JP2010143409A - 回転体付き車輪及びそれを備えた全方向移動車輌 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】仮想の第1垂直面内の仮想の第1の円C1と外形が同形のホイールと、第1の円C1に沿って複数の回転体62を車軸21,31と直交する第1回転軸63まわりに回転可能にホイールの外周縁部に配設した回転体付き車輪60であって、第1垂直面から距離を置いて第1垂直面と対向する仮想の第2垂直面内で第1の円C1よりも半径の小さい仮想の第2の円C2に沿って配設した複数の段差用補助輪65を備え、第2の円C2の中心は第1の円C1の中心を通る仮想の水平線上に設定されていて、複数の段差用補助輪65は車軸21,31と直交する第2回転軸まわりに配設されている。
【選択図】図3
Description
この全方向移動車輌300は、図9に示すように、モータードライバー310と、モータードライバー310を制御する制御コンピューター320と、この制御コンピューター320へ指示信号を送信するジョイスティック又はロボットコントローラ330と、を備えている。ジョイスティック330には、レバーやつまみが設けられており、操作者がレバーやつまみを回すと、その指示値が制御コンピューター320で読み取られ、さらに制御コンピューター320によって各モーター250の回転数をマトリックス演算で計算して、制御コンピューター320からモータードライバー310へ速度情報が送られる。そして、モータードライバー310は速度情報に基づいて各モーター250を駆動する。これにより、全方向移動車輌300は下記のように走行する。
図10(B)に示すように、右側の前輪200と左側の後輪200を正転させ、その他の車輪200、即ち左側の前輪と右側の後輪を回転させない場合には、全方向移動車輌300は左前方に進む。右側の前輪200と左側の後輪200を反転させると、全方向移動車輌300は右後方へ斜めに移動する。この場合、左側の前輪200と右側の後輪200では車輪自体は回転しないが、走行面と接触している回転体210が車軸と直交する回転軸周りに、図示例では、右側の前輪200と左側の後輪200における車輪回転方向と同じ方向に回転する。このように、全方向移動車輌300では、右側の前輪200と左側の後輪200の回転による走行を妨げないように、左側の前輪200と右側の後輪200の回転体210が回転する。
図10(B)とは逆に、右側の前輪200と左側の後輪200の回転を停止し、その他の車輪200、即ち左側の前輪200と右側の後輪200を正転又は反転させると、全方向移動車輌300は右前方又は左後方へ向けて斜めに移動する。
この種の全方向移動車輌が特許文献6に開示されている。
図1は本発明の実施形態に係る全方向移動車輌10の概略平面図である。
この全方向移動車輌10は、左右一対の前輪(以下、単に車輪と言う場合がある)20L,20Rと、左右一対の後輪(以下、単に車輪と言う場合がある)30L,30Rと、前輪20L,20R及び後輪30L,30Rを支持するボディ40と、を備えている。
一対の前輪20L,20Rは、その間隔が車輌前方にいくにつれて狭くなるように平面視でハの字状に配置されている。即ち各前輪20L,20Rの車軸21,21はボディ中心Z側を向くように、車幅方向の仮想第1水平線L1から車輌後方へ傾けて配設されている。
一対の後輪30L,30Rは、その間隔が車輌前方にいくにつれて広くなるように平面視で逆ハの字状に配置されている。即ち、各後輪30L,30Rの車軸31,31は、ボディ中心Z側を向くように、車幅方向の仮想第2水平線L2から車輌前方へ傾けて配設されている。
特に、本実施形態では、これらの各車輪20L,20R,30L,30Rがボディ40に対して非旋回式、即ち各車軸21,31がその軸芯の向きを変えないように配設されている。
一対の前輪20L,20R及び一対の後輪30L,30Rのそれぞれは、仮想の第1垂直面S1(図4)内の仮想の第1の円C1(図3参照)と外形が同形のホイール61と、上記第1の円C1に沿って複数の回転体62を車軸21,31と直交する第1回転軸63(図3参照)まわりに回転可能にホイール61の外周縁部に配設している。図3では一部の第1回転軸63を表している。ホイール61の外周に装着される回転体62は、例えば図8(B)に示すように、円盤状の底部211から開口部212に向けて次第に拡開するようにカップ状に形成されている。
即ち各車輪は、図4に示すように第1垂直面S1から距離を置いて第1垂直面S1と対向する仮想の第2垂直面S2内で仮想の第1の円C1よりも半径の小さい仮想の第2の円C2(図3参照)に沿って配設した複数の段差用補助輪65を備えている。この第2の円C2の中心は、第1の円C1の中心を通る仮想の水平線L3(図4参照:仮想第3水平線)上に設定されている。さらに段差用補助輪65は、例えばホイール61の外周縁部61Bに取り付けられる回転体62の寸法と同等或いは小さく設定されており、第2ブラケット66を介してホイール61の垂直壁部61Aに取り付けられることで、車輪が平坦な走行面に立っている状態では段差用補助輪65はホイール61によって走行面から浮き上がった位置に保持される。図5に示すように、車輪が平坦な走行面Fに立った状態で、段差用補助輪65は、好ましくは、回転体62の直径Dの3分の1の距離、走行面Fから浮き上がった位置に保持される。
これらの複数の段差用補助輪65は、車輪の車軸21,31と直交する第2回転軸67まわりに配設されている。具体的には、第2ブラケット66の先端に第2回転軸67が回転可能に支えられており、この第2回転軸67に段差用補助輪65が取り付けられている。この第2回転軸67は、図3に示すように、仮想の第2の円C2の接線方向と平行になるように、或いはその接線と接するように配設されている。図3では一部の第2回転軸67を表している。
よって、本実施形態の全方向移動車輌10は、段差70を有する不安定な走行面Fでも高い走破性を発揮できる。
図7は、第2実施形態の全方向移動車輌の車輪60Aを示す斜視図である。この実施形態の全方向移動車輌では、第1実施形態の車輪60に代えて、車輪60Aを備えたことを特徴としている。この車輪60Aは、上記の第1実施形態の段差用補助輪(第1段差用補助輪)65では乗り上げることができない段差も乗り上げることができるように、さらに段差用補助輪65から車軸の延長方向外側に別の段差用補助輪(第2段差用補助輪)65Aを複数備えている。即ち、前述の第1実施形態の車輪60の構成に加えて、第1垂直面S1から第2垂直面S2を経てさらに距離を置いた位置で当該第1垂直面と対向する仮想の第3垂直面(図示省略)内で仮想の第2の円C2よりも半径の小さい仮想の第3の円(図示省略)に沿って配設した複数の別の段差用補助輪(第2段差用補助輪)65Aを備えている。
この場合、第3の円の中心も、第2の円C2の中心と同様に、第1の円C1の中心を通る仮想の水平線L3上に設定されている。また、第2段差用補助輪65Aも、第1段差用補助輪65と同様に、車軸と直交する第3回転軸(図示省略)まわりに配設されている。この第3の回転軸は、図示省略するが、仮想の第3の円に接するように、或いはその接線方向と平行になるように配設されている。
上記説明では、左右の一対の前輪が平面視でハの字型、左右一対の後輪が平面視で逆ハの字型に配設されている場合を例示したが、本発明は各車輪の車軸方向が車幅方向と平行な位置に設定された全方向移動車輌に適用され得る。また、各車輪は、非旋回式に限らず、旋回式にボディに配設されてもよいことは勿論である。
上記第1実施形態の車輪では段差用補助輪を1段、上記第2実施形態に車輪では段差用補助輪を2段設けた場合を例示したが、一つの車輪に設ける段差用補助輪の数は上記の段数に限定されるものではなく3段以上の複数であっても良い。
20L,20R 前輪
21 車軸
24 回転体
30L,30R 後輪
40 ボディ
50 モーター
51 モータードライバー
52 コントローラー
53 制御コンピューター
60,60A 回転体付き車輪
61 ホイール
61A 垂直壁部
61B 外周縁部
62 回転体
63 第1回転軸
64 第1ブラケット
65 第1段差用補助輪
65 段差用補助輪
65A 第2段差用補助輪
65A 段差用補助輪
66 第2ブラケット
67 第2回転軸
70 回転手段
C1 第1の円
C2 第2の円
D 直径
F 走行面
L1 仮想第1水平線
L2 仮想第2水平線
L3 仮想第3水平線
S1 第1垂直面
S2 第2垂直面
X 矢印
Z 中心(ボディ中心)
Claims (5)
- 仮想の第1垂直面内の仮想の第1の円と外形が同形のホイールと、上記第1の円に沿って複数の回転体を車軸と直交する第1回転軸まわりに回転可能に上記ホイールの外周縁部に配設した回転体付き車輪であって、
上記第1垂直面から距離を置いて当該第1垂直面と対向する仮想の第2垂直面内で上記第1の円よりも半径の小さい仮想の第2の円に沿って配設した複数の段差用補助輪を備え、
上記第2の円の中心は、上記第1の円の中心を通る仮想の水平線上に設定されており、
上記複数の段差用補助輪は上記車軸と直交する第2回転軸まわりに配設されている、回転体付き車輪。 - 前記ホイールは、円形の垂直壁部と、この垂直壁部の外周縁から前記車軸と平行に車輪裏側方向へ延出した前記外周縁部と、を備え、
前記複数の回転体は、第1のブラケットを介して前記外周縁部に取り付けられており、
前記複数の段差用補助輪は、第2のブラケットを介して上記垂直壁部に取り付けられている、請求項1に記載の回転体付き車輪。 - 仮想の第1垂直面内の仮想の第1の円と外形が同形のホイールと、上記第1の円に沿って複数の回転体を車軸と直交する第1回転軸まわりに回転可能に上記ホイールの外周縁部に配設した回転体付き車輪であって、
上記第1垂直面から距離を置いて当該第1垂直面と対向する仮想の第2垂直面内で上記第1の円よりも半径の小さい仮想の第2の円に沿って配設した複数の第1段差用補助輪と、上記第1垂直面から上記第2垂直面を経てさらに距離を置いた位置で当該第1垂直面と対向する仮想の第3垂直面内で上記第2の円よりも半径の小さい仮想の第3の円に沿って配設した複数の第2段差用補助輪と、を備え、
上記第2の円の中心及び上記第3の円の中心は、上記第1の円の中心を通る仮想の水平線上に設定されていて、
上記複数の第1段差用補助輪及び上記第2段差用補助輪は上記車軸と直交する第2回転軸及び第3回転軸まわりに配設されている、回転体付き車輪。 - 仮想の第1垂直面内の仮想の第1の円と外形が同形のホイールと、上記第1の円に沿って複数の回転体を車軸と直交する第1回転軸まわりに回転可能に上記ホイールの外周縁部に配設した回転体付き車輪であって、
上記第1垂直面から互いに距離を置いて車軸の延長方向側に想定される複数の仮想の第2垂直面内で上記第1の円よりも半径の小さい仮想の第2の円に沿って配設した複数の段差用補助輪を備え、
各第2垂直面内の第2の円は、上記第1垂直面から離れるに従って半径が小さくなるように設定されており、
上記第2の円の中心は、上記第1の円の中心を通る仮想の水平線上に設定されており、
上記複数の段差用補助輪は上記車軸と直交する第2回転軸まわりに配設されている、回転体付き車輪。 - ボディと、上記ボディに支持された一対の前輪と、上記ボディに支持された一対の後輪と、車輪毎に設けられた駆動手段と、各駆動手段を制御する制御手段と、を備えた全方向移動車輌であって、
上記車輪が、請求項1〜4の何れかの回転体付き車輪で構成されていることを特徴とする、全方向移動車輌。
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