JP2010156487A - 冷凍装置 - Google Patents

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隆造 外島
Yoshitaka Shibamoto
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Abstract

【課題】複数の圧縮機構が1本の駆動軸で機械的に連結された圧縮機が設けられて二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置において、運転条件の変化に拘わらず高いCOPを得られるようにする。
【解決手段】
空気調和装置(1)に、1本の駆動軸(35)で機械的に連結された3つのロータリ型の圧縮機構部(31,32,33)を有する圧縮機(11)が接続された冷媒回路(10)を設け、二段圧縮冷凍サイクルを行うようにする。ロータリ型の圧縮機構部(31,32,33)を1シリンダ室型の圧縮機構部と2シリンダ室型の圧縮機構部とから構成する。空気調和装置(1)には、圧縮機(11)の低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との吸入容積の比率である吸入容積比を変更する吸入容積比変更手段(2)を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、二段圧縮冷凍サイクルの冷凍装置に関し、特に、複数の圧縮機構が1本の駆動軸で機械的に連結された圧縮機の容積比を調整する技術に関するものである。
従来より、二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置が知られている。この冷凍装置では、例えば、2つの圧縮機構が1本の駆動軸に機械的に連結された圧縮機構が用いられている(例えば特許文献1参照)。この冷凍装置の圧縮機では、一方の圧縮機構が低段側圧縮機構となり、他方の圧縮機構が高段側圧縮機構となる。
特開2000−87892号公報
ここで、例えば二酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクルでは、放熱損失が大きく、高いCOPを得にくい問題がある。そこで、上記のように多段圧縮することでCOPを高めることが可能である。その際、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構の容積比により中間圧が変化するが、中間圧が変化するとCOPが変化するため、中間圧を最適に制御することが望ましい。
低段側圧縮機と高段側圧縮機の2台の圧縮機がある場合には、それぞれの圧縮機の回転数を変化させることにより、冷媒の取り込み量比(容積比)を変えてCOPを制御することができる。しかし、特許文献1に記載されているような1本の駆動軸に2つの圧縮機構が連結された圧縮機では、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構の回転速度が等しいため、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構の吸入容積の比率が一定となり、中間圧を制御することができなくなってしまう。このことは、冷媒が二酸化炭素である場合に限らず、他の冷媒を用いる場合でも同様である。
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、二段圧縮の冷凍サイクルを行う冷凍装置において、複数の圧縮機構が1本の駆動軸で機械的に連結された圧縮機の容積比を調整できるようにし、ひいては最適COPの運転を可能にすることである。
第1の発明は、複数のロータリ型の圧縮機構部(31,32,33)が1本の駆動軸(35)で機械的に連結された圧縮機(11)を有する冷媒回路(10)を備えて二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置を前提としている。
そして、この冷凍装置は、上記圧縮機(11)が上記圧縮機構部(31,32,33)を3つ備え、少なくとも1つの圧縮機構部は、シリンダ空間の中で偏心回転運動をする環状の偏心ピストン(62,82)の内周側と外周側に2つのシリンダ室を有する2シリンダ室型の圧縮機構部(31,33)により構成され、他の圧縮機構部は、シリンダ空間の中で偏心回転運動をする偏心ピストン(72)の外周側に1つのシリンダ室を有する1シリンダ室型の圧縮機構部により構成されている。また、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との吸入容積の比率である吸入容積比を変更する吸入容積比変更手段(2)を備えている。
第1の発明では、圧縮機(11)は3つの圧縮機構部(31,32,33)を備えている。そのため、該圧縮機(11)では、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの少なくとも1つが低段側圧縮機構として用いられ、残りの少なくとも1つが高段側圧縮機構として用いられて冷媒が二段圧縮される。また、本冷凍装置は、吸入容積比変更手段(2)を備えている。そのため、本冷凍装置では、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比を変更することができる。
第2の発明は、第1の発明において、2シリンダ室型の圧縮機構部が2つのシリンダ室を有する1つの圧縮機構部として構成され、2つの2シリンダ室型圧縮機構部と1つの1シリンダ室型圧縮機構部が設けられている。
第3の発明は、第1の発明において、2シリンダ室型の圧縮機構部が、2つのシリンダ室が互いに独立する2つの圧縮機構部として構成され、1つの2シリンダ室型圧縮機構部と1つの1シリンダ室型圧縮機構部が設けられている。
第2,第3の発明では、2シリンダ室型の圧縮機構部と1シリンダ室型の圧縮機構の組み合わせを変えた場合でも、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比を変更することができる。
第4の発明は、第1から第3の発明の何れか1つにおいて、上記吸入容積比変更手段(2)は、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)の接続関係を変更することにより、上記吸入容積比を変更する。
第4の発明では、圧縮機構部を3つ備えおり、該3つの圧縮機構部(31,32,33)の接続関係を変更することによって、吸入容積比を変更することができる。
第5の発明は、第4の発明において、上記吸入容積比変更手段(2)は、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの低段側圧縮機構として用いられる2つの圧縮機構部(31,32)が直列に接続される状態と並列に接続される状態とに切り換える切換機構(18,19)を有している。
第5の発明では、吸入容積比変更手段(2)の切換機構(18,19)によって、低段側圧縮機構として用いられる2つの圧縮機構部(31,32)が直列に接続される状態と並列に接続される状態との間において切り換えられることにより、吸入容積比が変更される。
具体的には、2つの圧縮機構部(31,32)が並列に接続される場合、低段側圧縮機構の吸入容積は2つの圧縮機構部(31,32)の吸入容積の和となる。一方、2つの圧縮機構部(31,32)が直列に接続される場合、低段側圧縮機構の吸入容積は2つの圧縮機構部(31,32)のうちの上流側の圧縮機構部(31)の吸入容積となる。そのため、2つの圧縮機構部(31,32)が低段側圧縮機構として用いられて接続関係が並列から直列に変更される場合には吸入容積比が大きくなる一方、直列から並列に変更される場合には吸入容積比が小さくなる。
第6の発明は、第4の発明において、上記吸入容積比変更手段(2)は、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの高段側圧縮機構として用いられる2つの圧縮機構部(32,33)が直列に接続される状態と並列に接続される状態とに切り換える切換機構(90,91)を有している。
第6の発明では、吸入容積比変更手段(2)の切換機構(90,91)によって、高段側圧縮機構として用いられる2つの圧縮機構部(32,33)が直列に接続される状態と並列に接続される状態との間において切り換えられることにより、吸入容積比が変更される。
具体的には、2つの圧縮機構部(32,33)が並列に接続される場合、高段側圧縮機構の吸入容積は2つの圧縮機構部(32,33)の吸入容積の和となる。一方、2つの圧縮機構部(32,33)が直列に接続される場合、高段側圧縮機構の吸入容積は2つの圧縮機構部(32,33)のうちの上流側の圧縮機構部(32)の吸入容積となる。そのため、2つの圧縮機構部(32,33)が接続関係が並列から直列に変更される場合には吸入容積比が小さくなる一方、直列から並列に変更される場合には吸入容積比が大きくなる。
第7の発明は、第4の発明において、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちのいずれか2つの圧縮機構部(31,32)は、吸入容積が異なるように構成され、上記吸入容積比変更手段(2)は、上記吸入容積の異なる2つの圧縮機構部(31,32)の接続関係を変更する切換機構(92,93)を有している。
第7の発明では、吸入容積比変更手段(2)の切換機構(92,93)によって、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの吸入容積の異なる2つの圧縮機構部(31,32)の接続関係が変更されると、低段側圧縮機構及び高段側圧縮機構の少なくとも一方の吸入容積が変わる。これにより、吸入容積比が変更される。
第8の発明は、第7の発明において、上記2つの圧縮機構部(31,32)は、一方が低段側圧縮機構として用いられ、他方が高段側圧縮機構として用いられるように構成されている。
第8の発明では、吸入容積比変更手段(2)の切換機構(92,93)によって、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの低段側圧縮機構として用いられる圧縮機構部(31)と高段側圧縮機構として用いられる圧縮機構部(32)との接続関係が変更されると、変更前に低段側圧縮機構として用いられていた圧縮機構部(31)が高段側圧縮機構として用いられる一方、高段側圧縮機構として用いられていた圧縮機構部(32)が低段側圧縮機構として用いられることとなる。これにより、低段側圧縮機構及び高段側圧縮機構の少なくとも一方の吸入容積が変わるため、吸入容積比が変更される。
第9の発明は、第1の発明において、上記吸入容積比変更手段(2)は、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態と、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの2つの圧縮機構部において冷媒が圧縮される一方、残りの1つの圧縮機構部では、吸入側と吐出側とが等しい圧力状態となって冷媒が圧縮されずに通過する第2の状態とに切り換える切換機構(94,95,96,97,98)を有している。
第9の発明では、吸入容積比変更手段(2)の切換機構(94,95,96,97,98)によって第1の状態から第2の状態に切り換えられると、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちのいずれか1つの圧縮機構部の吸入側と吐出側とが等しい圧力状態となり、該圧縮機構部では冷媒が圧縮されなくなる。これにより、低段側圧縮機構又は高段側圧縮機構の吸入容積が変わるため、吸入容積比が変更される。
第10の発明は、第9の発明において、上記切換機構(94,95,96)は、上記第1の状態では、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちのいずれか2つの圧縮機構部が並列に接続される一方、上記第2の状態では、上記第1の状態において並列に接続された2つの圧縮機構部のうちの一方の圧縮機構部の吸入側と吐出側とが連通するように構成されている。
第10の発明では、吸入容積比変更手段(2)の切換機構(94,95,96)によって第1の状態から第2の状態に切り換えられると、第1の状態において並列に接続されていた2つの圧縮機構部のうちの一方の圧縮機構部では、吸入側と吐出側とが連通して等しい圧力状態となるために冷媒が圧縮されないまま通過することとなる。これにより、低段側圧縮機構又は高段側圧縮機構の吸入容積が変わるため、吸入容積比が変更される。
第11の発明は、第9の発明において、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちのいずれか2つの圧縮機構部(32,33)は、吸入容積が異なるように構成され、上記切換機構(97,98)は、上記第1の状態では、上記吸入容積の異なる2つの圧縮機構部(32,33)が直列に接続されて両圧縮機構部(32,33)が低段側圧縮機構又は高段側圧縮機構として用いられる一方、上記第2の状態では、上記第1の状態において直列に接続された2つの圧縮機構部(32,33)のうちの上流側の圧縮機構部(32)の吸入側と吐出側とが連通されるように構成されている。
第11の発明では、吸入容積比変更手段(2)の切換機構(97,98)によって第1の状態から第2の状態に切り換えられると、第1の状態において直列に接続されて低段側圧縮機構又は高段側圧縮機構として用いられていた2つの圧縮機構部(32,33)のうちの上流側の圧縮機構部(32)では、吸入側と吐出側とが連通して等しい圧力状態となるために冷媒が圧縮されないまま通過することとなる。これにより、低段側圧縮機構又は高段側圧縮機構の吸入容積が変わるため、吸入容積比が変更される。
第12の発明は、第1の発明において、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)は、第1の圧縮機構部(31)、第2の圧縮機構部(32)、第3の圧縮機構部(33)の順に直列に接続され、上記吸入容積比変更手段(2)は、上記第1の圧縮機構部(31)と第2の圧縮機構部(32)との間の冷媒を冷却して該第1の圧縮機構部(31)を低段側圧縮機構として用いる一方、上記第2の圧縮機構部(32)及び上記第3の圧縮機構部(33)を高段側圧縮機構として用いる第1の状態と、上記第2の圧縮機構部(32)と第3の圧縮機構部(33)との間の冷媒を冷却して上記第1の圧縮機構部(31)及び上記第2の圧縮機構部(32)を低段側圧縮機構として用いる一方、上記第3の圧縮機構部(33)を高段側圧縮機構として用いる第2の状態とに切り換える切換機構(98)を有している。
第12の発明では、吸入容積比変更手段(2)の切換機構(98)によって圧縮機(11)の中間段の位置を変更することによって、吸入容積比が変更される。
具体的には、第1の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積は第1の圧縮機構部(31)の吸入容積となり、高段側圧縮機構の吸入容積は第2の圧縮機構部(32)の吸入容積となる。一方、第2の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積は第1の圧縮機構部(31)の吸入容積となり、高段側圧縮機構の吸入容積は第3の圧縮機構部(33)の吸入容積となる。よって、切換機構(98)によって第1の状態又は第2の状態に切り換えられることにより、高段側圧縮機構の吸入容積が変わり、吸入容積比が変更される。
第13の発明は、第1から第12のいずれか1つの発明において、上記冷媒回路(10)を流通する冷媒が二酸化炭素である。
第13の発明では、冷媒回路(10)に充填された冷媒としての二酸化炭素は、低段側圧縮機構に吸入されて中間圧力状態となるまで圧縮された後、高段側圧縮機構に吸入されて臨界圧力よりも高い高圧圧力状態となるまで圧縮される。
本発明によれば、吸入容積比変更手段(2)を備えているため、運転条件の変化に伴って吸入容積比を変更することにより、高いCOPが得られるように中間圧力を変動(上昇又は低下)させることができる。従って、本発明によれば、運転条件の変化に拘わらず高いCOPを得ることができる。また、2シリンダ室型の圧縮機構部(31,33)は、1シリンダ室型のトルク変動が小さい特性を有しているため、複数の圧縮機構部をすべて1シリンダ室型の圧縮機構部で構成したものに比べて、振動や騒音を抑えることができる。
第2,第3の発明によれば、2シリンダ室型圧縮機構部と1シリンダ室側圧縮機構の組み合わせを変えた場合でも、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比を変更することができる。
また、第4の発明によれば、圧縮機構部を3つ備えているため、圧縮機構部のシリンダ室の形状を変更することなく該3つの圧縮機構部(31,32,33)の接続関係を変更することにより、吸入容積比を容易に変更することができる。
また、第5の発明によれば、吸入容積比変更手段(2)の切換機構(18,19)によって、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの低段側圧縮機構として用いられる2つの圧縮機構部(31,32)の接続関係を直列又は並列に切り換えることにより、容易に吸入容積比を変更することができる。
また、第6の発明によれば、吸入容積比変更手段(2)の切換機構(90,91)によって、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの高段側圧縮機構として用いられる2つの圧縮機構部(32,33)の接続関係を直列又は並列に切り換えることにより、容易に吸入容積比を変更することができる。
また、第7及び第8の発明によれば、吸入容積比変更手段(2)の切換機構(92,93)によって、吸入容積の異なる2つの圧縮機構部(31,32)の接続関係を変更することにより、容易に吸入容積比を変更することができる。
また、第9の発明によれば、吸入容積比変更手段(2)の切換機構(94,95,96,97,98)によって、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態と、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの2つの圧縮機構部においては冷媒が圧縮される一方、残りの1つの圧縮機構部において冷媒が圧縮されずに通過する第2の状態とを切り換えることによって、容易に吸入容積比を変更することができる。
また、第12の発明によれば、吸入容積比変更手段(2)によって、圧縮機(11)の中間段の位置を変更することによって、容易に吸入容積比を変更することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、本発明に係る冷凍装置の一例として、空気調和装置について説明する。
《発明の実施形態1》
−全体構成−
図1に示すように、空気調和装置(1)は、二段圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えている。この冷媒回路(10)には、圧縮機(11)と、室外熱交換器(12)と、第1膨張弁(13)と、気液分離器(14)と、第2膨張弁(15)と、室内熱交換器(16)とが接続されている。また、冷媒回路(10)には、暖房運転と冷房運転とを切り換える四方弁(17)と、後述する吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第1三方弁(18)及び第2三方弁(19)が設けられている。
圧縮機(11)の詳細な構成については後述するが、該圧縮機(11)は、密閉容器状のケーシング(40)を備えている。該ケーシング(40)内には、第1圧縮機構部(31)と第2圧縮機構部(32)と第3圧縮機構部(33)と、これらの3つの圧縮機構部(31,32,33)を駆動するための電動機(34)と、3つの圧縮機構部(31,32,33)と電動機(34)とが連結された駆動軸(35)とが収容されている。なお、詳細については後述するが、圧縮機(11)は、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの少なくとも1つが低段側圧縮機構として用いられる一方、残りの圧縮機構部のうちの少なくとも1つが高段側圧縮機構として用いられて二段圧縮冷凍サイクルを行うように冷媒回路(10)に接続されている。
ケーシング(40)には、該ケーシング(40)の内外を貫くように第1吸入管(51)、第1吐出管(52)、第2吸入管(53)、第2吐出管(54)、第3吸入管(55)及び高圧吐出管(56)が設けられている。
上記第1吸入管(51)は上記第1圧縮機構部(31)の吸入側に接続され、上記第1吐出管(52)は該第1圧縮機構部(31)の吐出側に接続されている。また、上記第2吸入管(53)は上記第2圧縮機構部(32)の吸入側に接続され、上記第2吐出管(54)は該第2圧縮機構部(32)の吐出側に接続されている。さらに、上記第3吸入管(55)は上記第3圧縮機構部(33)の吸入側に接続される一方、第3圧縮機構部(33)の吐出側はケーシング(40)の内部空間(S1)に開口している。また、上記高圧吐出管(56)は、ケーシング(40)の上部に設けられ、その内側端部が該ケーシング(40)の内部空間(S1)において開口している。
上記四方弁(17)は、第1〜第4ポート(P1,P2,P3,P4)を備え、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とを連通させると共に第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とを連通させる第1の位置(図1の実線)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とを連通させると共に第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とを連通させる第2の位置(図1の破線)とに切換可能に構成されている。なお、四方弁(17)は、コントローラ(図示省略)によって第1の位置と第2の位置とに切り換えられる。
上記四方弁(17)の第1ポート(P1)には、一端が上記高圧吐出管(56)に接続された高圧ガス管(21)の他端が接続されている。また、四方弁(17)の第2ポート(P2)には、第1ガス管(22)の一端が接続されている。第1ガス管(22)の他端には、室外熱交換器(12)のガス側端部が接続されている。
上記室外熱交換器(12)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。室外熱交換器(12)の液側端部には、第1液管(23a)の一端が接続され、該第1液管(23a)の他端には気液分離器(14)が接続されている。また、第1液管(23a)には第1膨張弁(13)が設けられている。
上記気液分離器(14)には、第2液管(23b)の一端が接続されている。該第2液管(23b)の他端は、上記室内熱交換器(16)の液側端部に接続されている。また、第2液管(23b)には、第2膨張弁(15)が設けられている。
上記室内熱交換器(16)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。室内熱交換器(16)のガス側端部には、第2ガス管(24)の一端が接続され、該第2ガス管(24)の他端は上記四方弁(17)の第4ポート(P4)に接続されている。
上記四方弁(17)の第3ポート(P3)には、低圧ガス管(25)の一端が接続されている。低圧ガス管(25)の他端は、上記第1吸入管(51)に接続されている。低圧ガス管(25)の中途部には、低圧ガス分岐管(25a)の一端が接続され、該低圧ガス分岐管(25a)の他端は、上記第2三方弁(19)の第1ポート(P1)に接続されている。
上記第1吐出管(52)には、第1連絡管(26)の一端が接続され、該第1連絡管(26)の他端は、上記第1三方弁(18)の第2ポート(P2)に接続されている。また、第1三方弁(18)の第3ポート(P3)には、第2連絡管(27)の一端が接続され、該第2連絡管(27)の他端は、上記第2三方弁(19)の第3ポート(P3)に接続されている。また、第2三方弁(19)の第2ポート(P2)には、第3連絡管(28)の一端が接続され、該第3連絡管(28)の他端は上記第2吸入管(53)に接続されている。
上記第2吐出管(54)には、第4連絡管(29)の一端が接続され、該第4連絡管(29)の他端は、上記第3吸入管(55)に接続されている。第4連絡管(29)の中途部には、第4連絡合流管(29a)の一端が接続され、該第4連絡合流管(29a)の他端は、上記第1三方弁(18)の第1ポート(P1)に接続されている。また、第4連絡管(29)の中途部の上記第4連絡合流管(29a)の接続部よりも第3吸入管(55)側には、一端が上記気液分離器(14)に接続されたインジェクション管(20)の他端が接続されている。なお、インジェクション管(20)は、気液分離器(14)で気液分離されたガス冷媒を圧縮機(11)において圧縮される途中にある冷媒と合流させることによって該圧縮途中の冷媒を冷却する冷却手段を構成している。
なお、上記第1三方弁(18)及び第2三方弁(19)は、それぞれ第1〜第3ポート(P1,P2,P3)を備え、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通する第1の位置と、第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第2の位置に切り換え可能に構成されている。なお、第1三方弁(18)及び第2三方弁(19)は、コントローラ(図示省略)によって第1の位置と第2の位置とに切り換えられる。
また、本空気調和装置(1)は、圧縮機(11)の低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との吸入容積の比率(以下、単に「吸入容積比」と称する。)を変更する吸入容積比変更手段(2)を備えている。また、本実施形態1では、該吸入容積比変更手段(2)は、上記圧縮機(11)の3つの圧縮機構部(31,32,33)の接続関係を変更することによって吸入容積比を変更するように構成されている。
具体的には、上記吸入容積比変更手段(2)は、低段側圧縮機構として用いられる第1圧縮機構部(31)と第2圧縮機構部(32)とを直列に接続する第1の状態と並列に接続する第2の状態とに切り換える切換機構を有している。なお、切換機構は、本実施形態1では、第1三方弁(18)及び第2三方弁(19)によって構成され、本空気調和装置(1)の運転条件の変化に伴って第1の状態と第2の状態とに切り換えるように構成されている。
−圧縮機の構成−
図2に示すように、本実施形態の圧縮機(11)は、いわゆる全密閉型圧縮機であり、上述のように、第1圧縮機構部(31)と、第2圧縮機構部(32)と、第3圧縮機構部(33)と、該3つの圧縮機構部(31,32,33)を駆動するための電動機(34)と、3つの圧縮機構部(31,32,33)と電動機(34)とを連結する駆動軸(35)とが1つのケーシング(40)内に収容されている。
ケーシング(40)は、縦長円筒形の密閉容器状に形成されている。具体的には、このケーシング(40)は、本体筒部(41)と、上側鏡板(42)と、下側鏡板(43)とを備えている。本体筒部(41)は、両端が開口端となった中空円筒状に形成されている。ケーシング(40)では、本体筒部(41)の上端が上側鏡板(42)によって閉塞され、本体筒部(41)の下端が下側鏡板(43)によって閉塞されている。
ケーシング(40)内では、3つの圧縮機構部(31,32,33)の上方に電動機(34)が配置されている。3つの圧縮機構部(31,32,33)と電動機(34)を連結する駆動軸(35)は、その軸方向が上下方向となる姿勢で配置されている。
電動機(34)は、ロータ(34a)とステータ(34b)とを備えている。ロータ(34a)は、駆動軸(35)の上端部に固定される一方、ステータ(34b)は、ケーシング(40)の本体筒部(41)に固定されている。
駆動軸(35)は、主軸部(35a)と、第1偏心部(35b)と、第2偏心部(35c)と、第3偏心部(35d)とを備えている。3つの偏心部(35b,35c,35d)は、駆動軸(35)のうちのそれぞれの圧縮機構部(31,32,33)を貫通する部分に形成されている。駆動軸(35)では、第1偏心部(35b)の上方に第2偏心部(35c)が配置され、第2偏心部(35c)の上方に第3偏心部(35d)が配置されている。3つの偏心部(35b,35c,35d)は、いずれも外径が主軸部(35a)よりも大きな円柱状に形成され、上下両側の2つの偏心部(35b,35d)の外径は等しく、中央1つの偏心部(35c)の外径はそれよりも大きい。また、各偏心部(35b,35c,35d)の軸心は、主軸部(35a)の軸心に対して偏心している。第1偏心部(35b)の主軸部(35a)に対する偏心方向と、第3偏心部(35d)の主軸部(35a)に対する偏心方向とは、駆動軸(35)の回転方向において180°ずれている。
3つの圧縮機構部(31,32,33)は一体的に構成され、下から上に向かって、リアヘッド(36)、第1シリンダ(61)、第1ミドルプレート(38)、第2シリンダ(71)、第2ミドルプレート(39)、第3シリンダ(81)及びフロントヘッド(37)が順に積層されている。
次に、圧縮機構部(31,32,33)の具体的な構成について説明する。まず、2シリンダ室型の圧縮機構部である第1圧縮機構部(31)と第3圧縮機構部(33)について説明する。
図2及び図3に示すように、上記第1圧縮機構部(31)は、環状の第1シリンダ室(C11,C12)を形成する第1シリンダ(61)と、該第1シリンダ室(C11,C12)内に位置して該第1シリンダ室(C11,C12)を外側圧縮室(C11)と内側圧縮室(C12)とに区画する環状ピストン部材(62b)を有する第1ピストン(62)と、第1シリンダ室(C11,C12)を高圧室と低圧室とに区画する第1ブレード(63)とを備えている。上記第1シリンダ(61)と第1ピストン(62)とは、相対的に偏心回転運動をするように構成されている。尚、本実施形態1では、上記第1シリンダ(61)が第1圧縮機構部(31)の固定部材を構成し、第1ピストン(62)が第1圧縮機構部(31)の可動部材を構成している。
上記第1シリンダ(61)は、中央に軸受部が形成された平板状の鏡板部(61a)と、該鏡板部(61a)から上方に突出するように形成された筒状の外側シリンダ部材(61b)及び内側シリンダ部材(61c)とを備えている。第1シリンダ(61)は、鏡板部(61a)及び外側シリンダ部材(61b)がケーシング(40)の本体筒部(41)の内面に溶接されることにより固定されている。また、鏡板部(61a)の軸受部には、駆動軸(35)の主軸部(35a)が挿通され、該駆動軸(35)の主軸部(35a)は、鏡板部(61a)の軸受部に滑り軸受を介して回転自在に支持されている。
上記第1シリンダ(61)の鏡板部(61a)には、外周面から径方向の内側向きに延びる第1吸入ポート(51a)が形成されている。この第1吸入ポート(51a)の一端は、外側圧縮室(C11)及び内側圧縮室(C12)に連通するように構成され、他端には上記第1吸入管(51)が接続されている。つまり、該第1吸入ポート(51a)は第1吸入管(51)から外側圧縮室(C11)及び内側圧縮室(C12)に吸入される冷媒を流通させる第1吸入通路を構成している。
また、上記第1シリンダ(61)の鏡板部(61a)には、外周面から径方向の内側向きに延びる第1吐出ポート(52a)が形成されている。この第1吐出ポート(52a)の一端は、外側圧縮室(C11)及び内側圧縮室(C12)に連通するように構成され、他端には上記第1吐出管(52)が接続されている。具体的には、第1吐出ポート(52a)には、外側圧縮室(C11)及び内側圧縮室(C12)の吐出口(66,67)が開口し、該両吐出口(66,67)には吐出弁(68,69)が設けられている。外側圧縮室(C11)の吐出弁(68)は、該外側圧縮室(C11)の高圧室と第1吐出ポート(52a)との差圧が設定値に達すると吐出口(66)を開くように構成されている。同様に、内側圧縮室(C12)の吐出弁(69)は、該内側圧縮室(C12)の高圧室と第1吐出ポート(52a)との差圧が設定値に達すると吐出口(67)を開くように構成されている。
上記外側シリンダ部材(61b)の内周面と内側シリンダ部材(61c)の外周面とは、互いに同一中心上に配置された円筒面に形成されている。上記第1ピストン(62)の環状ピストン部材(62b)の外周面と外側シリンダ部材(61b)の内周面との間には外側圧縮室(C11)が形成され、第1ピストン(62)の環状ピストン部材(62b)の内周面と内側シリンダ部材(61c)の外周面との間には内側圧縮室(C12)が形成されている。
上記第1ピストン(62)は、平板状の鏡板部(62a)と、該鏡板部(62a)の一方側に形成された環状ピストン部材(62b)と、該環状ピストン部材(62b)の内側に形成された筒状の軸受部(62c)とを備えている。環状ピストン部材(62b)は、円環の一部分が分断されたC型形状に形成されている。軸受部(62c)には、駆動軸(35)の第1偏心部(35b)が摺動自在に嵌め込まれている。なお、該軸受部(62c)と内側シリンダ部材(61c)との間に空間(80)が形成されるが、この空間(80)では冷媒の圧縮は行われない。
上記第1ブレード(63)は、第1シリンダ室(C11,C12)の径方向に、外側シリンダ部材(61b)の内周面から内側シリンダ部材(61c)の外周面に亘って延びている。そして、第1ブレード(63)は、環状ピストン部材(62b)の分断箇所を挿通して第1シリンダ室(C11,C12)を高圧室と低圧室とに区画するように構成されている。なお、第1ブレード(63)は、外側シリンダ部材(61b)及び内側シリンダ部材(61c)と一体形成してもよいし、両シリンダ部材(31b,31c)と別部材として形成し、これらに固定してもよい。
また、第1圧縮機構部(31)は、環状ピストン部材(62b)の分断箇所に設けられ、第1ピストン(62)と第1ブレード(63)とを揺動可能に連結する第1揺動ブッシュ(65)を備えている。第1揺動ブッシュ(65)は、同一形状の一対の部材であり、いずれも断面形状が略半円形に形成されている。該第1揺動ブッシュ(65)の対向面の間には、上記第1ブレード(63)が進退自在に挟まれている。そして、第1揺動ブッシュ(65)は、該第1ブレード(63)を挟み込んだ状態において、第1ピストン(62)に対して揺動可能に形成されている。なお、第1揺動ブッシュ(65)は一部において連結することにより一体的に形成してもよい。
上記第1圧縮機構部(31)では、第1ピストン(62)が第1シリンダ(61)に対して偏心回転運動を行う。その偏心回転運動では、環状ピストン部材(62b)の外周面と外側シリンダ部材(61b)の内周面とが油膜を介して実質的に1点で摺接し、その摺接点と位相が180°ずれた位置において環状ピストン部材(62b)の内周面と内側シリンダ部材(61c)の外周面とが油膜を介して実質的に1点で摺接するように構成されている。
上記第3圧縮機構部(33)は、上記第1圧縮機構部(31)と同様の機械要素によって構成されている。また、第3圧縮機構部(33)は、第2シリンダ(71)を挟んで第1圧縮機構部(31)を反転させた状態で設けられている。なお、図3では、第3圧縮機構部(33)の構成要素に関する符号を括弧内に示している。
具体的には、上記第3圧縮機構部(33)は、環状の第3シリンダ室(C31,C32)を形成する第3シリンダ(81)と、該第3シリンダ室(C31,C32)内に位置して該第3シリンダ室(C31,C32)を外側圧縮室(C31)と内側圧縮室(C32)とに区画する環状ピストン部材(82b)を有する第3ピストン(82)と、第3シリンダ室(C31,C32)を高圧室と低圧室とに区画する第3ブレード(83)とを備えている。
上記第3シリンダ(81)と第3ピストン(82)とは、相対的に偏心回転運動をするように構成されている。また、本実施形態1では、上記第3シリンダ(81)が第3圧縮機構部(33)の固定部材を構成し、第3ピストン(82)が第3圧縮機構部(33)の可動部材を構成している。
上記第3シリンダ(81)は、中央に軸受部が形成された平板状の鏡板部(81a)と、該鏡板部(81a)から下方に突出して形成された筒状の外側シリンダ部材(81b)及び内側シリンダ部材(81c)とを備えている。第3シリンダ(81)は、鏡板部(81a)及び外側シリンダ部材(81b)がケーシング(40)の本体筒部(41)の内面に溶接されることにより固定されている。また、鏡板部(81a)の軸受部には、駆動軸(35)の主軸部(35a)が挿通され、該駆動軸(35)の主軸部(35a)は、鏡板部(81a)の軸受部に滑り軸受を介して回転自在に支持されている。
上記第3シリンダ(81)の鏡板部(81a)には、外周面から径方向の内側向きに延びる第2吸入ポート(55a)が形成されている。この第2吸入ポート(55a)の一端は、外側圧縮室(C31)及び内側圧縮室(C32)に連通するように構成され、他端には上記第3吸入管(55)が接続されている。つまり、該第2吸入ポート(55a)は第3吸入管(55)から外側圧縮室(C31)及び内側圧縮室(C32)に吸入される冷媒を流通させる第3吸入通路を構成している。
また、上記第3シリンダ(81)の鏡板部(81a)には、上面から下方に向かって延びる第3吐出ポート(56a)が形成されている。この32吐出ポート(56a)の一端は、外側圧縮室(C31)及び内側圧縮室(C32)に連通するように構成され、他端はケーシング(40)の内部空間(S1)に開口している。具体的には、第3吐出ポート(56a)には、外側圧縮室(C31)及び内側圧縮室(C32)の吐出口(86,87)が開口し、該両吐出口(86,87)には吐出弁(88,89)が設けられている。外側圧縮室(C31)の吐出弁(88)は、該外側圧縮室(C31)の高圧室と第3吐出ポート(56a)との差圧が設定値に達すると吐出口(86)を開くように構成されている。同様に、内側圧縮室(C32)の吐出弁(89)は、該内側圧縮室(C32)の高圧室と第3吐出ポート(56a)との差圧が設定値に達すると吐出口(87)を開くように構成されている。
上記外側シリンダ部材(81b)の内周面と内側シリンダ部材(81c)の外周面とは、互いに同一中心上に配置された円筒面に形成されている。上記第3ピストン(82)の環状ピストン部材(82b)の外周面と外側シリンダ部材(81b)の内周面との間には外側圧縮室(C31)が形成され、第3ピストン(82)の環状ピストン部材(82b)の内周面と内側シリンダ部材(81c)の外周面との間には内側圧縮室(C32)が形成されている。
上記第3ピストン(82)は、平板状の鏡板部(82a)と、該鏡板部(82a)の一方側に形成された環状ピストン部材(82b)と、該鏡板部(82a)の環状ピストン部材(82b)の内側に形成された筒状の軸受部(82c)とを備えている。環状ピストン部材(82b)は、円環の一部分が分断されたC型形状に形成されている。軸受部(82c)には、駆動軸(35)の上側偏心部(35d)が摺動自在に嵌め込まれている。なお、該軸受部(82c)と内側シリンダ部材(81c)との間に空間(85)が形成されるが、この空間(85)では冷媒の圧縮は行われない。
上記第3ブレード(83)は、第3シリンダ室(C31,C32)の径方向に、外側シリンダ部材(81b)の内周面から内側シリンダ部材(81c)の外周面に亘って延びている。そして、第3ブレード(83)は、環状ピストン部材(82b)の分断箇所を挿通して第3シリンダ室(C31,C32)を高圧室と低圧室とに区画するように構成されている。なお、本実施形態では、第3ブレード(83)は、外側シリンダ部材(81b)及び内側シリンダ部材(81c)と一体形成されているが、該両シリンダ部材(41b,41c)と別部材として形成し、これらに固定するものであってもよい。
また、第3圧縮機構部(33)は、環状ピストン部材(82b)の分断箇所に設けられ、第3ピストン(82)と第3ブレード(83)とを揺動可能に連結する第3揺動ブッシュ(85)を備えている。第3揺動ブッシュ(85)は、同一形状の一対の部材であり、いずれも断面形状が略半円形に形成されている。該第3揺動ブッシュ(85)の対向面の間には、上記第3ブレード(83)が進退自在に挟まれている。そして、第3揺動ブッシュ(85)は、該第3ブレード(83)を挟み込んだ状態において、第3ピストン(82)に対して揺動可能に形成されている。なお、両ブッシュ(44a,44b)は一部において連結することにより一体的に形成してもよい。
そして、上記第3圧縮機構部(33)では、第3ピストン(82)が第3シリンダ(81)に対して偏心回転運動を行う。その偏心回転運動では、環状ピストン部材(82b)の外周面と外側シリンダ部材(81b)の内周面とが油膜を介して実質的に1点で摺接し、その摺接点と位相が180°ずれた位置において環状ピストン部材(82b)の内周面と内側シリンダ部材(81c)の外周面とが実質的に1点で摺接するように構成されている。
上記第1ミドルプレート(38)は、互いに対向するように配置された第1ピストン(62)の鏡板部(62a)の外周側を覆う筒部(38a)と、該筒部(38a)の内部において第1ピストン(62)の鏡板部(62a)と平行に延びる円板状の平板部(38b)とによって構成されている。筒部(38a)は、第1シリンダ(61)の外側シリンダ部材(61b)に当接するように設けられている。
上記第2ミドルプレート(39)は、互いに対向するように配置された第3ピストン(82)の鏡板部(82a)の外周側を覆う筒部(39a)と、該筒部(39a)の内部において第3ピストン(82)の鏡板部(82a)と平行に延びる円板状の平板部(39b)とによって構成されている。筒部(39a)は、第3シリンダ(81)の外側シリンダ部材(81b)に当接するように設けられている。
次に、1シリンダ室型の圧縮機構部である第2圧縮機構部について説明する。
図2及び図5に示すように、上記第2シリンダ(71)は、肉厚の筒状部材であって、その両端面(図2における上端面と下端面)が軸直角平面に対して互いに平行な平坦面となっている。第2シリンダ(71)の内部には、駆動軸(35)が挿通されている。第2シリンダ(71)の内部には駆動軸(35)の第2偏心部(35c)が位置している。
第1ミドルプレート(38)及び第2ミドルプレート(39)は、第2シリンダ(71)よりもやや薄肉の平板状部材によって構成されている。第2シリンダ(71)は、第1ミドルプレート(38)と第2ミドルプレート(39)の間に位置していて、下面が第1ミドルプレート(38)に密着し、上面が第2ミドルプレート(39)に密着している。第1ミドルプレート(38)及び第2ミドルプレート(39)には、厚み方向へ貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔には駆動軸(35)が挿通されている。
第2シリンダ(71)には第2ピストン(72)が収容され、第2シリンダ(71)の内周面と第2ピストン(72)の外周面との間には第2シリンダ室(C2)が形成されている。第2シリンダ室(C2)の上端は、第2ミドルプレート(39)の下面によって閉塞され、第2シリンダ室(C2)の下端は、第1ミドルプレート(38)の上面によって閉塞されている。第2ピストン(72)の外周面は、その周方向の一カ所において第2シリンダ(71)の内周面と油膜を介して摺接する。第2偏心部(35c)に係合する第2ピストン(72)は、その外周面が第2シリンダ(71)の内周面と接する状態で偏心回転する。
図5は、第2圧縮機構部(32)の横断面図である。図5に示すように、第2ピストン(72)には、ブレード(73)が一体に形成されている。ブレード(73)は、ピストン(72)の外周面から外側へ向かって延びる平板状に形成されている。シリンダ室(C2)は、該ブレード(73)によって第1室である低圧室と第2室である高圧室とに区画されている。
また、第2シリンダ(71)には、上記ブレード(73)を挿入するためのブレード溝(74)が形成されている。シリンダ(71)のブレード溝(74)には、ブレード(73)を支持するための第2揺動ブッシュ(75)が挿入されている。
第2揺動ブッシュ(75)は、シリンダ(71)に2つ設けられ、両第2揺動ブッシュ(75)によってブレード(73)が挟み込まれている。各第2揺動ブッシュ(75)は、平坦面となった前面がブレード(73)の側面と摺接し、円弧面となった背面がシリンダ(71)と摺接する。そして、第2揺動ブッシュ(75)がシリンダ(71)に対して回動自在となり、ブレード(73)が第2揺動ブッシュ(75)に対して進退自在となっている。なお、各シリンダ(71)に設けられた一対の第2揺動ブッシュ(75)は、一部で連結させて一体構造としてもよい。
このような構成により、駆動軸(35)が駆動されてピストン(72)が駆動軸(35)の軸心に対して偏心回転すると、該ピストン(72)と一体に形成されたブレード(73)が第2揺動ブッシュ(75)に沿って進退しながら、第2揺動ブッシュ(75)の中心点を揺動中心として揺動する。
第2シリンダ(71)には、吸入ポート(76)が形成されている。吸入ポート(76)は、径方向に延びてシリンダ(71)の内外を連通するように形成されている。第2シリンダ(71)に形成された吸入ポート(76)には上記第2吸入管(53)が接続されている。
なお、図示を省略しているが、第2シリンダ(71)には、吐出空間と、該吐出空間と第2シリンダ室(C2)とを連通する吐出ポートとが形成されている。吐出ポートは、第2シリンダ(71)の内外を貫通するように形成され、その外側端部には吐出弁が取り付けられている。また、吐出空間には上記第2吐出管(54)が接続されている。
以上のように、本発明は、複数のロータリ型の圧縮機構部(31,32,33)が1本の駆動軸(35)で機械的に連結された圧縮機(11)を有する冷媒回路(10)を備えて二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置であって、圧縮機(11)が上記圧縮機構部(31,32,33)を3つ備えている。そして、少なくとも1つ(この例では2つ)の圧縮機構部が、シリンダ空間の中で偏心回転運動をする環状の偏心ピストン(62,82)の内周側と外周側に2つのシリンダ室を有する2シリンダ室の型圧縮機構部(31,33)により構成される一方、他の(1つの)圧縮機構部が、シリンダ空間の中で偏心回転運動をする偏心ピストン(72)の外周側に1つのシリンダ室を有する1シリンダ室の型圧縮機構部(32)により構成されている。また、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との吸入容積の比率である吸入容積比を変更する吸入容積比変更手段(2)を備えている。
この実施形態では、2シリンダ室型の圧縮機構部が2つのシリンダ室が一体的に機能する1つの圧縮機構部として構成され、2つの2シリンダ室型圧縮機構部と1つの1シリンダ室型圧縮機構部が設けられている。
−運転動作−
(圧縮機構部の運転動作)
次に、圧縮機(11)の運転動作について説明する。まず、第1圧縮機構部(31)について説明する。第1圧縮機構部(31)では冷媒が圧縮される。
まず、電動機(20)を起動すると、第1ピストン(62)の環状ピストン部材(62b)が第1ブレード(63)に沿って往復運動(進退動作)を行うと共に揺動動作を行う。その際、第1揺動ブッシュ(65)は、環状ピストン部材(62b)及び第1ブレード(63)に対して実質的に面接触をする。そして、環状ピストン部材(62b)が外側シリンダ部材(61b)及び内側シリンダ部材(61c)に対して揺動しながら公転し、第1圧縮機構部(31)が圧縮動作を行う。
具体的には、外側圧縮室(C11)では、図4(B)の状態で低圧室の容積がほぼ最小となり、ここから駆動軸(35)が図の矢印の方向に回転して図4(C)〜図4(A)の状態へ変化するのに伴って該低圧室の容積が増大し、第1吸入ポート(51a)の冷媒が外側圧縮室(C11)の低圧室に吸入される。
そして、上記駆動軸(35)が一回転して再び図4(B)の状態になると、上記低圧室への冷媒の吸入が完了する。そして、該低圧室は、冷媒が圧縮される高圧室となり、第1ブレード(63)を隔てて新たな低圧室が形成される。駆動軸(35)がさらに回転すると、低圧室において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室の容積が減少し、該高圧室で冷媒が圧縮される。高圧室が所定の圧力になって第1吐出ポート(52a)との差圧が設定値に達すると、吐出弁が開き、高圧室の中間圧の冷媒が第1吐出ポート(52a)を通じて第1吐出管(52)へ流出する。
上記内側圧縮室(C12)では、図4(F)の状態で低圧室の容積がほぼ最小となり、ここから駆動軸(35)が図の矢印の方向に回転して図4(G)〜図4(E)の状態へ変化するのに伴って該低圧室の容積が増大し、第1吸入ポート(51a)の冷媒が内側圧縮室(C12)の低圧室に吸入される。
そして、上記駆動軸(35)が一回転して再び図4(F)の状態になると、上記低圧室への冷媒の吸入が完了する。そして、該低圧室は、冷媒が圧縮される高圧室となり、第1ブレード(63)を隔てて新たな低圧室が形成される。駆動軸(35)がさらに回転すると、低圧室において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室の容積が減少し、該高圧室で冷媒が圧縮される。高圧室が所定の圧力になって第1吐出ポート(52a)との差圧が設定値に達すると、吐出弁が開き、高圧室の冷媒が第1吐出ポート(52a)を通じて第1吐出管(52)へ流出する。
上記外側圧縮室(C11)ではほぼ図4(E)のタイミングで冷媒の吐出が開始され、内側圧縮室(C12)ではほぼ図4(A)のタイミングで吐出が開始される。つまり、外側圧縮室(C11)と内側圧縮室(C12)とでは、吐出のタイミングが略180°ずれている。このため、トルク変動が小さくなる。
第3圧縮機構部(33)では、第1圧縮機構部(31)とほぼ同様にして冷媒が圧縮される。
電動機(20)を起動すると、第3ピストン(82)の環状ピストン部材(82b)が第3ブレード(83)に沿って往復運動(進退動作)を行うと共に揺動動作を行う。その際、第3揺動ブッシュ(85)は、環状ピストン部材(82b)及び第3ブレード(83)に対して実質的に面接触をする。そして、環状ピストン部材(82b)が外側シリンダ部材(81b)及び内側シリンダ部材(81c)に対して揺動しながら公転し、第3圧縮機構部(33)が圧縮動作を行う。
具体的には、外側圧縮室(C31)では、図4(B)の状態で低圧室の容積がほぼ最小となり、ここから駆動軸(35)が図の矢印の方向に回転して図4(C)〜図4(A)の状態へ変化するのに伴って該低圧室の容積が増大し、第2吸入ポート(55a)の冷媒が外側圧縮室(C31)の低圧室に吸入される。
そして、上記駆動軸(35)が一回転して再び図4(B)の状態になると、上記低圧室への冷媒の吸入が完了する。そして、該低圧室は、冷媒が圧縮される高圧室となり、第3ブレード(83)を隔てて新たな低圧室が形成される。駆動軸(35)がさらに回転すると、低圧室において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室の容積が減少し、該高圧室で冷媒が圧縮される。高圧室が所定の圧力になって第3吐出ポート(56a)との差圧が設定値に達すると、吐出弁(88,89)が開き、高圧室の高圧冷媒が第3吐出ポート(56a)を通じてケーシング(40)内の内部空間(S1)へ流出する。
上記内側圧縮室(C32)では、図4(F)の状態で低圧室の容積がほぼ最小となり、ここから駆動軸(35)が図の矢印の方向に回転して図4(G)〜図4(E)の状態へ変化するのに伴って該低圧室の容積が増大し、第2吸入ポート(55a)の冷媒が内側圧縮室(C32)の低圧室に吸入される。
そして、上記駆動軸(35)が一回転して再び図4(F)の状態になると、上記低圧室への冷媒の吸入が完了する。そして、該低圧室は、冷媒が圧縮される高圧室となり、第3ブレード(83)を隔てて新たな低圧室が形成される。駆動軸(35)がさらに回転すると、低圧室において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室の容積が減少し、該高圧室で冷媒が圧縮される。高圧室が所定の圧力になって第3吐出ポート(56a)との差圧が設定値に達すると、吐出弁(88,89)が開き、高圧室の冷媒が第3吐出ポート(56a)を通じてケーシング(40)内の内部空間(S1)へ流出する。
上記外側圧縮室(C31)ではほぼ図4(E)のタイミングで冷媒の吐出が開始され、内側圧縮室(C32)ではほぼ図4(A)のタイミングで吐出が開始される。つまり、外側圧縮室(C31)と内側圧縮室(C32)とでは、吐出のタイミングが略180°ずれている。ケーシング(40)内の内部空間(S1)へ流出した高圧冷媒は、第2吐出管(17)から吐出される。なお、冷媒回路において、圧縮機(11)から吐出された冷媒は、凝縮行程、膨張行程および蒸発行程を経て、再び該圧縮機(11)に吸入される。
第2圧縮機構部(32)では、図6において、ロータ(34a)の回転が駆動軸(35)の第2偏心部(35c)を介して第2ピストン(72)に伝達される。これにより、第2ピストン(72)が第1シリンダ(71)に対して揺動しながら公転し、第2圧縮機構部(32)が所定の圧縮動作を行う。
具体的には、第2シリンダ室(C2)では、図6(A)の状態から駆動軸(35)が図の右回りに回転してピストン(72)によって吸入ポート(76)が閉塞された状態から、さらに駆動軸(35)が回転して図6(B)〜(A)の状態へ変化するのに伴って低圧室の容積が増大し、冷媒が第2吸入管(53)から吸入ポート(76)を介して該低圧室に吸入される。
そして、駆動軸(35)が一回転して再びピストン(72)によって吸入ポート(76)が閉塞されると、上記低圧室への冷媒の吸入が完了し、低圧室は、冷媒が圧縮される高圧室となる。このとき、ブレード(73)を隔てて新たな低圧室が形成される。そして、駆動軸(35)がさらに回転すると、低圧室において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室の容積が減少し、該高圧室で冷媒が圧縮される。そして、高圧室の圧力が所定値となって吐出空間(図示せず)との差圧が設定値に達すると、吐出弁(図示せず)が開き、高圧室の冷媒が吐出ポート及び吐出空間(図示せず)を介して第2吐出管(54)に流出する。
なお、本実施形態1では、第1圧縮機構部(31)の吸入容積(押しのけ容積)V1と、第2圧縮機構部(32)の吸入容積(押しのけ容積)V2と、第3圧縮機構部(33)の吸入容積(押しのけ容積)V3との間には、V1>V2>V3の関係が成立するように、各圧縮機構部(31,32,33)が設計されている。
(空気調和装置の運転動作)
次に、空気調和装置(1)の運転動作について説明する。空気調和装置(1)は、下記の冷房運転と暖房運転とに切り換え可能となっている。
(冷房運転)
図7に示すように、四方弁(17)が第1の位置に設定された状態で、圧縮機(11)を起動すると、冷媒回路(10)では、室外熱交換器(12)が放熱器となる一方、室内熱交換器(16)が蒸発器となる二段圧縮冷凍サイクルが行われる。なお、この二段圧縮冷凍サイクルでは、二段圧縮冷凍サイクルの高圧圧力が二酸化炭素の臨界圧力よりも高くなる。この点は、後述する暖房運転でも同じである。
具体的には、圧縮機(11)が起動すると、圧縮機(11)において圧縮された高圧ガス冷媒が四方弁(17)を経由して室外熱交換器(12)に流入する。室外熱交換器(12)において、高圧ガス冷媒は空気と熱交換して放熱して冷却される。
室外熱交換器(12)において冷却された冷媒は、第1膨張弁(13)で中間圧力に減圧された後に、気液分離器(14)で液冷媒とガス冷媒とに分離される。このうち、ガス冷媒は、インジェクション管(20)を介して圧縮機(11)の低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との間に流入する。一方、液冷媒は、第2膨張弁(15)において低圧圧力まで減圧された後に、室内熱交換器(16)に流入する。
室内熱交換器(16)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。その結果、室内空気は冷却されて室内へ供給される。室内熱交換器(16)で蒸発した低圧ガス冷媒は、圧縮機(11)に吸入されて再び圧縮される。
(暖房運転)
暖房運転では、図8に示すように、四方弁(17)が第2の位置に設定された状態で、圧縮機(11)を起動すると、冷媒回路(10)では、室内熱交換器(16)が放熱器となる一方、室外熱交換器(12)が蒸発器となる二段圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的には、圧縮機(11)が起動すると、圧縮機(11)において圧縮された高圧ガス冷媒が四方弁(17)を経由して室内熱交換器(16)に流入する。室内熱交換器(16)において、高圧ガス冷媒は室内空気と熱交換して放熱して冷却される。その結果、室内空気は加熱されて室内へ供給される。
室内熱交換器(16)において冷却された冷媒は、第2膨張弁(15)で中間圧力に減圧された後に、気液分離器(14)で液冷媒とガス冷媒とに分離される。このうち、ガス冷媒は、インジェクション管(20)を介して圧縮機(11)の低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との間に流入する。一方、液冷媒は、第1膨張弁(13)において低圧圧力まで減圧された後に、室外熱交換器(12)に流入する。
室外熱交換器(12)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(12)で蒸発した低圧ガス冷媒は、圧縮機(11)に吸入されて再び圧縮される。
(吸入容積比変更手段の制御)
本実施形態1では、空気調和装置(1)の運転条件が変化すると、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが変更される。具体的には、図示しないコントローラによって、切換機構を構成する第1三方弁(18)及び第2三方弁(19)が、運転条件の変化に応じて第1の位置又は第2の位置に切り換えられる。これにより、3つの圧縮機構部(31,32,33)の接続関係が変更されて、吸入容積比Vrが変更される。
より具体的には、第1三方弁(18)及び第2三方弁(19)が共に第2の位置に切り換えられると、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの低段側圧縮機構として用いられる第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が直列に接続される第1の状態となる。一方、第1三方弁(18)及び第2三方弁(19)が共に第1の位置に切り換えられると、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が並列に接続される第2の状態となる。また、本実施形態1では、冷房運転に切り換えられる際に、第1三方弁(18)及び第2三方弁(19)が第2の位置に切り換えられて上記第1の状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、第1三方弁(18)及び第2三方弁(19)が第1の位置に切り換えられて上記第2の状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図7に示すように、上記第1の状態では、第1連絡管(26)と第2連絡管(27)とが連通されると共に、第2連絡管(27)と第3連絡管(28)とが連通される。
これにより、低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、まず第1圧縮機構部(31)に吸入され、該第1圧縮機構部(31)において圧縮される。第1圧縮機構部(31)において圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)、第2連絡管(27)及び第3連絡管(28)を通って第2圧縮機構部(32)に吸入され、該第2圧縮機構部(32)において中間圧力状態となるまで圧縮される。
第2圧縮機構部(32)において中間圧力状態まで圧縮された冷媒は、第4連絡管(29)を通って第3圧縮機構部(33)に吸入され、該第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。なお、第4連絡管(29)の中途部には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第4連絡管(29)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第3圧縮機構部(33)に吸入される。
第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第1の状態では、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が直列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第3圧縮機構部(33)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、第1の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3となる。よって、吸入容積比Vrは、V3/V1となる。
一方、上記第2の状態では、第1連絡管(26)と第4連絡管(29)の中途部に接続された第4連絡合流管(29a)とが連通されると共に、低圧ガス管(25)の中途部に接続された低圧ガス分岐管(25a)と第3連絡管(28)とが連通される。
これにより、低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、第1圧縮機構部(31)に吸入されると共に、その一部が低圧ガス管(25)の中途部に接続された低圧ガス分岐管(25a)及び第3連絡管(28)を通って第2圧縮機構部(32)に吸入される。そして、該第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)においてそれぞれ中間圧力状態となるまで圧縮される。
第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)及び第4連絡合流管(29a)を通って第4連絡管(29)の中途部に流入する。一方、第2圧縮機構部(32)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第4連絡管(29)に流入し、第4連絡合流管(29a)から流入する冷媒と合流して第3圧縮機構部(33)に吸入され、該第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。なお、第4連絡管(29)の第4連絡合流管(29a)よりも下流側には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第4連絡管(29)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第3圧縮機構部(33)に吸入される。
第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第2の状態では、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第3圧縮機構部(33)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、第2の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1及び第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2の和となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3となる。よって、吸入容積比Vrは、V3/(V1+V2)となる。
なお、ここで、本空気調和装置(1)の圧縮機(11)は、1本の駆動軸(35)に3つの圧縮機構部(31,32,33)が機械的に連結されている。これにより、例えば、吸入容積比Vrを冷房運転において好適な値に設定し、該吸入容積比Vrを変更することなく暖房運転を行うと、暖房運転において中間圧の値が低圧と高圧との中間よりも低くなる一方、吸入容積比Vrを暖房運転において好適な値に設定し、該吸入容積比Vrを変更することなく冷房運転を行うと、冷房運転において中間圧の値が低圧と高圧との中間よりも高くなる。そのため、いずれか一方の運転条件において中間圧が低圧と高圧との平均値となるように吸入容積比Vrを設定すると、他方の運転条件において中間圧が低圧と高圧との平均値から大きくずれてしまうこととなる。
しかし、本空気調和装置(1)では、上述のように、冷房運転に切り換えられる際に、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが大きくなるように変更される。これにより、低段側圧縮機構における圧縮比が小さくなるため、中間圧が低下して低圧と高圧との平均値に近い値となる。その結果、冷房運転において高いCOPを得ることができる。また、中間圧が低下することにより、冷却手段としてのインジェクション管(20)からのガスインジェクション量が比較的多くなる。これにより、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との間の冷媒がより冷却されるため、圧縮機(11)の入力を低減することができる。
一方、本空気調和装置(1)では、暖房運転に切り換えられる際に、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが小さくなるように変更される。これにより、低段側圧縮機構における圧縮比が大きくなるため、中間圧が上昇して低圧と高圧との平均値に近い値となる。その結果、暖房運転において高いCOPを得ることができる。また、中間圧が上昇することにより、冷却手段としてのインジェクション管(20)からのガスインジェクション量が比較的少なくなる。これにより、高段側圧縮機構に吸入される冷媒の温度をなるべく低下させないようにすると共に、室外熱交換器(12)の冷媒流量を多くすることにより室外空気からの吸熱量を増大させることができるため、圧縮機(11)の入力の低減と暖房能力の向上の両立を図ることができる。
以上より、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第1三方弁(18)及び第2三方弁(19)によって、第1の状態から第2の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる一方、第2の状態から第1の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる。
−実施形態1の効果−
以上により、本空気調和装置(1)によれば、吸入容積比変更手段(2)を備えているため、運転条件の変化に伴って吸入容積比Vrを変更することにより、高いCOPが得られるように中間圧力を変動(上昇又は低下)させることができる。従って、運転条件の変化に拘わらず高いCOPを得ることができる。
また、本空気調和装置(1)によれば、圧縮機構部を3つ備えているため、圧縮機構部のシリンダ室の形状を変更することなく該3つの圧縮機構部(31,32,33)の接続関係を変更することにより、吸入容積比Vrを容易に変更することができる。
また、本空気調和装置(1)によれば、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第1三方弁(18)及び第2三方弁(19)によって、低段側圧縮機構として用いられる第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)の接続関係を直列又は並列に切り換えることによって、吸入容積比Vrを容易に変更することができる。
さらに、本空気調和装置(1)の冷媒回路(10)では、冷媒として二酸化炭素が用いられている。このように二酸化炭素を冷媒とする二段圧縮冷凍サイクルでは、放熱損失が大きく、高い成績係数(COP)を得難いという問題がある。そのため、上記吸入容積比変更手段(2)を設けてCOPの向上を図る意義がより大きくなる。
また、2シリンダ室型の圧縮機構部(31,33)は、1シリンダ室型のトルク変動が小さい特性を有しているため、複数の圧縮機構部をすべて1シリンダ室型の圧縮機構部で構成したものに比べて、振動や騒音を抑えることができる。
《発明の実施形態2》
図9及び図10に示す実施形態2の空気調和装置(1)について説明する。なお、以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
−全体構成−
実施形態2では、吸入容積比変更手段(2)は、高段側圧縮機構として用いられる第2圧縮機構部(32)と第3圧縮機構部(33)とを並列に接続する第1の状態と直列に接続する第2の状態とに切り換える切換機構を有している。該切換機構は、第3三方弁(90)及び第4三方弁(91)によって構成されている。第3三方弁(90)及び第4三方弁(91)は、それぞれ第1〜第3ポート(P1,P2,P3)を備え、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通する第1の位置と、第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第2の位置に切り換え可能に構成されている。
実施形態2においても、高圧吐出管(56)は、高圧ガス管(21)を介して四方弁(17)の第1ポート(P1)に接続されている。また、四方弁(17)の第3ポート(P3)には、低圧ガス管(25)の一端が接続されている。低圧ガス管(25)の他端は、第1吸入管(51)に接続されている。
第1吐出管(52)には、第1連絡管(26)の一端が接続され、該第1連絡管(26)の他端は、第2吸入管(53)に接続されている。第1連絡管(26)の中途部には、第1連絡分岐管(26a)の一端が接続され、該第1連絡分岐管(26a)の他端は、上記第2三方弁(19)の第1ポート(P1)に接続されている。また、第1連絡管(26)の中途部の上記第1連絡分岐管(26a)の接続部よりも第1吐出管(52)側には、一端が上記気液分離器(14)に接続されたインジェクション管(20)の他端が接続されている。なお、インジェクション管(20)は、気液分離器(14)で気液分離されたガス冷媒を圧縮機(11)において圧縮される途中にある冷媒と合流させることによって該圧縮途中の冷媒を冷却する冷却手段を構成している。
第2吐出管(54)には、第2連絡管(27)の一端が接続され、該第2連絡管(27)の他端は、上記第3三方弁(90)の第2ポート(P2)に接続されている。該第3三方弁(90)の第1ポート(P1)には、高圧ガス合流管(21a)の一端が接続され、該高圧ガス合流管(21a)の他端は上記高圧ガス管(21)の中途部に接続されている。また、第3三方弁(90)の第3ポート(P3)には、第3連絡管(28)の一端が接続され、該第3連絡管(28)の他端は第4三方弁(91)の第3ポート(P3)に接続されている。第4三方弁(91)の第2ポート(P2)には、第4連絡管(29)の一端が接続され、該第4連絡管(29)の他端は第3吸入管(55)に接続されている。
その他の構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
−運転動作−
次に、空気調和装置(1)の運転動作について説明する。実施形態2においても空気調和装置(1)は、冷房運転(図9参照)と暖房運転(図10参照)とに切り換え可能となっている。なお、冷房運転動作及び暖房運転動作については実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
(吸入容積比変更手段の制御)
実施形態2においても、空気調和装置(1)の運転条件が変化すると、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが変更される。具体的には、図示しないコントローラによって、切換機構を構成する第3三方弁(90)及び第4三方弁(91)が、運転条件の変化に応じて第1の位置又は第2の位置に切り換えられる。これにより、3つの圧縮機構部(31,32,33)の接続関係が切り換えられて、吸入容積比Vrが変更される。
より具体的には、第3三方弁(90)及び第4三方弁(91)が共に第1の位置に切り換えられると、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの高段側圧縮機構として用いられる第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続される第1の状態となる。一方、第3三方弁(90)及び第4三方弁(91)が共に第2の位置に切り換えられると、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が直列に接続される第2の状態となる。また、実施形態2では、冷房運転に切り換えられる際に、第3三方弁(90)及び第4三方弁(91)が第1の位置に切り換えられて上記第1の状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、第3三方弁(90)及び第4三方弁(91)が第2の位置に切り換えられて上記第2の状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図9に示すように、上記第1の状態では、第1連絡分岐管(26a)と第4連絡管(29)とが連通されると共に、第2連絡管(27)と高圧ガス合流管(21a)とが連通される。
これにより、低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、まず第1圧縮機構部(31)に吸入され、該第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮される。
第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)を通って第2圧縮機構部(32)に吸入されると共に、その一部が第1連絡管(26)の中途部に接続された第1連絡分岐管(26a)及び第4連絡管(29)を通って第3圧縮機構部(33)に吸入される。なお、第1連絡管(26)の上記第1連絡分岐管(26a)よりも上流側には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第1連絡管(26)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第3圧縮機構部(33)に吸入される。
第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)に吸入された冷媒は、該第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)においてそれぞれ高圧圧力状態となるまで圧縮される。そして、第2圧縮機構部(32)の冷媒は、第2連絡管(27)及び高圧ガス合流管(21a)を通って高圧ガス管(21)の中途部に流入する。一方、第3圧縮機構部(33)の冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第1の状態では、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続されて高段側圧縮機構として用いられる。これにより、第1の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2及び第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3の和となる。よって、吸入容積比Vrは、(V2+V3)/V1となる。
一方、上記第2の状態では、第2連絡管(27)と第3連絡管(28)とが連通されると共に、第3連絡管(28)と第4連絡管(29)とが連通される。
これにより、低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、まず第1圧縮機構部(31)に吸入され、該第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮される。
第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)を通って第2圧縮機構部(32)に吸入され、該第2圧縮機構部(32)において圧縮される。なお、第1連絡管(26)の中途部には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第1連絡管(26)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第2圧縮機構部(32)に吸入される。
第2圧縮機構部(32)において圧縮された冷媒は、第2連絡管(27)、第3連絡管(28)及び第4連絡管(29)を通って第3圧縮機構部(33)に吸入され、該第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。
第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第2の状態では、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が直列に接続されて高段側圧縮機構として用いられる。これにより、第2の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2となる。よって、吸入容積比Vrは、V2/V1となる。
以上より、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第3三方弁(90)及び第4三方弁(91)によって、第1の状態から第2の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる一方、第2の状態から第1の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる。
−実施形態2の効果−
以上により、実施形態2の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第3三方弁(90)及び第4三方弁(91)によって、高段側圧縮機構として用いられる第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)の接続関係を直列又は並列に切り換えることによって、吸入容積比Vrを容易に変更することができる。
《発明の実施形態3》
図11及び図12に示す実施形態2の空気調和装置(1)について説明する。なお、以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
−全体構成−
実施形態3では、第3圧縮機構部(33)は、実施形態1における第2圧縮機構部(32)とほぼ同様に構成されている。具体的には、実施形態1においてフロントヘッド(37)に形成されていた第3圧縮機構部(33)の吐出空間と吐出ポートが第3シリンダ(81)に形成されている(図示省略)。そして、吐出ポートには吐出弁が取り付けられ、吐出空間には第3吐出管(57)が接続されている。
上記第3吐出管(57)は、第1吐出管(52)及び第2吐出管(54)と同様にケーシング(40)の内外を貫くように設けられている。該第3吐出管(57)は、第2吐出管(54)の上方に設けられている。また、該第3吐出管(57)のさらに上方には、高圧連絡管(58)がケーシング(40)の内外を貫くように設けられている。該高圧連絡管(58)は、内側端部が電動機(34)と3つの圧縮機構部(31,32,33)との間において開口するように設けられている。
また、実施形態3では、吸入容積比変更手段(2)は、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの吸入容積の異なる第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)の接続関係を変更する切換機構を有している。該切換機構は、第2四方弁(92)及び第3四方弁(93)によって構成されている。第2四方弁(92)及び第3四方弁(93)は、それぞれ第1〜第4ポート(P1,P2,P3,P4)を備え、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通する第1の位置と、第3ポート(P3)と第4ポート(P4)とが連通する第2の位置に切り換え可能に構成されている。
実施形態3においても、高圧吐出管(56)は、高圧ガス管(21)を介して四方弁(17)の第1ポート(P1)に接続されている。また、四方弁(17)の第3ポート(P3)には、低圧ガス管(25)の一端が接続されている。低圧ガス管(25)の他端は、第3吸入管(55)に接続されている。また、低圧ガス管(25)の中途部には、低圧ガス分岐管(25a)の一端が接続され、該低圧ガス分岐管(25a)の他端は第3四方弁(93)の第1ポート(P1)に接続されている。
第3四方弁(93)の第4ポート(P4)には、第1連絡管(26)の一端が接続され、該第1連絡管(26)の他端は、第1吸入管(51)に接続されている。また、第3四方弁(93)の第2ポート(P2)には、第2連絡管(27)の一端が接続され、該第2連絡管(27)の他端は、第2吸入管(53)に接続されている。
第1吐出管(52)には、第3連絡管(28)の一端が接続され、該第3連絡管(28)の他端は、第2四方弁(92)の第3ポート(P3)に接続されている。また、第2吐出管(54)には、第4連絡管(29)の一端が接続され、該第4連絡管(29)の他端は、第2四方弁(92)の第1ポート(P1)に接続されている。さらに、第3吐出管(57)には、第5連絡管(30)の一端が接続され、該第5連絡管(30)の他端は、第3四方弁(93)の第3ポート(P3)に接続されている。
第5連絡管(30)の中途部には、第5連絡合流管(30a)の一端が接続され、該第5連絡合流管(30a)の他端は、上記第2四方弁(92)の第2ポート(P2)に接続されている。また、第5連絡管(30)の中途部の上記第5連絡合流管(30a)の接続部よりも第3四方弁(93)側には、一端が上記気液分離器(14)に接続されたインジェクション管(20)の他端が接続されている。なお、インジェクション管(20)は、気液分離器(14)で気液分離されたガス冷媒を圧縮機(11)において圧縮される途中にある冷媒と合流させることによって該圧縮途中の冷媒を冷却する冷却手段を構成している。
第2四方弁(92)の第4ポート(P4)には、第6連絡管(59)の一端が接続され、該第6連絡管(59)の他端は上記高圧連絡管(58)に接続されている。
その他の構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
−運転動作−
次に、空気調和装置(1)の運転動作について説明する。実施形態3においても空気調和装置(1)は、冷房運転(図11参照)と暖房運転(図12参照)とに切り換え可能となっている。なお、冷房運転動作及び暖房運転動作については実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
(吸入容積比変更手段の制御)
実施形態3においても、空気調和装置(1)の運転条件が変化すると、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが変更される。具体的には、図示しないコントローラによって、切換機構を構成する第2四方弁(92)及び第3四方弁(93)が、運転条件の変化に応じて第1の位置又は第2の位置に切り換えられる。これにより、3つの圧縮機構部(31,32,33)の接続関係が切り換えられて、吸入容積比Vrが変更される。
具体的には、第2四方弁(92)及び第3四方弁(93)が共に第1の位置に切り換えられると、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第1圧縮機構部(31)が高段側圧縮機構として用いられる第1の状態となる。一方、第2四方弁(92)及び第3四方弁(93)が第2の位置に切り換えられると、第1圧縮機構部(31)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)が高段側圧縮機構として用いられる第2の状態となる。つまり、第1の状態と第2の状態とでは、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)の接続関係が変更される。
また、実施形態3では、冷房運転に切り換えられる際に、第2四方弁(92)及び第3四方弁(93)が第1の位置に切り換えられて上記第1の状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、第2四方弁(92)及び第3四方弁(93)が第2の位置に切り換えられて上記第2の状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrの関係について詳述する。
図11に示すように、上記第1の状態では、低圧ガス分岐管(25a)と第2連絡管(27)とが連通され、第5連絡管(30)と第1連絡管(26)とが連通され、第4連絡管(29)と第5連絡合流管(30a)とが連通され、第3連絡管(28)と第6連絡管(59)とが連通される。
これにより、低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、第3圧縮機構部(33)に吸入されると共に、その一部が低圧ガス管(25)の中途部に接続された低圧ガス分岐管(25a)と第2連絡管(27)とを通って第2圧縮機構部(32)に吸入される。そして、該第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)においてそれぞれ中間圧力状態となるまで圧縮される。
第2圧縮機構部(32)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第4連絡管(29)及び第5連絡合流管(30a)を通って第5連絡管(30)の中途部に流入する。一方、第3圧縮機構部(33)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第5連絡管(30)に流入して第5連絡合流管(30a)から流入する冷媒と合流する。合流後の冷媒は、第1連絡管(26)を通って第1圧縮機構部(31)に吸入され、該第1圧縮機構部(31)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。なお、第5連絡管(30)の第5連絡合流管(30a)よりも下流側には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第5連絡管(30)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第1圧縮機構部(31)に吸入される。
第1圧縮機構部(31)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第3連絡管(28)及び第6連絡管(59)を介してケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第1の状態では、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第1圧縮機構部(31)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、第1の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2及び第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3の和となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となる。よって、吸入容積比Vrは、V1/(V2+V3)となる。
一方、上記第2の状態では、低圧ガス分岐管(25a)と第1連絡管(26)とが連通され、第5連絡管(30)と第2連絡管(27)とが連通され、第4連絡管(29)と第6連絡管(59)とが連通され、第3連絡管(28)と第5連絡合流管(30a)とが連通される。
これにより、低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、第3圧縮機構部(33)に吸入されると共に、その一部が低圧ガス管(25)の中途部に接続された低圧ガス分岐管(25a)及び第1連絡管(26)を通って第1圧縮機構部(31)に吸入される。そして、該第1圧縮機構部(31)及び第3圧縮機構部(33)においてそれぞれ中間圧力状態となるまで圧縮される。
第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第3連絡管(28)及び第5連絡合流管(30a)を通って第5連絡管(30)の中途部に流入する。一方、第3圧縮機構部(33)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第5連絡管(30)に流入して第5連絡合流管(30a)から流入する冷媒と合流する。合流後の冷媒は、第2連絡管(27)を通って第2圧縮機構部(32)に吸入され、該第2圧縮機構部(32)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。なお、第5連絡管(30)の第5連絡合流管(30a)よりも下流側には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第5連絡管(30)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第2圧縮機構部(32)に吸入される。
第2圧縮機構部(32)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第4連絡管(29)及び第6連絡管(59)を介してケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第2の状態では、第1圧縮機構部(31)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、第2の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1及び第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3の和となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2となる。よって、吸入容積比Vrは、V2/(V1+V3)となる。
以上より、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第2四方弁(92)及び第3四方弁(93)によって、第1の状態から第2の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる一方、第2の状態から第1の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる。
−実施形態3の効果−
以上により、実施形態3の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第2四方弁(92)及び第3四方弁(93)によって、吸入容積の異なる2つの圧縮機構部(31,32)の接続関係を変更することにより、吸入容積比Vrを容易に変更することができる。
《発明の実施形態4》
図13及び図14に示す実施形態2の空気調和装置(1)について説明する。なお、以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
−全体構成−
実施形態4では、吸入容積比変更手段(2)は、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態と、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの2つの圧縮機構部(31,33)においては冷媒が圧縮される一方、残りの1つの圧縮機構部(32)において冷媒が圧縮されずに通過する第2の状態とに切り換える切換機構を有している。
具体的には、上記切換機構は、第5三方弁(94)によって構成されている。第5三方弁(94)は、第1〜第3ポート(P1,P2,P3)を備え、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通する第1の位置と、第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第2の位置に切り換え可能に構成されている。
実施形態4においても、高圧吐出管(56)は、高圧ガス管(21)を介して四方弁(17)の第1ポート(P1)に接続されている。また、四方弁(17)の第3ポート(P3)には、低圧ガス管(25)の一端が接続されている。低圧ガス管(25)の他端は、第1吸入管(51)に接続されている。
第1吐出管(52)には、第1連絡管(26)の一端が接続され、該第1連絡管(26)の他端は、第2吸入管(53)に接続されている。第1連絡管(26)の中途部には、第1連絡合流管(26a)の一端が接続され、該第1連絡分岐管(26a)の他端は、上記第5三方弁(94)の第3ポート(P3)に接続されている。また、第1連絡管(26)の中途部の上記第1連絡合流管(26a)の接続部よりも第2吸入管(53)側には、第1連絡分岐管(26b)の一端が接続され、該第1連絡分岐管(26b)の他端は第3吸入管(55)に接続されている。さらに、第1連絡管(26)の上記第1連絡合流管(26a)の接続部と上記第1連絡分岐管(26b)の接続部との間には、一端が上記気液分離器(14)に接続されたインジェクション管(20)の他端が接続されている。なお、インジェクション管(20)は、気液分離器(14)で気液分離されたガス冷媒を圧縮機(11)において圧縮される途中にある冷媒と合流させることによって該圧縮途中の冷媒を冷却する冷却手段を構成している。
第2吐出管(54)には、第2連絡管(27)の一端が接続され、該第2連絡管(27)の他端は、上記第5三方弁(94)の第2ポート(P2)に接続されている。該第5三方弁(94)の第1ポート(P1)には、高圧ガス合流管(21a)の一端が接続され、該高圧ガス合流管(21a)の他端は上記高圧ガス管(21)の中途部に接続されている。
その他の構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
−運転動作−
次に、空気調和装置(1)の運転動作について説明する。実施形態4においても空気調和装置(1)は、冷房運転(図13参照)と暖房運転(図14参照)とに切り換え可能となっている。なお、冷房運転動作及び暖房運転動作については実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
(吸入容積比変更手段の制御)
実施形態4においても、空気調和装置(1)の運転条件が変化すると、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが変更される。具体的には、運転条件が変化すると、図示しないコントローラによって切換機構を構成する第5三方弁(94)が第1の位置又は第2の位置に切り換えられて吸入容積比Vrが変更される。
より具体的には、第5三方弁(94)が第1の位置に切り換えられると、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態となる。一方、第5三方弁(94)が第2の位置に切り換えられると、第2圧縮機構部(32)の吸入側と吐出側とが等しい圧力状態となって冷媒が該第2圧縮機構部(32)を非圧縮で通過する一方、第1圧縮機構部(31)及び第3圧縮機構部(33)においては冷媒が圧縮される第2の状態となる。また、実施形態4では、冷房運転に切り換えられる際に、第5三方弁(94)が第1の位置に切り換えられて上記第1の状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、第5三方弁(94)が第2の位置に切り換えられて上記第2の状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図13に示すように、上記第1の状態では、第2連絡管(27)と高圧ガス合流管(21a)とが連通される。
これにより、低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、まず第1圧縮機構部(31)に吸入され、該第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮される。
第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)を通って第2圧縮機構部(32)に吸入されると共に、その一部が第1連絡管(26)の中途部に接続された第1連絡分岐管(26b)を通って第3圧縮機構部(33)に吸入される。なお、第1連絡管(26)の上記第1連絡分岐管(26b)よりも上流側には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第1連絡管(26)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)に吸入される。
第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)に吸入された冷媒は、該第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)においてそれぞれ高圧圧力状態となるまで圧縮される。そして、第2圧縮機構部(32)の冷媒は、第2連絡管(27)及び高圧ガス合流管(21a)を通って高圧ガス管(21)の中途部に流入する。一方、第3圧縮機構部(33)の冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第1の状態では、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続されて高段側圧縮機構として用いられる。これにより、第1の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2及び第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3の和となる。よって、吸入容積比Vrは、(V2+V3)/V1となる。
一方、上記第2の状態では、第2連絡管(27)と第1連絡合流管(26a)とが連通される。なお、上述のように、第1連絡合流管(26a)は第1連絡管(26)に接続され、該第1連絡管(26)は第2吸入管(53)に接続されている。また、第2連絡管(27)は第2吐出管(54)に接続されている。よって、第2の状態では、第2圧縮機構部(32)の吸入側と吐出側とが連通されて等しい圧力状態となる。そのため、3つの圧縮機構部(31,32,33)における冷媒の流れは以下のようになる。
低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、まず第1圧縮機構部(31)に吸入され、該第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮される。
第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)を通って第2圧縮機構部(32)に流入すると共に、その一部が第1連絡管(26)の中途部に接続された第1連絡分岐管(26b)を通って第3圧縮機構部(33)に吸入される。なお、第1連絡管(26)の上記第1連絡分岐管(26b)よりも上流側には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第1連絡管(26)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第2圧縮機構部(32)に流入すると共に第3圧縮機構部(33)に吸入される。
第2圧縮機構部(32)に流入した冷媒は、該第2圧縮機構部(32)において圧縮されずに該第2圧縮機構部(32)の内部を通過し、第2連絡管(27)及び第1連絡合流管(26a)を通って第1連絡管(26)の中途部に流入する。
一方、第3圧縮機構部(33)に吸入された冷媒は、該第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。そして、第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第2の状態では、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられると共に第3圧縮機構部(33)が高段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)はいずれの圧縮機構としても用いられない。これにより、第2の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3となる。よって、吸入容積比Vrは、V3/V1となる。
以上より、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第5三方弁(94)によって、第1の状態から第2の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる一方、第2の状態から第1の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる。
−実施形態4の効果−
以上により、実施形態4の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第5三方弁(94)によって、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態と、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの2つの圧縮機構部(31,33)においては冷媒が圧縮される一方、残りの1つの圧縮機構部(32)において冷媒が圧縮されずに通過する第2の状態とを切り換えることによって、吸入容積比Vrを容易に変更することができる。
《発明の実施形態5》
図15及び図16に示す実施形態5の空気調和装置(1)について説明する。なお、以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
−全体構成−
実施形態5では、第3圧縮機構部(33)は、実施形態1における第2圧縮機構部(32)とほぼ同様に構成されている。具体的には、実施形態1においてフロントヘッド(37)に形成されていた第3圧縮機構部(33)の吐出空間と吐出ポートが第3シリンダ(81)に形成されている(図示省略)。そして、吐出ポートには吐出弁が取り付けられ、吐出空間には第3吐出管(57)が接続されている。
上記第3吐出管(57)は、第1吐出管(52)及び第2吐出管(54)と同様にケーシング(40)の内外を貫くように設けられている。該第3吐出管(57)は、第2吐出管(54)の上方に設けられている。また、該第3吐出管(57)のさらに上方には、高圧連絡管(58)がケーシング(40)の内外を貫くように設けられている。該高圧連絡管(58)は、内側端部が電動機(34)と3つの圧縮機構部(31,32,33)との間において開口するように設けられている。
また、実施形態5では、吸入容積比変更手段(2)は、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態と、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの2つの圧縮機構部(31,32)においては冷媒が圧縮される一方、残りの1つの圧縮機構部(33)において冷媒が圧縮されずに通過する第2の状態とに切り換える切換機構を有している。
具体的には、上記切換機構は、第6三方弁(95)によって構成されている。第6三方弁(95)は、第1〜第3ポート(P1,P2,P3)を備え、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通する第1の位置と、第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第2の位置とに切り換え可能に構成されている。
実施形態5においても、高圧吐出管(56)は、高圧ガス管(21)を介して四方弁(17)の第1ポート(P1)に接続されている。また、四方弁(17)の第3ポート(P3)には、低圧ガス管(25)の一端が接続されている。低圧ガス管(25)の他端は、第1吸入管(51)に接続されている。また、低圧ガス管(25)の中途部には、低圧ガス分岐管(25a)の一端が接続され、該低圧ガス分岐管(25a)の他端は第6三方弁(95)の第3ポート(P3)に接続されている。
第1吐出管(52)には、第1連絡管(26)の一端が接続され、該第1連絡管(26)の他端は、第2吸入管(53)に接続されている。第1連絡管(26)の中途部には、第1連絡合流管(26a)の一端が接続され、該第1連絡合流管(26a)の他端は、第3吐出管(57)に接続されている。また、第1連絡管(26)の第1連絡合流管(26a)の接続部よりも第2吸入管(53)側には、第1連絡分岐管(26b)の一端が接続され、該第1連絡分岐管(26b)の他端は第6三方弁(95)の第1ポート(P1)に接続されている。さらに、第1連絡管(26)の上記第1連絡合流管(26a)の接続部と上記第1連絡分岐管(26b)の接続部との間には、一端が上記気液分離器(14)に接続されたインジェクション管(20)の他端が接続されている。なお、インジェクション管(20)は、気液分離器(14)で気液分離されたガス冷媒を圧縮機(11)において圧縮される途中にある冷媒と合流させることによって該圧縮途中の冷媒を冷却する冷却手段を構成している。
第6三方弁(95)の第2ポート(P2)には、第2連絡管(27)の一端が接続され、該第2連絡管(27)の他端は第3吸入管(55)に接続されている。また、第2吐出管(54)には、第3連絡管(28)の一端が接続され、該第3連絡管(28)の他端は、高圧連絡管(58)に接続されている。
その他の構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
−運転動作−
次に、空気調和装置(1)の運転動作について説明する。実施形態5においても空気調和装置(1)は、冷房運転(図16参照)と暖房運転(図15参照)とに切り換え可能となっている。なお、冷房運転動作及び暖房運転動作については実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
(吸入容積比変更手段の制御)
実施形態5においても、空気調和装置(1)の運転条件が変化すると、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが変更される。具体的には、運転条件が変化すると、図示しないコントローラによって切換機構を構成する第6三方弁(95)が第1の位置又は第2の位置に切り換えられて吸入容積比Vrが変更される。
より具体的には、第6三方弁(95)が第2の位置に切り換えられると、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態となる。一方、第6三方弁(95)が第1の位置に切り換えられると、第3圧縮機構部(33)の吸入側と吐出側とが等しい圧力状態となって冷媒が該第3圧縮機構部(33)を非圧縮で通過する一方、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)においては冷媒が圧縮される第2の状態となる。また、実施形態5では、暖房運転に切り換えられる際に、第6三方弁(95)が第2の位置に切り換えられて上記第1の状態となり、冷房運転に切り換えられる際に、第6三方弁(95)が第1の位置に切り換えられて上記第2の状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図15に示すように、上記第1の状態では、低圧ガス分岐管(25a)と第2連絡管(27)とが連通される。
これにより、低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、まず第1圧縮機構部(31)に吸入されると共に、その一部が低圧ガス管(25)の中途部に接続された低圧ガス分岐管(25a)及び第2連絡管(27)を通って第3圧縮機構部(33)に吸入される。そして、該第1圧縮機構部(31)及び第3圧縮機構部(33)においてそれぞれ中間圧力状態となるまで圧縮される。
第3圧縮機構部(33)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡合流管(26a)を通って第1連絡管(26)の中途部に流入する。一方、第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)に流入し、第1連絡合流管(26a)から流入する冷媒と合流して第2圧縮機構部(32)に吸入される。なお、第1連絡管(26)の上記第1連絡合流管(26a)よりも下流側には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第1連絡管(26)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第2圧縮機構部(32)に吸入される。
第2圧縮機構部(32)に吸入された冷媒は、該第2圧縮機構部(32)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。そして、第2圧縮機構部(32)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第3連絡管(28)を介してケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第1の状態では、第1圧縮機構部(31)及び第3圧縮機構部(33)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、第1の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1及び第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3の和となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2となる。よって、吸入容積比Vrは、V2/(V1+V3)となる。
一方、上記第2の状態では、第1連絡分岐管(26b)と第2連絡管(27)とが連通される。なお、上述のように、第1連絡分岐管(26b)は第1連絡管(26)に接続され、該第1連絡管(26)は第1連絡合流管(26a)を介して第3吐出管(57)に接続されている。また、第2連絡管(27)は第3吸入管(55)に接続されている。よって、第2の状態では、第3圧縮機構部(33)の吸入側と吐出側とが連通されて等しい圧力状態となる。そのため、3つの圧縮機構部(31,32,33)における冷媒の流れは以下のようになる。
低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、まず第1圧縮機構部(31)に吸入され、該第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮される。
第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)を通って第2圧縮機構部(32)に吸入されると共に、その一部が第1連絡管(26)の中途部に接続された第1連絡分岐管(26b)と第2連絡管(27)とを通って第3圧縮機構部(33)に流入する。なお、第1連絡管(26)の上記第1連絡分岐管(26b)よりも上流側には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第1連絡管(26)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第2圧縮機構部(32)に吸入されると共に第3圧縮機構部(33)に流入する。
第2圧縮機構部(32)に吸入された冷媒は、該第2圧縮機構部(32)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。そして、該第2圧縮機構部(32)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第3連絡管(28)を介してケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
一方、第3圧縮機構部(33)に流入した冷媒は、該第3圧縮機構部(33)において圧縮されずに該第3圧縮機構部(33)の内部を通過し、第1連絡合流管(26a)を通って第1連絡管(26)の中途部に流入する。
このように第2の状態では、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられると共に第2圧縮機構部(32)が高段側圧縮機構として用いられる一方、第3圧縮機構部(33)はいずれの圧縮機構としても用いられない。これにより、第2の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2となる。よって、吸入容積比Vrは、V2/V1となる。
以上より、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第6三方弁(95)によって、第1の状態から第2の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる一方、第2の状態から第1の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる。
−実施形態5の効果−
以上により、実施形態5の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第6三方弁(95)によって、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態と、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの2つの圧縮機構部(31,32)においては冷媒が圧縮される一方、残りの1つの圧縮機構部(33)において冷媒が圧縮されずに通過する第2の状態とに切り換えることにより、吸入容積比Vrを容易に変更することができる。
《発明の実施形態6》
図17及び図18に示す実施形態6の空気調和装置(1)について説明する。なお、以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
−全体構成−
実施形態6では、吸入容積比変更手段(2)は、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態と、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの2つの圧縮機構部(32,33)においては冷媒が圧縮される一方、残りの1つの圧縮機構部(31)において冷媒が圧縮されずに通過する第2の状態とに切り換える切換機構を有している。
具体的には、上記切換機構は、第7三方弁(96)によって構成されている。第7三方弁(96)は、第1〜第3ポート(P1,P2,P3)を備え、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通する第1の位置と、第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第2の位置とに切り換え可能に構成されている。
実施形態6においても、高圧吐出管(56)は、高圧ガス管(21)を介して四方弁(17)の第1ポート(P1)に接続されている。また、四方弁(17)の第3ポート(P3)には、低圧ガス管(25)の一端が接続され、該低圧ガス管(25)の他端は第2吸入管(53)に接続されている。また、低圧ガス管(25)の中途部には、低圧ガス分岐管(25a)の一端が接続され、該低圧ガス分岐管(25a)の他端は、第7三方弁(96)の第3ポート(P3)に接続されている。さらに、第7三方弁(96)の第2ポート(P2)には、第1連絡管(26)の一端が接続され、該第1連絡管(26)の他端は、第1吸入管(51)に接続されている。
第2吐出管(54)には、第2連絡管(27)の一端が接続され、該第2連絡管(27)の他端は第3吸入管(55)に接続されている。第2連絡管(27)の中途部には、第2連絡合流管(27a)の一端が接続され、該第2連絡合流管(27a)の他端は第1吐出管(52)に接続されている。また、第2連絡管(27)の第2連絡合流管(27a)の接続部よりも第3吸入管(55)側には、第2連絡分岐管(27b)の一端が接続され、該第2連絡分岐管(27b)の他端は第7三方弁(96)の第1ポート(P1)に接続されている。さらに、第2連絡管(27)の第2連絡合流管(27a)の接続部と第2連絡分岐管(27b)の接続部との間には、一端が上記気液分離器(14)に接続されたインジェクション管(20)の他端が接続されている。なお、インジェクション管(20)は、気液分離器(14)で気液分離されたガス冷媒を圧縮機(11)において圧縮される途中にある冷媒と合流させることによって該圧縮途中の冷媒を冷却する冷却手段を構成している。
その他の構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
−運転動作−
次に、空気調和装置(1)の運転動作について説明する。実施形態6においても空気調和装置(1)は、冷房運転(図18参照)と暖房運転(図17参照)とに切り換え可能となっている。なお、冷房運転動作及び暖房運転動作については実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
(吸入容積比変更手段の制御)
実施形態6においても、空気調和装置(1)の運転条件が変化すると、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが変更される。具体的には、運転条件が変化すると、図示しないコントローラによって切換機構を構成する第7三方弁(96)が第1の位置又は第2の位置に切り換えられて吸入容積比Vrが変更される。
より具体的には、第7三方弁(96)が第2の位置に切り換えられると、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態となる。一方、第7三方弁(96)が第1の位置に切り換えられると、第2圧縮機構部(32)の吸入側と吐出側とが等しい圧力状態となって冷媒が該第2圧縮機構部(32)を非圧縮で通過する一方、第1圧縮機構部(31)及び第3圧縮機構部(33)においては冷媒が圧縮される第2の状態となる。また、実施形態6では、暖房運転に切り換えられる際に、第7三方弁(96)が第2の位置に切り換えられて上記第1の状態となり、冷房運転に切り換えられる際に、第7三方弁(96)が第1の位置に切り換えられて上記第2の状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図17に示すように、上記第1の状態では、低圧ガス分岐管(25a)と第1連絡管(26)とが連通される。
これにより、低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、第2圧縮機構部(32)に吸入されると共に、その一部が低圧ガス管(25)の中途部に接続された低圧ガス分岐管(25a)と第1連絡管(26)を通って第1圧縮機構部(31)に吸入される。そして、該第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)においてそれぞれ中間圧力状態となるまで圧縮される。
第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第2連絡合流管(27a)を通って第2連絡管(27)の中途部に流入する。一方、第2圧縮機構部(32)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第2連絡管(27)に流入し、第2連絡合流管(27a)から流入する冷媒と合流して第3圧縮機構部(33)に吸入される。なお、第2連絡管(27)の第2連絡合流管(27a)よりも下流側には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第2連絡管(27)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第3圧縮機構部(33)に吸入される。
第3圧縮機構部(33)に吸入された冷媒は、該第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。そして、第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第1の状態では、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が並列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第3圧縮機構部(33)が高段側圧縮機構として用いられる。これにより、第1の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1及び第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2の和となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3となる。よって、吸入容積比Vrは、V3/(V1+V2)となる。
一方、上記第2の状態では、第2連絡分岐管(27b)と第1連絡管(26)とが連通される。なお、上述のように、第2連絡分岐管(27b)は第2連絡管(27)に接続され、該第2連絡管(27)には第1吐出管(52)に一端が接続された第2連絡合流管(27a)の他端が接続されている。また、第1連絡管(26)は第1吸入管(51)に接続されている。よって、第2の状態では、第1圧縮機構部(31)の吸入側と吐出側とが連通されて等しい圧力状態となる。そのため、3つの圧縮機構部(31,32,33)における冷媒の流れは以下のようになる。
低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、まず第2圧縮機構部(32)に吸入され、該第2圧縮機構部(32)において中間圧力状態となるまで圧縮される。
第2圧縮機構部(32)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第2連絡管(27)を通って第3圧縮機構部(33)に吸入されると共に、その一部が第2連絡管(27)の中途部に接続された第2連絡分岐管(27b)と第1連絡管(26)とを通って第1圧縮機構部(31)に流入する。なお、第2連絡管(27)の上記第2連絡分岐管(27b)よりも上流側には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第2連絡管(27)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第3圧縮機構部(33)に吸入されると共に第1圧縮機構部(31)に流入する。
第3圧縮機構部(33)に吸入された冷媒は、該第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。そして、第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
一方、第1圧縮機構部(31)に流入した冷媒は、該第1圧縮機構部(31)において圧縮されずに該第1圧縮機構部(31)の内部を通過し、第2連絡合流管(27a)を通って第2連絡管(27)の中途部に流入する。
このように第2の状態では、第2圧縮機構部(32)が低段側圧縮機構として用いられると共に第3圧縮機構部(33)が高段側圧縮機構として用いられる一方、第1圧縮機構部(31)はいずれの圧縮機構としても用いられない。これにより、第2の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3となる。よって、吸入容積比Vrは、V3/V2となる。
以上より、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第7三方弁(96)によって、第1の状態から第2の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる一方、第2の状態から第1の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる。
−実施形態6の効果−
以上により、実施形態6の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第7三方弁(96)によって、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態と、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの2つの圧縮機構部(32,33)においては冷媒が圧縮される一方、残りの1つの圧縮機構部(31)において冷媒が圧縮されずに通過する第2の状態とに切り換えることにより、吸入容積比Vrを容易に変更することができる。
《発明の実施形態7》
図19及び図20に示す実施形態7の空気調和装置(1)について説明する。なお、以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
−全体構成−
実施形態7では、吸入容積比変更手段(2)は、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態と、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの2つの圧縮機構部(31,33)においては冷媒が圧縮される一方、残りの1つの圧縮機構部(32)において冷媒が圧縮されずに通過する第2の状態とに切り換える切換機構を有している。
具体的には、上記切換機構は、第8三方弁(97)及び第9三方弁(98)によって構成されている。第8三方弁(97)及び第9三方弁(98)は、それぞれ第1〜第3ポート(P1,P2,P3)を備え、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通する第1の位置と、第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第2の位置とに切り換え可能に構成されている。
実施形態7においても、高圧吐出管(56)は、高圧ガス管(21)を介して四方弁(17)の第1ポート(P1)に接続されている。また、四方弁(17)の第3ポート(P3)には、低圧ガス管(25)の一端が接続されている。低圧ガス管(25)の他端は、第1吸入管(51)に接続されている。
第1吐出管(52)には、第1連絡管(26)の一端が接続され、該第1連絡管(26)の他端は、第2吸入管(53)に接続されている。第1連絡管(26)の中途部には、第1連絡合流管(26a)の一端が接続され、該第1連絡合流管(26a)の他端は、上記第8三方弁(97)の第1ポート(P1)に接続されている。また、第1連絡管(26)の中途部の上記第1連絡合流管(26a)の接続部よりも第2吸入管(53)側には、第1連絡分岐管(26b)の一端が接続され、該第1連絡分岐管(26b)の他端は第9三方弁(98)の第1ポート(P1)に接続されている。さらに、第1連絡管(26)の第1連絡合流管(26a)の接続部と第1連絡分岐管(26b)の接続部との間には、一端が上記気液分離器(14)に接続されたインジェクション管(20)の他端が接続されている。なお、インジェクション管(20)は、気液分離器(14)で気液分離されたガス冷媒を圧縮機(11)において圧縮される途中にある冷媒と合流させることによって該圧縮途中の冷媒を冷却する冷却手段を構成している。
第2吐出管(54)には、第2連絡管(27)の一端が接続され、該第2連絡管(27)の他端は、上記第8三方弁(97)の第2ポート(P2)に接続されている。該第8三方弁(97)の第3ポート(P3)には、第3連絡管(28)の一端が接続され、該第3連絡管(28)の他端は第9三方弁(98)の第3ポート(P3)に接続されている。また、第9三方弁(98)の第2ポート(P2)は、第4連絡管(29)の一端が接続され、該第4連絡管(29)の他端は第3吸入管(55)に接続されている。
その他の構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
−運転動作−
次に、空気調和装置(1)の運転動作について説明する。実施形態7においても空気調和装置(1)は、冷房運転(図19参照)と暖房運転(図20参照)とに切り換え可能となっている。なお、冷房運転動作及び暖房運転動作については実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
(吸入容積比変更手段の制御)
実施形態7においても、空気調和装置(1)の運転条件が変化すると、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが変更される。具体的には、運転条件が変化すると、図示しないコントローラによって切換機構を構成する第8三方弁(97)及び第9三方弁(98)が第1の位置又は第2の位置に切り換えられて吸入容積比Vrが変更される。
より具体的には、第8三方弁(97)及び第9三方弁(98)が第2の位置に切り換えられると、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態となる。一方、第8三方弁(97)及び第9三方弁(98)が第1の位置に切り換えられると、第2圧縮機構部(32)の吸入側と吐出側とが等しい圧力状態となって冷媒が該第2圧縮機構部(32)を非圧縮で通過する一方、第1圧縮機構部(31)及び第3圧縮機構部(33)においては冷媒が圧縮される第2の状態となる。また、実施形態7では、冷房運転に切り換えられる際に、第8三方弁(97)及び第9三方弁(98)が第2の位置に切り換えられて上記第1の状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、第8三方弁(97)及び第9三方弁(98)が第1の位置に切り換えられて上記第2の状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図19に示すように、上記第1の状態では、第2連絡管(27)と第3連絡管(28)とが連通されると共に、第3連絡管(28)と第4連絡管(29)とが連通される。
これにより、低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、まず第1圧縮機構部(31)に吸入され、該第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮される。
第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)を通って第2圧縮機構部(32)に吸入される。なお、第1連絡管(26)の中途部には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第1連絡管(26)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第2圧縮機構部(32)に吸入される。
第2圧縮機構部(32)に吸入された冷媒は、該第2圧縮機構部(32)において圧縮される。そして、第2圧縮機構部(32)において圧縮された冷媒は、第2連絡管(27)、第3連絡管(28)及び第4連絡管(29)を通って第3圧縮機構部(33)に吸入され、該第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。
第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第1の状態では、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が直列に接続されて高段側圧縮機構として用いられる。これにより、第1の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が上流側の第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2となる。よって、吸入容積比Vrは、V2/V1となる。
一方、上記第2の状態では、第2連絡管(27)と第1連絡合流管(26a)とが連通されると共に、第1連絡分岐管(26b)と第4連絡管(29)とが連通される。なお、上述のように、第1連絡管(26)は第2吸入管(53)に接続され、第1連絡分岐管(26b)は第1連絡管(26)に接続されている。また、該第1連絡管(26)には、第2連絡管(27)を介して第2吐出管(54)と連通する第1連絡合流管(26a)が接続されている。よって、第2の状態では、第2圧縮機構部(32)の吸入側と吐出側とが連通されて等しい圧力状態となる。そのため、3つの圧縮機構部(31,32,33)における冷媒の流れは以下のようになる。
低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、まず第1圧縮機構部(31)に吸入され、該第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮される。
第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)を通って第2圧縮機構部(32)に流入すると共に、その一部が第1連絡管(26)の中途部に接続された第1連絡分岐管(26b)及び第4連絡管(29)を通って第3圧縮機構部(33)に吸入される。なお、第1連絡管(26)の上記第1連絡分岐管(26b)よりも上流側には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)を介して流入する。そのため、第1連絡管(26)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第2圧縮機構部(32)に流入すると共に第3圧縮機構部(33)に吸入される。
第2圧縮機構部(32)に流入した冷媒は、該第2圧縮機構部(32)において圧縮されずに該第2圧縮機構部(32)の内部を通過し、第2連絡管(27)及び第1連絡合流管(26a)を通って第1連絡管(26)の中途部に流入する。
一方、第3圧縮機構部(33)に吸入された冷媒は、該第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。そして、第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第2の状態では、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられると共に第3圧縮機構部(33)が高段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)はいずれの圧縮機構としても用いられない。これにより、第2の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3となる。よって、吸入容積比Vrは、V3/V1となる。
以上より、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第8三方弁(97)及び第9三方弁(98)によって、第1の状態から第2の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる一方、第2の状態から第1の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる。
−実施形態7の効果−
以上により、実施形態7の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第8三方弁(97)及び第9三方弁(98)によって、3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態と、3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの2つの圧縮機構部(31,33)においては冷媒が圧縮される一方、残りの1つの圧縮機構部(32)において冷媒が圧縮されずに通過する第2の状態とに切り換えることにより、吸入容積比Vrを容易に変更することができる。
《発明の実施形態8》
図21及び図22に示す実施形態8の空気調和装置(1)について説明する。なお、以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
−全体構成−
実施形態8では、吸入容積比変更手段(2)は、圧縮機(11)の中間段の位置を変更する切換機構を有している。該切換機構は、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との間の冷媒を冷却する冷却手段を構成するインジェクション管(20)の接続先を変更可能に構成されている。
具体的には、上記切換機構は、第10三方弁(99)によって構成されている。第10三方弁(99)は、第1〜第3ポート(P1,P2,P3)を備え、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)とが連通する第1の位置と、第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第2の位置に切り換え可能に構成されている。
実施形態8においても、高圧吐出管(56)は、高圧ガス管(21)を介して四方弁(17)の第1ポート(P1)に接続されている。また、四方弁(17)の第3ポート(P3)には、低圧ガス管(25)の一端が接続されている。低圧ガス管(25)の他端は、第1吸入管(51)に接続されている。
第1吐出管(52)には、第1連絡管(26)の一端が接続され、該第1連絡管(26)の他端は、第2吸入管(53)に接続されている。また、第2吐出管(54)には、第2連絡管(27)の一端が接続され、該第2連絡管(27)の他端は、第3吸入管(55)に接続されている。
また、実施形態8では、第10三方弁(99)の第2ポート(P2)に、一端が気液分離器(14)に接続されたインジェクション管(20)の他端が接続されている。また、第10三方弁(99)の第1ポート(P1)には、第1インジェクション管(28)の一端が接続され、該第1インジェクション管(28)の他端は第1連絡管(26)の中途部に接続されている。さらに、第10三方弁(99)の第3ポート(P3)には、第2インジェクション管(29)の一端が接続され、該第2インジェクション管(29)の他端は第2連絡管(27)の中途部に接続されている。
なお、インジェクション管(20)は、気液分離器(14)で気液分離されたガス冷媒を圧縮機(11)において圧縮される途中にある冷媒と合流させることによって該圧縮途中の冷媒を冷却する冷却手段を構成している。
その他の構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
−運転動作−
次に、空気調和装置(1)の運転動作について説明する。実施形態8においても空気調和装置(1)は、冷房運転(図21参照)と暖房運転(図22参照)とに切り換え可能となっている。なお、冷房運転動作及び暖房運転動作については実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
(吸入容積比変更手段の制御)
実施形態8においても、空気調和装置(1)の運転条件が変化すると、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrが変更される。具体的には、運転条件が変化すると、図示しないコントローラによって切換機構を構成する第10三方弁(99)が第1の位置又は第2の位置に切り換えられて吸入容積比Vrが変更される。
より具体的には、第10三方弁(99)が第1の位置に切り換えられると、冷却手段を構成するインジェクション管(20)が第1圧縮機構部(31)と第2圧縮機構部(32)との間に接続される第1の状態となる。一方、第10三方弁(99)が第2の位置に切り換えられると、冷却手段を構成するインジェクション管(20)が第2圧縮機構部(32)と第3圧縮機構部(33)との間に接続される第2の状態となる。また、実施形態8では、冷房運転に切り換えられる際に、第10三方弁(99)が第1の位置に切り換えられて上記第1の状態となり、暖房運転に切り換えられる際に、第10三方弁(99)が第2の位置に切り換えられて上記第2の状態となる。以下、それぞれの状態と吸入容積比Vrとの関係について詳述する。
図21に示すように、上記第1の状態では、インジェクション管(20)と第1インジェクション管(28)とが連通される。第1インジェクション管(28)は、第1圧縮機構部(31)と第2圧縮機構部(32)とを接続する第1連絡管(26)の中途部に接続されているため、第1の状態では、インジェクション管(20)が第1インジェクション管(28)を介して第1圧縮機構部(31)と第2圧縮機構部(32)との間に接続されることとなる。そのため、3つの圧縮機構部(31,32,33)における冷媒の流れは以下のようになる。
低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、まず第1圧縮機構部(31)に吸入され、該第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮される。
第1圧縮機構部(31)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)を通って第2圧縮機構部(32)に吸入される。なお、第1連絡管(26)の中途部には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)及び第1インジェクション管(28)を介して流入する。そのため、第1連絡管(26)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第2圧縮機構部(32)に吸入される。
第2圧縮機構部(32)に吸入された冷媒は、該第2圧縮機構部(32)において圧縮され、第2連絡管(27)を通って第3圧縮機構部(33)に吸入される。第3圧縮機構部(33)に吸入された冷媒は、該第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。
第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第1の状態では、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒によって第1圧縮機構部(31)と第2圧縮機構部(32)との間の冷媒が冷却される。これにより、第1圧縮機構部(31)が低段側圧縮機構として用いられる一方、第2圧縮機構部(32)及び第3圧縮機構部(33)が直列に接続されて高段側圧縮機構として用いられることとなる。その結果、第1の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が上流側の第2圧縮機構部(32)の吸入容積V2となる。よって、吸入容積比Vrは、V2/V1となる。
一方、上記第2の状態では、インジェクション管(20)と第2インジェクション管(29)とが連通される。第2インジェクション管(29)は、第2圧縮機構部(32)と第3圧縮機構部(33)とを接続する第2連絡管(27)の中途部に接続されているため、第2の状態では、インジェクション管(20)が第2インジェクション管(29)を介して第2圧縮機構部(32)と第3圧縮機構部(33)との間に接続されることとなる。そのため、3つの圧縮機構部(31,32,33)における冷媒の流れは以下のようになる。
低圧ガス管(25)の低圧圧力状態の冷媒は、まず第1圧縮機構部(31)に吸入されて圧縮される。そして、第1圧縮機構部(31)において圧縮された冷媒は、第1連絡管(26)を通って第2圧縮機構部(32)に吸入され、該第2圧縮機構部(32)において中間圧力状態となるまで圧縮される。
第2圧縮機構部(32)において中間圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、第2連絡管(27)を通って第3圧縮機構部(33)に吸入され、該第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮される。なお、第2連絡管(27)の中途部には、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒がインジェクション管(20)及び第2インジェクション管(29)を介して流入する。そのため、第2連絡管(27)を流れる冷媒は、インジェクション管(20)から流入するガス冷媒によって冷却された後、第3圧縮機構部(33)に吸入される。
第3圧縮機構部(33)において高圧圧力状態となるまで圧縮された冷媒は、ケーシング(40)の内部空間(S1)に吐出され、やがて高圧吐出管(56)を介して高圧ガス管(21)に流入する。
このように第2の状態では、気液分離器(14)において液冷媒と分離されたガス冷媒によって第2圧縮機構部(32)と第3圧縮機構部(33)との間の冷媒が冷却される。これにより、第1圧縮機構部(31)及び第2圧縮機構部(32)が直列に接続されて低段側圧縮機構として用いられる一方、第3圧縮機構部(33)が高段側圧縮機構として用いられる。その結果、第1の状態では、低段側圧縮機構の吸入容積が上流側の第1圧縮機構部(31)の吸入容積V1となり、高段側圧縮機構の吸入容積が第3圧縮機構部(33)の吸入容積V3となる。よって、吸入容積比Vrは、V3/V1となる。
以上より、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第10三方弁(99)によって、第1の状態から第2の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは小さくなる一方、第2の状態から第1の状態に切り換えられると吸入容積比Vrは大きくなる。
−実施形態8の効果−
以上により、実施形態8の空気調和装置(1)によっても、吸入容積比変更手段(2)の切換機構を構成する第10三方弁(99)によって、圧縮機(11)の中間段の位置を変更することにより、吸入容積比Vrを容易に変更することができる。
なお、本実施形態8では、第1圧縮機構部(31)が本発明に係る第1の圧縮機構部を構成し、第2圧縮機構部(32)が本発明に係る第2の圧縮機構部を構成し、第3圧縮機構部(33)が本発明に係る第3の圧縮機構部を構成している。しかしながら、本発明に係る第1の圧縮機構部、第2の圧縮機構部及び第3の圧縮機構部の構成はこれに限られず、例えば、第2圧縮機構部(32)が本発明に係る第1の圧縮機構部を構成し、第1圧縮機構部(31)が本発明に係る第2の圧縮機構部を構成し、第3圧縮機構部(33)が本発明に係る第3圧縮機構部(33)を構成してもよい。
《その他の実施形態》
上述した各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記圧縮機構は、図23に示す変形例のように構成してもよい。
この変形例は、2シリンダ室型圧縮機構部が2つのシリンダ室が互いに独立する2つの圧縮機構部として構成され、圧縮機に、1つの2シリンダ室型圧縮機構部と1つの1シリンダ室型圧縮機構部が設けられているものである。
具体的には、図23に示すように、この圧縮機(11)は、縦長で密閉容器状のケーシング(21)の内部に、電動機(34)と圧縮機構(31,32,33)とが収納されている。この圧縮機(11)は、圧縮機構(31,32,33)を除いては、基本的に実施形態1と構成が同じであるため、以下、実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
この圧縮機(11)では、2シリンダ室型の圧縮機構部(31,32)が下方に配置され、その上方に1シリンダ室型の圧縮機構部(33)が配置されている。そして、2シリンダ室型の圧縮機構部(31,32)により第1圧縮機構部(31)と第2圧縮機構部(32)が構成され、1シリンダ室型の圧縮機構部(33)により第3圧縮機構部(33)が構成されている。
つまり、2シリンダ室型の圧縮機構部(31,32)のシリンダ(61(71))とピストン(62(72))との間に形成される内側シリンダ室(C2)により第1圧縮機構部(31)が構成され、外側シリンダ室(C1)により第2圧縮機構部(32)が構成されている。第1圧縮機構部(31)には第1吸入管(51)及び第1吐出管(52)が連通し、第2圧縮機構部(32)には第2吸入管(53)及び第2吐出管(54)が連通している。
2シリンダ室型の圧縮機構部(31,32)と1シリンダ室型の圧縮機構部(33)との間にはミドルプレート(38)が設けられている。第3圧縮機構(33)のシリンダ(81)とピストン(80)は、このミドルプレート(38)とフロントヘッド(37)の間に配置されている。
また、駆動軸(35)には、第1,第2圧縮機構部(31,32)の環状ピストン(62(72))と嵌合する偏心部(35b(35c))と、第3圧縮機構部(33)の偏心ピストン(82)と嵌合する偏心部(35d)が形成されている。
2シリンダ室型の圧縮機構(31,32)の軸方向長さ寸法は、シリンダ容積の関係で、1シリンダ室型の圧縮機構(33)の軸方向長さ寸法よりも大きく設定されている。
圧縮機構(31,32,33)をこのように構成しても、実施形態1から8の冷媒回路(10)に接続することができる。そして、実施形態1から8と同様に、それぞれ2つの運転状態を切り換えることにより、吸入容積比を変更し、最適COPの運転を行うことが可能である。
また、上記各実施形態について、冷媒回路(10)に充填される冷媒が二酸化炭素以外の冷媒(例えばフロン冷媒)であってもよい。
また、上記各実施形態では、3つの圧縮機構部(31,32,33)は、ブレード(63,73,83)がピストン(62,72,82)と一体的に形成された所謂揺動ピストン型の圧縮機構によって構成されていたが、該3つの圧縮機構部(31,32,33)は、ブレード(63,73,83)がピストン(62,72,82)と別体に形成された所謂ローリングピストン型の圧縮機構によって構成されていてもよい。
また、上記各実施形態では、圧縮機(11)の中間段の冷媒を冷却する冷却手段としてインジェクション管(20)を用いていたが、冷却手段として熱交換器(中間冷却器)を用いてもよい。
また、上記各実施形態では、吸入容積比変更手段(2)の切換機構として三方弁又は四方弁を用いていたが、切換機構を複数の電磁弁によって代用することも可能である。
また、上記各実施形態では、冷房運転又は暖房運転に切り換えられる際に、吸入容積比変更手段(2)によって吸入容積比Vrを変更していたが、吸入容積比Vrの変更を行うタイミングはこれらに限られず、様々な運転条件の変化に応じて変更することにより、運転条件の変化に拘わらず高いCOPを得ることが可能となることは言うまでもない。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、二段圧縮冷凍サイクルの冷凍装置について有用である。
図1は、実施形態1に係る空気調和装置の冷媒回路図である。 図2は、実施形態1の圧縮機の縦断面図である。 図3は、実施形態1の第1,第3圧縮機構部の横断面図である。 図4は、実施形態1の第1,第3圧縮機構部の動作状態図である。 図5は、実施形態1の第2圧縮機構部の横断面図である。 図6は、実施形態1の第2圧縮機構部の動作状態図である。 図7は、実施形態1に係る空気調和装置の第1の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図8は、実施形態1に係る空気調和装置の第2の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図9は、実施形態2に係る空気調和装置の第1の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図10は、実施形態2に係る空気調和装置の第2の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図11は、実施形態3に係る空気調和装置の第1の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図12は、実施形態3に係る空気調和装置の第2の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図13は、実施形態4に係る空気調和装置の第1の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図14は、実施形態4に係る空気調和装置の第2の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図15は、実施形態5に係る空気調和装置の第1の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図16は、実施形態5に係る空気調和装置の第2の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図17は、実施形態6に係る空気調和装置の第1の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図18は、実施形態6に係る空気調和装置の第2の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図19は、実施形態7に係る空気調和装置の第1の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図20は、実施形態7に係る空気調和装置の第2の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図21は、実施形態8に係る空気調和装置の第1の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図22は、実施形態8に係る空気調和装置の第2の状態における冷媒の流れを示す冷媒回路図である。 図23は、変形例に係る圧縮機の縦断面図である。
符号の説明
1 空気調和装置(冷凍装置)
2 吸入容積比変更手段
10 冷媒回路
11 圧縮機
18 第1三方弁(切換機構)
19 第2三方弁(切換機構)
31 第1圧縮機構部
32 第2圧縮機構部
33 第3圧縮機構部
35 駆動軸
90 第3三方弁(切換機構)
91 第4三方弁(切換機構)
92 第2四方弁(切換機構)
93 第3四方弁(切換機構)
94 第5三方弁(切換機構)
95 第6三方弁(切換機構)
96 第7三方弁(切換機構)
97 第8三方弁(切換機構)
98 第9三方弁(切換機構)
99 第10三方弁(切換機構)

Claims (13)

  1. 複数のロータリ型の圧縮機構部(31,32,33)が1本の駆動軸(35)で機械的に連結された圧縮機(11)を有する冷媒回路(10)を備えて二段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置であって、
    上記圧縮機(11)は上記圧縮機構部(31,32,33)を3つ備え、
    少なくとも1つの圧縮機構部は、シリンダ空間の中で偏心回転運動をする環状の偏心ピストン(62,82)の内周側と外周側に2つのシリンダ室を有する2シリンダ室型の圧縮機構部(31,33)により構成され、
    他の圧縮機構部は、シリンダ空間の中で偏心回転運動をする偏心ピストン(72)の外周側に1つのシリンダ室を有する1シリンダ室型の圧縮機構部(32)により構成され、
    低段側圧縮機構と高段側圧縮機構との吸入容積の比率である吸入容積比を変更する吸入容積比変更手段(2)を備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    2シリンダ室型の圧縮機構部が2つのシリンダ室を有する1つの圧縮機構部として構成され、
    2つの2シリンダ室型圧縮機構部と1つの1シリンダ室型圧縮機構部が設けられていることを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1において、
    2シリンダ室型の圧縮機構部は2つのシリンダ室が互いに独立する2つの圧縮機構部として構成され、
    1つの2シリンダ室型圧縮機構部と1つの1シリンダ室型圧縮機構部が設けられていることを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1から3の何れか1つにおいて、
    上記吸入容積比変更手段(2)は、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)の接続関係を変更することにより、上記吸入容積比を変更する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項4において、
    上記吸入容積比変更手段(2)は、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの低段側圧縮機構として用いられる2つの圧縮機構部(31,32)が直列に接続される状態と並列に接続される状態とに切り換える切換機構(18,19)を有している
    ことを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項4において、
    上記吸入容積比変更手段(2)は、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの高段側圧縮機構として用いられる2つの圧縮機構部(32,33)が直列に接続される状態と並列に接続される状態とに切り換える切換機構(90,91)を有している
    ことを特徴とする冷凍装置。
  7. 請求項4において、
    上記3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちのいずれか2つの圧縮機構部(31,32)は、吸入容積が異なるように構成され、
    上記吸入容積比変更手段(2)は、上記吸入容積の異なる2つの圧縮機構部(31,32)の接続関係を変更する切換機構(92,93)を有している
    ことを特徴とする冷凍装置。
  8. 請求項7において、
    上記2つの圧縮機構部(31,32)は、一方が低段側圧縮機構として用いられ、他方が高段側圧縮機構として用いられるように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  9. 請求項1から3の何れか1つにおいて、
    上記吸入容積比変更手段(2)は、
    上記3つの圧縮機構部(31,32,33)の全ての圧縮機構部において冷媒が圧縮される第1の状態と、
    上記3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちの2つの圧縮機構部において冷媒が圧縮される一方、残りの1つの圧縮機構部では、吸入側と吐出側とが等しい圧力状態となって冷媒が圧縮されずに通過する第2の状態と
    に切り換える切換機構(94,95,96,97,98)を有している
    ことを特徴とする冷凍装置。
  10. 請求項9において、
    上記切換機構(94,95,96)は、
    上記第1の状態では、上記3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちのいずれか2つの圧縮機構部が並列に接続される一方、
    上記第2の状態では、上記第1の状態において並列に接続された2つの圧縮機構部のうちの一方の圧縮機構部の吸入側と吐出側とが連通する
    ように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  11. 請求項9において、
    上記3つの圧縮機構部(31,32,33)のうちのいずれか2つの圧縮機構部(32,33)は、吸入容積が異なるように構成され、
    上記切換機構(97,98)は、
    上記第1の状態では、上記吸入容積の異なる2つの圧縮機構部(32,33)が直列に接続されて両圧縮機構部(32,33)が低段側圧縮機構又は高段側圧縮機構として用いられる一方、
    上記第2の状態では、上記第1の状態において直列に接続された2つの圧縮機構部(32,33)のうちの上流側の圧縮機構部(32)の吸入側と吐出側とが連通される
    ように構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  12. 請求項1において、
    上記3つの圧縮機構部(31,32,33)は、第1の圧縮機構部(31)、第2の圧縮機構部(32)、第3の圧縮機構部(33)の順に直列に接続され、
    上記吸入容積比変更手段(2)は、
    上記第1の圧縮機構部(31)と第2の圧縮機構部(32)との間の冷媒を冷却して該第1の圧縮機構部(31)を低段側圧縮機構として用いる一方、上記第2の圧縮機構部(32)及び上記第3の圧縮機構部(33)を高段側圧縮機構として用いる第1の状態と、
    上記第2の圧縮機構部(32)と第3の圧縮機構部(33)との間の冷媒を冷却して上記第1の圧縮機構部(31)及び上記第2の圧縮機構部(32)を低段側圧縮機構として用いる一方、上記第3の圧縮機構部(33)を高段側圧縮機構として用いる第2の状態と
    に切り換える切換機構(98)を有している
    ことを特徴とする冷凍装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1つにおいて、
    上記冷媒回路(10)を流通する冷媒が二酸化炭素である
    ことを特徴とする冷凍装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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