JP2010148167A - リニアモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リニアモータにおいて、固定子側に設けた界磁鉄心2に複数の永久磁石3を交互に極性が異なるように等ピッチで配置し、界磁磁極と磁気的空隙を介して可動子側となる電機子4を対向配置すると共に、電機子4を構成する電機子コア41のティース51〜56にはコイルを巻回して電機子巻線61〜66を形成し、コイルを巻回したティース間にはコイルを巻回しないティース71〜75を配置し、ティース51〜56と71〜75を交互に配置してあり、永久磁石3による磁極数と、電機子コア41のティース数の関係を、4n:6n−1(n:自然数)とする構成にした。
【選択図】 図1
Description
上記リニアモータは発熱が小さいことが求められており、発熱の小さいモータとしては、コイルの巻回されたティースの集める磁束が多く、永久磁石による磁極数と電機子コアのティース数の関係が、8n:9n(n:自然数)、もしくは、5n:6n(n:自然数)、といったものが従来から使われている。
なお、リニアモータは界磁磁極を固定子、電機子を可動子としたものをムービングコイル型リニアモータ、界磁磁極を可動子、電機子を固定子としたものをムービングマグネット型リニアモータと称しているが、ここでは前者のムービングコイル型リニアモータを中心に説明する。
図7は第1従来技術を示すムービングコイル型リニアモータの側断面図である。
図7において、1は界磁磁極、2は界磁鉄心、3は永久磁石、4は電機子、41は電機子コア、5はティース、6は電機子巻線である。
固定子側となる界磁磁極1は、界磁鉄心2に複数の永久磁石3を交互に極性が異なるように等ピッチで配置したものとなっている。また、永久磁石3の磁極面には、磁気的空隙を介して可動子側となる電機子4が対向配置されている。電機子4は電磁鋼板を櫛歯状に打ち抜き先端に複数のティース5を形成してなる電機子コア41と、この複数のティース5にコイルを集中巻きにより巻回してなる電機子巻線6とから構成される。本例は、永久磁石による磁極数と電機子コアのティース数の関係が、8n:9n(n:自然数)のリニアモータであり、n=1の場合を示したものとなっている。
図8は第2従来技術を示すムービングコイル型リニアモータの側断面図である。なお、図8は、図7で説明した構成要素と同じであるため、同一符号を付して説明を省略する。
本例は、第2従来技術と異なり、永久磁石による磁極数と電機子コアのティース数の関係が、4n:3n(n:自然数)のリニアモータであり、n=2の場合を示したものとなっている。
また、コギング推力の低減やモータの絶縁強化を図るためにティースを1つ置きに集中巻きにしたモータが発明されている。(例えば、特許文献1参照)
また、永久磁石による磁極数と電機子コアのティース数の関係が、4n:3n(n:自然数)といったリニアモータでは、磁極ピッチに対してコイルピッチが長いために、高推力でも推力飽和の影響を受けにくいが、磁極ピッチに対してティースピッチが長いために、コイルの巻回されたティースの集める磁束が少ない、という問題があった。
さらに、特許文献1記載のリニアモータにおいても、永久磁石による磁極数と電機子コアのティース数の関係が、4n:3n(n:自然数)といったリニアモータと同様の問題や、コギング推力は低減されていても誘起電圧の高調波成分が大きく、制御特性が低下する、という問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、推力飽和の影響を受け難くすると共に、コイルの巻回されたティースの集める磁束が多く、しかも誘起電圧の高調波成分を小さくすることのできるリニアモータを提供することを目的とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリニアモータにおいて、前記コイルを巻回しない第2のティースの磁石列と直交する方向の長さLtd2は、前記該コイルを巻回する第1のティースの磁石列と直交する方向の長さLtc2よりも短くしたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のリニアモータにおいて、前記コイルを巻回しない第2のティースの長さLtd2と、前記該コイルを巻回する第1のティースの長さLtc2との比Ltd2/Ltc2を、0.5≦(Ltd2/Ltc2)<1に設定したことを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のリニアモータにおいて、 前記該コイルを巻回しない第2のティースと、前記該コイルを巻回する第1のティースのそれぞれの先端形状が異なることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のリニアモータにおいて、前記電機子コアの両端には、前記第1のティースの形状とは異なる形状の補助ティースを設けたことを特徴としている。
請求項2、請求項3に記載の発明によると、上述の効果に加えて、コイルの誘起電圧の高調波成分が小さくなって制御特性を向上することができる。
請求項4に記載の発明によると、上述のリニアモータと比較して、さらにコイルの巻回されたティースの集める磁束が多い、リニアモータの構成を得ることができる。
請求項5に記載の発明によると、上述の効果に加えて、コギング推力の低減されたリニアモータの構成を得ることができる。
図1において、51、52、53、54、55、56はコイルを巻回してなるティース、71、72、73、74、75はコイルを巻回しないティース、61、62、63、64、65、66は電機子巻線である。
本発明が従来技術と異なる点は以下のとおりである。
すなわち、電機子コア41のティース51、52、53、54、55、56にはコイルを集中巻により巻回して電機子巻線61、62、63、64、65、66を形成し、コイルを巻回したティース51、52、53、54、55、56間にはそれぞれコイルを巻回しないティース71、72、73、74、75を配置し、前記コイルを巻回するティースと前記コイルを巻回しないティースとを交互に一つおきに配置するようにした点である。
また、リニアモータは、永久磁石3による磁極数と、電機子コア41のティース数の関係を、4n:6n−1(n:自然数)とすると共に、電機子コア41のティースピッチが磁極ピッチτに対し、2τ/3、かつ、電機子コア41のティース51、52、53、54、55、56に巻回された電機子巻線61、62、63、64、65、66のコイルピッチが磁極ピッチτに対し、4τ/3としてあり、コイルを巻回しないティースの磁石列と平行する方向の長さLtd1は、コイルを巻回するティースの磁石列と平行する方向の長さLtc1よりも短くした構成となっている。
ここで、電機子巻線は、図1の左端ティース51より1ティースおきに、正巻に巻回され、相順をU相、V相、W相となるように配置してある。また、図1においては、n=2の場合を示した。
ところで、上記説明では、電機子巻線を、図1の左側の端ティースより1ティースおきに、正巻で巻回され、相順をU相、V相、W相となるように配置する例を述べたが、逆巻で巻回され、相順をU相、V相、W相となるように配置してもよい。
また、相順についてもU相、V相、W相となるように配置する例を述べたが、V相、W相、U相またはW相、U相、V相、またはW相、V相、U相、またはV相、U相、W相、またはU相、W相、V相となるように配置してもよい。
第1実施例の効果を確認するために、例えば、電機子コアの寸法をLtd1=6.9[mm]、Ltc1=1.0[mm]、Ltd2=Ltc2=34.5[mm]として、シミュレーションを行った。図2から、電機子コアの巻回しないティースありの場合(第1実施例)と、巻回しないティースなしの場合(従来技術)を比較すると、前者の電機子コアの巻回しないティースありの場合のほうが、コイルの巻回されたティースの集める磁束が多くなるという効果を確認した。また、コイルピッチが磁極ピッチよりも長いために推力飽和の影響を受けにくくなる、という効果も確認した。
したがって、第1実施例によれば、従来技術は全てのティースにコイルを巻回していたが、図1に示すようにコイルを巻回するティース51、52、53、54、55、56とコイルを巻回しないティース61、62、63、64、65とを交互に配置し、従来の電機子を構成する6本のティースの間にコイルを巻回するティースを配置するようにしたので、推力飽和の影響を受け難くすると共に、コイルの巻回されたティースの集める磁束が多くなるという効果を奏するリニアモータを提供することができる。
第1実施例のリニアモータ(図1)で、コイルを巻回したティース51、52、53、54、55、56間にコイルを巻回しないティース71、72、73、74、75を配置した構成において、コイルを巻回するティースの長さLtc2とコイルを巻回しないティースの長さLtd2が等しい例を示したが、第2実施例のリニアモータは、図3に示すように該コイルを巻回しないティースの長さLtd2を、該コイルを巻回するティースの長さLtc2よりも短くしたものとなっている。
第2実施例の効果を確認するために、例えば、電機子コアの寸法をLtd1=6.9[mm]、Ltc1=1.0[mm]、Ltc2=34.5[mm]の場合において、Ltd2=34.5[mm]、32.0[mm]、29.5[mm]と変化させてシミュレーションを行った。
コイルを巻回しないティースの長さLtd2を、コイルを巻回するティースの長さLtc2より短くしていくと、図4のようにコイルの鎖交磁束の波形が正弦波に近づき、誘起電圧の高調波成分を小さくなるために制御特性が向上するという効果という効果を確認した。
したがって、第2実施例によれば、コイルを巻回しないティースの長さLtd2を、コイルを巻回するティースの長さLtc2よりも短くしたので、第1実施例と同様の効果以外に、誘起電圧の高調波成分を小さくできる効果を奏するリニアモータを提供することができる。
第1実施例および第2実施例のリニアモータ(図1、図3)で、コイルを巻回したティース51、52、53、54、55、56の形状と、コイルを巻回しないティース71、72、73、74、75の形状は互いに同じ矩形状の例を示したが、第3実施例のリニアモータは、図5に示すように該コイルを巻回するティースの先端形状を例えば、鋭利な突起を施すなどの形状に変えて、該コイルを巻回しないティースとは異なる先端形状にしている。
第4実施例が第3実施例と異なる点は、電機子コア41の両端には、コイルを巻回するティース51、56の形状とは異なる形状の補助ティース81、82を配置した点である。
2 界磁鉄心
3 永久磁石
4 電機子
41 電機子コア
5、51、52、53、54、55、56 コイルを巻回してなるティース、
6、61、62、63、64、65、66 電機子巻線、
71、72、73、74、75 コイルを巻回しないティース、
81、82 補助ティース
Claims (5)
- 界磁鉄心上に交互に極性が異なる複数の永久磁石を等ピッチで配置した界磁磁極と、
前記界磁磁極と磁気的空隙を介して対向配置されると共に、電機子コアと該コアのティースにコイルを集中巻きに巻回してなる電機子巻線とを備えた電機子を有し、前記界磁磁極と前記電機子の何れか一方を固定子、他方を可動子として相対的に走行するようにしたリニアモータにおいて、
前記電機子コアのティースは、該コイルを巻回する第1のティースと、該コイルを巻回しない第2のティースとで構成されており、
前記永久磁石による磁極数と、前記電機子コアのティース数の関係を、4n:6n−1(n:自然数)とすると共に、前記電機子コアのティースピッチが磁極ピッチτ に対し、2τ /3、かつ、前記電機子コアに巻回されたコイルピッチが磁極ピッチτ に対し、4τ/ 3とするようにしたことを特徴とするリニアモータ。 - 前記コイルを巻回しない第2のティースの磁石列と直交する方向の長さLtd2は、前記該コイルを巻回する第1のティースの磁石列と直交する方向の長さLtc2よりも短くしたことを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。
- 前記コイルを巻回しない第2のティースの長さLtd2と、前記該コイルを巻回する第1のティースの長さLtc2との比Ltd2/Ltc2を、0.5≦(Ltd2/Ltc2)<1に設定したことを特徴とする請求項1または2に記載のリニアモータ。
- 前記該コイルを巻回しない第2のティースと、前記該コイルを巻回する第1のティースのそれぞれの先端形状が異なることを特徴とする請求項1または2に記載のリニアモータ。
- 前記電機子コアの両端には、前記第1のティースの形状とは異なる形状の補助ティースを設けたことを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。
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