JP2010150449A - 成形材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い引張破断伸びと高い減衰性と高い形状保持性とを併せ持つブロック共重合体組成物を含有してなる、特に防振材料や制震材料として有用な、成形材料を提供する。
【解決手段】重量平均分子量7,000以上のポリ芳香族ビニルブロックを二つ以上と少なくとも一つのポリ共役ジエンブロックとを有してなる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)、及びAr1−D1−Ar2で表される芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)(Ar1は重量平均分子量が7,000以上のポリ芳香族ビニルブロック、Ar2は重量平均分子量が5,000以下のポリ芳香族ビニルブロック、D1はポリ共役ジエンブロック)を必須成分としてなり、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)と芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)との重量比{(1)/(2)}が25/75〜75/25であるブロック共重合体組成物を含有してなる成形材料。
【選択図】なし
【解決手段】重量平均分子量7,000以上のポリ芳香族ビニルブロックを二つ以上と少なくとも一つのポリ共役ジエンブロックとを有してなる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)、及びAr1−D1−Ar2で表される芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)(Ar1は重量平均分子量が7,000以上のポリ芳香族ビニルブロック、Ar2は重量平均分子量が5,000以下のポリ芳香族ビニルブロック、D1はポリ共役ジエンブロック)を必須成分としてなり、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)と芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)との重量比{(1)/(2)}が25/75〜75/25であるブロック共重合体組成物を含有してなる成形材料。
【選択図】なし
Description
本発明は、ブロック共重合体組成物を含有してなる成形材料に関し、更に詳しくは、特定の2種の芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を必須成分としてなるブロック共重合体組成物を含有してなり、防振材料や制震材料として好適な成形材料に関する。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体組成物は、加硫ゴムのような優れた弾性と熱可塑性であることに基づく優れた加工性とを、併せ持つことから、幅広い分野において、成形材料として用いられている。中でも、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)やスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)等の芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体は、特に弾性に富むことから、防振用途や制震用途に好適な高減衰性の材料として用いられている。
減衰性能の指標として、動的粘弾性測定で得られる損失正接(以後、「tanδ」と呼ぶ。)が知られており、この値を向上させる有効な手法として、スチレン−イソプレン(又はブタジエン)ジブロック共重合体の配合や液状ポリマーの配合(特許文献1、特許文献2)が知られている。
しかし、ジブロック共重合体の配合では、tanδは向上するものの、配合物の硬度が著しく低下し、また、圧縮永久歪が大きくなってしまうという問題がある。従って、得られる材料は形状保持性に劣り、大きな振動や歪がかかった場合や長期間に亘って負荷がかかった場合には、変形してしまうという欠点がある。液状ポリマーの配合も、その配合量増加に連れてtanδが向上するが、引張破断伸びが著しく低下するため振動に追随した変形ができなくなるという欠点がある。
減衰性能の指標として、動的粘弾性測定で得られる損失正接(以後、「tanδ」と呼ぶ。)が知られており、この値を向上させる有効な手法として、スチレン−イソプレン(又はブタジエン)ジブロック共重合体の配合や液状ポリマーの配合(特許文献1、特許文献2)が知られている。
しかし、ジブロック共重合体の配合では、tanδは向上するものの、配合物の硬度が著しく低下し、また、圧縮永久歪が大きくなってしまうという問題がある。従って、得られる材料は形状保持性に劣り、大きな振動や歪がかかった場合や長期間に亘って負荷がかかった場合には、変形してしまうという欠点がある。液状ポリマーの配合も、その配合量増加に連れてtanδが向上するが、引張破断伸びが著しく低下するため振動に追随した変形ができなくなるという欠点がある。
従って、本発明の課題は、高い引張破断伸びと高い減衰性と高い形状保持性とを併せ持つブロック共重合体組成物を含有してなる、特に防振材料や制震材料として有用な、成形材料を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、特定の構造を有する芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体を配合してなる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体組成物を用いることにより、高い引張破断伸びと高い減衰性と高い形状保持性とを併せ持つ成形材料が得られることを見出した。本発明は、この知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、重量平均分子量が7,000以上であるポリ芳香族ビニルブロックを二つ以上と更に少なくとも一つのポリ共役ジエンブロックとを有してなる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)、及びAr1−D1−Ar2で表される芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)(ここで、Ar1は重量平均分子量が7,000以上のポリ芳香族ビニルブロックであり、Ar2は重量平均分子量が5,000以下のポリ芳香族ビニルブロックであり、D1はポリ共役ジエンブロックである。)を必須成分としてなり、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)と芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)との重量比{(1)/(2)}が25/75〜75/25であるブロック共重合体組成物を含有してなる成形材料が提供される。
本発明の成形材料において、ブロック共重合体組成物が、更に、一つのポリ芳香族ビニルブロックAr3と一つのポリ共役ジエンブロックD2とからなる芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)を含有してなるものであることが、好適である。
本発明の成形材料は、特に防振材料又は制震材料として、有用である。
本発明の成形材料において、ブロック共重合体組成物が、更に、一つのポリ芳香族ビニルブロックAr3と一つのポリ共役ジエンブロックD2とからなる芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)を含有してなるものであることが、好適である。
本発明の成形材料は、特に防振材料又は制震材料として、有用である。
本発明の成形材料は、各種用途に有用であるが、硬度が高く、高い引張破断伸びを有するので大きな振動に対しても抵抗性を示す上に、圧縮永久歪が小さいことから、長期間に亘って負荷がかかる場合でも変形し難い。しかも、幅広い温度域に亘って高いtanδを示す減衰性に優れるものであるので、特に防振材料又は制震材料として、有用である。
本発明の成形材料は、重量平均分子量が7,000以上であるポリ芳香族ビニルブロックを二つ以上と更に少なくとも一つのポリ共役ジエンブロックとを有してなる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)、及びAr1−D1−Ar2で表される芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)(ここで、Ar1は重量平均分子量が7,000以上のポリ芳香族ビニルブロックであり、Ar2は重量平均分子量が5,000以下のポリ芳香族ビニルブロックであり、D1はポリ共役ジエンブロックである。)を必須成分としてなるブロック共重合体組成物を含有してなる。
本発明で使用するブロック共重合体組成物を構成する第一の成分は、重量平均分子量が7,000以上であるポリ芳香族ビニルブロックを二つ以上と更に少なくとも一つのポリ共役ジエンブロックとを有してなる、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)である。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を構成するポリ芳香族ビニルブロックは、芳香族ビニル単量体単位を主たる構成成分として有する。ポリ芳香族ビニルブロックにおける芳香族ビニル単量体単位の含有量は、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、100重量%である(即ち、芳香族ビニル単量体単位のみからなる)ことが最も好ましい。
ポリ芳香族ビニルブロックを構成するための芳香族ビニル単量体は、特に限定されず、その具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、2−メチル−4,6−ジクロロスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらの芳香族ビニル単量体は、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記芳香族ビニル単量体のなかでも、スチレンを用いることが好ましい。
上記芳香族ビニル単量体のなかでも、スチレンを用いることが好ましい。
ポリ芳香族ビニルブロックを構成するために用い得る芳香族ビニル単量体以外の単量体は、特に限定されないが、その具体例として、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン単量体;α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体;不飽和カルボン酸又は酸無水物単量体;不飽和カルボン酸エステル単量体;非共役ジエン単量体;等を挙げることができる。
ポリ芳香族ビニルブロックにおける芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位の含有量は、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましく、実質的に0重量%であることが特に好ましい。
ポリ芳香族ビニルブロックにおける芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位の含有量は、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましく、実質的に0重量%であることが特に好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)は、重量平均分子量が7,000以上であるポリ芳香族ビニルブロックを少なくとも二つ有する。このポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量は、好ましくは8,000〜100,000、より好ましくは8,500〜70,000、特に好ましくは9,000〜50,000である。
ポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量が小さすぎると、得られる組成物の硬度が低下し、また、圧縮永久歪が大きくなるため、成形材料としての形状保持性が低下する傾向にあり、逆に大きすぎると流動性が悪くなり、成形性に劣る傾向がある。
ポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量が小さすぎると、得られる組成物の硬度が低下し、また、圧縮永久歪が大きくなるため、成形材料としての形状保持性が低下する傾向にあり、逆に大きすぎると流動性が悪くなり、成形性に劣る傾向がある。
なお、本発明において、重合体や各ブロックの平均分子量は、高速液体クロマトグラフィの測定による、ポリスチレン換算の値として求めるものとする。
ポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
本発明で使用する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)は、ポリ芳香族ビニルブロックを二つ以上有するが、これらのポリ芳香族ビニルブロックは、その構成単量体の種類及び比率において、同一であっても、異なっていてもよい。また、重量平均分子量、数平均分子量等も、同一であっても、異なっていてもよいが、実質的に同一であることが好ましい。
本発明で使用する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)において、二つ以上のポリ芳香族ビニルブロック(合計)が占める比率は、特に限定されないが、通常、5〜50重量%であり、10〜45重量%であることが好ましく、15〜40重量%であることがより好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を構成するポリ共役ジエンブロックは、共役ジエン単量体単位を主たる構成成分として有する。ポリ共役ジエンブロックにおける共役ジエン単量体単位の含有量は、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、100重量%である(即ち、共役ジエン重合体単量体単位のみからなる)ことが最も好ましい。
ポリ共役ジエンブロックを構成するための共役ジエン単量体は、特に限定されず、その具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの共役ジエン単量体は、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記共役ジエン単量体のなかでも、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンを用いることが好ましく、イソプレンを用いることが特に好ましい。ポリ共役ジエンブロックをイソプレン単位で構成することにより、柔軟性や伸縮性に優れ、より高い引張破断伸びを有するブロック共重合体組成物を得ることができる。
上記共役ジエン単量体のなかでも、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンを用いることが好ましく、イソプレンを用いることが特に好ましい。ポリ共役ジエンブロックをイソプレン単位で構成することにより、柔軟性や伸縮性に優れ、より高い引張破断伸びを有するブロック共重合体組成物を得ることができる。
ポリ共役ジエンブロックにおいて、共役ジエン重合体の共役ジエン単量体単位部分におけるビニル結合含有量(ポリ共役ジエンブロックの全共役ジエン単量体単位において、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合が占める割合)は、1〜20モル%であることが好ましく、2〜15モル%であることがより好ましく、3〜10モル%であることが特に好ましい。
このビニル結合含有量が高すぎると、得られるブロック共重合体組成物の永久伸びが大きくなるおそれがある。
このビニル結合含有量が高すぎると、得られるブロック共重合体組成物の永久伸びが大きくなるおそれがある。
ポリ共役ジエンブロックは、それに含まれる共役ジエン由来の炭素−炭素不飽和結合の少なくとも一部が水素添加されたものであってもよい。
ポリ共役ジエンブロックを構成するために用い得る共役ジエン単量体以外の単量体は、特に限定されないが、その具体例として、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体;不飽和カルボン酸又は酸無水物単量体;不飽和カルボン酸エステル単量体;非共役ジエン単量体;等が例示される。
ポリ共役ジエンブロックにおける共役ジエン単量体単位以外の単量体単位の含有量は、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましく、実質的に0重量%であることが特に好ましい。
また、ポリ共役ジエンブロックは、カップリング剤の残基をその一部に含んでいてもよい。
ポリ共役ジエンブロックにおける共役ジエン単量体単位以外の単量体単位の含有量は、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましく、実質的に0重量%であることが特に好ましい。
また、ポリ共役ジエンブロックは、カップリング剤の残基をその一部に含んでいてもよい。
ポリ共役ジエンブロックの重量平均分子量は、特に限定されないが、通常、20,000〜400,000であり、30,000〜300,000であることが好ましく、35,000〜250,000であることがより好ましい。
なお、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)の重量平均分子量は、ポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量が上述の範囲内である限り、特に限定されない。
本発明で使用する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)が、2以上のポリ共役ジエンブロックを有する場合、これらのポリ共役ジエンブロックは、その構成単量体の種類及び比率において、同一であっても、異なっていてもよい。また、重量平均分子量等も、同一であっても、異なっていてもよい。
本発明で使用する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)は、上述のポリ芳香族ビニルブロックを二つ以上有し、更に少なくとも一つのポリ共役ジエンブロックを有するものであれば、特に限定されないが、分子鎖の末端にポリ芳香族ビニルブロックを有し、ポリ共役ジエンブロックがミッドブロックとなって構成される芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体であることが好ましい。この場合において、分岐の有無や、分岐を有する場合の分岐の数は制限されないが、直鎖状のものであることが好ましい。
本発明で使用するブロック共重合体組成物を構成する第二の成分は、一般式:Ar1−D1−Ar2で表される芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)である。
ここで、Ar1は重量平均分子量が7,000以上のポリ芳香族ビニルブロックであり、Ar2は重量平均分子量が5,000以下のポリ芳香族ビニルブロックであり、D1はポリ共役ジエンブロックである。
ここで、Ar1は重量平均分子量が7,000以上のポリ芳香族ビニルブロックであり、Ar2は重量平均分子量が5,000以下のポリ芳香族ビニルブロックであり、D1はポリ共役ジエンブロックである。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)において、ポリ芳香族ビニルブロックAr1及びAr2は、芳香族ビニル単量体単位を主たる構成成分として有する。これらのポリ芳香族ビニルブロックを構成する単量体単位の種類及びその比率は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を構成するポリ芳香族ビニルブロックと同様であってよい。
ポリ芳香族ビニルブロックAr1の重量平均分子量は、7,000以上であることが必要であり、8,000以上であることが好ましい。Ar1の重量平均分子量は、100,000以下であることが好ましく、70,000以下であることがより好ましい。Ar1の重量平均分子量がこの範囲を外れると、得られる組成物のゴムとしての弾性に劣り、また、硬度が著しく低下したり、加工性が低下したりする恐れがある。
このポリ芳香族ビニルブロックAr1の重量平均分子量は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)のポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量と、実質的に等しいことがより好ましい。
このポリ芳香族ビニルブロックAr1の重量平均分子量は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)のポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量と、実質的に等しいことがより好ましい。
ポリ芳香族ビニルブロックAr2の重量平均分子量は、5,000以下であることが必要であり、4,500以下であることが好ましい。Ar2の重量平均分子量は、1,000以上であることが好ましく、1,500以上であることがより好ましい。
Ar2の重量平均分子量をこの範囲内とすることにより、減衰性に優れる組成物を得ることができる。
Ar2の重量平均分子量をこの範囲内とすることにより、減衰性に優れる組成物を得ることができる。
本発明で使用する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)において、二つのポリ芳香族ビニルブロック(合計)が占める比率は、特に限定されないが、通常、5〜70重量%であり、10〜60重量%であることが好ましく、15〜50重量%であることがより好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)において、ポリ共役ジエンブロックD1は、共役ジエン単量体単位を主たる構成成分として有する。このポリ共役ジエンブロックD1を構成する単量体単位の種類及びその比率は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を構成するポリ共役ジエンブロックと同様であってよい。
また、共役ジエン重合体の共役ジエン単量体単位部分におけるビニル結合含有量も芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を構成するポリ共役ジエンブロックと同様であってよい。
また、共役ジエン重合体の共役ジエン単量体単位部分におけるビニル結合含有量も芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を構成するポリ共役ジエンブロックと同様であってよい。
更に、ポリ共役ジエンブロックD1の重量平均分子量は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を構成するポリ共役ジエンブロックと同様であってよい。
なお、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)の重量平均分子量は、ポリ芳香族ビニルブロックの重量平均分子量及びポリ共役ジエンブロックの重量平均分子量が上述の範囲内である限り、特に限定されない。
本発明で使用するブロック共重合体組成物において、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)と芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)との重量比{(1)/(2)}は、25/75〜75/25であることが必要であり、好ましくは30/70〜70/30であり、更に好ましくは35/65〜65/30である。この比が小さすぎると、得られる組成物が成形材料としての形状保持性に劣るものとなる傾向にあり、逆に大きすぎると、得られる組成物が減衰性に劣るものとなる傾向がある。
本発明の成形材料に用いるブロック共重合体組成物は、上述の二種の芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体のみからなるものであってよいが、更に、一つのポリ芳香族ビニルブロックAr3と一つのポリ共役ジエンブロックD2とからなる芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)を含有してなるものであることが好適である。芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)を含有させることにより、特に減衰性に優れる組成物を得ることができる。
一般式Ar3−D2で表わされる芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)において、ポリ芳香族ビニルブロックAr3は、芳香族ビニル単量体単位を主たる構成成分として有する。このポリ芳香族ビニルブロックを構成する単量体単位の種類及びその比率は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を構成するポリ芳香族ビニルブロックと同様であってよい。
ポリ芳香族ビニルブロックAr3の重量平均分子量は、20,000以下であることが好ましく、10,000以下であることがより好ましく、5,000以下であることがより好ましい。この重量平均分子量が十分に小さいほど、得られる組成物の減衰性が高まる。
このポリ芳香族ビニルブロックAr3の重量平均分子量は、1,000以上であることが好ましく、1,500以上であることがより好ましい。
このポリ芳香族ビニルブロックAr3の重量平均分子量は、1,000以上であることが好ましく、1,500以上であることがより好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)においてポリ芳香族ビニルブロックが占める比率は、特に限定されないが、通常、1〜50重量%であり、2〜30重量%であることが好ましく、3〜20重量%であることがより好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)において、ポリ共役ジエンブロックD2は、共役ジエン単量体単位を主たる構成成分として有する。このポリ共役ジエンブロックD2を構成する単量体単位の種類及びその比率は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を構成するポリ共役ジエンブロックと同様であってよい。
また、共役ジエン重合体の共役ジエン単量体単位部分におけるビニル結合含有量も芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を構成するポリ共役ジエンブロックと同様であってよい。
また、共役ジエン重合体の共役ジエン単量体単位部分におけるビニル結合含有量も芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を構成するポリ共役ジエンブロックと同様であってよい。
ポリ共役ジエンブロックD2の重量平均分子量は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を構成するポリ共役ジエンブロックの重量平均分子量より小さいことが好ましい。ポリ共役ジエンブロックD2の重量平均分子量がこの範囲にあるとき、得られる組成物の引張破断伸びが向上する。
なお、芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)の重量平均分子量は、特に限定されない。
ブロック共重合体組成物における芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)の含有割合は、50重量%以下であることが好ましく、10〜45重量%であることがより好ましく、15〜40重量%であることが特に好ましい。芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)の含有割合が高すぎると、得られる組成物の硬度が低下し、また、圧縮永久歪が大きくなるため、成形材料としての形状保持性が低下するおそれがある。
本発明で使用するブロック共重合体組成物は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)並びに芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)のみを重合体成分として含むものであってよいが、それら以外の重合体成分を含むものであってもよい。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)並びに芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)以外の重合体成分としては、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)以外の芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体、芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)以外の芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体、芳香族ビニル単独重合体、共役ジエン単独重合体、芳香族ビニル−共役ジエンランダム共重合体、及びこれらの分岐型重合体を挙げることができる。
また、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂;等が挙げられる。
本発明において、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)並びに芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)以外の上記重合体成分の含有量は限定されず、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲であればよいが、重合体成分全体に対して、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)並びに芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)以外の重合体成分としては、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)以外の芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体、芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)以外の芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体、芳香族ビニル単独重合体、共役ジエン単独重合体、芳香族ビニル−共役ジエンランダム共重合体、及びこれらの分岐型重合体を挙げることができる。
また、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂;等が挙げられる。
本発明において、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)並びに芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)以外の上記重合体成分の含有量は限定されず、本発明の効果を実質的に阻害しない範囲であればよいが、重合体成分全体に対して、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。
本発明の成形材料を構成するブロック共重合体組成物は、それが含有する重合体成分全体において、芳香族ビニル単量体単位が占める割合(以下の記載において、「合計芳香族ビニル単量体単位含有量」ということがある。)が、5〜50重量%であることが好ましく、10〜45重量%であることがより好ましく、15〜40重量%であることが特に好ましい。
合計芳香族ビニル単量体単位含有量が小さすぎるとブロック共重合体組成物の硬度及び弾性率が不十分となり、逆に合計芳香族ビニル単量体単位含有量が大きすぎるとブロック共重合体組成物の永久伸びが大きくなる。
この合計芳香族ビニル単量体単位含有量は、ブロック共重合体組成物を構成する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)、芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)、これら以外の重合体成分、並びに、それぞれの芳香族ビニル単量体単位の含有量を勘案し、それらの配合量を調節することにより、容易に調節することが可能である。
なお、ブロック共重合体組成物を構成する全ての重合体成分が、芳香族ビニル単量体単位及び共役ジエン単量体単位のみにより構成されている場合には、Rubber Chem. Technol.,45,1295(1972)に記載された方法に従って、ブロック共重合体組成物の重合体成分をオゾン分解し、次いで水素化リチウムアルミニウムにより還元すれば、共役ジエン単量体単位部分が分解され、芳香族ビニル単量体単位部分のみを取り出せるので、容易に合計芳香族ビニル単量体単位含有量を測定することができる。
合計芳香族ビニル単量体単位含有量が小さすぎるとブロック共重合体組成物の硬度及び弾性率が不十分となり、逆に合計芳香族ビニル単量体単位含有量が大きすぎるとブロック共重合体組成物の永久伸びが大きくなる。
この合計芳香族ビニル単量体単位含有量は、ブロック共重合体組成物を構成する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)、芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)、これら以外の重合体成分、並びに、それぞれの芳香族ビニル単量体単位の含有量を勘案し、それらの配合量を調節することにより、容易に調節することが可能である。
なお、ブロック共重合体組成物を構成する全ての重合体成分が、芳香族ビニル単量体単位及び共役ジエン単量体単位のみにより構成されている場合には、Rubber Chem. Technol.,45,1295(1972)に記載された方法に従って、ブロック共重合体組成物の重合体成分をオゾン分解し、次いで水素化リチウムアルミニウムにより還元すれば、共役ジエン単量体単位部分が分解され、芳香族ビニル単量体単位部分のみを取り出せるので、容易に合計芳香族ビニル単量体単位含有量を測定することができる。
本発明のブロック共重合体組成物を構成する重合体成分全体の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常50,000〜500,000であり、50,000〜400,000であることが好ましく、50,000〜300,000であることがより好ましい。また、本発明のブロック共重合体組成物を構成する重合体成分全体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布は、特に限定されないが、通常1.01〜10であり、1.03〜5であることが好ましく、1.05〜3であることがより好ましい。
本発明で使用するブロック共重合体組成物は、減衰性に優れ、例えば、20℃、1Hzの条件において、0.2以上のtanδを有し、条件を適切に設定すれば0.4以上のtanδを示すことも可能である。
本発明のブロック共重合体組成物を得る方法は特に限定されない。
例えば、従来のブロック共重合体の製法である、アニオンリビング重合法を用いたカップリング法又は逐次重合法に従って、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)並びに香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)を、それぞれ、別個に製造し、必要に応じて、他の重合体成分や各種添加剤を配合した上で、それらの混練や溶液混合により、又は重合体をエマルジョン化したものを混合する等により、製造することができる。
また、活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体を得て、その一部をカップリング剤と反応させることにより芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を得て、残りの活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体に芳香族ビニル単量体を反応させて芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)を得る手法を採用することもできる。この手法においては、活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体の一部を反応停止剤と反応させることにより、芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)を得ることも可能である。この手法によれば、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)並びに芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)を同時に得ることが可能となる。
例えば、従来のブロック共重合体の製法である、アニオンリビング重合法を用いたカップリング法又は逐次重合法に従って、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)並びに香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)を、それぞれ、別個に製造し、必要に応じて、他の重合体成分や各種添加剤を配合した上で、それらの混練や溶液混合により、又は重合体をエマルジョン化したものを混合する等により、製造することができる。
また、活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体を得て、その一部をカップリング剤と反応させることにより芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)を得て、残りの活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体に芳香族ビニル単量体を反応させて芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)を得る手法を採用することもできる。この手法においては、活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体の一部を反応停止剤と反応させることにより、芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)を得ることも可能である。この手法によれば、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び(2)並びに芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)を同時に得ることが可能となる。
本発明の成形材料は、上述のブロック共重合体組成物のみからなるものであってもよいが、ブロック共重合体組成物に各種の添加剤を配合したものであってもよく、例えば、軟化剤、充填剤、補強剤、粘着付与剤、酸化防止剤、抗菌剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染料、滑剤、架橋剤、架橋促進剤等の添加剤を必要に応じて配合してもよい。
本発明の成形材料は、各種の成形手段を用いて成形体とすることができる。成形手段に格別な制限はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、射出成形、押し出し成形、キャスト成形、インフレーション成形、ブロー成形、真空成形、プレス成形、圧縮成形、回転成形、カレンダー成形、圧延成形、切削成形等を挙げることができる。
本発明の成形材料は、各種用途の成形体の材料として使用できるが、特に、引張破断伸び、減衰性及び形状保持性に優れていることから、耐震・免震・制振・防音用途の成形材料として好適に用いられ、なかでも、防振材料又は制震材料として好適である。具体的には、電気電子機器用防振フィルム・シート・テープ、防振ゴム、衝撃吸収フィルム・シート・テープ、衝撃緩衝フィルム・シート・テープ、住宅用制振シート、制振ダンパー材等に用いられる成形材料用途が挙げられる。本発明の成形材料は、これらの用途以外にも、例えば、手袋、エラスティックバンド、コンドーム等の伸縮性フィルム、OA機器、事務用等の各種ロール、衣料、スポーツ用品等に用いられる弾性繊維用途等の用途にも用いることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の部及び%は、特に断りのない限り、質量基準である。
各種特性の評価は、以下の方法に従って行なった。
〔ブロック共重合体及びブロック共重合体組成物の重量平均分子量〕
流速0.35ml/分のテトラヒドロフランをキャリアとする高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めた。装置としては、東ソー社製HLC8220を、カラムとしては昭和電工社製Shodex KF‐404HQを3本連結したもの(カラム温度40℃)を、検出器としては示差屈折計及び紫外検出器を用い、分子量の較正は、ポリマーラボラトリー社製の標準ポリスチレン(500〜3,000,000)の12点で実施した。
〔ブロック共重合体及びブロック共重合体組成物の重量平均分子量〕
流速0.35ml/分のテトラヒドロフランをキャリアとする高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めた。装置としては、東ソー社製HLC8220を、カラムとしては昭和電工社製Shodex KF‐404HQを3本連結したもの(カラム温度40℃)を、検出器としては示差屈折計及び紫外検出器を用い、分子量の較正は、ポリマーラボラトリー社製の標準ポリスチレン(500〜3,000,000)の12点で実施した。
〔ポリスチレンブロック及びポリイソプレンブロックの重量比〕
上記の高速液体クロマトグラフィにより得られたチャートの各ブロック共重合体に対応するピークの面積比から求めた。
上記の高速液体クロマトグラフィにより得られたチャートの各ブロック共重合体に対応するピークの面積比から求めた。
〔ポリスチレンブロックの重量平均分子量〕
Rubber Chem. Technol.,45,1295(1972)に記載された方法に従い、ブロック共重合体をオゾンと反応させ、水素化リチウムアルミニウムで還元することにより、ブロック共重合体のポリイソプレンブロックを分解した。
具体的には、以下の手順で行なった。即ち、モレキュラーシーブで処理したジクロロメタン100mlを入れた反応容器に、試料を300mg溶解した。この反応容器を冷却槽に入れ−25℃としてから、反応容器に170ml/minの流量で酸素を流しながら、オゾン発生器により発生させたオゾンを導入した。反応開始から30分経過後、反応容器から流出する気体をヨウ化カリウム水溶液に導入することにより、反応が完了したことを確認した。次いで、窒素置換した別の反応容器に、ジエチルエーテル50mlと水素化リチウムアルミニウム470mgとを仕込み、氷水で反応容器を冷却しながら、この反応容器にオゾンと反応させた溶液をゆっくり滴下した。そして、反応容器を水浴に入れ、徐々に昇温して、40℃で30分間還流させた。その後、溶液を撹拌しながら、反応容器に希塩酸を少量ずつ滴下し、水素の発生がほとんど認められなくなるまで滴下を続けた。この反応の後、溶液に生じた固形の生成物を濾別し、固形の生成物は、100mlのジエチルエーテルで10分間抽出した。この抽出液と、濾別した際の濾液とを合わせ、溶媒を留去することにより、固形の試料を得た。このようにして得られた試料について、上記の重量平均分子量の測定法に従い、重量平均分子量を測定し、その値をポリスチレンブロックの重量平均分子量とした。
Rubber Chem. Technol.,45,1295(1972)に記載された方法に従い、ブロック共重合体をオゾンと反応させ、水素化リチウムアルミニウムで還元することにより、ブロック共重合体のポリイソプレンブロックを分解した。
具体的には、以下の手順で行なった。即ち、モレキュラーシーブで処理したジクロロメタン100mlを入れた反応容器に、試料を300mg溶解した。この反応容器を冷却槽に入れ−25℃としてから、反応容器に170ml/minの流量で酸素を流しながら、オゾン発生器により発生させたオゾンを導入した。反応開始から30分経過後、反応容器から流出する気体をヨウ化カリウム水溶液に導入することにより、反応が完了したことを確認した。次いで、窒素置換した別の反応容器に、ジエチルエーテル50mlと水素化リチウムアルミニウム470mgとを仕込み、氷水で反応容器を冷却しながら、この反応容器にオゾンと反応させた溶液をゆっくり滴下した。そして、反応容器を水浴に入れ、徐々に昇温して、40℃で30分間還流させた。その後、溶液を撹拌しながら、反応容器に希塩酸を少量ずつ滴下し、水素の発生がほとんど認められなくなるまで滴下を続けた。この反応の後、溶液に生じた固形の生成物を濾別し、固形の生成物は、100mlのジエチルエーテルで10分間抽出した。この抽出液と、濾別した際の濾液とを合わせ、溶媒を留去することにより、固形の試料を得た。このようにして得られた試料について、上記の重量平均分子量の測定法に従い、重量平均分子量を測定し、その値をポリスチレンブロックの重量平均分子量とした。
〔ポリイソプレンブロックの重量平均分子量〕
それぞれ上記のようにして求められた、ブロック共重合体の重量平均分子量から、対応するポリスチレンブロックの重量平均分子量を差し引き、その計算値をポリイソプレンブロックの重量平均分子量とした。
それぞれ上記のようにして求められた、ブロック共重合体の重量平均分子量から、対応するポリスチレンブロックの重量平均分子量を差し引き、その計算値をポリイソプレンブロックの重量平均分子量とした。
〔ポリイソプレンブロックのビニル結合含有量〕
プロトンNMRの測定に基づき求めた。
プロトンNMRの測定に基づき求めた。
〔ブロック共重合体のスチレン単位含有量〕
上記の高速液体クロマトグラフィの測定における、示差屈折計と紫外検出器との検出強度比に基づいて求めた。なお、予め、異なるスチレン単位含有量を有する共重合体を用意し、それらを用いて、検量線を作成した。
上記の高速液体クロマトグラフィの測定における、示差屈折計と紫外検出器との検出強度比に基づいて求めた。なお、予め、異なるスチレン単位含有量を有する共重合体を用意し、それらを用いて、検量線を作成した。
〔ブロック共重合体組成物のスチレン単位含有量〕
ブロック共重合体組成物のスチレン単位含有量(合計芳香族ビニル単量体単位含有量)は、プロトンNMRの測定に基づき求めた。
ブロック共重合体組成物のスチレン単位含有量(合計芳香族ビニル単量体単位含有量)は、プロトンNMRの測定に基づき求めた。
〔引張破断伸び〕
JIS K7113に基づき、2(1/2)号形小型試験片及びORIENTEC社製のテンシロン万能試験機RTC−1210を用いて引張速度500mm/minで測定した。
JIS K7113に基づき、2(1/2)号形小型試験片及びORIENTEC社製のテンシロン万能試験機RTC−1210を用いて引張速度500mm/minで測定した。
〔tanδ〕
動的粘弾性装置(製品名「ARES」、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用い、8mm平行板、初期ギャップ2mm、0.1%歪とし、1Hzの周波数において、−40℃〜120℃の範囲を4℃/分の昇温速度で測定し、20℃でのtanδ(損失正接)を求めた。tanδの値が大きいほど、減衰性(振動吸収性)に優れる。
動的粘弾性装置(製品名「ARES」、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用い、8mm平行板、初期ギャップ2mm、0.1%歪とし、1Hzの周波数において、−40℃〜120℃の範囲を4℃/分の昇温速度で測定し、20℃でのtanδ(損失正接)を求めた。tanδの値が大きいほど、減衰性(振動吸収性)に優れる。
〔圧縮永久歪〕
試料となる厚さ2mmのシートを、7枚重ね合わせ、130℃で3分間熱プレスによって成形し、冷却することにより、直径29mm、高さ12.5mmの円柱型試験片を作製した。JIS K 6262に従い、この試験片を25%圧縮させたまま、温度23℃の環境下に24時間置いた後、圧縮を開放した。この試験片について、圧縮永久歪み率を測定した。圧縮永久歪み率が小さいほど、形状保持性に優れる。
試料となる厚さ2mmのシートを、7枚重ね合わせ、130℃で3分間熱プレスによって成形し、冷却することにより、直径29mm、高さ12.5mmの円柱型試験片を作製した。JIS K 6262に従い、この試験片を25%圧縮させたまま、温度23℃の環境下に24時間置いた後、圧縮を開放した。この試験片について、圧縮永久歪み率を測定した。圧縮永久歪み率が小さいほど、形状保持性に優れる。
〔参考例1〕
(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS(1A))の調製)
耐圧反応器を用い、シクロヘキサン23.3kg、N,N,N,N−テトラメチルエチレンジアミン(以下、「TMEDA」と称する。)14.29ミリモル及びスチレン4.4kgを40℃で攪拌しているところに、開始剤n−ブチルリチウム476.19ミリモルを添加し、50℃に重合温度を上げながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き50℃〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン5.6kgを1時間掛けて添加し、添加終了後に更に1時間重合した。イソプレンの反応転化率は100%であった。次いで、カップリング剤としてジメチルジクロロシラン226.19ミリモルを添加して2時間カップリング反応し、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を形成させた。この後、反応液に重合停止剤としてメタノール476.19ミリモルを添加し良く混合し反応を停止し、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有する反応液を得た。なお、反応に用いた各試剤の量は表1にまとめた。得られた反応液の一部を取り出し、得られたスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体について、重量平均分子量、各ブロックの重量平均分子量、ポリイソプレンブロックのビニル結合含有量及びスチレン単位含有量を測定した。これらの測定値も表1に示した。
このようにして得られた反応液100部(重合体成分30部を含有する。)に、酸化防止剤として、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.05部及びテトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジホスファイト0.1部を加えて混合し、混合溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱された温水中に滴下して溶媒を揮発させて得られた析出物を60℃、12時間の条件下で真空乾燥することにより、本発明で用いる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)に該当するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS(1A))を得た。
(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS(1A))の調製)
耐圧反応器を用い、シクロヘキサン23.3kg、N,N,N,N−テトラメチルエチレンジアミン(以下、「TMEDA」と称する。)14.29ミリモル及びスチレン4.4kgを40℃で攪拌しているところに、開始剤n−ブチルリチウム476.19ミリモルを添加し、50℃に重合温度を上げながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き50℃〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン5.6kgを1時間掛けて添加し、添加終了後に更に1時間重合した。イソプレンの反応転化率は100%であった。次いで、カップリング剤としてジメチルジクロロシラン226.19ミリモルを添加して2時間カップリング反応し、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を形成させた。この後、反応液に重合停止剤としてメタノール476.19ミリモルを添加し良く混合し反応を停止し、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有する反応液を得た。なお、反応に用いた各試剤の量は表1にまとめた。得られた反応液の一部を取り出し、得られたスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体について、重量平均分子量、各ブロックの重量平均分子量、ポリイソプレンブロックのビニル結合含有量及びスチレン単位含有量を測定した。これらの測定値も表1に示した。
このようにして得られた反応液100部(重合体成分30部を含有する。)に、酸化防止剤として、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.05部及びテトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)ジホスファイト0.1部を加えて混合し、混合溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱された温水中に滴下して溶媒を揮発させて得られた析出物を60℃、12時間の条件下で真空乾燥することにより、本発明で用いる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)に該当するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS(1A))を得た。
〔参考例2〕
(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS(1B))の調製)
反応に用いる試剤の量を表1に示すとおりとしたこと以外は参考例1と同様にして、本発明で用いる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)に該当するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS(1B))を得た。得られたスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の、重量平均分子量、各ブロックの重量平均分子量、ポリイソプレンブロックのビニル結合含有量及びスチレン単位含有量の測定値は表1に示した。
(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS(1B))の調製)
反応に用いる試剤の量を表1に示すとおりとしたこと以外は参考例1と同様にして、本発明で用いる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)に該当するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS(1B))を得た。得られたスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の、重量平均分子量、各ブロックの重量平均分子量、ポリイソプレンブロックのビニル結合含有量及びスチレン単位含有量の測定値は表1に示した。
〔参考例3〕
(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS(2))の調製)
耐圧反応器を用い、シクロヘキサン23.3kg、TMEDA7.13ミリモル及びスチレン1.85kgを40℃で攪拌しているところに、開始剤n−ブチルリチウム185.19ミリモルを添加し、50℃に重合温度を上げながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き50℃〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン8.15kgを1時間掛けて添加し、添加終了後に更に1時間重合した。イソプレンの反応転化率は100%であった。引き続き50℃〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にスチレン0.58kgを10分間掛けて添加し、添加終了後に更に1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。この後、反応液に重合停止剤としてメタノール185.19ミリモルを添加し良く混合し反応を停止し、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有する反応液を得た。なお、反応に用いた各試剤の量は表1にまとめた。得られた反応液の一部を取り出し、得られたスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体について、重量平均分子量、各ブロックの重量平均分子量、ポリイソプレンブロックのビニル結合含有量及びスチレン単位含有量を測定した。その測定値も表1に示した。
以下の操作は参考例1と同様にして、本発明で用いる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)に該当するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS(2))を得た。
(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS(2))の調製)
耐圧反応器を用い、シクロヘキサン23.3kg、TMEDA7.13ミリモル及びスチレン1.85kgを40℃で攪拌しているところに、開始剤n−ブチルリチウム185.19ミリモルを添加し、50℃に重合温度を上げながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き50℃〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン8.15kgを1時間掛けて添加し、添加終了後に更に1時間重合した。イソプレンの反応転化率は100%であった。引き続き50℃〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にスチレン0.58kgを10分間掛けて添加し、添加終了後に更に1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。この後、反応液に重合停止剤としてメタノール185.19ミリモルを添加し良く混合し反応を停止し、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を含有する反応液を得た。なお、反応に用いた各試剤の量は表1にまとめた。得られた反応液の一部を取り出し、得られたスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体について、重量平均分子量、各ブロックの重量平均分子量、ポリイソプレンブロックのビニル結合含有量及びスチレン単位含有量を測定した。その測定値も表1に示した。
以下の操作は参考例1と同様にして、本発明で用いる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)に該当するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS(2))を得た。
〔参考例4〕
(スチレン−イソプレンジブロック共重合体(SI(3A))の調製)
耐圧反応器を用い、シクロヘキサン23.3kg、TMEDA7.14ミリモル及びスチレン0.75kgを40℃で攪拌しているところに、開始剤n−ブチルリチウム238.10ミリモルを添加し、50℃に重合温度を上げながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き50℃〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン9.25kgを1時間掛けて添加し、添加終了後に更に1時間重合した。イソプレンの反応転化率は100%であった。この反応液に重合停止剤としてメタノール238.10ミリモルを添加し良く混合し反応を停止し、スチレン−イソプレンジブロック共重合体を含有する反応液を得た。なお、反応に用いた各試剤の量は表1にまとめた。得られた反応液の一部を取り出し、得られたスチレン−イソプレンジブロック共重合体について、重量平均分子量、各ブロックの重量平均分子量、ポリイソプレンブロックのビニル結合含有量及びスチレン単位含有量を測定した。その測定値も表1に示した。
以下の操作は参考例1と同様にして、芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)に該当するスチレン−イソプレンジブロック共重合体(SI(3A))を得た。
(スチレン−イソプレンジブロック共重合体(SI(3A))の調製)
耐圧反応器を用い、シクロヘキサン23.3kg、TMEDA7.14ミリモル及びスチレン0.75kgを40℃で攪拌しているところに、開始剤n−ブチルリチウム238.10ミリモルを添加し、50℃に重合温度を上げながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き50℃〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン9.25kgを1時間掛けて添加し、添加終了後に更に1時間重合した。イソプレンの反応転化率は100%であった。この反応液に重合停止剤としてメタノール238.10ミリモルを添加し良く混合し反応を停止し、スチレン−イソプレンジブロック共重合体を含有する反応液を得た。なお、反応に用いた各試剤の量は表1にまとめた。得られた反応液の一部を取り出し、得られたスチレン−イソプレンジブロック共重合体について、重量平均分子量、各ブロックの重量平均分子量、ポリイソプレンブロックのビニル結合含有量及びスチレン単位含有量を測定した。その測定値も表1に示した。
以下の操作は参考例1と同様にして、芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)に該当するスチレン−イソプレンジブロック共重合体(SI(3A))を得た。
〔参考例5〕
(スチレン−イソプレンジブロック共重合体(SI(3B))の調製)
反応に用いる試剤の量を表1に示すとおりとしたこと以外は参考例4と同様にして、芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)に該当するスチレン−イソプレンジブロック共重合体(SI(3B))を得た。得られたスチレン−イソプレンジブロック共重合体の、重量平均分子量、各ブロックの重量平均分子量、ポリイソプレンブロックのビニル結合含有量及びスチレン単位含有量の測定値は表1に示した。
(スチレン−イソプレンジブロック共重合体(SI(3B))の調製)
反応に用いる試剤の量を表1に示すとおりとしたこと以外は参考例4と同様にして、芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)に該当するスチレン−イソプレンジブロック共重合体(SI(3B))を得た。得られたスチレン−イソプレンジブロック共重合体の、重量平均分子量、各ブロックの重量平均分子量、ポリイソプレンブロックのビニル結合含有量及びスチレン単位含有量の測定値は表1に示した。
〔実施例1〕
参考例1で得られたSIS(1A)35部、参考例3で得られたSIS(2)35部、及び参考例4で得られたSIS(3A)30部を密封可能なポリエチレン製容器に入れ、次いで固形分濃度が20%となるようにシクロヘキサンを入れ、密封し、室温下で12時間振盪した。得られた混合溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱された温水中に滴下し溶媒を揮発させ、得られた析出物を60℃、12時間の条件下で真空乾燥することにより、実施例1の成形材料(ブロック共重合体組成物)を得た。これについて、ブロック共重合体組成物のスチレン単位含有量を測定した。また、得られた成形材料を、電熱プレスを用いて、厚さ2mmのシートに成形し、引張破断伸び、tanδ及び圧縮永久歪の測定を行った。結果を表2に示す。
参考例1で得られたSIS(1A)35部、参考例3で得られたSIS(2)35部、及び参考例4で得られたSIS(3A)30部を密封可能なポリエチレン製容器に入れ、次いで固形分濃度が20%となるようにシクロヘキサンを入れ、密封し、室温下で12時間振盪した。得られた混合溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱された温水中に滴下し溶媒を揮発させ、得られた析出物を60℃、12時間の条件下で真空乾燥することにより、実施例1の成形材料(ブロック共重合体組成物)を得た。これについて、ブロック共重合体組成物のスチレン単位含有量を測定した。また、得られた成形材料を、電熱プレスを用いて、厚さ2mmのシートに成形し、引張破断伸び、tanδ及び圧縮永久歪の測定を行った。結果を表2に示す。
〔実施例2〜5、比較例1〜4〕
用いる重合体の種類と量を、それぞれ、表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜5及び比較例1〜4の成形材料(ブロック共重合体組成物)を得た。これらについて、それぞれ、ブロック共重合体組成物のスチレン単位含有量を測定した。また、得られた成形材料を、それぞれ、電熱プレスを用いて、厚さ2mmのシートに成形し、引張破断伸び、tanδ及び圧縮永久歪の測定を行った。結果を表2に示す。
用いる重合体の種類と量を、それぞれ、表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜5及び比較例1〜4の成形材料(ブロック共重合体組成物)を得た。これらについて、それぞれ、ブロック共重合体組成物のスチレン単位含有量を測定した。また、得られた成形材料を、それぞれ、電熱プレスを用いて、厚さ2mmのシートに成形し、引張破断伸び、tanδ及び圧縮永久歪の測定を行った。結果を表2に示す。
表2から、以下のようなことが分かる。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)のみからなり、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)を含有しない、ブロック共重合体組成物から得られたシートは、圧縮永久歪が大きく、tanδがやや小さい(比較例1及び同2)。
また、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)を含有するブロック共重合体組成物から得られたシートであっても、それらの比率が本発明で規定する範囲を外れる場合は、tanδが小さい(比較例3)か、圧縮永久歪が大きい(比較例4)。
これに対して、本発明で規定するブロック共重合体組成物からなる本発明の成形材料を用いて得られたシートは、引張破断伸びが大きく、tanδが大きく、かつ圧縮永久歪が小さい(実施例1〜5)。
従って、本発明の成形材料は、高い引張破断伸び、高い減衰性及び高い形状保持性を併せ持つものであるといえる。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)のみからなり、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)を含有しない、ブロック共重合体組成物から得られたシートは、圧縮永久歪が大きく、tanδがやや小さい(比較例1及び同2)。
また、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)及び芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)を含有するブロック共重合体組成物から得られたシートであっても、それらの比率が本発明で規定する範囲を外れる場合は、tanδが小さい(比較例3)か、圧縮永久歪が大きい(比較例4)。
これに対して、本発明で規定するブロック共重合体組成物からなる本発明の成形材料を用いて得られたシートは、引張破断伸びが大きく、tanδが大きく、かつ圧縮永久歪が小さい(実施例1〜5)。
従って、本発明の成形材料は、高い引張破断伸び、高い減衰性及び高い形状保持性を併せ持つものであるといえる。
Claims (3)
- 重量平均分子量が7,000以上であるポリ芳香族ビニルブロックを二つ以上と更に少なくとも一つのポリ共役ジエンブロックとを有してなる芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)、及びAr1−D1−Ar2で表される芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)(ここで、Ar1は重量平均分子量が7,000以上のポリ芳香族ビニルブロックであり、Ar2は重量平均分子量が5,000以下のポリ芳香族ビニルブロックであり、D1はポリ共役ジエンブロックである。)を必須成分としてなり、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(1)と芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体(2)との重量比{(1)/(2)}が25/75〜75/25であるブロック共重合体組成物を含有してなる成形材料。
- ブロック共重合体組成物が、更に、一つのポリ芳香族ビニルブロックAr3と一つのポリ共役ジエンブロックD2とからなる芳香族ビニル−共役ジエンジブロック共重合体(3)を含有してなるものである請求項1に記載の成形材料。
- 防振材料又は制震材料である請求項1又は2に記載の成形材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008331936A JP2010150449A (ja) | 2008-12-26 | 2008-12-26 | 成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008331936A JP2010150449A (ja) | 2008-12-26 | 2008-12-26 | 成形材料 |
Publications (1)
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JP2010150449A true JP2010150449A (ja) | 2010-07-08 |
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ID=42569883
Family Applications (1)
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JP2008331936A Pending JP2010150449A (ja) | 2008-12-26 | 2008-12-26 | 成形材料 |
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JP (1) | JP2010150449A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020045496A1 (ja) * | 2018-08-28 | 2020-03-05 | 日本ゼオン株式会社 | 組成物および弾性体 |
JP2020050761A (ja) * | 2018-09-27 | 2020-04-02 | 日本ゼオン株式会社 | 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の成形体 |
-
2008
- 2008-12-26 JP JP2008331936A patent/JP2010150449A/ja active Pending
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WO2020045496A1 (ja) * | 2018-08-28 | 2020-03-05 | 日本ゼオン株式会社 | 組成物および弾性体 |
JP2020050761A (ja) * | 2018-09-27 | 2020-04-02 | 日本ゼオン株式会社 | 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の成形体 |
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