JP2010142095A - 電動モータ - Google Patents

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JP2010142095A JP2008318928A JP2008318928A JP2010142095A JP 2010142095 A JP2010142095 A JP 2010142095A JP 2008318928 A JP2008318928 A JP 2008318928A JP 2008318928 A JP2008318928 A JP 2008318928A JP 2010142095 A JP2010142095 A JP 2010142095A
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Abstract

【課題】生産性の向上及び製造コストの低下を図った上で、圧入代のバラツキを抑えることができ、圧入荷重のバランスが良好な電動モータを提供する。
【解決手段】シャフトの半径Rより小さい半径R1の円弧部31と、圧入孔30の中心Oからそれぞれ等しい距離Qだけ偏心させた位置を偏心中心O1〜O4に設定し、その半径R2は、R<R2≦R1+Qに設定され、圧入孔30は、円弧部31から最も離れた位置を偏心中心とした偏心円弧部が、円弧部31の両側にそれぞれ連続的に連結されてなることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、電動モータに関するものである。
従来から、車両等に搭載されるブラシ付きの電動モータが知られている。この電動モータは、内周面に偶数個の磁石を取り付けた円筒状のヨークの内側にアーマチュアコイルが巻装されたアーマチュアが回転自在に配置された構成となっている。アーマチュアはシャフトに外嵌固定されたアーマチュアコアを有している。アーマチュアコアには、コイルを巻装するためのティースが周方向に沿って放射状に形成されている。各コイルは、シャフトに取り付けられた各セグメント(コンミテータ片)に導通している。各セグメントはブラシと摺接可能になっており、このブラシからセグメント端子に電圧を印加することによって各コイルに電流が給電されるようになっている。このとき、各コイルに流れる電流の位相がずれることにより、各コイルに異なる磁界が形成され、ヨークの磁石との間に生じる磁気的な吸引力や反発力によってシャフトが駆動するようになっている。
ところで、上述したアーマチュアコアは、磁性材料からなる複数の板材が軸方向(厚さ方向)に積層されて構成され、これら板材に形成された円形または多角形状の圧入孔にシャフトが圧入される。この場合に、シャフトは、アーマチュアコアに対して軸方向、及び周方向における相対移動が規制された状態で締結される必要がある。
しかしながら、各板材毎の圧入孔の寸法公差のバラツキ等によって、板材毎に圧入孔のサイズにズレが生じる結果、板材を積層した時点で径方向において積層ズレが生じるという問題がある。積層ズレが生じると、圧入孔の周方向において圧入代のバラツキが生じるため、周方向において圧入荷重がバラツキ、アーマチュアコアとシャフトとの締結力が不十分になるという問題がある。
具体的に、圧入孔が円形の場合には、圧入孔の半径を周方向全周に亘ってシャフトの半径よりも小さく設定する必要があるため、圧入孔の周方向において圧入代のバラツキが比較的大きくなる。
一方、圧入孔が多角形状の場合には、圧入代のバラツキが生じると、圧入孔とシャフトとの接点となる接触縁の周辺において、圧入荷重が集中する。この場合、圧入孔の内周縁が塑性変形してめくれてしまう虞があり、上述したようにアーマチュアコアとシャフトとの締結力が不十分になるとともに、アーマチュアコアの外形が変形する可能性がある。
このように、アーマチュアコアとシャフトとの締結力が不十分になる結果、シャフトの軸心精度が低下し、回転バランスが低下したり、面ブレが生じたりするという問題がある。
そこで、圧入孔の圧入代のバラツキを低減するために、板材の積層工程とシャフトの圧入工程との間に、予めしごき工程を施すことで積層ズレ(圧入代のバラツキ)を解消した上で、シャフトを圧入するような技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第06/132171号パンフレット
しかしながら、上述した特許文献1の構成にあっては、板材の積層工程の後に圧入孔のしごき工程を行うことで、金型のメンテナンスや製造工程が増加するため、生産性が低下するとともに、製造コストが増加するという問題がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、生産性の向上及び製造コストの低下を図った上で、圧入代のバラツキを抑えることができ、圧入荷重のバランスが良好な電動モータを提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、回転可能に支持されたシャフトと、前記シャフトに圧入固定されたアーマチュアコアとを備えた電動モータにおいて、前記アーマチュアコアは、前記シャフトを圧入するための圧入孔を有する磁性材料の板材が複数積層されてなり、前記圧入孔は、前記圧入孔の周方向に沿って等間隔に配置され、前記シャフトを圧入する時に前記シャフトの外周面に接する基準となる複数の圧入部と、各圧入部の両側から所定角度範囲毎に形成された複数の偏心円弧部とを有し、各偏心円弧部は、前記圧入孔の中心からそれぞれ等しい距離Qだけ偏心させた位置を偏心中心に設定し、その半径R2は、前記シャフトの半径をR、前記中心から前記圧入部までの距離をR1とした場合に、R<R2≦R1+Qに設定され、前記圧入孔は、前記圧入部から最も離れた位置を前記偏心中心とした前記偏心円弧部が、前記圧入部の両側にそれぞれ連続的に連結されてなることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記圧入部は、前記圧入孔の中心から前記シャフトの半径Rよりも小さい半径で形成された円弧部であることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記圧入孔には、その内周縁が径方向外側に向けて切り欠かれた切欠き部が形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記切欠き部は、隣接する前記圧入部のうち、一方の前記圧入部の一側に形成された前記偏心円弧部と、他方の前記圧入部の他側に形成された前記偏心円弧部との交点を含むように配置されていることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、従来の円形や多角形状の圧入孔に比べて径方向における積層ズレを抑えることができる。具体的には、偏心円弧部の半径R2はR<R2≦R1+Qに形成されているので、圧入孔における偏心円弧部の領域では、径方向における積層ズレが生じた場合であっても、偏心円弧部の内周縁がシャフトと圧入孔との接点よりも径方向内側に突出することを抑えることができる。すなわち、シャフトの半径よりも径方向内側への突出量(圧入代)が少なくなる。これにより、圧入孔の周方向における圧入代のバラツキを抑えることができる。しかも、圧入部及び偏心円弧部が圧入孔の周方向に沿って等間隔に形成されているため、圧入代のバラツキが圧入孔の周方向においてほぼ均等になる。これにより、シャフトの周方向の全周に亘ってほぼ均一に圧入荷重を作用させた状態でシャフトをアーマチュアコアに締結することができるので、圧入荷重のバランスを良好な状態に維持することができる。
この場合、従来のように圧入孔のしごき工程を行う必要がないので、金型のメンテナンスや製造工程の増加することもない。
したがって、生産性の向上及び製造コストの低下を図った上で、圧入代のバラツキを低減し、シャフトの軸心精度を向上させることができる。その結果、回転バランスの低下や、面ブレの発生を防止してモータ特性を向上させることができる。
請求項2に記載した発明によれば、圧入部を円弧状に形成することで、圧入部を多角形状に形成する場合に比べて圧入荷重の集中を抑え、シャフトの周方向の全周に亘ってほぼ均一に圧入荷重を作用させることができる。そのため、圧入荷重のバランスを良好な状態に維持することができる。
ところで、万が一圧入孔の周方向において圧入代が過剰に大きい箇所が存在した場合には、シャフトの圧入時に圧入荷重が集中して、上述したように圧入孔の内周縁が塑性変形してめくれるとともに、アーマチュアコアが変形してしまう虞がある。
これに対して、請求項3に記載した発明によれば、シャフトの圧入時の応力ベクトルを切欠き部に向けて逃がすことができる。すなわち、圧入代の大きい箇所に応力ベクトルが集中した場合には、切欠き部の形成領域のみが積極的に圧入方向に屈曲して塑性変形する。これにより、切欠き部が変形して圧入孔が若干拡径することで、応力を吸収する緩衝体として機能するため、過剰な圧入荷重を拡散させた上でシャフトを圧入することができる。その結果、アーマチュアコアの変形を防ぐことができる。
請求項4に記載した発明によれば、圧入部においてシャフトとの締結力を確保した上で、圧入荷重を効率的に切欠き部に向けて拡散させることができる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1,2に示すように、電動モータ1は、車両に搭載する電装品(例えば、ラジエータファン)等の駆動源となるものであって、有底円筒形状のモータハウジング2内にアーマチュア3を回転自在に配置した構成となっている。モータハウジング2の内周面には周方向に永久磁石4が複数個固定されている。具体的には8個の永久磁石4、すなわち磁極を8個有している。
アーマチュア3は、シャフト5に固定されたアーマチュアコア6と、アーマチュアコア6に巻装されたアーマチュアコイル7と、アーマチュアコア6の一端側に配置されたコンミテータ13とから構成されている。
図1〜3に示すように、アーマチュアコア6は、プレス加工により打ち抜かれた磁性材料からなる板材10を、軸方向に積層して形成されたものであって、リング状の継鉄部8を備えている。継鉄部8の外周面には径方向外側に向けて延出するT字型のティース9が、周方向に沿って等間隔に複数個(本実施形態では10個)形成されている。そして、複数枚の板材10をシャフト5に外嵌することにより、アーマチュアコア6の外周には隣接するティース9間に蟻溝状のスロット11が形成されている。スロット11は軸方向に沿って延び、周方向に沿って等間隔に複数個(本実施形態では10個)形成されている。そして、ティース9には、インシュレータ20(図1参照)を介してエナメル被覆の巻線12が巻装され、これによりアーマチュアコア6の外周に複数のアーマチュアコイル7が形成される。
図1,2に示すように、コンミテータ13はシャフト5の一端に外嵌固定されている。コンミテータ13の外周面には、導電材で形成されたセグメント14が複数個(本実施形態では20個)取り付けられている。すなわち、本実施形態の電動モータ1は、8極10スロット20セグメントのアーマチュア3を備えている。
セグメント14は軸方向に長い板状の金属片からなり、互いに絶縁された状態で周方向に沿って等間隔に並列に固定されている。各セグメント14のアーマチュアコア6側の端部には、外径側に折り返す形で折り曲げられたライザ15が一体形成されている。ライザ15には、アーマチュアコイル7の巻き始め端部と巻き終わり端部となる巻線12が掛け回わされ、巻線12はヒュージングによりライザ15に固定されている。これにより、セグメント14とこれに対応するアーマチュアコイル7とが電気的に接続される。
また、図2に示すように、同電位となるセグメント14(本実施形態では4つ置きのセグメント14)に対応するライザ15には、それぞれ接続線25が掛け回され、接続線25はヒュージングによりライザ15に固定されている。接続線25は、同電位となるセグメント14同士を短絡するためのものであって、コンミテータ13とアーマチュアコア6との間に配線されている。
図1に示すように、シャフト5の他端側は、モータハウジング2に突出形成されたボス内の軸受16によって回転自在に支持されている。モータハウジング2の開口端にはカバー17が設けられ、このカバー17の内側にはホルダーステー18が取り付けられている。ホルダーステー18には、周回り方向に90°の間隔を開けてブラシホルダ19が2箇所形成されている。ブラシホルダ19にはそれぞれブラシ21が各々スプリング29を介して付勢された状態で出没自在に内装されている。これらブラシ21の先端部は、スプリング29によって付勢されているためコンミテータ13に摺接し、外部からの電源がブラシ21を介してコンミテータ13に供給されるようになっている。
ところで、図1に示すように、アーマチュアコア6を構成する上述した板材10の継鉄部8の径方向中央部には、軸方向に貫通する圧入孔30が形成され、この圧入孔30の中心を一致させた状態で複数枚の板材10が積層されている。そして、圧入孔30にシャフト5を圧入することで、アーマチュアコア6がシャフト5に外嵌される。なお、以下の説明の上下及び左右方向は、図4の平面視における上下及び左右方向とする。
ここで、図4に示すように、圧入孔30は、板材10の継鉄部8の径方向における中心Oからシャフト5の半径Rよりも小さい半径R1で形成された円弧部(圧入部)31と、中心Oから上下及び左右方向にそれぞれ所定距離Qだけ偏心させた位置を偏心中心O1〜O4に設定し、各円弧部31の両側に各偏心中心O1〜O4からそれぞれ所定角度範囲毎に形成された複数の偏心円弧部32〜35と、が連続的に連結されて構成されている。
まず、円弧部31は、周方向に沿って等間隔(例えば、90度毎)に4箇所、所定の角度範囲(例えば、30度程度)で形成されている。例えば、円弧部31は、圧入孔30の周方向におけるA〜B区間、D〜E区間、G〜H区間及びJ〜K区間に亘って形成されている。この場合、円弧部31の内周縁は、シャフト5を圧入する時にシャフト5の外周面に接する基準となる部位となり、シャフト5の圧入孔30との接点よりも径方向内側に配置される。
偏心円弧部32〜35は、その半径R2がシャフト5の半径Rよりも大きく、円弧部31の半径R1と偏心した距離Qとの和以下の範囲で形成されている(すなわち、R<R2≦R1+Q)。より詳述すると、本実施形態において、偏心円弧部32〜35の半径R2は、R2=R1+Qに設定されている。
第1偏心円弧部32は、中心Oから下方に所定距離Q偏心させた偏心中心O1から半径R2で形成されたものであり、A〜B区間における円弧部31の両端から、それぞれ所定の角度範囲(例えば、30度程度)で形成されている。具体的には、第1偏心円弧部32は、A〜B区間の円弧部31を挟むように形成され、圧入孔30の周方向におけるB〜C区間及びL〜A区間に亘って形成されている。
第2偏心円弧部33は、中心Oから右方に所定距離Q偏心させた偏心中心O2から、第1偏心円弧部32と同様に半径R2で形成されたものであり、J〜K区間における円弧部31の両端から、それぞれ所定の角度範囲(例えば、30度程度)で形成されている。具体的には、第2偏心円弧部33は、圧入孔30の周方向におけるI〜J区間及びK〜L区間に亘って形成され、点Lで第1偏心円弧部32と交差している。
第3偏心円弧部34は、中心Oから上方に所定距離Q偏心させた偏心中心O3から、第1偏心円弧部32と同様に半径R2で形成されたものであり、G〜H区間における円弧部31の両端から、それぞれ所定の角度範囲(例えば、30度程度)で形成されている。具体的には、第3偏心円弧部34は、圧入孔30のH〜I区間及びE〜G区間に亘って形成され、点Iで第2偏心円弧部33と交差している。
第4偏心円弧部35は、中心Oから左方に所定距離Q偏心させた偏心中心O4から、第1偏心円弧部32と同様に半径R2で形成されたものであり、D〜E区間における円弧部31の両端から、それぞれ所定の角度範囲(例えば、30度程度)で形成されている。具体的には、第4偏心円弧部35は、圧入孔30のC〜D区間及びE〜F区間に亘って形成され、C〜D区間の第4偏心円弧部35が点Cで交差する一方、E〜F区間の第4偏心円弧部35が点Fで第3偏心円弧部と交差している。
このように、本実施形態の圧入孔30は、シャフト5の半径Rより小さい半径R1の円弧部31と、シャフト5の半径Rよりも大きい半径R2(R2=R1+Q)の各偏心円弧部32〜35とがそれぞれ連続的に結んで形成されている。そして、4箇所の円弧部31と、各円弧部31を挟むように形成された偏心円弧部32〜35とが、所定の角度範囲毎に周方向に沿って等間隔に形成されている。具体的には、圧入孔30は、円弧部31(例えば、区間A〜B)から最も離れた位置を偏心中心(例えば、偏心中心O1)とした偏心円弧部(例えば、偏心円弧部32)が、円弧部31の両側にそれぞれ所定角度毎に連続的に連続されてなる。したがって、円弧部31以外の領域の内周縁(偏心円弧部32〜35の内周縁)と、シャフト5の外周面との間には、僅かながら隙間が生じることになる。なお、上述した円弧部31から最も離れた位置とは、中心Oを間に挟んで円弧部31(例えば、区間A〜B)の反対側の位置である(例えば、偏心中心O1)。
また、圧入孔30における偏心円弧部32〜35の形成領域には、その内周縁が径方向外側に向けて切り欠かれた複数(例えば、4つ)の切欠き部36が形成されている。これら切欠き部36は、周方向に沿って等間隔(例えば、90度毎)に形成された弧状のものであり、各偏心円弧部32〜35同士の交点(例えば、点C、E,I,L)を中心として半径R3で形成されている。具体的には、切欠き部36は、隣接する円弧部31(例えばA〜B区間及びD〜E区間)のうち、一方の円弧部31(例えば、A〜B区間)の一側に形成された偏心円弧部32(例えば、B〜C区間)と、他方の円弧部31(例えば、D〜E区間)の他側に形成された偏心円弧部35(例えば、C〜D区間)との交点を中心にして形成されている。すなわち、切欠き部36は、各偏心円弧部32〜35間を跨ぐように配置されている。
次に、上述した本実施形態における電動モータ1の製造方法について説明する。以下の説明では、特にアーマチュアコア6へのシャフト5の圧入時について説明する。
まず、図1に示すように、プレス加工により打ち抜いた複数の板材10を積層する(板材積層工程)。具体的には、各板材10の径方向における中心Oを一致させ、かつ周方向において圧入孔30の各切欠き部36を一致させた状態で、一の板材10のかえり面と他の板材10の非かえり面とを軸方向に沿って積層する。なお、各板材10の積層状態を保つために各々板材10にボス加工を施し、これらボスをカシメながら板材10を積層してもよいし、プレス加工で打ち抜かれる部分にかからないように微量の接着剤を使用して、板材10を合わせて積層してもよい。また、これらボスを形成したカシメ作業と接着剤を使用した接着作業とを併せて行ってもよい。
ところで、従来のアーマチュアコアにあっては、各板材毎の圧入孔の寸法公差のバラツキ等によって、板材毎に圧入孔のサイズに僅かながらズレが生じる結果、板材を積層した時点で径方向において僅かながら積層ズレが生じるという問題がある。積層ズレが生じると、圧入孔の周方向において圧入代のバラツキが生じるため、周方向において圧入荷重がバラツキ、アーマチュアコアとシャフトとの締結力が不十分になるという問題がある。その結果、シャフトの軸心精度が低下することで、回転バランスが低下したり、面ブレが生じたりするという問題がある。
そこで、図4に示すように、本実施形態における圧入孔30は、シャフト5の半径Rより小さい半径R1の円弧部31と、シャフト5の半径Rよりも大きい半径R2の各偏心円弧部32〜35とを連続的に結ぶことで形成されているため、従来の円形や多角形状の圧入孔に比べて径方向における積層ズレを抑えることができる。
具体的には、図5に示すように、シャフト5の半径Rよりも径方向内側への突出量を圧入代Tとすると、円弧部31は予めシャフト5の半径Rよりも小さい半径R1で設定されているため、円弧部31の範囲では圧入代Tは比較的大きくなる(図5(a)参照)。
しかしながら、図5(b)に示すように、各偏心円弧部32〜35の半径R2がR1+Qで形成されているため、径方向における積層ズレが生じた場合であっても、各偏心円弧部32〜35の内周縁がシャフト5と圧入孔30との接点よりも径方向内側に突出することを抑えることができる。そのため、円弧部31の範囲に比べてシャフト5の半径Rよりも径方向内側への突出量(圧入代T)が少なくなる。これにより、圧入孔30の周方向全体における圧入代Tのバラツキを抑えることができる。
そして、このような積層状態でシャフト5を圧入すると、圧入孔30の周方向の全周に亘ってほぼ均一に圧入荷重が作用した状態でシャフト5が圧入されていく。
ここで、シャフト5圧入時に、万が一圧入孔30の周方向において圧入代Tの大きい箇所が存在した場合には、その箇所に応力ベクトルが集中してしまう虞がある。
これに対して、本実施形態の圧入孔30には、その内周縁から径方向外側に向けて切欠き部36が形成されているため、シャフト5の圧入時の応力ベクトルを切欠き部36に向けて逃がすことができる。すなわち、圧入代Tの大きい箇所に応力ベクトルが集中した場合には、切欠き部36の形成領域のみが積極的に圧入方向に屈曲して塑性変形する。
具体的には、切欠き部36が変形して圧入孔30が若干拡径することで、応力を吸収する緩衝体として機能するため、過剰な圧入荷重を拡散させることができる。その結果、アーマチュアコア6の変形を防ぐことができる。また、シャフト5の半径Rより大きい半径で形成された偏心円弧部32〜35の形成範囲に切欠き部36を配置することで、円弧部31においてシャフト5との締結力を確保した上で、圧入荷重を効率的に切欠き部36に向けて拡散させることができる。
以上により、シャフト5がアーマチュアコア6に圧入固定される。
したがって、本実施形態によれば、圧入孔30の周方向における圧入代Tのバラツキを抑えることができるため、シャフト5の周方向の全周に亘ってほぼ均一に圧入荷重が作用した状態で、シャフト5をアーマチュアコアに圧入固定することができる。
この場合、従来のように圧入孔30のしごき工程を行う必要がないので、金型のメンテナンスや製造工程の増加することもない。
これにより、生産性の向上及び製造コストの低下を図った上で、圧入代Tのバラツキを低減し、シャフト5の軸心精度を向上させることができる。その結果、回転バランスの低下や、面ブレの発生を防止してモータ特性を向上させることができる。
また、圧入部(円弧部31)を円弧形状に形成することで、圧入部を多角形状に形成する場合に比べて圧入荷重の集中を抑えることができる。
さらに、円弧部31及び偏心円弧部32〜35が圧入孔30の周方向に沿って等間隔に形成されているため、圧入代Tのバラツキが圧入孔30の周方向においてほぼ均等になる。
したがって、シャフト5の周方向の全周に亘ってほぼ均一に圧入荷重を作用させることができるため、圧入荷重のバランスを良好な状態に維持することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、圧入部となる円弧部と、4つの偏心円弧部とにより圧入孔を形成する場合について説明したが、偏心円弧部の数は4つに限られず、4つ未満や4つを超えても構わない。但し、圧入部が円弧状の場合における偏心円弧部の数は、4の倍数であることが好ましい。
さらに、上述した実施形態では、偏心円弧部32〜35の半径R2をR2=R1+Qに設定したが、これに限らず、偏心円弧部32〜35の半径R2をR<R2≦R1+Qに形成した場合、各円弧部31と偏心円弧部32〜35との交点とを連続的に連結することで、圧入孔30を形成することができる。これにより、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上述の実施形態では、圧入孔の圧入部が円弧状に形成されている場合について説明したが、これに限らず、多角形状の圧入部と偏心円弧部とで形成するようにしてもよい。この場合においても、偏心円弧部の半径R2を、シャフトの半径をR、圧入部までの距離をR1とすると、R<R2≦R1+Qに設定することで、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
さらに、上述の実施形態では、同電位となるセグメント14同士が接続線25によって短絡されている場合において、ホルダーステー18にブラシホルダ19が2箇所形成され、このブラシホルダ19にそれぞれブラシ21が各々スプリング29を介して付勢された状態で出没自在に内装されている場合について説明した。しかしながら、同電位となるセグメント14同士が接続線25によって短絡されている場合であってもブラシホルダ19(ブラシ21)の設置箇所は2箇所に限られるものではなく、各アーマチュアコイル7に供給する電流密度の大きさによって増設することも可能である。
また、上述の実施形態では、アーマチュアコア6は、板材10を軸方向に複数枚積層したものであって、板材10の外周部にはT字型のティース9が周方向に沿って等間隔に複数個放射状に形成されている場合について説明したが、アーマチュアコア6の形状はこれに限られるものではなく、周方向に分割可能な分割コア方式であってもよいし、軸方向に対して捩れつつ傾斜するように所定のスキュー角を有しているものであってもよい。
本発明の実施形態における電動モータの縦断面図である。 本発明の実施形態における電動モータの横断面図である。 本発明の実施形態におけるアーマチュアコアの平面図である。 本発明の実施形態における圧入孔の拡大平面図である 本発明の実施形態における作用を説明するための説明図であり、(a)は図4のS1−S1線に沿う断面図であり、(b)はS2−S2線に沿う断面図である。
符号の説明
1…電動モータ
5…シャフト
6…アーマチュアコア
30…圧入孔
31…円弧部(圧入部)
32…第1偏心円弧部(偏心円弧部)
33…第2偏心円弧部(偏心円弧部)
34…第3偏心円弧部(偏心円弧部)
35…第4偏心円弧部(偏心円弧部)
36…切欠き部
O…中心
O1…第1偏心中心
O2…第2偏心中心
O3…第3偏心中心
O4…第4偏心中心
R…シャフトの半径
R1…円弧部の半径
R2…第1〜4偏心円弧部の半径

Claims (4)

  1. 回転可能に支持されたシャフトと、
    前記シャフトに圧入固定されたアーマチュアコアとを備えた電動モータにおいて、
    前記アーマチュアコアは、前記シャフトを圧入するための圧入孔を有する磁性材料の板材が複数積層されてなり、
    前記圧入孔は、前記圧入孔の周方向に沿って等間隔に配置され、前記シャフトを圧入する時に前記シャフトの外周面に接する基準となる複数の圧入部と、
    各圧入部の両側から所定角度範囲毎に形成された複数の偏心円弧部とを有し、
    各偏心円弧部は、前記圧入孔の中心からそれぞれ等しい距離Qだけ偏心させた位置を偏心中心に設定し、その半径R2は、前記シャフトの半径をR、前記中心から前記圧入部までの距離をR1とした場合に、R<R2≦R1+Qに設定され、
    前記圧入孔は、前記圧入部から最も離れた位置を前記偏心中心とした前記偏心円弧部が、前記圧入部の両側にそれぞれ連続的に連結されてなることを特徴とする電動モータ。
  2. 前記圧入部は、前記圧入孔の中心から前記シャフトの半径Rよりも小さい半径で形成された円弧部であることを特徴とする請求項1記載の電動モータ。
  3. 前記圧入孔には、その内周縁が径方向外側に向けて切り欠かれた切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電動モータ。
  4. 前記切欠き部は、隣接する前記圧入部のうち、一方の前記圧入部の一側に形成された前記偏心円弧部と、他方の前記圧入部の他側に形成された前記偏心円弧部との交点を含むように配置されていることを特徴とする請求項3記載の電動モータ。
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