JP2010144673A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の噴射圧力の高圧化に対し、プランジャ4の座屈を防止して、焼付き性を向上した燃料噴射ポンプ1を提供する。
【解決手段】カムシャフト9の回転に応動してシリンダ内周壁面15を往復摺動するプランジャ4と、プランジャ端面14とシリンダ内周壁面15とにより形成されるポンプ室16と、ポンプ室16と低圧側燃料通路とを連通する燃料通路を開閉する噴射時期制御用の電磁弁23とを備え、シリンダ3には、シリンダ内周壁面15に形成される環状のリーク燃料回収溝31と、リーク燃料回収溝31と低圧側燃料通路とを連通するリーク通路32とを備え、プランジャ4は、プランジャ摺動部40の領域内で、シリンダ3のリーク燃料回収溝31よりもカムシャフト側の位置にて2分割され、2分割される分割面のそれぞれがプランジャ軸直角の平面対平面で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の各気筒へ燃料を噴射する燃料噴射装置に適用する高圧燃料を圧送する燃料噴射ポンプに関するものである。
〔従来の技術〕
従来から、内燃機関の各気筒へ燃料を噴射する燃料噴射装置に適用する燃料噴射ポンプとして、特許文献1、2に開示されるようなものがある。
特許文献1に開示される燃料噴射ポンプは、シリンダ内に往復動かつ摺動自在に嵌挿されたリード類を有しない柱形状のプランジャと、このプランジャの上面とシリンダの内周面とにより形成されるポンプ室に面するとともにシリンダに固定して設けられた噴射時期制御電磁弁とを備えた可変吐出量高圧ポンプである。
電磁弁内に形成された低圧側へ連通する低圧通路を閉塞することにより、内燃機関の駆動力によって回転されるカムシャフトに形成された複数山備えたカムにより駆動されるプランジャの往復動によってポンプ室の燃料を高圧に加圧し、高圧の燃料が蓄圧されているコモンレール内へ圧送する。
また、電磁弁はプランジャの加圧開始時期を制御する外開弁を採用し、この電磁弁への通電時間を電磁弁の弁体の閉弁に要する応答時間より僅かに大きく設定したことを特徴としている。
これにより、内燃機関の運転状態に応じて電磁弁への通電タイミングを制御することによりコモンレール内への燃料の吐出量を良好に制御することが可能となる。また、外開弁の電磁弁であるのでポンプ室の燃料圧を閉弁方向の押圧力として利用できるのでポンプ室内のシール性は向上するとともに、プランジャはリード類を有しない柱形状であるのでシリンダの内周面との摺動シール性が確保し易く、コモンレール圧を高圧に維持することができるものである。
次に、特許文献2に開示される燃料噴射ポンプは、内燃機関の駆動力によって回転されるカムシャフトと、このカムシャフトの回転に応動してシリンダ内周壁面を往復摺動するプランジャと、このプランジャ端面とシリンダ内周壁面とにより形成されるポンプ室と、このポンプ室と低圧側燃料通路とを結ぶ通路を開閉する噴射時期制御弁またはプランジャリードと、シリンダ内周壁面に形成される環状のリーク燃料回収溝と、このリーク燃料回収溝と低圧側燃料通路を結ぶリーク通路とを備えている。
これにより、プランジャとシリンダ間に形成されるリーク燃料回収溝が低圧側燃料通路より独立した配置となるため、圧力変動の小さいカム室と圧力変動の大きなリーク燃料回収溝との圧力差を低減できるので、ポンプ室からカム室への燃料下がり(リーク)を防止する。そのため、内燃機関用およびカムシャフトのカム面用の潤滑油がリーク燃料によって希釈されるのを防ぐためカム面における摺動不良やカム面でのプランジャ駆動の横荷重の増加を防止でき、燃料噴射ポンプおよび内燃機関の信頼性を向上できるとしている。
〔従来技術の不具合〕
しかし、近年の燃料の噴射圧力の高圧化を図った燃料噴射装置においては、燃料噴射ポンプも高圧型となり、ポンプ室の燃料圧力は一層高圧となり、高圧燃料から受けるプランジャ荷重も増大し、また、カムシャフトの回転駆動力も回転摩擦力であるプランジャ駆動の横荷重も増大することとなる。このために、長柱状のプランジャは座屈し易くなり、また、横荷重の増加によって摺動不良を生じ易く、ともにシリンダとプランジャ間での焼付きが発生する懸念がある。
特開昭64−73166号公報 特開平5−99097号公報
そこで、燃料の噴射圧力の高圧化に際し、高圧燃料から受けるプランジャ荷重によってプランジャが座屈し、焼付きが発生しないよう座屈強度に余裕を有するプランジャを備えた燃料噴射ポンプを提供することが重要な課題となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、燃料の噴射圧力の高圧化に対し、プランジャの座屈を防止して、焼付き性を向上した燃料噴射ポンプの提供を目的とする。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の手段によれば、内燃機関の駆動力によって回転されるカムシャフトと、カムシャフトの回転に応動してシリンダ内周壁面を往復摺動するプランジャと、プランジャ端面とシリンダ内周壁面とにより形成されるポンプ室と、ポンプ室と低圧側燃料通路とを連通する燃料通路を開閉する噴射時期制御手段とを備え、プランジャは長柱状であって、その外周に摺動部を備え、プランジャの往復動によってポンプ室の燃料を所定値以上の高圧に加圧して高圧側燃料通路に吐出するとともに、シリンダには、シリンダ内周壁面に形成される環状のリーク燃料回収溝と、リーク燃料回収溝と低圧側燃料通路とを連通するリーク通路とが備えられ、リーク燃料回収溝にリークしたリーク燃料を回収する構成の燃料噴射ポンプにおいて、プランジャは、プランジャの摺動部の領域内で、シリンダのリーク燃料回収溝よりもカムシャフト側の位置にて2分割されることを特徴としている。
これにより、一層の燃料圧力の高圧化に対しても座屈の発生を防止でき、座屈による摺動不良に伴う焼付きを防ぐことが可能となる。また、分割プランジャ同士の当接面が低圧燃料側に位置することで、当接する分割面の隙間から燃料がリークするのを抑制し、リークの増加による吐出量の減少を抑制する。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の手段によれば、プランジャは、2分割される分割面のそれぞれがプランジャ軸直角の平面対平面で構成されることを特徴としている。
これにより、燃料圧力の高圧化に対しても当接面の荷重面圧を下げることができ、当接面での塑性変形によるヘタリや摩耗の発生を防止できる。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の手段によれば、プランジャは、2分割される分割面のそれぞれがプランジャ軸直角の凹面対凸面で構成されることを特徴としている。
これにより、燃料圧力の高圧化に伴うカムシャフトからの横荷重の増加に対しても、凹面対凸面による自動調芯機能によって横荷重を吸収でき、プランジャの荷重作用線はそのままプランジャの軸心方向と一致して、大きな座屈強度の確保が可能となる。
この発明の最良の実施形態を、図に示す実施例1とともに説明する。
〔実施例1の構成〕
図1および図2は本発明の実施例1を示したもので、図1は燃料噴射ポンプの全体構成を示し、(a)は構成の部分断面図であり、(b)は要部の拡大断面図である。図2は本発明のプランジャの座屈強度アップの特性説明図である。
本実施例の燃料噴射ポンプ1は、内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)、例えば、多気筒ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射装置に適用される。燃料噴射ポンプ1は、図示しない燃料タンクから公知の低圧燃料供給ポンプを経て吸入された燃料を高圧に加圧し、コモンレール内に圧送供給してコモンレール内の燃料を高圧に制御維持するものである。このため、エンジンの負荷や回転数に応じて噴射圧力が最適値となるように図示しないECUからの制御信号を受けて制御される。
燃料噴射ポンプ1は、ポンプハウジング2にエンジンの気筒数(本実施例では6個)と後述するカム10の山数(本実施例では3個)に対応した個数(本実施例では2個)のシリンダ3が設けられ、このシリンダ3内に後述するプランジャ4が往復摺動自在に挿入されている。
プランジャ4は細長い円柱状であり(以下、長柱という)、上端は段差またはテーパ加工による径小の自由端を形成している。また、プランジャ4の下端は、径小の段差溝が形成され、圧縮コイルスプリング5によりロアシート6を介して下方に付勢されるタペットボディ7と回動自在に係合される。そして、プランジャ4の上下端間の中間部は、プランジャ摺動部40が形成され、シリンダ3内を往復自在に摺動する。
ここで、圧縮コイルスプリング5の一端はポンプハウジング2にアッパシート11を介して係止ピン12にて係止され、圧縮コイルスプリング5の他端はタペットボディ7にロアシート6を介して係止される。また、タペットボディ7はカムローラ8を介してカムシャフト9のカム10に摺接する。カム室13に設けられるカムシャフト9は、図示しないエンジンのクランクシャフトに連結されて回転駆動される。本実施例のカムシャフト9にはカム山が3個等ピッチ(120度ずつ)で配置されており、カムシャフトの1回転当たりプランジャ4は3回の上昇行程を生じるものである。
プランジャ4の上方はプランジャ端面14とシリンダ3のシリンダ内周壁面15により画定されるポンプ室16が形成される。ポンプ室16は、シリンダ3に形成される吐出ポート17に連通し、吐出ポート17にスプリング18によって吐出ポート17の閉方向に付勢される吐出弁19の弁体(バルブ)20が介装される。そして、吐出弁19は図示しないコモンレールと高圧側燃料通路により連結される。
ポンプ室16の上流側にはポンプ室16を同軸とするギャラリ21が形成され、このギャラリ21には可動子26と可動子ホルダ39、および噴射時期制御用の電磁弁23が設けられて開閉弁機構を構成する。この電磁弁23は、ソレノイド24と可動子26を下方に付勢する付勢手段(スプリング)27を備えたものである。可動子26は、ソレノイド24の磁力により軸方向に吸引される平板部と平板部と垂直に伸びるシャフト部からなり、シャフト部は可動子ホルダ39と摺動自在に係合され、シャフト部の先端に外開式の弁体25が設けられている。
そして、この外開式の弁体25は、電磁弁23の通電(ON)により弁座に着座して閉弁し、通電の遮断(OFF)によって弁座と離座して開弁するものである。なお、開弁はスプリング27の付勢力によってなされ、開弁は弁体25がストッパプレート22と所定の位置にて当接することで停止し、ストッパプレート22に形成された複数の連通孔によりポンプ室16とギャラリ21とが連通する。
従って、この電磁弁23の通電の遮断によって弁体25が開弁して、ポンプ室16の燃料をギャラリ21へ流出し、電磁弁23の通電によって、弁体25が閉弁してポンプ室16から燃料の流出が遮断され、ポンプ室16の燃料加圧が開始できる。そして、所定の通電タイミングに制御することにより、プランジャ4の加圧開始時期を制御してコモンレールへの吐出量を変化させることができる。
なお、運転時のポンプ室16への燃料の供給は、図示しない燃料タンクに接続する低圧側燃料通路を経て低圧燃料供給ポンプにて汲み上げられた低圧燃料が図示しない低圧燃料供給口より供給される。
また、ギャラリ21はフィードホール28によって環状の燃料溜り29と連通している。この燃料溜り29はオーバフローバルブ30に接続され、ギャラリ21内の燃料の圧力がオーバフローバルブ30の開弁圧を超えると、ギャラリ21内の燃料がオーバフローバルブ30を経由して低圧側燃料通路から燃料タンクに戻される。なお、オーバフローバルブ30は、その中心に設けられた図示しない弁座に圧縮コイルスプリングにより閉方向にボール弁が当接しており、燃料の圧力がスプリング設定圧(開弁圧)を超えると、圧縮コイルスプリングの付勢力に抗してボール弁が押されて開弁するバルブ構造である。
リーク燃料回収溝31は、リーク通路32を経て燃料溜り29に連通している。この環状の燃料溜り29の上下にOリング33が液密に介装されている。これにより、リーク通路32とギャラリ21間およびリーク通路32とカム室13間の液密が確保される。
また、このオーバフローバルブ30の開弁圧はエンジンの潤滑油の油圧に応じて決定される。これにより、リーク通路32およびリーク燃料回収溝31の圧力は、低圧燃料供給ポンプの吐出圧には影響されない。よって、オーバフローバルブ30の開弁圧に応じてリーク燃料回収溝31の圧力がカム室13の圧力と同等の圧力に保持可能であるため、燃料下がりや潤滑油上がりが防止され、潤滑油への燃料の混入が確実に防止される。従って、潤滑油の希釈が防止されるので潤滑不良を未然に防止でき、回転カム面のプランジャ荷重の摩擦横荷重を所定値以下に抑えることができる。
また、ポンプハウジング2のカム室13近傍には潤滑油導入管34および潤滑油排出管35が設けられている。図示しない潤滑ポンプより供給される潤滑油は、プランジャ4の下端を係止するタペットボディ7の摺動面を潤滑するとともにカム面をも潤滑し、さらにエンジン各部の摺動箇所を潤滑してのち潤滑油排出管35より排出される。
なお、本実施例ではカムシャフト9にはカム山が3個等ピッチ(120度ずつ)で配置されており、プランジャ4のカム面によるリフト勾配が大きくなり、よって、プランジャ4の駆動荷重に対する横荷重も発生し易い構成であるが、上記するような良好な潤滑特性を予め確保しておくことで横荷重の発生を抑制している。
しかるに、本発明は、燃料の噴射圧力の高圧化に向けてプランジャ4の軸荷重の増加に伴う座屈の発生を防止するため、長柱状のプランジャ4の長手方向を第1プランジャ41と第2プランジャ42とに2分割して組合せたことを特徴としている。図1(b)に示すように、プランジャ4の分割位置は、プランジャ摺動部40の領域内で、シリンダ3のシリンダ内周壁面15に設けられたリーク燃料回収溝31よりもカムシャフト側の所定の位置、好ましくはプランジャ4の長手方向の略中央位置に設けられている。
そして、分割面は、それぞれがプランジャ4の軸心と完全に直角であり、かつ、平坦な平面対平面で構成され、互いに隙間を形成することなく密着する構成となっている。これにより、カム駆動により生じるプランジャ荷重は常にプランジャ4の軸心方向に一致して作用し、横方向分力が発生することはなく、プランジャ4の摺動不良を誘発することは全くない。また、分割面が低圧燃料側に構成できるため、仮に、分割面が互いに当接するに際し隙間が生じても、この隙間からの燃料のリークを抑制して、リークの増加による吐出量の減少を抑制することができる。
そして、燃料圧力の高圧化に際してプランジャ荷重が一層増加しても、プランジャ4を構成するそれぞれの第1、第2プランジャ41、42の軸方向長さを短くしたので座屈強度は大幅に向上してプランジャ4の座屈が生じることはない。
ここで、座屈強度とは、本実施例で適用するような長柱状のプランジャの両端に圧縮荷重を加えたとき、このプランジャが座屈を始める限界の荷重を座屈強度と称する。そして、この座屈強度は、この長柱の両端荷重面の端面支持条件と長柱の細長比によって大きく影響を受けるものである。単軸圧縮による座屈理論から言えば、同じ端面支持条件下では細長比の2乗に反比例する関係にあり、上記するように長柱を約半分に2分割するのみで細長比が約2倍になり、結局、座屈強度は約4倍に増加することが推算される。
それで、実際にプランジャ4を2分割したときの各分割面の当接が、圧縮荷重を受ける端面支持条件を変えてしまうとの心配から、1組の試験試料を作製して試験するとともにFEM(有限要素法)による解析を試みた。その結果を図2に示す。図2において、従来品ではプランジャ4を分割せずに細長いままで圧縮荷重を増やしてゆき、丁度座屈が生じる圧縮荷重を計測して実験値としての座屈強度F1を求めたものである。
一方、分割品ではプランジャ4を2分割して、互いに軸直角な平面同士で当接して圧縮荷重を加えたものである。しかし、実際に座屈を起こすまで荷重を増やして座屈強度を計測したものでなく、従来品での端面支持条件での座屈強度F1を基に、FEMにより分割品の座屈強度を解析して計算により求めたものである。これによると、分割品の座屈強度はF2であり、F2はF1の約3.4倍であることを示している。
このことは座屈理論から推算したとおり、単にプランジャ4を2分割することで座屈強度が大幅(3倍以上)にアップすることを示している。つまり、同等座屈強度下では3倍以上の高圧化にも耐えられることが可能になるものと推察される。
〔実施例1の作用〕
次に、本実施例の作動について説明する。
低圧燃料供給ポンプによって汲み上げられた燃料が、低圧燃料供給口を経由してポンプ室16に供給される。そして、噴射時期制御用の電磁弁23の通電遮断時は、開閉弁機構の弁体25は開弁しているので、カムシャフト9の回転に伴い、カム10に応動してプランジャ4が上昇すると、ポンプ室16内を充満した燃料は、ストッパプレート22を経由してギャラリ21に流出し、フィードホール28を経由して燃料溜り29に戻される。
次いで、電磁弁23に通電され、開閉弁機構の弁体25が閉弁すると、ポンプ室16内の燃料の流出が停止され、ポンプ室16内の燃料は、プランジャ4の上昇とともに加圧されて高圧となる。そして、この高圧燃料の圧力が吐出弁19の開弁圧を超えると燃料が弁体20を押し開いてコモンレール側へ吐出する。
このとき、プランジャ4は2分割されて細長比の小さい第1プランジャ41と第2プランジャ42との組合せとなっているので、プランジャ4は高圧燃料の圧力がより高圧化しても座屈を生じることなく、また、摺動不良を生じることなく正常に作動する。
ポンプ室16で加圧された燃料の一部は、シリンダ3とプランジャ4との間の隙間よりリークするが、このリークした燃料は、リーク燃料回収溝31からリーク通路32を経由して燃料溜り29に回収される。そして、燃料溜り29に溜まった燃料は所定の開弁圧となるとオーバフローバルブ30より低圧側燃料通路を経由して燃料タンクへ戻される。
このとき、オーバフローバルブ30は低圧燃料供給ポンプの上流側の低圧側燃料通路に連通されているため、リーク燃料回収溝31の圧力は常にオーバフローバルブ30の開弁圧以下に設定される。このため、低圧燃料供給ポンプの吐出圧およびその脈動に影響されることなく、十分に低い圧力に保持される。よって、カム室13の圧力とリーク燃料回収溝31の圧力との圧力差は殆どないので、燃料下がりが防止される。
また、十分に低い圧力に保持される低圧側に、プランジャ4の分割面は配置されるので、仮に、互いの当接面に隙間が生じてもこの隙間からリークする燃料量を抑えることができる。従って、リーク燃料がカム室13の潤滑油に混入することが防止される。
〔実施例1の効果〕
本実施例では、エンジンの駆動力によって回転されるカムシャフト9と、カムシャフト9の回転に応動してシリンダ内周壁面15を往復摺動するプランジャ4と、プランジャ端面14とシリンダ内周壁面15とにより形成されるポンプ室16と、ポンプ室16と低圧側燃料通路とを連通する燃料通路を開閉する噴射時期制御用の電磁弁23とを備え、プランジャ4は長柱状であって、その外周にプランジャ摺動部40を備え、プランジャ4の往復動によってポンプ室16の燃料を所定値以上の高圧に加圧して高圧側燃料通路に吐出するとともに、シリンダ3には、シリンダ内周壁面15に形成される環状のリーク燃料回収溝31と、リーク燃料回収溝31と低圧側燃料通路とを連通するリーク通路32とが備えられ、リーク燃料回収溝31にリークしたリーク燃料を回収する構成の燃料噴射ポンプ1において、プランジャ4は、プランジャ摺動部40の領域内で、シリンダ3のリーク燃料回収溝31よりもカムシャフト側の位置にて2分割され、2分割される分割面のそれぞれがプランジャ軸直角の平面対平面で構成されるようにした。
これにより、一層の燃料圧力の高圧化に対しても座屈の発生を防止でき、座屈による摺動不良に伴う焼付きを防ぐことが可能となる。また、分割プランジャ同士の当接面が低圧燃料側に位置することで、当接する分割面の隙間から燃料がリークするのを抑制し、リークの増加による吐出量の減少を抑制することができる。また、平面対平面で当接することで当接面の荷重面圧を下げることができ、当接面での塑性変形によるヘタリや摩耗の発生を防止できる。
〔実施例2の構成〕
本発明の実施例2を図3に示す。図3は燃料噴射ポンプの要部の拡大断面図である。実施例1と実質的に同一構成部分に同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
実施例1では、長柱状のプランジャ4の長手方向を第1プランジャ41と第2プランジャ42とに2分割して組合せ、プランジャ4の分割位置は、プランジャ摺動部40の領域内で、シリンダ3のシリンダ内周壁面15に設けられたリーク燃料回収溝31よりもカムシャフト側の所定の位置であり、それぞれの分割面は、プランジャ4の軸心と完全に直角であり、かつ、平面対平面で構成され、互いに隙間を形成することなく密着する構成となっている。
本実施例では、これとは異なり、それぞれの分割面は、プランジャ4の軸心と完全に直角であり、かつ、凹面対凸面で構成されることを特徴としている。図3に示すように、本実施例では、対をなす凹面対凸面は半球凹面と半球凸面との組合せを採用している。例えば、2分割されたプランジャ4の下端側を第2プランジャ42としたとき、この第2プランジャ42の分割面が半球凸面であり、上端側の第1プランジャ41の分割面が半球凹面とする。半球凸面は第2プランジャ42の摺動部40の外径値の略半分の曲率半径を有し、その曲率中心が第2プランジャ42の軸心と一致した外側に突出した球面形状を形成している。従って、球面形状の頂点は軸心上に存在して、最も高い位置(点)を形成する。
一方、第1プランジャ41の半球凹面は、同等の曲率半径を有し、その曲率中心が第1プランジャ41の軸心に一致し内側に凹んだ球面形状を形成しており、球面形状の底点は軸心上に存在して最も低い位置(点)を形成する。従って、この半球凸面と半球凹面とが組合うとき、互いに半球面同士が案内して最も高い点と最も低い点が一致するまで互いに摺動して当接する。よって、第1プランジャ41と第2プランジャ42とのそれぞれの軸心が一致する。これにより、第1、第2プランジャ41、42それぞれに軸荷重が作用しても軸心がずれることなく単軸の圧縮荷重として受荷することができる。また、単軸圧縮による横荷重が生じることは全くない。
本実施例では、第2プランジャ42の下端は実施例1と同様に、圧縮コイルスプリング5によりロアシート6を介して下方に付勢されるタペットボディ7と回動自在に係合されている(図1参照)。このため、第2プランジャ42の下端部は球面状に当接面が形成され、端面支持条件として座屈現象の起こりにくい構成となっている。さらに、タペットボディ7はカム駆動による駆動横荷重を極力抑えるため、適度な摺動隙間と潤滑油の介在により横荷重を吸収する構成を採用し、その上で、タペットボディ7の平坦部と第2プランジャ42の下端の球面部が当接するようになっている。
これにより、第2プランジャ42にはカム駆動による駆動横荷重が伝達されることはなく、横荷重の発生によるシリンダ3との摺動不良を生じることもない。そして、燃料圧力の高圧化に伴い、プランジャ荷重が著しく増加して、これにより横荷重も比例して大きくなって、仮に、第2プランジャ42の下端面に横荷重が作用しても、この下端面は球面上を回動するように移動(変位)するのみである。従って、プランジャ荷重を支持する作用点は第2プランジャ42の上下端面ともに回動して変位した分ずれるだけで、上下端面の作用点を結ぶ荷重作用線はそのままプランジャ4の軸心方向と一致する。つまり、分割面の半球状当接面は自動調芯機能を備えて、プランジャ4に作用する横荷重を吸収するとともに、軸荷重は軸心で負荷して座屈に耐えるように挙動する。従って、プランジャ4は2分割されてそれぞれ細長比が小さくなったので、プランジャ荷重が著しく増加しても座屈を起こすことは全くない。
〔実施例2の効果〕
本実施例では、プランジャ4を2分割し、分割される分割面のそれぞれがプランジャ軸直角の半球凸面と半球凹面とにより当接するように組合わせた。これにより、燃料圧力の高圧化に伴い、プランジャ荷重が著しく増加しても座屈を起こすことは全くない。また、プランジャ荷重の増加に比例する横荷重の増加があったとしても、半球凹凸面による自動調芯機能によって横荷重を吸収するとともに、プランジャ4の荷重作用線はそのままプランジャ4の軸心方向と一致して、大きな座屈強度の確保が可能となる。
〔他の実施例〕
実施例1および実施例2の燃料噴射ポンプ1は、多気筒ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射装置に適用されるリード類を有しない長柱状のプランジャ4に適用したが、これに限らず、リード類を具備する長柱状のプランジャ、または列型燃料噴射ポンプに適用してもよく、同様な作用効果を奏することができる。また、実施例1、2ではプランジャ4の分割は2分割の場合を説明したが、これに限ることなく、必要に応じて3分割以上であってもよく、同様な作用効果を奏することができる。
燃料噴射ポンプの全体構成を示し、(a)は構成の部分断面図であり、(b)は要部の拡大断面図である(実施例1)。 プランジャの座屈強度アップの特性説明図である(実施例1)。 燃料噴射ポンプの要部の拡大断面図である(実施例2)。
符号の説明
1 燃料噴射ポンプ
3 シリンダ
4 プランジャ
9 カムシャフト
16 ポンプ室
23 電磁弁(噴射時期制御手段)
31 リーク燃料回収溝
32 リーク通路
40 プランジャ摺動部(摺動部)

Claims (3)

  1. 内燃機関の駆動力によって回転されるカムシャフトと、
    該カムシャフトの回転に応動してシリンダ内周壁面を往復摺動するプランジャと、
    該プランジャ端面と前記シリンダ内周壁面とにより形成されるポンプ室と、
    該ポンプ室と低圧側燃料通路とを連通する燃料通路を開閉する噴射時期制御手段とを備え、
    前記プランジャは長柱状であって、その外周に摺動部を備え、前記プランジャの往復動によって前記ポンプ室の燃料を所定値以上の高圧に加圧して高圧側燃料通路に吐出するとともに、
    前記シリンダには、前記シリンダ内周壁面に形成される環状のリーク燃料回収溝と、該リーク燃料回収溝と前記低圧側燃料通路とを連通するリーク通路とが備えられ、前記リーク燃料回収溝にリークしたリーク燃料を回収する構成の燃料噴射ポンプにおいて、
    前記プランジャは、前記プランジャの前記摺動部の領域内で、前記シリンダの前記リーク燃料回収溝よりもカムシャフト側の位置にて2分割されることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射ポンプにおいて、
    前記プランジャは、前記2分割される分割面のそれぞれが前記プランジャ軸直角の平面対平面で構成されることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  3. 請求項1に記載の燃料噴射ポンプにおいて、
    前記プランジャは、前記2分割される分割面のそれぞれが前記プランジャ軸直角の凹面対凸面で構成されることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
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