JP2010155602A - 車両のシートベルト制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両旋回時におけるシートベルトの張力調整を早期に開始することが可能な車両のシートベルト制御システムを得る。
【解決手段】シートベルト制御システム10では、ECU36は、CCDカメラ38によって撮像された画像に基づいて運転者30Rの頭部40の垂直軸周りの回転角θを検知すると共に、当該回転角θを時間微分することにより頭部40の垂直軸周りの回転角加速度θACCを算出する。そして、ECU36は、車速センサ48が検出した車速Vが所定の閾値α以上で、かつ、頭部40の回転角加速度θACCの絶対値が所定の閾値β以上になると、リトラクタ20R、20Lのモータ32R、32Lを作動させるための制御信号をドライバ34R、34Lに出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のシートベルトを制御するシートベルト制御システムに関する。
従来、車両の左右の加速度(横加速度)を検出する左右加速度センサの検出結果を利用してシートベルトの張力を調整することにより、車両旋回時における乗員の姿勢保持効果を向上させるようにした車両用シートベルト装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3575475号公報
しかしながら、車両の横加速度の絶対値は、車両が旋回状態に突入した後で緩やかに増加し始めるため、車両の横加速度をセンシングトリガとしてシートベルトの張力を調整したのでは、時間的な遅れが生じてしまい、十分な乗員姿勢保持効果を得ることができない可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、車両旋回時におけるシートベルトの張力調整を早期に開始することが可能な車両のシートベルト制御システムを得ることを目的としている。
請求項1に記載の発明に係る車両のシートベルト制御システムは、車両の乗員を拘束するシートベルトの張力を調整可能な張力調整手段と、車両の運転者の頭部の垂直軸周りの回転に応じて出力信号を変化させる信号出力手段と、前記信号出力手段の出力信号に基づいて前記頭部の垂直軸周りの回転角加速度を算出すると共に、当該算出結果に基づいて前記張力調整手段の作動を制御する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載の車両のシートベルト制御システムでは、車両の運転者が頭部を垂直軸周りに回転させると、信号出力手段の出力信号が変化する。そして、制御手段が信号出力手段の出力信号に基づいて運転者の頭部の垂直軸周りの回転角加速度を算出し、当該算出結果に基づいて張力調整手段を作動させる。これにより、張力調整手段が乗員拘束用のシートベルトの張力を調整する。ここで、車両が旋回する際には、基本的に、運転者の頭部の垂直軸周りの回転角加速度→ステアリングホイールの操舵角→車両のヨー角→車両の横加速度の順に発生するため、制御手段が運転者の頭部の垂直軸周りの回転角加速度に基づいて張力調整手段を作動させることで、シートベルトの張力調整を早期に開始することが可能になる。
請求項2に記載の発明に係る車両のシートベルト制御システムは、請求項1に記載のシートベルト制御システムにおいて、前記信号出力手段は、車両に取り付けられ、前記頭部の画像を撮像する撮像装置を有することを特徴としている。
請求項2に記載の車両のシートベルト制御システムでは、車両に取り付けられた撮像装置が運転者の頭部の画像を撮像し、制御手段が撮像装置の出力信号に基づいて運転者の頭部の垂直軸周りの回転角加速度を算出する。
請求項3に記載の発明に係る車両のシートベルト制御システムは、請求項1に記載のシートベルト制御システムにおいて、前記信号出力手段は、車両に取り付けられ、前記頭部までの距離を各々が測定する複数の側距センサを有することを特徴としている。
請求項3に記載の車両のシートベルト制御システムでは、車両に取り付けられた複数の側距センサが、運転者の頭部までの距離を測定し、制御手段がそれらの側距センサの出力信号に基づいて運転者の頭部の垂直軸周りの回転角加速度を算出する。
請求項4に記載の発明に係る車両のシートベルト制御システムは、請求項1に記載のシートベルト制御システムにおいて、前記信号出力手段は、前記頭部に取り付けられ、前記頭部の回転角速度を検出するヨーレートセンサを有することを特徴としている。
請求項4に記載の車両のシートベルト制御システムでは、運転者の頭部に取り付けられたヨーレートセンサが頭部の回転角速度を検出し、制御手段がヨーレートセンサの出力信号に基づいて運転者の頭部の垂直軸周りの回転角加速度を算出する。
請求項5に記載の発明に係る車両のシートベルト制御システムは、請求項4に記載のシートベルト制御システムにおいて、前記制御手段は、車両に取り付けられた受信機を有し、前記ヨーレートセンサは、自らの出力信号を無線通信又は人体通信により前記受信機へ送信する送信機能を備えていることを特徴としている。
請求項5に記載の車両のシートベルト制御システムでは、運転者の頭部に取り付けられたヨーレートセンサが、自らの出力信号を無線通信又は人体通信により、車両に取り付けられた制御手段の受信機へ送信する。したがって、ヨーレートセンサと制御手段との間で通信を行うための配線などを省略することができる。
請求項6に記載の発明に係る車両のシートベルト制御システムは、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車両のシートベルト制御システムにおいて、車両のステアリングホイールの操舵方向又は車両の旋回方向を検出する方向検出手段を有し、前記制御手段は、前記信号出力手段の出力信号に基づいて前記頭部の回転方向を検知すると共に、前記回転方向と前記操舵方向又は前記旋回方向とが車幅方向の同じ側である場合に前記張力調整手段を作動させることを特徴としている。
請求項6に記載の車両のシートベルト制御システムでは、制御手段は、信号出力手段の出力信号に基づいて検知した運転者の頭部の回転方向と、方向検出手段によって検出されたステアリングホイールの操舵方向又は車両の旋回方向とが、車幅方向の同じ側(右又は左)である場合に張力調整手段を作動させる。このため、車両を旋回させる目的以外で運転者が左右を確認しなければならないときなどに、張力調整手段が不要に作動することを防止することができる。
以上説明したように、本発明に係る車両のシートベルト制御システムでは、車両旋回時におけるシートベルトの張力調整を早期に開始することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る車両のシートベルト制御システムの構成を示す概略図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両のシートベルト制御システムの制御手順を示すフローチャートである。 車両のスラローム走行時における運転者の頭部の垂直軸周りの回転角加速度と車両のヨー角加速度と車両の横加速度との関係を示す線図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両のシートベルト制御システムの構成を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両のシートベルト制御システムの制御手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る車両のシートベルト制御システムの構成を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両のシートベルト制御システムの制御手順を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る車両のシートベルト制御システムの一部の構成を示す概略図である。 本発明の第4の実施形態に係るCCDカメラによって撮像される運転者の頭部の画像を示す概略図であり、(A)は運転者が車両前方を見ている状態の図であり、(B)は運転者が車両右斜め前方を見ている状態の図である。 運転者の鼻先の移動量を説明するための図である。 運転者の鼻先の移動量と頭部の回転角との関係を説明するための図である。 本発明の第5の実施形態に係る車両のシートベルト制御システムの一部の構成を示す概略図である。 本発明の第5の実施形態に係る赤外線センサによる距離の測定について説明するための概略図であり、(A)は運転者が車両前方を見ている状態の図であり、(B)は運転者が車両右斜め前方を見ている状態の図である。 本発明の第6の実施形態に係る車両のシートベルト制御システムの一部の構成を示す概略図である。 本発明の第6の実施形態に係るヨーレートセンサ及びヘルメットを示す概略図である。
<第1の実施形態>
図1には、本発明の第1の実施形態に係る車両のシートベルト制御システム10が概略図にて示されている。なお、図1において矢印UPは車両上方向を示し、矢印INは車幅内側方向を示している。
本第1の実施形態に係るシートベルト制御システム10は、所謂3点式のシートベルト装置12R、12Lを備えている。一方のシートベルト装置12Rは車両11の運転席14Rに設けられ、他方のシートベルト装置12Lは車両11の助手席14Lに設けられている。これらのシートベルト装置12R、12Lは、乗員拘束用のシートベルト16R、16L(ウエビング)を備えている。
シートベルト16R、16Lは、長手方向一端部が車両11のセンターピラーの下端部に固定されたリトラクタ20R、20L(張力調整手段)の図示しない巻取軸に係止されている。これらのリトラクタ20R、20Lはモータ32R、32Lを備えており、これらのモータ32R、32Lの駆動力によって巻取軸を回転させることによりシートベルト16R、16Lを巻き取る構成になっている。これらのモータ32R、32Lは、ドライバ34R、34Lを介して、車両11に搭載されたECU36(制御手段)に電気的に接続されている。
一方、シートベルト16R、16Lの長手方向中間部は、センターピラーの上部に設けられたスリップジョイント22R、22Lに巻き掛けられており、シートベルト16R、16Lの長手方向他端部は、センターピラーの下端部付近に設けられたアンカ部材24R、24Lに係止されている。また、シートベルト16R、16Lの長手方向中間部には、スリップジョイント22R、22Lとアンカ部材24R、24Lとの間において、タングプレート26R、26Lが摺動可能に取り付けられている。
タングプレート26R、26Lは、運転席14R及び助手席14Lの車幅方向内側に設けられたバックル装置28R、28Lに連結されるようになっている。これにより、運転席14Rに着座した乗員30Rがシートベルト16Rによって拘束されると共に、助手席14Lに着座した乗員30Lがシートベルト16Lによって拘束される。
一方、車両11の車室の天井には、撮像装置としてのCCDカメラ38が取り付けられている。このCCDカメラ38は、運転席14Rに着座した運転者30R(乗員)の上方に配置されており、運転者30Rの頭部40の画像を撮像可能とされている。このCCDカメラ38には、ECU36に設けられた画像処理部42が電気的に接続されており、CCDカメラ38は、撮像した画像データの信号を画像処理部42へ出力する。
画像処理部42は、CCDカメラ38の出力信号の変化に基づいて、運転者30Rの頭部40の垂直軸周りの回転角θを検出する。すなわち、画像処理部42は、CCDカメラ38の出力信号(画像データ)に対して画像処理を施し、例えば運転者30Rの頭部40の前端部に相当する部位(例えば運転者の鼻)を検出すると共に、当該部位の移動量に基づいて頭部40の回転角θを検出する。
この画像処理部42には、ECU36に設けられた回転角加速度演算部44が接続されており、画像処理部42による上記検出結果は回転角加速度演算部44に入力される。回転角加速度演算部44は、入力された回転角θを時間微分することにより、頭部40の回転角速度θを算出すると共に、当該算出された回転角速度θを時間微分することにより頭部40の回転角加速度θACCを算出する。
回転角加速度演算部44によって算出された回転角加速度θACCは、ECU36に設けられた判定部46に入力される。この判定部46には、車両11の速度を検出する車速センサ48が電気的に接続されており、判定部46は、車両11の速度Vが予め設定された閾値α以上で、かつ、頭部40の回転角加速度θACCの絶対値が予め設定された閾値β以上になると、モータ32R、32Lを作動させるための制御信号をドライバ34R、34Lに出力する。これにより、車両11に搭載されたバッテリー50の電力がドライバ34R、34Lを介してモータ32R、32Lに供給され、モータ32R、32Lが作動する構成になっている。
なお、図1には図示されていないが、ECU36には、車両11のイグニッションスイッチ、バックル装置28R、28Lに設けられたバックルスイッチ、車両11のシフトレバー装置に設けられたシフト検出センサが電気的に接続されており、ECU36はイグニッションスイッチ及びバックルスイッチがON状態とされると共に、シフト検出センサによってシフトレバーがドライブレンジに配置されたことが検出されると、タイマーを作動させると共に上述の如きモータ32R、32Lの作動制御を開始する構成になっている。また、本第1の実施形態では、ECU36は、上述した各種のセンサ・スイッチ及びリトラクタ20R、20Lとの間で所謂コントローラエリアネットワーク(CAN)により通信を行う構成になっている。
以下、ECU36によるモータ32R、32Lの作動制御について、図2に示されるフローチャートに従って説明する。
ステップST1では、ECU36の判定部46が車速センサ48によって検出された車速Vを読み込んで、ステップST2に移行する。
ステップST2では、ECU36の画像処理部42がCCDカメラ38によって撮像された画像(出力信号)を読み込み、当該画像から運転者30Rの頭部40の垂直軸周りの回転角θを検出すると共に、当該検出結果を回転角加速度演算部44に出力する。このステップST2での処理が終了すると、次のステップST3に移行する。
ステップST3では、回転角加速度演算部44が画像処理部42から出力された回転角θに基づいて運転者30Rの頭部40の回転角加速度θACCを演算し、ステップST4に移行する。
ステップST4では、ECU36の判定部46が車速センサ48によって検出された車速Vが所定の閾値α以上か否かを判定する。この判定が否定された場合には、ステップST5に移行する。
ステップST5では、ECU36の判定部46は、ステップST4において車速Vが所定の閾値α未満である(低速である)と判定したため、ドライバ34R、34Lへの制御信号を出力せず、モータ32R、32Lの停止状態を維持する。このステップST5での処理が終了すると、前述したステップST1に戻って前述の如き処理を繰り返す。
一方、ステップST4での判定が肯定された場合には、ステップST6に移行する。ステップST6では、ECU36の判定部46が回転角加速度演算部44によって算出された回転角加速度θACCの絶対値が所定の閾値β以上か否か(運転者30Rの頭部40が所定値以上の回転角加速度で回転したか否か)を判定する。この判定が否定された場合には、ステップST5に移行し、モータ32R、32Lの停止状態が維持されたままステップST1に戻って前述の如き処理が繰り返される。
一方、ステップST6での判定が肯定された場合には、ステップST7に移行する。ステップST7では、ECU36の判定部46は、ステップST6において運転者30Rの頭部40が所定値以上の回転角加速度で回転した(運転者30Rが車両11を旋回させるために顔を旋回方向へ向けた)と判定したため、バッテリー50の電力をドライバ34R、34Lを介してリトラクタ20R、20Lのモータ32R、32Lに供給し、モータ32R、32Lを作動させる。このため、シートベルト16R、16Lがリトラクタ20R、20Lに巻き取られ、シートベルト16R、16Lによる乗員30R、30Lの拘束力が増加する。これにより、車両旋回時の横加速度によって乗員30R、30Lが横ずれすることを抑制できる。
ここで、車両が旋回する際には、基本的に、運転者の頭部の垂直軸周りの回転角加速度→ステアリングホイールの操舵角→車両のヨー角→車両の横加速度の順に発生する(自動車技術会 2008年春季大会学術講演会前刷集 No.2−08 No.20085313 「旋回ロール時のドライバ挙動の解析と考察」参照)。その結果、図3に示されるように、運転者の頭部の垂直軸周りの回転角加速度θACCは、車両のヨー角加速度YACCや車両の横加速度Gよりも早期に立ち上がる。このため、本第1の実施形態のようにECU36が運転者30Rの頭部40の垂直軸周りの回転角加速度θACCに基づいてリトラクタ20R、20Lのモータ32R、32Lを作動させる場合、車両11が旋回状態に突入するよりも十分に手前でシートベルト16R、16Lの張力調整を開始することができる。これにより、車両旋回時における乗員30R、30Lの姿勢保持効果を向上させることができる。
しかも、本第1の実施形態では、運転者30Rの頭部40の回転角加速度θACCに基づいてリトラクタ20R、20Lの作動制御が行われるため、運転者30Rが脇見をした場合には、シートベルト16R、16Lの張力調整によって警告を行うことができると共に、運転者30Rを早期に安定した運転姿勢に保持することができる。
また、本第1の実施形態では、ECU36の回転角加速度演算部44による簡単な計算(頭部40の回転角θの時間微分)によってリトラクタ20R、20Lの作動/非作動の判定ができるため、シンプルなソフトウエアをECU36に追加するだけで対応することができる。
さらに、回転角加速度θACCの値は、他のセンサの出力信号に比べて比較的大きな値が得られるため、分解能が大きく、リトラクタ20R、20Lの作動/非作動の閾値の設定などのチューニングがしやすいという利点もある。
また、本第1の実施形態では、少ない数のセンサやカメラ(車速センサ48及びCCDカメラ38)によってシートベルト16R、16Lの張力調整を行うことができるので、構成の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
なお、上記第1の実施形態では、左右のリトラクタ20R、20Lが同一の作動制御をされる構成としたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、CCDカメラ38によって撮像された画像から、運転者30Rが車両左側へ顔を向けたことが検出された場合(車両11の左旋回により車両右向きの横加速度Gが発生することが予測された場合)は、車両左側のリトラクタ20Lのみを作動させ、運転者30Rが車両右側へ顔を向けたことが検出された場合(車両11の右旋回により車両左向きの横加速度Gが発生することが予測された場合)は、車両右側のリトラクタ20Rのみを作動させる構成にしてもよい。
すなわち、3点式シートベルト装置12R、12Lにおいては、乗員30R、30Lが車幅内側方向に横ずれした場合、シートベルト16R、16Lが乗員30R、30Lの肩部から外れやすくなる。このため、車幅内側方向へ横ずれしようとする乗員30のシートベルト16の張力を優先的に増加させることが好ましいが、上述の如き作動制御によりこれを達成することができる。またこの場合、不必要なリトラクタ20R、20Lの作動を低減できるため、リトラクタ20R、20Lの耐久性を向上させることもできる。
また、上記第1の実施形態において、カーナビゲーションシステムや所謂レーンキープアシストシステムなどにより、車両11の前方にカーブがあることが検出されたり、或いはターンシグナルスイッチによって車両の進行方向が変更されることが予測された場合にのみ、ECU36が上述の如きリトラクタ20R、20Lの作動制御を行う構成にしてもよい。なお、レーンキープアシストシステムなどの前方監視システムやターンシグナルスイッチなどにより車両の進行方向が変更されることを予測することによって、直線路におけるレーンチェンジやスラローム走行の際のリトラクタ20R、20Lの作動判断が可能になる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、前記第1の実施形態と基本的に同様の構成・作用については、前記第1の実施形態と同符号を付与し、その説明を省略する。
<第2の実施形態>
図4には、本発明の第2の実施形態に係る車両のシートベルト制御システム60が概略図にて示されている。この実施形態は、前記第1の実施形態と基本的に同様の構成とされているが、ECU36の判定部46には、車両11の横加速度を検出する横加速度センサ62が電気的に接続されており、判定部46は横加速度センサ62が出力するセンサ信号から車両11の横加速度Gを検知する。
以下、本第2の実施形態におけるECU36のモータ作動制御について、図5に示されるフローチャートに従って説明する。
図5に示されるように、本第2の実施形態では、ECU36はステップST1〜ステップST7において前記第1の実施形態と同様の処理を行うが、ステップST7での処理が終了すると、ステップST8に移行する。
ステップST8では、ECU36の判定部46が横加速度センサ62によって検出された横加速度Gを読み込んで、ステップST9に移行する。
ステップST9では、ECU36の判定部46が横加速度センサ62によって検出された横加速度Gの絶対値が所定の閾値γ以上か否か(車両11が旋回中か否か)を判定する。この判定が肯定された場合には、ステップST8に戻って前述の如き処理を繰り返す。
一方、ステップST9での判定が否定された場合、すなわち車両11の旋回が終了したと判定された場合には、ステップST5に移行し、ECU36の判定部46がモータ32R、32Lの作動を停止させる。これにより、リトラクタ20R、20Lによるシートベルト16R、16Lの張力調整が終了する。
このように、この実施形態では、ECU36の判定部46が横加速度センサ62の検出結果に基づいてモータ32R、32Lの作動を停止させるため、車両11の実際の走行状態に応じたタイミングでシートベルト16R、16Lの張力調整を終了することができる。
<第3の実施形態>
図6には、本発明の第3の実施形態に係る車両のシートベルト制御システム70が概略図にて示されている。この実施形態は、前記第1の実施形態と基本的に同様の構成とされているが、ECU36の判定部46には、車両11のステアリングホイールの操舵角φを検出する舵角センサ72(方向検出手段)が電気的に接続されており、判定部46は舵角センサ72が出力するセンサ信号から車両11の操舵方向を検知する。また、ECU36の判定部46は、回転角加速度演算部44から出力された回転角加速度θACCの正負に基づいて運転者30Rの頭部40の回転方向(右回り又は左回り)を検知するようになっている。
以下、本第3の実施形態におけるECU36のモータ作動制御について、図7に示されるフローチャートに従って説明する。
図7に示されるように、本第3の実施形態では、ECU36はステップST1〜ステップST6において前記第1の実施形態と同様の処理を行うが、ステップST6とステップST7との間には、ステップST10及びステップST11が追加されている。
ステップST10では、ECU36の判定部46が舵角センサ72によって検出された操舵角φを読み込んで、ステップST11に移行する。
ステップST11では、ECU36の判定部46が舵角センサ72によって検出された操舵角φに基づいて車両11のステアリングホイール(図示省略)の操舵方向(右回り又は左回り)を検知すると共に、当該操舵方向と運転者30Rの頭部40の回転方向とが車幅方向の同じ側か否かを判定する。この判定が否定された場合には、ステップST5に移行してモータ32R、32Lの停止状態が維持される。
一方、ステップST11での判定が肯定された場合には、ステップST7へ移行し、ECU36の判定部46がモータ32R、32Lを作動させる。これにより、シートベルト16R、16Lがリトラクタ20R、20Lに巻き取られ、シートベルト16R、16Lによる乗員30R、30Lの拘束力が増加する。
このように、この実施形態では、運転者30Rの頭部40の回転方向と、ステアリングホイールの操舵方向とが車幅方向の同じ側の場合にのみリトラクタ20R、20Lが作動するため、車両11を旋回させる目的以外で運転者30Rが左右を確認しなければならないときなどに、リトラクタ20R、20Lが不要に作動することを防止することができる。
なお、上述した第3の実施形態では、車両11のステアリングホイールの操舵角を検出する舵角センサ72が方向検出手段として用いられた構成にしたが、本発明はこれに限らず、車両11の旋回方向を検出するセンサ(例えば、車両11のヨーレートを検出するヨーレートセンサ)が方向検出手段として用いられた構成にしてもよい。この場合、車両の旋回方向と頭部40の回転方向とが車幅方向の同じ側の場合にのみリトラクタ20R、20Lが作動する構成になる。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態は、前記第1の実施形態と基本的に同様の構成とされているが、この実施形態では、図8に示されるように、CCDカメラ38が運転者30Rの頭部40の車両前方側(矢印FR方向側)に配置されており、車両11のインストルメントパネル13の上部に取り付けられている(なお、図8では、シートベルト装置12R等の図示を省略してある)。
このCCDカメラ38によって撮像される画像は、運転者30Rが車両前方を見ているときは、図9(A)に示されるような画像になり、運転者30Rが車両右斜め前方を見ているときは、図9(B)に示されるような画像になる。
ここで、本実施形態では、ECU36は、図10に示されるように、CCDカメラ38の画像データから運転者30Rの鼻先40Aの位置をトレースし、鼻先40Aの車幅方向の移動量dを検出すると共に、当該移動量dに基づいて頭部40の垂直軸周りの回転角加速度θACCを算出する。
すなわち、図11に示されるように、頭部40の垂直軸周りの回転中心から鼻先40Aまでの距離Lは一定値であるため、頭部40の垂直軸周りの回転角度をθとすると、以下の関係式(1)が得られる。
Figure 2010155602

ECU36は、上記(1)式を用いて頭部40の垂直軸周りの回転角度θを求めると共に、求めたθと、計測した時間tとから、以下の関係式(2)を用いて頭部40の垂直軸周りの回転角加速度θACCを算出する。
Figure 2010155602

そして、ECU36は、算出した回転角加速度θACCに基づいてリトラクタ20R、20Lのモータ32R、32Lの作動を制御する。これにより、前記第1実施形態と基本的に同様の作用効果を奏する。
なお、上記第2実施形態では、CCDカメラ38がインストルメントパネル13の上部に取り付けられた構成にしたが、これに限らず、CCDカメラ38の取付位置は適宜変更することができる。また、CCDカメラ38が運転者30Rの頭部40の側方(車両右側又は車両左側)に配置された構成にしてもよい。この場合、例えば、運転者30Rの耳の車両前後方向の移動量に基づいて頭部40の垂直軸周りの回転角加速度θACCを算出することができる。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態は、前記第1の実施形態と基本的に同様の構成とされているが、この実施形態では、CCDカメラ38の代わりに、距離計測器80(図12参照)を備えている。距離計測器80は、インストルメントパネル13の上部に取り付けられており、図13(A)及び図13(B)に示されるように複数の赤外線センサ82(側距センサ)を有している。これらの赤外線センサ82は、マトリクス状に配置されており、各々が運転者30Rの頭部40へ向けて赤外線を照射すると共に、頭部40で反射した赤外線が戻るまでの時間に基づいて頭部40までの距離を測定する。これらの赤外線センサ82は、ECU36に電気的に接続されており、ECU36は、各赤外線センサ82の出力信号に基づいて、頭部40の動き(垂直軸周りの回転)を検出する。
すなわち、図13(A)及び図13(B)に示されるように、運転者30Rの頭部40が垂直軸周りに回転すると、各赤外線センサ82が測定する距離が変化し、各赤外線センサ82の出力信号が変化する。ECU36は、単位時間毎に各赤外線センサ82の出力信号の変化をモニタし、これにより、例えば運転者30Rの鼻先40Aの車幅方向の移動量を検出する。そして、ECU36は、前記第4実施形態と同様に、検出した鼻先40Aの移動量に基づいて頭部40の垂直軸周りの回転角加速度θACCを算出すると共に、算出した回転角加速度θACCに基づいてリトラクタ20R、20Lのモータ32R、32Lの作動を制御する。これにより、前記第4実施形態と基本的に同様の作用効果を奏する。
なお、上記第5実施形態では、側距センサとして赤外線センサ82を適用した構成にしたが、本発明はこれに限らず、側距センサとしては、レーザ距離センサや超音波距離センサなどの他の種類のセンサを用いることもできる。
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態は、前記第1の実施形態と基本的に同様の構成とされているが、この実施形態では、CCDカメラ38の代わりに、送信機能を備えたヨーレートセンサ90(図14参照)が設けられている。このヨーレートセンサ90は、運転者30Rの頭部40に装着されるヘルメット92(図15参照)の上部に取り付けられており、頭部40の垂直軸周りの回転角速度θを検出可能とされている。
また、この実施形態では、ECU36には、ヨーレートセンサ90との間で通信可能な受信機94が電気的に接続されている。この受信機94は、ECU36と共に制御手段を構成しており、この受信機94には、運転者30Rの頭部40の上方で車室の天井に取り付けられた電極96が配線98を介して接続されている。また、この受信機94には、車両のステアリングホイール15に設けられたタッチ電極100が配線102を介して接続されている。
この実施形態では、運転者30Rの手がステアリングホイール15のタッチ電極100に触れた状態で、ヨーレートセンサ90が出力信号を送信すると、頭部40の上方に設けられた電極96と、ヨーレートセンサ90に設けられた電極との間で静電結合が起こり、電極96とタッチ電極100とが運転者30Rの身体を介してつながる。これにより、ヨーレートセンサ90と運転者30Rの身体と受信機94とによって通信回路が構成され、ヨーレートセンサ90の出力信号が受信機94を介してECU36に転送される(図14の点線T参照)。すなわち、この実施形態では、ヨーレートセンサ90の出力信号が人体通信によってECU36に転送される。
ECU36は、ヨーレートセンサ90の出力信号の変化を単位時間毎にモニタし、これにより、運転者30Rの頭部40の回転角速度θをリアルタイムで検知する。そして、ECU36は、検知した回転角速度θを時間微分することにより、頭部40の垂直軸周りの回転角加速度θACCを算出し、算出した回転角加速度θACCに基づいてリトラクタ20R、20Lのモータ32R、32Lの作動を制御する。これにより、前記第1実施形態と基本的に同様の作用効果を奏する。
なお、上記第6の実施形態では、送信機能を有するヨーレートセンサ90が、自らの出力信号を人体通信によって受信機94へ送信する構成にしたが、本発明はこれに限らず、ヨーレートセンサ90が、自らの出力信号を無線通信によって受信機94へ送信する構成にしてもよい。また、ヨーレートセンサ90とECU36とが配線を介して接続される構成にしてもよい。
また、上記各実施形態においては、張力調整手段としてリトラクタ20R、20Lが適用された構成にしたが、本発明はこれに限らず、張力調整手段は乗員30R、30Lが装着しているシートベルト16R、16Lの張力調整を行うことができるものであればよく、例えば、バックル装置28R、28Lを駆動源によって車両上下方向に駆動する構成のものでもよい。
10 シートベルト制御システム
16R、16L シートベルト
20R、20L リトラクタ(張力調整手段)
36 ECU(制御手段)
38 CCDカメラ(撮像装置、信号出力手段)
60 シートベルト制御システム
70 シートベルト制御システム
72 舵角センサ(方向検出手段)
82 赤外線センサ(側距センサ、信号出力手段)
90 ヨーレートセンサ(信号出力手段)
94 受信機(制御手段)

Claims (6)

  1. 車両の乗員を拘束するシートベルトの張力を調整可能な張力調整手段と、
    車両の運転者の頭部の垂直軸周りの回転に応じて出力信号を変化させる信号出力手段と、
    前記信号出力手段の出力信号に基づいて前記頭部の垂直軸周りの回転角加速度を算出すると共に、当該算出結果に基づいて前記張力調整手段の作動を制御する制御手段と、
    を備えた車両のシートベルト制御システム。
  2. 前記信号出力手段は、車両に取り付けられ、前記頭部の画像を撮像する撮像装置を有することを特徴とする請求項1に記載の車両のシートベルト制御システム。
  3. 前記信号出力手段は、車両に取り付けられ、前記頭部までの距離を各々が測定する複数の側距センサを有することを特徴とする請求項1に記載の車両のシートベルト制御システム。
  4. 前記信号出力手段は、前記頭部に取り付けられ、前記頭部の回転角速度を検出するヨーレートセンサを有することを特徴とする請求項1に記載の車両のシートベルト制御システム。
  5. 前記制御手段は、車両に取り付けられた受信機を有し、前記ヨーレートセンサは、自らの出力信号を無線通信又は人体通信により前記受信機へ送信する送信機能を備えていることを特徴とする請求項4に記載の車両のシートベルト制御システム。
  6. 車両のステアリングホイールの操舵方向又は車両の旋回方向を検出する方向検出手段を有し、前記制御手段は、前記信号出力手段の出力信号に基づいて前記頭部の回転方向を検知すると共に、前記回転方向と前記操舵方向又は前記旋回方向とが車幅方向の同じ側である場合に前記張力調整手段を作動させることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車両のシートベルト制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105730392A (zh) * 2016-04-05 2016-07-06 上海汽车集团股份有限公司 安全带未系提醒***及方法
JP2018118671A (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 アイシン精機株式会社 乗員監視装置

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