JP2010148297A - 無停電電源システム - Google Patents

Abstract

【課題】常用無停電電源装置と、共通予備無停電電源装置と、常用無停電電源装置の直送給電入力切換器からなり、一部の無停電電源装置が故障や保守等で停止しても無停電電源装置からの電力供給を継続する、共通予備方式無停電電源システムにおいて、共通予備無停電電源装置の容量を必要以上に増やさず経済性および信頼性がより高いシステムを実現する。
【解決手段】共通予備方式無停電電源システムにおいて、共通予備無停電電源装置に、常用無停電電源装置に対して優先度の異なる複数の切換条件を設定する入力切換制御部を設ける。
【選択図】図１

Description

本発明は、直送給電回路をもった常用無停電電源装置と、常用無停電電源装置に電力供給を行う共通予備無停電電源装置からなる無停電電源システムに関するものである。

高い給電信頼性を必要とする無停電電源システムでは、無停電電源装置の故障等が発生しても、負荷に無停電電源装置での給電を継続する必要がある。このため、複数の無停電電源装置を組み合わせて冗長方式の無停電電源システムとすることがある。冗長方式の無停電電源システムの１つとして、インバータを経由しない直送給電回路を備えた常用無停電電源装置と、各常用無停電電源装置の直送給電回路に対して予備電力供給を行う共通予備無停電電源装置からなる共通予備方式無停電電源システムがある。

図６は、従来の共通予備方式無停電電源システムを示すシステム構成図である。図６において、１−１〜１−４は常用無停電電源装置、Ａは共通予備無停電電源ユニットである。

常用無停電電源装置１−１〜１−４は、直送給電切換器３、インバータ４ａと二次電池Ｂと整流器４ｂを有するインバータ回路、直送給電回路５、直送給電入力切換器６を有する。７は直送給電切換器３から出力される常用無停電電源装置の給電状態信号である。各常用無停電電源装置１−１〜１−４は、商用電源（常用）から電力が供給され、各々負荷１０が接続されている。共通予備無停電電源ユニットＡは商用電源（予備）と商用電源（常用）から電力を供給される共通予備無停電電源装置２と、常用無停電電源装置の給電状態信号７が入力される入力切換制御部８を有し、必要時に入力切換制御部８の入力切換信号９により、各常用無停電電源装置１−１〜１−４の直送給電入力切換器６を切換え、直送給電回路５を経由し、入力切換制御部８の設定条件に応じて電力を各常用無停電電源装置１−１〜１−４に供給する。

共通予備無停電電源ユニットＡは、図６のような共通予備無停電電源装置２を１台備えた構成のほか、共通予備無停電電源装置２を複数台並列とした構成でもよい。共通予備無停電電源装置２の容量は任意に設定可能であるが、一般にコスト上などの制約により常用無停電電源装置の容量の総和より小さく設定されている。以下の例では、共通予備無停電電源装置２の容量を各常用無停電電源装置容量の２倍とした場合について説明する。

上記入力切換制御部８は、例えばメモリを有するマイクロプロセッサ上で作動するソフトウェアやリレーシーケンス等で構成され、各常用無停電電源装置から入力される給電状態信号７に応じて任意の作動条件を設定可能であり、設定条件に応じて入力切換信号９を出力する。

図７は、常時の電力供給状態を示したものである。商用電源から供給される交流電力は、整流器４ｂにより直流変換され二次電池Ｂを充電した後、インバータ４ａにより交流に再変換され負荷１０に供給される。各常用無停電電源装置１−１〜１−４の直送給電切換器３は通常インバータ４ａの出力側に接続されており、負荷１０に対してインバータ４ａを経由して電力供給を行う。各常用無停電電源装置１−１〜１−４の直送給電入力切換器６は、共通予備無停電電源装置２の出力側に接続されている。

図８は、一部の常用無停電電源装置が故障や保守のためにインバータ４ａからの給電が不能な場合に、入力切換制御部８が共通予備無停電電源装置２からの直送給電に切換えたときの電力供給状態を示す。すなわち常用無停電電源装置１−２、１−３の直送給電切換器３を直送給電回路５側に切換えて、共通予備無停電電源ユニットＡの入力切換制御部８を作動させ、入力切換信号９により直流給電入力切換器６を切換え、負荷１０に対し共通予備無停電電源装置２から直送給電回路５を介して電力供給を行っている。一方、共通予備無停電電源装置２からはこれ以上の電力供給が行えないことから、直送給電していない常用無停電電源装置１−１、１−４の直送給電入力切換器６を商用電源側に切換えている。通常は、速やかに常用無停電電源装置１−２、１−３の故障を復旧しまたは保守を完了させて、図７の商用電源からの電力供給状態に戻す。

図９は、図８の状態からさらに他の常用無停電電源装置１−４に故障、保守が生じたとき、これを直送給電に切換えたときの電力供給状態を示す。常用無停電電源装置１−４の直送給電切換器３を直送給電回路５側に切換え、直送給電回路５を介して商用電源から負荷１０に電力供給を行っている。この状態で商用電源の停電が発生すると、無停電電源装置１−４に接続された負荷１０に対する電力供給が停止する。

各常用無停電電源装置１−１〜１−４の直送給電入力切換器６は、常用無停電電源装置１−１〜１−４が直送給電でない状態で、入力切換制御部８で生成される入力切換信号９を受けたときに商用電源側に切換わる。

入力切換制御部８における入力切換信号９の生成条件としては、共通予備無停電電源装置２から直送給電回路５を介して電力供給している常用無停電電源装置の台数や、共通予備無停電電源装置２からの出力電力等が使用される。切換指令の生成条件は様々であり、例えば特許文献１では、予め設定したパラメータにより常用無停電電源装置１の状態に応じて入力切換信号９を生成する。共通予備無停電電源装置２からの負荷給電が実施された場合、他の常用無停電電源装置１の直送給電入力切換機６は商用電源から負荷給電が可能となるように接続先を変更する動作を行う。また、特許文献２では常用無停電電源装置の電力容量をリアルタイムに管理し、共通予備無停電電源装置２はバックアップ可能な常用無停電電源装置の直送給電回路５のみに電力供給を行うように切換指令を生成する。

特開２００６−２８８１４２号公報 特開２００４−２６６９４５号公報

上記の従来技術では、全ての常用無停電電源装置が、同じ入力切換制御部で生成された入力切換信号をもとに直送給電入力切換器を動作させるため、全ての常用無停電電源装置は共通予備無停電電源装置に対し同じ優先度を有し、先着順または負荷容量により共通予備無停電電源装置２を使用することになる。すなわち全ての負荷に対して同じ比重の給電信頼性で電力を供給することになる。本発明の目的は、共通予備方式無停電電源システムにおいて、全ての負荷が同じ給電信頼性を要求しない場合に負荷ごとに給電信頼性に差をつけ、無停電電源システムの信頼性を向上させることである。

上記の目的を達成するために、本発明は、商用電源から電力を供給され負荷に電力を供給する複数の常用無停電電源装置と、前記複数の常用無停電電源装置に予備電力を供給する共通予備無停電電源装置とを備えた無停電電源システムであって、前記常用無停電電源装置はインバータ回路と、インバータ回路をバイパスする直送給電回路と、前記インバータ回路と直送給電回路を切換える直送給電切換器と、前記常用無停電電源装置へ供給される商用電源または共通予備無停電電源装置入力を切換える直送給電入力切換器を有し、前記共通予備無停電電源装置は前記複数の常用無停電電源装置の給電状態信号に基づき前記常用無停電電源装置の動作を制御する入力切換制御部を有し、前記入力切換制御部は前記複数の常用無停電電源装置に対する予備電力の供給に優先順位を設けたことを特徴とする。

また、インバータ回路は二次電池と、商用電源により二次電池を充電する整流器と、負荷に電力を供給するインバータを有することを特徴とする。

また、入力切換制御部は前記複数の常用無停電電源装置の直送給電入力切換器の切換制御に優先順位を設けたことを特徴とする。

また、入力切換制御部は前記複数の常用無停電電源装置を群に分け、各群ごとに優先順位を設けたことを特徴とする。

また、複数の常用無停電電源装置群ごとに異なる優先順位を持つ入力切換制御部を個別に設けたことを特徴とする。

また、共通予備無停電電源装置の電力容量に応じて予備電力を供給する前記常用無停電電源装置または常用無停電電源装置群を選定する入力切換制御部を設けたことを特徴とする。

さらに、共通予備無停電電源装置の出力電力検出手段を設け、共通予備無停電電源装置の出力電力に応じて予備電力を供給する常用無停電電源装置または常用無停電電源装置群を選定する入力切換制御部を設けたことを特徴とする。

本発明によれば、共通予備無停電電源装置からの給電をうける常用無停電電源装置の直送入力の切換に関して、常用無停電電源装置ごと、あるいは常用無停電電源装置群ごとに異なる条件を設定することにより、負荷が同じ給電信頼性を要求しない場合に負荷の重要性に応じて給電の信頼性にランクを設け、無停電電源システムの信頼性を向上することができる。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

図１は、本発明の実施例１であり、共通予備無停電電源システムＡにおいて、異なる切換条件をもった複数の入力切換制御部８−１、８−２を設けることで、常用無停電電源装置ごと、もしくは常用無停電電源装置群ごとに、異なる条件で直送給電回路５を切換えるようにしたものである。なお、共通予備無停電電源装置２の容量は各常用無停電電源装置１の容量の２倍とする。図１では、常用無停電電源装置を２台ずつ備えた常用無停電電源装置群１１−１、１１−２ごとに条件を設けた例を示している。負荷群１０−１は負荷群１０−２に対し、より高い給電の信頼性が要求されているものとし、入力切換制御部８−１では負荷群１０−１に対し常用無停電電源装置群１１−１が共通予備無停電電源装置２から電力供給可能な台数をシステム全体で２台と設定する。入力切換制御部８−２では負荷群１０−２に対し常用無停電電源装置群１１−２が共通予備無停電電源装置２から電力供給可能な台数をシステム全体で１台と設定する。

図２は、常用無停電電源装置群１１−１のうち、常用無停電電源装置１−２を直送給電としたときの電力供給状態を示す。常用無停電電源装置１−２の直送給電切換器３を直送給電回路５側に切換えて、負荷１０に対して直送給電回路５を介して共通予備無停電電源装置２から電力供給を行っている。共通予備無停電電源装置２からはもう１台の無停電電源装置に対して電力供給を行うことが可能である。

入力切換制御部８−１では、２台以上の常用無停電電源装置１が共通予備無停電電源装置２から電力供給を行うまで入力切換信号９−１を出力しないため、常用無停電電源装置１−１の直送給電入力切換器６は、共通予備無停電電源装置２に接続されたままである。一方、入力切換制御部８−２では、１台以上の常用無停電電源装置が共通予備無停電電源装置２から電力供給を行うと入力切換信号９−２を出力するため、常用無停電電源装置群１１−２の常用無停電電源装置１−３、１−４の直送給電入力切換器６は、商用電源側に切換わっている。常用無停電電源装置１−２の直送給電切換器３がインバータ４ａ側に復帰した場合、常用無停電電源装置１−３、１−４の直送給電入力切換器６は、共通予備無停電電源装置２側に切換わり、図１の状態に戻る。

図３は、負荷群１０−２に電力供給を行っている常用無停電電源装置群１１−２のうち、常用無停電電源装置１−３を直送給電としたときの電力供給状態を示す。常用無停電電源装置１−３の直送給電切換器３を直送給電回路５側に切換えて、負荷１０に対して直送給電回路５を介して共通予備無停電電源装置２から電力供給を行っている。健全な常用無停電電源装置の直送給電入力切換器６は、上記と同様に常用無停電電源装置群１１−１では共通予備無停電電源装置２側に、常用無停電電源装置群１１−２では商用電源側に切換わっている。

図４は、図３の状態からさらに常用無停電電源装置１−２、１−４を直送給電としたときの電力供給状態を示す。常用無停電電源装置１−２、１−４の直送給電切換器３を直送給電回路５側に切換えて、負荷１０に対して直送給電回路５を介して電力供給を行っている。

常用無停電電源装置群１１−１の常用無停電電源装置１−２については、負荷１０に対して直送給電回路５を介して共通予備無停電電源装置２から電力供給を行っており、常用無停電電源装置群１１−２の常用無停電電源装置１−４については、負荷に対して直送給電回路５を介して商用電源から電力供給を行っている。この状態で商用電源の停電が発生すると、常用無停電電源装置１−２に接続された負荷１０に対しては共通予備無停電電源装置２から優先的に電力供給が継続されるが、常用無停電電源装置１−４に接続された負荷１０に対する電力供給は停止する。すなわち、負荷群１０−１に対する給電信頼性は負荷群１０−２に対する給電信頼性よりも高く設定されている。

なお、図４の状態において、常用無停電電源装置１−１の直送給電切換器３が直送給電回路側に切換わった場合、入力切換信号９−２により、常用無停電電源装置１−３の直送給電入力切換器６は商用電源側に切換えられ、共通予備無停電電源装置２は常用無停電電源装置群１１−１の２台の常用無停電電源装置１−１、１−２の直送給電回路にのみ接続される。このとき負荷群１０−１は無停電電源装置１−１、１−２からの給電を継続することとなり、給電信頼性が高く設定されている。

図５に示す実施例２は、入力切換制御部８−２に、共通予備無停電電源装置２の予備出力電力計測値１２と、常用無停電電源装置群１１−２の各無停電電源装置の出力電力計測値１３の信号を追加した共通予備方式無停電電源システムを示す。実施例２は、共通予備無停電電源装置２と直送給電回路入力切換器６との接続が３台の常用無停電電源装置に対して可能である場合を示す。これは、常用無停電電源装置群１１−１の合計出力電力と、常用無停電電源装置群１１−２のうちの１台の無停電電源装置の出力電力の和が、共通予備無停電電源装置の定格出力電力を下回る場合に可能な給電形態である。

実施例２の場合も、常用無停電電源装置群１１−１の直送入力切換器６への接続を常用無停電電源装置群１１−２に対して優先する。従って実施例２は、共通予備無停電電源装置２が給電する２台の常用無停電電源装置がともに常用無停電電源装置群１１−１のものである状態において、共通予備無停電電源装置２の出力電力、すなわち常用無停電電源装置群１１−１の出力電力を監視する。常用無停電電源装置群１１−２の常用無停電電源装置１−３が直送給電に切換わる場合に、その常用無停電電源装置１−３の出力電力が、共通予備無停電電源装置２の定格出力電力と共通予備無停電電源装置２の出力電力の差よりも小さく、共通予備無停電電源装置２の容量に余裕があれば、入力切換制御部８−２は、常用無停電電源装置１−３の直送給電入力切換器６の共通予備無停電電源装置２側への切換を可能と判断し、入力切換信号９−２を発信する。すなわち、負荷群１０−１への給電の信頼性は負荷群１０−２に対して高く設定されており、かつ負荷群の電力によっては負荷群１０−２への給電の信頼性についてもさらに高めることが可能であることを示す。すなわち、実施例２は切換条件を固定した実施例１に比べ、柔軟に状況に対応できる効果がある。

本発明の実施例１の構成を示すシステム構成図である。 実施例１で一部の常用無停電電源装置が直送給電されるときのシステム構成図である。 実施例１で別の常用無停電電源装置が直送給電されるときのシステム構成図である。 実施例１で更に他の常用無停電電源装置が直送給電されるときのシステム構成図である。 本発明の実施例２の構成を示すシステム構成図である。 従来例の無停電電源システムを示すシステム構成図である。 従来例で無停電電源装置が全て健全な場合を示すシステム構成図である。 従来例で無停電電源装置が共通予備無停電電源装置から直送給電された場合を示すシステム構成図である。 従来例で無停電電源装置の直送給電入力が切換えられた場合を示すシステム構成図である。

符号の説明

１−１、１−２：常用無停電電源装置
２：共通予備無停電電源装置
３：直送給電切換器
４ａ：インバータ
４ｂ：整流器
５：直送給電回路
６：直送給電入力切換器
７：給電状態信号
８、８−１、８−２：入力切換制御部
９、９−１、９−２：入力切換信号
１０：負荷
１０−１、１０−２：負荷群
１１−１、１１−２：常用無停電電源装置群
１２：予備出力電力計測値
１３：出力電力計測値
Ａ：共通予備無停電電源ユニット
Ｂ：二次電池

Claims (7)

1. 商用電源から電力を供給され負荷に電力を供給する複数の常用無停電電源装置と、前記複数の常用無停電電源装置に予備電力を供給する共通予備無停電電源装置とを備えた無停電電源システムであって、前記常用無停電電源装置はインバータ回路と、インバータ回路をバイパスする直送給電回路と、前記インバータ回路と直送給電回路を切換える直送給電切換器と、前記常用無停電電源装置へ供給される商用電源または共通予備無停電電源装置入力を切換える直送給電入力切換器を有し、前記共通予備無停電電源装置は前記複数の常用無停電電源装置の給電状態信号に基づき前記常用無停電電源装置の動作を制御する入力切換制御部を有し、前記入力切換制御部は前記複数の常用無停電電源装置に対する予備電力の供給に優先順位を設けたことを特徴とする無停電電源システム。
2. 請求項１に記載された無停電電源システムにおいて、前記インバータ回路は二次電池と、商用電源により二次電池を充電する整流器と、負荷に電力を供給するインバータを有することを特徴とする無停電電源システム。
3. 請求項１または２に記載された無停電電源システムにおいて、前記入力切換制御部は前記複数の常用無停電電源装置の直送給電入力切換器の切換制御に優先順位を設けたことを特徴とする無停電電源システム。
4. 請求項１乃至３のいずれか１項に記載された無停電電源システムにおいて、前記入力切換制御部は前記複数の常用無停電電源装置を群に分け、各群ごとに優先順位を設けたことを特徴とする無停電電源システム。
5. 請求項４に記載された無停電電源システムにおいて、前記複数の常用無停電電源装置群ごとに異なる優先順位を持つ入力切換制御部を個別に設けたことを特徴とする無停電電源システム。
6. 請求項１乃至５のいずれか１項に記載された無停電電源システムにおいて、前記共通予備無停電電源装置の電力容量に応じて予備電力を供給する前記常用無停電電源装置または常用無停電電源装置群を選定する入力切換制御部を設けたことを特徴とする無停電電源システム。
7. 請求項６に記載された無停電電源システムにおいて、前記共通予備無停電電源装置の出力電力検出手段を設け、共通予備無停電電源装置の出力電力に応じて予備電力を供給する常用無停電電源装置または常用無停電電源装置群を選定する入力切換制御部を設けたことを特徴とする無停電電源システム。

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