JP2010156178A - 素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造および基礎構築工法 - Google Patents

素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造および基礎構築工法 Download PDF

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秀明 岡田
Kazuhiko Tanimura
和彦 谷村
Takashi Ikeda
崇 池田
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Abstract

【課題】史跡跡地や歴史的に重要な文化財などが建ち掘削が行えない敷地、或いは掘削が制限されている敷地に好適に実施でき、大規模な仮設構造物を撤去する際に解体・撤去作業を効率よく行い得る、素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造および基礎構築工法を提供する。
【解決手段】地盤上11に、土間スラブ2と、仮設構造物の柱脚部10aを支持する柱脚支持ブロック3とが現場打ちコンクリートで一体的に構築され、前記柱脚支持ブロック3の両側に、重し用のプレキャストコンクリートブロック4が複数設置され、前記柱脚支持ブロック3および重し用のプレキャストコンクリートブロック4は、水平方向へ共通に貫通させたPC鋼材5で緊張して一体的構造とされている。
【選択図】図1

Description

この発明は、素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造および基礎構築工法の技術分野に属し、更に云えば、史跡跡地や歴史的に重要な文化財などが建ち掘削が行えない敷地、或いは掘削が制限されている敷地に好適に実施でき、前記仮設構造物を撤去する際に解体・撤去作業を効率よく行い得る重力式の基礎構造に関する。
史跡跡地や歴史的に重要な文化財などが建ち掘削が行えない敷地、或いは掘削が制限されている敷地に素屋根等の大規模な仮設構造物を構築する場合、仮設構造物の基礎は、地盤に杭を打設あるいは掘削して構築することができないため、地盤上にコンクリート基礎を構築することが一般的に行われている。このようなコンクリート基礎は、必然的に大規模なものとなるので、通常、現地にコンクリートを打設して構築している(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、前記コンクリート基礎は大規模であるが故に、解体・撤去作業にかなりの労力と時間を要するという問題があった。また、撤去したコンクリート基礎はそのほとんどが転用することができず、多量の産業廃棄物になるという環境的な問題もあった。さらに、コンクリートの斫り作業時の騒音問題に加え、斫り作業時の振動により地盤(敷地)を損傷させる虞があるという致命的な問題もあった。
ところで、近年、予め撤去されることを想定し、撤去作業を容易に行うことができ、さらに転用することが可能な基礎構造に関する発明が種々開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1は、同文献1の図1〜図3に示したように、矩形(長方形状)の成形板8a〜8dを井桁状に重合し、当該重合した成形板8a〜8dを鉛直方向に貫通させた複数のボルト9をナットで締結することにより一体とした基礎ユニット7を並設して成る立体駐車装置の基礎構造に関する発明が開示されている。
この発明によると、前記ボルト9とナットとの締結状態を解除することにより、成形板8a〜8dを容易に撤去できる。また、転用することもできる。
特許文献2は、同文献2の図1、図2に示したように、複数の長方形状のプレキャストコンクリート版2を井桁状に積み上げ、複数のアンカーボルト4を貫通させて一体化させて成るタワークレーン用の基礎に関する発明が開示されている。
この発明によると、井桁状に積み上げたプレキャストコンクリート版2をそのまま移動式クレーン等により揚重して搬出できるので、容易に撤去できる。また、転用することもできる。
実開平5−89726号公報 実開平7−35540号公報 周防国分寺フォトグラフィ(http:// www5.ocn.ne.jp/~suoukoku/ phpto04.html)の「基礎コンクリート(3月)」
上記特許文献1、2に係る発明は、立体駐車装置およびタワークレーン用の基礎構造に係り、いずれも小規模な基礎構造を対象としており、素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造には到底適用できない。
本発明の目的は、史跡跡地や歴史的に重要な文化財などが建ち掘削が行えない敷地、或いは掘削が制限されている敷地に好適に実施でき、大規模な仮設構造物を撤去する際に解体・撤去作業を効率よく行い得る、素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造および基礎構築工法を提供することである。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明は、素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造において、地盤上に、土間スラブと、前記仮設構造物の柱脚部を支持する柱脚支持ブロックとが現場打ちコンクリートで一体的に構築され、前記柱脚支持ブロックの両側に、重し用のプレキャストコンクリートブロックが複数設置され、前記柱脚支持ブロックおよび重し用のプレキャストコンクリートブロックは、水平方向へ共通に貫通させたPC鋼材で緊張して一体的構造とされていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造において、地盤上に砂層が形成され、砂層の上に、前記土間スラブと柱脚支持ブロックとが現場打ちコンクリートで一体的に構築されていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造において、前記柱脚支持ブロックの上面に、前記仮設構造物を構成する鉄骨柱の柱脚部が載置され、当該柱脚部の下端に設けたベースプレートがアンカーボルトで固定されていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造において、前記重し用のプレキャストコンクリートブロックは、下端を土間スラブに固定して鉛直に立てたアンカーボルトを貫通させて土間スラブに固定されていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造において、地盤上に、重し用のプレキャストコンクリートブロックが複数並べて設置され、前記重し用のプレキャストコンクリートブロックは、水平方向に貫通させたPC鋼材で緊張して一体的構造とされていること、
前記重し用のプレキャストコンクリートブロックのいずれか一の上面に、前記仮設構造物の柱脚部が載置され、当該柱脚部の下端に設けたベースプレートがアンカーボルトで固定されていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構築工法において、地盤上に、土間スラブと、前記仮設構造物の柱脚部を支持する柱脚支持ブロックとを現場打ちコンクリートで一体的に構築し、前記柱脚支持ブロックの両側に、重し用のプレキャストコンクリートブロックを複数設置し、前記柱脚支持ブロックおよび重し用のプレキャストコンクリートブロックは、水平方向に共通に貫通させたPC鋼材で緊張して一体的構造とすることを特徴とする。
本発明に係る素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造および基礎構築工法は、以下の効果を奏する。
1)地盤を一切掘削することなく基礎構造を構築できるので、史跡跡地や歴史的に重要な文化財などが建ち掘削が行えない敷地、或いは掘削が制限されている敷地で好適に実施できる。
2)基礎構造の下端部を土間スラブとすることで、土間スラブの自重量および土間スラブと地盤との摩擦力が基礎構造の安定性に有効に作用するので、基礎構造を合理的かつ経済的に構築することができる。
3)重し用のプレキャストコンクリートブロックは、十分に運搬可能な大きさで実施するので、持ち運びに便利で、転用も可能であり、産業廃棄物になることもない。また、構築する基礎構造に要求される引張り抵抗力の大きさに応じて適宜増減することで対応可能であり、フレキシビリティーに優れている。
4)基礎構造(仮設構造物)の解体・撤去時には、PC鋼棒(PC鋼材)の緊張状態を解除するだけで、運搬可能な重し用のプレキャストコンクリートブロックを容易に撤去できるので、作業性に優れている。加えて、コンクリートの斫り作業をほとんど行わずに解体・撤去作業を行い得るので、コンクリートの斫り作業時の騒音問題も解消され、斫り作業時の振動により地盤(敷地)を損傷する虞もない。
5)地盤上に砂層を形成し、砂層の上に土間スラブを施工して実施する場合には、土間スラブの撤去作業も容易に行うことができる(以上、実施例1を参照)。
6)支柱の柱脚部を柱脚支持ブロックの上面に載置する構成で実施する場合は、基礎構造の解体・撤去作業をさらに効率よく行うことができ、産業廃棄物をさらに低減できる(実施例2を参照)。
7)重し用のプレキャストコンクリートブロックをL型アンカーボルトで土間スラブに固定して実施する場合は、基礎構造の引張り抵抗力をさらに向上させることができる(実施例3を参照)。
8)基礎構造の主要部をすべて重し用のプレキャストコンクリートブロックで構築する場合は、基礎構造の解体・撤去作業をさらに効率よく行うことができる(実施例4を参照)。
建造物Aを覆う素屋根(大規模な仮設構造物)の全体構造を概略的に示した立面図である。 Aは、実施例1に係る大規模な仮設構造物の基礎構造を具体的に示した立面図であり、Bは、同平面図である。 Aは、実施例2に係る大規模な仮設構造物の基礎構造を具体的に示した立面図であり、Bは、同平面図である。 Aは、実施例3に係る大規模な仮設構造物の基礎構造を具体的に示した立面図であり、Bは、同平面図である。 Aは、実施例4に係る大規模な仮設構造物の基礎構造を具体的に示した立面図であり、Bは、同平面図である。
本発明は、主として、史跡跡地や歴史的に重要な文化財などが建ち掘削が行えない敷地、或いは掘削が制限されている敷地で、素屋根等の大規模な仮設構造物を支持する基礎構造を、掘削や杭打ちを行うことなく構築するのに好適な発明である。更に云えば、前記大規模な仮設構造物を撤去する際に、基礎構造の解体・撤去作業を効率よく行うのに好適な発明である。
以下に、本発明に係る素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造および基礎構築工法の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、寺社仏閣等の歴史的に重要な建造物Aを覆う素屋根(大規模な仮設構造物)10の全体構造を概略的に示しており、図2は、前記素屋根10の基礎構造1を具体的に示している。
この実施例1に係る素屋根10の基礎構造1は、地盤11上に、土間スラブ2と、素屋根10の柱脚部10aを支持する柱脚支持ブロック3とが現場打ちコンクリートで一体的に構築され、前記柱脚支持ブロック3の両側に、重し用のプレキャストコンクリートブロック4が複数設置され、前記柱脚支持ブロック3および重し用のプレキャストコンクリートブロック4は、水平方向へ共通に貫通させたPC鋼材5で緊張して一体的構造とされている。
本発明に係る基礎構造1の大きさ及び形状は、素屋根10、ひいては前記建造物Aの規模および形状に応じて適宜設計変更される。ちなみに、この実施例1に係る基礎構造1は、前記建造物Aを十分に覆う素屋根10を支持する複数の支柱(鉄骨柱)の柱脚部10a(図1の紙面の垂直方向にほぼ等間隔に配置)を、前記柱脚支持ブロック3で個別に支持する形態で実施している。
前記土間スラブ2は、一例として、D13−@200ダブルの現場打ちコンクリートで施工される。本実施例に係る土間スラブ2は、図2に示したように、方形状に形成され、前記支柱の本数に応じて、図1の紙面に垂直方向に断続的に設けて実施しているが、これに限定されない。素屋根10を支持する複数の支柱に共通する一体の広大な土間スラブ2を、図1の紙面に垂直方向に連続的に設けて実施することもできる。ちなみに、図示例に係る土間スラブ2は、縦横500×500cm程度、高さ25cm程度の大きさで実施している。
前記柱脚支持ブロック3は、土間スラブと同様に現場打ちコンクリートで施工される。本実施例に係る柱脚支持ブロック3は、施工した土間スラブ2の上面に支柱の柱脚部10aを設置し、当該柱脚部10aをアンカーボルト6等で土間スラブ2に固定し、所要の配筋を行った後で、コンクリートを打設して施工する。この際、コンクリートを打設する前に予め、PC鋼材(PC鋼棒)5を通す部位、即ち、前記重し用のプレキャストコンクリートブロック4に設けた貫通孔と同心円配置となる部位にシース管(図示省略)を水平方向に配設している。
なお、本実施例に係る柱脚支持ブロック3は、縦横160×90cm程度、高さ120cm程度の大きさの直方体形状で実施しているが、これに限定されず、使用する支柱のサイズ等に応じて適宜設計変更される。ただし、本発明に係る基礎構造1は、効率よく解体・撤去作業を行うことを主目的とするため、土間スラブ2と一体成形される柱脚支持ブロック3は、必要以上に大規模に施工するのは解体・撤去作業上好ましくなく、仮設構造物10の支柱の柱脚部10aを支持するに足る程度の規模で実施することが好ましい。基礎構造1に要求される剛性は、前記柱脚支持ブロック3の両側面に設置する重し用のプレキャストコンクリートブロック4の重量又は数量を適宜調整することで十分に充足できるので特に問題はない。
ちなみに、前記シース管は必須の構成要素ではなく、例えば、孔形成のための仮設部材を仮設しておき、コンクリート打設後に当該仮設部材を撤去して貫通孔を形成することもできる。以下の実施例2、3についても同様の技術的思想とする。
前記重し用のプレキャストコンクリートブロック4(以下、ブロック4と略称する場合がある。)は、縦横160×85cm程度、高さ120cm程度の大きさの直方体形状で製作され、前記柱脚支持ブロック3の両側面に密着状態に設置され、全体として上面及び側面がほぼ面一の直方体形状となるように敷き並べられている。また、前記ブロック4は、PC鋼材5を水平に通す貫通孔がシース管を打ち込む等して設けられており、当該貫通孔が、前記柱脚支持ブロック3に設けた貫通孔(シース管)と一致するように敷き並べられている。
なお、本実施例では、前記ブロック4を2個用い、前記柱脚支持ブロック3の両側面に1つずつ設置して実施しているがこれに限定されない。前記ブロック4を4個用い、前記柱脚支持ブロック3の両側面に2つずつ敷き並べて設置する等、基礎構造1に要求される引張り抵抗力の大きさに応じてフレキシブルに設計変更可能である。以下の実施例2、3についても同様の技術的思想とする。
かくして、前記柱脚支持ブロック3および重し用のプレキャストコンクリートブロック4は、一方向に密着状態に敷き並べられ、これらを水平方向へ共通に貫通させたPC鋼材5で緊張して一体的構造とされる。本実施例に係るPC鋼材5は、PC鋼棒5が好適であるが、構造設計に応じてワイヤー等のPC鋼材でも同様に実施可能である。前記PC鋼棒5は、前記柱脚支持ブロック3及びブロック4に設けた一致する貫通孔へ貫通させ、その両端部を定着具7で定着して緊張し、当該PC鋼棒5の緊張力によって柱脚支持ブロック3及び個々のブロック4同士を圧着接合して実施している。
なお、本実施例に係るPC鋼棒5は、正面方向から見てほぼ中央部に一段設け、平面方向から見てバランスよく二列に設けて実施しているが、配設部位は図示例に限定されず、構造設計に応じて例えば上下二段に設けて実施することもできる。また、前記PC鋼棒5とシース管とはグラウトを充填することにより定着させて実施することもできるし、グラウトを充填しないでアンボンドとして実施することもできる。
上記した素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造10は、先ず、地盤11上に、土間スラブ2(一例として、D13−@200ダブル)を、平面方向から見て方形状に現場打ちコンクリートで施工し、前記土間スラブ2の上面中央部に、前記仮設構造物10の柱脚部10aを支持する柱脚支持ブロック3をやはり現場打ちコンクリートで構築して一体化する。前記柱脚支持ブロック3を構築する場合には予め、配筋作業は勿論のこと、H形鋼、I形鋼等の支柱(鉄骨柱)の柱脚部10aを土間スラブ2の上面にアンカーボルト6等で固定し、前記重し用のプレキャストコンクリートブロック4に設けた貫通孔と一致する位置にシース管を水平方向に配設しておく。
なお、地盤11上に土間スラブ2を施工する際、地盤11上に砂層を形成し、砂層の上に土間スラブ2を施工して実施することもできるし、地盤11上に捨てコンクリートを打設した後に土間スラブ2を施工してもよい。
前記土間スラブ2および柱脚支持ブロック3の養生後、前記柱脚支持ブロック3の両側面に重し用のプレキャストコンクリートブロック4を、同ブロック4に設けた貫通孔と前記柱脚支持ブロック3に設けたシース管とを一致させて密着状態に設置する。前記ブロック4の個数は、要求される引っ張り抵抗力の大きさに応じて3個以上設けて実施することもできる。
かくして、前記柱脚支持ブロック3および重し用のプレキャストコンクリートブロック4は、一方向に密着状態に敷き並べられ、これらの一致する貫通孔内へPC鋼棒5を水平に貫通させて定着具7で定着し、緊張力を導入することにより基礎構造1を構築するのである。
以上説明したように、素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造および基礎構築方法によれば、下記の効果を奏する。
1)地盤11を一切掘削することなく基礎構造1を構築できるので、史跡跡地や歴史的に重要な文化財などが建ち掘削が行えない敷地、或いは掘削が制限されている敷地で好適に実施できる。
2)基礎構造1の下端部を土間スラブ2とすることで、土間スラブ2の自重量および土間スラブ2と地盤11との摩擦力が基礎構造1の安定性に有効に作用するので、基礎構造10を合理的かつ経済的に構築することができる。
3)重し用のプレキャストコンクリートブロック4は、十分に運搬可能な大きさなので、持ち運びに便利で、転用も可能であり、産業廃棄物になることもない。また、構築する基礎構造1に要求される引張り抵抗力の大きさに応じて適宜増減することで対応可能であり、フレキシビリティーに優れている。
4)基礎構造1(仮設構造物10)の解体・撤去時には、PC鋼棒5の緊張状態を解除するだけで、運搬可能な重し用のプレキャストコンクリートブロック4を容易に撤去できるので、作業性に優れている。加えて、コンクリートの斫り作業をほとんど行わずに解体・撤去作業を行い得るので、コンクリートの斫り作業時の騒音問題も解消され、斫り作業時の振動により地盤を損傷する虞もない。
5)地盤11上に砂層を形成し、砂層の上に土間スラブ2を施工して実施する場合には、土間スラブ2の撤去作業も容易に行うことができる。土間スラブ2を数十mにも及ぶ大きさで構築している場合は、撤去し易い大きさにコンクリートカッター等で切断して撤去できる。
図3は、実施例2に係る基礎構造21を示している。上記実施例1に係る基礎構造1は、支柱(鉄骨柱)の柱脚部10aを柱脚支持ブロック3に内蔵する形態で実施しているのに対し、この図3に係る基礎構造21は、前記柱脚部10bを露出させて実施している点が主に相違する。
すなわち、この実施例2に係る基礎構造21は、前記柱脚支持ブロック3の上面に支柱の柱脚部10aが載置され、当該柱脚部10aの下端に設けたベースプレート10bが、下端部を土間スラブ2に固定した長尺のアンカーボルト8で固定されている。
この基礎構造21に係る柱脚支持ブロック3を構築する場合は予め、配筋作業およびシース管の配設作業はもとより、前記柱脚部10aのベースプレート10bを所定の高さに位置決めする作業を行い、しかる後にコンクリートの打設作業を行うのである。
かくして、この実施例2に係る素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造21および基礎構築方法によれば、上記段落[0026]に記載した効果に加え、基礎構造1の解体・撤去時には、アンカーボルト8の定着具を取り外すだけで、支柱の柱脚部10aのベースプレート10bを柱脚支持ブロック3から容易に離脱できるので、解体・撤去時の作業性をさらに向上させることができると共に、産業廃棄物をさらに低減できる。
図4は、実施例3に係る基礎構造31を示している。この基礎構造31は、上記実施例2に係る基礎構造21の重し用のプレキャストコンクリートブロック4をL字形のアンカーボルト(L型アンカーボルト)9で固定することにより、引張り抵抗力をさらに向上させている。
この基礎構造31は、土間スラブ2の施工時にL型アンカーボルト9の屈曲部を埋設させて土間スラブ2上に立ち上げておく。前記ブロック4は、PC鋼棒5を通す水平方向の貫通孔に加え、前記L型アンカーボルト9を通す貫通孔を鉛直方向に設けて製作している。よって、前記ブロック4は、施工した柱脚支持ブロック3の両側面に設置する際、その鉛直方向に設けた貫通孔に前記L型アンカーボルト9を通して位置決めし、しかる後、前記柱脚支持ブロック3およびブロック4に設けた一致する水平方向の貫通孔に、PC鋼棒5を貫通させて定着具7で定着し、緊張力を導入することにより基礎構造31を構築するのである。ちなみに図4中の符号12はアングル材等の固定部材を示しており、この固定部材12に鉛直方向及び水平方向にボルトを通してボルト固定することにより、前記ブロック4と土間スラブ2との定着性を高めている。
かくして、この実施例3に係る素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造31および基礎構築方法によれば、上記段落[0028]に記載した効果に加え、基礎構造10の引張り抵抗力をさらに向上させることができる。また、基礎構造1の解体・撤去時には、L型アンカーボルトの定着具を取り外すだけで前記ブロック4を土間スラブ2から容易に離脱できるので、解体・撤去作業を支障なく行うことができる。
図5は、実施例4に係る基礎構造41を示している。この基礎構造41は、地盤11上に捨てコンクリート(図示省略)を打設し、その上に、重し用のプレキャストコンクリートブロック4が複数(図示例では5個)敷き並べて設置され、前記重し用のプレキャストコンクリートブロック4は、水平方向に貫通させたPC鋼棒5で緊張して一体的構造とされている。また、前記重し用のプレキャストコンクリートブロック4のいずれか一(図示例では中央)の上面に、前記仮設構造物10の柱脚部10aが載置され、当該柱脚部10aの下端に設けたベースプレート10bがアンカーボルト8で固定されている。
なお、この実施例4に係る支柱(柱脚部10a)は、鋼製ボックス柱で実施している。また、前記PC鋼棒5は、上下二段の計2本で実施しているが勿論これに限定されず、構造設計に応じて1本でも実施できるし、3本以上でも実施できる。
かくして、この実施例4に係る素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造41および基礎構築方法によれば、地盤11を一切掘削することなく基礎構造1を構築できるので、史跡跡地や歴史的に重要な文化財などが建ち掘削が行えない敷地、或いは掘削が制限されている敷地で好適に実施できる。重し用のプレキャストコンクリートブロック4は、十分に運搬可能な大きさなので、持ち運びに便利で、転用も可能であり、産業廃棄物になることもない。また、構築する基礎構造1に要求される引張り抵抗力の大きさに応じて適宜増減することで対応可能であり、フレキシビリティーに優れている。基礎構造1の解体・撤去時には、PC鋼棒5の緊張状態を解除するだけで運搬可能な重し用のプレキャストコンクリートブロック4を容易に撤去できるし、支柱の柱脚部10aのベースプレート10bを前記ブロック4から容易に離脱できるので、作業性に優れている。
以上に実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
1 基礎構造
2 土間スラブ
3 柱脚支持ブロック
4 重し用のプレキャストコンクリートブロック
5 PC鋼材(PC鋼棒)
6 アンカーボルト
7 定着具
8 アンカーボルト
9 L型アンカーボルト
10 素屋根(大規模な仮設構造物)
10a 柱脚部
10b ベースプレート
11 地盤
12 固定部材
21、31、41 基礎構造

Claims (6)

  1. 素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造において、
    地盤上に、土間スラブと、前記仮設構造物の柱脚部を支持する柱脚支持ブロックとが現場打ちコンクリートで一体的に構築され、前記柱脚支持ブロックの両側に、重し用のプレキャストコンクリートブロックが複数設置され、前記柱脚支持ブロックおよび重し用のプレキャストコンクリートブロックは、水平方向へ共通に貫通させたPC鋼材で緊張して一体的構造とされていることを特徴とする、素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造。
  2. 地盤上に砂層が形成され、砂層の上に、前記土間スラブと柱脚支持ブロックとが現場打ちコンクリートで一体的に構築されていることを特徴とする、請求項1に記載した素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造。
  3. 前記柱脚支持ブロックの上面に、前記仮設構造物を構成する鉄骨柱の柱脚部が載置され、当該柱脚部の下端に設けたベースプレートがアンカーボルトで固定されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造。
  4. 前記重し用のプレキャストコンクリートブロックは、下端を土間スラブに固定して鉛直に立てたアンカーボルトを貫通させて土間スラブに固定されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造。
  5. 素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造において、
    地盤上に、重し用のプレキャストコンクリートブロックが複数並べて設置され、前記重し用のプレキャストコンクリートブロックは、水平方向に貫通させたPC鋼材で緊張して一体的構造とされていること、
    前記重し用のプレキャストコンクリートブロックのいずれか一の上面に、前記仮設構造物の柱脚部が載置され、当該柱脚部の下端に設けたベースプレートがアンカーボルトで固定されていることを特徴とする、素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構造。
  6. 素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構築工法において、
    地盤上に、土間スラブと、前記仮設構造物の柱脚部を支持する柱脚支持ブロックとを現場打ちコンクリートで一体的に構築し、前記柱脚支持ブロックの両側に、重し用のプレキャストコンクリートブロックを複数設置し、前記柱脚支持ブロックおよび重し用のプレキャストコンクリートブロックは、水平方向に共通に貫通させたPC鋼材で緊張して一体的構造とすることを特徴とする、素屋根等の大規模な仮設構造物の基礎構築工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015055133A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 有限会社イワコ建設 支柱基礎
JP7406476B2 (ja) 2020-09-01 2023-12-27 鹿島建設株式会社 既存建築物補強構造及び既存建築物補強方法

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JP2015055133A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 有限会社イワコ建設 支柱基礎
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