JP2010160478A - 投写用ズームレンズおよび投写型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広角かつ高倍率で高解像度の投写用ズームレンズを得る。
【解決手段】拡大側から順に、5つのレンズ群G1〜G5を配列する。第4レンズ群G4は、拡大側から順に、少なくとも一方の面が非球面とされた負レンズL8、正レンズL9、拡大側に凹面を向けた負レンズL10、縮小側に凸面を向けた正レンズL11、および正レンズL12を配列して構成されている。第5レンズ群G5は、1枚のレンズL13から構成され、広角端における全系の焦点距離fwに対する第5レンズ群の焦点距離f5の比が、3から8までの数値範囲内に収まるように構成されている。
【選択図】図2
【解決手段】拡大側から順に、5つのレンズ群G1〜G5を配列する。第4レンズ群G4は、拡大側から順に、少なくとも一方の面が非球面とされた負レンズL8、正レンズL9、拡大側に凹面を向けた負レンズL10、縮小側に凸面を向けた正レンズL11、および正レンズL12を配列して構成されている。第5レンズ群G5は、1枚のレンズL13から構成され、広角端における全系の焦点距離fwに対する第5レンズ群の焦点距離f5の比が、3から8までの数値範囲内に収まるように構成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、5群構成の投写用ズームレンズおよびその投写用ズームレンズを搭載した投写型表示装置に関し、詳しくは、透過型あるいは反射型の液晶表示装置やDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)表示装置等のライトバルブからの映像情報を担持した光束を、特にフロント側からスクリーン上に拡大投写する場合に好適な投写用ズームレンズおよび投写型表示装置に関する。
液晶表示装置やDMD表示装置等のライトバルブを用いて、コンピュータやテレビ等の画像情報を拡大表示する投写型表示装置の発展は、近年、目覚しいものがある。
このような投写型表示装置に搭載されるレンズとしては、画像の大きさを変えることができるズームレンズが一般的に用いられているが、最近では、その変化の割合が大きいもの、すなわちズーム比の大きいズームレンズが求められている。
また、投写時に画像位置を投写型表示装置に対し大きくずらすことができる機能(いわゆるレンズシフト投写機能)や、投写型表示装置に近い位置に大きな画像を投写し得る機能も要求されるようになっているが、そのためには投写用ズームレンズの広画角化が必要となる。
さらに、近年のライトバルブ自体の高精細化や、狭い室内空間で使用するユーザの要求や利便性を考慮して、高解像度でコンパクトな投写用ズームレンズが求められるようになっている。
従来、5群構成の投写用ズームレンズとしては、例えば下記特許文献1、2に記載されたものが知られている。
上記特許文献1、2に記載の投写用ズームレンズは、拡大側から順に、負の第1レンズ群、正の第2レンズ群、正の第3レンズ群、第4レンズ群、および正の第5レンズ群が配列され、変倍の際に、第1レンズ群および第5レンズ群は固定で、第2レンズ群から第4レンズ群が移動するように構成されている。
これら従来の投写用ズームレンズは、第4レンズ群が、負、正、負、正、正の各レンズを拡大側からこの順に配列した構成となっていることにより、変倍に伴う諸収差の変動が比較的少なく、また、第5レンズ群が1枚のレンズからなることにより、比較的コンパクトな構成となっている。
しかしながら、これら従来の投写用ズームレンズは、ズーム比が1.2〜1.3倍、広角端での全画角が60度程度に留まっており、最近の要望に応え得るものとなっていない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、広角端での全画角が65度以上と広角で、かつズーム比が略1.5倍以上の高倍率でありながらも、諸収差を良好に補正し得る小型の投写用ズームレンズおよびこれを用いた投写型表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る投写用ズームレンズは、拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、第4レンズ群、および正の屈折力を有する第5レンズ群を配列してなり、
変倍の際に、前記第1レンズ群および前記第5レンズ群は固定で、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群は光軸に沿って移動するように構成され、
前記第4レンズ群は、拡大側から順に、少なくとも一方の面が非球面とされた負レンズ、正レンズ、拡大側に凹面を向けた負レンズ、縮小側に凸面を向けた正レンズ、および正レンズを配列してなり、
前記第5レンズ群は、1枚のレンズからなり、以下の条件式(1)を満たすことを特徴とするものである。
3<f5/fw<8 ・・・・・(1)
ここで、
f5:前記第5レンズ群の焦点距離
fw:広角端における全系の焦点距離
変倍の際に、前記第1レンズ群および前記第5レンズ群は固定で、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群は光軸に沿って移動するように構成され、
前記第4レンズ群は、拡大側から順に、少なくとも一方の面が非球面とされた負レンズ、正レンズ、拡大側に凹面を向けた負レンズ、縮小側に凸面を向けた正レンズ、および正レンズを配列してなり、
前記第5レンズ群は、1枚のレンズからなり、以下の条件式(1)を満たすことを特徴とするものである。
3<f5/fw<8 ・・・・・(1)
ここで、
f5:前記第5レンズ群の焦点距離
fw:広角端における全系の焦点距離
本発明に係る投写用ズームレンズにおいて、前記第4レンズ群の前記拡大側に凹面を向けた負レンズおよび前記縮小側に凸面を向けた正レンズは、互いに接合されて接合レンズを構成してなることが好ましい。
また、前記第1レンズ群は、少なくとも1面の非球面を有してなることが好ましい。
さらに、以下の条件式(2)、(3)を満たすことが好ましい。
2ω≧65(度) ・・・・・(2)
ft/fw≧1.48 ・・・・・(3)
ここで、
2ω:広角端における全画角
ft:望遠端における全系の焦点距離
2ω≧65(度) ・・・・・(2)
ft/fw≧1.48 ・・・・・(3)
ここで、
2ω:広角端における全画角
ft:望遠端における全系の焦点距離
また、以下の条件式(4)を満たすことが好ましい。
Bf/fw>1.5 ・・・・・(4)
ここで、
Bf:全系縮小側における空気換算バックフォーカス
Bf/fw>1.5 ・・・・・(4)
ここで、
Bf:全系縮小側における空気換算バックフォーカス
また、以下の条件式(5)を満たすことが好ましい。
1.0<ΔdG3/fw ・・・・・(5)
ここで、
ΔdG3:広角端から望遠端までの変倍時における前記第3レンズ群の移動距離
1.0<ΔdG3/fw ・・・・・(5)
ここで、
ΔdG3:広角端から望遠端までの変倍時における前記第3レンズ群の移動距離
また、本発明の投写型表示装置は、光源と、ライトバルブと、該光源からの光束を該ライトバルブへ導く照明光学部と、上述したいずれかの投写用ズームレンズとを備え、前記光源からの光束を前記ライトバルブで光変調し、前記投写用ズームレンズによりスクリーンに投写することを特徴とするものである。
本発明の投写用ズームレンズは、第4レンズ群の構成を、拡大側から順に配列された、少なくとも一方の面が非球面とされた負レンズ、正レンズ、拡大側に凹面を向けた負レンズ、縮小側に凸面を向けた正レンズ、正レンズからなる構成としたことにより、変倍に伴う諸収差の変動を抑えることが可能となり、特に、光学系の瞳に近い、第4レンズ群の最も拡大側に配される負レンズに非球面を設けることにより、投写用ズームレンズの高倍率化、広角化を図る際に問題となる像面湾曲(特にサジタル像面の湾曲)を効果的に補正することができ、かつ全ズーム域に亘って良好な収差補正効果を得ることが可能となる。
さらに、第5レンズ群のパワーの割合を、上記条件式(1)を満たすように設定することにより、非点収差を良好に補正することが可能となるとともに、第4レンズ群のレンズ外径の大きさを抑えることができるので、レンズ全系をコンパクトに構成することが可能となる。
したがって、本発明の投写用ズームレンズおよびこれを用いた投写型表示装置によれば、広角端での全画角を65度以上、ズーム比を略1.5倍以上としつつも、全ズーム域に亘って諸収差を良好に補正することが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1および図2に示す実施形態(実施例1のものを代表させて示している)の投写用ズームレンズは、拡大側(スクリーン側)から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、および正の屈折力を有する第5レンズ群G5を配列してなり、その後段には、色合成プリズムを主とするガラスブロック(フィルタ部を含む)2および液晶表示パネル等ライトバルブの画像表示面1が配設されている。
本実施形態の投写用ズームレンズは、レトロフォーカス型のレンズ構成となるので、焦点距離に対して適正な長さのバックフォーカスを確保でき、縮小側(ライトバルブ側)を略テレセントリックとすることができる。
また、本実施形態の投写用ズームレンズは、変倍の際に、第1レンズ群G1および第5レンズ群G5は固定で、第2レンズ群G2、第3レンズG3群および第4レンズ群G4は互いに独立して光軸Zに沿って移動するように構成されている。なお、これら3つのレンズ群G2〜G4のうち例えば2つのレンズ群を一体的に移動させることにより、ズーム機能を有する構成としてもよい。
このように移動群を、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4の3つのレンズ群とすることにより、少ないレンズ枚数でも収差補正を良好なものとすることができる。
また、広角端から望遠端への変倍に際し、移動レンズ群を、いずれも拡大側に移動するように構成することにより、変倍比を大きく設定することが可能となる。
ただし、これは、上記移動レンズ群の各々について、広角端での位置よりも望遠端での位置の方が、より拡大側に設定されていることを意味しているのであって、中間領域において一旦縮小側に移動することを排除するものではない。
また、開口絞りは図示されていないが、適切な位置に設けることも可能であり(マスクとすることも可)、ズーミング時において、第4レンズ群G4と一体的に開口絞りが移動するように構成することも可能である。
なお、フォーカス調整は、第1レンズ群G1を光軸Z方向に移動させることにより行われることが好ましい。
また、本実施形態の投写用ズームレンズは、第4レンズ群G4が、拡大側から順に、少なくとも一方の面が非球面(本実施形態では両面が非球面)とされた負レンズ(第8レンズL8)、正レンズ(第9レンズL9)、拡大側に凹面を向けた負レンズ(第10レンズL10)、縮小側に凸面を向けた正レンズ(第11レンズL11)、および正レンズ(第12レンズL12)を配列して構成されている。
第4レンズ群G4をこのように構成したことにより、変倍に伴う諸収差の変動を抑えることが可能となり、特に、光学系の瞳位置(図1において主光線が光軸Zと交わる位置)に近い負レンズ(第8レンズL8)に非球面を設けることにより、投写用ズームレンズの高倍率化、広角化を図る際に問題となる像面湾曲(特にサジタル像面の湾曲)を効果的に補正することができ、かつ全ズーム域に亘って良好な収差補正効果を得ることが可能となる。
さらに、本実施形態の投写用ズームレンズは、第5レンズ群G5が、1枚のレンズ(第13レンズL13)からなり、上記条件式(1)(以下に再掲)を満たすように構成されている。
3<f5/fw<8 ・・・・・(1)
ここで、
f5:第5レンズ群G5の焦点距離
fw:広角端における全系の焦点距離
3<f5/fw<8 ・・・・・(1)
ここで、
f5:第5レンズ群G5の焦点距離
fw:広角端における全系の焦点距離
第5レンズ群G5を1枚のレンズで構成したことにより、第5レンズ群G5をコンパクトに構成することができるので、レンズ系全体のコンパクト化を図ることが可能となる。また、上記条件式(1)を満足することにより、非点収差を良好に補正することが可能となるとともに、第4レンズ群G4のレンズ外径の大きさを抑えることができるので、レンズ全系をコンパクトに構成することが可能となる。
なお、上記条件式(1)は、第5レンズ群G5のパワーと広角端における全系のパワーとの比を規定するものであり、その下限値を下回ると、第4レンズ群G4のレンズ径を小さくすることができて、レンズ系全体をコンパクト化するのには有利とはなるものの、第5レンズ群G5で発生する収差が大きくなり高倍率化が難しくなる。特に、非点収差の補正が困難となり、全てのズーム域において良好な収差補正を行うことが困難となる。一方、上限値を上回ると、第4レンズ群G4のレンズ外径が大きくなり、レンズ系全体をコンパクト化することが困難となる。
また、上記条件式(1)に替えて下記条件式(1´)を満たすように構成すると、より好ましい態様となる。
4<f5/fw<6 ・・・・・(1´)
4<f5/fw<6 ・・・・・(1´)
また、本実施形態の投写用ズームレンズは、第4レンズ群G4において、拡大側から3番目に配された負レンズ(第10レンズL10)と、拡大側から4番目に配された正レンズ(第11レンズL11)とは、互いに接合されて接合レンズを構成することが好ましく、これにより、倍率色収差を良好に補正することが可能となる。
さらに、本実施形態の投写用ズームレンズは、第1レンズ群G1を、少なくとも1面の非球面を有するように構成するのが好ましく(例えば、第1レンズ群G1において、拡大側から2番目に配されたレンズ(第2レンズL2)の両面を共に非球面とする)、これにより、歪曲収差を効率良く補正することができるとともに、レンズ枚数を抑えることが可能となる。
また、本実施形態に係る投写用ズームレンズは、下記条件式(2)〜(5)を満足することが好ましい。
2ω≧65(度) ・・・・・(2)
ft/fw≧1.48 ・・・・・(3)
Bf/fw>1.5 ・・・・・(4)
1.0<ΔdG3/fw ・・・・・(5)
ここで、
2ω:広角端における全画角
ft:望遠端における全系の焦点距離
Bf:全系縮小側における空気換算バックフォーカス
ΔdG3:広角端から望遠端までの変倍時における第3レンズ群G3の移動距離
2ω≧65(度) ・・・・・(2)
ft/fw≧1.48 ・・・・・(3)
Bf/fw>1.5 ・・・・・(4)
1.0<ΔdG3/fw ・・・・・(5)
ここで、
2ω:広角端における全画角
ft:望遠端における全系の焦点距離
Bf:全系縮小側における空気換算バックフォーカス
ΔdG3:広角端から望遠端までの変倍時における第3レンズ群G3の移動距離
条件式(2)は、広角端における全画角を65度以上と規定したものであり、その下限値を下回ると広画角化の要望に応えることができなくなる。
また、条件式(3)は、ズーム比を1.48倍以上と規定したものであり(好ましくは、1.5倍以上とする)、その下限値を下回ると高倍率化の要望に応えることができなくなる。
また、条件式(4)は、広角端における全系の焦点距離fwに対する全系縮小側における空気換算バックフォーカスBfの比が1.5より大きいことを規定するものであり、その下限値を下回ると、十分なバックフォーカスを確保することが困難となる。
また、条件式(5)は、広角端における全系の焦点距離fwに対する、広角端から望遠端までの変倍時における第3レンズ群G3の移動距離の比が1.0より大きいことを規定するものであり、その下限値を下回ると、高倍率化を図ることが困難となる。
なお、上記条件式(5)に替えて下記条件式(5´)を満たすように構成すると、より好ましい態様となる。すなわち、その下限値を上回ることで高倍率化が可能となり、かつその上限値を下回ることで同時にレンズ系全体のコンパクト化を図ることが可能となる。
1.5<ΔdG3/fw<2.2 ・・・・・(5´)
1.5<ΔdG3/fw<2.2 ・・・・・(5´)
ここで、本実施形態の投写用ズームレンズにおける非球面(第4レンズ群G4の最も拡大側の負レンズL8の両面および第1レンズ群G1の拡大側から2番目のレンズL2の両面)の形状は、下記非球面式により表わされる(下記実施例1〜4における各非球面形状についても同様)。
次に、上述した投写用ズームレンズを搭載した投写型表示装置の一例を図10により説明する。図10に示す投写型表示装置は、ライトバルブとして透過型液晶パネル11a〜cを備え、投写用ズームレンズ10として上述した実施形態に係る投写用ズームレンズを用いている。また、図示せぬ光源とダイクロイックミラー12の間には、フライアイ等のインテグレータ(図示を省略)が配されており、光源からの白色光は照明光学部を介して、3つの色光光束(G光、B光、R光)にそれぞれ対応する液晶パネル11a〜cに入射されて光変調され、クロスダイクロイックプリズム14により、色合成され投写用ズームレンズ10により図示されないスクリーン上に投影される。この装置は、色分解のためのダイクロイックミラー12、13、色合成のためのクロスダイクロイックプリズム14、コンデンサレンズ16a〜c、全反射ミラー18a〜cを備えている。
本実施形態の投写型表示装置は、本実施形態に係る投写用ズームレンズを用いているので、広角でズーム比が大きく、かつ投写画像の画質が良好で小型な投写型表示装置とすることができる。
なお、本発明の投写用ズームレンズは透過型の液晶表示パネルを用いた投写型表示装置の投写用ズームレンズとしての使用態様に限られるものではなく、反射型の液晶表示パネルあるいはDMD等の他の光変調手段を用いた装置の投写用ズームレンズ等として用いることも可能である。
以下、具体的な実施例を用いて、本発明の投写用ズームレンズをさらに説明する。
<実施例1>
実施例1に係る投写用ズームレンズの概略構成を図1および図2に示す。この実施例1に係る投写用ズームレンズは、前述したように、拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、他のレンズ群に比較して屈折力の小さい(本実施例では弱い正の屈折力を有する)第4レンズ群G4、および正の屈折力を有する第5レンズ群G5を配列してなり、その後段には、色合成プリズムを主とするガラスブロック(フィルタ部を含む)2および液晶表示パネル等ライトバルブの画像表示面1が配設されている。
実施例1に係る投写用ズームレンズの概略構成を図1および図2に示す。この実施例1に係る投写用ズームレンズは、前述したように、拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、他のレンズ群に比較して屈折力の小さい(本実施例では弱い正の屈折力を有する)第4レンズ群G4、および正の屈折力を有する第5レンズ群G5を配列してなり、その後段には、色合成プリズムを主とするガラスブロック(フィルタ部を含む)2および液晶表示パネル等ライトバルブの画像表示面1が配設されている。
第1レンズ群G1は、拡大側に凸面を向けた負のメニスカスレンズよりなる第1レンズL1と、両面が共に非球面形状とされた第2レンズL2と、両凹レンズよりなる第3レンズL3との3枚のレンズからなり、第2レンズ群G2は、両凸レンズよりなる第4レンズL4と、両凸レンズよりなる第5レンズL5と、縮小側に凸面を向けた負のメニスカスレンズよりなる第6レンズL6とからなり、第5レンズL5および第6レンズL6は互いに接合されて接合レンズとして構成されている。また、第3レンズ群G3は、両凸レンズよりなる第7レンズL7のみからなる。
第4レンズ群G4は、拡大側から順に配列された、両面が共に非球面とされた負の第8レンズL8と、縮小側に凸面を向けた正のメニスカスレンズよりなる第9レンズL9と、両凹レンズよりなる第10レンズL10と、両凸レンズよりなる第11レンズL11と、両凸レンズよりなる第12レンズL12とからなり、第10レンズL10および第11レンズL11は互いに接合されて接合レンズとして構成されている。また、第5レンズ群G5は、両凸レンズよりなる第13レンズL13のみからなる。
この実施例1に係る投写用ズームレンズは、変倍の際に、第1レンズ群G1および第5レンズ群G5は固定で、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3および第4レンズ群G4が、光軸Z上を互いに独立して拡大側に移動するように構成されている(実施例2〜4において同じ)。
また、フォーカス調整は、第1レンズ群G1を光軸Z方向に移動させることにより行われる(実施例2〜4において同じ)。
この実施例1における各レンズ面の曲率半径R(レンズ全系の広角端での焦点距離を1.00として規格化されている;以下の表3、5、7において同じ)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D(上記曲率半径Rと同様に規格化されている;以下の表3、5、7において同じ)、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表1の中段に示す。なお、この表1および後述する表3、5、7において、各記号R、D、Nd、νdに対応させた数字は拡大側から順次増加するようになっている。また、表1の上段には、実施例1における全系の焦点距離f、FナンバFno.、全画角2ω(度)の各値が示されている。
また、表1の下段には、ズーム比1.00、1.37、1.59の各場合における、可変1(第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔)、可変2(第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔)、可変3(第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔)および可変4(第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔)が示されている(以下の表3、5、7において同じ)。さらに、各非球面に対応する各定数K、A3〜A14の値を表2に示す。
また、実施例1における上記各条件式(1)、(1´)、(2)〜(5)、(5´)に対応する数値を表9に示す。
図6は実施例1の投写用ズームレンズの広角端(WIDE)、中間(MIDDLE)および望遠端(TELE)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。なお、図6および以下の図7〜9において、各球面収差図にはd線、F線、C線の光に対する収差が示されており、各非点収差図にはサジタル像面およびタンジェンシャル像面についての収差が示されており、各倍率色収差図にはd線の光に対するF線およびC線の光についての収差が示されている。
この図6から明らかなように、実施例1の投写用ズームレンズによれば、広角端でのF値が1.65と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表9に示すように実施例1の投写用ズームレンズによれば、条件式(1)、(1´)、(2)〜(5)、(5´)が満足されており、広角端での全画角2ωが70.6度でズーム比が1.59と、広画角化および高倍率化を達成している。
<実施例2>
実施例2に係る投写用ズームレンズの概略構成を図3に示す。この実施例2に係る投写用ズームレンズは、拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、他のレンズ群に比較して屈折力の小さい(本実施例では弱い正の屈折力を有する)第4レンズ群G4、および正の屈折力を有する第5レンズ群G5を配列してなり、その後段には、色合成プリズムを主とするガラスブロック(フィルタ部を含む)2および液晶表示パネル等ライトバルブの画像表示面1が配設されている。
実施例2に係る投写用ズームレンズの概略構成を図3に示す。この実施例2に係る投写用ズームレンズは、拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、他のレンズ群に比較して屈折力の小さい(本実施例では弱い正の屈折力を有する)第4レンズ群G4、および正の屈折力を有する第5レンズ群G5を配列してなり、その後段には、色合成プリズムを主とするガラスブロック(フィルタ部を含む)2および液晶表示パネル等ライトバルブの画像表示面1が配設されている。
第1レンズ群G1は、拡大側に凸面を向けた負のメニスカスレンズよりなる第1レンズL1と、両面が共に非球面形状とされた第2レンズL2と、拡大側に凸面を向けた負のメニスカスレンズよりなる第3レンズL3と、両凹レンズよりなる第4レンズL4との4枚のレンズからなり、第2レンズ群G2は、両凸レンズよりなる第5レンズL5と、両凸レンズよりなる第6レンズL6と、縮小側に凸面を向けた負のメニスカスレンズよりなる第7レンズL7とからなり、第6レンズL6および第7レンズL7は互いに接合されて接合レンズとして構成されている。また、第3レンズ群G3は、両凸レンズよりなる第8レンズL8のみからなる。
第4レンズ群G4は、拡大側から順に配列された、両面が共に非球面とされた負の第9レンズL9と、縮小側に凸面を向けた正のメニスカスレンズよりなる第10レンズL10と、両凹レンズよりなる第11レンズL11と、両凸レンズよりなる第12レンズL12と、両凸レンズよりなる第13レンズL13とからなり、第11レンズL11および第12レンズL12は互いに接合されて接合レンズとして構成されている。また、第5レンズ群G5は、両凸レンズよりなる第14レンズL14のみからなる。
この実施例2における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表3の中段に示す。また、表3の上段には、実施例2における全系の焦点距離f、FナンバFno.、全画角2ω(度)の各値が示されている。さらに、各非球面に対応する各定数K、A3〜A14の値を表4に示す。
また、実施例2における上記各条件式(1)、(1´)、(2)〜(5)、(5´)に対応する数値を表9に示す。
図7は実施例2の投写用ズームレンズの広角端(WIDE)、中間(MIDDLE)および望遠端(TELE)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図7から明らかなように、実施例2の投写用ズームレンズによれば、広角端でのF値が1.62と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表9に示すように実施例2の投写用ズームレンズによれば、条件式(1)、(1´)、(2)〜(5)、(5´)が満足されおり、広角端での全画角2ωが70.6度でズーム比が1.59と、広画角化および高倍率化を達成している。
<実施例3>
実施例3に係る投写用ズームレンズの概略構成を図4に示す。この実施例3に係る投写用ズームレンズは、実施例1のものと略同様の構成とされている。
実施例3に係る投写用ズームレンズの概略構成を図4に示す。この実施例3に係る投写用ズームレンズは、実施例1のものと略同様の構成とされている。
この実施例3における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表5の中段に示す。また、表5の上段には、実施例3における全系の焦点距離f、FナンバFno.、全画角2ω(度)の各値が示されている。さらに、各非球面に対応する各定数K、A3〜A14の値を表6に示す。
また、表9に実施例3における上記各条件式(1)、(1´)、(2)〜(5)、(5´)に対応する数値を示す。
図8は実施例3の投写用ズームレンズの広角端(WIDE)、中間(MIDDLE)および望遠端(TELE)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図8から明らかなように、実施例3の投写用ズームレンズによれば、広角端でのF値が1.65と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表9に示すように実施例3の投写用ズームレンズによれば、条件式(1)、(1´)、(2)〜(5)、(5´)が満足されおり、広角端での全画角2ωが66.2度でズーム比が1.60と、広画角化および高倍率化を達成している。
<実施例4>
実施例4に係る投写用ズームレンズの概略構成を図5に示す。この実施例4に係る投写用ズームレンズは、実施例2のものと略同様の構成とされている。
実施例4に係る投写用ズームレンズの概略構成を図5に示す。この実施例4に係る投写用ズームレンズは、実施例2のものと略同様の構成とされている。
この実施例4における各レンズ面の曲率半径R、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔D、各レンズのd線における屈折率Ndおよびアッベ数νdを表7の中段に示す。また、表7の上段には、実施例4における全系の焦点距離f、FナンバFno.、全画角2ω(度)の各値が示されている。さらに、各非球面に対応する各定数K、A3〜A14の値を表8に示す。
また、実施例4における上記各条件式(1)、(1´)、(2)〜(5)、(5´)に対応する数値を表9に示す。
図9は実施例4の投写用ズームレンズの広角端(WIDE)、中間(MIDDLE)および望遠端(TELE)における諸収差(球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差)を示す収差図である。
この図9から明らかなように、実施例4の投写用ズームレンズによれば、広角端でのF値が1.62と明るく、各収差が良好に補正されている。
また、表9に示すように実施例4の投写用ズームレンズによれば、条件式(1)、(1´)、(2)〜(5)、(5´)が満足されおり、広角端での全画角が75.4度でズーム比が1.50と、広画角化および高倍率化を達成している。
G1〜G5 レンズ群
L1〜L14 レンズ
R1〜R28 レンズ面等の曲率半径
D1〜D27 レンズ面間隔(レンズ厚)
Z 光軸
1 画像表示面
2 ガラスブロック(フィルタ部を含む)
10 投写用ズームレンズ
11a〜c 透過型液晶パネル
12、13 ダイクロイックミラー
14 クロスダイクロイックプリズム
16a〜c コンデンサレンズ
18a〜c 全反射ミラー
L1〜L14 レンズ
R1〜R28 レンズ面等の曲率半径
D1〜D27 レンズ面間隔(レンズ厚)
Z 光軸
1 画像表示面
2 ガラスブロック(フィルタ部を含む)
10 投写用ズームレンズ
11a〜c 透過型液晶パネル
12、13 ダイクロイックミラー
14 クロスダイクロイックプリズム
16a〜c コンデンサレンズ
18a〜c 全反射ミラー
Claims (7)
- 拡大側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、第4レンズ群、および正の屈折力を有する第5レンズ群を配列してなり、
変倍の際に、前記第1レンズ群および前記第5レンズ群は固定で、前記第2レンズ群、前記第3レンズ群および前記第4レンズ群は光軸に沿って移動するように構成され、
前記第4レンズ群は、拡大側から順に、少なくとも一方の面が非球面とされた負レンズ、正レンズ、拡大側に凹面を向けた負レンズ、縮小側に凸面を向けた正レンズ、および正レンズを配列してなり、
前記第5レンズ群は、1枚のレンズからなり、以下の条件式(1)を満たすことを特徴とする投写用ズームレンズ。
3<f5/fw<8 ・・・・・(1)
ここで、
f5:前記第5レンズ群の焦点距離
fw:広角端における全系の焦点距離 - 前記第4レンズ群の前記拡大側に凹面を向けた負レンズおよび前記縮小側に凸面を向けた正レンズは、互いに接合されて接合レンズを構成してなることを特徴とする請求項1記載の投写用ズームレンズ。
- 前記第1レンズ群は、少なくとも1面の非球面を有してなることを特徴とする請求項1または2記載の投写用ズームレンズ。
- 以下の条件式(2)、(3)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の投写用ズームレンズ。
2ω≧65(度) ・・・・・(2)
ft/fw≧1.48 ・・・・・(3)
ここで、
2ω:広角端における全画角
ft:望遠端における全系の焦点距離 - 以下の条件式(4)を満たすことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の投写用ズームレンズ。
Bf/fw>1.5 ・・・・・(4)
ここで、
Bf:全系縮小側における空気換算バックフォーカス - 以下の条件式(5)を満たすことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の投写用ズームレンズ。
1.0<ΔdG3/fw ・・・・・(5)
ここで、
ΔdG3:広角端から望遠端までの変倍時における前記第3レンズ群の移動距離 - 光源と、ライトバルブと、該光源からの光束を該ライトバルブへ導く照明光学部と、請求項1〜6のうちいずれか1項記載の投写用ズームレンズとを備え、前記光源からの光束を前記ライトバルブで光変調し、前記投写用ズームレンズによりスクリーンに投写することを特徴とする投写型表示装置。
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