JP2010150622A - めっき液,凸状金属構造体を有する導電体基板、及び、その製造方法 - Google Patents

めっき液,凸状金属構造体を有する導電体基板、及び、その製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導電体基板の表面に直接めっき法によって凸状金属構造体を形成できるめっき液およびめっきされた導電体基板を提供する。
【解決手段】導電体基板の表面に二次元的に成長した凸状金属構造体106を形成するためのめっき液であって、Cu,Niなどの金属イオンを含む金属塩,炭化水素からなる疎水基と該疎水基の末端に親水基を有する界面活性剤,前記金属塩と界面活性剤を溶解した水溶液とを含むめっき液、および、該めっき液を用いて凸状金属構造体106を形成した導電体基板。
【選択図】図3

Description

本発明は、凸状金属構造体を形成するためのめっき液と、該めっき液を用いて作製した凸状金属構造体を有する導電体基板、及び、その製造方法に関する。
二次電池や二重層キャパシターなどの蓄電装置は、自然エネルギー発電所の負荷平準設備やハイブリッド自動車および電気自動車の動力源として注目されている。広範囲な普及に向けては蓄電装置の更なる充電容量増大が課題となっている。課題解決の手段の一つとしては電極の高比表面積化が挙げられる。ニッケル水素電池の活物質である酸化ニッケルや、集電極として広く用いられている銅箔の高比表面積化は充電容量増加,高出力化に効果的であり、これまでも広く研究が進められている。
またニッケルは電気分解電極としても広く用いられており、高比表面積化は装置の小型化に必須である。プリント基板配線用の銅箔の高比表面積化は樹脂との密着性向上のため、センサー用として用いられる金や銀電極の高比表面積化は感度向上のために必要とされている。さらに反射防止膜や吸着剤など様々な分野でも金属の高比表面積化技術が必要とされている。
高比表面積の金属表面を形成する技術としては、特許文献1に示したような微細化した金属粒子をバインダーにより固定化する方法が一般的である。また、蒸着プロセスやナノフィラー,ナノ微粒子などのナノ構造体をドライプロセスにより表面処理する方式の開発も行われており、特許文献2では、アークプレーティングによる電極製造が提案されている。その他にもエッチングなどによる表面粗化技術や機械加工など多くの技術が開発されている。
特開2002−317289号公報 特開2005−15818号公報
しかしながら、いずれの手法も特定の金属にしか適用できない、比表面積の向上割合が低い,制御が難しい,工程数が多くプロセスコストがかかるなどの問題がある。特にナノ粒子などを用いた場合は、構造体が点接触で形成されるため機械強度や導電性の向上が課題である。そのため、より簡便なプロセスで金属の高比表面積化が可能であり、機械的強度や導電性等の特性に優れた金属の高比表面積化技術が求められている。
本発明は、導電体基板の表面に直接めっき法によって凸状金属構造体を形成できるめっき液を提供することを目的とする。また、該めっき液を用いて作製した機械強度が強く、高い伝導性を有する高比表面積の凸状金属構造体を有する導電体基板、及び、その製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するための本発明の第1の手段は、導電体基板の表面に二次元的に成長した凸状金属構造体を形成するためのめっき液であって、金属塩,界面活性剤,前記金属塩と界面活性剤を溶解した水溶液とを含み、前記界面活性剤が炭化水素からなる疎水基と前記疎水基の末端に親水基を有することを特徴とするめっき液である。
上記課題を達成するための本発明の第2の手段は、第1の手段のめっき液を用いためっき法により形成された凸状金属構造体が導電体の基材表面に二次元的に成長していることを特徴とする導電体基板である。
上記課題を達成するための本発明の第3の手段は、第1の手段のめっき液を用いためっき法により、導電体の基材表面に二次元的に成長した凸状金属構造体を形成することを特徴とする導電体基板の製造方法である。
本発明によれば、導電体基板表面から直接めっき法によって凸状金属構造体を形成するため、機械強度が強く、高い伝導性を有する高比表面積の金属膜の形成が可能である。また、めっき法を用いるため、多種類の金属の高比表面積化に適用することができる。さらに必要なプロセスが界面活性剤の添加のみであるため、少ない工程数および低いプロセスコストでの製造が可能となる。
本発明は、導電体基板の表面上に二次元的に成長した凸状金属構造体を形成するめっき手法に用いるめっき液として、疎水基と親水基を有し、疎水基は炭化水素からなり、疎水基の末端に親水基が存在する界面活性剤を添加剤として含むことを特徴とするめっき液とそれを用いて製造しためっき膜を特徴とする。
本発明のめっき液及びめっき方法について以下説明する。
本発明のめっき液は、金属塩,界面活性剤,金属塩と界面活性剤を溶解させる水溶液を必須成分とし、それ以外の添加剤および支持塩が含まれていてもよい。本発明によれば導電体基板の表面上に二次元的に成長した凸状金属構造体をめっきによって形成することが可能となる。これは、めっき液中で析出する金属構造体の表面に界面活性剤が吸着し、めっき膜の成長に異方性を付与するためであり、界面活性剤の選択は非常に重要である。
本発明のめっき液に使用する界面活性剤は、疎水基と親水基を有しており、疎水基は炭化水素からなる有機化合物であることが好ましい。炭化水素の構造式は特に規定するものではなく、飽和分子でも不飽和分子でもよい。炭化水素鎖は直鎖,分岐鎖,芳香族,環状のいずれでもよい。また炭化水素鎖を複数有していてもよい。炭素数は5〜20程度であることが望ましい。これは炭素数が20よりも多ければ水に不溶となり、5よりも少なければ界面活性剤の効果がなくなるためである。疎水基の構造として炭素および水素以外の元素が含まれていてもよいが、非分極性であることが望ましい。これは分極性の元素が存在すると疎水性が低下し、界面活性剤の効果が悪化するためである。
親水基は界面活性剤の効果が最大となるよう、疎水基の末端に位置することが望ましい。親水基の種類はアニオン性もしくはカチオン性であればよく特に制限はなく、好ましい例としては分極の大きな硫酸イオン,カルボン酸イオン,アンモニウムイオン,リン酸イオン,スルホン酸イオンなどが挙げられる。分極の大きな親水基を使用する理由として、金属表面への強い吸着性が挙げられる。特定の金属面に界面活性剤が強く吸着すると、その面への金属の析出が阻害され、めっき膜の成長に異方性が生じやすくなる。そのため、異方性の高い凸状金属構造体を形成するためには分極の強い親水基を使用することが好ましい。吸着の選択性に関しては特に制限するものではないが、FCC結晶を有する金属の場合、一般的に(111)面が最密充填となり安定となるため、界面活性剤としては(110)面か(100)面に選択的に吸着し、(111)面方向の異方成長を促進することが望ましい。
以上の条件を満足すれば界面活性剤の種類は特に規定しない。ただし、価格,溶解度,扱いやすさ,入手しやすさなどを考慮に入れると、ドデシル硫酸ナトリウム,デシル硫酸ナトリウム,セチルトリメチルアンモニウムクロライド,セチルトリメチルアンモニウムブロミド,テトラオクチルアンモニウムブロミド,オクチルトリメチルブロミド,オクチルトリメチルクロライド,ドデシルホスファチジルエタノールアミンなどの界面活性剤を用いることが好ましい。
金属塩の種類に関しては、水溶液中でめっき可能なものであれば特に制限はない。金属元素としては、例えばCu,Ag,Au,Zn,Sn,In,Cd,Ni,Pd,Pt,Rh,Ir,Re,Ru,Coなどの金属及びこれらの合金を用いることができる。この中でもPd,Pt,Rh,Ir,Re,Ruの白金族は優れた触媒特性を示すため高比表面積化することが強く望まれている。ただし触媒性能の高さから界面活性剤の分解などが生じるため、白金族めっきの利用は限定される。Cu,Ag,Au,Zn,Sn,Niなどは電極材やセンサーなどに広く用いられておりめっき金属としてより重要である。
本発明のめっき液を用いためっき法により、導電体基板の表面に凸状の金属構造体を形成することが出来る。また、本発明の凸状金属構造体は二次元的な形状を有することが特徴である。二次元構造物は球状の粒子や一次元的なフィラーより機械強度が強く、電気伝導の面でメリットがある。また三次元的な構造に比べ単位面積あたりでより多くの構造体が構築できるため高比表面積化に有利である。具体的な形状については特に制限するものではないが、本発明のめっき液を用いためっき法では、添加剤である界面活性剤の種類や濃度などの条件を変更するだけで、板状,フィルム状,木の葉状,リボン状などの様々な形状の構造体を形成することが可能である。
本発明において、凸状金属構造体を形成する目的は比表面積の向上であるため、凸状金属構造体のサイズは小さければ小さいほど好ましい。しかしながら、小さくなりすぎると材料強度が低下する。このため比表面積と材料強度のバランスを考慮に入れると、凸状金属構造体の突起(凸部)の厚さが5〜100nm、基板である導電体表面からの高さが500〜5000nmであることが好ましい。幅に関しては特に規定はないが機械強度を高めるため厚さと高さとの間であることが好ましく、具体的には100〜1000nm程度であることがより好ましい。凸状金属構造体の突起同士の間隔(突起の中心間の距離)に関しても特に規定はないが、高比表面積化の観点からは、幅の3倍以下程度とすることが好ましく、50〜3000nmであることが好ましい。
本発明による凸状金属構造体はめっき法により形成されることを特徴とする。めっき法では導電体の表面と凸状構造体が化学結合しているため、バインダーなどの接着剤を使用するナノ構造体の塗布に比べて接合強度が強く、剥離しにくく、長寿命が可能となる。また本発明の凸状金属構造体は、めっき水溶液を利用しためっき法単独で製造が可能であるため、導電体基板の形状自由度が大きい。鋳型を使用した構造体製造法では平坦な基板しか使用できず、また片面のみの形成となる。本発明の凸状金属構造体は、導電体表面ならば形状も材質も特に制限はない。さらに両面でも片面でも必要に応じて、凸状金属構造体を形成する位置を選択できる。このため、本発明では板やフィルムに加えて、金網や多孔体などのメッシュ構造の表面にも凸状構造体を形成することが可能であり、広い応用分野に適用できる。
めっきの条件については、特に制限はない。電解,無電解,置換のいずれでもめっき可能である。界面活性剤の添加に関しては、不溶物がめっき液中に存在すると欠陥の原因となるため完全に溶解することが望ましい。そこで、界面活性剤の添加は利用する界面活性剤のクラフト点以上で行うことが必要である。ただし、めっき液の昇温は界面活性剤の特異吸着の阻害要因となるため好ましくない。そのため、めっきを行う時の浴温度は10〜30℃程度がよい。クラフト点がめっき温度より高い界面活性剤を使用する場合は、浴調製時に昇温した後、10〜30℃まで冷却してめっきを行うとよい。
本発明によれば、疎水基と親水基を有し、疎水基は炭化水素からなり、疎水基の末端に親水基が存在する界面活性剤を添加剤として含むことを特徴とするめっき液を使用することにより、導電体基板表面上に二次元的に成長した凸状金属構造体を作製することが可能であり、めっき法により製造した比表面積が大きく、機械的強度,導電性に優れる金属めっき膜を提供できる。本発明により製造した高比表面積金属めっき膜は、表面にナノレベルの二次元的に成長した凸状金属構造体が無数に存在するため、平坦表面に比べ100倍以上の表面積を有する。また機械強度が強く導伝性も良好なため、二次電池の集電極として好適である。
また、本発明の金属めっき膜をプリント基板用の銅箔として用いれば樹脂との密着性を高めることが出来る。また、本発明のめっき手法により銅めっき膜を形成し、凸状金属構造体のサイズを制御することにより、光の反射を抑えた黒色めっき膜の作製も可能であり、反射防止膜などへの適用も可能である。
また、本発明のめっき手法により製造したニッケルめっき膜は、Cuなどに比べ触媒活性が高いため、触媒として好適である。特に、導電性が高いため電気分解反応や電解合成など電気化学的反応における触媒電極として最適である。また、二次電池用の電極、特にニッケル水素電池用の電極材料としても高い性能を発揮できる。さらに耐食性も高いためセンサーなどの基材としても有効である。
以下、本発明の実施形態を実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1は本発明のめっき液およびめっき方法とそれにより作製しためっき膜の一例である。
図1は、本発明のめっき液に添加する界面活性剤101の分子構造モデルの一例を示した模式図である。界面活性剤101は疎水部102と親水部103からなる。疎水部102は炭化水素からなり、図1の模式図に示したように直線的な形状をとる。親水部103は疎水部102の端部に位置している。本発明のめっき液には、必ず金属塩と界面活性剤101が含まれる。
図2は、本発明のめっき液を用いためっき過程における導電体基板表面の模式図である。本発明のめっき液を用いためっき過程では、界面活性剤101が析出した金属の表面に吸着する。特に親水部103は疎水部102より吸着力が強いため、図2に示すように親水部103が金属表面に向いた状態で吸着する。吸着した界面活性剤101によって金属の析出方向が強く制限される。このため、金属の析出方向が一方向に制限され、析出した金属の形状が凸状構造となる。本発明のめっき液を用いためっき方法では、上述のように界面活性剤101の析出金属表面への吸着を利用して形状を制御しているため、電解めっき法,無電解めっき法に関係なく、導電体基板105の表面に二次元的に成長した凸状金属構造体104を容易に得ることが出来る。
図3は、本発明のめっき液を用いて作製したCuめっき膜107の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察像の一例である。Cuめっき膜107は無数の凸状金属構造体106からなる。凸状金属構造体106は円板状であり、二次元的に成長していることが確認できた。大きさは厚さが30nm程度、幅が300〜500nm程度、高さが500〜1000nm程度であった。凸状金属構造体106の成長方向は〔111〕面方向に選択的に成長しており、基板からまっすぐに成長していた。エネルギー分散型X線分析装置(EDX)による組成分析では表面にごくわずかに酸化物の形成が見られるほかは、銅で形成されており、めっき膜内部には添加剤などが含まれないことが明らかとなった。
Cuめっき膜107は本発明のめっき液を用いる電解めっきにより作製した。ここで使用した電解めっき液の組成は、0.5M硫酸銅水溶液と添加剤である50mMドデシル硫酸ナトリウムとした。硫酸銅およびドデシル硫酸ナトリウムは和光純薬製の特級試薬を使用した。めっき液の調製は、まず純水を60℃まで昇温した後、攪拌しながら硫酸銅を規定濃度になるまで加え、硫酸銅がすべて溶解した後ドデシル硫酸ナトリウムを添加した。
ドデシル硫酸ナトリウムの溶解を確認した後、室温まで冷却し、めっき液とした。めっきを施す基板には圧延銅箔を選択した。電解めっきは3極で行い、対極にはニッケルメッシュを、参照極には銀/塩化銀電極を使用した。−1V定電圧条件で100秒間めっきを施した。めっき終了後の銅箔表面は黒く、金属光沢は見られなかった。
本発明のめっき液とめっき方法を用いることにより、導電体表面に金属が二次元的に成長したナノサイズの凸状金属構造体を形成できることが確認できた。
実施例2では、実施例1のめっき液の金属塩を硫酸ニッケルに、添加剤をデシル硫酸ナトリウム(いずれも和光純薬、特級)に変更し、電解めっき処理を行った。基板はニッケルメッシュとした。金属塩および添加剤の濃度,電解めっき条件は実施例1と同様である。
めっき終了後のニッケルメッシュは黒く変色し、金属光沢は見られなかった。表面をSEMで観察したところ、実施例1と同様の円盤状の凸状金属構造体が観察できた。大きさは厚さが50nm程度、幅が500〜800nm程度、高さが1000〜1500nm程度であった。また、凸状金属構造体の成長方向は実施例1と同様に〔111〕面方向に選択的に成長しており、基板であるメッシュに対してまっすぐ成長していた。これより、本めっき法によりNiが二次元的に成長したナノサイズの凸状金属構造体を形成できることが確認できた。また平坦な基板でなく、メッシュのように立体的な基板でも凸状金属構造体の形成が可能であることが判明した。
実施例3では、実施例1のめっき液の金属塩を硝酸銀に、添加剤をセチルトリメチルアンモニウムブロミド(いずれも和光純薬、特級)に変更し、電解めっき処理を行った。金属塩および添加剤の濃度は実施例1と同様である。基板の種類はAg板とし、めっき条件は定電流とした。
めっき終了後のAg板は黒く変色しており、金属光沢は見られなかった。表面をSEMで観察したところ、帯状の構造体が観察できた。大きさは厚さが10nm程度、幅が50nm程度、長さが1500nm程度であった。これより、本めっき法によりAgが二次元的に成長したナノサイズの凸状金属構造体を形成できることが確認できた。
実施例4では、実施例1のめっき液に還元剤を添加し、無電解めっき処理を行った。金属塩の種類,金属塩および添加剤の濃度は実施例1と同様である。還元剤には水素化ホウ素ナトリウムを使用した。めっき条件としては、めっき液温度を10℃とし、攪拌しためっき液に水素化ホウ素ナトリウム水溶液を添加していき、水素化ホウ素ナトリウムの濃度が最終的に0.1Mとなるように徐々に加えていった。
めっき終了後の銅箔表面は黒く、金属光沢は見られなかった。表面をSEMで観察したところ、実施例1と同様の円盤状の凸状金属構造体が観察できた。大きさは厚さが50nm程度、幅が100〜300nm程度、高さが500nm程度であった。凸状構造体は銅箔表面に対し、まっすぐ成長していた。これより、本めっき液を用いることで無電解めっきでも二次元的に成長した凸状金属構造体を作製できることが確認できた。
実施例5では、実施例1と同様の条件で銅箔表面に凸状金属構造体を形成し、樹脂との密着性向上を試みた。図4にプロセス図を示す。銅箔201の片面をめっき液202に浸漬し、対極203に対して定電流の条件で電解めっきを行い、凸状金属構造体204を形成した。凸状金属構造体204の形状は先端に行くほど細くなる木の葉状構造であった。
大きさは厚さが30〜60nm程度、幅が100〜200nm程度、長さが1000〜1500nm程度であった。めっき終了後、水洗・乾燥した銅箔をエポキシ樹脂のプリプレグ205の上に載せ、真空ポンプ中で昇温・加圧成形し、片面銅張積層板206を作成した。銅箔は良好な接着性を示した。これより本めっき液,めっき法により形成した銅箔は樹脂との密着性向上に寄与することが確認できた。
実施例6では、実施例2と同様の条件で、ニッケルメッシュ表面に凸状金属構造体を形成し、高比表面積電極の試作を行った。図4にプロセス図を示す。ニッケルメッシュ301をめっき液302に浸漬し、ニッケルメッシュ対極303に対し−1.2V定電圧,300sの条件で電解めっきを行った。
めっき終了後のニッケルメッシュは黒く変色し、金属光沢は見られなかった。SEMで観察したところ凸状金属構造体304が観察された。形状,大きさは実施例2と同等であった。比表面積の増大効果を知るため、0.1M水酸化ナトリウム水溶液中で高比表面積Ni電極305に電圧を印加し、表面酸化に伴う電荷量測定を行った。その結果、基板に用いたニッケルメッシュに比べて表面積が100倍以上増大していることが判明した。この結果より、本めっき液とめっき法を用いることにより、高比表面積のNi電極が製造できることが確認できた。
本発明の界面活性剤の分子構造モデルの一例を示した模式図である。 本発明のめっき過程における導電体基板表面の模式図である。 実施例1で作製したCuめっき膜の走査型電子顕微鏡による観察像である。 実施例5の片面銅張積層板の製造工程を示す図である。 実施例6の高比表面積Ni電極の製造工程を示す図である。
符号の説明
101 界面活性剤
102 疎水部
103 親水部
104 凸状金属構造体
105 導電体基板
106 凸状金属構造体
107 Cuめっき膜
201 銅箔
202 めっき液
203 対極
204 凸状金属構造体
205 プリプレグ
206 片面銅張積層板
301 ニッケルメッシュ
302 めっき液
303 ニッケルメッシュ対極
304 凸状金属構造体
305 高比表面積Ni電極

Claims (10)

  1. 導電体基板の表面に二次元的に成長した凸状金属構造体を形成するためのめっき液であって、
    金属塩,界面活性剤,前記金属塩と界面活性剤を溶解した水溶液とを含み、
    前記界面活性剤は、炭化水素からなる疎水基と前記疎水基の末端に親水基を有することを特徴とするめっき液。
  2. 請求項1において、前記界面活性剤の親水基がカルボン酸イオン,硫酸イオン,アンモニウムイオン,リン酸イオンのいずれかひとつもしくは複数を有することを特徴とするめっき液。
  3. 請求項1において、前記金属塩は、Cu,Ni,Ag,Zn,Snの少なくともひとつの金属イオンを含むことを特徴とするめっき液。
  4. 金属塩,界面活性剤,前記金属塩と界面活性剤を溶解した水溶液とを含有し、前記界面活性剤が炭化水素からなる疎水基と前記疎水基の末端に親水基を有するめっき液を用いためっき法により形成された凸状金属構造体が導電体の基材表面に二次元的に成長していることを特徴とする導電体基板。
  5. 請求項4において、二次元的に成長した凸状金属構造体が板状,フィルム状,木の葉状,リボン状のいずれかの形態を有し、前記凸状金属構造体の成長方向が〔111〕面方向であることを特徴とする導電体基板。
  6. 請求項4において、二次元的に成長した凸状金属構造体の突起部の厚さが5nm〜100nmの範囲であり、高さが500nm〜5000nmの範囲であり、幅が厚さと高さとの間にあることを特徴とする導電体基板。
  7. 請求項4において、前記凸状金属構造体を構成する金属が銅であることを特徴とする導電体基板。
  8. 請求項4において、前記凸状金属構造体を構成する金属がニッケルであることを特徴とする導電体基板。
  9. 請求項4において、前記導電体の基材がメッシュ構造であることを特徴とする導電体基板。
  10. 凸状金属構造体を表面に有する導電体基板の製造方法であって、
    金属塩,界面活性剤,前記金属塩と界面活性剤を溶解した水溶液とを含有し、前記界面活性剤が炭化水素からなる疎水基と前記疎水基の末端に親水基を有するめっき液を用いためっき法により、導電体の基材表面に二次元的に成長した凸状金属構造体を形成することを特徴とする導電体基板の製造方法。
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