上記目的を達成するために、この発明の一の局面によるICハンドラは、水平方向および鉛直方向に移動可能なユニット支持部と、電子部品を吸着する吸着ノズルを保持する吸着ノズル保持部材を含む複数の吸着ノズルユニットとを備え、複数の吸着ノズルユニットのうち、吸着ノズルユニットの個数と同数あるいは1つ少ない個数の吸着ノズルユニットにおいて、吸着ノズルをユニット支持部に対して水平面内の第1方向に移動させるための第1方向駆動装置と、吸着ノズルをユニット支持部に対して第1方向と交差する水平面内の第2方向に移動させるための第2方向駆動装置とを各々の吸着ノズルユニットが含み、
第1方向駆動装置および第2方向駆動装置の少なくとも一部は、平面的に見て、吸着ノズル保持部材に対して重なるように配置されている。ここで、本出願において、「ICハンドラ」とは、電子部品の検査のために用いられるものであり、電子部品を所定の検査位置に移載するための部品移載装置を意味する。
この一の局面によるICハンドラでは、上記のように、複数の吸着ノズルユニットのうち、吸着ノズルユニットの個数と同数あるいは1つ少ない個数の吸着ノズルユニットにおいて、吸着ノズルを水平面内の第1方向に移動させるための第1方向駆動装置と、吸着ノズルを水平面内の第2方向に移動させるための第2方向駆動装置とを各々の吸着ノズルユニットに設けることによって、各吸着ノズルユニットそれぞれに吸着された各電子部品を互いに独立して第1方向および第2方向に移動させることができるので、吸着する電子部品が位置ずれしている場合でも、各電子部品の位置をそれぞれの検査用ソケットの位置に精度よく合わせることができる。また、第1方向駆動装置および第2方向駆動装置の少なくとも一部を、平面的に見て、吸着ノズル保持部材に対して重なるように配置することによって、各電子部品をそれぞれ個別に独立して第1方向および第2方向に移動させる構成を設けたとしても、吸着ノズルユニットの平面的な配置スペースが大きくなるのを抑制することができる。これらの結果、吸着ノズルユニットの平面的な配置スペースが大きくなるのを抑制しながら、各電子部品の位置をそれぞれの検査用ソケットの位置に精度よく合わせることができる。
上記一の局面によるICハンドラにおいて、好ましくは、第1方向駆動装置は、平面的に見て、ユニット支持部の下側に重なるように配置される第1部分を有し、第2方向駆動装置は、平面的に見て、第1方向駆動装置の第1部分の下側に重なるように配置される第2部分を有し、平面的に見て、第2方向駆動装置の第2部分の下側に重なるように配置される第3部分を有する回動駆動装置をさらに備え、第1方向駆動装置の第1部分、第2方向駆動装置の第2部分および回動駆動装置の第3部分は、それぞれ、平面的に見て、吸着ノズル保持部材に対して重なるように配置されている。このように構成すれば、ユニット支持部、第1方向駆動装置の第1部分、第2方向駆動装置の第2部分、回動駆動装置の第3部分および吸着ノズル保持部材が上下方向にオーバラップした状態で配置されるので、吸着ノズルユニットの平面的な配置スペースをより小さくすることができる。
この場合、好ましくは、ユニット支持部は、平板状の水平プレートを含み、第1方向駆動装置は、吸着ノズルを第1方向に移動させるための第1駆動機構部をさらに有し、第2方向駆動装置は、吸着ノズルを第2方向に移動させるための第2駆動機構部をさらに有し、第1駆動機構部の一部は、平面的に見て、水平プレートの上側に重なるように配置され、第2駆動機構部の一部は、平面的に見て、水平プレートの上側に重なるように配置されている。このように構成すれば、ユニット支持部の下側の領域を利用して、第1方向駆動装置の第1部分、第2方向駆動装置の第2部分、回動駆動装置の第3部分および吸着ノズル保持部材が上下方向にオーバラップした状態で配置されるのに加えて、ユニット支持部の水平プレートの上側の領域を利用して、第1駆動機構部の一部および第2駆動機構部の一部が水平プレートにオーバラップした状態で配置されるので、吸着ノズルユニットの平面的な配置スペースが大きくなるのをより抑制することができる。
上記第1方向駆動装置が第1部分を有する構成において、好ましくは、第1方向駆動装置は、第1方向に延びる第1案内部材と、回転可能に支持された第1方向に延びる第1ボールネジ軸と、第1ボールネジ軸を回転させるための第1モータと、第1ボールネジ軸に螺合する第1ボールナットと、平面的に見て、ユニット支持部の下側に重なるように配置され、第1ボールナットを保持するとともに、第1モータにより第1ボールネジ軸が回転されることによって、ユニット支持部に対して第1方向に移動する第1方向移動部材とをさらに有する。このように構成すれば、ユニット支持部の下側の重なる位置で第1方向移動部材を移動させることができるので、平面的に見て、第1方向移動部材が移動の際にユニット支持部の配置スペースからはみ出すのを抑制することができる。
上記第1方向駆動装置が第1方向移動部材を有する構成において、好ましくは、第2方向駆動装置は、第2方向に延びる第2案内部材と、回転可能に支持された第2方向に延びる第2ボールネジ軸と、第2ボールネジ軸を回転させるための第2モータと、第2ボールネジ軸に螺合する第2ボールナットと、平面的に見て、第1方向移動部材の下側に重なるように配置され、第2ボールナットを保持するとともに、第2モータにより第2ボールネジ軸が回転されることによって、第1方向移動部材に対して第2方向に移動する第2方向移動部材とをさらに有する。このように構成すれば、ユニット支持部および第1方向移動部材の両方にオーバラップする位置で第2方向移動部材を移動させることができるので、平面的に見て、第2方向移動部材が移動の際にユニット支持部および第1方向移動部材の配置スペースからはみ出すのを抑制することができる。
上記第1方向駆動装置が第1部分を有する構成において、好ましくは、第1方向駆動装置および第2方向駆動装置の少なくとも一方は、第1方向に延びる第1案内部材、または第2方向に延びる第2案内部材と、第1方向または第2方向に延びる固定子と、固定子に対向して配置される可動子と、平面的に見て、ユニット支持部の下側に重なるように配置され、第1案内部材または第2案内部材に移動可能に保持されるとともに、可動子を保持する移動部材とをさらに有し、固定子または可動子の一方は、第1のコイルからなり、固定子または可動子の他方は、永久磁石あるいは第2のコイルからなり、少なくとも第1のコイルに電圧が印加されることによって、可動子を保持する移動部材がユニット支持部に対して第1方向または第2方向に移動するように構成されている。このように構成すれば、モータ、ボールネジ軸およびボールナットを用いる構造に比べてより簡単な構造で移動部材を移動させることができるとともに、平面的に見て、移動部材が移動の際にユニット支持部の配置スペースからはみ出すのを抑制することができる。
上記一の局面によるICハンドラにおいて、好ましくは、複数の吸着ノズルユニットは、それぞれ個別に独立して第1方向および第2方向に吸着ノズルを移動させるとともに、ユニット支持部の移動に伴ってユニット支持部と一体的に鉛直方向に移動するように構成されている。このように構成すれば、ユニット支持部を鉛直方向に移動させるための鉛直方向駆動装置を用いて、各吸着ノズルをユニット支持部と一体的に鉛直方向に移動させることができるので、吸着ノズルを鉛直方向に移動させるための駆動装置を各吸着ノズルユニットのそれぞれに別々に設ける必要がない。これにより、構造が複雑化するのを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるICハンドラの全体構成を示す平面図である。図2〜図10は、図1に示したICハンドラの構成を説明するための図である。図1〜図10を参照して、本発明の第1実施形態によるICハンドラ1の構成について説明する。
ICハンドラ1は、図1に示すように、試験装置本体2とともに部品試験装置100を構成している。また、ICハンドラ1は、トレイに収納された電子部品を取り出して試験装置本体2の後述するテストヘッド2aに移載する機能を有している。また、ICハンドラ1は、テストヘッド2aにおいて検査された後の検査済み部品を、検査結果に応じて仕分けするように構成されている。
また、ICハンドラ1は、平面的に見て、矩形の外形形状を有している。また、ICハンドラ1は、基台1a上に複数のトレイ収納部10〜13と、トレイ移送部20と、部品取出部30と、部品収納部40と、部品供給部50と、部品排出部60と、ヘッドユニット支持部70とを備えている。
トレイ収納部には、2つの未検査用トレイ収納部10と、空トレイ収納部11と、2つの良部品トレイ収納部12と、不良部品トレイ収納部13とがある。未検査用トレイ収納部10は、未検査部品が載置されるトレイを収納するように構成されている。空トレイ収納部11は、部品が載置されていない空のトレイを収納するように構成されている。良部品トレイ収納部12は、検査により良品と判断された良部品が載置される良部品トレイを収納するように構成されている。不良部品トレイ収納部13は、検査により不良品と判断された不良部品が載置される不良部品トレイを収納するように構成されている。また、トレイ収納部10〜13は、平面的に見て、ICハンドラ1のY方向の一方端部近傍において、X方向に並列して配置されている。また、基台1a上には、載置される部品を加熱するヒータが配置されたホットプレート14が設けられている。なお、X方向およびY方向は、水平面内において互いに直交する2方向である。
また、これらのトレイ収納部10〜13は、それぞれ、複数のトレイを積み重ねた状態で収納可能に構成されている。また、トレイ収納部10〜13は、それぞれ、最上段に位置するトレイだけを基台1a上に露出させ、その他のトレイを基台1aの上面よりも下側に配置させている。具体的には、トレイ収納部10〜13は、それぞれ、図示しないテーブルを有し、テーブルを昇降させることによって、テーブル上に積載された複数のトレイを1つずつ基台1a上に配置させるように構成されている。
トレイ移送部20は、トレイ収納部10〜13間で空トレイを搬送する機能を有している。具体的には、トレイ移送部20は、電子部品が取り出されて空になったトレイを未検査用トレイ収納部10から空トレイ収納部11の最上段の位置に移送するように構成されている。また、トレイ移送部20は、空トレイ収納部11の最上段から良部品トレイ収納部12、不良部品トレイ収納部13またはその他のトレイ収納部14の最上段に空トレイを移送するように構成されている。これにより、各トレイ収納部12、13において所定数の検査済み部品で満たされたトレイの上に空のトレイを重ねて載置することが可能である。また、トレイ移送部20は、後述するレール部材支持フレーム341の下方を通過してX方向に延び、後述するレール部材32の下方に位置するレール部材21と、図示しない駆動装置によって駆動されて、レール部材21に沿ってX方向に移動可能なヘッド部22とを有している。また、トレイ移送部20は、ヘッド部22に設けられたバキュームパッド(図示せず)により最上段に配置された空トレイを吸着した状態でヘッド部22をX方向に移動することによって、トレイをX方向に並列された他のトレイ収納部に移送するように構成されている。
部品取出部30は、未検査部品を未検査用トレイ収納部10、11のトレイから取り出して部品供給部50の後述するシャトル51上に移載する機能を有している。また、部品取出部30は、Y方向に延び、一方がレール部材支持フレーム341に支持される2つのレール部材31と、X方向に延びるように形成され、両端部をそれぞれレール部材31に支持された支持部材32と、支持部材32に取り付けられたヘッド部33とを有している。支持部材32は、図示しない駆動装置により駆動されて、左右のレール部材31に沿ってY方向に直線移動するように構成されている。ヘッド部33は、不図示の駆動装置により駆動されて、支持部材32に沿ってX方向に直線移動するように構成されている。また、ヘッド部33には、電子部品を吸着可能な吸着ノズルユニット34が4つ搭載されている。そして、部品取出部30は、ヘッド部33をX方向およびY方向に移動させながら、吸着ノズルユニット34により吸着した未検査部品を、未検査用トレイ収納部10の最上段のトレイから部品受取位置51a(図1参照)に位置するシャトル51上の所定位置に移載するように構成されている。なお、常温より高い所定の温度で検査をする必要のある部品については、未検査用トレイ収納部10から直接、シャトル51上へ移載することはせず、電子部品を一旦ホットプレート14上に載置し、載置後所定時間以上経過し所望の温度に昇温した電子部品を吸着ノズルユニット34で吸着し、部品受取位置51aに位置するシャトル51上へ移載する。
部品収納部40は、検査済み部品を部品排出部60の後述するシャトル61上から取り出してトレイ収納部12あるいは13のいずれかのトレイに移載する機能を有している。また、部品収納部40は、Y方向に延び、一方がレール部材支持フレーム341に支持される2つのレール部材41と、X方向に延びるように形成され、両端部をそれぞれレール部材41に支持された支持部材42と、支持部材42に取り付けられたヘッド部43とを有している。支持部材42は、不図示の駆動装置により駆動されて、左右のレール部材41に沿ってY方向に直線移動するように構成されている。ヘッド部43は、不図示の駆動装置により駆動されて、支持部材42に沿ってX方向に直線移動するように構成されている。また、ヘッド部43には、電子部品を吸着可能な吸着ノズルユニット44が4つ搭載されている。そして、部品収納部40は、ヘッド部43をX方向およびY方向に移動させながら、吸着ノズルユニット44により吸着した検査済み部品を、部品受渡位置61aに位置するシャトル61からトレイ収納部12、13の最上段に位置するいずれかのトレイに移載するように構成されている。具体的には、部品収納部40は、検査の結果、良部品と判断された電子部品をシャトル61から良部品トレイ収納部12のトレイに移載し、不良部品と判断された電子部品をシャトル61から不良部品トレイ収納部13のトレイに移載するように構成されている。
部品供給部50は、部品受取位置51aで受け取った未検査部品を部品受渡位置51b(図2参照)、51cまで移送する機能を有している。また、部品供給部50は、8つの未検査部品を載置可能なシャトル51と、Y方向に延びるレール部材52とを有している。シャトル51は、不図示の駆動装置により駆動されて、レール部材52に沿ってY方向に直線移動するように構成されている。これにより、部品供給部50は、所定のタイミングで8つの未検査部品を部品受取位置51aから部品受渡位置51b(図2参照)または51cまで搬送することが可能である。また、部品供給部50は、シャトル51をY方向に移動する際に、図示しない真空装置を駆動することによって、載置する未検査部品がシャトル51上で位置ずれするのを防止するように構成されている。
部品排出部60は、部品受取位置61b、61c(図2参照)で受け取った検査済み部品を部品受渡位置61a(図1参照)まで移送する機能を有している。また、部品排出部60は、8つの検査済み部品を載置可能なシャトル61と、Y方向に延びるレール部材62とを有している。シャトル61は、不図示の駆動装置により駆動されて、レール部材62に沿ってY方向に直線移動するように構成されている。これにより、部品排出部60は、所定のタイミングで8つの検査済み部品を部品受取位置61bまたは61c(図2参照)から部品受渡位置61aまで搬送することが可能である。また、部品排出部60は、シャトル61をY方向に移動する際に、図示しない真空装置を駆動することによって、載置する検査済み部品がシャトル61上で位置ずれするのを防止するように構成されている。
ヘッドユニット支持部70は、部品供給部50のシャトル51により部品受渡位置51b(図2参照)または51cまで移送された未検査部品を基台1a表面に露出された試験装置本体2の後述するテストヘッド2aに移載するように構成されている。さらに、ヘッドユニット支持部70は、テストヘッド2a上の検査済み部品を部品受取位置61bまたは61c(図2参照)に位置する部品排出部60のシャトル61に移載するように構成されている。また、ヘッドユニット支持部70は、Y方向に延びる一対のレール部材71と、X方向に延びるように形成された支持部材72と、それぞれ8つの電子部品を吸着可能な2つのヘッドユニット80および90とを有している。一対のレール部材71は、基台1aのX方向側の両端部近傍に配置されている。支持部材72は、X方向側の両端部近傍がそれぞれレール部材71に支持されているとともに、不図示の駆動装置により駆動されて、レール部材71に沿ってY方向に直線移動するように構成されている。また、支持部材72は、X方向に延びる2つのレール部材72aおよび72bを有している。
ヘッドユニット80および90は、それぞれ、支持部材72を挟むように支持部材72のY方向の両側に配置されている。また、ヘッドユニット80は、支持部材72のレール部材72aに摺動可能に設けられ、不図示の駆動装置により駆動されて、レール部材72aに沿ってX方向に直線移動するように構成されている。ヘッドユニット90は、支持部材72のレール部材72bに摺動可能に設けられ、不図示の駆動装置により駆動され、レール部材72bに沿ってX方向に直線移動するように構成されている。すなわち、ヘッドユニット80および90は、支持部材72の移動に伴ってY方向に一体的に移動するとともに、X方向に互いに独立して移動するように構成されている。
また、ヘッドユニット80は、図2に示すように、ヘッドユニット90により移載された電子部品がテストヘッド2aで検査されている最中に、部品受渡位置51bのシャトル51上から未検査部品を取り出して、基台1aの表面に設けられた撮像装置1b上を通過するようにX方向に移動するように構成されている。また、ヘッドユニット90は、図1に示すように、ヘッドユニット80により移載された電子部品がテストヘッド2aで検査されている間に、部品受渡位置51cのシャトル51上から未検査部品を取り出して、基台1aの表面に設けられた撮像装置1c上を通過するようにX方向に移動するように構成されている。これにより、ヘッドユニット80、90の一方によりテストヘッド2aに移載された電子部品が検査されている間に、ヘッドユニット80、90に吸着された電子部品を撮像装置1b、あるいは撮像装置1cにより撮像して、電子部品の位置ずれを確認することが可能である。また、ヘッドユニット80および90は、互いに同様の構成を有している。このため、以下では、ヘッドユニット80の詳細な構成について説明し、ヘッドユニット90については詳細な説明を省略する。
ここで、第1実施形態では、ヘッドユニット80は、図3〜図5に示すように、ベース部材81(図1および図2参照)と、ユニット支持部82(図3および図4参照)と、8つのX方向駆動装置83と、8つのY方向駆動装置84と、8つのR軸駆動装置85と、8つのヘッド部86と、吸着用負圧供給部87(図3参照)と、2つの下方撮像装置88とを備えている。また、1つのX方向駆動装置83と、1つのY方向駆動装置84と、1つのR軸駆動装置85と、1つのヘッド部86とにより、1つの吸着ノズルユニット89が構成されている。すなわち、ヘッドユニット80において、レール部材72aに移動可能に取り付けられたベース部材81に、8つの吸着ノズルユニット89が搭載されている。なお、X方向駆動装置83は、本発明の「第1方向駆動装置」の一例であり、Y方向駆動装置84は、本発明の「第2方向駆動装置」の一例である。また、R軸駆動装置85は、本発明の「回動駆動装置」の一例である。
ユニット支持部82は、図3〜図7に示すように、ベースプレート821(図3および図4参照)と、水平プレート822と、垂直プレート823と、後述のX方向ボールネジ軸832bを支持する軸支持部824(図7参照)とを有している。ベースプレート821は、Z方向に延びるボールネジ821a(図3参照)やガイドレール(図示しない)などからなる昇降駆動部821bにより、ベース部材81に対して昇降可能に構成されている。また、ベースプレート821は、下端部において図示しないアングル部材を介して水平プレート822に取り付けられている。そして、ベースプレート821がZ方向に昇降されることによって、水平プレート822を介して、X方向駆動装置83、Y方向駆動装置84、R軸駆動装置85およびヘッド部86からなる8つの吸着ノズルユニット89と、2つの下方撮像装置88とが一体的に昇降される。
水平プレート822は、平板形状を有し、平面的に見て、ベースプレート821の下側に重なるように配置されている。また、水平プレート822は、図8に示すように、Y方向側の両端部およびY方向側の中央部に下側に突出する突起部822aを有している。3つの突起部822aは、それぞれ、X方向に延びるように形成されている。
垂直プレート823は、図3〜図7に示すように、水平プレート822のX方向側の両側側面に取り付けられ、Y方向に延びるように形成されている。また、垂直プレート823は、図7に示すように、水平プレート822の厚みよりも大きい高さを有し、水平プレート822の下面よりも下方に突出するように配置されている。また、軸支持部824は、図7に示すように、水平プレート822のX方向側の中央部において、水平プレート822の下面から下方に突出するように設けられている。また、軸支持部824は、Y方向に延びるように形成されている。
8つのX方向駆動装置83は、それぞれ、同様の構成を有しており、それぞれの下側に配置された吸着ノズル868(図10参照)を水平プレート822に対して互いに独立してX方向に移動させる機能を有している。また、8つのX方向駆動装置83は、図7および図8に示すように、それぞれ、X方向スライド部831(図8参照)と、X方向駆動機構部832と、X方向移動部材833と、X方向ボールナット834とから構成されている。なお、X方向駆動機構部832は、本発明の「第1駆動機構部」の一例であり、X方向移動部材833は、本発明の「第1部分」および「第1方向移動部材」の一例である。また、X方向ボールナット834は、本発明の「第1ボールナット」の一例である。
X方向スライド部831は、図8に示すように、X方向に延びるX方向ガイドレール831aと、X方向ガイドレール831aに摺動可能なX方向スライダ831bとを有している。X方向ガイドレール831aは、全体で4本設けられており、水平プレート822のY方向側の両端部に設けられた突起部822aの下面にそれぞれ1本ずつ配置され、中央部の突起部822aの下面に2本配置されている。また、X方向ガイドレール831aは、水平プレート822のX方向の略全長にわたって設けられている。また、X方向ガイドレール831aは、1つのX方向駆動装置83について2本ずつ用いられる。具体的には、図8に示すように、Y1方向側の2本のX方向ガイドレール831aは、Y1方向側でX方向に並列して配置される4つのX方向駆動装置83により兼用され、Y2方向側の2本のX方向ガイドレール831aは、Y2方向側でX方向に並列して配置される4つのX方向駆動装置83により兼用される。X方向スライダ831bは、1つのX方向駆動装置83につき2つずつ設けられている。また、X方向スライダ831bは、X方向ガイドレール831aの両側側面に設けられたX方向に延びる溝部に係合する一対の爪部を有しており、爪部が溝部に係合した状態でX方向ガイドレール831aに対してX方向にスライドするように構成されている。また、X方向スライダ831bは、X方向ガイドレール831aによりY方向への移動が規制されるとともに、爪部が溝部に係合することによってZ方向への移動が規制されている。なお、X方向ガイドレール831aは、本発明の「第1案内部材」の一例である。
各X方向駆動機構部832は、それぞれ、X方向モータ832aと、X方向に延びるX方向ボールネジ軸832bと、2つのプーリ832c(図7参照)と、タイミングベルト832d(図7参照)とを有している。X方向モータ832aは、図6に示すように、サーボモータからなり、水平プレート822のX方向側の両端部近傍において、平面的に見て、水平プレート822に重なるように上側に配置されている。具体的には、水平プレート822のX方向側の両端部近傍に、それぞれ4つずつのX方向モータ832aがY方向に並列して配置されている。また、X方向モータ832aは、図6および図7に示すように、取付板832eを介して垂直プレート823に固定されている。なお、X方向モータ832aは、本発明の「第1モータ」の一例であり、X方向ボールネジ軸832bは、本発明の「第1ボールネジ軸」の一例である。
X方向ボールネジ軸832bは、図7および図8に示すように、平面的に見て、水平プレート822の下側に重なるように配置されている。また、X方向ボールネジ軸832bは、X方向に2列、Y方向に4本ずつ並列して配置されている。具体的には、X方向ボールネジ軸832bは、図8に示すように、2本のX方向ガイドレール831aの間に2本ずつ配置されている。また、X方向ボールネジ軸832bは、図7に示すように、一方端部近傍を垂直プレート823に回動可能に支持され、他方端部を軸支持部824に回動可能に支持されている。2つのプーリ832cは、それぞれ、X方向モータ832aの出力軸およびX方向ボールネジ軸832bの一方端部に取り付けられている。タイミングベルト832dは、2つのプーリ832cに掛け渡されている。また、2つのプーリ832cおよびタイミングベルト832dは、カバー832fにより覆われている。上記のような構成により、X方向駆動機構部832は、X方向モータ832aの回転駆動を2つのプーリ832cおよびタイミングベルト832dを介して、X方向ボールネジ軸832bに伝達するように構成されている。これにより、X方向ボールネジ軸832bを回転させることが可能である。
X方向移動部材833は、図8に示すように、X方向側から見て矩形形状を有し、2つのX方向スライダ831bの下側に吊り下げられるように配置されている。また、各X方向移動部材833は、それぞれ、平面的に見て、水平プレート822の下側に重なるように配置されている。また、X方向移動部材833は、中空形状に形成されている。X方向移動部材833の中空部には油受け900が挿入配置され、両端が垂直プレート823に保持されている。また、X方向移動部材833は、図7および図8に示すように、Y方向に2列、X方向に4つずつ並列して配置されている。また、X方向移動部材833は、図8に示すように、Y方向側の両端部がX方向スライダ831bに固定されている。これにより、X方向移動部材833は、2つのX方向スライダ831bを介してX方向ガイドレール831aに吊り下げられた状態となる。
X方向ボールナット834は、X方向ボールネジ軸832bに螺合するように構成されている。また、X方向ボールナット834は、全体で8つ設けられており、各X方向ボールナット834は、それぞれ、別々のX方向ボールネジ軸832bに螺合されている。また、各X方向ボールナット834は、それぞれ、別々のX方向移動部材833に取り付けられて保持されている。これにより、各X方向ボールネジ軸832bを回転させることによって、各X方向ボールナット834を介して、X方向ガイドレール831aに吊り下げられた各X方向移動部材833を水平プレート822に対して互いに独立してX方向に移動させることが可能となる。
8つのY方向駆動装置84は、それぞれ、同様の構成を有しており、それぞれの下側に配置された各吸着ノズル868(図10参照)をX方向移動部材833に対して互いに独立してY方向に移動させる機能を有している。また、図7および図8に示すように、X方向移動部材833の下面に取り付けられX方向移動部材833と一体化されてX方向に移動する各支持部材841に、Y方向スライド部842(図7参照)が取り付けられている。8つのY方向駆動装置84は、それぞれ、Y方向スライド部842(図7参照)と、Y方向駆動機構部843と、Y方向ボールナット844と、Y方向に移動可能なヘッド取付部材845とから構成されている。なお、Y方向駆動機構部843は、本発明の「第2駆動機構部」の一例であり、Y方向ボールナット844は、本発明の「第2ボールナット」の一例である。また、ヘッド取付部材845は、本発明の「第2部分」および「第2方向移動部材」の一例である。
支持部材841は、図7に示すように、Y方向側から見て略U字形状を有し、開口部が下方向を向くように配置されている。また、Y方向移動部材となるヘッド取付部材845は、平面的に見てX方向移動部材833に重なるように配置されている。
Y方向スライド部842は、図7に示すように、クロスローラ方式に構成され、Y方向に延び、支持部材841の一部と見なすことができる外側スライダ842aと、内側スライダ842bと、図示しない円柱形状の軸部材とを有している。なお、外側スライダ842aは、本発明の「第2案内部材」の一例である。また、外側スライダ842aは、Y方向に延びるように形成され、Y方向から見て下方に延びる支持部材841の両端部下面に取り付けられ固着されている。また、外側スライダ842aの内側の側面には、Y方向に延びるV字形状の溝部が形成されている。内側スライダ842bは、Y方向に延びるように形成され、ヘッド取付部材845に取り付けられている。また、内側スライダ842bは、外側スライダ842aに隣接して配置され、内側スライダ842bの外側の側面には、外側スライダ842aの溝部に対向するようにY方向に延びるV字形状の溝部が形成されている。また、外側スライダ842aおよび内側スライダ842bは、対向する溝部の間にY方向に延びる円柱形状の軸部材(図示せず)を挟み込むように配置されている。これにより、内側スライダ842bは、外側スライダ842aに対してY方向に摺動可能となる。また、軸部材をV字形状の溝部により両側から挟み込むことによって、外側スライダ842aおよび内側スライダ842bは互いにZ方向にずれるのが規制される。
各Y方向駆動機構部843は、それぞれ、Y方向モータ843aと、Y方向に延びるY方向ボールネジ軸843bと、2つのプーリ843c(図8参照)と、タイミングベルト843d(図8参照)とを有している。なお、Y方向モータ843aは、本発明の「第2モータ」の一例であり、Y方向ボールネジ軸843bは、本発明の「第2ボールネジ軸」の一例である。Y方向モータ843aは、図6に示すように、サーボモータからなり、水平プレート822のY方向側の両端部近傍に配置されている。具体的には、水平プレート822のY方向側の両端部近傍それぞれにおいて、2つのY方向モータ843aが平面的に見て、水平プレート822に重なるように上側に並列して配置され、他の2つのY方向モータ843aが平面的に見て水平プレート822に重なるように下側に配置されている。より詳細には、水平プレート822のY方向側の両端部近傍それぞれにおいて、X方向側の略中央部で2つのY方向モータ843aが水平プレート822の上側に配置され、水平プレート822のX方向側の両端部近傍でそれぞれ1つずつのY方向モータ843aが水平プレート822の下側に配置されている。また、水平プレート822の下側に配置されたY方向モータ843aは、図7に示すように、支持部材841に隣接して配置されている。また、Y方向モータ843aは、図6および図8に示すように、取付板843eを介してX方向移動部材833に固定されている。
Y方向ボールネジ軸843bは、図7および図8に示すように、略U字形状の支持部材841に囲まれる位置に配置されるとともに、平面的に見て、X方向移動部材833の下側に重なるように配置されている。また、Y方向ボールネジ軸843bは、Y方向に2列、X方向に4本ずつ並列して配置されている。また、Y方向ボールネジ軸843bは、図8に示すように、両端部近傍を支持部材841の壁状に下方に延びる部分に回動可能に支持されている。2つのプーリ843cは、それぞれ、Y方向モータ843aの出力軸およびY方向ボールネジ軸843bの一方端部に取り付けられている。タイミングベルト843dは、2つのプーリ843cに掛け渡されている。上記のような構成により、Y方向駆動機構部843は、Y方向モータ843aの回転駆動を2つのプーリ843cおよびタイミングベルト843dを介して、Y方向ボールネジ軸843bに伝達するように構成されている。これにより、Y方向ボールネジ軸843bを回転させることが可能である。
Y方向ボールナット844は、Y方向ボールネジ軸843bに螺合するように構成されている。また、Y方向ボールナット844は、全体で8つ設けられており、各Y方向ボールナット844は、それぞれ、別々のY方向ボールネジ軸843bに螺合されている。
ヘッド取付部材845は、図7および図9に示すように、Y方向から見て略T字形状を有しており、Y方向に延びるように形成されている。また、ヘッド取付部材845は、X方向側の中央部の凸部が上側に位置するように配置され、凸部上端面がY方向ボールナット844に固着されている。また、ヘッド取付部材845の凸部の両側側面には、それぞれ内側スライダ842bが取り付けられている。これにより、ヘッド取付部材845は、Y方向スライド部842により支持部材841に吊り下げられた状態となる。これにより、各Y方向ボールネジ軸843bを回転させることによって、各内側スライダ842bとともに各Y方向ボールナット844に一体化された各ヘッド取付部材845を、X方向移動部材833に対して互いに独立してY方向に移動させることが可能となる。
8つのR軸駆動装置85は、それぞれ、同様の構成を有しており、それぞれの下側に配置された吸着ノズル868(図10参照)を、互いに独立して吸着ノズル868の中心軸R(図10参照)を回動中心として回動させる機能を有している。また、各R軸駆動装置85は、図10に示すように、それぞれ、R方向モータ851aと、2つのプーリ851bと、タイミングベルト851cとを有している。R方向モータ851aは、サーボモータからなり、ヘッド取付部材845よりも下側に配置されている。具体的には、R方向モータ851aは、ヘッド取付部材845よりも下側で、ヘッド部86の後述する筒部861に隣接して配置されている。また、R方向モータ851aは、図3〜図5および図10に示すように、取付板851dを介してヘッド部86の後述する筒部861に取り付けられている。2つのプーリ851bは、図10に示すように、それぞれ、R方向モータ851aの出力軸およびヘッド部86の後述する軸部862に取り付けられている。また、軸部862に取り付けられたプーリ851bは、平面的に見て、ヘッド取付部材845の下側に重なるように配置されている。タイミングベルト851cは、2つのプーリ851bに掛け渡されている。上記のような構成により、R軸駆動装置85は、R方向モータ851aの回転駆動を2つのプーリ851bおよびタイミングベルト851cを介して、後述する軸部862に伝達するように構成されている。これにより、軸部862を介して吸着ノズル868を中心軸Rを回動中心として回動させることが可能である。なお、プーリ851bは、本発明の「第3部分」の一例である。
ヘッド部86は、ヘッド取付部材845に取り付けられるとともに、吸着ノズル868を保持する機能を有している。また、ヘッド部86は、筒部861と、軸部862と、2つのアダプタ863、864と、ヘッド部材865と、吸着ノズル保持部材866とを有している。
筒部861は、平面的に見て、略矩形形状を有し、中空の筒状に形成されている。また、筒部861は、ヘッド取付部材845の下面に取り付けられ、平面的に見て、ヘッド取付部材845に重なる位置に配置されている。軸部862は、筒部861に挿入され、筒部861内で軸受部867により筒部861に対して回動可能に支持されている。また、軸部862の下端部近傍には、R軸駆動装置85のプーリ851bが取り付けられている。これにより、R方向モータ851aを駆動させることによって、プーリ851bを介して軸部862を回動させることが可能である。また、軸部862の下には、円柱状のアダプタ863が配置され、アダプタ863の下には、円柱状のアダプタ864が配置されている。
ヘッド部材865は、八角形の外形形状を有し、アダプタ864の下に設けられている。また、ヘッド部材865は、平面的に見て、軸部862に取り付けられたR軸駆動装置85のプーリ851bに重なるように配置されている。また、ヘッド部材865は、中空の筒状に形成されている。また、ヘッド部材865の内部には、吸着ノズル保持部材866が挿入されて保持されている。これにより、吸着ノズル保持部材866は、平面的に見て、軸部862に取り付けられたR軸駆動装置85のプーリ851bに重なる位置に配置される。したがって、X方向駆動装置83のX方向移動部材833、Y方向駆動装置84のヘッド取付部材845、および、軸部862に取り付けられたR軸駆動装置85のプーリ851bは、それぞれ、平面的に見て、吸着ノズル保持部材866に対して重なるように配置されている。さらに、水平プレート822と、X方向ボールネジ軸832bと、X方向移動部材833と、支持部材841と、Y方向ボールネジ軸843bと、ヘッド取付部材845と、軸部862に取り付けられたR軸駆動装置85のプーリ851bと、ヘッド部86とは、平面的に見て、互いに重なるように配置されている。また、吸着ノズル保持部材866には、下側から内部に挿入されるようにして吸着ノズル868が取り付けられている。
また、吸着ノズル保持部材866および吸着ノズル868は、ヘッド部材865に対して上下方向(Z方向)に一体的に摺動可能とされている。また、ヘッド部材865の内部において吸着ノズル保持部材866の上端部に圧縮コイルバネ869が設けられている。これにより、吸着ノズル868が電子部品を介して後述するテストヘッド2aの検査用ソケットに押圧される際の、吸着ノズル868への下側からの反力に対して、バフィング機能(衝撃緩和機能)が働くようになっている。また、吸着ノズル868は、軸部862が回動されることによって、軸部862、アダプタ863、864、ヘッド部材865および吸着ノズル保持部材866と一体的に中心軸Rを回動中心として回動されるように構成されている。また、吸着ノズル868は、中空の筒状に形成されており、内部の負圧により下端部で吸引力が作用するように構成されている。これにより、吸着ノズル868の下端部で電子部品を吸着することが可能である。吸着ノズル868の内部には、吸着用負圧供給部87(図3参照)から供給される負圧がヘッド部材865のエア通路865a(図10参照)などを介して到達されるように構成されている。
上記のような構成により、8つの吸着ノズル868は、それぞれ互いに独立して、ユニット支持部82に対してX方向およびY方向に移動可能であるとともに、それぞれ互いに独立して各々の中心軸Rを回動中心として回動可能である。これにより、各吸着ノズル868により吸着される電子部品が位置ずれしている場合でも、各吸着ノズル868を独立に移動および回動させて、電子部品の位置をテストヘッド2aの検査用ソケットの位置に精度よく合わせることが可能である。
2つの下方撮像装置88は、それぞれ、シャトル51、61の電子部品載置位置の確認およびテストヘッド2aの検査用ソケットの位置を確認するために用いられる。
試験装置本体2は、ICハンドラ1に着脱可能に構成されており、装着時にはICハンドラ1の下側に重なるように配置されている。試験装置本体2は、テストヘッド2aを有し、テストヘッド2aには8つの検査用ソケット(図示せず)が設けられている。また、試験装置本体2は、8つの検査用ソケットに押圧された電子部品について検査を行うように構成されている。
次に、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態によるICハンドラ1の動作について説明する。
まず、部品取出部30の4つの吸着ノズルユニット34により、未検査用トレイ収納部10の最上段のトレイから4つの電子部品が吸着されて取り出される。そして、取り出された4つの未検査部品は、部品取出部30により、移動されて図1に示す部品受取位置51aに位置するシャトル51上の所定位置に載置される。この動作が2回繰り返されることによって、シャトル51上に8つの未検査部品が載置される。その後、部品供給部50により、シャトル51が図2に示す部品受渡位置51bに移送される。この際、ヘッドユニット90は、テストヘッド2aの上方に位置し、ヘッドユニット90に吸着された電子部品について検査が実施されている。なお、ヘッドユニット80がテストヘッド2aの上方に位置し、ヘッドユニット80に吸着された電子部品について検査が実施されている場合には、シャトル51は、部品受渡位置51cに移送される。また、シャトル51が移送される際には、真空装置が駆動されてシャトル51上の電子部品の位置ずれが防止される。
次に、ヘッドユニット80が部品受渡位置51bの上方に移動され、ヘッドユニット80の8つの吸着ノズルユニット89により、シャトル51に載置された8つの未検査部品が吸着されて取り出される。そして、ヘッドユニット80がX方向に移動されて基台1aのX方向側の略中央に配置される。この際、ヘッドユニット80が撮像装置1bの上方を通過することによって、吸着ノズルユニット89に吸着されている8つの電子部品が撮像されて部品の位置ずれが検知される。そして、他方のヘッドユニット90側の電子部品の検査が終了されて検査済み部品が上昇されると、ヘッドユニット80は、図1に示すように、支持部材72のY方向の移動に伴いヘッドユニット90と一体的にY方向に移動されてテストヘッド2aの上方に配置される。これによりヘッドユニット90は、X方向右手の部品受取位置61bの上方に、あるいはX方向左手の部品受渡位置51cに、それぞれ移動可能となる。なお、ヘッドユニット80,90の各下方撮像装置88は、工場出荷時や定期点検時、あるいは各検査ロットの検査開始時等におけるICハンドラーの調整において、部品受渡位置51b、51cにおけるシャトル51上のマークの検出、部品受取位置61b、61cにおけるシャトル61上のマークの検出に使用され、不図示の各駆動装置による駆動制御におけるレール部材52、62上でのシャトル51、61の移動量が、各ヘッドユニット80,90に対応して調整される。さらに、各検査ロットの検査開始時に、ヘッドユニット80,90の各下方撮像装置88は、テストヘッド2aの8つの検査用ソケットの位置をヘッドユニット80,90に対応させて検出し、検出結果が不図示の制御装置のメモリに記憶される。
その後、吸着された電子部品の位置ずれの検知結果に基づいて、検出され記憶されたテストヘッド2aの8つの検査用ソケットの位置(この場合はヘッドユニット80の下方撮像装置88により検出されたデータ)に一致するように、吸着された各電子部品の位置および向きが修正される。具体的には、位置ずれの検知結果に基づいて、吸着ノズルユニット89のX方向駆動装置83によりX方向に移動され、Y方向駆動装置84によりY方向に移動され、R軸駆動装置85により回動されることによって、互いに独立して各々の電子部品の位置および向きが調整される。そして、昇降駆動部821bにより、8つの吸着ノズルユニット89がユニット支持部82と一体的に下降されて、各吸着ノズル868の下端部に吸着された電子部品がそれぞれ対応する検査用ソケットに押圧される。
検査が終了すると、8つの吸着ノズルユニット89は、それぞれ検査済み部品を吸着したままユニット支持部82と一体的に上昇される。そして、支持部材72のY方向の移動に伴い、テストヘッド2aの上方に向けY方向に移動するヘッドユニット90と一体的にヘッドユニット80がY方向に移動する。その後、ヘッドユニット80は、図2に示すように、X方向に移動されて部品受取位置61cの上方に配置される。そして、吸着ノズルユニット89に吸着された8つの検査済み部品が部品受取位置61cに位置するシャトル61上の所定位置に移載される。その後、シャトル61は、図1に示す部品受渡位置61aに移動され、シャトル61上の検査済み部品は、部品収納部40の吸着ノズルユニット44により吸着されて取り出される。そして、8つの検査済み部品は、それぞれ、部品収納部40において検査結果に応じた各トレイ収納部12あるいは13に振り分けられる。これらの一連の動作は、ヘッドユニット80側および90側の両方で並行して行われる。ヘッドユニット90の場合には、ヘッドユニット80に吸着された電子部品の検査中に、ヘッドユニット90は、X方向右手に移動して部品受取位置61bの上方において部品受取位置61bに位置するシャトル61に検査済み部品を移載し、この移載後、X方向左手に移動して部品受渡位置51cでシャトル51上から未検査部品を吸着する。吸着後、支持部材70のX方向中央に移動し、ヘッドユニット80において検査が終了し、8つの吸着ノズルユニット89が、それぞれ検査済み部品を吸着したまま上昇したタイミングで、ヘッドユニット90は、ヘッドユニット80と一体的にY方向に移動し、テストヘッド2aの上方で停止する。
上記の一連の動作の途中で未検査用トレイ収納部10の最上段のトレイが空になると、トレイ移送部20により空のトレイが空トレイ収納部11の最上段に移送される。また、トレイ収納部12あるいは13の最上段のトレイが検査済み部品で満たされると、トレイ移送部20により、空トレイ収納部11から最上段のトレイが満たされたトレイ収納部12あるいは13の最上段に空のトレイが移送される。
第1実施形態では、上記のように、吸着ノズル868を水平面内のX方向に移動させるためのX方向駆動装置83と、吸着ノズル868を水平面内のY方向に移動させるためのY方向駆動装置84とを各々が含む8つの吸着ノズルユニット89を設けることによって、各吸着ノズルユニット89それぞれに吸着された各電子部品を互いに独立してX方向およびY方向に移動させることができるので、吸着する電子部品が位置ずれしている場合でも、各電子部品の位置をそれぞれの検査用ソケットの位置に精度よく合わせることができる。また、X方向駆動装置83およびY方向駆動装置84の少なくとも一部を、平面的に見て、吸着ノズル保持部材866に対して重なるように配置することによって、各電子部品を互いに独立してX方向およびY方向に移動させる構成を設けたとしても、吸着ノズルユニット89の平面的な配置スペースが大きくなるのを抑制することができる。これらの結果、吸着ノズルユニット89の平面的な配置スペースが大きくなるのを抑制しながら、各電子部品の位置をそれぞれの検査用ソケットの位置に精度よく合わせることができる。
また、第1実施形態では、平面的に見て、ユニット支持部82の下側に重なるようにX方向移動部材833を配置し、平面的に見て、X方向移動部材833の下側に重なるように支持部材841を配置し、平面的に見て、支持部材841の下側に重なるように軸部862に取り付けられたR軸駆動装置85のプーリ851bを配置するとともに、X方向移動部材833、支持部材841および軸部862に取り付けられたプーリ851bを、それぞれ、平面的に見て、吸着ノズル保持部材866に対して重なるように配置することによって、ユニット支持部82、X方向移動部材833、支持部材841、軸部862に取り付けられたR軸駆動装置85のプーリ851bおよび吸着ノズル保持部材866が上下方向にオーバラップした状態で配置されるので、吸着ノズルユニット89の平面的な配置スペースを小さくすることができる。
また、第1実施形態では、X方向駆動機構部832のX方向モータ832aを、平面的に見て、水平プレート822の上側に重なるように配置し、Y方向駆動機構部843のY方向モータ843aの一部を、平面的に見て、水平プレート822の上側に重なるように配置することによって、水平プレート822の上側の領域を利用して、X方向モータ832aおよびY方向モータ843aの一部が水平プレート822にオーバラップした状態で配置されるので、吸着ノズルユニット89の平面的な配置スペースが大きくなるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、平面的に見て、ユニット支持部82の下側に重なるように、X方向に延びるX方向ガイドレール831aと、回転可能に支持されたX方向に延びるX方向ボールネジ軸832bと、X方向ボールネジ軸832bを回転させるためのX方向モータ832aと、X方向ボールネジ軸832bに螺合するX方向ボールナット834とを配置している。さらに、平面的に見て、ユニット支持部82の下側に重なるように、X方向ボールナット834を保持するX方向移動部材833を配置している。これにより、X方向モータ832aによりX方向ボールネジ軸832bが回転されることによって、ユニット支持部82の下側の重なる位置でX方向移動部材833を、ユニット支持部82に対してX方向に移動させることができるので、平面的に見て、X方向移動部材833が移動の際にユニット支持部82の配置スペースからはみ出すのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、平面的に見て、X方向移動部材833の下側に重なるように、Y方向に延びる外側スライダ842aおよび内側スライダ842bと、回転可能に支持されたY方向に延びるY方向ボールネジ軸843bと、Y方向ボールネジ軸843bを回転させるためのY方向モータ843aと、Y方向ボールネジ軸843bに螺合するY方向ボールナット844とを配置している。さらに、平面的に見て、X方向移動部材833の下側に重なるように、Y方向ボールナット844を保持するヘッド取付部材845を配置している。これにより、Y方向モータ843aによりY方向ボールネジ軸843bが回転されることによって、ユニット支持部82およびX方向移動部材833の両方にオーバラップする位置でヘッド取付部材845をX方向移動部材833に対してY方向に移動させることができるので、平面的に見て、ヘッド取付部材845が移動の際にユニット支持部82およびX方向移動部材833の配置スペースからはみ出すのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、8つの吸着ノズルユニット89を、ユニット支持部82の移動に伴ってユニット支持部82と一体的に鉛直方向(Z方向)に移動するように構成することによって、ユニット支持部82を鉛直方向に移動させるための昇降駆動部821bを用いて、各吸着ノズル868をユニット支持部82と一体的に鉛直方向に移動させることができるので、吸着ノズル868を鉛直方向に移動させるための駆動装置を各吸着ノズルユニット89のそれぞれに別々に設ける必要がない。これにより、構造が複雑化するのを抑制することができる。
(第2実施形態)
図11は、本発明の第2実施形態によるICハンドラの構成を説明するための断面図である。図11を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、吸着ノズルユニット289のX方向駆動装置283およびY方向駆動装置284がそれぞれリニアモータ方式によりX方向およびY方向に吸着ノズル868を移動させるICハンドラ200について説明する。
第2実施形態では、図11に示すように、X方向駆動装置283およびY方向駆動装置284が、平面的に見て、それぞれ水平プレート822の下側に重なるように配置されている。また、8つの吸着ノズルユニット289は、それぞれ、同様の構成を有している。
各X方向駆動装置283は、下側に配置された吸着ノズル868(図10参照)を水平プレート822に対して、それぞれ個別独立にX方向に移動させる機能を有している。また、各X方向駆動装置283は、それぞれ、X方向スライド部283aと、X方向駆動機構部283bと、X方向移動部材283cとから構成されている。なお、X方向移動部材283cは、本発明の「移動部材」の一例である。
X方向スライド部283aは、X方向に延びるX方向ガイドレール283dと、X方向ガイドレール283dに摺動可能なX方向スライダ283eとを有している。また、X方向ガイドレール283dは、1つの吸着ノズルユニット289につき2本ずつ設けられ、水平プレート822の下面に取り付けられている。X方向スライダ283eは、X方向ガイドレール283dの両側側面に設けられたX方向に延びる溝部に係合する一対の爪部を有しており、爪部が溝部に係合した状態でX方向ガイドレール283dに対してX方向にのみスライド可能に構成されている。なお、X方向ガイドレール283dは、本発明の「第1案内部材」の一例である。
各X方向駆動機構部283bは、固定子283fと、コイル部283gと、図示しない電源部とを有している。なお、コイル部283gは、本発明の「可動子」の一例であり、本発明の「第1のコイル」となる。固定子283fは、円柱形状を有し、X方向に延びるように形成されている。また、固定子283fは、両端部が取付部材283hにより水平プレート822の下面に取り付けられ、平面的に見て、水平プレート822の下側に重なるように配置されている。また、固定子283fは短い円柱状の複数の永久磁石283iを有し、永久磁石283iの周囲は非磁性体からなるスリーブ(図示せず)で覆われている。複数の永久磁石283iは、N極、S極が交互に逆向きに位置するように軸方向(X方向)に配列されている。コイル部283gは、中空形状のX方向移動部材283cの内部においてX方向移動部材283cに固定的に保持されている。また、コイル部283gは、導電性線材が螺旋状に巻かれることにより円筒状に形成されている。また、コイル部283gの内部には、円柱形状の固定子283fが挿入されている。コイル部283gの内径は、固定子283fの間で僅かな隙間が確保できるよう、固定子283fの外形より僅かに大径とされている。また、コイル部283gは、X方向側の全長が固定子283fの全長よりも短くなるように形成されている。また、コイル部283gには、電源部により電圧が印加されるように構成されている。
X方向移動部材283cは、上面がX方向スライダ283eの下面に取り付けられ、X方向移動部材283cのX方向側の両端部には、固定子283fの間で僅かな隙間が確保できるよう、固定子283fの外形より僅かに大径とされるが、コイル部283gの内径よりは小さな内径を有するブッシュ部材283jが、それぞれ設けられ、X方向ガイドレール283dとX方向スライダ283eとの間に磨耗によりガタが生じても、固定子283fとコイル部283gとが直ちに接触しないようにする。また、X方向移動部材283cは、平面的に見て、水平プレート822の下側に重なるように配置されている。
上記のような構成により、コイル部283gに印加する電圧を制御することによって、各X方向駆動装置283は、水平プレート822に対して、それぞれ個別独立にX方向にX方向移動部材283cを移動させることが可能である。なお、X方向駆動装置283には、図示しないスケールおよびスケールを磁気的に読み取り可能なMRヘッドが設けられており、これらを用いてX方向移動部材283cのX方向の移動量が調整される。
Y方向駆動装置284は、上記したX方向駆動装置283と同様の構成を有している。また、各Y方向駆動装置284は、下側に配置された吸着ノズル868(図10参照)をX方向移動部材283cに対して、それぞれ個別独立にY方向に移動させる機能を有している。また、各Y方向駆動装置284は、それぞれ、Y方向スライド部284aと、Y方向駆動機構部284bと、Y方向移動部材284cとから構成されている。
Y方向スライド部284aは、Y方向に延びるY方向ガイドレール284dと、Y方向ガイドレール284dに摺動可能なY方向スライダ284eとを有している。また、Y方向ガイドレール284dは、1つの吸着ノズルユニット289につき2本ずつ設けられ、X方向移動部材283cの下面に取り付けられている。Y方向スライダ284eは、Y方向ガイドレール284dの両側側面に設けられたY方向に延びる溝部に係合する一対の爪部を有しており、爪部が溝部に係合した状態でY方向ガイドレール284dに対してY方向にのみスライド可能に構成されている。
各Y方向駆動機構部284bは、固定子284fと、コイル部284gと、図示しない電源部とを有している。固定子284fは、円柱形状を有し、Y方向に延びるように形成されている。また、固定子284fは、両端部が図示しない取付部材によりX方向移動部材283cの下面に取り付けられ、平面的に見て、X方向移動部材283cの下側に重なるように配置されている。また、固定子284fは、短い円柱状の複数の永久磁石284iを有し、永久磁石284iの周囲は非磁性体からなるスリーブ(図示せず)で覆われている。複数の永久磁石284iは、N極、S極が交互に逆向きに位置するように軸方向(Y方向)に配列されている。コイル部284gは、中空形状のY方向移動部材284cの内部において、Y方向移動部材284cを構成する後述する上側部材284jおよびヘッド取付部材284kに固定的に保持されている。また、コイル部284gは、導電性線材が螺旋状に巻かれることにより円筒状に形成されている。また、コイル部284gの内部には、円柱形状の固定子284fが挿入されている。また、コイル部284gは、Y方向側の全長が固定子284fの全長よりも短くなるように形成されている。また、コイル部284gの内径は、固定子284fの間で僅かな隙間が確保できるよう、固定子284fの外形より僅かに大径とされている。また、コイル部284gには、電源部により電圧が印加されるように構成されている。なお、ヘッド取付部材284kは、本発明の「移動部材」の一例である。
Y方向移動部材284cを構成する上側部材284jの上面がX方向スライダ283eの下面に取り付けられる。Y方向移動部材284cのY方向側の両端部には、固定子284fの間で僅かな隙間が確保できるよう、固定子284fの外形より僅かに大径とされるが、コイル部284gの内径よりは小さな内径を有する図示しないブッシュ部材がそれぞれ設けられ、Y方向ガイドレール284dとY方向スライダ284eとの間に磨耗によりガタが生じても、固定子284fとコイル部284gが直ちに接触しないようにする。また、Y方向移動部材284cは、平面的に見て、X方向移動部材283cの下側に重なるように配置されている。また、ヘッド取付部材284kの下には、上記第1実施形態と同様に、R軸駆動装置85およびヘッド部86が配置される。すなわち、水平プレート822と、X方向駆動装置283の固定子283fと、X方向駆動装置283のコイル部283gと、X方向移動部材283cと、Y方向移動部材284cと、Y方向駆動装置284の固定子284fと、Y方向駆動装置284のコイル部284gと、軸部862に取り付けられたR軸駆動装置85のプーリ851b(図10参照)と、ヘッド部86(図10参照)とは、それぞれ、平面的に見て、吸着ノズル保持部材866に対して重なるように配置されている。
上記のような構成により、コイル部284gに印加する電圧を制御することによって、各Y方向駆動装置284は、X方向移動部材283cに対して、それぞれ個別独立にY方向にY方向移動部材284cを移動させることが可能である。なお、Y方向駆動装置284には、図示しないスケール、および、スケールを磁気的に読み取り可能なMRヘッド284lが設けられており、これらを用いてY方向移動部材284cのY方向の移動量が調整される。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上記のように、モータ、プーリ、タイミングベルトが不要となり、ボールネジ軸およびボールナットを用いる構造に比べてより簡単な構造でX方向移動部材283cおよびY方向移動部材284cをそれぞれX方向およびY方向に移動させることができるとともに、平面的に見て、X方向移動部材283cおよびY方向移動部材284cが、それぞれ、移動の際に水平プレート822の配置スペースからはみ出すのを抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態および第2実施形態では、ヘッドユニットに8つの吸着ノズルユニットを設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、複数の吸着ノズルユニットであれば、8つ以外の複数の吸着ノズルユニットを設けてもよい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、部品取出部および部品収納部のヘッド部にそれぞれ4つの吸着ノズルユニットを設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、それぞれに1つの吸着ノズルユニットを設けてもよいし、4つ以外の複数の吸着ノズルユニットを設けてもよい。
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、X方向移動部材およびヘッド取付部材のそれぞれを、平面的に見て、水平プレートの下側に重なるように配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、X方向移動部材およびヘッド取付部材のそれぞれを、平面的に見て、水平プレートの上側に重なるように配置してもよい。
また、上記第1実施形態では、すべてのX方向モータを水平プレートの上側に重なるように配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、X方向モータの一部だけを水平プレートの上側に重なるように配置してもよいし、X方向モータのすべてまたは一部を水平プレートの下側に重なるように配置してもよい。
また、上記第1実施形態では、Y方向モータの一部を水平プレートの上側に重なるように配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、Y方向モータのすべてを水平プレートの上側に重なるように配置してもよいし、Y方向モータのすべてを水平プレートの下側に重なるように配置してもよい。
また、上記第1実施形態では、X方向ガイドレール、X方向ボールネジ軸およびX方向ボールナットを、それぞれ、平面的に見て、水平プレートの下側に重なるように配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、X方向ガイドレール、X方向ボールネジ軸およびX方向ボールナットを、それぞれ、平面的に見て、水平プレートの上側に重なるように配置してもよい。
また、上記第1実施形態では、外側スライダ、Y方向ボールネジ軸およびY方向ボールナットを、それぞれ、平面的に見て、X方向移動部材の下側に重なるように配置する例を示したが、本発明はこれに限らず、外側スライダ、Y方向ボールネジ軸およびY方向ボールナットを、それぞれ、平面的に見て、X方向移動部材の上側に重なるように配置してもよい。
また、上記第1実施形態においては、それぞれのヘッドユニットにおいて8つの吸着ノズルユニットに、それぞれX方向駆動装置、Y方向駆動装置およびR軸駆動装置を搭載したが、8つのうちの1つの吸着ノズルユニットに対しては、R軸駆動装置のみを搭載するようにしてもよい。撮像装置により検出される電子部品の位置ずれの内、R軸駆動装置のみを搭載する吸着ノズルユニットにおける電子部品のX方向、Y方向の位置ずれは、ヘッドユニットのX方向、Y方向の位置補正で対応し、その他の吸着ノズルユニットにおける電子部品のX方向、Y方向の位置ずれは、それぞれX方向駆動装置、Y方向駆動装置の位置補正量算出時、ヘッドユニットのX方向、Y方向の位置補正分を算出に際して差し引いて算出するようにする。
また、上記第2実施形態では、X方向駆動装置およびY方向駆動装置の両方をリニアモータ方式に構成する例を示したが、本発明はこれに限らず、X方向駆動装置およびY方向駆動装置のいずれか一方だけをリニアモータ方式に構成してもよい。
また、上記第2実施形態では、固定子の一例として、永久磁石からなる固定子を示すとともに、可動子の一例として、コイル部(第1のコイル)を示したが、本発明はこれに限らず、コイル(第1のコイル)からなる固定子および永久磁石からなる可動子であってもよい。さらに、固定子および可動子の両方とも、コイル(第1のコイル、第2のコイル)であってもよい。