をオペアンプOPで増幅して端子「AD」に入力するように構成する。
例えば、オペアンプOPの増幅率がG、シャント抵抗R1の抵抗値がrのとき、端子「AD」に入力される電圧VADは、次式(1)で示される。
AD=G×r×Si ・・・(1)
したがって、CPU23aは、端子「AD」に入力される電圧に基づいて式(1)を利用し、ソレノイド106aを流れる実電流Siを算出できる。
このように本実施形態においては、シャント抵抗R1とオペアンプOPによって、実電流Siを測定する回路を構成することから、シャント抵抗R1とオペアンプOPが請求項に記載の電流センサになる。
左シフトソレノイドバルブ駆動回路23dは、油圧回路24の左シフトソレノイドバルブ108を制御する制御信号Csを生成する回路である。左シフトソレノイドバルブ駆動回路23dは、例えば、CPU23aの端子「LSFT」からLo信号が出力されたときに、左シフトソレノイドバルブ108が油路L4(図3参照)を開くような制御信号Csを生成し、端子「LSFT」からHi信号が出力されたときに、左シフトソレノイドバルブ108が油路L4を閉じるような制御信号Csを生成する構成とする。CPU23aは、端子「LSFT」からの出力信号で、油路L4の開閉を制御できる。
このような構成の場合、端子「LSFT」は、Hi信号とLo信号を出力する端子であればよい。
なお、CPU23aが端子「LSFT」から出力する信号の極性は限定されるものではなく、端子「LSFT」からHi信号が出力されたときに、左シフトソレノイドバルブ108が油路L4(図3参照)を開くような制御信号Csを、左シフトソレノイドバルブ駆動回路23dが生成する構成であってもよい。
この場合、端子「LSFT」からLo信号が出力されたときに、左シフトソレノイドバルブ駆動回路23dは、左シフトソレノイドバルブ108が油路L4を閉じるような制御信号Csを生成する。
右シフトソレノイドバルブ駆動回路23dは、油圧回路24の右シフトソレノイドバルブ108を制御する制御信号Csを生成する回路である。右シフトソレノイドバルブ駆動回路23dは、例えば、CPU23aの端子「RSFT」からLo信号が出力されたときに、右シフトソレノイドバルブ108が油路L5(図3参照)を開くような制御信号Csを生成し、端子「RSFT」からHi信号が出力されたときに、右シフトソレノイドバルブ108が油路L5を閉じるような制御信号Csを生成する構成とする。CPU23aは、端子「RSFT」からの出力信号で、油路L5の開閉を制御できる。
このような構成の場合、端子「RSFT」は、Hi信号とLo信号を出力する端子であればよい。
なお、CPU23aが端子「RSFT」から出力する信号の極性は限定されるものではなく、端子「RSFT」からHi信号が出力されたときに、右シフトソレノイドバルブ108が油路L5(図3参照)を開くような制御信号Csを、右シフトソレノイドバルブ駆動回路23dが生成する構成であってもよい。
この場合、端子「RSFT」からLo信号が出力されたときに、右シフトソレノイドバルブ駆動回路23dは、右シフトソレノイドバルブ108が油路L5を閉じるような制御信号Csを生成する。
図4に示すように構成される電子制御ユニット23において、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生すると、ソレノイド駆動回路23cには、電流量の大きな短絡電流が発生し、この短絡電流がリニアソレノイドバルブ106のソレノイド106aに制御信号Lsとして入力される。
リニアソレノイドバルブ106は、電流量の大きな短絡電流を制御信号Lsとして動作し、制御信号Lsに基づいて油圧クラッチ30(図3参照)に供給する作動油の油圧を昇圧することから、油圧クラッチ30には意図しない伝達トルクが発生する。その結果、左右の駆動輪WFL,WFR(図1参照)に配分されるエンジンE(図1参照)の駆動力の配分比が、CPU23aが設定する配分比と異なる。そして、左右の駆動輪WFL,WFRには意図しない駆動力差が生じる。
そこで、CPU23aは、ソレノイド駆動回路23cを流れる実電流Siを監視するとともに、実電流Siの大きさに基づいてソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定する。そして、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定したとき、CPU23aは、端子「FSR」からLo信号を出力してFSR27を「OFF」する構成とする。
ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生すると、ソレノイド駆動回路23cには電流量の大きな短絡電流が発生し、リニアソレノイドバルブ106のソレノイド106aを流れる実電流Siが急増する。したがって、CPU23aは、ソレノイド106aを流れる実電流Siが予め設定される所定の境界電流以上になったとき、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定する。
この場合、所定の境界電流は、例えば、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したときに、リニアソレノイドバルブ106のソレノイド106aに流れる短絡電流とすればよい。
図4に示すように、CPU23aの端子「AD」には、シャント抵抗R1とオペアンプOPが接続され、リニアソレノイドバルブ106を流れる実電流Siが変換及び増幅された電圧VADが入力される。そして、CPU23aは、端子「AD」に入力される電圧VADから、前記した式(1)を利用して実電流Siを算出できる。したがって、CPU23aは、実電流Siと短絡電流を比較することができ、ソレノイド106aの過電流状態を判定できる。
なお、短絡電流は、直流電源26、ソレノイド駆動回路23c、リニアソレノイドバルブ106等の特性によって決定される値であり、予め実験測定等で求めることができる。
しかしながら、例えば、CPU23aの端子「AD」に入力される電圧VADがノイズによって変動し、CPU23aが算出する実電流Siが短絡電流以上になる場合がある。そして、ノイズの影響で実電流Siが短絡電流以上になったときに、CPU23aが、ソレノイド106aが過電流状態になったと判定し、さらにソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定すると、それは誤判定になる。このような誤判定を回避するため、ソレノイド106aが過電流状態になってから所定時間経過したときに、CPU23aがソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定するように構成する。そして、CPU23aは、短絡故障の発生を判定した後に、端子「FSR」からLo信号を出力してFSR27を「OFF」する。
図5に示すフローチャートを参照して、ソレノイド駆動回路の短絡故障の発生を判定する手順の比較例を説明する(適宜図1〜図4参照)。
以下、CPUがソレノイド駆動回路の短絡故障の発生を判定する手順を「短絡判定手順」と称する。
短絡判定手順は、例えばCPU23aが実行するプログラムに組み込まれ、所定の間隔(10msecなど)で実行する構成とすればよい。
CPU23aは、端子「AD」に入力される電圧VADから実電流Siを算出するとともに、算出した実電流Siと短絡電流を比較する(ステップS1)。
実電流Siが短絡電流以上のとき(ステップS1→Yes)、CPU23aは、ソレノイド106aが過電流状態であると判定して、カウンタC2に「1」を加算し(ステップS2)、処理をステップS3に進める。
カウンタC2は、ソレノイド106aが過電流状態にあるときの経過時間を計測するカウンタである。
CPU23aは、カウンタC2が所定時間T2より小さいときは(ステップS3→No)、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定せずに短絡判定手順を終了する。また、カウンタC2が所定時間T2以上のとき(ステップS3→Yes)、CPU23aは、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定して短絡確定処理を実行し(ステップS5)、短絡判定手順を終了する。
ステップS3における所定時間T2は、CPU23aがソレノイド駆動回路23cの短絡故障の発生を判定するのに好適な時間である。すなわち、端子「AD」に入力される電圧VADのノイズの影響を回避でき、CPU23aが、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したことを確実に判定できる時間として予め設定しておけばよい。
そして、所定時間T2が請求項に記載の第2の所定時間になる。
また、短絡確定処理は、CPU23aがソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定したときに実行する処理で、FSR27を「OFF」する処理を含んでいる。
ステップS1に戻って、実電流Siが短絡電流より小さいとき(ステップS1→No)、CPU23aはソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定せず、カウンタC2をリセットして(ステップS4)、短絡判定手順を終了する。
CPU23aが、図5に示す手順で、ソレノイド駆動回路23cの短絡故障の発生を判定する場合、CPU23aは、ステップS1で実電流Siが短絡電流以上であること、すなわちソレノイド106aが過電流状態であると判定してから、ステップS3でカウンタC2が所定時間T2以上になってソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定するまでの間、短絡確定処理を実行しない。
したがって、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生した場合であっても、カウンタC2が所定時間T2以上になるまではFSR27が「OFF」されず、ソレノイド駆動回路23cに電流量の大きな短絡電流が流れる。
そして、前記したように、短絡故障が発生しているソレノイド駆動回路23cから、短絡電流が制御信号Lsとしてリニアソレノイドバルブ106に供給され、その結果、左右の駆動輪WFL,WFRには意図しない駆動力差が生じる。
そこで、本実施形態において、CPU23aは、ソレノイド106aが過電流状態になったと判定してから、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定するまでの間、左右の油圧クラッチ30,30の係合を解除し、エンジンEの駆動力を左右の駆動輪WFL,WFRに均等に配分する構成とする。
以下、図6を参照して、本実施形態に係る短絡判定手順を説明する(適宜図1〜図4参照)。
なお、図6において、図5に示すフローチャートと同じ手順には同じ番号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
CPU23aは、端子「AD」に入力される電圧VADから算出する実電流Siが短絡電流以上のとき(ステップS1→Yes)、カウンタC2に「1」を加算し(ステップS2)、さらに、カウンタC1に「1」を加算する(ステップS10)。
そして、CPU23aは、カウンタC1が所定時間T1以上のときは(ステップS11→Yes)、油圧クラッチ係合解除処理を実行する(ステップS12)が、カウンタC1が所定時間T1より小さいときは(ステップS11→No)、短絡判定手順を終了する。
カウンタC1は、CPU23aが、ソレノイド106aが過電流状態になったと判定してからの経過時間を計測するカウンタである。また、所定時間T1は、CPU23aが、ソレノイド106aが過電流状態になったと判定してから、油圧クラッチ係合解除処理を実行するまでの時間であり、適宜設定すればよい。
このように、CPU23aが、ソレノイド106aが過電流状態になったと判定してから油圧クラッチ係合解除処理を実行するまでの所定時間T1を設定することで、例えば、瞬間的に実電流Siが短絡電流以上になるごとに、CPU23aが油圧クラッチ係合解除処理を実行する不具合を回避できる。
なお、所定時間T1は、CPU23aが、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定するための所定時間T2より短い時間であることが好適であり、請求項に記載の第1の所定時間となる。
油圧クラッチ係合解除処理は、CPU23aが左右の油圧クラッチ30,30の係合を解除する処理で、具体的にCPU23aは、端子「LSFT」と端子「RSFT」からHi信号を出力する。左シフトソレノイドバルブ駆動回路23dは、油路L4を閉じる制御信号Csを生成して左シフトソレノイドバルブ108に入力する。左シフトソレノイドバルブ108は、油路L4を閉じるとともに排油路L6を開いて、左クラッチ30を排油路L6に接続する。
同様に、右シフトソレノイドバルブ駆動回路23dは、油路L5を閉じる制御信号Csを生成して右シフトソレノイドバルブ108に入力する。右シフトソレノイドバルブ108は、油路L5を閉じるとともに排油路L7を開いて、右クラッチ30を排油路L7に接続する。
そして、左右の油圧クラッチ30,30は、共に作動油の油圧の供給が遮断されるとともに、油圧が排油路L6,L7を介して排出されて係合を解除する。
前記したように、左右の油圧クラッチ30,30が共に係合しないとき、エンジンEの駆動力は、左右の駆動輪WFL,WFRに均等に配分される。
したがって、CPU23aは、油圧クラッチ係合解除処理を実行することで、エンジンEの駆動力を左右の駆動輪WFL,WFRに均等に配分でき、左右の駆動輪WFL,WFRの駆動力差を解消できる。
CPU23aは、油圧クラッチ係合解除処理を実行した後(ステップS12)、カウンタC2が所定時間T2より小さいときは(ステップS3→No)、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定せずに短絡判定手順を終了する。また、CPU23aは、カウンタC2が所定時間T2以上のとき(ステップS3→Yes)、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判手して短絡確定処理を実行し(ステップS5)、短絡判定手順を終了する。
ステップS1に戻って、実電流Siが短絡電流より小さいとき(ステップS1→No)、CPU23aはソレノイド106aが過電流状態ではないと判定し、カウンタC2をリセットして(ステップS4)、カウンタC1をリセットする(ステップS13)。
さらに、CPU23aは、油圧クラッチ係合解除処理を実行したときは(ステップS14→Yes)、油圧クラッチ30の状態を戻す処理を実行して(ステップS15)、短絡判定手順を終了し、油圧クラッチ係合解除処理を実行していないときは(ステップS14→No)、そのまま短絡判定手順を終了する。
CPU23aは、油圧クラッチ30の状態を元に戻す処理において、油圧クラッチ係合解除処理を実行する前に係合していた油圧クラッチ30がある場合は、係合していた側の油圧クラッチ30に作動油の油圧を供給する。
例えば、CPU23aが油圧クラッチ係合解除処理を実行する前に左クラッチ30が係合していた場合、CPU23aは、端子「LSFT」からLo信号を出力する。左シフトソレノイドバルブ駆動回路23dは、油路L4を開く制御信号Csを生成して左シフトソレノイドバルブ108に入力する。左シフトソレノイドバルブ108は油路L4を開いて左クラッチ30と油路L4を接続し、リニアソレノイドバルブ106で二次調圧されている作動油を左クラッチ30に送油する。すなわち、左クラッチ30に油圧を供給する。
また、油圧クラッチ係合解除処理を実行する前に右クラッチ30が係合していた場合、CPU23aは、端子「RSFT」からLo信号を出力する。右シフトソレノイドバルブ駆動回路23dは、油路L5を開く制御信号Csを生成して右シフトソレノイドバルブ108に入力する。右シフトソレノイドバルブ108は油路L5を開いて、右クラッチ30と油路L5を接続し、リニアソレノイドバルブ106で二次調圧されている作動油を右クラッチ30に送油する。すなわち、右クラッチ30に油圧を供給する。
以上のように、本実施形態に係る短絡判定手順は、図4に示すCPU23aが、ソレノイド106aが過電流状態になったと判定してから、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定するまでの間、左右の油圧クラッチ30,30(図1参照)の係合を解除し、エンジンE(図1参照)の駆動力を左右の駆動輪WFL,WFR(図1参照)に均等に配分する構成とした。
したがって、CPU23aが、ソレノイド106aが過電流状態になったと判定してから、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生したと判定するまでの間、左右の駆動輪WFL,WFRには均等に駆動力が配分されて、左右の駆動輪WFL,WFRの駆動力差が解消し、運転者が感じる違和感を低減または解消できるという優れた効果を奏する。
また、本実施形態においては、CPU23a(図4参照)がソレノイド駆動回路23c(図4参照)に短絡故障が発生したと判定するまで、ソレノイド駆動回路23cは、ソレノイド106aに制御信号Ls(電流)を入力することができ、リニアソレノイドバルブ106(図4参照)は、作動油の油圧を維持することができる。したがって、ソレノイド駆動回路23cに短絡故障が発生していない場合に、CPU23aが、図6のステップS15で油圧クラッチ30(図3参照)の状態を元に戻す処理を実行するとき、油圧クラッチ30に、所定の油圧を速やかに供給することができ、車両を速やかに好適な状態に戻すことができるという優れた効果を奏する。
1 駆動力配分装置
23 電子制御ユニット
23a CPU(制御部)
23b リレー駆動回路(遮断回路)
23c ソレノイド駆動回路
24 油圧回路
26 直流電源
27 FSR(遮断回路)
30(30,30) 油圧クラッチ
100 オイルポンプ(油圧源)
106 リニアソレノイドバルブ(調圧弁)
106a ソレノイド
108 左シフトソレノイドバルブ(シフト弁)
108 右シフトソレノイドバルブ(シフト弁)
E エンジン(駆動源)
L4,L5 油路(油圧供給路)
L6,L7 排油路
OP オペアンプ(電流センサ)
R1 シャント抵抗(電流センサ)
FL,WFR 駆動輪

Claims (2)

  1. 駆動源が出力する駆動力を左右の駆動輪に配分するとともに、制御部の指令に応じて2つの油圧クラッチを択一的に係合させることによって、駆動力の配分比を変更可能な駆動力配分装置であって、
    前記2つの油圧クラッチに供給する油圧を発生する油圧源と、
    前記油圧源から入力される油圧を、ソレノイドに供給される電流の増加に応じて昇圧して出力する調圧弁と、
    前記2つの油圧クラッチのそれぞれに対応して2つ備わり、前記調圧弁が出力する油圧を供給する油圧供給路と前記油圧を排出する排油路を、前記制御部の指令に応じて選択的に切り替えて、それぞれ対応する前記油圧クラッチに接続するシフト弁と、
    前記制御部の指示値に応じた電流を直流電源から生成して前記ソレノイドに供給するソレノイド駆動回路と、
    前記制御部の指令に応じて前記直流電源と前記ソレノイド駆動回路を遮断する遮断回路と、
    前記ソレノイドを流れる実電流を測定する電流センサと、を備え、
    前記制御部は、
    前記ソレノイドを流れる前記実電流が所定の境界電流より大きい過電流状態が第1の所定時間に亘って継続したときには、前記2つの油圧クラッチをそれぞれ前記排油路に接続するように前記2つのシフト弁に指令を与え、
    前記過電流状態が、前記第1の所定時間より長い第2の所定時間に亘って継続したときには、前記直流電源と前記ソレノイド駆動回路を遮断するように前記遮断回路に指令を与えることを特徴とする駆動力配分装置。
  2. 前記所定の境界電流は、前記ソレノイド駆動回路に短絡故障が発生したときに前記ソレノイドを流れる短絡電流であることを特徴とする請求項1に記載の駆動力配分装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012011356A1 (ja) 2010-07-21 2012-01-26 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 高熱伝導性ポリカーボネート系樹脂組成物及び成形体
JP2012067891A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Jtekt Corp 車両用駆動力配分制御装置
JP2015215064A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置

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